以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による情報処理装置の構成例を示すブロック図である。図1に示す情報処理装置1は、情報処理機能を実現するための情報処理機能部10として、第1の制御部11と第1のプログラム記憶部12とメモリ13とを備えた情報処理装置であって、本実施形態では、情報処理機能部10とは独立して動作する、第2の制御部21と、第2のプログラム記憶部22と、デジタルテレビジョン放送受信部30と、オーディオ−ビデオ出力部40とを備えている。
第1の制御部11は、例えば、OSを読み込んで各種制御を行うCPUである。また、第1のプログラム記憶部12は、例えば、第1の制御部11にOSを読み込ませるための制御プログラム(起動ソフトウェア)を記憶するROMである。また、メモリ13は、データを記憶する各種記憶装置(RAMやHDD)である。
第2の制御部21は、第1の制御部11とは独立して設けられたテレビ機能用のプロセッサユニット(例えば、制御用マイコン)である。また、第2のプログラム記憶部22は、第1の制御部11とは独立して設けられたテレビ機能用の記憶装置である。第2のプログラム記憶部22には、第2の制御部21に読み込ませる制御プログラムおよびテレビ視聴用アプリケーションが記憶される。
デジタルテレビジョン放送受信部30(以下、デジタル放送受信部30という。)は、第2の制御部21からの指示に従い、デジタルテレビジョン放送のデータである放送データを受信し、デコードを行うユニットである。ここでは、ユニットをひとまとまりで動作するチップ、回路等の総称として用いている。
オーディオ−ビデオ出力部40(以下、AV出力部40という。)は、第2の制御部21からの指示に従い、デジタル放送受信部30がデコードして得られたAVデータまたは情報処理機能部10から出力されるAVデータを元に映像の表示および音声の再生を行う。ここでは、AVデータをオーディオ信号とビデオ信号の総称として用いている。なお、デジタル放送受信部30から出力されるAVデータと、情報処理機能部10から出力されるAVデータとが、同一フォーマットである必要はない。
図1に示すように、本実施形態では、デジタル放送受信部30とAV出力部40とは、情報処理機能部10との間でデータの受け渡しを行うための汎用のバスB1を介さないバス(TV視聴用バス)B2で接続され、直接AVデータの受け渡しを行う構成となっている。
このような構成において、第2の制御部21は、当該情報処理装置1がテレビ視聴モード(テレビ視聴のみを行うモード)で起動された場合には、デジタル放送受信部30およびAV出力部40に対して、TV視聴用バスB2を介したAVデータの受け渡しと該AVデータを元に映像の表示および音声の再生とを行わせる制御を行う。また、PCモード(情報処理機能を使用するモード。録画、再生を行うビデオモードを含む。)で起動された場合には、第2の制御部21は、第1の制御部11からの制御信号に応じて、デジタル放送受信部30からのデータの出力先の設定およびAV出力部40に処理させるAVデータの入力元の設定を含む各種制御を行う。なお、第2の制御部21は、具体的には、第2のプログラム記憶部22に記憶されている制御プログラムを読み込んで実行することにより、TV視聴用アプリケーションを読み込んだり、起動モードを判定して自律制御を行ったり、第1の制御部11からの制御信号に従った制御を行ったりする。
このような構成によって、テレビ視聴モードで起動した場合の起動時間(立ち上げてからテレビ放送が視聴できるまでに要する時間)を確実に短縮させることを可能としている。それは、情報処理機能部10を動作させずに、放送データを受信し、デコードし、AV出力部40に直接受け渡しているからである。
また、図2に示すように、さらに電源制御部23を備えていてもよい。図2は、本発明による情報処理装置の他の構成例を示すブロック図である。電源制御部23は、当該情報処理装置1が備える各種ユニットへの電力供給の有無を制御する。なお、各種ユニットは、図2に示す例では、情報処理機能部10に含まれる第1の制御部11、第1のプログラム記憶部12、メモリ13や第2の制御部21、第2のプログラム記憶部22、デジタルテレビジョン放送受信部30、オーディオ−ビデオ出力部40が該当する。なお、これらの一部に対してのみ制御を行う場合もある。電源制御部23は、テレビ視聴モードで起動された場合には、情報処理機能部10に含まれる各ユニット(本例では、第1の制御部11と第1のプログラム記憶部12とメモリ13)への電力供給を行わないよう制御する。
また、第2の制御部21は、録画の開始指示を受け付けた場合には、デジタル放送受信部30のデータの出力先として、汎用バスB1を介して接続される情報処理機能部10に含まれるメモリ13を設定する制御を行ってもよい。このような場合には、情報処理機能部10に含まれるメモリ13を利用した録画も可能となる。録画の開始指示は、例えば、ユーザ操作に応じてテレビ機能に対する制御指示を入力するTV機能用入力インタフェース(図示せず。)を介して受け付けてもよい。また、第1の制御部11からの制御信号により受け付けることも可能である。
この場合において、さらに図2に示すように、バスコントローラ24と、バッファ用メモリ25とを備えることによって、情報処理機能部10の起動を待たずに、録画を開始することも可能である。
バスコントローラ24は、少なくともデジタル放送受信部30から情報処理機能部10への汎用バスを介したデータ(ここでは、録画用データ)の送出の制御を行う。また、バッファ用メモリ24は、バスコントローラ24に用いられる一次保存用の記憶装置であって、少なくとも情報処理機能部10が動作可能になるまでの間にデジタル放送受信部30から送出されうる放送データを保持することが可能な記憶容量をもつ記憶装置である。バスコントローラ24は、例えば、デジタル放送受信部30から情報処理機能部10へのデータの送出コマンドを受け付けると、受け取り先である情報処理機能部10から受け取り可能になった旨の応答コマンドを受け取るまでの間、バッファ用メモリ25に送出データを保持させた上で、受け取り先である情報処理機能部10へのデータの排出を行う。
また、第2の制御部21は、テレビ視聴モードで起動された後で、PCモードに以降した場合には、AV出力部40に処理させるデータの入力元の設定を、TV視聴用バスを介して接続されるデジタル放送受信部30から、汎用バスを介して接続される情報処理機能部10に含まれるメモリ13に切り替える制御を行ってもよい。このような場合には、テレビ映像から直に情報処理機能部10上で動作しているOSによる表示画面へ切り替えることが可能となる。なお、情報処理機能部10上で動作しているOSによる表示画面とテレビ映像とを合成して出力するよう制御することも可能である。
以下、より具体的な実施形態について説明する。図3は、本発明の一実施形態としてのパーソナルコンピュータ1の構成例を示すブロック図である。図3に示すパーソナルコンピュータ1は、制御マイコン50と、TV起動用ROM60と、電源制御回路70と、制御ボタン・リモコンI/F80と、デジタル放送受信回路部100と、AV回路部200と、情報処理機能部300と、モニタ2と、スピーカ3とを備える。また、図示省略しているが、パーソナルコンピュータ1は、当該パーソナルコンピュータ1に電源を給電するための電源回路90を備える。本実施形態のパーソナルコンピュータ1では、デジタル放送受信回路部100よりTSデータ(放送データ)のデコード信号であるAVデータを、情報処理機能部300を経由させないTV視聴用バスB2でAV回路部200に出力可能な構成となっている。
なお、図3において、制御マイコン50は、図1および図2で示した第2の制御部21に相当する。また、TV起動用ROM60は、第2のプログラム記憶部22に相当する。また、電源制御回路70は、電源制御部23に相当する。また、デジタル放送受信回路部100は、デジタル放送受信部30に相当する。また、AV回路部200は、AV出力部40に相当する。また、情報処理機能部300は、情報処理機能部10に相当する。
また、図3に示す例では、パーソナルコンピュータ1の筐体に接続される態様でモニタ2とスピーカ3とを備える例を示しているが、一体型のように筐体内に備えていてもよい。
また、図3では、情報処理機能部300を1つのブロックで示しているが、情報処理機能部300は、一般的なパーソナルコンピュータが備える情報処理機能に必要な各種ユニットの集合体を指している。例えば、CPUや入出力装置、記憶装置といったチップ単位のものだけでなくそれらを連携させて稼働させるための回路も含む。
制御マイコン50は、主にデジタル放送受信回路部100とAV回路部200とを制御するためのマイクロコンピュータである。また、制御マイコン50は、パーソナルコンピュータ1においてテレビ視聴を情報処理機能から独立して実行可能とするための自律制御を行う。制御マイコン50は、後述するTV起動用ROMに記憶されているプログラム等(プログラムだけでなく設定値等のデータも含む。)に従って動作することにより、自律制御を含む各種制御を行う。なお、各種制御には、後述する制御ボタン・リモコンI/F80を介して入力される情報や、情報処理機能部300からの制御信号に応じて行うデジタル放送受信回路部100やAV回路部200に対する制御も含まれる。
デジタル放送受信回路部100に対する制御として、例えば、チューナに選局のためのチャンネルを設定したりする制御や、TSデータの入力元を切り替える制御や、TSデータを復調するためのデバイス(MPEGデコーダ)を初期化し、内部プログラムをIC内部に展開し実行させる制御や、CAS(認証システム)の制御を行う。また、AV回路部200に対する制御として、例えば、表示制御ICの初期化や表示位置の切り替え、拡大縮小等の制御や、音量の制御を行う。
制御信号は、制御ボタンやリモコンからTV機能を制御することと同様なことを、情報処理機能部300(具体的には、情報処理機能部300が動作させているOS上で起動しているTV機能制御用のアプリケーション)から行えるように、制御マイコン50に対して定義されたコマンド制御用の信号であればよい。
TV起動用ROM60は、制御マイコン50に読み込ませるプログラム等を記憶する記憶手段である。TV起動用ROM60が記憶するプログラム等には、例えば、情報処理機能部300からの制御信号に従ってデジタル放送受信回路部100やAV回路部200を制御する処理だけでなく、制御ボタン・リモコンI/F80から入力される信号を受け付け自律してテレビ放送を視聴するための各種処理を含んだTV視聴用アプリケーションや、そのTV視聴用アプリケーションを読み込んで実行するための制御プログラムや、TV視聴用アプリケーションや制御プログラムが参照する設定データが含まれる。
電源制御回路70は、当該パーソナルコンピュータ1が備える各種ユニットへの電源入力を制御する。電源制御回路70は、パーソナルコンピュータ1全体に電力を供給するためのメイン電源の回路である電源回路90より給電される電力の各ユニットへの入力を、起動を指示された際の動作モードに応じて制御する。例えば、パーソナルコンピュータ1の全ての機能を実行するために必要なユニットに対して電力を供給したり、テレビ視聴機能だけを実行するために必要なユニットに対して電力を供給するというように、制御対象とされた各ユニットに対する電源入力のON/OFFを切り替える。なお、電源制御回路信号70は、特に動作モードを意識せずに、動作モードに応じた信号や制御マイコン50からの制御信号等の入力ポートが取りうる値に対し予め定められたON/OFF制御を行ってもよい。
図4は、パーソナルコンピュータ1における電源制御の例を示す説明図である。図4に示すように、例えば、パーソナルコンピュータ1では、制御マイコン50とTV起動用ROM60と制御ボタン・リモコンI/F80と電源制御回路70とに対しては、電源回路90より常時給電されるよう構成し、デジタル放送受信回路部100とAV回路部200と情報処理機能部300とに対しては、電源制御回路70による電源入力のON/OFF制御に応じて電力が供給されるよう構成する。
すなわち、待機時の状態では、制御マイコン50、TV起動用ROM60、制御ボタン・リモコンI/F80および電源制御回路70に対して給電をし、その後の動作モードに応じて、デジタル放送受信回路部100、AV回路部200または情報処理機能部300それぞれに対して給電をしたりしなかったりする。
ここで、例えば、パーソナルコンピュータ1がテレビ視聴モードで起動されたとする。電源制御回路70は、本例の場合、情報処理機能部300への電力供給を行わずに、デジタル放送受信回路部100とAV回路部200とに対してのみ電力を供給するようにON/OFF制御を行えばよい。また、例えば、PCモードで起動された場合には、全て(デジタル放送受信回路部100とAV回路部200と情報処理機能部300と)に電力を供給するようにON/OFF制御を行えばよい。この場合にデジタル放送受信回路部100とAV回路部200への電力供給を自動で行なわずに、情報処理機能部300からの指示を受けた制御マイコン50からの制御信号に応じて、電力供給を行うようにしてもよい。また、テレビ視聴モードで稼働している最中に通常モードに移行する旨の指示がされた場合には、追加して情報処理機能部300へ電力を供給するようにしてもよい。
なお、動作モードは、例えば、筐体やリモコンに、テレビ機能単体の起動を指示するための電源ボタンと、情報処理機能の起動を指示するための電源ボタンとを設けておき、押された電源ボタンを区別しうる起動信号を入力することにより判定してもよい。
制御ボタン・リモコンI/F80は、筐体やリモコンに設けられたテレビ機能に対する各種制御ボタン(電源ON/OFFやチャンネル、音量等を指示するための制御ボタン)等の操作内容に応じた制御信号を入力するためのインタフェースである。制御ボタン・リモコンI/F80は、例えば、接点入力回路や赤外線信号入力回路によって実現される。
デジタル放送受信回路部100は、TSデータを受信するとともにデコードを行うユニットである。図5は、デジタル放送受信回路部100の構成例を示すブロック図である。図5に示す例では、デジタル放送受信回路部100は、デジタルチューナ110と、MPEGデコーダ120と、CASカードリーダ130(図では単に”CAS”と表示している。)とを含む。なお、これらは、デジタル放送を視聴するためのユニットとして、当業者にとってよく知られているものである。なお、デジタル放送受信回路部100の周辺機器として、図5には、Busコントローラ140と、バッファ用メモリ150と、セレクタ160とを示している。なお、本例では、これら周辺機器を含めてデジタル放送受信回路部100としている。
図5におけるBusコントローラ140は、図2で示したバスコントローラ24に相当する。また、バッファ用メモリ150は、バッファ用メモリ25に相当する。
デジタルチューナ110は、TSデータを受信する。MPEGデコーダ120は、デジタルチューナ110が受信したTSデータに対してデコード処理を行い、AVデータ(ここでは、デジタルビデオ信号とデジタルオーディオ信号と)に復元する。なお、このデコード処理には、必要に応じてB−CASカードとの認証処理も含まれる。デコード処理は、制御マイコン50による初期化制御によって当該MPEGデコーダ120に展開された内部プログラムに従って動作することにより実行される。CASカードリーダ130は、認証のための情報を記憶したB−CASカードからデータを読み出す。
Busコントローラ140は、情報処理機能部300との間でTSデータを受け渡すための汎用バスB1(例えば、USBバス等)に対して実際にTSデータを排出するためのバス制御をおこなう。本実施形態では、Busコントローラ140は、少なくとも制御マイコン50からの排出コマンドに応じて、デジタル放送受信回路部100から情報処理機能部300へTSデータ(ここでは、録画データとしてのTSデータ)の排出を行うためのバス制御において、バッファ用メモリ150を用いた一時保存処理を行う。
Busコントローラ140は、制御マイコン50からの、デジタル放送受信回路部100から情報処理機能部300へのデータの排出コマンドが発行された際に、情報処理機能部300が受け取り可能になるまでの間(すなわち、情報処理機能部300の起動時間分)、排出データであるTSデータをバッファ用メモリ150に蓄積させる。そして、情報処理機能部300から受け取り可能になった旨の通知を受けた後、実際にデータの排出を行う。なお、Busコントローラ140は、このような録画データとして情報処理機能部300に受け渡されるTSデータの一時保存処理の他に、情報処理機能部300が動作させているOS上で起動しているTV機能制御用のアプリケーションとの認証を行い、汎用バスにTSデータを出力する際の暗号化処理を行ってもよい。
また、AV回路部200は、映像の表示や音声の再生を行うユニットである。図6は、AV回路部200の構成例を示すブロック図である。図6に示す例では、AV回路部200は、映像の表示用機能として、表示制御IC210と、VIDEO信号変換回路220とを含む。また、音声の再生用機能として、ミキシング・アンプ回路250と、D−Aコンバータ260とを含む。なお、これらは、映像の表示および音声の再生を行うためのユニットとして、当業者にとってよく知られているものである。
表示制御IC210は、例えば、スケーリング処理機能を持った表示合成用制御デバイス(スケーラとも呼ばれる。)である。VIDEO信号変換回路220は、デジタル放送受信回路部100または情報処理機能部300から入力されるビデオ信号を表示制御IC210の入力フォーマット形式に変換する回路である。なお、フォーマット形式を合わせるのであれば、直接表示制御IC210に入力することも可能である。表示制御IC210は、制御マイコン50からの指示に従い、フォーマット変換されて入力されるデジタル放送受信回路部100からのビデオ信号や情報処理機能部300からのビデオ信号に対して、スケーリング処理等を行いつつ、モニタ2に入力する表示信号に変換する。表示制御IC210は、例えば、デジタル放送受信回路部100からのビデオ信号と、情報処理機能部300からのビデオ信号とを合成して、モニタ2への表示信号を生成してもよい。
また、ミキシング・アンプ回路250は、オーディオ信号のミキシングや音量制御を行う回路である。D−Aコンバータ260は、デジタル放送受信回路部100や情報処理機能部300から入力されるデジタルオーディオ信号をアナログ形式のオーディオ信号に変換する。なお、フォーマット形式を合わせるのであれば、直接ミキシング・アンプ回路250に入力することも可能である。ミキシング・アンプ回路250は、制御マイコン50からの指示に従い、フォーマット変換されて入力されるデジタル放送受信回路部100からのオーディオ信号や情報処理機能部300からのオーディオ信号に対して、ミキシングや音量制御を行い、スピーカ3に入力するオーディオ信号を生成する。ミキシング・アンプ回路250は、例えば、デジタル放送受信回路部100からのオーディオ信号と、情報処理機能部300からのオーディオ信号とを合成して、スピーカ3へのオーディオ信号を生成してもよい。
次に、本実施形態のパーソナルコンピュータ1におけるテレビ視聴方法および録画方法について説明する。
まず、テレビ視聴モードでのテレビ視聴方法について説明する。図7は、テレビ視聴モードで起動された場合の各ユニットの稼働状態の例を示す説明図である。図7では、稼働しているユニットを実線で表し、稼働していないユニットを点線で表している。
なお、図7において実線で示されているユニットのうち、制御マイコン50、TV起動用ROM60、制御ボタン・リモコンI/F80および電源制御回路70には、電源回路90に電源投入されたときに、電力が供給されている。
制御マイコン50は、電力が供給されると、TV起動用ROM60に記憶されている制御プログラムを読み込んで動作を開始する。制御マイコン50は、例えば、制御プログラムに従い、自律制御を開始する。なお、電源回路90に電源が投入されただけであれば、ユーザ操作による起動指示を受け付けるまで、待機状態でいればよい。すなわち、制御ボタン・リモコンI/F80を有効にし、制御ボタン・リモコンI/F80を介してユーザ操作による起動指示を待てばよい。
ここで、ユーザが、当該パーソナルコンピュータ1に向けてテレビ視聴モードでの起動を指示する操作をしたとする。これに対し、当該パーソナルコンピュータ1では、制御ボタン・リモコンI/F80がユーザ操作の内容を示す情報を制御マイコン50に入力する。
制御マイコン50は、制御ボタン・リモコンI/F80からユーザ操作の内容を示す情報としてテレビ視聴モードでの起動を指示する旨の情報を受け取ると、電源制御回路70を制御して、デジタル放送受信回路部100と、AV回路部200とに電力を供給させるとともに、TV視聴用アプリケーションを展開しテレビ視聴モードで実行する。例えば、動作モードをパラメータとして指定してTV視聴用アプリケーションを実行すればよい。なお、電源制御回路70は、制御マイコン50からの指示ではなく、動作モードに対応した起動信号が入力されたことを検知した場合に、起動信号に応じたユニットへ電力を供給するよう制御してもよい。
テレビ視聴モードでTV視聴用アプリケーションを実行している制御マイコン50は、TV視聴用アプリケーションに記述されたプログラムに従い、デジタル放送受信回路部100とAV回路部200を初期化する。例えば、デジタル放送受信回路部100のデジタルチューナ110に対し、初期値を設定するコマンドを発行したり、セレクタ160に対し、TSデータの入力元をデジタルチューナ110とする旨のコマンドを発行したり、MPEGデコーダ130にデコード処理(CAS制御を含む)を行わせるためのプログラムを展開し実行させたりする。
また、例えば、AV回路部200の表示制御IC210に対し、初期値を設定するコマンドを発行したり、ミキシング・アンプ回路250に対し、初期値を設定するコマンドを発行したりする。例えば、表示制御IC210およびミキシング・アンプ回路250に対する初期値に、データ源をデジタル放送受信回路部100のみとする旨の設定値を与えてもよい。
また、制御マイコン50は、デジタル放送受信回路部100とAV回路部200の間のTV視聴用バスB2も初期化する。また、Busコントローラ140に対し、少なくともデジタル放送受信回路部100からバッファ用メモリ150へのデータの排出ができるよう初期値を設定するコマンドを発行してもよい。
制御マイコン50は、初期化処理が完了すると、デジタル放送受信回路部100にTSデータの受信を開始させる。デジタル放送受信回路部100では、デジタルチューナ110がTSデータの受信を開始し、TSデータを受信すると、MPEGデコーダ120が受信したTSデータをデコードする。制御マイコン50は、MPEGデコーダ120がTSデータのデコード処理を完了したことを受けて、デコードして得られたAVデータを、TV視聴用バスB2を用いてAV回路部200に出力させるとともに、AV回路部200に映像の表示および音声の再生を開始させる。このとき、制御マイコン50は、AV回路部200を制御して、テレビ映像に、テレビ機能の現在の状態を提示するための情報(チャンネル番号等)を合成させて表示させてもよい。
AV回路部200では、VIDEO信号変換回路220が、デジタル放送受信回路部100から出力されるビデオ信号に対してフォーマット変換を行う。そして、表示制御IC210が、フォーマット変換されたビデオ信号に対して、スケーリング処理等を行いつつ、表示信号に変換してモニタ2に出力する。
また、AV回路部200では、上記ビデオ信号処理に並行して、D−Aコンバータ250が、デジタル放送受信回路部100から出力されるオーディオ信号をアナログ信号に変換する。そして、ミキシング・アンプ回路240が、アナログ信号に変換されたオーディオ信号に対して、ミキシングや音量制御を行い、スピーカ3に出力する。このようにして、情報処理機能部300を用いずに、テレビ放送を視聴可能にする。
また、図8は、PCモードで起動された場合の各ユニットの稼働状態の例を示す説明図である。図8でも、稼働しているユニットを実線で表し、稼働していないユニットを点線で表している。なお、待機状態に移行するまでは、動作モードに関わらず同様である。
ここで、ユーザが、当該パーソナルコンピュータ1に向けてPCモードでの起動を指示する操作をしたとする。これに対し、当該パーソナルコンピュータ1では、制御ボタン・リモコンI/F80がユーザ操作の内容を示す情報を制御マイコン50に入力する。
制御マイコン50は、ユーザ操作の内容を示す情報としてPCモードでの起動を指示する旨の情報を受け取ると、電源制御回路70を制御して、情報処理機能部300とAV回路部200とに電力を供給させるとともに、TV視聴用アプリケーションを展開しPCモードで実行する。なお、電源制御回路70は、制御マイコン50からの指示ではなく、動作モードに対応した起動信号が入力されたことを検知した場合に、起動信号に応じたユニットへ電力を供給するよう制御してもよい。また、制御マイコン50は、情報処理機能部300からの制御信号に従って動作するよう記述されたPCモード用のアプリケーションを展開して実行するようにしてもよい。
PCモードでTV視聴用アプリケーションを実行している制御マイコン50は、情報処理機能部300からの制御信号を受け付ける状態に移行する。なお、制御ボタン・リモコンI/F80を介したユーザ操作の情報については、引き続き直接制御マイコン50で受け付けるようにしてもよいし、情報処理機能部300で受け付けさせて、情報処理機能部300からの制御信号として受け付けるようにしてもよい。
情報処理機能部300では、電力が供給されると、通常の立ち上げ動作を開始すればよい。例えば、情報処理機能部300のBIOSによってCPUにOSを展開し実行させる。ここで、OSによる初期化処理の一部として、制御マイコン50に対して、AV回路部200の初期化要求コマンド(制御信号)が発行される。
制御マイコン50は、情報処理機能部300からAV回路部200の初期化要求コマンドを受け取ると、AV回路部200を初期化する。例えば、AV回路部200の表示制御IC210に対し、初期値を設定するコマンドを発行したり、ミキシング・アンプ回路250に対し、初期値を設定するコマンドを発行したりする。例えば、表示制御IC210およびミキシング・アンプ回路250に対する初期値に、データ源を情報処理機能部300のみとする旨の設定値を与えてもよい。
以降は、情報処理機能部300からのAVデータ排出コマンドを受け付ける度に、情報処理機能部300からのAVデータを、AV回路部200に処理させればよい。
AV回路部200では、VIDEO信号変換回路220が、情報処理機能部300から出力されるビデオ信号に対してフォーマット変換を行う。そして、表示制御IC210が、フォーマット変換されたビデオ信号に対して、スケーリング処理等を行いつつ、表示信号に変換してモニタ2に出力する。なお、情報処理機能部300から表示制御IC210に合わせたフォーマット形式でビデオ信号が入力される場合には、VIDEO信号変換回路220の動作は省略される。
また、AV回路部200では、上記ビデオ信号処理に並行して、D−Aコンバータ250が、情報処理機能部300から出力されるオーディオ信号をアナログ信号に変換する。そして、ミキシング・アンプ回路240が、アナログ信号に変換されたオーディオ信号に対して、ミキシングや音量制御を行い、スピーカ3に出力する。なお、情報処理機能部300からアナログ信号のオーディオ信号が入力される場合には、D−Aコンバータ250の動作は省略される。このようにして、情報処理機能部300からのAVデータを元にした、映像表示や音声再生を可能にする
また、図9は、テレビ機能と情報処理機能とを両方動作させる場合の各ユニットの稼働状態の例を示す説明図である。図9でも、稼働しているユニットを実線で表し、稼働していないユニットを点線で表している。なお、待機状態に移行するまでは、動作モードに関わらず同様である。
ここで、ユーザが、当該パーソナルコンピュータ1に向けてテレビ機能と情報処理機能とを両方動作させるモード(以下、兼用モードという。)での起動を指示する操作をしたとする。これに対し、当該パーソナルコンピュータ1では、制御ボタン・リモコンI/F80がユーザ操作の内容を示す情報を制御マイコン50に入力する。
制御マイコン50は、ユーザ操作の内容を示す情報として兼用モードでの起動を指示する旨の情報を受け取ると、電源制御回路70を制御して、デジタル放送受信回路部100とAV回路部200と情報処理機能部300とに電力を供給させるとともに、TV視聴用アプリケーションを展開し兼用モードで実行する。なお、電源制御回路70は、制御マイコン50からの指示ではなく、動作モードに対応した起動信号が入力されたことを検知した場合に、起動信号に応じたユニットへ電力を供給するよう制御してもよい。また、制御マイコン50は、制御ボタン・リモコンI/F80を介してユーザ操作の情報と、情報処理機能部300からの制御信号とに従って動作するよう記述された兼用モード用のアプリケーションを展開して実行するようにしてもよい。
兼用モードでTV視聴用アプリケーションを実行している制御マイコン50は、制御ボタン・リモコンI/F80を介したユーザ操作だけでなく、情報処理機能部300からの制御信号を受け付ける状態に移行した上で、即座にデジタル放送受信回路部100とAV回路部200の初期化処理を開始する。例えば、デジタル放送受信回路部100のデジタルチューナ110に対し、初期値を設定するコマンドを発行したり、セレクタ160に対し、TSデータの入力元をデジタルチューナ110とする旨のコマンドを発行したり、MPEGデコーダ130にデコード処理(CAS制御を含む)を行わせるためのプログラムを展開させ実行させたりする。
また、例えば、AV回路部200の表示制御IC210に対し、初期値を設定するコマンドを発行したり、ミキシング・アンプ回路250に対し、初期値を設定するコマンドを発行したりする。なお、表示制御IC210およびミキシング・アンプ回路250に対する初期値には、データ源をデジタル放送受信回路部100と情報処理部300の両方として、それらを合成させる旨の設定値を与えてもよい。なお、情報処理機能部300の起動処理が完了するまでは、データ源をデジタル放送受信回路部100のみとする設定値を与えておいてもよい。なお、固定で両方の画面を表示させるといった仕様であれば、情報処理機能部300の起動処理が完了するまでは、情報処理機能部300用に割り当てた領域を黒色等で表示させておくための初期データを設定しておけばよい。
また、制御マイコン50は、デジタル放送受信回路部100とAV回路部200の間のTV視聴用バスB2も初期化する。また、Busコントローラ140に対し、少なくともデジタル放送受信回路部100からバッファ用メモリ150へのデータの排出ができるよう初期値を設定するコマンドを発行してもよい。
制御マイコン50は、初期化処理が完了すると、デジタル放送受信回路部100にTSデータの受信を開始させる。デジタル放送受信回路部100では、デジタルチューナ110がTSデータの受信を開始し、TSデータを受信すると、MPEGデコーダ120が受信したTSデータをデコードする。制御マイコン50は、MPEGデコーダ120がTSデータのデコード処理を完了したことを受けて、デコードして得られたAVデータを、TV視聴用バスB2を用いてAV回路部200に出力させるとともに、AV回路部200に映像の表示および音声の再生を開始させる。
AV回路部200では、VIDEO信号変換回路220が、デジタル放送受信回路部100から出力されるビデオ信号に対してフォーマット変換を行う。そして、表示制御IC210が、フォーマット変換されたビデオ信号に対して、スケーリング処理等を行いつつ、表示信号に変換してモニタ2に出力する。
また、AV回路部200では、上記ビデオ信号処理に並行して、D−Aコンバータ250が、デジタル放送受信回路部100から出力されるオーディオ信号をアナログ信号に変換する。そして、ミキシング・アンプ回路240が、アナログ信号に変換されたオーディオ信号に対して、ミキシングや音量制御を行い、スピーカ3に出力する。このようにして、情報処理機能部300の起動を待たずに、テレビ放送を視聴可能にする。
そして、情報処理機能部300の初期化処理が進み、制御マイコン50に、情報処理機能部300からAV回路部200の初期化要求コマンドが発行される。制御マイコン50は、既にAV回路部200の初期化を行っているので、特に何もしなくてもよい。なお、AV回路部200に対し、デジタル放送受信回路部100からのデータ(テレビ映像)と情報処理機能部300からのデータ(表示画面データ)とを合成させるための制御を行ってもよい。また、合成ではなくデータ源を切り替えるよう制御を行うことも可能である。このようにして、情報処理機能部300の起動を待たずに、テレビ放送を視聴可能にするとともに、情報処理機能部300が起動した後は、情報処理機能部300と連携して映像の表示と音声の再生とを行うことが可能となる。
なお、兼用モードもPCモードの一部として考え、情報処理機能部300が起動した後は、情報処理機能部300からの制御信号のみを受け付ける状態に移行してもよい。制御ボタン・リモコンI/F80を介したユーザ操作の情報については、情報処理機能部300で受け付けさせて、情報処理機能部300からの制御信号として受け付ければよい。
また、図10は、録画・再生を行う場合の各ユニットの稼働状態の例を示す説明図である。図10でも、稼働しているユニットを実線で表し、稼働していないユニットを点線で表している。なお、本例では、テレビ視聴モードで稼働中に録画の開始が指示された場合を例に説明する。なお、テレビ視聴モードでの起動処理は、図7を例に説明した場合と同様でよい。
ここで、ユーザが、当該パーソナルコンピュータ1に向けて録画の開始を指示する操作をしたとする。これに対し、当該パーソナルコンピュータ1では、制御ボタン・リモコンI/F80がユーザ操作の内容を示す情報を制御マイコン50に入力する。
制御マイコン50は、ユーザ操作の内容を示す情報として録画の開始を指示する旨の情報を受け取ると、情報処理機能部300が未起動であれば、電源制御回路70を制御して、情報処理機能部300に電力を供給させるとともに、デジタル放送受信回路部100が受信したTSデータを情報処理機能部300に含まれるハードディスク等の記憶媒体に保持させるべく、Busコントローラ140に対し排出コマンドを発行する。Busコントローラ140は、制御マイコン50から排出コマンドが発行された際に、情報処理機能部300が受け取り可能でない場合には、バッファ用メモリ150に蓄積させる。そして、情報処理機能部300から受け取り可能になった旨の通知を受けた後、実際にデータの排出を行う。バッファ用メモリ150に、情報処理機能部300の起動時間分のTSデータを蓄積できるだけの記憶容量をもたせることで、スムーズな録画への移行を可能にしている。
なお、情報処理機能部300に含まれるハードディスク等の記憶媒体に保持させたTSデータの再生は、ユーザからの再生操作に応じて、制御マイコン50を経由した情報処理機能部300からの指示に応じて、デジタル放送受信回路部100にて復元されデコード信号としてAV回路部200に入力すればよい。
以上のように、本実施形態によれば、TSデータの受信用回路だけでなく、TSデータの復元用の回路と映像音声信号の合成回路とを情報処理機能部とは独立に設け、制御信号を制御マイコン経由で行うようにしているので、テレビ視聴を単独で(情報処理機能部を用いずに)行うことが可能である。従って、デジタル放送を視聴可能な情報処理装置において、確実に起動時間を短縮させることが可能である。また、情報処理機能部による表示画面とTVの表示画面とを合成させることも容易である。また、デジタル放送を視聴するのに必要でないユニットに対して電源制御を行うことにより、電力消費の無駄をなくすことができる。
また、録画の際には、情報処理機能部のメモリを利用することで、装置全体で必要な記憶容量が増加することを防いでいる。また、その上で、バスコントローラを制御し、バッファ用メモリを利用することで、単独の視聴状態から情報処理機能部を起動した場合であっても、その起動時間を待たずに録画を開始することが可能である。
なお、上記実施形態では、情報処理装置にテレビ機能を組み込んだ例において、起動時間の短縮を確実に行うよう構成した例を示したが、本発明では、テレビ機能と情報処理機能との独立性を高めることに着目をしたことにより、図11に示すように、単独でテレビ視聴可能にするための構成要素を、液晶ディスプレイ等の表示装置に実装する形態も可能である。図11は、本発明によるディスプレイ装置の構成例を示すブロック図である。なお、図11に示す例は、図1に示した情報処理装置1と対比させた構成例として示している。
すなわち、情報処理機能を実現するための情報処理機能部10として、第1の制御部11と、第1の制御プログラム記憶部12と、メモリ13とを備えた情報処理装置1と組み合わせて用いられるディスプレイ装置1aが、第2の制御部21と、第2のプログラム記憶部22と、デジタル放送受信部30と、AV出力部40とを備える。なお、各構成要素の機能は、図1で示した構成要素と同様である。
本実施形態では、情報処理機能部10とのインタフェース(具体的には、第2の制御部21との制御信号のインタフェース、デジタル放送受信部30との放送データのインタフェース、AV出力部40とのAVデータのインタフェース)を、USB等の一般的な情報処理装置との汎用バスにて構成する。
このような構成によって、テレビ機能を有しない情報処理装置を、テレビ機能を有する情報処理装置にすることができる。
本実施形態によれば、ディスプレイ装置に情報処理装置本体と連携可能にテレビ機能を組み込み、録画データの保存先に情報処理装置本体の記憶メディアを利用することで、情報処理装置用のモニタとして用いつつ、単独でのテレビ視聴と、本体が備える記憶メディアへの録画とを行うことができる。例えば、単独でのテレビ視聴が可能ないわゆる液晶テレビの場合、テレビ本体にハードディスク等の記憶媒体を有することで録画が可能になるが、録画データに対し細かな制御はできない。しかし、本発明を用いれば、情報処理装置を使った細かな制御が可能になる。なお、ディスプレイ装置でのテレビ視聴にかかる起動時間は、情報処理装置本体の起動を要しないことから、液晶テレビ相当の時間ですむ。