JP2009253053A - ヒートシンクの製造方法およびヒートシンク - Google Patents

ヒートシンクの製造方法およびヒートシンク Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な形状のヒートシンクであっても容易に製造することができるヒートシンクの製造方法、および、かかる製造方法により製造され、機械的強度および放熱特性に優れたヒートシンクを提供すること。
【解決手段】本発明のヒートシンクの製造方法は、末端がイソシアネート基で終端化されているプレポリマー2と、水系分散液に金属粉末を懸濁してなるスラリー3とを用意する原料準備工程と、成形型6のキャビティ61内で、プレポリマー2とスラリー3とを混合することにより、発泡・架橋させ、その後、離型することにより、ヒートシンクの形状に成形された中間体4を得る中間体製造工程と、中間体4を脱脂して脱脂体を得る脱脂工程と、脱脂体を焼結させることにより、複数の気泡が互いに連結してなる連続気泡を含む発泡金属材料で構成されたヒートシンクを得る焼結工程とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ヒートシンクの製造方法およびヒートシンクに関するものである。
電子機器や電気機器には、IC(Integrated Circuit)等の半導体装置やそれを備えた回路基板が搭載されている。これらの半導体装置や回路基板は、通電によって発熱するため、この熱を放熱させる必要がある。このため、電子機器や電気機器では、発熱部分にヒートシンクを取り付けることによって、発熱部分を放熱させ、半導体装置や回路基板が耐熱温度以上に昇温するのを防止している。
ところが、近年、電子機器や電気機器の高性能化、小型化が進んでおり、それに伴って半導体装置や回路基板の高集積化、小型化の傾向が顕著になってきている。このため、半導体装置や回路基板の単位面積における発熱量も増大しており、ヒートシンクによる放熱が追い付かなくなっている。
このため、ヒートシンクを大型化して熱容量を稼ぐことによって、発熱源の放熱効率を高めることが行われている。しかしながら、ヒートシンクが大型化することによって、電子機器や電気機器の小型化が妨げられるという問題がある。
かかる問題に対し、一部に多孔体(発泡金属材料)を用いることにより、放熱効率を高めたヒートシンクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このようなヒートシンクは、一般に、多孔体が所定の形状になるように、多孔体の母材に対して切削加工を施すことによって作製される。このため、切削加工に多大な手間を要するとともに、複雑な加工ができないという問題がある。また、多孔体に対して切削加工を施したときには、多孔体が緻密体に比べて機械的強度に劣るため、亀裂や欠損の発生を招くおそれがある。
特開2006−165165号公報
本発明の目的は、複雑な形状のヒートシンクであっても容易に製造することができるヒートシンクの製造方法、および、かかる製造方法により製造され、機械的強度および放熱特性に優れたヒートシンクを提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のヒートシンクの製造方法は、末端がイソシアネート基で終端化されているプレポリマーと、水系分散媒に金属粉末を懸濁してなるスラリーとを用意する原料準備工程と、
所定の形状のキャビティを有する成形型の前記キャビティ内で、前記プレポリマーと前記スラリーとを混合して反応させることにより、前記プレポリマーを架橋させるとともに発泡させ、その後、離型することにより、前記所定の形状に成形された中間体を得る中間体製造工程と、
前記中間体に脱脂処理を施して脱脂体を得る脱脂工程と、
前記脱脂体を焼結して、焼結体を得る焼結工程とを有することを特徴とする。
これにより、機械的強度および放熱特性に優れ、かつ複雑な形状のヒートシンクであっても容易に製造することができる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記中間体は、板状またはブロック状をなす吸熱部と、該吸熱部より比表面積が大きい形状をなす放熱部とを有することが好ましい。
これにより、吸熱部は、発熱体に対して十分に広い面積で密着可能である。このため、発熱体が有する熱を、ヒートシンク側に効率よく吸熱することができる。また、放熱部は、吸熱部において吸収した熱を効率よく外部に放出することができる。したがって、このような吸熱部および放熱部を備えるヒートシンクは、発熱体の熱を特に効率よく放熱することができる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記放熱部は、フィン構造を有することが好ましい。
これにより、放熱部の比表面積が特に広くなるので、ヒートシンクの放熱性が顕著になる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記中間体の前記放熱部における空孔率が、前記中間体の前記吸熱部における空孔率よりも大きくなるように、前記プレポリマーの前記発泡に伴う膨張率を制御することが好ましい。
これにより、放熱部の空孔率が吸熱部の空孔率よりも大きくなる。その結果、吸熱部は、比較的緻密で熱吸収性、熱伝導性に優れたものとなり、一方、放熱部は、比較的空疎で比表面積が大きく、放熱性に優れたものとなる。このため、発熱体が持つ熱を、特に効率よく放熱し得るヒートシンクが得られる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記放熱部に対応するキャビティに供給した前記プレポリマーの前記発泡に伴う膨張率が、前記吸熱部に対応するキャビティに供給した前記プレポリマーの前記発泡に伴う膨張率よりも大きくなるように、前記各キャビティに供給する前記プレポリマーの供給量を調整することが好ましい。
これにより、単に各キャビティに供給するプレポリマーの供給量を適宜設定することのみで、得られる中間体の放熱部において、中間体の吸熱部よりも膨張を進行させることができる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記中間体製造工程と前記脱脂工程との間に、前記中間体に機械加工を施す工程を有することが好ましい。
中間体は、脱脂体や、脱脂体を焼結してなる焼結体に比べて、柔軟性、靭性に優れるとともに、硬度が低い。このため、中間体製造工程と脱脂工程との間に、中間体に機械加工を施す工程を設けることにより、脱脂体や焼結体に加工を施す場合に比べて、所望の形状への加工を容易かつ高精度に行うことができる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記金属粉末は、Al、Ti、FeおよびCuのうちの少なくとも1種を主成分とするものであることが好ましい。
これらの金属成分は、熱伝導率が高く、かつ機械的強度にも優れている。このため、ヒートシンクを構成する発泡金属材料が、多数の空孔を内包するような機械的強度において不利な形状をなしていても、十分な機械的強度を有するとともに、冷媒との熱交換効率に優れたヒートシンクが得られる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記プレポリマー中の前記イソシアネート基の含有率は、3〜26質量%であることが好ましい。
これにより、プレポリマーは、スラリーと接触した際に、スラリーに対する十分な反応性を有するものとなる。また、このプレポリマーとスラリーとが反応してなる中間体は、適度な機械的強度と柔軟性とを併せ持つものとなり、最終的に、高い機械的強度と高い空孔率とを両立させたヒートシンクが得られる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記プレポリマーは、ポリイソシアネートとポリオールとの混合物で構成されるものであることが好ましい。
これにより、プレポリマーは、優れた反応性と、優れた機械的特性とを併せ持つものとなる。したがって、中間体製造工程において、プレポリマーとスラリーとの反応性を高めることができ、最終的に、機械的特性に優れたヒートシンクが得られる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記ポリイソシアネートは、芳香族系ポリイソシアネートであることが好ましい。
芳香族系ポリイソシアネートは、反応性が特に高く、ポリオールと反応することによって機械的強度に優れた化合物が得られる。このため、ポリイソシアネートとして芳香族系ポリイソシアネートを用いることにより、中間体の機械的強度および保形性を高めることができ、最終的に、機械的強度および寸法精度に優れたヒートシンクが得られる。また、芳香族系ポリイソシアネートは、安価で入手が容易であるという利点も有する。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記ポリオールは、酸化エチレンユニットを少なくとも60モル%含むポリエーテル系ポリオールであることが好ましい。
酸化エチレンユニットを少なくとも60モル%含むポリエーテル系ポリオールは、エーテル鎖を含んでいるため屈曲性に富み、低温特性に優れている。このため、ポリオールとしてポリエーテル系ポリオールを用いることにより、低温下であっても保形性に優れた中間体を得ることができる。また、親水性の酸化エチレンユニットを含むため、得られるプレポリマーは親水性を示し、多量の水分を含むスラリーとの混合が容易となり、また発泡安定性に優れる。さらに、ポリエーテル系ポリオールは、酸化による分子鎖の切断が起き易いことから、熱分解によって容易に除去することができる。これにより、中間体を脱脂した際に、速やかな脱脂が可能な中間体を得ることができる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記プレポリマーにおいて、前記ポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル数は、前記ポリオール中の活性水素基のモル数に対して、1.1〜10倍であることが好ましい。
これにより、プレポリマー中において、ポリオール中の活性水素基よりイソシアネート基が確実に過剰な状態となる。その結果、プレポリマーは、中間体製造工程において、スラリー中の水に対して確実に反応することができる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記金属粉末を構成する金属材料は、その比重が10以下のものであることが好ましい。
これにより、金属粉末は、スラリー中において水系分散媒に容易に懸濁することができる。これにより、金属粉末の分離・沈降が生じ難いスラリーを得ることができる。その結果、中間体製造工程において、プレポリマーとスラリーとを混合した際に、プレポリマーとスラリーとをムラなく混合することができ、全体が均質な中間体、ひいてはヒートシンクを得ることができる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記金属粉末は、アトマイズ法により製造されたものであることが好ましい。
これにより、微細で粒度分布の狭い(粒径の揃った)金属粉末が効率よく得られる。したがって、スラリーがアトマイズ法で製造された金属粉末を含んでいることにより、金属粉末が均一に懸濁したスラリーが得られる。また、アトマイズ法によれば、より球形に近い形状の金属粉末を得ることができる。これにより、スラリーは流動性の高いものとなる。その結果、プレポリマーとスラリーとを混合する際の作業性の向上を図ることができる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記金属粉末の平均粒径は、0.5〜30μmであることが好ましい。
これにより、スラリー中において、金属粉末が水系分散媒に容易に懸濁することができる。これにより、金属粉末の分離・沈降が特に生じ難いスラリーが得られる。その結果、中間体製造工程において、プレポリマーとスラリーとを混合した際に、プレポリマーとスラリーとをムラなく混合することができ、全体が均質な中間体、ひいてはヒートシンクを得ることができる。また、機械的強度を高めつつ、より微細な三次元網目構造を構築可能な中間体を得ることができる。したがって、最終的に表面積が特に大きく、かつ機械的強度に特に優れたヒートシンクを得ることができる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記プレポリマーと前記スラリーとの混合比は、前記プレポリマー中のイソシアネート基のモル数をnとし、前記スラリー中の水のモル数をnとしたとき、n/nが6.5〜390を満足する比率であることが好ましい。
これにより、イソシアネート基と水とが必要かつ十分に反応し、最終的に、機械的強度に優れたヒートシンクが得られる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記脱脂工程における脱脂条件は、温度300〜700℃×0.1〜10時間であることが好ましい。
これにより、金属粉末を焼結させることなく、中間体中から樹脂成分(有機成分)を確実に分解・除去することができる。その結果、脱脂体中に樹脂成分が必要以上に多量に残留するのを確実に防止することができ、ヒートシンク中に樹脂成分が残留するのを確実に防止することができる。
本発明のヒートシンクの製造方法では、前記焼結工程における焼結条件は、温度950〜1250℃×0.1〜10時間であることが好ましい。
これにより、金属粉末を確実に焼結させるとともに、過焼結を防止することができる。
本発明のヒートシンクは、末端がイソシアネート基で終端化されているプレポリマーと、水系分散媒に金属粉末を懸濁してなるスラリーとを用意し、これらの混合物を、所定の形状のキャビティを有する成形型内で反応させることにより、前記プレポリマーを架橋させるとともに発泡させ、その後、離型することにより、前記所定の形状に成形された中間体を得た後、前記中間体に熱処理を施し、前記中間体を脱脂および焼結させることによって製造されたものであり、
複数の気泡が互いに連結してなる連続気泡を含む発泡金属材料で構成されたことを特徴とする。
これにより、機械的強度および放熱特性に優れたヒートシンクが得られる。
本発明のヒートシンクでは、前記発泡金属材料の空孔率は、70〜99.5%であることが好ましい。
これにより、ヒートシンクにおける比表面積の増大と機械的強度の向上との両立を図ることができる。
本発明のヒートシンクでは、前記発泡金属材料の圧縮強度は、1MPa以上であることが好ましい。
これにより、ヒートシンクは十分な機械的強度を有するものとなるため、例えば、ヒートシンク中の空孔に高圧の冷媒を供給したとしても、ヒートシンクが容易に破壊してしまうのを防止することができる。
本発明のヒートシンクでは、前記発泡金属材料は、前記金属粉末の粒子同士が連結し、三次元の網目構造を構築してなるものであることが好ましい。
これにより、隣接する網目構造同士が相互に補強し合うように作用するため、いかなる方向から外力を加えたとしても、網目構造が応力の局所集中を防止することができる。その結果、ヒートシンクを構成する発泡金属材料は、低密度(軽量)であるにもかかわらず、金属材料に特有の高い機械的特性と熱伝導性とを示す材料となる。
以下、本発明のヒートシンクの製造方法およびヒートシンクについて、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のヒートシンクの製造方法およびヒートシンクの各第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のヒートシンクの製造方法の第1実施形態を示す工程図、図2は、本発明のヒートシンクの製造方法の第1実施形態を説明するための図である。なお、以下の説明では、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すヒートシンクの製造方法は、末端がイソシアネート基で終端化されているプレポリマー2と、水系分散媒に金属粉末を懸濁してなるスラリー3とを用意する原料準備工程[A]と、成形型のキャビティ内で、プレポリマー2とスラリー3とを混合して反応させることにより、プレポリマー2を架橋させるとともに発泡させ、その後、離型することにより、所定の形状に成形された中間体4を得る中間体製造工程[B]と、中間体4に対して熱処理を施すことにより、この中間体4を脱脂して脱脂体5を得る脱脂工程[C]と、脱脂体5を焼結させる焼結工程[D]とを有する。これにより、ヒートシンク1が得られる。以下、各工程について順次説明する。
[A]原料準備工程
まず、中間体4の原料として、プレポリマー2とスラリー3とを用意する。
このうち、プレポリマー2は、前述したように、末端がイソシアネート基で終端化されたものである。
このようなプレポリマー2は、末端がイソシアネート基で終端化されたプレポリマーであれば、いかなるものでもよいが、例えば、ポリイソシアネート(多官能イソシアネート)とポリオールとの混合物で構成される。すなわち、このプレポリマー2は、ポリイソシアネートとポリオールとを混合することにより作製することができる。このようなプレポリマーは、優れた反応性と、優れた機械的特性とを併せ持つものとなる。したがって、後述する中間体製造工程において、プレポリマー2とスラリー3との反応性を高めることができ、最終的に、機械的特性に優れた発泡金属材料、およびこの材料で構成されたヒートシンク1が得られる。
ポリイソシアネートは、1分子中にイソシアネート基(−NCO)を2個以上有する化合物である。一方、ポリオールは、1分子中に活性水素基(水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基等)を2個以上有する化合物である。これらポリイソシアネートとポリオールとを混合すると、ポリイソシアネート中のイソシアネート基とポリオール中の活性水素基とが反応して、プレポリマー2が形成される。
ここで、本発明で用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、トリフェニル−メタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、ベンゼン−1,3,5−トリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート、ジフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシレンジイソシアネート、クロロフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、キシレン−α,α’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレン−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−スルホニルビス(フェニルイソシアネート)、4,4’−メチレンジ−オルソ−トリイソシアネート、エチレンジイソシアネート、エチレンジイソチオシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、これらのポリイソシアネートとしては、代表的に、芳香族系ポリイソシアネートと脂肪族系ポリイソシアネートとが知られている。
また、これらの中でも、ポリイソシアネートは、芳香族系ポリイソシアネートであるのが好ましい。芳香族系ポリイソシアネートは、反応性が特に高く、ポリオールと反応することによって機械的強度に優れた化合物が得られる。このため、中間体4の機械的強度および保形性を高めることができ、最終的に、機械的強度および寸法精度に優れたヒートシンク1が得られる。また、芳香族系ポリイソシアネートは、安価で入手が容易であるという利点も有する。
また、本発明で用いられるポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチンジオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシエチレンテトロール、ポリオキシエチレンヘキソール、ポリオキシエチレンオクトールのようなポリエーテル系ポリオール、ポリ(ブチレンアジペート)ジオールのようなアジペート系ポリオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオールのようなカプロラクトン系ポリオール等のポリエステル系ポリオール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオールのようなポリカーボネート系ポリオール等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの中でも、ポリオールは、酸化エチレンユニットを少なくとも60モル%含むポリエーテル系ポリオールであるのが好ましい。ポリエーテル系ポリオールは、エーテル鎖を含んでいるため屈曲性に富み、低温特性に優れている。このため、ポリオールとして上述したようなポリエーテル系ポリオールを用いることにより、低温下であっても保形性に優れた中間体4を得ることができる。また、酸化エチレンユニットを少なくとも60モル%含むポリエーテル系ポリオールは、親水性の酸化エチレンユニットを含むため、得られるプレポリマーは親水性を示し、多量の水分を含むスラリーとの混合が容易となり、また発泡安定性に優れる。さらに、ポリエーテル系ポリオールは、酸化による分子鎖の切断が起き易いことから、熱分解によって容易に除去することができる。これにより、速やかな脱脂が可能な中間体4を得ることができる。
また、このようなポリオールの重量平均分子量は、特に限定されないが、200〜20000程度であるのが好ましく、600〜6000程度であるのがより好ましい。
さらに、後述するように、中間体4が三次元網目構造の発泡体を構成できるようにするため、前記イソシアネート基末端プレポリマーの製造には、架橋剤として、多官能性であってかつイソシアネート基と反応性を有するものを使用してもよい。そのような架橋剤として、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリレン−2,4,6−トリアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ヒドラジントリエタノールアミン、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、ニトリロトリ酢酸、クエン酸、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)等が挙げられる。それらの中でも、グリセリン、トリメチロールプロパンが広く使用されており好ましいものである。
また、プレポリマー2において、ポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル数は、ポリオール中の活性水素基のモル数に対して、1.1〜10倍程度であるのが好ましく、1.5〜5倍程度であるのがより好ましい。これにより、プレポリマー2中において活性水素基よりイソシアネート基が確実に過剰な状態となる。その結果、プレポリマー2は、後述する中間体製造工程において、スラリー3中の水に対して確実に反応することができる。なお、ポリオール中の活性水素基としては、前述したように、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基等が挙げられる。
このようなポリイソシアネートとポリオールとを混合することによりプレポリマー2が作製されるが、この混合は、イソシアネート基が水分と不活性になる雰囲気下で行うのが好ましく、具体的には、イソシアネート基が不活性になる窒素雰囲気下で行うのが好ましい。
また、ポリイソシアネートとポリオールとの混合は、ポリイソシアネートとポリオールとを各種混合機、各種攪拌機等に投入し、混合・攪拌することによって行われる。
なお、ポリイソシアネートとポリオールとを混合する際の温度は、特に限定されないものの、好ましくは40〜140℃程度、より好ましくは50〜120℃程度とされる。また、混合時間は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜10時間程度、より好ましくは1〜5時間程度とされる。
以上のようにしてプレポリマー2が得られる。
なお、本発明で用いられるプレポリマー2は、前述したように、末端がイソシアネート基で終端化されていればよいが、このイソシアネート基の割合(NCO%)は、3〜26質量%程度であるのが好ましく、5〜15質量%程度であるのがより好ましい。これにより、プレポリマー2は、後述する中間体製造工程においてスラリー3と接触した際に、スラリー3に対する十分な反応性を有するものとなる。また、このプレポリマー2とスラリー3とが反応してなる中間体4は、適度な機械的強度と柔軟性とを併せ持つものとなり、最終的に、高い機械的強度と高い空孔率とを両立させたヒートシンク1が得られる。
一方、スラリー3は、金属粉末と水とを含む液体、換言すれば、水系分散媒に金属粉末を懸濁(分散)してなる分散液である。
このうち、金属粉末は、最終的にヒートシンク1を構成する発泡金属材料の原料となる粉末である。
かかる金属粉末を構成する材料としては、例えば、Fe、Ni、Co、Cr、Mn、Zn、Pt、Au、Ag、Cu、Pd、Al、W、Ti、Ta、V、Mo、Nb、Zr、Pr、Nd、Smのような金属、または、これらの1種または2種以上の金属を含む合金(例えば、ステンレス鋼、Fe−Ni合金)や金属間化合物等が挙げられる。
このうち、金属粉末の構成材料としては、特に、Al、Ti、FeおよびCuのうちの少なくとも1種を主成分とするものが好ましい。これらの金属成分は、熱伝導率が高く、かつ機械的強度にも優れている。このため、これらの金属成分を主成分とする発泡金属材料は、多数の空孔を内包するような機械的強度において不利な形状をなしていても、十分な機械的強度を有するとともに、冷媒との熱交換効率に優れたヒートシンク1が得られる。
また、このようなヒートシンク1は、耐熱衝撃性に優れたものとなる。このため、ヒートシンク1に急激に冷媒が流れ込むことによって、ヒートシンク1が急激に冷却される場合でも、ヒートシンク1が熱衝撃によって破壊されるのを確実に防止することができる。
なお、金属粉末を構成する金属材料には、特に、その比重が10以下であるものが好ましく、8以下であるものがより好ましい。このような比較的比重の軽い金属材料で構成された粉末であれば、スラリー3中において水系分散媒に容易に懸濁することができる。これにより、金属粉末の分離・沈降が生じ難いスラリー3を得ることができる。その結果、後述する中間体製造工程において、プレポリマー2とスラリー3とを混合した際に、プレポリマー2とスラリー3とをムラなく混合することができ、全体が均質な中間体4、ひいてはヒートシンク1を得ることができる。
また、金属粉末の平均粒径は、0.5〜30μm程度であるのが好ましく、1〜20μm程度であるのがより好ましい。平均粒径を前記範囲に設定された金属粉末であれば、スラリー3中において水系分散媒に容易に懸濁することができる。これにより、金属粉末の分離・沈降が特に生じ難いスラリー3が得られる。その結果、後述する中間体製造工程において、プレポリマー2とスラリー3とを混合した際に、プレポリマー2とスラリー3とをムラなく混合することができ、全体が均質な中間体4を得ることができる。また、機械的強度を高めつつ、より微細な三次元網目構造を構築可能な中間体4を得ることができる。したがって、最終的に表面積が特に大きく、すなわち、放熱効率が特に高く、かつ機械的強度に特に優れたヒートシンク1を得ることができる。
このような金属粉末には、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、高速回転水流アトマイズ法のようなアトマイズ法、還元法、カルボニル法、粉砕法等、いかなる方法で製造されたものでも用いることができるが、特にアトマイズ法により製造されたものが好ましく用いられる。アトマイズ法によれば、微細で粒度分布の狭い(粒径の揃った)金属粉末が効率よく得られる。したがって、スラリー3がアトマイズ法で製造された金属粉末を含んでいることにより、金属粉末が均一に懸濁したスラリー3が得られる。
また、アトマイズ法によれば、より球形に近い形状の金属粉末を得ることができる。これにより、金属粉末の流動性が向上し、スラリー3は流動性の高いものとなる。その結果、プレポリマー2とスラリー3とを混合する際の作業性の向上を図ることができる。
具体的には、金属粉末の各粒子のアスペクト比の平均値は、0.5〜1であるのが好ましく、0.7〜1であるのがより好ましい。これにより、金属粉末の流動性が特に向上するとともに、各粒子間の充填性も特に高くなる。その結果、最終的に、ヒートシンク1の機械的特性を特に高めることができる。なお、各粒子のアスペクト比とは、各粒子の短径を長径で除した値である。
一方、水は、プレポリマー2中のイソシアネート基と接触すると反応して、二酸化炭素等のガスを発生させる。このガスにより、プレポリマー2とスラリー3との混合物が発泡し、外部空間と連通する空孔が混合物中に生成される。また、プレポリマー2とスラリー3との反応によって生じる反応生成物の作用により、混合物が架橋する。
本発明に用いられる水としては、特に限定されず、純水、イオン交換水、水道水、RO水が挙げられる。
また、スラリー3中には、金属粉末と水以外に、その他の成分を含んでいてもよい。
[B]中間体製造工程
次に、プレポリマー2とスラリー3とを混合する。これにより、前述したように、プレポリマー2中のイソシアネート基とスラリー3中の水とが反応して、二酸化炭素等のガスが発生する。このガスがプレポリマー2とスラリー3との混合物から外部空間に抜け出ることにより、混合物中に気泡が生成される。これにより、この混合物が発泡する。また、プレポリマー2とスラリー3との反応によって生じる反応生成物(例えば、一級アミン等)の作用により、プレポリマー2とスラリー3との混合物中に、ウレタン結合、ウレア(尿素)結合、ビュレット結合、アロファネート結合、イソシアヌレート結合等が生成されるとともに、これらの結合が三次元的に架橋する。これにより、プレポリマー2とスラリー3との混合物が架橋して三次元の網目構造を形成し、中間体4が製造される。
かかる中間体4は、金属粉末を含む樹脂材料が三次元の網目構造を構築し、いわゆるスポンジ状の形態をなすものとなる。そして、かかる網目構造を有する中間体4を用いることにより、最終的に、金属粉末の粒子同士が連結してなる三次元の網目構造を有し、等方性の機械的特性を有する優れた発泡金属材料で構成されたヒートシンク1が得られる。
ここで、プレポリマー2とスラリー3との混合は、プレポリマー2とスラリー3とを、各種混合機、各種攪拌機、各種押出機等に投入して行うことができる。
プレポリマー2とスラリー3とを混合する際、プレポリマー2とスラリー3との混合比は、プレポリマー中のイソシアネート基のモル数をnとし、スラリー3中の水のモル数をnとしたとき、n/nが6.5〜390を満足する比率であるのが好ましく、20〜200を満足する比率であるのがより好ましい。プレポリマー2とスラリー3との混合比を前記範囲内に設定することにより、イソシアネート基と水とが必要かつ十分に反応し、最終的に、機械的強度に優れたヒートシンク1が得られる。
また、イソシアネート基は、特に金属材料に対して高い反応性を示す。これは、セラミックス材料やガラス材料等に比べて、金属材料の表面には、より高密度で水酸基(OH基)が露出していることに起因するものであると考えられる。すなわち、金属粉末の表面に水酸基が高密度に存在していると、プレポリマー2とスラリー3とを混合したときに、プレポリマー2と金属粉末との親和性が高くなる。このため、プレポリマー2と金属粉末とを均一かつ十分に混合することができ、気泡がほぼ均一に分布してなるヒートシンク1を得ることができる。そして、このように気泡がほぼ均一に分布してなるヒートシンク1は、応力が局所的に集中し難い構造となるため、機械的特性が特に高いものとなる。
また、プレポリマー2とスラリー3とを混合した混合物を作製する際、混合物の水を除く質量に対する金属粉末の質量の割合は、50〜90質量%程度であるのが好ましく、70〜85質量%程度であるのがより好ましい。金属粉末の割合が前記範囲内になるように、スラリー3中の金属粉末の割合を調整したり、プレポリマー2とスラリー3との混合比を調整することにより、中間体4中において、金属粉末の含有率が最適化される。これにより、中間体4は、成形後の保形性および機械的強度に優れたものとなる。その結果、かかる中間体4を、後述する脱脂工程および焼結工程を経て得られるヒートシンク1は、寸法精度および機械的強度に優れたものとなる。
なお、プレポリマー2とスラリー3とを混合する際の温度は、特に限定されないものの、好ましくは40〜140℃程度、より好ましくは50〜120℃程度とされる。
また、前述した原料準備工程において用意するプレポリマー2では、ポリイソシアネートの一部とポリオールの一部とを反応させておき、本中間体製造工程において、残りのポリイソシアネートとポリオールとを反応させるようにしてもよい。
また、この中間体製造工程では、プレポリマー2とスラリー3とを混合する際に、さらに界面活性剤を混合するのが好ましい。これにより、中間体4中に生成される空孔がより微細で均一なものとなる。すなわち、界面活性剤が整泡剤として機能する。
このような界面活性剤としては、いかなる界面活性剤をも用いることができるが、例えば、各種陰イオン(アニオン)性界面活性剤、各種陽イオン(カチオン)性界面活性剤、各種両性界面活性剤、各種非イオン(ノニオン)性界面活性剤等を用いることができる。
このうち、特に非イオン性界面活性剤が好ましく用いられる。具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルのようなエステル型、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのようなエーテル型の他、これらを組み合わせたエステル・エーテル型の各種非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、界面活性剤は、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物系界面活性剤であるのが好ましい。これにより、界面活性剤の混合の有無や混合量を調整することによって、中間体4中に生成される空孔がさらに微細で均一なものとなる。
このようなポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物系界面活性剤としては、例えば、プルロニックL−62(BASF社製)等が挙げられる。
また、この中間体製造工程では、プレポリマー2とスラリー3とを混合する際に、さらにプレポリマー2とスラリー3との反応を促進する触媒を混合するのが好ましい。これにより、プレポリマー2とスラリー3との反応がより速やかに進むこととなり、反応に要する時間を短縮することができる。また、低温下であっても、プレポリマー2とスラリー3とを確実に反応させることができる。
このような触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、スタナス−2−エチルヘキソエート、鉄−アセチルアセトネートのような有機金属系触媒、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、ジメチルエタノールアミン(DMEA)、N−メチルジエタノールアミン(MDEA)、モノメチルエタノールアミン(MMEA)、ジグリコールアミン(DGA)、2−(2−アミノエトキシ)エタノールのようなアミン系触媒、各種アミン塩等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このうち、特に三級アミン触媒が好ましい。三級アミン触媒は、特に微細で均一な発泡を確実に促進させることから、触媒として効果的に用いられる。
なお、触媒の混合量は、プレポリマー2の質量に対して、好ましくは0.005〜0.2質量%程度とされる。
さらに、中間体製造工程では、これらの界面活性剤や触媒の他に、鎖延長剤、架橋剤、可塑剤、離型剤等の添加剤を混合してもよい。
なお、上記の界面活性剤、触媒、各種添加剤は、本中間体製造工程で混合してもよいが、あらかじめ、プレポリマー2およびスラリー3のいずれか一方または双方に添加しておいてもよい。
また、本中間体製造工程により得られた中間体4を所望の形状に成形する場合には、図2(a)に示すように、成形型6のキャビティ61内において、プレポリマー2とスラリー3とを混合する。これにより、プレポリマー2が膨張し、キャビティ61内に充填される。その結果、図2(b)に示すように、キャビティ61内の形状(ヒートシンクの形状)が反映された形状の中間体4が得られる。
次いで、図2(c)に示すように、成形された中間体4を成形型6から脱型する(離型する)。これにより、所望の大きさおよび形状に成形された中間体4を得ることができる。その結果、最終的に、様々な大きさや形状のヒートシンク1を容易に得ることができる。
このようにして得られた中間体4は、最終的に得られるヒートシンク1の形状と相似の形状である。このような中間体4の形状は、いかなる形状であってもよいが、例えば、板状、ブロック状とされる。
図2(c)で得られる中間体4は、板状またはブロック状をなす吸熱部41と、この吸熱部41より比表面積が大きい形状をなす放熱部42とを有する形状をなしている。
吸熱部41は、ブロック状(板状)をなしているため、発熱体に対して十分に広い面積で密着可能である。このため、発熱体が有する熱を、ヒートシンク1側に効率よく吸熱することができる。一方、図2(c)に示す放熱部42は、比表面積が大きいフィン構造を有している。このため、吸熱部41において吸収した熱を、放熱部42から効率よく外部に放出することができる。したがって、最終的に得られる、吸熱部41と放熱部42とを備えるヒートシンク1は、発熱体の熱を特に効率よく放熱することができる。
なお、中間体4の成形に用いる成形型6は、キャビティ61の一部が開放されたものでもよいが、図2(b)に示すように、キャビティ61が閉空間になった成形型6であれば、形成すべき形状の中間体4を確実に得ることができる。また、プレポリマー2の発泡に伴って、プレポリマー2とスラリー3との混合物の体積が増大する。このとき、キャビティ61が閉空間になっていると、中間体4は、周囲から圧縮されるような圧力が付与された状態で架橋する。これにより、中間体4の密度がやや増大するとともに空孔率が低下する。したがって、キャビティ61の容積を適宜設定することにより、最終的にヒートシンク1の密度および空孔率を調整することができる。
また、キャビティ61に供給するプレポリマー2とスラリー3との混合物の供給量を適宜設定することによっても、最終的に得られるヒートシンク1の密度および空孔率を調整することができる。
また、中間体4の成形に用いる成形型は、プレポリマー2とスラリー3との混合物を充填した後、プレポリマー2とスラリー3との反応に伴って、キャビティの容積が徐々に増大するような「キャビティ容積可変機構」を有するものでもよい。このような機構を用いることにより、中間体4の密度を所望の密度に制御することができる。
なお、中間体4を成形する場合、その成形寸法は、後述する脱脂工程および焼結工程における中間体4の収縮分を見込んで決定される。
また、必要に応じて、中間体4を乾燥させる。これにより、中間体4中に残存した水分を除去する。
この乾燥は、中間体4に対して、加熱する方法、ガスを噴射する方法、赤外線を照射する方法等により行うことができる。
このうち、中間体4を加熱する場合、その加熱条件は、温度30〜100℃×0.1時間〜2週間程度であるのが好ましく、温度50〜80℃×0.2時間〜3日間程度であるのがより好ましい。また、加熱雰囲気は、特に限定されないが、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気であるのが好ましい。
また、ガスを噴射する場合、用いるガスは、不活性ガスまたは還元性ガスであるのが好ましい。
また、中間体4を乾燥させる前または乾燥させた後に、必要に応じて、中間体4に切削、切断、切り出し、研削、研磨等の後加工を施してもよい。中間体4は、後述する中間体4を脱脂してなる脱脂体5や、脱脂体5を焼結してなるヒートシンク1に比べて柔軟性、靭性に優れるとともに、硬度が低い。このため、中間体4に後加工を施すことにより、脱脂体5やヒートシンク1に後加工を施す場合に比べて、所望の形状への加工を容易かつ高精度に行うことができる。
例えば、中間体4の成形に用いる成形型が、キャビティの一部が開放されたものである場合、プレポリマー2が発泡した際に、この開放された部分からプレポリマー2とスラリー3との混合物があふれ出るおそれがある。そこで、このあふれ出た部分を後加工によって除去することにより、形成すべき形状の中間体4を容易に得ることができる。
また、吸熱部41と放熱部42とを包含するような、比較的単純な形状の中間体4を得た後、この中間体4に対して切削加工を施すことにより、フィン構造を削り出すようにしてもよい。このようにすれば、キャビティ61の形状が簡単になるため、成形型6のコストが抑制されるとともに、中間体4の形状を凹凸の少ないブロック状にしておけば、脱型をスムーズに行うことができるという利点が得られる。
なお、中間体4の見かけ密度は、金属粉末の構成材料によって若干異なるが、300〜800kg/m程度であるのが好ましく、500〜700kg/m程度であるのがより好ましい。
また、このようにして製造された中間体4において、金属粉末の含有率は、50〜90質量%程度であるのが好ましい。これにより、中間体4は、保形性を維持するのに必要な樹脂成分を含むとともに、金属粉末の含有率も十分に高いので、焼結性が高いものとなる。したがって、このような中間体4を後述する脱脂・焼成工程に供することにより、短時間での脱脂・焼結が可能であるとともに、構造部材として十分な機械的強度を有するヒートシンクが得られる。
[C]脱脂工程
次に、中間体4に熱処理を施す。これにより、中間体4が脱脂され、脱脂体5が得られる。
この脱脂における熱処理条件は、温度300〜700℃×0.1〜10時間程度であるのが好ましく、温度400〜600℃×1〜5時間程度であるのがより好ましい。これにより、金属粉末を焼結させることなく、中間体4中から樹脂成分(有機成分)を確実に分解・除去することができる。その結果、脱脂体5中に樹脂成分が必要以上に多量に残留するのを確実に防止することができ、ヒートシンク1中に樹脂成分が残留してヒートシンク1の熱伝導性が低下するのを確実に防止することができる。
すなわち、脱脂における熱処理条件が前記下限値を下回った場合、中間体4の脱脂が不十分になるおそれがある。一方、脱脂における熱処理条件が前記上限値を上回った場合、中間体4中の金属粉末が焼結してしまうおそれがある。
なお、脱脂工程は、複数回に分けて行うようにしてもよい。その場合、徐々に熱処理温度を上げるようにすれば、より脱脂を促進させることができる。
また、熱処理を行う際の雰囲気は、いかなる雰囲気であってもよいが、窒素ガス、アルゴンガスのような不活性ガス雰囲気であるのが好ましい。不活性ガス雰囲気によれば、金属粉末が酸化してしまうのを確実に防止しつつ、中間体4中の樹脂成分を分解・除去することができ、中間体4の脱脂が確実になされる。
[D]焼結工程
次に、脱脂体5に熱処理を施す。これにより、脱脂体5中の金属粉末が焼結し、焼結体となり、発泡金属材料で構成されたヒートシンク(本発明のヒートシンク)1が得られる。
図3は、本発明のヒートシンクを構成する発泡金属材料の走査型電子顕微鏡による観察像の一例、図4は、図3に示す観察像の部分拡大像と、その模式図である。
ヒートシンク1を構成する発泡金属材料では、金属粉末の粒子同士が焼結によって相互に拡散し、図4に示すように、金属粉末の粒子11同士が連結(ネッキング)している。また、連結された粒子11は、立体的(三次元)に広がる網目構造12を構築している。このような網目構造12を有する発泡金属材料では、隣接する網目構造12同士が相互に補強し合うように作用するため、いかなる方向から外力を加えたとしても、立体的に広がる網目構造12が応力の局所集中を防止することができる。これにより、発泡金属材料は、低密度(軽量)であるにもかかわらず、金属材料に特有の高い機械的特性と熱伝導性とを示す材料となる。
また、図4に示すように、発泡金属材料が有する網目構造12の間には空孔13が形成されている。この空孔13は、複数のものが互いに連結されており、いわゆる「連続空孔」となっている。すなわち、本発明のヒートシンクの製造方法によれば、かかる連続空孔を有し、表面積が極めて大きく、かつ、冷媒の流動容易性(通気性および通液性)に優れたヒートシンク1を効率よく作製することができる。このようなヒートシンク1は、冷媒との熱交換効率の極めて高いものとなる。
さらに、空孔13の形状は、図3に示すように、球形状または球形状に類似した形状(略球形状)をなしている。このため、網目構造12は、必然的に等方性の高い構造、換言すれば、異方性の低い構造をとることとなる。その結果、ヒートシンク1の機械的特性における等方性がより高くなる。また、空孔13が前述したような形状をなしていると、空孔13内を流れる冷媒の流動抵抗が特に低くなる。このため、冷媒とヒートシンク1との間の熱交換効率が特に高くなる。
この焼結における熱処理条件は、金属粉末の構成材料に応じて若干異なるものの、温度950〜1250℃×0.1〜10時間程度であるのが好ましく、温度1100〜1200℃×1〜5時間程度であるのがより好ましい。これにより、金属粉末を確実に焼結させるとともに、過焼結を防止することができる。
すなわち、焼結における熱処理条件が前記下限値を下回った場合、脱脂体5の焼結が不十分になり、機械的強度が低下するおそれがある。一方、熱処理温度が1400℃超になると、高温によって熱処理装置(焼成炉等)が著しく劣化するおそれがある。また、1400℃超の高温下では、脱脂に伴って発生するガス(例えば、アミン系ガス)の活性が特に高くなり、このガスによってヒートシンク1や熱処理装置に変質・劣化をもたらすおそれがある。特に、本発明のヒートシンクの製造方法においては、脱脂体5中に多量の樹脂成分が残存するおそれがあるため、焼結工程の際に、この樹脂成分が分解されて発生するガスが多量にかつ長時間にわたって放出されることとなる。このガスは、焼成炉等の熱処理装置の内部に付着したり、装置の劣化を促進したりするおそれがあるため、これらの問題を最小限にする観点から、脱脂体5に対する熱処理は1400℃以下で行うことが好ましい。さらに、焼結における熱処理条件が前記上限値(1250℃)を上回った場合、金属粉末の構成材料によっては、脱脂体5の焼結が進み過ぎてしまい、脱脂体5が三次元の網目構造を維持できずに崩壊してしまうおそれがある。
なお、焼結工程は、複数回に分けて行うようにしてもよい。
また、熱処理を行う際の雰囲気は、いかなる雰囲気であってもよいが、窒素ガス、アルゴンガスのような不活性ガス雰囲気、水素ガスのような還元性ガス雰囲気、またはこれらの雰囲気を減圧してなる減圧雰囲気(真空雰囲気)等の非酸化性雰囲気であるのが好ましい。非酸化性雰囲気によれば、金属粉末の酸化を確実に防止しつつ、金属粉末を焼結させることができる。
さらに、還元性ガス雰囲気によれば、金属粉末が多少酸化していたとしても、酸化部分を還元して、酸化物含有率の低い高品質のヒートシンク1が得られる。
また、脱脂工程および焼結工程は、途中で温度を低下させることなく、連続して行うようにしてもよい。
また、前述したように、ヒートシンク1は、金属粉末の粒子11同士が連結したことにより構築されているが、金属材料は、一般に、セラミックス材料やガラス材料等の脆性材料に比べて、優れた靭性を有している。一方、セラミックス材料やガラス材料等の脆性材料では、靭性が低いため、仮にこれらの脆性材料の粉末を用いて発泡焼結体を製造したとしても、そのような発泡焼結体は非常に脆いものとなる。したがって、発泡焼結体中の三次元の網目構造のうち、一部が破壊すると、その衝撃が他の網目構造に容易に伝搬してしまい、破壊が連鎖的に進展することとなる。その結果、脆性材料の粉末を用いた発泡焼結体は、機械的特性が著しく低いものとなる。
これに対し、本発明のヒートシンクでは、三次元の網目構造12のうち、一部の網目構造12が破断したとしても、金属材料が有する優れた靭性によって、破壊の影響が他の網目構造12に及ぶことが確実に防止される。したがって、ヒートシンク1は、機械的特性に優れたものとなる。
このようなヒートシンク1の圧縮強度は、金属粉末の構成材料や空孔率等に応じて若干異なるものの、1MPa以上であるのが好ましく、5MPa以上であるのがより好ましい。このようなヒートシンク1は、十分な機械的強度を有するものとなるため、例えば、ヒートシンク1中の空孔13に高圧の冷媒を供給したとしても、ヒートシンク1が容易に破壊してしまうのを防止することができる。また、本発明のヒートシンクの製造方法によれば、かかる高強度のヒートシンク1を容易かつ確実に製造することができる。
また、ヒートシンク1の空孔率は、70〜99.5%程度であるのが好ましく、80〜99%程度であるのがより好ましい。これにより、ヒートシンク1における比表面積の増大と機械的強度の向上との両立を図ることができる。
なお、ヒートシンク1の密度は、この空孔率と、ヒートシンク1の作製に用いられた金属粉末の組成とから算出することができ、例えば、金属粉末としてSUS−316L(真密度:7950kg/m)の粉末を用いて作製された空孔率88.3%のヒートシンク1の場合、ヒートシンク1の見かけ密度は、930kg/m{=7950×(1−0.883)}となる。
このようにして得られたヒートシンク1は、発熱体に対して吸熱部41が密着するように接着して用いることにより、発熱体が持つ熱を効率よく放熱することができる。
また、このような製造方法によれば、母材に対して切削加工を施すことによってヒートシンクを製造する従来の方法に比べて、多大な手間を要することなく、複雑な形状のヒートシンク1であっても容易に製造することができる。さらに、切削加工の際に発生する亀裂や欠損等を考慮する必要がないため、機械的強度がやや劣る一方、放熱性に優れた材料を用いることができる。これにより、放熱性に富んだヒートシンク1が得られる。
<第2実施形態>
次に、本発明のヒートシンクの製造方法およびヒートシンクの各第2実施形態について説明する。
図5および図6は、本発明のヒートシンクの製造方法の第2実施形態を説明するための図である。なお、以下の説明では、図5および図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第2実施形態にかかるヒートシンクの製造方法について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態にかかるヒートシンクの製造方法は、中間体4の吸熱部41と放熱部42とを個別に成形するようにした以外は、前記第1実施形態と同様である。
まず、前記第1実施形態と同様にして、プレポリマー2とスラリー3とを用意する。そして、成形型6のキャビティ61内で、プレポリマー2とスラリー3とを混合し、反応させる。
ここで、本実施形態で用いる成形型6は、吸熱部41に対応するキャビティ611を画成するための上型6aと、放熱部42に対応するキャビティ612を画成するための上型6bとを有する。
本実施形態では、まず、図5(a)に示すように、吸熱部41に対応するキャビティ611にプレポリマー2とスラリー3の混合物を供給し、混合物を反応させる。そして、図5(b)に示すように、上型6aをキャビティ611内に挿入すると、中間体4の吸熱部41が成形される。
続いて、図5(c)に示すように、放熱部42に対応するキャビティ612にプレポリマー2とスラリー3の混合物を供給し、混合物を反応させる。そして、図6(d)に示すように、上型6bをキャビティb612内に挿入すると、中間体4の放熱部42が成形される。
その後、図6(e)に示すように、成形された中間体4を成形型6から脱型する(離型する)。これにより、吸熱部41と放熱部42とを有する中間体4が得られる。
本実施形態では、このように、吸熱部41と放熱部42とを個別に成形することができるので、これらの成形時の条件を異ならせることにより、吸熱部41と放熱部42に、それぞれ最適な特性を持たせることができる。
例えば、中間体4の放熱部42における空孔率が、中間体4の吸熱部41における空孔率よりも大きくなるように、プレポリマー2の発泡に伴う膨張率を制御するのが好ましい。これにより、放熱部42の空孔率が吸熱部41の空孔率よりも大きくなる。その結果、吸熱部41は、比較的緻密で熱吸収性、熱伝導性に優れたものとなり、放熱部42は、比較的空疎で比表面積が大きく、放熱性に優れたものとなる。このため、ヒートシンク1は、発熱体が持つ熱を、吸熱部41で速やかに吸収し、この熱が放熱部42へと速やかに伝達され、さらに、放熱部42から外部に効率よく放熱し得るものとなる。
このような膨張率の制御は、具体的には、各キャビティ611、612に供給するプレポリマー2の供給量を適宜設定することにより行うことができる。
例えば、放熱部42に対応するキャビティ612に供給したプレポリマー2の膨張率が、吸熱部41に対応するキャビティ611に供給したプレポリマー2の膨張率よりも大きくなるように、各キャビティ611、612に供給するプレポリマー2の供給量を調整する。このようにすれば、単に、各キャビティ611、612に供給するプレポリマー2の供給量を適宜設定することのみで、得られる中間体4の放熱部42において、中間体4の吸熱部41よりも膨張を進行させることができる。これにより、放熱部42の空孔率は、吸熱部41の空孔率よりも確実に大きくなる。
以上、本発明のヒートシンクの製造方法およびヒートシンクについて、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明のヒートシンクの製造方法では、必要に応じて、任意の工程を追加することもできる。
本発明のヒートシンクの製造方法の第1実施形態を示す工程図である。 本発明のヒートシンクの製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明のヒートシンクを構成する発泡金属材料の走査型電子顕微鏡による観察像の一例である。 図3に示す観察像の部分拡大図と、その模式的である。 本発明のヒートシンクの製造方法の第2実施形態を説明するための図である。 本発明のヒートシンクの製造方法の第2実施形態を説明するための図である。
符号の説明
1……ヒートシンク 11……金属粉末の粒子 12……網目構造 13……空孔 2……プレポリマー 3……スラリー 4……中間体 41……吸熱部 42……放熱部 5……脱脂体 6……成形型 6a、6b……上型 61……キャビティ 611……吸熱部に対応するキャビティ 612……放熱部に対応するキャビティ A……原料準備工程 B……中間体製造工程 C……脱脂工程 D……焼結工程

Claims (22)

  1. 末端がイソシアネート基で終端化されているプレポリマーと、水系分散媒に金属粉末を懸濁してなるスラリーとを用意する原料準備工程と、
    所定の形状のキャビティを有する成形型の前記キャビティ内で、前記プレポリマーと前記スラリーとを混合して反応させることにより、前記プレポリマーを架橋させるとともに発泡させ、その後、離型することにより、前記所定の形状に成形された中間体を得る中間体製造工程と、
    前記中間体に脱脂処理を施して脱脂体を得る脱脂工程と、
    前記脱脂体を焼結して、焼結体を得る焼結工程とを有することを特徴とするヒートシンクの製造方法。
  2. 前記中間体は、板状またはブロック状をなす吸熱部と、該吸熱部より比表面積が大きい形状をなす放熱部とを有する請求項1に記載のヒートシンクの製造方法。
  3. 前記放熱部は、フィン構造を有する請求項2に記載のヒートシンクの製造方法。
  4. 前記中間体の前記放熱部における空孔率が、前記中間体の前記吸熱部における空孔率よりも大きくなるように、前記プレポリマーの前記発泡に伴う膨張率を制御する請求項2または3に記載のヒートシンクの製造方法。
  5. 前記放熱部に対応するキャビティに供給した前記プレポリマーの前記発泡に伴う膨張率が、前記吸熱部に対応するキャビティに供給した前記プレポリマーの前記発泡に伴う膨張率よりも大きくなるように、前記各キャビティに供給する前記プレポリマーの供給量を調整する請求項4に記載のヒートシンクの製造方法。
  6. 前記中間体製造工程と前記脱脂工程との間に、前記中間体に機械加工を施す工程を有する請求項1ないし5のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法。
  7. 前記金属粉末は、Al、Ti、FeおよびCuのうちの少なくとも1種を主成分とするものである請求項1ないし6のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法。
  8. 前記プレポリマー中の前記イソシアネート基の含有率は、3〜26質量%である請求項1ないし7のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法。
  9. 前記プレポリマーは、ポリイソシアネートとポリオールとの混合物で構成されるものである請求項1ないし8のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法。
  10. 前記ポリイソシアネートは、芳香族系ポリイソシアネートである請求項9に記載のヒートシンクの製造方法。
  11. 前記ポリオールは、酸化エチレンユニットを少なくとも60モル%含むポリエーテル系ポリオールである請求項9または10に記載のヒートシンクの製造方法。
  12. 前記プレポリマーにおいて、前記ポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル数は、前記ポリオール中の活性水素基のモル数に対して、1.1〜10倍である請求項9ないし11のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法。
  13. 前記金属粉末を構成する金属材料は、その比重が10以下のものである請求項1ないし12のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法。
  14. 前記金属粉末は、アトマイズ法により製造されたものである請求項1ないし13のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法。
  15. 前記金属粉末の平均粒径は、0.5〜30μmである請求項1ないし14のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法。
  16. 前記プレポリマーと前記スラリーとの混合比は、前記プレポリマー中のイソシアネート基のモル数をnとし、前記スラリー中の水のモル数をnとしたとき、n/nが6.5〜390を満足する比率である請求項1ないし15のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法。
  17. 前記脱脂工程における脱脂条件は、温度300〜700℃×0.1〜10時間である請求項1ないし16のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法。
  18. 前記焼結工程における焼結条件は、温度950〜1250℃×0.1〜10時間である請求項1ないし17のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法。
  19. 末端がイソシアネート基で終端化されているプレポリマーと、水系分散媒に金属粉末を懸濁してなるスラリーとを用意し、これらの混合物を、所定の形状のキャビティを有する成形型内で反応させることにより、前記プレポリマーを架橋させるとともに発泡させ、その後、離型することにより、前記所定の形状に成形された中間体を得た後、前記中間体に熱処理を施し、前記中間体を脱脂および焼結させることによって製造されたものであり、
    複数の気泡が互いに連結してなる連続気泡を含む発泡金属材料で構成されたことを特徴とするヒートシンク。
  20. 前記発泡金属材料の空孔率は、70〜99.5%である請求項19に記載のヒートシンク。
  21. 前記発泡金属材料の圧縮強度は、1MPa以上である請求項19または20に記載のヒートシンク。
  22. 前記発泡金属材料は、前記金属粉末の粒子同士が連結し、三次元の網目構造を構築してなるものである請求項19ないし21のいずれかに記載のヒートシンク。
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