JP2009253247A - 真空吸着装置用吸着体及び真空吸着装置 - Google Patents

真空吸着装置用吸着体及び真空吸着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、吸着体の被吸着体載置面に段差がなく、かつ著しく良好な吸着力を有する真空吸着装置用吸着体、及び該吸着体を備えた真空吸着装置を提供するものである。
【解決手段】本発明は、平均気孔径が2〜5μmであり、かつ気孔率が30〜40%であるセラミック製平板から成る真空吸着装置用吸着体であって、該平板の少なくとも外周面の一部が、封孔剤により被覆されていることを特徴とする吸着体、及びセラミック製多孔質平板から成る吸着体(9)と該吸着体を載置する基盤(1)とを備え、かつ該基盤が、吸着体載置面に吸気溝(3)を有すると共に、該吸気溝と連通しかつ基盤外表面へと続く吸気通路(6)を基盤内部に有するところの真空吸着装置であって、該吸着体(9)が、上記真空吸着装置用吸着体であることを特徴とする装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミック製多孔質平板から成る真空吸着装置用吸着体及び該吸着体を備えた真空吸着装置に関する。
半導体ウエハー及びガラス基板等の研削加工及び研磨加工並びに精密測定は、通常、真空吸着装置を使用して、これら半導体ウエハー及びガラス基板等を吸着体の被吸着体載置面に固定することにより実施されている。従来、該吸着体は中央部の吸着部とその周囲の支持部とにより構成されている(特許文献1及び2)。吸着部を構成する材料としては、例えば、多孔質セラミック、焼結プラスチック等の多孔質物質が使用されており、かつ支持部を構成する材料としては、例えば、金属、緻密質セラミック等が使用されている。
かかる従来の吸着体において、通常、吸着部を構成する多孔質物質は支持部を構成する材料と比較して硬度が低い。従って、研削加工、研磨加工等を施すと吸着部がより多く削られて、吸着部と支持部との間に僅かな段差が生じる。故に、吸着体の被吸着体載置面の全体を平坦な面に仕上げることは容易ではなかった。
吸着部と支持部とから構成される吸着体に、大外形の半導体ウエハー及びガラス基板等の被吸着体を吸着させると、これら被吸着体の一部が支持部にまで達する。従って、吸着部と支持部との間に僅かな段差が存在すると、吸着部の吸着面とこれらの被吸着体との間に隙間が生じ、良好な吸着が得られないことがあった。一方、被吸着体の外形が、吸着部の面積に比べて小さ過ぎたり、又は被吸着体が大きなスルーホールを備えていたりすると、吸着部の開放面積が大きくなり、良好な吸着が得られないことがあった。これらの問題に対処するために、吸着部の面積が異なる種々の真空吸着装置を準備するか、又は、吸着部の開放部分を何らかの手段を用いて都度塞ぐという対策が採られていた。
特開平8-19927号公報 特開2007-253284号公報 特願2007-106728号
本発明は、吸着体の被吸着体載置面に段差がなく、かつ著しく良好な吸着力を有する真空吸着装置用吸着体、及び該吸着体を備えた真空吸着装置を提供するものである。
本発明者は、従来の真空吸着装置用吸着体に存在する、吸着部と支持部との間に僅かな段差が生じ吸着体の被吸着体載置面全体を平坦な面に仕上げることが容易ではないという問題を解決すべく、種々の検討を行った。その結果、吸着体が、従来必須とされていた支持部を備えず、吸着部のみから構成されることができれば、吸着体の被吸着体載置面全体を平坦な面に仕上げる得ることに思い至った。
一方、従来の吸着体の支持部は吸着部を支えるという働きばかりではなく、多孔質物質から構成される吸着部の外面を覆うことで、吸着部の吸着力を高く維持するという働きをも有していた。従って、単に支持部を取り除いただけでは、吸着体本来の作用である高い吸着力を維持することはできない。
そこで、本発明者は更に検討を続けた結果、吸着部の平均気孔径を所定の値、即ち、従来の真空吸着装置用吸着体の平均気孔径の1/3〜1/10程度に設定すれば、吸着体から支持部を取り除いても、吸着部の高い吸着力を保持し得ることを見出し、平均気孔径が2〜5μm、気孔率が30〜40%の平板状多孔質セラミックから成ることを特徴とする真空吸着装置用吸着体を出願した(特許文献3)。
本発明者は、上記の真空吸着装置用吸着体に、より一層良好な吸着力を付与すべく、更なる検討を続けた。その結果、封孔剤により、上記の平板状多孔質セラミックの外表面を被覆することに思い至った。封孔剤を使用すれば、非常に薄い被覆により、多孔質セラミックの外表面に存在する孔を十分に封じることができる。従って、吸着体に、より一層良好な吸着力を付与することができるばかりではなく、多孔質セラミックとの硬度差を考慮する必要がなく、吸着体の被吸着体載置面全体を平坦な面に仕上げる得ることを見出した。
即ち、本発明は
(1)平均気孔径が2〜5μmであり、かつ気孔率が30〜40%であるセラミック製平板から成る真空吸着装置用吸着体であって、該平板の少なくとも外周面の一部が、封孔剤により被覆されており、かつ該封孔剤被覆厚が0.05〜2mmであることを特徴とする吸着体である。
好ましい態様として、
(2)封孔剤による被覆が、該平板の外周面に施されているところの上記(1)記載の吸着体、
(3) 封孔剤による被覆が、該平板の外周面及び他の一面に施されているところの上記(1)記載の吸着体、
(4)平板外周面の封孔剤被覆厚が、0.05〜1mmであるところの上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の吸着体、
(5)平板外周面の封孔剤被覆厚が、0.05〜0.5mmであるところの上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の吸着体、
(6)封孔剤が、ガラス質物質及び樹脂より成る群から選ばれるところの上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の吸着体、
(7)ガラス質物質が、ガラス粉末、水ガラス及び無機質コーティング剤より成る群から選ばれるところの上記(6)記載の吸着体、
(8)樹脂が、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン及び熱硬化性ポリイミドより成る群から選ばれるところの上記(6)記載の吸着体、
(9)平均気孔径が、2.5〜4μmであるところの上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の吸着体、
(10)気孔率が、30〜35%であるところの上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の吸着体
を挙げることができる。
また、本発明は、
(11)セラミック製多孔質平板から成る吸着体(9)と該吸着体を載置する基盤(1)とを備え、かつ該基盤(1)が、吸着体載置面(2)に吸気溝(3)を有すると共に、該吸気溝(3)と連通しかつ基盤外表面へと続く吸気通路(6)を基盤内部に有するところの真空吸着装置であって、該吸着体(9)が、上記(1)〜(10)のいずれか一つに記載の吸着体であることを特徴とする装置である。
好ましい態様として、
(12)吸気通路(6)が、基盤外周表面へと続くところの上記(11)記載の装置
を挙げることができる。
本発明の吸着体は、被吸着体載置面全体に段差がなく平滑であり、かつ著しく小さな平均気孔径及び所定の気孔率を有し、加えて外表面の一部が封孔剤により被覆されている。従って、被吸着体の大きさ、外形及びスルーホールの有無等の影響を受けることがなく、常に、著しく良好な吸着力を有する。また、本発明の吸着体は、従来必須であった支持部を必要としない。従って、吸着体の加工精度を高め得るばかりではなく、軽量化が可能であり、かつ吸着体を容易かつ安価に製造し得る。加えて、本発明の吸着体は多孔質セラミック及び著しく薄い封孔剤被覆から構成されている故、加熱による熱膨張の相違に伴う歪を考慮する必要がなく、高温下における被吸着体の加工が可能である。
本発明の真空吸着装置用吸着体における平均気孔径の上限は5μm、好ましくは4μmであり、下限は2μm、好ましくは2.5μmである。上記上限を超えると、空気吸引量が多くなり過ぎて、吸着力が低下し、上記下限未満では、空気吸引量が不足して、同様に吸着力が低下する。ここで、該平均気孔径は、水銀圧入式ポロシメータにより測定した値である。
気孔率の上限は40%、好ましくは35%であり、下限は30%である。上記上限を超えると、被吸着体載置面の表面平滑性が低下し、上記下限未満では、吸着力が低下する。ここで、該気孔率は、JIS-C2141(電気絶縁用セラミック材料試験方法)に規定された吸水率の測定(アルキメデス法)に準拠して測定した値である。
セラミック製平板を構成するセラミックは、特に限定されるものではないが、より精密な加工が可能であり、かつ表面平滑度を高め得ることから、好ましくは快削性多孔質セラミックが使用される。快削性多孔質セラミックの中でも、ワラストナイト系多孔質体、ポーラスアルミナ、ポーラスシリカが気孔径、気孔率及び加工性の観点からより好ましい。ワラストナイト系多孔質体及びその製造法は公知であり、詳しくは特公平4-21632号公報に記載されている。
本発明の真空吸着装置用吸着体を構成するセラミック製平板は、少なくとも外周面の一部が封孔剤により被覆されている。被覆部分は、吸着体の使用態様により相違するが、吸着体を基盤上に載置して使用する態様においては、セラミック製平板の外周面の一部又は全部を被覆することが好ましい。一方、基盤に載置せずに吸着体のみで使用する態様においては、セラミック製平板の外周面及び他の一面の一部又は全部を被覆することが好ましい。該被覆により、著しく良好な吸着力を達成することができる。
吸着体外周面の封孔剤被覆厚は、良好な吸着力が達成される限り特に制限はない。外周面の封孔剤被覆厚は、上限が好ましくは2.0mm、より好ましくは1.0mm、更に好ましくは0.5mmであり、下限が好ましくは0.05mmである。上記上限を超えると、セラミック製平板との間に段差が生じて被吸着体載置面全体を平坦にすることができないことがあり、吸着力の低下を招く可能性がある。一方、上記下限未満では、セラミック製平板の外周面に存在する孔を十分に塞ぐことができないことがあり、同様に吸着力の低下を招く可能性がある。吸着体外周面以外の面の封孔剤被覆厚も、良好な吸着力が達成される限り特に制限はない。封孔剤被覆厚の上限及び下限は、外周面の封孔剤被覆厚と同じであることが好ましい。
封孔剤としては、公知のものを使用することができ、好ましくはガラス質物質及び樹脂より成る群から選ばれる。ガラス質物質としては、例えば、ガラス粉末、水ガラス、テトラエトキシシラン等の無機質コーティング剤等が挙げられる。また、樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
吸着体外表面を封孔剤により被覆する方法を、吸着体外周面の被覆を例に挙げて説明する。まず、吸着体外周面に封孔剤を厚さ0.05〜2.0mmとなるように塗布する。ここで、封孔剤の塗布は、例えば、吸着体の外周面以外の面にマスキングを施し、次いで、刷毛又はスプレーを使用して封孔剤を塗布し、そして、適宜、封孔剤の厚さをマイクロメータ、ノギス又は三次元測定機を使用して測定し、所定の封孔剤厚さが得られるように刷毛又はスプレーによる塗布を繰り返すことにより実施することができる。次いで、封孔剤を塗布した吸着体を空気又は不活性ガス雰囲気下にある加熱炉内に装入して加熱処理を施し、封孔剤を硬化する。加熱処理の温度及び時間は、使用した封孔剤の種類により異なるが、ガラス質物質である無機系封孔剤を使用した場合には、例えば、300〜1000℃及び0.5〜3時間が好ましく、樹脂である有機系封孔剤を使用した場合には、例えば、50〜100℃及び1〜5時間が好ましい。もちろん、硬化は加熱処理によるものに限定されることはなく、封孔剤中に存在する硬化剤の作用により自然硬化することも可能である。このようにして得られた被覆の厚さは0.05〜2.0mmとなる。該厚さは、上記と同様にマイクロメータ、ノギス又は三次元測定機により測定することができる。
セラミック製平板から成る真空吸着装置用吸着体の形状に、特に制限はなく、例えば、円形、楕円形、四角形、その他の多角形の形状を採り得る。好ましくは被吸着体の形状に合わせることができる。
本発明の真空吸着装置用吸着体は、通常、基盤に載置して使用される。セラミック製平板から成る吸着体は、好ましくは接着剤を使用して基盤の載置面に固定される。基盤は、好ましくは、空気不透過性のセラミック、金属等で形成されている。以下、該態様の一例を図1及び2に基づいて説明する。
図1及び2は、円形の基盤(1)の吸着体載置面(2)に円形のセラミック製多孔質平板から成る吸着体(9)を載置し、かつ吸着体(9)の被吸着体載置面に被吸着体(11)を載置した状態を表す図面である。セラミック製多孔質平板はその外周面に封孔剤による被覆(10)が施されている。図1は平面図であり、図2は図1に示されたA-A線に沿う断面図[真空ポンプ入口側配管(5)は図示せず]である。基盤(1)は、吸着体(9)を載置する吸着体載置面(2)を有しており、吸着体載置面(2)には、吸気溝(3)が備えられている。図1及び2において、吸気溝(3)は、基盤(1)の中心から同心円状に存在する3本の円形の溝と、この円形の溝に交差し、基盤(1)の中心から半径方向に伸びる4本の直線状の溝とから構成されている。基盤(1)の内部には、吸気通路(6)が備えられている。吸気通路(6)の一端は、基盤(1)の中心において吸気溝(3)と連通しており、他の一端は、基盤外周面へと続いて開口部(4)を形成している。開口部(4)において、吸気通路(6)は、連結具(7)を介して真空ポンプ入口側配管(5)に接続されている。真空ポンプ入口側配管(5)は真空ポンプ(8)の吸引側に接続されている。
真空ポンプ(8)を起動すると、吸着体(9)及び基盤(1)の内部に存在する空気が真空ポンプ(8)により吸引されて、吸着体(9)の孔、吸気溝(3)、吸気通路(6)、真空ポンプ入口側配管(5)、真空ポンプ(8)、次いで、真空ポンプ排気口という空気の流れが生ずる。そして、それにより吸着体(9)に吸着力が発生し、被吸着体(11)が、吸着体(9)の被吸着体載置面に固定される。
図1及び2に示した態様において、セラミック製多孔質平板から成る吸着体(9)並びに基盤(1)及び吸着体載置面(2)の形状はいずれも円形であるが、これらの形状は円形に限定されることはなく、種々の形状を採ることができる。例えば、上記のように楕円形、四角形、その他の多角形の形状を採り得る。また、吸気溝(3)も、図1に示された態様に限られず、同心円状の溝及び半径方向に伸びる溝の本数は適宜決定することができる。また、同心円状の溝を設けず、半径方向に伸びる溝のみで構成することも可能である。吸気通路(6)も、その一端で吸気溝(3)に連通していればよい。また、吸気通路(6)の他の一端は、基盤の外表面へと通じて開口部を形成していればよく、外周面以外の他の面において開口していてもよい。
以下、実施例において本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[実施例1〜8及び比較例1〜3]
各実施例及び比較例において使用した材料及び装置等は下記の通りである。
<材料>
ワラストナイト : FPW#800 (商標) 、キンセイマテック株式会社製
タルク : PSハイセラタルク (商標) 、ソブエクレー商事株式会社製
ネフェリン : MINEX#3 (商標)
、稲垣鉱業株式会社製
バインダー : エスレックKW-10 (商標) 、積水化学工業株式会社製
分散剤 : ポリスターA-1060 (商標)
、日油株式会社製
封孔ガラス : 粉末ガラスGA-12
(商標) 、日本電気硝子株式会社製
<装置>
マシニングセンター : 株式会社牧野フライス製作所製V33
平面研削盤 : 岡本工作機械製PSG63
三次元測定機 : 株式会社ミツトヨ製BRT707
<その他>
エポキシ系接着剤 : SG-EPO (商標) 、セメダイン株式会社製
メイルコネクター : 株式会社チヨダ製M5×0.8
真空ポンプ : DOP・80S (商標) 、株式会社アルバック製(排気量88L/min)
(多孔質セラミックの製造)
ワラストナイト、タルク及びネフェリンを、夫々、100質量部、10質量部及び10質量部の割合で混合した。次いで、バインダー4質量部、分散剤1質量部及び水120質量部を更に配合して、完全に混合されるまでよく攪拌した。このようにして得られたスラリー状混合物を、スプレードライヤーを使用して乾燥し顆粒を得た。得られた顆粒の径は約100μmであった。この顆粒を、成型圧力49MPaで一軸成型機により板状(360mm×360mm×25mm)に成形し、次いで、最高温度1210℃で2時間、大気雰囲気下に焼成して、ワラストナイト系多孔質セラミックを製造した。
ワラストナイト系多孔質セラミックの製造において、ロットの異なる二種類のワラストナイトを使用した。その結果、得られたワラストナイト系多孔質セラミックの平均気孔径は、夫々、2.6μm及び3.4μmであった。気孔率はいずれも32%であった。
(吸着体の製造)
得られた平均気孔径が2.6μm及び3.4μmであり、かつ気孔率が32%の二種類のワラストナイト系多孔質セラミックを使用して吸着体を製造した。
これらの多孔質セラミックに、マシニングセンターにてφ15ダイヤモンド電着軸付砥石を用いた切削加工を施し、直径210mm×厚さ20mmの円形の平板を製造した。
該平板の外周面全体に、封孔剤としての封孔ガラスを、刷毛を使用して塗布し、次いで、690℃で1時間空気雰囲気下に加熱処理を実施した。加熱処理後の封孔剤被覆厚は0.5mmであった。ここで、該封孔剤被覆厚は、三次元測定機により測定したものである。
封孔ガラスで外周面全体が被覆されたワラストナイト系多孔質セラミック製平板に、平面研削盤にてレジンダイヤモンド砥石を用いた研削加工を施し、該平板の厚さを10mmとし、かつ平面度を10μmとした。平面度は三次元測定機を使用して測定した値である。
別途、封孔剤被覆厚が、夫々、0.05mm、0.1mm及び1.0mmである3種類のワラストナイト系多孔質セラミック製平板を、上記と同様にして製造した。また、封孔剤による被覆が施されていないワラストナイト系多孔質セラミック製平板1個を、上記と同様にして製造した。これらは、平均気孔径が異なる二種類のワラストナイト系多孔質セラミック毎に製造された。また、封孔剤被覆厚が3.0mmのワラストナイト系多孔質セラミック製平板を、平均気孔径が2.6μmのワラストナイト系多孔質セラミックのみにより製造した。
(基盤の製造)
ステンレス鋼(SUS304、直径250mm×厚さ25mmの円形平板)に、平面研削盤にてレジンダイヤモンド砥石を用いた研削加工を施し、直径250mm、厚さ20mm及び平面度20μmのステンレス鋼製の円形平板を製造した。平面度は上記と同じく三次元測定機を使用して測定した値である。次いで、該平板に、マシニングセンターにてφ15超硬エンドミルを用いた切削加工を施し、直径を212mmとした。
次いで、該平板に、マシニングセンターにてφ4mm超硬ドリルを用いて、該平板の上面から10mm下の位置における外周面から中心に向けて、直径4mmの円形の吸気通路を水平に開けた。
次いで、該平板の吸着体載置面となる部分に、マシニングセンターにてφ5mm超硬エンドミルを用いた切削加工を施し、幅5mm、深さ2mmの矩形断面を有する吸気溝を形成した。吸気溝は、図1に示したように、中心から同心円状に等間隔で存在する3本の円形の溝と、この円形の溝に交差し、中心から半径方向に伸びる4本の直線状の溝とから構成されている。更に、中心から垂直に直径5mmの円形の吸気通路を形成し、吸気溝と吸気通路の水平部分とを連通させた。次いで、吸気通路の外周面開口部にM5深さ6mmのタップ加工を施した。得られた基盤は、図1及び2に示した基盤と同一の形状である。
(真空吸着装置の組立)
上記のようにして製造した吸着体を、上記基盤の吸着体載置面にエポキシ系接着剤を使用して固定した。次いで、吸気通路の外周面開口部にメイルコネクター(連結具)を取り付け、真空ポンプとメイルコネクターを内径4mm、外径6mmのウレタンチューブ(真空ポンプ入口側配管)で連結した。
(吸着体の被吸着体載置面の平面度の測定)
上記のようにして製造した、2種類の異なる平均気孔径を有するワラストナイト系多孔質セラミックの11種類の吸着体について、その被吸着体載置面の平面度を、三次元測定機を使用して測定した。
(吸着力測定)
上記のようにして製造した11種類の吸着体について、夫々、吸着力を測定した。測定は、吸着体の被吸着体載置面の右半分をアクリル板で覆い、左半分を解放した状態で真空ポンプ(8)を起動して吸引した。逐次、真空度を測定し、一定となった時の真空度を測定して吸着力とした。ここで、真空度は真空ポンプ入口側配管(5)に取り付けた真空計により測定したものである。
上記の測定結果を、下記表1及び表2に示す。
Figure 2009253247
Figure 2009253247
[比較例4及び5]
この比較例において使用した材料及び装置等は下記の通りである。
<材料>
吸着体A : アルミナ質多孔質体FWA600
(商標) 、富士ケミカル株式会社製
吸着体B : アルミナ質多孔質体MP060
(商標) 、富士ケミカル株式会社製
封孔ガラス : 粉末ガラスGA-12
(商標) 、日本電気硝子株式会社製
<装置その他>
マシニングセンター、平面研削盤、三次元測定機、エポキシ系接着剤、メイルコネクター及び真空ポンプは、いずれも上記の実施例1で使用したものと同一である。
吸着体の製造、基盤の製造及び真空吸着装置の組立は、上記の実施例1と同一にして実施した。また、吸着体の被吸着体載置面の平面度の測定及び吸着力測定も、上記の実施例1と同一にして実施した。
測定結果を下記の表3に示す。
Figure 2009253247
実施例1〜4は、本発明の範囲内で封孔剤被覆厚を変化させたものである。いずれも吸着力は著しく良好であった。一方、封孔剤を被覆しなかった比較例1では、ある程度高い吸着力が得られたものの、実施例1〜4における吸着力に及ぶものではなかった。比較例2は、封孔剤被覆厚が3mmのものである。被吸着体載置面の平面度が低く、吸着力が著しく低下した。
実施例5〜8及び比較例3は、実施例1〜4及び比較例1〜2より平均気孔径の大きい吸着体を使用したものである。上記と同様の結果が得られた。
比較例4及び5は、現在市販されている吸着体を使用したものである。これらの吸着体は、平均気孔径及び気孔率共に本発明の範囲を超えており、外周面に0.5mmの封孔剤被覆を施しても、その吸着力は著しく悪いものであった。
本発明の吸着体は、被吸着体載置面全体に段差がなく平滑であり、かつ著しく小さな平均気孔径及び所定の気孔率を有し、加えて外表面の一部が封孔剤により被覆されている故、半導体ウエハー及びガラス基板等の被吸着体の大きさ、外形及びスルーホールの有無等の影響を受けることがない。従って、あらゆる形状の半導体ウエハー及びガラス基板等の研削加工及び研磨加工並びに精密測定に効果的に利用することができる。
円形の基盤(1)の吸着体載置面(2)に円形のセラミック製多孔質平板から成る吸着体(9)を載置し、かつ吸着体(9)の被吸着体載置面に被吸着体(11)を載置した状態を表す平面図である。 図1に示されたA-A線に沿う断面図である。
符号の説明
1 基盤
2 吸着体載置面
3 吸気溝
4 開口部
5 真空ポンプ入口側配管
6 吸気通路
7 連結具
8 真空ポンプ
9 吸着体
10 封孔剤による被覆
11 被吸着体

Claims (3)

  1. 平均気孔径が2〜5μmであり、かつ気孔率が30〜40%であるセラミック製平板から成る真空吸着装置用吸着体であって、該平板の少なくとも外周面の一部が、封孔剤により被覆されており、かつ該封孔剤被覆厚が0.05〜2mmであることを特徴とする吸着体。
  2. 封孔剤が、ガラス質物質及び樹脂より成る群から選ばれるところの請求項1記載の吸着体。
  3. セラミック製多孔質平板から成る吸着体(9)と該吸着体を載置する基盤(1)とを備え、かつ該基盤(1)が、吸着体載置面(2)に吸気溝(3)を有すると共に、該吸気溝(3)と連通しかつ基盤外表面へと続く吸気通路(6)を基盤内部に有するところの真空吸着装置であって、該吸着体(9)が、請求項1又は2記載の吸着体であることを特徴とする装置。
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