JP2009172699A - 研磨パッドおよび研磨パッドの製造方法 - Google Patents

研磨パッドおよび研磨パッドの製造方法 Download PDF

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【課題】巨大発泡の形成を抑制し微細な発泡を均等化した研磨パッドを提供する。
【解決手段】研磨パッド1は、ポリウレタンシート2を有している。ポリウレタンシートは、プレポリマと、トリオール化合物とジオール化合物とが混合されたポリオール化合物に水と相間移動触媒とを分散希釈させた分散液とを混合した混合液から乾式成形されたポリウレタン発泡体をスライスすることで形成されている。ポリウレタンシートの内部には、水により微細化した発泡3が略均等に分散して形成されている。相間移動触媒が、分散液中で水を微細化して略均等に分散させ、混合液中でプレポリマと水との反応を均一化する。
【選択図】図1

Description

本発明は研磨パッドおよび研磨パッドの製造方法に係り、特に、イソシアネート基含有化合物を主成分とした研磨パッドおよび該研磨パッドの製造方法に関する。
半導体ウェハや液晶ディスプレイ用ガラス基板等の材料(被研磨物)では、表面の平坦性が求められるため、研磨パッドを使用した研磨加工が行われている。半導体ウェハでは、半導体回路の集積度が急激に増大するにつれて高密度化を目的とした微細化や多層配線化が進み、表面を一層高度に平坦化する技術が重要となっている。一方、液晶ディスプレイ用ガラス基板では、液晶ディスプレイの大型化に伴い、表面のより高度な平坦性が要求されている。
半導体ウェハやガラス基板の表面を平坦化する研磨加工に使用される研磨パッドとしては、乾式成形されたポリウレタン発泡体が広く使用されている。このような研磨パッドの製造では、通常、イソシアネート基含有化合物を含むプレポリマが、ポリオール化合物やポリアミン化合物等の活性水素を含む硬化剤との反応により硬化されてポリウレタン発泡体が成形される。得られたポリウレタン発泡体がシート状にスライスされ研磨パッドが形成される。発泡体内部に発泡が形成されるため、スライスにより形成される研磨パッドの表面には、開孔が形成される。研磨加工時には、被研磨物の表面(加工面)が研磨パッドに押し付けられた状態で研磨粒子を含むスラリ(研磨液)が供給され、スラリが研磨パッドの表面に形成された開孔に保持されつつ加工面が研磨加工される。
ポリウレタン発泡体を成形する技術としては、硬化反応時に、水、空気、化学発泡剤等を混在させる技術や化学発泡剤を内包した微小カプセルを添加する技術が数多く開示されている。例えば、熱硬化性ウレタン樹脂を基材とする技術では、高分子材料製殻壁に化学発泡剤を内包した微小カプセルが樹脂原料に混合され、ウレタン樹脂の硬化反応熱で化学発泡剤が分解して発生する分解ガスにより微小カプセルを膨張させ殻壁を破損させることで発泡を形成させる技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開平11−114834号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、微小カプセルの殻壁の高分子材料が研磨加工時に加工面と研磨パッドとの間に夾雑物(コンタミ)として介在するため、用いるスラリとの関係で予期せぬ悪影響を招くことがある。化学発泡剤を添加してポリウレタン発泡体を成形する場合、化学発泡剤により成形前のポリウレタン混合物が重合阻害や粘度低下、または、逆に粘度上昇やゲル化を起こすため、発泡斑を招く(発泡にバラツキが生じる)ことがある。また、水や空気の添加による発泡では、ポリウレタン発泡体に形成される発泡の分散状態や発泡径を制御することが難しく、巨大発泡が混在することがある。このような研磨パッドを研磨加工に用いると、被研磨物にスクラッチ(キズ)を生じることとなる。特に、低硬度化(軟質化)した研磨パッドでは、発泡径が不均一になりやすい。整泡剤や界面活性剤を加えることで発泡径の均一化を図ることはできるものの、半導体ウェハやガラス基板に要求される高度な平坦性を達成するためには十分とはいえないのが現状である。
本発明は上記事案に鑑み、巨大発泡の形成を抑制し微細な発泡を均等化した研磨パッドおよび該研磨パッドの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、イソシアネート基含有化合物と、ポリオール化合物に水と相間移動触媒とを分散希釈させた分散液とを混合した混合液から乾式成形されたポリウレタン発泡体を有することを特徴とする研磨パッドである。
第1の態様では、分散液に分散希釈された相間移動触媒で水の分散性が改善されるため、混合液中で水が微細化され、乾式成形時のイソシアネート基含有化合物と水との反応が均一化されるので、巨大発泡の形成を抑制すると共に、水によりポリウレタン発泡体内に形成される微細な発泡を均等化することができる。
第1の態様において、分散液には、水が0.2重量%〜2.0重量%の割合、相間移動触媒が0.02重量%〜0.2重量%の割合で分散希釈されていることが好ましい。分散液がポリアミン化合物を含むようにすれば、得られるポリウレタン発泡体の硬度を高めることができる。また、相間移動触媒をテトラアルキルアンモニウム塩またはクラウンエーテルとしてもよい。このとき、相間移動触媒をテトラブチルアンモニウムブロミドないしセチルトリメチルアンモニウムブロミドとすることができる。また、ポリオール化合物がトリオール化合物とジオール化合物とを含み、トリオール化合物とジオール化合物との割合を当量比で1:9〜5:5としてもよい。このとき、トリオール化合物をグリセリンまたはトリエタノールアミンとすることができる。また、水の量をイソシアネート基含有化合物の重量1kgに対して1g〜6gの割合とすることが好ましい。また、イソシアネート基含有化合物の温度50℃〜80℃における粘度を500mPa・s〜4000mPa・sの範囲とすれば、混合液中で発泡の移動が抑制されるため、発泡の偏りを抑制することができる。
また、第1の態様において、ポリウレタン発泡体が、温度20℃の水に一定時間浸漬したときの硬度に対する、温度70℃の水に同じ一定時間浸漬したときの硬度の割合を85%以上とすれば、スラリを使用した研磨加工時に摩擦等で発熱しても湿潤状態での硬度が変化しにくいため、研磨性能の低下を抑制することができる。ポリウレタン発泡体にはスライスにより表面に開孔が形成されており、開孔の平均開孔径を30μm〜200μmとすれば、研磨加工時にスラリが開孔に保持されるので、研磨効率の向上を図ることができる。また、スライスによりポリウレタン発泡体から複数のポリウレタンシートが形成されたときに、各ポリウレタンシートで平均開孔径の差、および、密度の差をいずれも±3%の範囲内とすれば、複数の研磨パッドでの平均開孔径が同等となり、発泡の占める空間の割合が同等となるので、研磨性能のバラツキを抑制することができる。
本発明の第2の態様は、イソシアネート基含有化合物と、ポリオール化合物に水と相間移動触媒とを分散希釈させた分散液とをそれぞれ準備する準備ステップと、前記イソシアネート基含有化合物と、前記分散液とを混合した混合液を調製し、前記混合液からポリウレタン発泡体を乾式成形する発泡体成形ステップと、を含み、前記準備ステップにおいて、前記ポリオール化合物に、前記水を0.2重量%〜2.0重量%の割合、前記相間移動触媒を0.02重量%〜0.2重量%の割合で分散希釈させることを特徴とする研磨パッドの製造方法である。
第2の態様において、発泡体成形ステップでは、混合液を調製した後、連続してポリウレタン発泡体を乾式成形することができる。発泡体成形ステップでは、剪断速度9,000〜41,000/秒、剪断回数300〜10,000回の条件で混合液を調製することが好ましい。また、発泡体成形ステップで乾式成形されたポリウレタン発泡体をスライスするスライスステップを更に含むようにしてもよい。
本発明によれば、分散液に分散希釈された相間移動触媒で水の分散性が改善されるため、混合液中で水が微細化され、乾式成形時のイソシアネート基含有化合物と水との反応が均一化されるので、巨大発泡の形成を抑制すると共に、水によりポリウレタン発泡体内に形成される微細な発泡を均等化することができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した研磨パッドの実施の形態について説明する。
(研磨パッド)
図1に示すように、研磨パッド1は、硬質発泡タイプのポリウレタンシート2を有している。ポリウレタンシート2は、イソシアネート基含有化合物を主成分としており、研磨加工時に被研磨物の被研磨面(加工面)にスラリを介して当接する研磨面Pを有している。ポリウレタンシート2は、イソシアネート基含有化合物と、ポリオール化合物に水と相間移動触媒とを分散希釈させた分散液とを混合した混合液を型枠に注型し硬化させたポリウレタン発泡体をスライスすることで形成されている。すなわち、ポリウレタンシート2は、乾式成型で形成されている。
ポリウレタンシート2の内部には、分散液に分散希釈された水により、断面略円形状の発泡3が略均等に分散して形成されている。ポリウレタンシート2がポリウレタン発泡体をスライスすることで形成されているため、研磨面Pでは発泡3が開孔しており、開孔4が形成されている。研磨面Pに形成された開孔4は、平均開孔径が30〜200μmの範囲に調整されている。ポリウレタンシート2の厚さは、1.3〜2.5mmの範囲に設定されている。このような発泡3が形成されたポリウレタンシート2では、ショアA硬度が10〜60度の範囲に調整されている。また、ポリウレタンシート2は、温度20℃の水に一定時間浸漬したときの硬度に対する、温度70℃の水(熱湯)に同じ一定時間浸漬したときの硬度の割合で定義される湿潤硬度保持率が85%以上を示す。
また、研磨パッド1は、ポリウレタンシート2の研磨面Pと反対の面側に、研磨機に研磨パッド1を装着するための両面テープが貼り合わされている。両面テープは、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製フィルム等の基材7の両面に図示を省略した接着剤層を有している。接着剤層の接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤等を挙げることができる。両面テープは、一面側の接着剤層でポリウレタンシート2と貼り合わされており、他面側の接着剤層が剥離紙8で覆われている。
(研磨パッドの製造)
研磨パッド1は、図2に示す各工程を経て製造される。すなわち、イソシアネート基含有化合物と、ポリオール化合物に水と相間移動触媒とを分散希釈させた分散液とをそれぞれ準備する準備工程(準備ステップ)、イソシアネート基含有化合物および分散液を混合した混合液を調製する混合工程(発泡体成形ステップの一部)、混合液を型枠に注型する注型工程(発泡体成形ステップの一部)、型枠内で発泡、硬化させてポリウレタン発泡体を形成する硬化成型工程(発泡体成形ステップの一部)、ポリウレタン発泡体をシート状にスライスしてポリウレタンシート2を形成するスライス工程(スライスステップ)、ポリウレタンシート2と両面テープとを貼り合わせるラミネート工程を経て製造される。以下、工程順に説明する。
(準備工程)
準備工程では、イソシアネート基含有化合物と、分散液とをそれぞれ準備する。準備するイソシアネート基含有化合物としては、分子内に2つ以上の水酸基を有するポリオール化合物と、分子内に2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物とを反応させることで生成したイソシアネート末端ウレタンプレポリマ(以下、単に、プレポリマと略記する。)が用いられている。ポリオール化合物と、ジイソシアネート化合物とを反応させるときに、イソシアネート基のモル量を水酸基のモル量より大きくすることで、プレポリマを得ることができる。また、使用するプレポリマは、粘度が高すぎると、流動性が悪くなり混合時に略均一に混合することが難しくなる。温度を上昇させて粘度を低くするとポットライフが短くなり(プレポリマの硬化反応が速くなり)、却って混合斑が生じて得られるポリウレタン発泡体に形成される発泡3の大きさにバラツキが生じる。反対に粘度が低すぎると、混合液中で気泡が移動してしまい、得られるポリウレタン発泡体に略均等に分散した発泡3を形成することが難しくなる。このため、プレポリマは、温度50〜80℃における粘度を500〜4000mPa・sの範囲に設定することが好ましい。このことは、例えば、プレポリマの分子量(重合度)を変えることで粘度を設定することができる。プレポリマは、50〜80℃程度に加熱され流動可能な状態とされる。
プレポリマの生成に用いられるジイソシアネート化合物としては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等を挙げることができる。また、これらのジイソシアネート化合物の二種以上を併用してもよい。
一方、プレポリマの生成に用いられるポリオール化合物としては、ジオール化合物、トリオール化合物等の化合物であればよく、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール等の低分子量のポリオール化合物、および、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール化合物、エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール化合物、ポリカーボネートポリオール化合物、ポリカプロラクトンポリオール化合物等の高分子量のポリオール化合物のいずれも使用することができる。また、これらのポリオール化合物の二種以上を併用してもよい。
分散液の調製に用いられるポリオール化合物は、プレポリマを硬化させる硬化剤として機能し、ポリウレタン樹脂のハードセグメント(高融点で剛直性を付与するウレタン結合部)を形成する。ポリオール化合物としては、特に制限はなく、ジオール化合物やトリオール化合物等の化合物であればよい。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の低分子量のポリオール化合物、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の高分子量のポリオール化合物のいずれも使用することができる。得られるポリウレタン発泡体を軟質化する(硬度が高くなりすぎないようにする)ことを考慮すれば、トリオール化合物とジオール化合物とを当量比で1:9〜5:5の割合で混合して使用することが好ましい。トリオール化合物としては、特に制限はないが、グリセリンまたはトリエタノールアミンを使用することが好ましい。また、ジオール化合物としては、上述したエチレングリコール等を使用することができるが、混合工程における分散性を考慮すれば、数平均分子量300〜700のポリプロピレングリコール(以下、PPGと略記する。)を使用することが好ましい。本例では、ポリオール化合物として、グリセリンと数平均分子量300〜700のPPGとを当量比で2:8の割合で混合して使用した。
分散液の調製では、グリセリンとPPGとの混合物に、水と相間移動触媒とを分散希釈させる。分散液の調製時には、一般的な攪拌装置を使用して攪拌混合すればよく、水および相間移動触媒が略均等に分散希釈されていればよい。使用する水としては、特に制限はないが、不純物等の混入を回避するため、蒸留水を使用することが好ましい。分散液に分散希釈させる水は、ポリウレタン発泡体に形成される発泡の数や大きさを考慮して0.2〜2.0重量%の割合に設定することが好ましい。また、分散液の量は、次工程の混合工程で混合するプレポリマの重量1kgに対して水の量が1〜6gの割合となるように準備する。水の量が少なすぎるとポリウレタン発泡体に形成される発泡の数が少なくなり、反対に多すぎると極端に大きな発泡が形成されることとなる。
分散液に分散希釈させる相間移動触媒としては、特に制限はなく、テトラブチルアンモニウム塩やトリオクチルメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム塩やクラウンエーテル(酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子を有する大環状化合物)等を用いることができる。分散液中の水の分散状態を均等化することを考慮すれば、テトラブチルアンモニウムブロミド(以下、TBABと略記する。)ないしセチルトリメチルアンモニウムブロミド(以下、CTABと略記する。)、すなわち、少なくともTBABおよびCTABの一方を用いることが好ましい。分散液に分散希釈させる相間移動触媒は、水の分散状態を均等化するのに十分であればよく、0.02〜0.2重量%の割合に設定することが好ましい。相間移動触媒の量が少なすぎると水の分散性を改善する効果が発揮されにくくなり、反対に多すぎると混合工程でプレポリマと水との反応が速くなり、却って発泡にバラツキが生じることとなる。本例では、相間移動触媒としてTBABを使用した。
ここで相間移動触媒について説明する。一般に、有機化合物は、有機溶媒に可溶な化合物でも、水に不溶なことが多い。このため、主として非水溶性化合物に混合した水を発泡させてポリウレタン発泡体を成形する場合、有機溶媒相(油相)と水相との相境界のみで反応が進行することから、発泡形成が不均一となり、硬化の反応速度が極めて遅くなる。これを防ぐ方法としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の高極性有機溶媒を混合し、油相−水相間の混和性を高める方法が考えられる。ところが、これらの溶媒がポリウレタンを高度に溶解し得るため、ポリウレタン発泡体中への残存性が高くなり、物性の不安定化や研磨特性の低下等を招くことがある。また、界面活性剤を投入して見掛けの混和性を高めることで、相境界での反応性を高める方法もある。ところが、この場合は、混和熱や反応熱が生じるため、界面活性剤の水溶性が低下して曇点に至り、結果として、界面活性剤の添加効果が失われることがある。更に、両相を可溶化すべく、界面活性剤を高濃度で添加した場合は、曇点に至るだけではなく、主剤(プレポリマ)と硬化剤(ポリオール化合物やポリアミン化合物)との混合時に余計な発泡を引き起こし粗大発泡を混在させる原因となることがある。
これに対して、相間移動触媒は、界面活性を示す化合物ではあるが、有機溶媒にも水にも可溶なため、実質的に曇点を示すことがなく、水相および油相の両相に略均等に分配される上、両相間を自由に移動することができる。このため、反応時に温度変化の影響を受けにくく、活性物質、反応触媒、助剤等の水相−油相間の移動や輸送がシームレスに行われることから、反応速度や系の均一性を向上させることができる。すなわち、相間移動触媒により、分散液中で水が微細化されて分散されることから、混合液中でプレポリマと水とが略均一に反応して微細気泡が略均等に形成される。また、相間移動触媒では、容易に水相に移行できるため、反応後の水洗や水中浸漬(コンディショニング)の際に、容易に除去、回収されることから、研磨特性への影響も低く抑えることができる。
(混合工程、注型工程、硬化成型工程)
図2に示すように、混合工程では、準備工程で準備したプレポリマおよび分散液を混合して混合液を調製する。注型工程では混合工程で調製された混合液を型枠に注型し、硬化成型工程では型枠内で発泡、硬化させてポリウレタン発泡体を成型する。本例では、混合工程、注型工程、硬化成型工程を連続して行う。
図3に示すように、混合工程では混合機20で混合液が調製され、注型工程では調製された混合液が混合機20から連続して型枠25に注型され、硬化成型工程で硬化させることによりポリウレタン発泡体が成型される。混合機20は、攪拌翼14が内蔵された混合槽12を備えている。混合槽12の上流側には、第1成分としてプレポリマ、第2成分として分散液をそれぞれ収容した供給槽が配置されている。各供給槽からの供給口は混合槽12の上流端部に接続されている。攪拌翼14は混合槽12内の略中央部で上流側から下流側までにわたって配置された回転軸に固定されている。回転軸の回転に伴い攪拌翼14が回転し、第1成分および第2成分を剪断するようにして混合する。得られた混合液は混合槽12の下流端部に形成された排出口から型枠25に注型される。型枠25は、上部が開放されており、大きさが、本例では、1050mm(長さ)×1050mm(幅)×50mm(厚さ)に設定されている。
第1成分のプレポリマ、第2成分の分散液に含まれるポリオール化合物の多くがいずれも常温で固体または流動しにくい状態のため、それぞれの供給槽は各成分が流動可能となるように加温されている。
第1成分、第2成分が混合槽12に供給され、攪拌翼14により混合される。混合機20での混合条件、すなわち、攪拌翼14の剪断速度、剪断回数を調整することで、各成分が略均等に混合されて混合液が調製される。攪拌翼14の剪断速度が小さすぎると、反応により生じた気体が微細化されにくくなり、得られるポリウレタン発泡体に形成される発泡3の大きさが大きくなりすぎる。反対に剪断速度が大きすぎると、攪拌翼14および混合液間の摩擦による発熱で温度が上昇し粘度が低下するため、混合液中の微細気泡が(成型中に)移動してしまい、ポリウレタン発泡体に形成される発泡3の分散状態にバラツキが生じやすくなる。一方、剪断回数が少なすぎると生じる微細気泡の大きさにムラ(バラツキ)が生じやすく、反対に多すぎると温度上昇で粘度が低下し、発泡3が略均等に形成されなくなる。このため、混合工程では、剪断速度を9,000〜41,000/秒の範囲、剪断回数を300〜10,000回の範囲に設定し、混合する。混合機20での混合時間(滞留時間)は、混合液の流量(最大1リットル/sec)にもよるが、およそ1秒程度である。すなわち、例えば、注型工程で100kg程度の型枠25に混合液を注型するのに要する時間はおよそ1〜2分程度となる。なお、剪断速度、剪断回数は次式により求めることができる。すなわち、剪断速度(/秒)=攪拌翼14の翼先端の直径(mm)×円周率×攪拌翼14の回転数(rpm)÷60÷攪拌翼14の翼先端と混合槽12の内壁とのクリアランス(mm)、剪断回数(回)=攪拌翼14の回転数(rpm)÷60×混合槽12中での混合液の滞留時間(秒)×攪拌翼14の翼の数、により求めることができる。
注型工程で、型枠25に混合液を注型するときは、混合機20からの混合液を混合槽12の排出口から排出し、例えばフレキシブルパイプを通じて、型枠25の情報に配置された不図示の注液口に導液する。注液口は、型枠25の長さ方向で対向する2辺間(例えば、図3の左右間)を往復移動し、断面三角状で型枠25の幅方向の長さを有している。注液口を型枠25の長さ方向に往復移動させながら、排出口の端部(フレキシブルパイプの端部)を型枠25の幅方向に往復移動させることで、混合液が型枠25に略均等に注型される。
硬化成型工程では、注型された混合液を型枠25内で反応硬化させポリウレタン発泡体を成型させる。このとき、プレポリマがポリオール化合物との反応により架橋硬化する。型枠25の上部が開放されているため、大気圧下で架橋硬化が進行しポリウレタン発泡体が成型される。この架橋硬化の進行と同時に、分散液中で相間移動触媒により略均等に分散された水がプレポリマのイソシアネート基と反応することで、二酸化炭素が発生する。架橋硬化が進行しているため、発生した二酸化炭素が外部に抜け出すことなく、発泡3を形成する。なお、発泡3は、断面形状が、円形状、楕円形状等の種々の形状で形成される。
(スライス工程)
図2に示すように、スライス工程では、硬化成型工程で得られたポリウレタン発泡体をシート状にスライスしてポリウレタンシート2を形成する。スライスには、一般的なスライス機を使用することができる。スライス時にはポリウレタン発泡体の下層部分を保持し、上層部から順に所定厚さにスライスする。スライスする厚さは、本例では、1.3〜2.5mmの範囲に設定されている。本例で用いた厚さが50mmの型枠25で成型したポリウレタン発泡体では、例えば、ポリウレタン発泡体の上層部および下層部の約10mm分をキズ等の関係から使用せず、中央部の約30mm分から10〜25枚のポリウレタンシート2を形成することができる。硬化成型工程で内部に発泡3が略均等に形成されたポリウレタン発泡体が得られるため、スライス工程で複数枚のポリウレタンシート2を形成したときは、表面に形成された開孔4の平均開孔径がいずれも30〜200μmの範囲となる。また、各ポリウレタンシート2では、開孔4の平均開孔径の差が平均値に対して±3%の範囲内、密度の差が平均値に対して±3%の範囲内となる。開孔4の平均開孔径が30μmを下回ると、研磨加工時に研磨剤が目詰まりしやすくなるため、研磨パッドの寿命低下を招きやすく、反対に200μmを上回ると、略均一な孔径の制御が難しくなる。研磨加工時のスラリ保持性や被研磨物の加工面の平坦性を考慮すれば、平均開孔径を40〜180μmの範囲に設定することがより好ましい。なお、プレポリマの粘度、混合液に混合する水や相間移動触媒の量、混合工程での混合条件を調整することで発泡3の大きさ、ひいては、開孔4の孔径を制御することができる。
(ラミネート工程)
ラミネート工程では、スライス工程で形成されたポリウレタンシート2と両面テープとが貼り合わされる。円形等の所望の形状、サイズに裁断した後、汚れや異物等の付着がないことを確認する等の検査を行い研磨パッド1を完成させる。
被研磨物の研磨加工を行うときは、研磨機の研磨定盤に研磨パッド1を装着する。研磨定盤に研磨パッド1を装着するときは、剥離紙8を取り除き、露出した接着剤層で研磨定盤に接着固定する。被研磨物を加圧し、スラリを供給しながら研磨定盤を回転させることで、被研磨物の加工面(被研磨面)が研磨加工される。
(作用等)
次に、本実施形態の研磨パッド1および研磨パッド1の製造方法の作用等について説明する。
本実施形態では、混合工程で混合する分散液に水と相間移動触媒とが分散希釈されている。相関移動触媒が有機溶媒相と水相とを移動可能なため、分散液中で水の分散性を改善し、水を微細化して略均等に分散させることができ、混合液中で相分離しやすい各成分の相溶性を増大させ、プレポリマと水との反応による発泡形成やプレポリマの硬化の反応速度を向上させることができる。このため、混合液中でプレポリマと水とが略均一に反応することで微細気泡が形成されると共に、微細気泡が偏在することなく略均等な分散状態で形成される。これにより、硬化成型されたポリウレタン発泡体内に形成される発泡3が微細化し均等化するので、ポリウレタンシート2の研磨面Pに形成される開孔4を均等化し均一化することができる。従って、研磨加工時にスラリが開孔4に保持されつつ研磨パッド1および被研磨物間に略均等に供給されるので、スクラッチを抑制し加工面の平坦性を向上させることができる。
また、本実施形態では、混合液に混合される水の量がプレポリマの重量1kgに対して1〜6gの割合に設定されている。混合液中の水がプレポリマのイソシアネート基と反応することで二酸化炭素が生じるが、プレポリマに対する水の量が制限されるので、硬化成型工程で得られるポリウレタン発泡体に発泡3を略均等に分散させて形成させることができる。ポリウレタンシート2が発泡3の形成されたポリウレタン発泡体をスライスして形成されるため、ポリウレタン発泡体の大きさを大きくする(型枠25を大きくする)ことで、大型化(面積、厚さ)の要求に対して容易に対応することができる。
更に、本実施形態では、混合工程で混合する分散液に、ポリオール化合物が用いられている。ポリオール化合物は、分子内に活性水素を有しているため、プレポリマと反応することで硬化剤として機能する。活性水素を有する硬化剤にポリアミン化合物を用いた場合は、プレポリマとの反応で形成されるポリウレタン樹脂中にウレア結合が形成される。このウレア結合は、ウレタン結合と比べて水素結合を形成しやすいため、ポリウレタン樹脂の硬度が上昇する。これに対して、ポリオール化合物を用いた場合は、ウレア結合が形成されず、ウレタン結合のみとなるため、水素結合の形成が減少してポリウレタン樹脂の硬度を低下させる。従って、水素結合の形成が減少する分で、得られるポリウレタン発泡体、ひいては、ポリウレタン発泡体をスライスして得られるポリウレタンシート2を軟質化することができる。
また更に、硬化剤にポリアミン化合物を使用せずポリオール化合物のみを用いた場合、上述したようにポリウレタンシート2を軟質化することができるが、反面、プレポリマとの反応が遅くなり、硬化時間が長くなる(ポットライフが長くなる)。このため、混合液中で巨大気泡が形成されやすくなる上、硬化成型工程でポリウレタン樹脂の硬化中に微細気泡が移動してしまい、得られるポリウレタン発泡体中では発泡3の分散状態が不均等となる。本実施形態では、準備工程で分散液に相間移動触媒が分散希釈されている。この相間移動触媒が分散液中の水を微細化して分散させるため、プレポリマ(のイソシアネート基)と水との反応速度を向上させることができる。このため、プレポリマとポリオール化合物との反応が促進され、硬化時間が短縮されるので、ポリウレタン発泡体中の巨大発泡の形成を抑制することができる。これにより、ポリウレタン発泡体中での発泡3の分散状態が均等化されるので、スライスして得られるポリウレタンシート2では研磨面Pに略均等に開孔4が形成される。従って、研磨加工時にポリウレタンシート2が摩耗しても開孔4の開孔径が大きく変化することがないことから、研磨レート等の研磨性能を維持することができる。
更にまた、本実施形態では、分散液に配合されたポリオール化合物がプレポリマと反応してウレタン結合を形成する。上述したように、ウレタン結合より水素結合が形成されやすいウレア結合の場合、乾燥状態では耐熱性が向上するものの、湿潤状態では水素結合が切断され耐熱性を低下させることとなる。これに対して、ポリウレタンシート2では、ウレタン結合が形成されるため、湿潤状態でも耐熱性の低下を抑制することができる。このため、研磨パッド1では、湿潤硬度保持率、すなわち、温度20℃の水に一定時間浸漬したときの硬度に対する、温度70℃の水に同じ一定時間浸漬したときの硬度の割合を85%以上とすることができる。従って、湿潤状態での熱安定性が向上した研磨パッド1では、スラリを使用した研磨加工時に摩擦等で発熱しても硬度変化が抑制され、研磨性能の安定化を図ることができる。
また、本実施形態では、ポリオール化合物としてトリオール化合物とジオール化合物とが当量比で1:9〜5:5の割合で混合されて使用されている。ポリオール化合物がトリオール化合物を含むため、プレポリマとの反応で形成されるポリウレタン発泡体を構成するポリウレタン樹脂の主鎖中に分岐が形成される。このため、ポリウレタン樹脂の分子間力が制限されることから、軟質化してもポリウレタン樹脂の粘性を低減し自己崩壊性を付与することができる。これにより、ポリウレタンシート2では、軟質化しつつドレス処理性を向上させることができる。従って、研磨加工時に開孔4の目詰まりが生じてもドレス処理を施すことで新たな研磨面Pを露出させ開孔4を再生することができるので、研磨パッド1の寿命を向上させることができる。
更に、本実施形態では、内部に発泡3が略均等に形成されたポリウレタン発泡体のスライスでポリウレタンシート2が得られるため、研磨面Pに形成される開孔4の平均開孔径が30〜200μmの範囲に調整される。このため、研磨加工時にスラリが開孔4に保持され、被研磨物の加工面に安定的に供給されるので、研磨効率の向上を図ることができる。更に、ポリウレタン発泡体から複数枚のポリウレタンシート2を形成したときは、それぞれの表面に形成された開孔4の平均開孔径の差、および、(見掛け)密度の差をいずれも平均値に対して±3%の範囲内とすることができる。開孔径のバラツキが大きくなると、研磨加工時にスラリ中の砥粒(研磨粒子)や研磨屑等により開孔4が局所的に目詰まりを起こしやすくなり、被研磨物の平坦性を低下させる。また、密度が小さくなると硬度が小さく(柔らかく)なりすぎるため、被研磨物の平坦性を向上させることが難しくなる。反対に密度が大きくなると硬度が高くなりすぎるため、研磨効率が低下し、被研磨物にスクラッチが発生しやすくなる。本実施形態では、複数の研磨パッド1で開孔4の平均開孔径が同等となるので、局所的な目詰まりを抑制することができる。また、各研磨パッド1で発泡3の占める空間の割合が同等となり硬度も同等となるので、研磨パッド1を交換しても、研磨性能にバラツキの生じることを抑制することができる。
また更に、プレポリマの温度50〜80℃における粘度が500〜4000mPa・sの範囲に設定されている。このため、混合液中で微細気泡の移動が抑制されるので、微細気泡を略均等に分散させることができる。また、混合工程で剪断速度9,000〜41,000/秒、剪断回数300〜10,000回の条件に設定され混合液が調製される。このため、水により形成された微細気泡が略均等に分散されることから、発泡3の分散状態を均等化することができる。
以上説明したように、本実施形態の研磨パッド1では、ポリウレタンシート2の内部に形成される発泡3が微細化され均等化される。このため、研磨面Pでは開孔4を均等化することができる。研磨加工時には、開孔4が目詰まりを生じることなくスラリを保持しつつ研磨パッド1および被研磨物間に供給することができる。これにより、被研磨物にスクラッチを発生させることなく平坦性を向上させることができる。このようなポリウレタンシート2を用いた研磨パッド1では、硬化剤の組成、分散液中の水および相間移動触媒の割合を調整することで、発泡3の大きさやポリウレタンシート2の硬度を制御することができる。従って、研磨パッド1は、一次研磨用として有用であることはもちろん、一次研磨後に、より高精度な平坦性を達成するために用いられる仕上げ研磨用としても有用である。
なお、本実施形態では、第1成分のプレポリマとして、ポリオール化合物とジイソシアネート化合物とを反応させたイソシアネート末端ウレタンプレポリマを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ポリオール化合物に代えて水酸基やアミノ基等を有する活性水素化合物を用い、ジイソシアネート化合物に代えてポリイソシアネート化合物やその誘導体を用い、これらを反応させることで得るようにしてもよい。また、多種のイソシアネート末端プレポリマが市販されていることから、市販のものを使用することも可能である。
また、本実施形態では、第2成分として、ポリオール化合物に水と相間移動触媒とを分散希釈させた分散液を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、分散液がこれらの成分以外に、例えば、硬化成型に際し必要な添加剤等の成分やポリウレタンシート2の硬度を高めることを目的としたポリアミン化合物を含むようにしてもよい。ポリアミン化合物としては、プレポリマのイソシアネート基と反応する活性水素基を2個以上有していればよく、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(以下、MOCAと略記する。)およびMOCAと同様の構造を有するポリアミン化合物等を挙げることができる。また、ポリアミン化合物を分散液に混合せず、第3成分として混合液に混合するようにしてもよい。
更に、本実施形態では言及していないが、例えば、孔径が500μmを超えるような極端に大きな気泡が生じない程度に、混合工程での混合効率を高めるべく、プレポリマやポリオール化合物等に対して非反応性の気体(以下、非反応性気体という。)を吹き込みながら混合液を調製するようにしてもよい。このとき、非反応性気体中に含まれる水分が混合槽12内の反応に関与することを防止するため、水分除去装置等で水分を除去することが好ましい。また、非反応性気体の供給量は、プレポリマ、分散液、相間移動触媒の合計重量1kgに対して0.5〜3.4リットルの割合となるように調整することが好ましい。非反応性気体としては、空気、窒素、酸素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等を挙げることができる。このようにすれば、非反応性気体が混合槽12内で攪拌翼14の回転により微細な気泡となり、この気泡が水を分散希釈させた分散液を混合液中で略均等に分散させることから、硬化成型工程で得られるポリウレタン発泡体の内部に形成される発泡3の分散性を一層均等化することができる。また、非反応性気体の量を上述した範囲に調整することで、混合液中の非反応性気体の量が制限されるので、得られるポリウレタン発泡体の内部に極端に大きな発泡が形成されることを抑制することができる。
また更に、本実施形態では、混合工程、注型工程、硬化成型工程を連続して行う例を示したが、本発明はこれに制限されるものではなく、各工程を独立して行うようにしてもよい。また、本実施形態では、混合機20から型枠25に注型し大気圧下で成型する例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、容器中で混合液を調製し、その容器内で硬化成型させるようにしてもよく、容器を密閉して加圧下で硬化成型してもよい。
更にまた、本実施形態では、特に言及していないが、スラリの供給や研磨屑の排出を考慮して研磨パッド1の研磨面Pに溝加工やエンボス加工を施すようにしてもよい。溝の形状については、放射状、格子状、螺旋状等のいずれでもよく、断面形状についても矩形状、U字状、V字状、半円状のいずれでもよい。溝のピッチ、幅、深さについては、研磨屑の排出やスラリの移動が可能であればよく、特に制限されるものではない。研磨パッドに溝加工を施した場合、例えば、研磨パッドの表面に孔径の大きな開孔が形成されていると、開孔と溝とが重なり突起状の角が形成されるため、研磨加工時に被研磨物にキズが発生することとなる。本実施形態では、研磨パッド1の開孔4は孔径の平均値が30〜200μmの範囲で略均一なため、溝加工を施しても被研磨物に対するキズの発生を抑制することができる。
また更に、本実施形態では、混合工程で混合機20、スライス工程でスライス機を使用する例を示したが、混合機やスライス機には特に制限はなく、通常使用される混合機、スライス機を使用することができる。更に、本実施形態では、直方体状の型枠25を例示したが、本発明は型枠の形状や大きさに制限されるものではない。例えば、円柱状等の型枠を使用してもよく、混合液の粘性を考慮すれば、型枠を使用せずに発泡体を形成するようにしてもよい。また、本実施形態では、硬化成型工程で得られたポリウレタン発泡体をスライス工程でスライスしてポリウレタンシート2を形成する例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、硬化成型工程で型枠25の厚さを小さくしてポリウレタンシート2を1枚ずつ形成するようにしてもよい。この場合は、研磨面Pで開孔4を形成させるために、ポリウレタンシート2の表面にバフ処理等のサンディング処理を施すようにしてもよい。
以下、本実施形態に従い、水および相間移動触媒の割合を変えた分散液で作製した研磨パッド1の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例についても併記する。
(実施例1)
実施例1では、下表1に示すように、分散液の組成を変えて、試料1〜試料4の研磨パッド1を作製した。第1成分のプレポリマとしてイソシアネート含有量が9〜9.3%の末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマ(Adiprene L−325)を用い、これを55℃に加熱し減圧下で脱泡した。第2成分の分散液は、グリセリンと、数平均分子量約500のPPGとを表1に示す割合で混合し、水と相間移動触媒のTBABとを表1の割合で分散希釈させた。更に、分散液には、触媒(トヨキャットET、東ソー株式会社製)の1部、シリコン系界面活性剤(SH−193、ダウコーニング社製)の5部をそれぞれ添加し攪拌混合した後、減圧下で脱泡した。第1成分:第2成分を重量比で表1に示す割合になるように混合槽12に供給した。混合工程では、攪拌条件を剪断回数1689回、剪断速度9425/秒に設定した。得られた混合液を型枠25に注型し硬化させた後、成型された発泡体を型枠25から抜き出した。この発泡体を、厚さ1.3mmにスライスしポリウレタンシート2を作製した。なお、試料1は、相間移動触媒が混合されていない比較例の試料である。
Figure 2009172699
各試料について、密度および開孔径の測定による均質性の評価、湿潤硬度および硬度保持率の測定による耐熱性の評価を行った。各測定項目は以下の測定方法により測定し、得られた評価結果を下表2に示す。
(均質性の評価)
均質性の評価では、硬化成型したポリウレタン発泡体の上層部、中層部、下層部からスライスして得られたポリウレタンシート2の密度と開孔径をそれぞれ測定し、各層での測定値の差から均質性を評価した。密度は、所定サイズの大きさに切り出した試料の重量を測定し、サイズから求めた体積から算出した。また、開孔径は、マイクロスコープ(KEYENCE製、VH−6300)で約1.3mm四方の範囲を175倍に拡大して観察し、得られた画像を画像処理ソフト(Image Analyzer V20LAB Ver.1.3)により処理し算出した。
(耐熱性の評価)
耐熱性の評価では、ポリウレタン発泡体の中層部から得られたポリウレタンシート2について、湿潤(WET)硬度および硬度保持率を測定した。湿潤硬度は、ポリウレタンシート2を温度20℃の水に30分間浸漬した後、硬度として、日本工業規格(JIS K 7311)に準じてショアA硬度を測定した。硬度保持率は、同じポリウレタンシート2を温度70℃の熱湯に30分間浸漬した後、ショアA硬度を同様に測定し、20℃のときの硬度に対する70℃のときの硬度の割合を百分率で求めた。
Figure 2009172699
表1、2に示すように、相間移動触媒を含まない試料1では、水により発泡が形成されるものの、硬化剤としてポリオール化合物のみを用いているため、上層、中層、下層で密度、平均開孔径にバラツキが生じており、巨大発泡が認められた。これに対して、相間移動触媒のTBABを添加した試料2〜試料4では、上層部、中層部、下層部で、密度、平均開孔径共に略均一(平均値に対して±3%の範囲内)であり、巨大発泡は確認されなかった。また、相間移動触媒を含んだ試料2では、相間移動触媒を含まない試料1より発泡が微細化され均等化されていることが判った。また、軟質化しても硬度保持率が高く、研磨特性を向上させることが期待できることが判った。
本発明は巨大発泡の形成を抑制し微細な発泡を均等化した研磨パッドおよび該研磨パッドの製造方法を提供するため、研磨パッドの製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明を適用した実施形態の研磨パッドを示す断面図である。 実施形態の研磨パッドの製造方法の要部を示す工程図である。 実施形態の研磨パッドの製造に用いた混合機および型枠の概略を示すブロック図である。
符号の説明
1 研磨パッド
2 ポリウレタンシート(ポリウレタン発泡体)
3 発泡
4 開孔
P 研磨面
20 混合機

Claims (16)

  1. イソシアネート基含有化合物と、ポリオール化合物に水と相間移動触媒とを分散希釈させた分散液と、を混合した混合液から乾式成形されたポリウレタン発泡体を有することを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記分散液は、前記水が0.2重量%〜2.0重量%の割合、前記相間移動触媒が0.02重量%〜0.2重量%の割合で分散希釈されたことを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記分散液はポリアミン化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  4. 前記相間移動触媒は、テトラアルキルアンモニウム塩またはクラウンエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  5. 前記相間移動触媒は、テトラブチルアンモニウムブロミドないしセチルトリメチルアンモニウムブロミドであることを特徴とする請求項4に記載の研磨パッド。
  6. 前記ポリオール化合物は、トリオール化合物とジオール化合物とを含み、前記トリオール化合物と前記ジオール化合物との割合が当量比で1:9〜5:5であることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  7. 前記トリオール化合物は、グリセリンまたはトリエタノールアミンであることを特徴とする請求項6に記載の研磨パッド。
  8. 前記水の量は、前記イソシアネート基含有化合物の重量1kgに対して1g〜6gの割合であることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  9. 前記イソシアネート基含有化合物は、温度50℃〜80℃における粘度が500mPa・s〜4000mPa・sの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  10. 前記ポリウレタン発泡体は、温度20℃の水に一定時間浸漬したときの硬度に対する、温度70℃の水に前記一定時間浸漬したときの硬度の割合が85%以上であることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  11. 前記ポリウレタン発泡体は、スライスにより表面に開孔が形成されており、前記開孔の平均開孔径が30μm〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  12. 前記スライスにより前記ポリウレタン発泡体から複数のポリウレタンシートが形成されたときに、各ポリウレタンシートは、前記平均開孔径の差、および、密度の差がいずれも±3%の範囲内であることを特徴とする請求項11に記載の研磨パッド。
  13. イソシアネート基含有化合物と、ポリオール化合物に水と相間移動触媒とを分散希釈させた分散液とをそれぞれ準備する準備ステップと、
    前記イソシアネート基含有化合物と、前記分散液とを混合した混合液を調製し、前記混合液からポリウレタン発泡体を乾式成形する発泡体成形ステップと、
    を含み、
    前記準備ステップにおいて、前記ポリオール化合物に、前記水を0.2重量%〜2.0重量%の割合、前記相間移動触媒を0.02重量%〜0.2重量%の割合で分散希釈させることを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  14. 前記発泡体成形ステップでは、前記混合液を調製した後、連続して前記ポリウレタン発泡体を乾式成形することを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記発泡体成形ステップにおいて、剪断速度9,000〜41,000/秒、剪断回数300〜10,000回の条件で前記混合液を調製することを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
  16. 前記発泡体成形ステップで乾式成形されたポリウレタン発泡体をスライスするスライスステップを更に含むことを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
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