JP2009252061A - カラーの光学式シンボルを付す装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】物品に高精度で読み取り可能なカラーの光学式シンボルを付すことができる装置を提供する。
【解決手段】物品100にカラーの光学式シンボルを付す装置1aは、ヘッド10と、このヘッド10が物品100に対して第1の方向に相対的に移動するようにヘッド10および/または物品100を移動させる手段30とを有する。ヘッド10は、複数色のインクを物品100に向けてそれぞれ吐出する複数のノズル部11〜13と、複数のノズル部11〜13のいずれかにより異なる色のインクを塗布する前に、物品100に塗布済みのインクを定着させるための定着手段21aおよび22aとを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】物品100にカラーの光学式シンボルを付す装置1aは、ヘッド10と、このヘッド10が物品100に対して第1の方向に相対的に移動するようにヘッド10および/または物品100を移動させる手段30とを有する。ヘッド10は、複数色のインクを物品100に向けてそれぞれ吐出する複数のノズル部11〜13と、複数のノズル部11〜13のいずれかにより異なる色のインクを塗布する前に、物品100に塗布済みのインクを定着させるための定着手段21aおよび22aとを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、物品にカラーの光学式シンボルを付すための装置に関するものである。
特許文献1およびその背景技術には、カラーを利用した種々の光学式コードが開示されている。
特開2008−9879号公報
本明細書において、以下の用語は、以下のような意味で用いている。
コード(光学式コード、コード体系):データをシンボルに表すための規格を言う。
シンボル:上記規格に基づき、データを変換したものを言う。例えば、一般的なバーコードにおいては、「バーコード」という「規格」に基づきデータを変換したそれぞれの「黒と白のパターン」を「シンボル」または「バーコードシンボル」と呼ぶ。
デコード:各シンボルから、そのコードに基づいて元のデータを得る処理をデコードと呼ぶ。
リーダ:物品に付されたシンボルを読み取る装置を言う。読み取ったデータは、上記デコードの対象となり、デコードの結果、元のデータが得られる。
カラーを利用した光学式コード(カラーの光学式コード):光学式コードとして、黒と白だけでなく、赤や青などの有彩色を用いたコードを言う。本明細書では、このような有彩色を用いたコードを、便宜上、カラーコードと呼ぶ。本明細書において、カラーコードは、2次元コードに限定されるものではなく、1次元コードも含む。
カラーの光学式シンボル:カラーコードに基づきデータを変換したそれぞれのシンボル(有彩色のシンボル)を言う。本明細書では、このような有彩色のシンボルを、便宜上、カラーコードシンボルと呼ぶ。
コード(光学式コード、コード体系):データをシンボルに表すための規格を言う。
シンボル:上記規格に基づき、データを変換したものを言う。例えば、一般的なバーコードにおいては、「バーコード」という「規格」に基づきデータを変換したそれぞれの「黒と白のパターン」を「シンボル」または「バーコードシンボル」と呼ぶ。
デコード:各シンボルから、そのコードに基づいて元のデータを得る処理をデコードと呼ぶ。
リーダ:物品に付されたシンボルを読み取る装置を言う。読み取ったデータは、上記デコードの対象となり、デコードの結果、元のデータが得られる。
カラーを利用した光学式コード(カラーの光学式コード):光学式コードとして、黒と白だけでなく、赤や青などの有彩色を用いたコードを言う。本明細書では、このような有彩色を用いたコードを、便宜上、カラーコードと呼ぶ。本明細書において、カラーコードは、2次元コードに限定されるものではなく、1次元コードも含む。
カラーの光学式シンボル:カラーコードに基づきデータを変換したそれぞれのシンボル(有彩色のシンボル)を言う。本明細書では、このような有彩色のシンボルを、便宜上、カラーコードシンボルと呼ぶ。
カラーの光学式コードにおいてデータを表すために用いられるカラーの光学式シンボル(カラーコードシンボル)は、専用のリーダにより読み取られてデコードされる。カラーの光学式コードで用いられるカラーの光学式シンボルを、例えば、インクジェット式のプリンタのような装置により付すことができれば、オンデマンド、かつ、非接触で物品にマーキングすることが可能となる。
しかしながら、インクジェット式のプリンタのような装置の場合、通常、互いに隣り合うドットが混色してマルチカラーの画像を形成する。これに対し、カラーの光学式シンボルにおいて互いに隣り合うドットが混色すると、リーダが認識することができない色情報となる。このようなリーダが認識できない色情報がカラーの光学式シンボルに存在すると、デコードできず、したがって、このようなシンボルは、カラーの光学式コードにおいてデータを表すために用いられるカラーの光学式シンボルとして機能しない。
特に、光学式シンボルは、限られた狭い面積範囲に付すことを要求される場合が多い。このような場合には、ドットピッチ(ドット間隔)を極力狭くし、必要な情報を指定範囲内に収める必要がある。このため、さらに、互いに隣り合うドットの混色が起こり易くなる。
したがって、互いに隣り合うドットの混色を抑制でき、高精度で読み取り可能なカラーの光学式シンボルを、オンデマンド、かつ、非接触で、物品に付すことができる装置が求められている。
本発明の一態様は、ヘッドと、ヘッドが物品に対して第1の方向に相対的に移動するようにヘッドおよび/または物品を移動させる手段とを有し、物品にカラーの光学式シンボルを付す装置である。この装置において、ヘッドは、複数色のインクを物品に向けてそれぞれ吐出する複数のノズル部と、複数のノズル部のいずれかにより異なる色のインクを塗布する前に、物品に塗布済みのインクを定着させるための少なくとも1つの定着手段とを備えている。ここで、インクの定着とは、乾燥、熱定着、熱硬化、光硬化などによるインクの定着を含む。
この装置によれば、少なくとも1つの定着手段により、複数のノズル部のいずれかにより異なる色のインクを塗布する前に、物品に塗布済みのインクを定着させる。したがって、互いに隣り合うドットが互いに異なる色のドットのときに、それらのドットの一部が重なる状態になっても、先に塗布済みのインクはすでに定着している。このため、異なる色のドット同士の一部が重なっても、混色すること、すなわち、混色した色の領域が生成されることを抑制できる。したがって、この装置によれば、高精度で読み取り可能なカラーの光学式シンボルを、オンデマンド、かつ、非接触で、物品に付すことができる。また、この装置によれば、互いに隣り合うドットの混色を抑制できるため、ドットピッチ(ドット間隔)を比較的狭くすることができる。したがって、物品表面の狭い領域であっても、必要な情報を指定範囲内に付すことが可能となる。
また、この装置によれば、光学式シンボルのドットが完全に重ならない範囲であれば、光学式シンボルのドットピッチを狭くすることができる。したがって、ヘッドおよび/または移動させる手段を制御する制御ユニットを設け、制御ユニットに、光学式シンボルのドットピッチを任意に設定する機能を含ませることができる。
この装置において、複数のノズル部の一例は、第1の色のインクの液滴を吐出するための第1のノズル部と、第2の色のインクの液滴を吐出するための第2のノズル部と、第3の色のインクの液滴を吐出するための第3のノズル部とを含むものである。第1ないし第3のノズル部は、典型的には、第1の方向に沿って設けられ、少なくとも1つの定着手段は、典型的には、第1ないし第3のノズル部とともに、第1の方向に沿って設けられる。さらに、この装置の移動させる手段は、典型的には、ヘッドおよび/または物品を、物品に向けて第1のノズル部から第1の色のインクを吐出させてこれを定着させ、その後、物品に向けて第2のノズル部から第2の色のインクを吐出させてこれを定着させ、さらにその後、物品に向けて第3のノズル部から第3の色のインクを吐出させてこれを定着させて、物品にカラーの光学式シンボルを付すように動かす。
また、この装置において、少なくとも1つの定着手段は、複数のノズル部よりもヘッドの相対的な移動方向の後側に配置された第1の定着手段を含むことが好ましい。このような装置によれば、ヘッドおよび/または物品を移動させることにより、複数のノズル部が物品に対して第1の方向に相対的に移動するとともに、第1の定着手段が複数のノズル部の後側において物品に対して第1の方向に相対的に移動する。したがって、移動させる手段により、ヘッドと物品とを第1の方向に相対的に往復動させたときに、往路において、複数のノズル部のいずれかによりインクを塗布し、続けて、複数のノズル部よりも後側に配置された第1の定着手段により物品に塗布済みのインクを定着させることができる。この装置は、典型的には、1色毎に、吐出、定着というサイクル(ヘッドの相対的な往復動)を、塗布したいインクの色の数だけ繰り返す必要があるが、定着手段を比較的少なくすることができる。例えば、定着手段は、少なくとも1つあれば良く、第1の定着手段のみでよいため、ヘッドを小型化できる。
この装置において、少なくとも1つの定着手段は、複数のノズル部よりもヘッドの相対的な移動方向の前側に配置された第2の定着手段を含んでいてもよい。ヘッドと物品とを相対的に往復動させるサイクルの復路において、複数のノズル部よりも前側に配置された第2の定着手段により物品に塗布済みのインクを定着させることができる。また、インクが熱硬化インクであり、第2の定着手段が熱照射手段である場合、往路において、複数のノズル部のいずれかによりインクを塗布する前に、第2の定着手段により物品をプレヒートできる。このため、第2の定着手段を用いて、塗布されるインクの定着を早める効果を期待できる。
この装置の1つの形態は、少なくとも1つの定着手段が第1の定着手段と第2の定着手段とを含むものである。この装置は、典型的には、塗布したいインクの色の数だけ、ヘッドおよび/または物品を往復動させることにより、物品にカラーの光学式シンボルを付す。
すなわち、この装置は、典型的には、往路において、複数のノズル部のいずれかによりインクを塗布し、複数のノズル部よりも後側に配置された第1の定着手段により物品に塗布済みのインクを定着させ、復路において、第1の定着手段により物品に塗布済みのインクを定着させ、さらに、第2の定着手段により物品に塗布済みのインクを定着させる。したがって、この装置によれば、定着手段により物品に塗布済みのインクを3回定着させることができる。また、インクが熱硬化インクであり、第2の定着手段が熱照射手段である場合、往路において、複数のノズル部のいずれかによりインクを塗布する前に、第2の定着手段により物品をプレヒートし、塗布されたインクの定着を早めることができる。なお、この装置は、往路において、1色のインクを塗布してこれを第1の定着手段により定着させ、復路において、他の1色のインクを塗布してこれを第2の定着手段により定着させるようにして、物品にカラーの光学式シンボルを付すようにしてもよい。
また、この装置において、少なくとも1つの定着手段は、複数のノズル部の間にそれぞれ配置された複数の第3の定着手段を含んでいてもよい。複数のノズル部の間にそれぞれ複数の第3の定着手段を設けることにより、複数のノズル部のいずれかにより物品に塗布されたインクを、次のノズル部が通過する前に、これらの間に設けられた第3の定着手段により定着させることができる。
少なくとも1つの定着手段が第1の定着手段と複数の第3の定着手段を含む装置は、1パスで、ヘッドと物品とを相対的に往復動せずに、物品にカラーの光学式シンボルを付すことができる。すなわち、この装置は、複数のノズル部のうちのヘッドの相対的な移動方向の最も前側にあるノズル部によりインクを塗布し、次のノズル部が通過する前に、その直後の第3の定着手段により塗布済みのインクを定着できる。次のノズル部により、先行するノズル部により形成されたドットの周辺にインクを塗布する際に、先行するノズル部により塗布されたインク(ドット)は定着している。このため、さらに、次(後続)のノズル部によりインクを塗布し、さらに、その直後の第3の定着手段により塗布済みのインクを定着させることができる。したがって、さらに後続の残りのノズルにおいても、同様に、インクを塗布でき、ドットの混色を抑制しながら、1パスで物品にカラーの光学式シンボルを付すことができる。この装置によれば、1色毎に、吐出、定着というサイクルを、塗布したいインクの色の数だけ繰り返す装置と比べて、短時間でカラーの光学式シンボルを付すことができる。
また、色調(彩度、明度)によって、色を重ねたときの発色が異なることがある。したがって、塗布および定着する順番は、発色に影響を与えない順番であることが望ましい。例えば、色調のうち、明度が低いものほど、すなわち、色が濃く、透明になりにくいものほど下地の色の影響が少ない。したがって、この装置において、第1の色は第2の色よりも明度が高く、第2の色は第3の色よりも明度が高いことが好ましい。すなわち、この装置においては、明度の高いインクから順番に塗布および定着させるようにすることが好ましい。
明度の低いインクから塗布および定着させる場合、先に定着した明度の低いインクの上にそれよりも明度の高いインクが重なることになる。この場合、重なった部分が、先に定着したインクの色の影響を受けてしまうおそれがある。例えば、シアンのインクを塗布および定着させた後、シアンより明度の高いイエローのインクを塗布および定着させるようにした場合、先に定着したシアンのインクの上にイエローのインクが重なると、インクが混色する訳ではないが、後に定着したイエローのインクが先に定着したシアンのインクの影響を受け、重なった部分が緑かかったイエローとなってしまう。
これに対し、明度の高いインクから順番に塗布および定着させるようにすると、先に定着した明度の高いインクの上にそれよりも明度の低いインクが重なるため、重なった部分が先に定着したインクの色の影響を受け難い。例えば、イエローのインクを塗布および定着させた後、シアンのインクを塗布および定着させるようにした場合、先に定着したイエローのインクの上にシアンのインクが重なっても、シアンのインクはイエローのインクの影響をほとんど受けず、重なった部分はシアンまたはこれと同等の色(シアンの色調が強い色)となる。したがって、基本的には、リーダにおいてシアンとして認識されるため、ドットの重なりによるリーダの誤認識を低減することができる。
このように、明度の高いインクから順番に塗布および定着させるようにすると、ドットが重なったとしても、このドットの重なりあった部分における微妙な色の変化が殆ど見られなくなり、コードの読み取り(デコード)の際に起こる誤認識を抑制できる。
例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の三原色のインクを用いて物品にカラーの光学式シンボルを付す場合、イエロー、マゼンタ、シアンの順番で明度が低くなることが多いので、この順番で塗布および定着させることが好ましい。また、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の三原色のインクを用いて物品にカラーの光学式シンボルを付す場合、グリーン、レッド、ブルーの順番で明度が低くなることが多いので、この順番で塗布および定着させることが好ましい。
カラーの光学式シンボルを付す物品は、顔料インクや染料インクが吸収、定着(乾燥)しやすい紙などの物品であってもよいが、顔料インクや染料インクが吸収、定着(乾燥)しにくい非吸収面を有する樹脂やガラスなどの物品であってもよい。樹脂やガラスなどの物品に光学式シンボルを付す場合、顔料インクや染料インクなどを用いると、定着手段により強制的に定着(乾燥)するまでに比較的長い時間を要する場合がある。
種々の物品にカラーの光学式シンボルを付すために好適なインクの1つは、熱硬化インクであり、少なくとも1つの定着手段として熱照射手段を用いることが好ましい。熱照射手段の一例は、ハロゲンランプである。種々の物品にカラーの光学式シンボルを付すために好適なインクの他の1つは、光硬化インクであり、少なくとも1つの定着手段として光照射手段を用いることが好ましい。光硬化インクの一例は、UV硬化インクであり、この場合の光照射手段は、UV照射手段である。非吸収面を有する樹脂やガラスなどの物品であっても、定着手段により、インクを塗布後、直ちに塗布したインクを強制的に定着(硬化)させることができる。
また、物品の表面状態によっては、物品の表面に存在する繊維などに沿ってインクがにじんでしまったり、物品の表面の汚れなどによりインクが引っ張られて、着弾したインクの形状がまちまちになってしまう場合がある。
したがって、この装置においては、ヘッドが、複数のノズル部から複数色のインクを吐出させる前にインクの下地を形成する前処理剤を吐出するための第4のノズル部を備えていることが好ましく、また、少なくとも1つの定着手段が、複数のノズル部から複数色のインクを吐出させる前に、物品に塗布済みの前処理剤を定着させるための定着手段を含むことが好ましい。物品に塗布済みの前処理剤を定着させるための定着手段は、上記第1ないし第3の定着手段のいずれかが兼ねていてもよく、また、上記第1ないし第3の定着手段とは別の定着手段であってもよい。前処理剤としては、例えば、インクに親和性のある処理剤を用いることができる。
この装置によれば、複数のノズル部から複数色のインクを吐出させる前に、必要に応じて、物品のカラーの光学式シンボルを付す領域に前処理剤を塗布することができるため、所望の形状のドットを所望の位置に良好に形成することができる。また、この装置によれば、基板の側面(端面)などのように凹凸の粗い面であっても、にじみの無い、均一なドットを形成することができる。
また、この場合、ヘッドおよび/または移動させる手段を制御する制御ユニットにより、第4のノズル部により物品の上に形成されるドットピッチが、光学式シンボルのドットピッチよりも小さくなるように、ヘッドおよび/または移動させる手段を制御することが好ましい。
第4のノズル部により物品の上に形成される前処理剤のドットの径が光学式シンボルを形成するインク(色材インク)のドットの径よりも大きいあるいは同一であり、かつ、前処理剤の着弾位置とインクの着弾位置とにずれがない、つまり、前処理剤の着弾範囲内にインクが確実に乗る場合には、塗布したインク(色材インク)は着弾位置に正確に留まる。したがって、このような場合には、第4のノズル部により物品の上に形成される前処理剤のドットピッチは、光学式シンボルを形成するインクのドットピッチと同じでよい。
しかしながら、前処理剤の着弾位置にインクを確実に着弾させることは難しい場合もある。このような場合、第4のノズル部により物品の上に形成される前処理剤のドットピッチを、光学式シンボルを形成するインクのドットピッチと同じとすると、前処理剤の非着弾位置にインクが着弾する可能性がある。前処理剤の非着弾位置にインクが着弾すると、その部分においては、インクのにじみや形状の変化が生じるおそれがある。
このため、第4のノズル部により物品の上に形成される前処理剤のドットピッチは、光学式シンボルを形成するインクのドットピッチよりも小さくなるようにすることが好ましい。前処理剤のドットピッチのより好ましい例は、互いに隣り合うドットが重なり合うようなドットピッチである。このようにすることにより、前処理剤の非着弾位置にシンボルを形成するためのインクが着弾することを抑制できる。
また、この装置において付されるカラーの光学式シンボルは、使用する環境や経時変化などに対応するため、耐溶剤性、耐洗浄性、耐光性、耐薬品性などが必要な場合がある。
したがって、この装置においては、ヘッドが、複数のノズル部から複数色のインクが吐出され、さらに定着された後に、物品に塗布済みのインクをコートする後処理剤を吐出するための第5のノズル部を備えていることが好ましく、また、少なくとも1つの定着手段は、物品に塗布済みの後処理剤を定着させるための定着手段を含むことが好ましい。物品に塗布済みの後処理剤を定着させるための定着手段は、上記第1ないし第3の定着手段のいずれかが兼ねていてもよく、また、上記第1ないし第3の定着手段とは別の定着手段であってもよい。後処理剤としては、例えば、インクに親和性のある処理剤を用いることができる。
この装置によれば、複数のノズル部から複数色のインクが吐出され、さらに定着された後に、必要に応じて、物品に塗布済みのインクをコートする後処理剤を塗布することができるため、物品に付された光学式シンボルの耐溶剤性、耐洗浄性、耐光性、耐薬品性などを向上させることができる。
また、この場合、ヘッドおよび/または移動させる手段を制御する制御ユニットにより、第5のノズル部により物品の上に形成されるドットピッチが、光学式シンボルのドットピッチよりも小さくなるように、ヘッドおよび/または移動させる手段を制御することが好ましい。
第5のノズル部により物品の上に形成される後処理剤のドットの径が光学式シンボルを形成するインク(色材インク)のドットの径よりも大きいあるいは同一であり、かつ、インクの着弾位置と後処理剤の着弾位置とにずれがない、つまり、インクの着弾範囲の全域を後処理剤により確実にカバーできる場合には、塗布および定着させたインク(色材インク)を良好に保護することができる。したがって、このような場合には、第5のノズル部により物品の上に形成される後処理剤のドットピッチは、光学式シンボルを形成するインクのドットピッチと同じでよい。
しかしながら、インクの着弾径に対して後処理剤の着弾径が小さかったり、インクの着弾位置に後処理剤を確実に着弾させることは難しい場合もある。このような場合、第5のノズル部により物品の上に形成される後処理剤のドットピッチを、光学式シンボルを形成するインクのドットピッチと同じとすると、光学式シンボルを形成するインクを後処理剤により確実にカバーできないおそれがある。
このため、第5のノズル部により物品の上に形成される後処理剤のドットピッチは、光学式シンボルを形成するインクのドットピッチよりも小さくなるようにすることが好ましい。後処理剤のドットピッチのより好ましい例は、互いに隣り合うドットが重なり合うようなドットピッチである。このようにすることにより、光学式シンボルを形成するインク(定着させたドット)を後処理剤により良好にカバーできる。
本発明の他の態様は、物品にカラーの光学式シンボルを付す装置を用いて、この物品に光学式シンボルを付す方法である。装置は、ヘッドを有し、ヘッドは、複数色のインクを物品に向けてそれぞれ吐出する複数のノズル部と、物品に塗布済みのインクを定着させるための少なくとも1つの定着手段とを備えている。当該方法は、以下の工程を含む。
(a1)ヘッドおよび/または物品を移動させて、複数のノズル部のいずれかにより、物品に塗布済みのインクと異なる色のインクを塗布する前に、少なくとも1つの定着手段により、物品に塗布済みのインクを定着させてから、異なる色のインクを塗布して、光学式シンボルを付すこと(光学式シンボルを付す工程)。
(a1)ヘッドおよび/または物品を移動させて、複数のノズル部のいずれかにより、物品に塗布済みのインクと異なる色のインクを塗布する前に、少なくとも1つの定着手段により、物品に塗布済みのインクを定着させてから、異なる色のインクを塗布して、光学式シンボルを付すこと(光学式シンボルを付す工程)。
この方法によれば、互いに異なる色のドットが重なっても、先に塗布済みのインクはすでに定着しているため、ドット同士の混色の発生を抑制できる。したがって、高精度で読み取り可能なカラーの光学式シンボルを物品に付すことができる。
複数のノズル部が、例えば、第1の色のインクの液滴を吐出するための第1のノズル部と、第2の色のインクの液滴を吐出するための第2のノズル部と、第3の色のインクの液滴を吐出するための第3のノズル部とを含み、第1ないし第3のノズル部が、第1の方向に沿って設けられ、少なくとも1つの定着手段が、第1ないし第3のノズル部とともに、第1の方向に沿って設けられている場合、光学式シンボルを付すことは、典型的には、以下の工程を含む。
(a1−1)物品に向けて第1のノズル部から第1の色のインクを吐出させてこれを定着させること(第1の色のインクを吐出させてこれを定着させる工程)。
(a1−2)物品に向けて第2のノズル部から第2の色のインクを吐出させてこれを定着させること(第2の色のインクを吐出させてこれを定着させる工程)。
(a1−3)物品に向けて第3のノズル部から第3の色のインクを吐出させてこれを定着させること(第3の色のインクを吐出させてこれを定着させる工程)。
(a1−1)物品に向けて第1のノズル部から第1の色のインクを吐出させてこれを定着させること(第1の色のインクを吐出させてこれを定着させる工程)。
(a1−2)物品に向けて第2のノズル部から第2の色のインクを吐出させてこれを定着させること(第2の色のインクを吐出させてこれを定着させる工程)。
(a1−3)物品に向けて第3のノズル部から第3の色のインクを吐出させてこれを定着させること(第3の色のインクを吐出させてこれを定着させる工程)。
また、ヘッドが、複数色のインクの下地を形成する前処理剤を吐出するための第4のノズル部を備える場合、当該方法は、さらに、以下の工程を含むことが好ましい。
(a0)光学式シンボルを付すことの前に、物品に向けて第4のノズル部から前処理剤を吐出させてこれを定着させること(前処理剤を吐出させてこれを定着させる工程)。
(a0)光学式シンボルを付すことの前に、物品に向けて第4のノズル部から前処理剤を吐出させてこれを定着させること(前処理剤を吐出させてこれを定着させる工程)。
このようにすることにより、ドットのにじみやドットの形状の変化を抑制することができる。
また、ヘッドが、物品に塗布済みの複数色のインクをコートする後処理剤を吐出するための第5のノズル部を備える場合、当該方法は、さらに、以下の工程を含むことが好ましい。
(a2)光学式シンボルを付すことの後に、物品に向けて第5のノズル部から後処理剤を吐出させてこれを定着させること(後処理剤を吐出させてこれを定着させる工程)。
(a2)光学式シンボルを付すことの後に、物品に向けて第5のノズル部から後処理剤を吐出させてこれを定着させること(後処理剤を吐出させてこれを定着させる工程)。
このようにすることにより、光学式シンボルを形成するインク(定着させたドット)を後処理剤によりカバーし、耐溶剤性、耐洗浄性、耐光性、耐薬品性などを付与することができる。
また、ピエゾ方式やサーマル方式などのインクジェットヘッドを使用する場合、ノズル部におけるインクの増粘現象によるインクの不吐出、あるいは、着弾精度が悪化するという問題がある。したがって、これらの問題を解決するために、光学式シンボルを付すことは、以下の工程を含むことが好ましい。
(a1−0)複数のノズル部が光学式シンボルを付すためにそれぞれのインクを吐出する前に、それぞれのインクを物品に捨て打ちすること(捨て打ちする工程)。
(a1−0)複数のノズル部が光学式シンボルを付すためにそれぞれのインクを吐出する前に、それぞれのインクを物品に捨て打ちすること(捨て打ちする工程)。
この場合、捨て打ちすること(捨て打ちする工程)は、以下の工程を含むことが好ましい。
(a1−0−1)複数のノズル部により、物品の上の同一のスポットに捨て打ちすること(同一のスポットに捨て打ちする工程)。
(a1−0−2)少なくとも1つの定着手段により、同一のスポットのインクを、複数のノズル部が最後に捨て打ちした後にのみ定着させること(最後に捨て打ちした後にのみ定着させる工程)。
(a1−0−1)複数のノズル部により、物品の上の同一のスポットに捨て打ちすること(同一のスポットに捨て打ちする工程)。
(a1−0−2)少なくとも1つの定着手段により、同一のスポットのインクを、複数のノズル部が最後に捨て打ちした後にのみ定着させること(最後に捨て打ちした後にのみ定着させる工程)。
物品に安定したシンボルを塗布するためには、複数のノズル部によりシンボルを付すためにインクを吐出する直前に、物品に捨て打ちできることが好ましい。しかしながら、物品に単純に捨て打ちを行う、すなわち、光学式シンボルを付す工程と同様に捨て打ちを行うと、捨て打ちされたインクもリーダにおいてシンボルの一部と認識されてしまうおそれがある。
この方法によれば、複数のノズル部により、物品の上の同一のスポットに捨て打ちし、少なくとも1つの定着手段により、同一のスポットのインクを、複数のノズル部が最後に捨て打ちした後にのみ定着させるため、捨て打ちされたスポットにおいては、複数色のインクが混色し、例えば、黒色などになり、その後、定着する。複数色のインクが混色された色をリーダがシンボルの一部として認識しないようにしておけば、シンボルの近傍に捨て打ちされたインクが残っていたとしても、リーダは誤認識することなく、正常にシンボルを読み取ることができる。
したがって、この方法によれば、複数のノズル部によりシンボルを付すためにインクを吐出する直前に、シンボルを付す対象物である物品の表面に捨て打ちを行うことが可能であり、しかも、捨て打ちされたドットがリーダによりシンボルの一部として誤認識されることを抑制できる。
本発明のさらに他の態様は、物品にカラーの光学式シンボルを付す装置を制御部により制御する方法である。装置は、ヘッドと、ヘッドが物品に対して第1の方向に相対的に移動するようにヘッドおよび/または物品を移動させる手段とを有する。ヘッドは、複数色のインクを物品に向けてそれぞれ吐出する複数のノズル部と、複数のノズル部のいずれかにより異なる色のインクを塗布する前に、物品に塗布済みのインクを定着させるための少なくとも1つの定着手段とを備える。複数のノズル部は、第1の色のインクの液滴を吐出するための第1のノズル部と、第2の色のインクの液滴を吐出するための第2のノズル部と、第3の色のインクの液滴を吐出するための第3のノズル部とを含む。第1ないし第3のノズル部は、第1の方向に沿って設けられ、少なくとも1つの定着手段は、第1ないし第3のノズル部とともに、第1の方向に沿って設けられている。当該方法は、以下の工程を含む。
(b1)移動させる手段により、ヘッドおよび/または物品を、物品に向けて第1のノズル部から第1の色のインクを吐出させてこれを定着させ、その後、物品に向けて第2のノズル部から第2の色のインクを吐出させてこれを定着させ、さらにその後、物品に向けて第3のノズル部から第3の色のインクを吐出させてこれを定着させて、物品に光学式シンボルを付すように動かすこと(物品に光学式シンボルを付すように動かす工程)。
(b1)移動させる手段により、ヘッドおよび/または物品を、物品に向けて第1のノズル部から第1の色のインクを吐出させてこれを定着させ、その後、物品に向けて第2のノズル部から第2の色のインクを吐出させてこれを定着させ、さらにその後、物品に向けて第3のノズル部から第3の色のインクを吐出させてこれを定着させて、物品に光学式シンボルを付すように動かすこと(物品に光学式シンボルを付すように動かす工程)。
この方法によれば、互いに異なる色のドット同士の混色の発生を抑制できる。したがって、高精度で読み取り可能なカラーの光学式シンボルを物品に付すことができる。
ヘッドが、複数色のインクの下地を形成する前処理剤を吐出するための第4のノズル部を備える場合、当該方法は、さらに、以下の工程を含むことが好ましい。
(b0)物品に光学式シンボルを付すように動かすことの前に、第4のノズル部により形成されるドットピッチが、光学式シンボルのドットピッチよりも小さくなるように、第4のノズル部から前処理剤を吐出させること(第4のノズル部から前処理剤を吐出させる工程)。
(b0)物品に光学式シンボルを付すように動かすことの前に、第4のノズル部により形成されるドットピッチが、光学式シンボルのドットピッチよりも小さくなるように、第4のノズル部から前処理剤を吐出させること(第4のノズル部から前処理剤を吐出させる工程)。
このようにすることにより、前処理剤の非着弾位置にインクが着弾することを抑制できるため、前処理剤によりインクのにじみや形状の変化を良好に抑制することができる。
また、ヘッドが、物品に塗布済みの複数色のインクをコートする後処理剤を吐出するための第5のノズル部を備える場合、当該方法は、さらに、以下の工程を含むことが好ましい。
(b2)物品に光学式シンボルを付すように動かすことの後に、第5のノズル部により形成されるドットピッチが、光学式シンボルのドットピッチよりも小さくなるように、第5のノズル部から後処理剤を吐出させること(第5のノズル部から後処理剤を吐出させる工程)。
(b2)物品に光学式シンボルを付すように動かすことの後に、第5のノズル部により形成されるドットピッチが、光学式シンボルのドットピッチよりも小さくなるように、第5のノズル部から後処理剤を吐出させること(第5のノズル部から後処理剤を吐出させる工程)。
このようにすることにより、光学式シンボルを形成するインク(定着させたドット)を後処理剤により良好にカバーできるため、物品に付された光学式シンボルに、耐溶剤性、耐洗浄性、耐光性、耐薬品性などを良好に付与することができる。
また、物品に光学式シンボルを付すように動かすことは、以下の工程を含むことが好ましい。
(b1−0)複数のノズル部から光学式シンボルを付すためにそれぞれのインクを吐出させる前に、それぞれのインクを物品に捨て打ちさせること(捨て打ちさせる工程)。
(b1−0)複数のノズル部から光学式シンボルを付すためにそれぞれのインクを吐出させる前に、それぞれのインクを物品に捨て打ちさせること(捨て打ちさせる工程)。
この場合、捨て打ちさせること(捨て打ちさせる工程)は、以下の工程を含むことが好ましい。
(b1−0−1)複数のノズル部が、物品の上の同一のスポットに捨て打ちすること(同一のスポットに捨て打ちする工程)。
(b1−0−2)少なくとも1つの定着手段が、同一のスポットのインクを、複数のノズル部が最後に捨て打ちした後にのみ定着させること(最後に捨て打ちした後にのみ定着させる工程)。
(b1−0−1)複数のノズル部が、物品の上の同一のスポットに捨て打ちすること(同一のスポットに捨て打ちする工程)。
(b1−0−2)少なくとも1つの定着手段が、同一のスポットのインクを、複数のノズル部が最後に捨て打ちした後にのみ定着させること(最後に捨て打ちした後にのみ定着させる工程)。
捨て打ちされたスポットにおいては、複数色のインクが混色し、例えば、黒色などになり、その後、定着する。複数色のインクが混色された色をリーダがシンボルの一部として認識しないようにしておけば、シンボルの近傍に捨て打ちされたインクが残っていたとしても、リーダは誤認識することなく、正常にシンボルを読み取ることができる。
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる装置1aを説明するための図である。図2は、図1の装置1aの概略構成を示す図である。この装置1aは、ピエゾ方式のインクジェットノズルを備えたヘッドユニット10を用いて、物品、例えばガラスエポキシ基板(ガラス繊維をエポキシ樹脂で固めてなる基板)100の側面(端面)101に、1次元(直線状)のカラーの光学式シンボル(カラーコードシンボル)を付す(印刷する)装置(シンボル印刷装置、カラーコードシンボル印刷装置、プリンタ)である。以下、この装置1aを、カラーコード印刷装置と称する。また、横方向(紙面左右方向、カラーコードシンボルが印刷される方向、第1の方向)をx方向、縦方向(紙面奥行方向)をy方向、高さ方向(紙面上下方向)をz方向として説明する。
このカラーコード印刷装置1aは、ピエゾ方式のインクジェットノズルを備えたヘッド(ヘッドユニット)10と、基板100をヘッド10の下方において第1の方向、すなわち、x方向に移動させる移動装置30と、カラーコードシンボルデータを生成するアプリケーションを含むコンピュータ40と、コントロールユニット(制御部)50とを有している。
このカラーコード印刷装置1aにおいては、移動装置30により基板100をx方向に移動させることにより、ヘッド10が基板100に対して第1の方向であるx方向に相対的に移動する。より具体的には、基板100に対してヘッド10が紙面左側に位置する状態をホームポジションとしたときに、往路においては、基板100はx方向マイナス側に移動し、復路においては、基板100はx方向プラス側に移動する。したがって、往路においては、ヘッド10はx方向プラス側に相対的に移動し、復路においては、ヘッド10はx方向マイナス側に相対的に移動する。
ヘッド(ヘッドユニット)10は、複数色のインクを物品である基板100の印刷面101に向けてそれぞれ吐出する複数のノズル部11〜13と、複数のノズル部11〜13のいずれかにより異なる色のインクを塗布する前に、基板100に塗布済みのインクを定着させるための定着手段21aおよび22aとを有している。
具体的には、本例では、ヘッド10は、複数のノズル部として、第1の色、例えばイエロー(Y)の熱硬化インクの液滴を吐出する第1のノズル部11と、第2の色、例えばマゼンタ(M)の熱硬化インクの液滴を吐出する第2のノズル部12と、第3の色、例えばシアン(C)の熱硬化インクの液滴を吐出する第3のノズル部13とを有している。これらのノズル部11〜13はピエゾにより駆動されるインクジェット方式のノズルであり、それぞれのノズル部11〜13を駆動するためのピエゾ素子(不図示)は、それぞれのノズル部11〜13に対応するように設けられている。
第1のノズル部11は、イエローのインクを溜めている第1のタンク部11aを有する第1の液供給機構11bと接続されている。第2のノズル部12は、マゼンタのインクを溜めている第2のタンク部12aを有する第2の液供給機構12bと接続されている。第3のノズル部13は、シアンのインクを溜めている第3のタンク13aを有する第3の液供給機構13bと接続されている。第1のノズル部11に供給される第1の色であるイエローは、第2のノズル部12に供給される第2の色であるマゼンタよりも明度が高く、第2のノズル部12に供給される第2の色であるマゼンタは、第3のノズル部13に供給される第3の色であるシアンよりも明度が高い。
ヘッド10は、さらに、定着手段として、第1ないし第3のノズル部11〜13よりも、往路におけるヘッド10の相対的な移動方向の後側(x方向マイナス側)に配置された第1の熱照射装置(第1の硬化装置、第1の定着手段)21aと、第1ないし第3のノズル部11〜13よりも往路におけるヘッド10の相対的な移動方向の前側(x方向プラス側)に配置された第2の熱照射装置(第2の硬化装置、第2の定着手段)22aを有している。第1および第2の熱照射装置21aおよび22aは、例えば、ハロゲンランプである。第1および第2の熱照射装置21aおよび22aと基板100面との間は、それぞれ、10±5mmの範囲で調整可能となっている。
なお、第1および第2の熱照射装置21aおよび22aは印刷対象物である基板100の端面101を加熱してインクを定着させるものであり、それ自体、発熱し高温となる。したがって、熱照射装置21aおよび22aの過熱を防止するための熱対策として、第1および第2の熱照射装置21aおよび22aの上面にヒートシンクを配置してもよい。
ヘッド10は、さらに、第1ないし第3のノズル部11〜13からイエロー、マゼンタ、シアンのインクを吐出させる前に、これらインクの下地を形成する前処理剤を吐出するための第4のノズル部14を備えている。第4のノズル部14も、ピエゾにより駆動されるインクジェット方式のノズルであり、ノズル部14を駆動して、前処理剤の液滴を吐出するためのピエゾ素子(不図示)が設けられている。第4のノズル部14は、前処理剤を溜めている第4のタンク部14aを有する第4の液供給機構14bと接続されている。
前処理剤としては、第1ないし第3のノズル部11〜13から吐出させるインクと親和性のある処理剤を用いることが好ましい。第1ないし第3のノズル部11〜13から吐出させるインクが、上述のように熱硬化インクである場合、前処理剤としては、例えば、エチレングリコール系の材料を含む処理剤を用いることができる。第1および第2の熱照射装置21aおよび22aは、第1ないし第3のノズル部11〜13から、イエロー、マゼンタ、シアンのインクを吐出させる前に、基板100に塗布済みの前処理剤を定着(固化)させるための定着手段を兼ねている。
ヘッド10は、さらに、第1ないし第3のノズル部11〜13からイエロー、マゼンタ、シアンのインクが吐出され、さらにこれらが定着された後に、基板100に塗布済みのこれらインクをコートする後処理剤を吐出するための第5のノズル部15を備えている。第5のノズル部15も、ピエゾにより駆動されるインクジェット方式のノズルであり、ノズル部15を駆動して、後処理剤の液滴を吐出するためのピエゾ素子(不図示)が設けられている。第5のノズル部15は、後処理剤を溜めている第5のタンク部15aを有する第5の液供給機構15bと接続されている。
後処理剤としては、第1ないし第3のノズル部11〜13から吐出させるインクと親和性のある処理剤を用いることが好ましい。第1ないし第3のノズル部11〜13から吐出させるインクが、上述のように熱硬化インクである場合、後処理剤としては、例えば、アクリル系の材料を含む処理剤を用いることができる。第1および第2の熱照射装置21aおよび22aは、基板100に塗布済みの後処理剤を定着(固化)させるための定着手段を兼ねている。
第1ないし第5のノズル部11〜15は、第1の方向(x方向)に沿って設けられている。第1ないし第5のノズル部11〜15の配置順は、任意である。本例では、x方向プラス側から、吐出順、すなわち、第4のノズル部14、第1のノズル部11、第2のノズル部12、第3のノズル部13、第5のノズル部15の順番で並んで配置されている。
第1および第2の熱照射装置21aおよび22aは、第1ないし第5のノズル部11〜15とともに、第1の方向(x方向)に沿って設けられている。第1の熱照射装置21aは、第1ないし第5のノズル部11〜15よりもヘッド10の相対的な移動方向の後側(x方向マイナス側)、すなわち、第5のノズル部15の後側(x方向マイナス側)に配置されている。第2の熱照射装置22aは、第1ないし第5のノズル部11〜15よりもヘッド10の相対的な移動方向の前側(x方向プラス側)、すなわち、第4のノズル部14の前側(x方向プラス側)に配置されている。
このヘッド10では、第1ないし第3のノズル部11〜13は、最大360DPIの解像度に適応しており、このカラーコード印刷装置1aでは、90DPI(280μmピッチ)〜360DPI(70μmピッチ)でカラーコードシンボルを基板100に付すことができる。また、第1ないし第5のノズル部11〜15は、それぞれ、加圧力を変更すること(第1ないし第5のピエゾ素子に与える電圧を変更すること)により、吐出するドットの径(ドット径)を、例えば、500μm〜1500μmの範囲で変更することができるようになっている。
カラーコード印刷装置1aでは、例えば、コンピュータ40(アプリケーション)上で、ドットピッチを入力することにより、上記の範囲内において任意のドットピッチとすることができる。さらに、駆動周波数を1〜1000Hzの間で変えることによってもドットピッチを変更できる。また、印刷速度は、5〜200mm/sの間で可変であり、これを変更することにより、第1ないし第5のノズル部11〜15により形成されるドットの間隔(ドットピッチ)を任意に変更できる。カラーコード印刷装置1aでは、異なる色のインクを塗布する前に、基板100に塗布済みのインクを定着できる。このため、異なる色のインクにより形成されるカラーシンボルのドットが完全に重ならない範囲であれば、それらのドットピッチを狭くしても良い。したがって、ドットピッチがバリアブルに変更できる機能を、印刷装置1aに持たせることができる。
第1ないし第3のノズル部11〜13により形成されるドット間のクリアランスは、0mmが基本値となっている。基板100の特性により塗布されたインク液の濡れ広がりの変化によりドットが大きくなったり、シンボルの印刷密度を変えたいときには、上記のようにドットピッチを設定できる(変更できる)。このような仕様は、種々の印刷面に対応するために重要である。一方、シンボルを印刷するために形成されたドットの一部が重なる可能性が生じ、そのような事態に対応することが要求される。
このカラーコード印刷装置1aでは、シンボル印刷中は、ヘッド10は移動せず、移動装置30により基板100を動かす。ヘッド10は、初期の位置調整のために可動のヘッド搭載ユニット25に支持されている。ヘッド搭載ユニット25は、印刷位置調整用に、3軸(x軸、y軸、z軸)ステージを備えており、基板100にカラーコードシンボルを印刷する前に、マニュアル制御により、ヘッド10の位置を調整できるようになっている。例えば、x方向の移動量(位置調整幅)は50mm、y方向の移動量は10mm、z方向の移動量は100mmである。
また、このカラーコード印刷装置1aでは、印刷結果を見ながら、各ノズルの縦方向のばらつきを手動で調整できるようになっている。また、印刷結果を見ながら、ノズル間吐出タイミング調整(印刷位置調整)ができるようになっている。印刷ギャップは、0.5〜6mmの間で調整可能である。
移動装置30は、基板100を第1の方向(x方向)に往復動させる装置であって、基板搭載テーブル31と、基板搭載テーブル31を第1の方向(x方向)に往復動させるテーブル32aおよびモータ32bを備える単軸ロボットモジュール(テーブルキャリッジ、1軸テーブル)32と、基板100の位置を検知するエンコードユニット(エンコーダ)33とを有している。上記のヘッド搭載ユニット25は、単軸ロボットモジュール32に固定されており、単軸ロボットモジュール32により基板搭載テーブル31を動かすと、ヘッド10に対して基板100を移動できる。
この移動装置30は、ヘッド10のノズル11〜13および定着装置21aおよび22aの動きと同期させながら基板100を移動することにより、基板100に向けて第1のノズル部11からイエローのインクを吐出させてこれを定着させる。その後、基板100に向けて第2のノズル部12からマゼンタのインクを吐出させてこれを定着させる。さらにその後、基板100に向けて第3のノズル部13からシアンのインクを吐出させてこれを定着させる。これらの工程により、基板100にカラーコードシンボルを付すことができる。
また、この移動装置30は、必要に応じて、ヘッド10の第4のノズル14および定着装置21aおよび22aの動きと同期させながら基板100を移動することにより、基板100に向けて第1のノズル部11からイエローのインクを吐出させる前に、基板100に向けて第4のノズル部14から前処理剤を吐出させてこれを定着させることができる。このカラーコード印刷装置1aでは、例えば、コンピュータ40(アプリケーション)上で、「前処理剤塗布を行う」というチェックボックスをオンにすることにより、この実行指示がコントロールユニット50に伝えられ、基板100に前処理剤が塗布される。
カラーコード印刷装置1aは、基板100に前処理剤を吐出する際のドットピッチを所定の範囲内において任意に設定できる。移動装置30は、典型的には、ヘッド10におけるノズル部などの動作と同期して、第4のノズル部14により基板100の上に形成される前処理剤のドットピッチが、カラーコードシンボルのドットピッチよりも小さくなるように、基板100を移動させる。このカラーコード印刷装置1aでは、例えば、コンピュータ40(アプリケーション)上で、ドットピッチを入力することにより、所定の範囲内において任意のドットピッチとすることができる。基板100の特性により、液の濡れ広がりが変化する。ドットピッチを設定できる(変更できる)ようにしておくことにより、種々の印刷面に対応することができる。また、このカラーコード印刷装置1aでは、例えば、コンピュータ40(アプリケーション)上で、前処理剤を塗布する際の余白量(カラーコードシンボルに対する前後のオーバーラップ量)を所定の範囲内において任意に設定できる。
さらに、この移動装置30は、必要に応じて、ヘッド10の第5のノズル15および定着装置21aおよび22aの動きと同期させながら基板100を移動することにより、基板100に向けて第3のノズル部13からシアンのインクを吐出させてこれを定着させた後に、基板100に向けて第5のノズル部15から後処理剤を吐出させてこれを定着させることができる。このカラーコード印刷装置1aでは、例えば、コンピュータ40(アプリケーション)上で、「後処理剤塗布を行う」というチェックボックスをオンにすることにより、この実行指示がコントロールユニット50に伝えられ、基板100に後処理剤が塗布される。
基板100に後処理剤を吐出する際のドットピッチは、所定の範囲内において任意に設定できる。移動装置30は、ヘッド10のノズル部などの動作と同期して、典型的には、第5のノズル部15により基板100の上に形成される後処理剤のドットピッチが、カラーコードシンボルのドットピッチよりも小さくなるように、基板100を移動させる。このカラーコード印刷装置1aでは、例えば、コンピュータ40(アプリケーション)上で、ドットピッチを入力することにより、所定の範囲内において任意のドットピッチとすることができる。基板100の特性により、前処理剤と同様に後処理剤の液の濡れ広がりが変化する。ドットピッチを設定できる(変更できる)ようにしておくことにより、種々の印刷面に対応することができる。また、このカラーコード印刷装置1aでは、例えば、コンピュータ40(アプリケーション)上で、後処理剤を塗布する際の余白量(カラーコードシンボルに対する前後のオーバーラップ量)も所定の範囲内において任意に設定できる。
ホスト装置であるコンピュータ40からの指示を解析してカラーコード印刷装置1aを制御するためのコントロールユニット50は、メカ制御部51と、データ転送制御部52と、システム制御部53とを含んでいる。また、コントロールユニット50は、この印刷装置1aが印刷可能状態にあるか否かを示すステータスポート(OUT)56と、印刷開始トリガ(IN)57と、第1および第2の熱照射装置21aおよび22aの制御信号を入力する熱照射装置制御信号(IN)58との3つのポートを備えている。
メカ制御部51は、印刷装置1aに含まれるメカニカルな機構の動作を制御する。具体的には、ヘッド10と、移動装置30とを制御し、ヘッド10を基板100に対して第1の方向に相対的に移動させながら、基板100の側面101の所定の位置にカラーコードシンボルが付されるように、ノズル部11〜13を駆動する。この例では、メカ制御部51は、移動装置30のモータ32bを駆動し、基板100の位置をエンコーダ33により取得し、基板100の移動に同期して、所定の位置になったらノズル部11〜13、さらには、必要に応じてノズル部14および15を駆動する。エンコーダ33で基板100の位置を取得する代わりに、ステッピングモータなどにより所定の位置まで基板100を動かしてノズル部11〜15を駆動するようにしてもよい。また、メカ制御部51は、ヘッドユニット10に搭載されている第1および第2の熱照射装置21aおよび22aのオン・オフを制御する。さらに、メカ制御部51は、印刷装置1aのホームポジションに、ヘッドユニット10のノズル部11〜15の空吐出を行う定期空吐出装置が設けられている場合は、定期空吐出装置の動きも制御する。
コントロールユニット50は、メモリを含み、コンピュータ40のアプリケーションからのカラーコードシンボルとして印刷するカラーコードデータおよびその印刷条件(ドットピッチなど)を受信する。データ転送制御部52は、カラーコードデータから各色(イエロー、マゼンタ、シアン)のドットを印刷するための情報を生成し、バイナリーデータとして保存する。印刷条件は、システム制御部53により解析され、メカ制御部51を介し、印刷条件に応じて各機構が制御される。
カラーコードシンボルの印刷が、例えば、印刷開始トリガ57から入力された信号により開始されると、メカ制御部51が、印刷装置1aの各機構を制御し、データ転送制御部52が、生成したデータを、イエロー、マゼンタ、シアンの順番で、決められたデータ配列順に、USBポートなどの伝送手段を通じて、ヘッド10に転送する。
また、コンピュータ40のアプリケーションから前処理剤および/または後処理剤の塗布、およびその条件(ドットピッチ、余白量など)を受信したときには、それらの情報はシステム制御部53で解析(解釈)される。そして、ノズル部14および/または15より前処理剤および/または後処理剤を吐出するためのデータを、データ転送制御部52がヘッド10に送信し、メカ制御部51は前処理および/または後処理の条件にしたがって印刷装置1aの各機構を制御する。
システム制御部53は、カラーコードシンボル印刷機能69を含む。カラーコードシンボル印刷機能69は、カラーコードシンボルを印刷する第1の機能61と、事前吐出(捨て打ち)を行う第2の機能62とを含む。さらに、システム制御部53は、前処理を行う第3の機能63と、後処理を行う第4の機能64とを含んでいる。さらに、システム制御部53は、ホームポジションに設置されている定期空吐出装置を制御する機能と、熱照射装置21aおよび/または22aによる基板予備加熱機能とを含んでいてもよい。
カラーコードシンボルを印刷する第1の機能61は、ヘッド10が物品である基板100に対してx方向に相対的に移動するようにヘッド10および/または基板100を移動させる機能を含む。本例の装置1aにおいては、第1の機能61は、メカ制御部51を介して移動装置30により基板100を動かすとともに、データ転送制御部52を介してデータを送り、基板100に向けて第1のノズル部11からイエローのインクを吐出させてこれを定着させる。その後、同様に、基板100に向けて第2のノズル部12からマゼンタのインクを吐出させてこれを定着させ、さらにその後、基板100に向けて第3のノズル部13からシアンのインクを吐出させてこれを定着させて、基板100にカラーコードシンボルを付すように動かす。また、第1の機能61は、ヘッド10および移動装置30を制御することにより、カラーシンボルのドットピッチを任意に設定する機能を含む。この機能と、上述したヘッド10の構成により、カラーシンボルのドットピッチを、ドット同士が完全に重ならない範囲で狭くしても、カラーシンボルとしての機能を果たす印刷が可能である。
印刷領域が限られた狭い範囲(面積範囲)にマーキング(カラーシンボル)を印刷するためには、ドット間隔(ドットピッチ)を極力狭くし、必要な情報を指定された範囲に印刷する必要がある。この装置1aによれば、非接触で、カラーコード(カラーシンボル)を物品に付与することが可能であり、カラーシンボルを印刷する物品、例えば基板100、を基本的には選ばない。それとともに、カラーシンボルとして付与する情報密度も制御できるので、カラーシンボルを印刷する物品の大きさも基本的には選ばない。さらに、カラーシンボルを印刷する物品の表面の特性により、ドットの濡れ広がりなどに差があるが、それに対してもドットピッチを調整できることは有効である。そして、物品の表面の特性変化については、さらに、物品の表面をコーティングすることにより、さらに多種多様な物品に対してカラーシンボルを付与できるようになっている。
事前吐出(捨て打ち)を行う第2の機能62は、ノズル部11〜13からカラーコードシンボルを付すインクを吐出させる前に、ノズル部11〜13からインクを基板100に捨て打ちさせる機能を含む。具体的には、第2の機能62は、第1ないし第3のノズル部11〜13が、それぞれのインクを基板100の上の同一のスポットに吐出(事前吐出、捨て打ち)する機能62aと、第1の熱照射装置21aおよび/または第2の熱照射装置22aが、同一のスポットのインクを、第1ないし第3のノズル部11〜13が最後に捨て打ちした後にのみ定着させる機能62bとを含む。本例では、第1のノズル部11、第2のノズル部12、第3のノズル部13の順番でインクを吐出するため、定着させる機能62bは、典型的には、第1の熱照射装置21aおよび/または第2の熱照射装置22aが、同一のスポットのインクを、第3のノズル部13が捨て打ちした後にのみ定着させる機能を含む。
捨て打ちを行う第2の機能62においては、同一のスポットのインクを、第3のノズル部13が捨て打ちした後にのみ定着させる。このため、捨て打ちされたスポットにおいては、イエロー、マゼンタ、シアンのインクが混色し、黒色となり、その後、定着される。カラーコードシンボルを読み取る(デコードする)リーダは、典型的には、黒のドットを認識しない。このため、カラーコードシンボルの近傍に捨て打ちされた黒のドットが残っていたとしても、リーダはカラーコードシンボルとして誤認識することなく、正常にカラーコードシンボルを読み取ることができる。
前処理を行う第3の機能63は、第4のノズル部14から前処理剤を吐出させる機能を含む。具体的には、カラーコードシンボル印刷機能69によりカラーコードシンボルを付す前に、第4のノズル部14から前処理剤を吐出させる機能を含む。第4のノズル部14により形成されるドットピッチは、通常、カラーコードシンボルのドットピッチよりも小さくなり、オーバーラップする。第3の機能63は、ドットピッチ、余白量(カラーコードシンボルに対する前後のオーバーラップ量)から、ユーザが指定したカラーコードシンボル量をカバーできる領域に前処理剤を塗布するドット数を計算し、データ転送制御部52を介してヘッド10に転送する。
後処理を行う第4の機能64は、第5のノズル部15から後処理剤を吐出させる機能を含む。具体的には、カラーコードシンボル印刷機能69によりカラーコードシンボルを付した後に、第5のノズル部15から後処理剤を吐出させる機能を含む。第5のノズル部15により形成されるドットピッチは、通常、カラーコードシンボルのドットピッチよりも小さくなり、オーバーラップする。第4の機能64は、後処理剤を塗布する際に、ドットピッチ、余白量(カラーコードシンボルに対する前後のオーバーラップ量)から、ユーザが指定したカラーコードシンボル量をカバーできるドット数を計算し、データ転送制御部52に転送する。
コンピュータ40の上で動作するカラーコードシンボルを印刷するためのアプリケーションは、前処理剤および/または後処理剤の要否、カラーコードシンボルデータ、ドットピッチなどの情報をユーザが指定できるようになっている。これらの情報はコントロールユニット50に転送され、上記のように処理される。上述したコントロールユニット50の機能の一部あるいは全部をコンピュータ40の上で動作するアプリケーション(ドライバーソフト)により行うことも可能である。なお、吐出液滴量や基板100上でのドットの濡れ広がりを考慮し、コンピュータ40で入力された情報を示すカラーコードシンボルの情報に対し、コンピュータ40のコードシグナル印刷用のアプリケーション上で、または、コントロールユニット50において、各色の各ドット間に“0”(補完データ)を挿入することも可能である。また、印刷位置を調整するために、生成した各色データに対し、先頭に必要数の“0”を挿入することも可能である。
本例のカラーコード印刷装置1aでは、印刷開始トリガ57から信号が入力されると、移動装置30に設けられたエンコードユニット33のエンコードパルス(パルスカウント)に同期して、基板100にカラーコードシンボルが印刷される。すなわち、コンピュータ40(アプリケーション)から入力されたカラーコードシンボルデータは、データ転送制御部52により、各色データに分解される。そして、ヘッド10を基板100に対して第1の方向に相対的に移動させながら、各ノズル部から分解された各色のデータに基づき液滴が吐出され、基板100の側面101にカラーコードシンボルが付される。
なお、カラーコードシンボルの印刷は、非同期で行ってもよい。すなわち、印刷開始トリガ57から信号が入力されたら、アプリケーションに指定されたヘッド駆動周波数に基づき、この指定周波数で、基板100にカラーコードシンボルを印刷してもよい。この場合には、エンコードユニット33を省略することができる。
次に、このカラーコード印刷装置1aを用いて基板100にカラーコードシンボルを印刷する方法についてさらに詳しく説明する。図3は、シンボルの印刷方法および制御方法の一例を説明するためのフローチャートを示している。
コンピュータ40のアプリケーションより前処理の要求があると、カラーコードシンボルを印刷する工程(ステップ103〜ステップ107)の前に、前処理を行う機能63により、ステップ101において、基板100に向けて第4のノズル部14から前処理剤を吐出させ、ステップ102において、熱照射装置21aにより塗布された前処理剤を固化して定着させる。インクの濡れ広がりが見られないような基板100の場合には、ステップ101および102は、省略することも可能である。その後、カラーコードシンボル印刷機能69により、ステップ103〜ステップ107において、カラーコードシンボルを印刷する。
ステップ103〜ステップ107においては、基板100を移動させて、第1ないし第3のノズル部11〜13のいずれかにより、基板100に塗布済みのインクと異なる色のインクを塗布する前に、第1の熱照射装置21aおよび/または第2の熱照射装置22aにより、基板100に塗布済みのインクを定着させてから、異なる色のインクを塗布して、基板100にカラーコードシンボルを印刷する。
まず、ステップ103において、シンボルを印刷する色を選択する。その色のインクを吐出するノズル部がカラーコードシンボルを印刷する所定の位置においてインクを吐出する前に、ステップ104において、そのノズル部からインクを基板100のカラーコードシンボルを印刷しない領域に捨て打ち(事前吐出)する。事前吐出は、カラーコードシンボルを印刷する直前に行うことが望ましく、捨て打ちのスポットは、カラーコードシンボルを印刷する領域にできるだけ近いことが望ましい。
捨て打ちが終わると、ステップ105において、カラーコードシンボルを印刷する所定の領域に、選択された色のインクを吐出するノズル部から、インクを吐出させる。ステップ106において、第1の熱照射装置21aおよび/または第2の熱照射装置22aにより、吐出したインクを硬化させる。ステップ107において、全色が終了するまで、ステップ103からステップ106を繰り返す。
イエロー、マゼンタ、シアンの各色のシンボルを印刷するのであれば、基板100に向けて第1のノズル部11からイエローのインクを捨て打ちした後、基板100に向けて第1のノズル部11からイエローのインクを吐出して、これを第1の熱照射装置21aおよび/または第2の熱照射装置22aにより定着させる。その後、基板100に向けて第2のノズル部12からマゼンタのインクを捨て打ちした後、基板100に向けて第2のノズル部12からマゼンタのインクを吐出して、これを第1の熱照射装置21aおよび/または第2の熱照射装置22aにより定着させる。さらにその後、基板100に向けて第3のノズル部13からシアンのインクを捨て打ちし、捨て打ちして混色したインクを第1の熱照射装置21aおよび/または第2の熱照射装置22aにより定着させる。そして、基板100に向けて第3のノズル部13からシアンのインクを吐出して、これを第1の熱照射装置21aおよび/または第2の熱照射装置22aにより定着させる。
第1ないし第3のノズル部11〜13による捨て打ちは、基板100の上の同一のスポットにおいて行われ、同一のスポットのインクの第1の熱照射装置21aおよび/または第2の熱照射装置22aによる硬化は、第3のノズル部13が捨て打ちした後にのみ行われる。したがって、シンボルと異なり、捨て打ちされたスポットは混色して黒くなる。
典型的には、往路においては、第1ないし第3のノズル部11〜13によりインクが塗布され、第1ないし第3のノズル部11〜13よりも後側に配置された第1の熱照射装置21aにより基板100に塗布済みのインクが定着される。復路においては、第1の熱照射装置21aにより基板100に塗布済みのインクが定着され、さらに、第2の熱照射装置22aにより基板100に塗布済みのインクが定着される。したがって、ステップ103からステップ106の間において、第1および第2の熱照射装置21aおよび22aにより、塗布済みのインクは3回定着される。また、インクは熱硬化インクであるため、往路において、インクが塗布される前に、第2の熱照射装置22aにより基板100がプレヒートされる。したがって、塗布されたインクの定着を早める効果がある。
カラーコードシンボルを印刷する工程(ステップ103〜ステップ107)の後に、後処理の要求があれば、後処理を行う機能64により、ステップ108において、基板100に向けて第5のノズル部から後処理剤を吐出させ、ステップ109において、これを定着させる。後処理が不要な基板100の場合には、ステップ108および109は、省略することも可能である。以上により、基板100にカラーコードシンボルを印刷することができる。
図4は、カラーコード印刷装置1aのカラーコードシンボル印刷機能69による制御方法をさらに詳しく示している。
ホームポジションからヘッド10が動いて、ステップ111において、第1の色(イエロー)の塗布を開始する。往路では、ステップ112において、第1の熱照射装置21aがオフの状態で、第1のノズル部11は、ステップ131において、所定のスポットに捨て打ちをする。第1の熱照射装置21aは、ステップ113においてスポットを通過すると、ステップ114においてオンになる。第1のノズル部11は、ステップ132において、データ転送制御部52により転送されたデータに基づき、カラーコードシンボルを付すためにインクを吐出させる(本打ちする)。ステップ115において、第1の色(イエロー)の塗布が終了する。復路は、第1の熱照射装置21aがオンであっても、オフであってもよい。ただし、捨て打ちのスポットを通過する前に、第1の熱照射装置21aはオフになる。
ステップ116において、ホームポジションからヘッド10が再び相対的に動いて、第2の色(マゼンタ)の塗布を開始する。往路では、ステップ117において、第1の熱照射装置21aがオフの状態で、第2のノズル部12は、ステップ133において、所定のスポットに捨て打ちをする。第1の熱照射装置21aは、ステップ118においてスポットを通過すると、ステップ119においてオンになる。第2のノズル部12は、ステップ134において、データ転送制御部52により転送されたデータに基づき、カラーコードシンボルを付すためにインクを吐出させる(本打ちする)。ステップ120において、第2の色(マゼンタ)の塗布が終了する。
ステップ132において本打ちされたイエローのインクはすでに定着(硬化)されている。このため、ステップ134において本打ちされたマゼンタのインクとは混色しない。一方、ステップ131において捨て打ちされたイエローのインクは定着されていないので、ステップ133において捨て打ちされたマゼンタのインクと混色する。復路における第1の熱照射装置21aの制御は上記と同様であり、オンであっても、オフであってもよい。ただし、捨て打ちのスポットを通過する前に、第1の熱照射装置21aはオフになる。
ステップ121において、ヘッド10がホームポジションから相対的に動いて第3の色(シアン)の塗布を開始する。ステップ122において、第1の熱照射装置21aは、ホームポジションからオンになる。第3のノズル部13は、ステップ135において、所定のスポットに捨て打ちし、ステップ136において、データ転送制御部52により転送されたデータに基づき、カラーコードシンボルを付すためにインクを吐出させる(本打ちする)。ステップ123において、第3の色(シアン)の塗布が終了する。ステップ136において塗布されたシアンのインクは、本打ちされたイエロー、マゼンタのインクはすでに定着(硬化)されているため、それらの色とは混色しない。一方、所定のスポットに捨て打ちされたシアンのインクは、先に捨て打ちされたイエロー、マゼンタのインクと混色し黒となり、第1の熱照射装置21aにより定着(硬化)される。
このカラーコード印刷装置1a、カラーコード印刷方法、およびカラーコード印刷装置1aの制御方法によれば、互いに隣り合うドットであって、互いに異なる色のドットが部分的に重なっても、先に塗布済みのインクはすでに定着しているため、ドット同士が混色することを抑制できる。このため、エラーなく読み取れるシンボルを記録できる。したがって、高精度で読み取り可能なカラーコードシンボルを、オンデマンド、かつ、非接触で、基板100に印刷することができる。また、互いに隣り合うドットの混色を抑制できるため、ドットピッチ(ドット間隔)を比較的狭くでき、情報の記録密度を向上できる。
なお、インクは、熱硬化インクに限定されるものではなく、種々のインクを用いることができる。本例のように、非吸収面を有する物品にカラーコードシンボルを付す場合には、熱硬化インクの他、光硬化インクを用いることも好ましい。光硬化インクの一例は、UV硬化インクである。この場合、定着手段として、光照射手段(光照射装置、UV硬化インクであれば、UV照射装置)を用いることが好ましい。
また、インクの色は、イエロー、マゼンタ、シアンに限定されるものではない。3色のインクを用いる場合、インクの色は、例えば、レッド、グリーン、ブルーとしてもよい。この場合、明度の高い順に、グリーン、レッド、ブルーの順番で塗布する。さらに、インクの数は、3色に限定されるものではない。例えば、7つのノズル部を用意し、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルー、ブラックの7色のインクを塗布できるようにしてもよい。
図5は、本発明の第2の実施形態にかかるシンボル印刷装置1bの概略構成を示す図である。このカラーコード印刷装置1bのヘッド10は、イエローのインクを塗布する第1のノズル部11と、マゼンタのインクを塗布する第2のノズル部12と、シアンのインクを塗布する第3のノズル部13と、前処理剤を塗布する第4のノズル部14とを備えている。各インクは、例えば、UV硬化インクである。また、ヘッド10は、定着手段として第1および第2のUV照射装置21bおよび22bを含んでいる。
前処理剤を塗布する第4のノズル部14は、後処理剤を塗布する第5のノズル部15と置換してもよい。その他の構成は、上述した第1の実施形態と同様であるため、重複する説明は、図面に同符号を付して省略する。本例のように、必要に応じて、前処理剤を塗布する第4のノズル部14と、後処理剤を塗布する第5のノズル部15のいずれか一方を設けるようにしてもよい。また、第4のノズル部14と第5のノズル部15の両方を省略してもよい。
図6は、本発明の第3の実施形態にかかるシンボル印刷装置1cの概略構成を示す図である。このカラーコード印刷装置1cは、モータ35mにより駆動されるベルトコンベア35に搭載された物品(基板)100にカラーコードシンボルを印刷する。すなわち、ベルトコンベア35がヘッド10に対して基板100を移動する手段30となっており、ヘッド10によりx方向マイナス側に移動する基板100にカラーコードシンボルを印刷する。ベルトコンベア35により移動する基板100の有無および印刷開始位置を検出するために、ヘッド10に基板100を検出するセンサ70が設けられている。
ヘッド10には、グリーンのインクを塗布する第1のノズル部11と、レッドのインクを塗布する第2のノズル部12と、ブルーのインクを塗布する第3のノズル部13とを備えている。各インクは、例えば、熱硬化インクである。このカラーコード印刷装置1cでは、基板100の側面または表面に、1パスでカラーコードシンボルを記録するために、ヘッド10の相対的な移動方向の前側から順番に、明度の高いインクから明度の低いインクを塗布するノズル(グリーン用のノズル11、レッド用のノズル12、ブルー用のノズル13)が配置されている。なお、インクの色は、これに限定されるものではない。例えば、インクがイエロー、マゼンタ、シアンの場合は、イエロー用のノズル、マゼンタ用のノズル、シアン用のノズルをヘッド10の相対的な移動方向の前側から順番に並べる。
このカラーコード印刷装置1cは、ノズル部11〜13の相対的な移動方向の後側(x方向マイナス側)に配置された第1の熱照射装置21aと、ノズル部11〜13の相対的な移動方向の前側(x方向プラス側)に配置された第2の熱照射装置22aに加え、1パスでカラーコードシンボルを記録するために、第1ないし第3のノズル部11〜13の間にそれぞれ配置された2つの第3の熱照射装置23sおよび23tを備えている。
このカラーコード印刷装置1cにも、前処理剤を塗布する第4のノズル部および/または後処理剤を塗布する第5のノズル部を設けてもよい。第4のノズル部は、第1のノズル部11の右側(相対的な移動方向の前側)に配置され、第5のノズル部は、第3のノズル部13の左側(相対的な移動方向の後側)に配置される。前処理剤を定着(固化)する必要がある場合は、第4のノズル部と第1のノズル部11との間に配置されることになる熱照射装置22aがその機能を兼ねる。後処理剤を定着(固化)する必要がある場合は、第5のノズル部の後方に熱照射装置を設けることが望ましい。
このカラーコード印刷装置1cは、第2の熱照射装置22aにより、基板100がプレヒートされる。ヘッド10の相対的な移動方向の最も前側にある第1のノズル部11によりグリーンのインクを塗布させ、次の第2のノズル部12が通過する前に、第3の熱照射装置23sにより塗布済みのグリーンのインクを定着させる。次に、第2のノズル部12によりレッドのインクを塗布させ、第3のノズル部13が通過する前に、第3の熱照射装置23tにより塗布済みのレッドのインクを定着させる。したがって、第2のノズル部12によりレッドのインクを塗布する際には、第1のノズル部11により塗布されたグリーンのインクは定着しており、第3のノズル部13によりブルーのインクを塗布する際には、第2のノズル部12により塗布されたレッドのインクも定着している。したがって、それぞれの色のインクによるシンボルを混色することなく塗布できる。
このため、ヘッド10および/または基板100を往復動させることなく、1パスで基板100にカラーコードシンボルを印刷できる。したがって、このカラーコード印刷装置1cによれば、1色毎に、吐出、定着というサイクルを、塗布したいインクの色の数だけ繰り返す第1の実施形態のカラーコード印刷装置1aや第2の実施形態のカラーコード印刷装置1bと比べて、短時間でカラーコードシンボルを印刷できる。
なお、カラーの光学式シンボルを付す物品(印刷対象物)は、ガラスエポキシ基板に限定されるものではない。物品の素材は、樹脂、紙、段ボール、ビニール袋、ガラス、金属などであってもよい。物品の形状は、板状部材(基板)に限定されるものではなく、箱などであってもよい。本発明の装置によれば、機械部品、衣料品、食料品などを含む、流通する多種多様な物品のほとんどにカラーの光学式シンボルを、オンデマンド、かつ、非接触で付すことができる。
本例のヘッド10は、ピエゾ方式のヘッドであるが、ヘッドはこれに限定されるものではなく、サーマル方式のヘッドなどであってもよい。
また、本例の移動装置(移動手段)30は、物品である基板100を第1の方向(x方向)に移動させる装置であるが、移動装置30は、ヘッド10が物品100に対して第1の方向に相対的に移動するようにヘッド10および/または物品100を移動させる装置であればよい。すなわち、移動装置(移動手段)は、ヘッド10を第1の方向に移動させる装置であってもよく、また、ヘッド10および物品100をそれぞれ第1の方向に移動させる装置であってもよい。
本例のカラーコード印刷装置1a〜1cは、1次元のカラーの光学式シンボル(カラーコードシンボル)を印刷により付す装置であるが、移動装置(移動手段)として、ヘッドおよび/または物品を2次元的に移動させる装置を適用し、2次元のカラーの光学式シンボル(カラーコードシンボル)を印刷により付すようにしてもよい。
1a、1b、1c カラーコード印刷装置(カラーの光学式シンボルを付す装置)
10 ヘッド、 11 第1のノズル部
12 第2のノズル部、 13 第3のノズル部
14 第4のノズル部、 15 第5のノズル部
21a 熱照射装置(第1の定着手段)
21b UV照射装置(第1の定着手段)
22a 熱照射装置(第2の定着手段)
22b UV照射装置(第2の定着手段)
23s、23t 熱照射装置(第3の定着手段)
30 移動装置(ヘッドおよび/または物品を移動させる手段)
50 コントロールユニット(制御部)、 100 基板(物品)
10 ヘッド、 11 第1のノズル部
12 第2のノズル部、 13 第3のノズル部
14 第4のノズル部、 15 第5のノズル部
21a 熱照射装置(第1の定着手段)
21b UV照射装置(第1の定着手段)
22a 熱照射装置(第2の定着手段)
22b UV照射装置(第2の定着手段)
23s、23t 熱照射装置(第3の定着手段)
30 移動装置(ヘッドおよび/または物品を移動させる手段)
50 コントロールユニット(制御部)、 100 基板(物品)
Claims (22)
- ヘッドと、前記ヘッドが物品に対して第1の方向に相対的に移動するように前記ヘッドおよび/または前記物品を移動させる手段とを有し、前記物品にカラーの光学式シンボルを付す装置であって、
前記ヘッドは、
複数色のインクを前記物品に向けてそれぞれ吐出する複数のノズル部と、
前記複数のノズル部のいずれかにより異なる色のインクを塗布する前に、前記物品に塗布済みのインクを定着させるための少なくとも1つの定着手段とを備えている、装置。 - 請求項1において、前記複数のノズル部は、
第1の色のインクの液滴を吐出するための第1のノズル部と、
第2の色のインクの液滴を吐出するための第2のノズル部と、
第3の色のインクの液滴を吐出するための第3のノズル部とを含み、
前記第1ないし第3のノズル部は、前記第1の方向に沿って設けられ、
前記少なくとも1つの定着手段は、前記第1ないし第3のノズル部とともに、前記第1の方向に沿って設けられており、
さらに、前記移動させる手段は、前記ヘッドおよび/または前記物品を、前記物品に向けて前記第1のノズル部から前記第1の色のインクを吐出させてこれを定着させ、その後、前記物品に向けて前記第2のノズル部から前記第2の色のインクを吐出させてこれを定着させ、さらにその後、前記物品に向けて前記第3のノズル部から前記第3の色のインクを吐出させてこれを定着させて、前記物品に前記光学式シンボルを付すように動かす、装置。 - 請求項2において、前記少なくとも1つの定着手段は、前記複数のノズル部よりも前記ヘッドの相対的な移動方向の後側に配置された第1の定着手段を含む、装置。
- 請求項2または3において、前記少なくとも1つの定着手段は、前記複数のノズル部よりも前記ヘッドの相対的な移動方向の前側に配置された第2の定着手段を含む、装置。
- 請求項2ないし4のいずれかにおいて、前記少なくとも1つの定着手段は、前記複数のノズル部の間にそれぞれ配置された複数の第3の定着手段を含む、装置。
- 請求項2ないし5のいずれかにおいて、前記第1の色は前記第2の色よりも明度が高く、前記第2の色は前記第3の色よりも明度が高い、装置。
- 請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記インクは熱硬化インクであり、前記少なくとも1つの定着手段は熱照射手段である、装置。
- 請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記インクは光硬化インクであり、前記少なくとも1つの定着手段は光照射手段である、装置。
- 請求項1ないし8のいずれかにおいて、前記ヘッドは、前記複数のノズル部から前記複数色のインクを吐出させる前に前記インクの下地を形成する前処理剤を吐出するための第4のノズル部を備え、
前記少なくとも1つの定着手段は、前記複数のノズル部から前記複数色のインクを吐出させる前に、前記物品に塗布済みの前記前処理剤を定着させるための定着手段を含む、装置。 - 請求項9において、前記ヘッドおよび/または前記移動させる手段を制御する制御ユニットを有し、前記制御ユニットは、前記第4のノズル部により前記物品の上に形成されるドットピッチが、前記光学式シンボルのドットピッチよりも小さくなるように、前記ヘッドおよび/または前記移動させる手段を制御する機能を含む、装置。
- 請求項1ないし9のいずれかにおいて、前記ヘッドは、前記複数のノズル部から前記複数色のインクが吐出され、さらに定着された後に、前記物品に塗布済みの前記インクをコートする後処理剤を吐出するための第5のノズル部を備え、
前記少なくとも1つの定着手段は、前記物品に塗布済みの前記後処理剤を定着させるための定着手段を含む、装置。 - 請求項11において、前記ヘッドおよび/または前記移動させる手段を制御する制御ユニットを有し、前記制御ユニットは、前記第5のノズル部により前記物品の上に形成されるドットピッチが、前記光学式シンボルのドットピッチよりも小さくなるように、前記ヘッドおよび/または前記移動させる手段を制御する機能を含む、装置。
- 請求項1ないし8のいずれかにおいて、前記ヘッドおよび/または前記移動させる手段を制御する制御ユニットを有し、前記制御ユニットは、前記光学式シンボルのドットピッチを任意に設定する機能を含む、装置。
- 物品にカラーの光学式シンボルを付す装置を用いて前記物品に前記光学式シンボルを付す方法であって、
前記装置は、ヘッドを有し、前記ヘッドは、
複数色のインクを前記物品に向けてそれぞれ吐出する複数のノズル部と、
前記物品に塗布済みのインクを定着させるための少なくとも1つの定着手段とを備えており、
当該方法は、
前記ヘッドおよび/または前記物品を移動させて、前記複数のノズル部のいずれかにより、前記物品に塗布済みのインクと異なる色のインクを塗布する前に、前記少なくとも1つの定着手段により、前記物品に塗布済みのインクを定着させてから、前記異なる色のインクを塗布して、前記光学式シンボルを付すことを含む、方法。 - 請求項14において、前記複数のノズル部は、
第1の色のインクの液滴を吐出するための第1のノズル部と、
第2の色のインクの液滴を吐出するための第2のノズル部と、
第3の色のインクの液滴を吐出するための第3のノズル部とを含み、
前記第1ないし第3のノズル部は、第1の方向に沿って設けられ、
前記少なくとも1つの定着手段は、前記第1ないし第3のノズル部とともに、前記第1の方向に沿って設けられており、
前記光学式シンボルを付すことは、
前記物品に向けて前記第1のノズル部から前記第1の色のインクを吐出させてこれを定着させることと、
前記物品に向けて前記第2のノズル部から前記第2の色のインクを吐出させてこれを定着させることと、
前記物品に向けて前記第3のノズル部から前記第3の色のインクを吐出させてこれを定着させることとを含む、方法。 - 請求項14または15において、前記ヘッドは、前記複数色のインクの下地を形成する前処理剤を吐出するための第4のノズル部を備え、
当該方法は、前記光学式シンボルを付すことの前に、前記物品に向けて前記第4のノズル部から前記前処理剤を吐出させてこれを定着させることをさらに含む、方法。 - 請求項14ないし16のいずれかにおいて、前記ヘッドは、前記物品に塗布済みの前記複数色のインクをコートする後処理剤を吐出するための第5のノズル部を備え、
当該方法は、前記光学式シンボルを付すことの後に、前記物品に向けて前記第5のノズル部から前記後処理剤を吐出させてこれを定着させることをさらに含む、方法。 - 請求項14ないし17のいずれかにおいて、
前記光学式シンボルを付すことは、前記複数のノズル部が前記光学式シンボルを付すためにそれぞれのインクを吐出する前に、前記それぞれのインクを前記物品に捨て打ちすることを含み、
前記捨て打ちすることは、
前記複数のノズル部により、前記物品の上の同一のスポットに捨て打ちすることと、
前記少なくとも1つの定着手段により、前記同一のスポットのインクを、前記複数のノズル部が最後に捨て打ちした後にのみ定着させることとを含む、方法。 - 物品にカラーの光学式シンボルを付す装置を制御部により制御する方法であって、
前記装置は、
ヘッドと、
前記ヘッドが前記物品に対して第1の方向に相対的に移動するように前記ヘッドおよび/または前記物品を移動させる手段とを有し、
前記ヘッドは、
複数色のインクを前記物品に向けてそれぞれ吐出する複数のノズル部と、
前記複数のノズル部のいずれかにより異なる色のインクを塗布する前に、前記物品に塗布済みのインクを定着させるための少なくとも1つの定着手段とを備え、
前記複数のノズル部は、
第1の色のインクの液滴を吐出するための第1のノズル部と、
第2の色のインクの液滴を吐出するための第2のノズル部と、
第3の色のインクの液滴を吐出するための第3のノズル部とを含み、
前記第1ないし第3のノズル部は、前記第1の方向に沿って設けられ、
前記少なくとも1つの定着手段は、前記第1ないし第3のノズル部とともに、前記第1の方向に沿って設けられており、
当該方法は、
前記移動させる手段により、前記ヘッドおよび/または前記物品を、前記物品に向けて前記第1のノズル部から前記第1の色のインクを吐出させてこれを定着させ、その後、前記物品に向けて前記第2のノズル部から前記第2の色のインクを吐出させてこれを定着させ、さらにその後、前記物品に向けて前記第3のノズル部から前記第3の色のインクを吐出させてこれを定着させて、前記物品に前記光学式シンボルを付すように動かすことを含む、方法。 - 請求項19において、前記ヘッドは、前記複数色のインクの下地を形成する前処理剤を吐出するための第4のノズル部を備え、
当該方法は、前記物品に前記光学式シンボルを付すように動かすことの前に、前記第4のノズル部により形成されるドットピッチが、前記光学式シンボルのドットピッチよりも小さくなるように、前記第4のノズル部から前記前処理剤を吐出させることをさらに含む、方法。 - 請求項19または20において、前記ヘッドは、前記物品に塗布済みの前記複数色のインクをコートする後処理剤を吐出するための第5のノズル部を備え、
当該方法は、前記物品に前記光学式シンボルを付すように動かすことの後に、前記第5のノズル部により形成されるドットピッチが、前記光学式シンボルのドットピッチよりも小さくなるように、前記第5のノズル部から前記後処理剤を吐出させることをさらに含む、方法。 - 請求項19ないし21のいずれかにおいて、
前記物品に前記光学式シンボルを付すように動かすことは、前記複数のノズル部から前記光学式シンボルを付すためにそれぞれのインクを吐出させる前に、前記それぞれのインクを前記物品に捨て打ちさせることを含み、
前記捨て打ちさせることは、
前記複数のノズル部が、前記物品の上の同一のスポットに捨て打ちすることと、
前記少なくとも1つの定着手段が、前記同一のスポットのインクを、前記複数のノズル部が最後に捨て打ちした後にのみ定着させることとを含む、方法。
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JP2008100966A JP2009252061A (ja) | 2008-04-09 | 2008-04-09 | カラーの光学式シンボルを付す装置 |
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JPH07230517A (ja) * | 1994-02-16 | 1995-08-29 | Canon Inc | コード記録/再生方法及びその装置及び該装置で記録された記録物 |
JP2005296904A (ja) * | 2004-04-16 | 2005-10-27 | Ishii Hyoki Corp | 膜形成方法及び膜形成装置 |
JP2007231114A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Fujifilm Corp | インク組成物、並びに、これを用いた画像形成方法および記録物 |
-
2008
- 2008-04-09 JP JP2008100966A patent/JP2009252061A/ja active Pending
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