JP2009251789A - 導通結合方法及びカードの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂シートの表裏に導電材を接着してなる構造体で、導電材間を電気抵抗溶接法により所定の低抵抗値を安定して実現する為の前処理工程。
【解決手段】導電材3,4を基材樹脂2の表裏に接着材6で接着された構造体1で、導電材3、4同士を基材樹脂2と接着剤6を貫通し導通結合させる時、この貫通部に介在する基材樹脂2と接着剤6の除去工程と導電材3、4同士を電気抵抗溶接する工程を有する。除去工程では、構造体1の導電体3・4同士の導通結合されるべき部分を、表面平坦・低熱伝導率の基台7上に置き、基材樹脂2と接着剤6の熱特性に従う加熱温度・時間を制御され、所定印加押圧力実現に必要な形状を有する押圧工具8により、基材樹脂2と接着剤6を基台7上で流動させ、確実に排除し、続く電気抵抗溶接工程を確実にならしめる。
【選択図】図4

Description

本発明は、シート状又はフィルム状の基材の表裏両面に形成された導電材を、その基材を貫通して互いに導電接続させる構造を含んでいる構造体、例えば非接触式ICカードのような構造体に関して、それらの導電材を、基材を貫通して互いに導通結合させる方法に関する。また、本発明はその導通結合方法を用いたカードの製造方法に関する。
素材、特に金属の接合方法は、材質的結合(いわゆる溶接)、化学的結合(いわゆる接着)、及び機械的結合に大別される。材質的結合をさらに分類すると、融接(ガス溶接、アーク溶接、エレクトロスラグ溶接、高エネルギー溶接、テルミット溶接など)、圧接
(鍛接、抵抗溶接、超音波圧(溶)接、摩擦溶接、爆発圧接、常温圧接など)、ろう接
(ろう付、はんだ付など)に分けられる。
化学的結合をさらに分類すると、接着、ウェルドボンド法、溶着法などや、電気メッキによる方法に分けられる。機械的結合をさらに分類すると、一般的機械部材締結法としては、リベット・ボルト、折り込み・巻きシメ、ねじ込み・キー、焼ばめ・冷ばめなどがあり、電気回路形成法としてはワイヤラッピング法がある。これらの接合方法の活用は、重量物製品製造から軽量・細密・精密な製品製造までにおいて、昨今ますます重要な技術となっている。
ここで、軽量・細密・精密な製品製造において電路形成材、すなわち導電材を接合する場合のみを考える場合の一般的な加工法としては、材質的結合では圧接法及びろう接法がある。圧接法としては、鍛接、抵抗溶接、超音波圧(溶)接、摩擦溶接、爆発圧接、常温圧接などがある。ろう接法としては、ろう付、はんだ付がある。
また、上記の接合加工法における化学的結合としては、接着、特に導電性接着剤を使用する方法がある。また、同じく上記結合加工の機械的結合としては、リベット、折り込み、巻きシメ等と共に、電気的接合法としてのワイヤラッピング法がある。
ところで、電路形成材等といった導電材の接合が必要となる場合として、熱可塑性のプラスチック製でシート状の基材の表裏両面に合成樹脂製接着剤によって導電材を貼り合わせて成る合板において、それらの導電材を互いに接合するという場合がある。この場合には、上述した導電材間の接合のみの場合の考察に加えて、合成樹脂接着剤の基材構成部分を傷めることなく、表裏の導電材間で電気的導通を得るための所要の部分の基材素材及び接着剤を除去して、目的とする製品性能の確保をすることが可能な加工法とする処理が必要となる。
導電材を電気的に結合させる方法として、従来もっとも一般的であるのは、はんだ付けである。また、その一種として導電性接着剤を使用する方法がある。さらに、絶縁性基材の両面に形成された導電材を結合する際には、印刷配線板等で見られるスルーホールメッキ接続法が挙げられる。しかしながら、これらの方法を実施するにあたっては、導電材間に存在する基材及び接着剤を導電材の接合のための局所的な部分だけ除去するという処理が非常に困難であり、実用に供し得ない。つまり、基材両面の導電材を接合する方法として、はんだ付けや導電性接着剤といった方法は適切でない。
熱可塑性プラスチック製の基材の表裏両面に合成樹脂製の接着剤によって導電材を貼り合わせて成る合板において、それらの導電材を互いに接合するという場合であって、それらの導電材間に所要のインピーダンスで且つ安定した電気的結合を得る事が必要となる。さらに、この接合を経済的に実現する手法として、接合を行う部分に介在する基材素材及び接着剤の除去を電路形成材の接合処理の際に同時に行ってしまうという事が望ましい。
この手法は、例えば、導電材同士と樹脂製基材の両方を同時に加圧したり、その加圧に加熱を併用したりしながら、介在する基材等を除去することによって実現できる。具体的には、例えば、表側導電材、接着剤、樹脂基材、接着剤、及び裏側導電材の5層の積層構造から成る合板の局部の適所を、適宜の形状及び材質で加熱されている樹脂除去用工具によって加圧し、基材素材及び接着剤の該当箇所を溶融及び/又は破壊して除去し、次いでなんらかの電路導通結合用工具によって導電材同士のみの電気的結合を行う。
上述した構成の合板の場合の接合方法に適用できるのは、材質的結合法のうちの、融接法の電子ビーム溶接やレーザ溶接、圧接法の鍛接、抵抗溶接、摩擦溶接、超音波溶接、爆発圧接、ガス圧接、常温圧接等である。
これらの接合方法のうち、融接法のレーザ溶接などは魅力ある方法である。この方法は加工エネルギを溶融対象の基材樹脂及び接着剤より表層にある導電材内は通過させ、介在する基材樹脂及び接着剤を溶融且つ除去し、次いで表層側と反対側の裏層側の導電材の接触面同士を融接させるというエネルギ制御プログラムを組むことによって、介在基材樹脂などの溶融除去のみならず導電材同士の接合をも実現できる。しかしながら、こうして構成された装置は大型であり、形状複雑且つ多数個取りの加工製品との組合せの問題が大きかったり、多量生産での安定性の問題などで今のところ実現性に乏しい。
圧接法である、鍛接、抵抗溶接、超音波圧(溶)接、摩擦溶接、爆発圧接、常温圧接の各方法は、金属同士の接合の場合、全てが検討対象となり得るが、介在基材樹脂層の除去を考えると、おのずと制約が現れる。具体的には、摩擦(摺動)溶接では、導電材の厚みが薄い場合には、介在基材樹脂の溶融問題以前に不適である。爆発圧接と常温圧接では、金属箔単体同士の接合は可能であっても、介在樹脂層の弾性が大きな障害となって実現性に乏しい。
また、超音波圧(溶)接では、介在基材樹脂の溶融除去は容易であり、さらに、金属箔同士の接合の同時加工も実現できる。しかしながら、導電材同士の接合では、電気接合性能が低く、この原因は、対象とする導電材の熱伝導度の高さが阻害要因と考えられ、そのためにこの加工に熱的エネルギを補うことを試みても、良好な電気接合性能を得ることは難しいことが判った。これに加えて、超音波圧(溶)接法では、対象導電材表面の酸化皮膜を除去する能力までは得られないと判断されることや、さらに、検討の結果、例えこの加工法が採用出来る加工条件を探し出せても、前述のレーザ溶接などで説明した装置の問題と同一の障害が当てはまり、本対象の製品生産には不向きである事が判明した。
以上から、基材樹脂を介在して対向する導電材(金属箔、金属シート等)から成る複合材料においてそれらの導電材の導通を得る接合方法を実現できる方法として残るのは、上述した各種の接合方法のうちの、材質的結合のうちの、圧接のうちの、鍛接及び抵抗溶接ということになる。
鍛接とは、金属の接合すべき部分を、手槌、機槌、ダイス・プレス・ロール等で圧力を加えて融着させることである。基材樹脂の表裏に導電材を接着して成る複合材における導電材を接合対象とする場合にこの鍛接を用いる場合には、まず、1層目の導電材の表面側が加圧されてその導電材が塑性変形する。次いで、介在樹脂層が破壊変形して除去され、残る2層目の導電材が加圧力を受けて圧縮される。そして最後には、2層目の導電材の表面が最初に加圧されて塑性変形した1層目の導電材のそれまで介在樹脂層に接していた面と圧縮接合されて、丁度ワイヤラッピング法のような電気的接合が得られる。
この場合の加圧手段は、通常、油圧又はクランクプレスのような機械設備を使用する。この加圧手段では、クランププレスのラム側、もしくはボルスタ側に適切な角錐形状で剛性の高いパンチを取り付け、このパンチを介して表側導電材の表面側から衝撃荷重を加える。その際、介在樹脂がクッションとなって導電材が上記角錐形状のパンチに倣った塑性変形をしながら、同時に介在樹脂を破壊し、これにより、僅かの破壊間隙空間が形成される。この空間内で、表側導電材の介在樹脂と接していた下側の面が、裏側導電材の介在樹脂を接していた上面に密着し、さらに両者が鍛接され、表側導電材と裏側導電材との間に導通が得られる。この結果、接合面間のインピーダンスの直流成分は、一応実用に耐える値が得られる。
クランププレスのラム側に取り付けられる角錐形状のパンチは通常、複数とすることが望ましい。理由は、この方法のような、表側導電材の下側面と裏側導電材の上面との金属間の密着方法が、電気配線のワイヤラッピング接合と同等の安定した性能を得るためには、それら複数のパンチの個々において電気的接合が十分に良好であることを期待する必要に対する対策の為である。しかし、この方法によって得られた接合部分の断面であって、電気的導通が確保できていると確認できている個所を光学的に拡大観察すると、導電材と樹脂層とは互いにくさび状に折り重なっているものの、介在樹脂の破壊除去部も金属同士の結合部自身も、それぞれ極めて局所的なので、十分な導通が得られていないおそれもある。さらに、この工法では、導電材の有する酸化皮膜は、基本的に除去されない事や、例えば樹脂がPET(ポリエチレンテレフタレート)の場合の線膨張係数は、導電材がアルミニウムの場合のほぼ2倍であることから、この工法による結果では、熱的環境変化には定性的に弱い傾向にあること等、介在樹脂除去と導電材同士の結合が同時に行えるメリットの反面、不安な要素も含まれている。
このような鍛接に基づいた接合方法の1つの種類として、例えば、特許文献1においてクリンピング加工と称されている方法が知られている。
鍛接による前記合板の導電材接合方法においては、取りあえずの性能を確保でき、高良品率の場合には生産性も高いが、反面以下のような種々の欠点もある。すなわち、まず、加工工具の先端に極圧を加えるので、この工具先端の性能維持の管理が難しい。さらに、導電材の接合性能の可否にかかわらず接合処理は機械的に進行するので、加工一つごとの導通成果の確認が、加工中(いわゆるインライン)で行えず、この接合加工の後に、導通性能測定保証工程を別に加える必要がある。このことは、折角の高生産性確保を阻害する要因である。
また、鍛接による導電材接合法は、導電材の導通に関する良品率が高くない事を、実験は示している。加えて、実用上、製品一個あたりの接合箇所は二箇所であり、従って、製品1個あたりの良品率は2乗に悪くなる。
以上を踏まえると、基材樹脂の表裏に導電材を接着させて成る複合材料においてそれらの導電材の導通を得る接合方法としては、抵抗溶接法が好ましいことが判る。このような抵抗溶接法を用いた導電材の接合方法として、従来、上下の抵抗溶接ヘッドによって一対の導電材を挟持して押圧し、さらにそれらのヘッドに通電を行うことにより、導電材を抵抗溶接する方法が知られている(例えば、特許文献2)。特許文献2には、溶接ヘッドを用いた溶接工程に先立って、導電材によって挟持されている基材素材を接合部分の所で局所的に除去することが望ましいことも記載されている。
特開2002−007990号公報(第2、5頁、図7〜10) 特開2007−115090号公報(第8頁、図2,3)
上記のように特許文献2には、溶接ヘッドを用いた複合合板の溶接工程に先立って、導電材によって挟持されている基材樹脂を接合部分の所で局所的に除去する工程を設けることが望ましいことが述べられているが、この工程を具体的にどのように実施するかについては触れられていない。これに対し、本発明者は、基材樹脂・接着剤の温度特性と溶融に要する熱量に関する押圧端子に印加すべき電流量と、銅にせよアルミニユームにせよ導電材を抵抗溶接するための温度、従って電流量とは別物であること、また、基材樹脂・接着剤の除去の程度は、単に抵抗溶接を実施できる為の排除のみならず、抵抗溶接における爆飛防止のためにも、この排除の程度は相当に高いことが必要であることを認識していた。更に、実験によれば、通常の抵抗溶接用ヘッドの形状を流用して、導電材によって挟持されている基材樹脂及び接着剤を局所的にきれいに除去することは非常に難しいことが判った。続いて、従来の電気抵抗溶接に基づいた導通結合方法を流用する事では、特にアルミニユームの場合、又、その箔の場合、電源の選択と端子形状などに独特の対策が必要なことが判明した。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、樹脂及び接着剤を挟んで互いに対向した導電材間に導電率が高い良好な導通状態を電気抵抗溶接法に基づいて安定して実現できるようにすることを目的とする。
本発明に係る導通結合方法は、樹脂によって形成された基材の両面に接着剤によって導電材を接着してなる構造体において導電材を前記基材を貫通して結合させる導通結合方法であって、前記導電材同士が結合される部分にある前記基材の樹脂及び前記接着剤を当該導電材同士が結合される部分から除去する樹脂除去工程と、前記樹脂及び前記接着剤が除去された部分の前記導電材同士を電気抵抗溶接法に基づいて溶接する抵抗溶接工程とを有し、前記樹脂除去工程では、表面が平面である基台上に前記構造体を置き、前記構造体における前記導電材同士が結合される部分を加熱された押圧工具によって前記基台へ所定圧力で押し付けることにより、前記樹脂及び前記接着剤を前記基台の表面上で流動させて前記導電材同士が結合される部分から除去することを特徴とする。
上記構成において、「構造体」は、例えばフィルム状の基材の片側面に導電材であるアンテナを形成し、反対側の片側面に導電材である結合ブリッジを形成し、これらのアンテナ及び結合ブリッジをそれらの一部分で基材を通して導電接続させて成るフィルム構造体である。このフィルム構造体には通常ICチップも実装され、そのようなフィルム構造体はIC実装フィルムと呼ばれることがある。このようなIC実装フィルムは、例えば、非接触式ICカードの主要な構成部品となるものである。
上記構成の導通結合方法によれば、平面状の基台上に置かれたIC実装フィルム等といった構造体を、加熱された押圧工具によって押圧することにしたので、樹脂及び接着剤を基台の上面に倣って平坦である前記の裏層導電材上で円滑に流動させることができ、その結果、樹脂及び接着剤を溶接結合部分から、後で行われる電気抵抗溶接を常に安定して良好に行うことができる迄に除去を可能にし、つづく導電材の導電結合において所望の低抵抗値を得ることができる。
本発明における導電材は金属材料であって、例えば電気回路において電路を形成する。このような導電材としては、一般に、銅、アルミニウム等が用いられる。また、超小型回路においては金等が用いられる。電路の製作は、箔の仕様から蒸着による形成に至るまで多様である。電路同士の結合は、本発明では、電気抵抗溶接法が用いられる。電路を支持する基材としては多様な絶縁材料が用いられる。この基材は、例えば工業用高分子化合物製で合成樹脂製でシート状の熱可塑性プラスチックであって、電気的性質としては適切な絶縁性能を有し、製品の構造目的のために適切な機械的強度を有し、加工目的のために適度の低融点性能を持つ素材によって形成される。このような素材としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)がある。
配線基板やカード形基板の分野においては、例えば、基材の表裏両面に導電材を合成樹脂製の接着剤によって貼り合せて合板(ラミネート)を形成し、加えて、導電材を電路形状に形成するため複合材料を形成し、さらに、基材の表裏に形成した電路を所定の一部分において電気的に結合する場合がある。本発明方法は、このような場合に好適に用いられるものであり、表裏の電路間に介在する基材及び接着剤であって電路を結合する部分に存在するものを当該結合部分から除去し、その後、その部分において表裏の電路を電気抵抗溶接によって結合させ、かつ、この結合が機械的にも安定したものとさせる。
このとき、基材及び接着剤の所定部分を除去する際には、表面が平面である基台上に複合材料を置き、その複合材料の表裏の電路同士が結合される部分を加熱された押圧工具によって基台へ所定圧力で押し付けることにより、基材樹脂及び接着剤を基台に沿って流動させて結合予定部分から排除する。基台は平面状に形成されているので、樹脂等は滑らかに流動するので樹脂等の排除は常に安定して十分にきれいに行われる。そのため、次に行われる電気抵抗溶接を常に安定して良好に行うことができ、電気的回路に所要の低結合抵抗値を、安定且つ低原価で実現可能である。
本発明に係る導通結合方法において、前記基台は前記構造体、望ましくは導電材、よりも熱伝導率の低い材料であって、かつ圧縮強度の高い材質によって形成されていることが望ましく、実用的には高剛性形状のガラスが使用できる。この構成により、押圧工具の熱を構造体内の樹脂及び接着剤へ効果的に伝達でき、それ故、樹脂及び接着剤の排除を確実に行うことが可能となる。
本発明に係る前記絶縁層除去法において、前記押圧工具は前記樹脂及び前記接着剤それぞれの融解温度のうちの高い方の温度よりもごく僅かに高い温度とする様に印加する電力すなわち電圧・電流・時間が設定され、同時に前記押圧工具が前記構造体を押し付ける圧力は、溶融された前記樹脂及び前記接着剤を前記導電材同士を結合するべき部分から排除できる大きさであることが必要である。
例えば、基材が汎用ポリエチレンテレフタレートによって形成され、接着剤がウレタン系樹脂の接着剤であり、導電材がアルミニウムによって形成されるとき、押圧工具の温度は接着剤であるウレタン系樹脂の融解温度よりもごく僅かに高い温度に設定されている様に制御する。
また、押圧工具による構造体への押圧力Pは、実験の結果、90MPa≦P≦140MPaであることが望ましい事が判明した。
本発明に係る前記絶縁層除去法において、押圧工具によって押圧される部分の構造体の面積の直径φは、製品仕様より、2.5mm≦φであることが望ましく、これは、この押圧端子面積の許容面積の最大がほぼ5mmであることを意味する。前記押圧工具が前記構造体を押圧する面積Aは実験の結果、0.5mm≦Aであることが望ましい事が判明した(実験に於いて端子形状を余り細かく変更することは難しい事情からこの面積の許容範囲は不明であるが、少なくとも上記の2倍の端子面積では、導電体同士の接触抵抗値が高く、続いて行う抵抗溶接加工実施は全く出来無かった)。この構成により、押圧工具の熱を構造体内の樹脂及び接着剤へ効果的に伝達できると共に、樹脂及び接着剤を適切な圧力で押圧できる。それ故、樹脂及び接着剤の排除を確実に行うことが可能となる。
さらに付言すると、上記押圧工具端子先端形状は正方形、矩形、又は円であってもよい。
また、上記押圧工具端子先端形状は前述の如く平坦であることが望ましいが、場合によっては又は別の必要からそれが半球であっても、上記の許容押圧面積を満たすので使用できるし、この押圧端子を続いて行う抵抗溶接端子と兼用する技術活用の場合の前記絶縁物除去のための加工条件設定に資する事に繋がる。
本発明に係る導通結合方法において、押圧工具における構造体を押し付ける面の周縁には面取りが施されていることが望ましい。この面取りにより、樹脂及び接着剤の流動を円滑化することができ、それらの排除すなわち除去を確実に行うことが可能となる。
次に、本発明に係るカードの製造方法は、導電材によって形成されたアンテナを基材の第1面(最上層)に有し、導電材によって形成された結合ブリッジを基材の第1面(最上層)の反対面である第2面(最下層)に有し、前記アンテナと前記結合ブリッジはそれらの一部において、所定の導通結合方法によって基材を貫通して互いに導電接続されているカードの製造方法であって、前記所定の導通結合方法は所定の絶縁層除去法を有しており、その絶縁層除去法は以上に記載した構成の、すなわち、上記基材除去を制御して確実に行うことで上記導電材同士の導通結合を行う事を目的とする方法であることを特徴とする。
このカードの製造方法によれば、アンテナに関して信頼性の高い導電接続を常に安定して得ることができ、カードの製造において非常に高い歩留りを達成できる。
本発明に係る導通結合方法によれば、導電材に対して電気抵抗溶接を実施するのに先立ってその溶接部分から樹脂及び接着剤をきれいに排除できるので、導電率が高い良好な導通状態を導電材間に安定して実現できる。
以下、本発明に係る導通結合方法を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、これ以降の説明では図面を参照するが、その図面では特徴的な部分を分かり易く示すために実際のものとは異なった比率で構成要素を示す場合がある。
図1は、導通結合の対象物である非接触式ICカードの主たる構成要素であるIC実装フィルムの平面構造を示している。図2は、図1の矢印Zaで示す部分を拡大して示している。図2(a)は平面図を示しており、図2(b)は図2(a)のZb−Zb線に従った溶接前の断面構造を示している。図2(c)は、図2(b)の部分の前述の絶縁基材除去完了後の断面構造を示している。符号A,A’で示す部分が前述の絶縁基材除去部位である。
図1において、IC実装フィルム1は、ほぼ長方形状で薄い厚さのシート状の基材2と、この基材2の表面(図の手前側の面)に設けられた線輪形状のアンテナ3と、基材2の裏面(図の奥側の面)に設けられた結合ブリッジ4と、ICチップが装着されるICチップ装着部5とを有している。アンテナ3及び結合ブリッジ4は、図2(b)に示すように、それぞれ、接着剤6によって基材2の表裏面に接着によって固着されている。これにより、合板としてのIC実装フィルム1が形成されている。なお、各部材の詳細例は次表の通りである。
表1
Figure 2009251789
上記表1において、最上層である第1層は本発明における基材の第1面側の層に相当し、最下層である第5層は本発明における基材の第2面側の層に相当する。
表1から分かるように、アンテナ3及び結合ブリッジ4は導電材であるアルミニウムによって形成されている。より具体的には、アンテナ3及び結合ブリッジ4は、本実験では、合金番号1N30のアルミニウム、すなわち一般的な純アルミニウムを使用したが、本発明対象工程の前後工程の必要から別の仕様に変更しても、上記の説明の本質が変化することはない。ちなみに、下記の化学成分のアルミニウムによって形成されている。
(合金番号=1N30)
Si+Fe=0.7以下、Cu=0.10以下、Mn=0.05以下、Mg=0.05以下、Zn=0.05以下、その他の元素=0.03以下、Al=99.30以上
また、接着剤6としてはウレタン系樹脂が用いられている。基材2はPETによって形成されている。これらのウレタン系接着剤とPETは、実験では汎用仕様のもので進めたが、本発明対象工程の前後工程の必要から別の仕様に変更しても、上記の説明の本質が変化することはない。さらに、これらの各部材の材質は上表に限定されるものではなく、例えば、アンテナ、結合ブリッジ等の導電材は銅であっても良く、基材及び接着剤も導電材の場合と同様の意味でその他の材質を適用できる。また、図2(a)の結合部位A,A’の部分の直径は、約3mmである。
アンテナ3は公知の成膜法、例えばレジスト印刷法やフオトリソグラフイ法などのエッチングによってパターニングされており、本実施形態では図1に示す如き線輪形状に形成されている。そして、アンテナ3であるこの線輪部分の外側と内側の両端が図2(c)の符号3の導電材と符号4の導電材が接触している二個所の部分に於いて、裏側の結合ブリッジ4を介して導通し、結合ブリッジ4によってアンテナ3が線輪として構成されている。本実施形態に係る導通結合方法は、アンテナ3と結合ブリッジ4とを基材2を貫通して電気的に導通させる際に用いられる。
上記構成のIC実装フィルム1を含むICカードの製造方法は、図3に示すように、樹脂等除去工程P1、抵抗溶接工程P2、及び検査工程P3を有している。IC実装フィルムの製造方法及びICカードの製造方法はこれら以外に必要な工程も有しているが、図ではそれらの工程の図示を省略している。
樹脂等除去工程P1は、図2の結合部位A及びA’に存在する基材2の素材樹脂及び接着剤6をそれらの結合部位から除去するための工程である。この工程により、アンテナ3の図の下側表面と結合ブリッジ4の上側表面とが接触、望ましくは面接触する。図3の抵抗溶接工程P2は、基材2の素材樹脂及び接着剤6が除去されて、アンテナ3と結合ブリッジ4とが接触した部分を抵抗溶接する工程である。検査工程P3は、溶接が正常に行われたかどうかを検査する工程である。
樹脂等除去工程P1は、本実施形態では図4に示すように、表面が平面である基台7の上にIC実装フィルム1を置き、所定温度に加熱した押圧工具8によって、所定圧力で所定時間、IC実装フィルム1を押圧することによって行われる。本実施形態において押圧工具8の断面形状は0.8mm×0.6mmの長方形状である。この除去処理は、基材2及び接着剤6のうち結合部位A,A’にある部分を溶融さらには分解させて流動によって除去するものである。本発明者は、これらの素材の溶融を正確に制御するために、それぞれの材質ごとに温度に対する溶融及び分解の関係を調査した。
図5は、基材2を構成するPET(実験では汎用のもの)についての溶融特性を示している。図示の通り、PETは358℃で溶解することが分かった。換言すると、358℃以下では、アンテナ3と結合ブリッジ4との間のPETを排除するには未だそのPETの粘度が高過ぎるということである。一方、358℃以上では、PETは分解を開始してガス化が始まるということであり、この温度範囲では、アンテナ3と結合ブリッジ4との押圧部周囲で、かつこれらの厚み方向でのPETの膨潤が大きくなり過ぎて、PETすなわち基材2の厚さが許容される限界厚さを超えてしまうおそれがあることが分かった。
また、本実施形態の導通結合方法では、図3の樹脂等除去工程P1において、アンテナ3と基材2との間及び結合ブリッジ4と基材2との間に存在する2層の接着剤6も同時に排除する必要がある。この接着剤6の厚みは極小であるが、当該工程の前後工程と製品性能の保持のため、汎用よりも強力な接着性能を有するウレタン系樹脂を使用する必要がある場合もあるが、ここでは汎用ウレタン系樹脂について上記PETの場合と同様の実験を行った結果、このウレタン系樹脂の分解温度は476℃であった。
そこで、この476℃におけるPETのガス化及び膨潤の程度を慎重に調査し、基材2の材料であるPETと接着剤6の両方を適正に流動させて排除するには、図4の押圧工具8の温度を、高い方の溶融温度である接着剤6の分解温度である476℃を僅かに上回る温度に保持、さらにその保持時間をも制御・監視・管理することが望ましいことが分かった。これにより、基材2の材料であるPETの融解と接着剤6の分解とを安定的に生じさせて、それらを結合部位A,A’から流動によって確実に排除でき、かつ上記膨潤も製品毎に異なる許容寸法に収め得ることになった。
なお、押圧工具8の温度Tは接着剤6の分解温度476℃に厳密に一致させなければならないのではなく、発明者の実験によれば、400℃≦T≦500℃の範囲、このときの加圧推力Fは、45N≦F≦70Nの範囲にあれば良いことが分かった。押圧工具8の温度制御は、図4に示す押圧工具8の符号9に熱電対端子を付けたこの温度管理用回路で測定・監視・管理し実現される。
さらに本実施形態では、図3の樹脂等除去工程P1においてPET及び接着剤6が排除された後、アンテナ3及び結合ブリッジ4等といった導電材の表面がPET等によって被覆されていないことが望ましい。どのように薄い層であってもPET等が導電材の表面に残っていないことが望ましいし、事実、この層が厚い場合には、この除去工程直後の導電素材間の接触抵抗値は、Ω台となり、これは続く工程の電気抵抗溶接で、この工程施工の折の被溶接素材の接触抵抗が大きいために起こる爆飛、すなわち溶接不能ないし溶接品質不具合の原因を作る。このためには、前述の如くこの加熱温度と共に押圧工具8の導電材と接触する面の形状及び押圧する圧力を適切な値に設定しておくことが極めて重要である。この推力は、バネを利用した定圧装置や圧縮空気圧などの利用によって行える。
押圧工具8によるアンテナ3すなわち導電材への圧力Pは、当該工具8に加える推力をこの工具の押圧面積で除して算出するが、本実施形態における圧力Pは、前述の如く45N≦F≦70Nの範囲が使えるが、その内の周知例として、押圧推力F50Nを採用し、押圧面積Aは、0.8mm×0.6mmの面積、すなわちAを約0.5mmの面積で受ける場合、従って、50N/0.5mm、すなわち約100MPaであった。但し、好適な圧力にはある程度の幅があり、前々項説明の実験結果によれば、押圧力Pは、90MPa≦P≦140MPaであれば、実用上問題はなかった。
押圧工具8の導電材と接触する面の形状は、半球、截頭円錐(頂部の一部が切断されて頂面が平面状である円錐)、平面等のいずれの形状でも良い。望ましくは、図4に示すように平面であることが望ましい。こうすれば、図3の樹脂等除去工程P1の後に行われる抵抗溶接工程P2の当初に、樹脂等除去面積が点ではないので、別工程での溶接接合の位置を決める上での位置だし精度に余裕を持たせることができて、有利でもある。
さらに、押圧工具8の押圧面が截頭平面であっても普通の平面であっても、その角部に適宜の面取り、例えば断面で直線的な面取り、あるいは断面で曲線的な面取りを施すことが望ましい。これにより、基材2の素材であるPET及び接着剤6の排除を滑らかで容易に行うことが可能となった。なお、面取りの大きさはいわゆる糸面取りで十分に効果が得られた。
さらに、本実施形態の場合、押圧工具8の押圧力を受けるための対向部である基台7は、熱伝導率が低く且つ剛性の高い材質及び形状の平面板によって形成した。熱伝導率が低いというのは、接合の対象である導電素材の熱伝導率よりも熱伝導率が低いということであり、具体的には、アルミニウムのそれの236W・m−1−1に比較して十分に低いことが重要であるが、出来れば、1W・m−1・K−1程度の熱伝導率とすることが望ましい。このような基台7は、例えばガラス・雲母などによって形成できる。この構成により、押圧工具8の熱を基材2及び接着剤6へ効果的に伝達でき、良好な樹脂排除効果を得ることができた。
押圧工具9によってこの合板化素材を基台7へ押し付ける時間tは、本実施形態では、0.2msに設定した。この時間設定により、基材2の樹脂及び接着剤を接合予定部分から確実に排除でき、しかも過剰な膨潤も回避できた。
押圧工具8及び基台7の材質、形状、温度状態、圧力状態、押圧時間等を上記のように設定することにより、基材2の素材樹脂及び接着剤6を溶接結合部位からきれいに排除でき、さらにアンテナ3及び結合ブリッジ4の対向表面、すなわち導電材の対向表面に薄膜が残存することを防止でき、その結果、後に行われる抵抗溶接の際に、薄膜が残存していたら発生するであろう爆飛の現象の発生を防止できる。
以上により図3の樹脂等除去工程P1が終了し、図2(c)に示すように、アンテナ3及び結合ブリッジ4の導電材同士が直接に接触する状態が得られる。この状態での接触抵抗値を実測したところ、最大5Ωであった。これは予測されたことではあるが、本実施形態の導通結合方法が要求する製品仕様であるmΩ台には未だほど遠い数値である。
この理由は、導電材の表面に樹脂の薄膜が残存することも一因であるが、それ以上に、アルミニウムによって形成されている導電材の酸化皮膜の存在が大きいと考えられる。特に本実験形態で用い市場より入手した汎用のアルミニウムは酸化皮膜は特に管理されたものではないので、これを電気回路の一部として使用したときの低抵抗接合を実現することが必要である。
周知の通り、アルミニウムの表面には強力な酸化被膜が存在し、その厚さは室温での機械加工後に形成される自然被膜の場合、数nm台と云われている。
チタンは酸化被膜が非常に安定しているが、チタンは酸素を多量に固溶できるために、接合表面同士を互いに密着させて雰囲気からの酸素供給を絶たれると、接合界面の酸化物を構成する酸素が母材中に拡散及び固溶してしまい、酸化物が分解して消滅してしまう。本実施形態のアルミニウムはこのようなチタンの酸化被膜とも異なっており、アルミニウムの表面汚染層としての強力な酸化被膜は通常の機械加工では決して消滅せず、その母材が加圧されれば、下地金属の変形に伴って機械的に破壊されるのみである。
以上のことを図6に示す簡単な模式図を用いて説明すると、図のA型は金やチタンのような場合であり、B型は鉄鋼、銅等で酸化被膜が消滅せずに固まりとなって残る場合であり、C型が本実施形態のアルミニウムの場合である。この図中の「接合」とは拡散接合法で加工した場合の説明であり、従って、この加工説明の合板素材に拡散接合法の活用は期待できないが、良く云われるアルミニウムの酸化皮膜が強力なことの説明となる。また、鍛圧法も、この酸化皮膜除去が出来ないゆえに、確実な電気的回路結合法としては推奨できない説明でもある。
電気的な回路結合を確実に得られる技術として電気抵抗溶接法が挙げられる。本実施形態では図3の樹脂等除去工程P1のあとで抵抗溶接工程P2を実施する。電気抵抗溶接法によれば、アルミニウムを溶解して凝固させ、いわゆるナゲット(接合部に出来る最大溶融部)を作るので、強力な酸化物の被膜は除去できる。この抵抗溶接処理にあたっては、市販されている既存のアルミニウム溶接用電源を選び、電圧電流通電制御と加圧力管理が的確な装置を使用し、通常の抵抗溶接法の処理の場合と同じ溶接棒の材質選定と溶接部の形状の適切な管理を行えば、印加電圧0.7V(ボルト)近辺、電流500A(アンペア)弱で接合抵抗は2mΩ強の成果が得られた。また、導電材の抵抗値は、ヒートショックによる加速耐久試験にも十分に耐え得ることも確かめられた。
図4に示した頂面が平面形状である押圧工具8による押圧結果の外観は図7の写真(この写真は、樹脂等除去工程P1加工の後、抵抗溶接工程P2加工も施工した後を示す)に示す通りに平坦である。つまり、本実施形態では、樹脂や接着剤が確実に排除できることと、導電材同士が確実に密着することに加えて、加工先端半球の半径が小さい断面の工具を使用した押圧の場合のように、導電材の密接面積が局所的ではない。従って、図3の抵抗溶接工程P2で行う電気抵抗溶接施工時の溶接棒先端の位置精度を厳しく規制する必要が無くなり、そのため、樹脂排除工程後の抵抗溶接のワーク位置出しを簡単なジグで行えるので好都合である。
また、抵抗溶接工程P2加工における電気抵抗溶接の工具は、導電材同士の両方の表面を挟んだ状態で通電がなされるが、この工具先端が平坦でなく、例えば半球であるような場合に、本来起きるべき溶接工具の先端半球形状の最先端では通電は起きないで、この先端から少し離れた箇所で放電及び通電を起こし、その結果、導電材の不測の箇所に穴を開けてしまうことがある。この原因としては、押圧された導電材の表面が溶接工具の最先端以外の側面に近接し過ぎであったり、導電材表面の酸化被膜の厚みの不均一等のためと想定できる。この面からも、電気抵抗溶接の前段階の絶縁樹脂押圧溶融排除工具の平坦押圧方式はそのような不具合発生防止に有益である。
さらに、本実施形態では、図3において、導電材の結合処理として電気抵抗溶接法を採用したので、抵抗溶接棒を用いて導通可否の確認、すなわち検査工程P3を実施できる。鍛接のような純粋な機械加工の場合には、接合加工に続いて別途の抵抗値保証用の検査工程を行わなければならず、工程が冗長であったが、電気抵抗溶接法を用いた本実施形態によれば、そのような冗長な工程を省略できるので経済的である。
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、上記の実施形態では本発明方法を、ICカードの主要構成要素であるIC実装フィルムを作製する際に用いたが、本発明方法はその他任意のカードを作製する場合や、カード形状でない任意の形状の複合材料を作製する場合にも用いることができる。
本発明方法の対象である構造体の一例であるIC実装フィルムを示す平面図である。 図1のIC実装フィルムの主要部分を拡大して示す図である。 本発明に係る導通結合方法の一実施形態を示す工程図である。 本発明に係る導通結合方法の主要工程を示す図である。 本発明で適用する樹脂の温度特性を示す図である。 各種の金属の接合状態を模式的に示す図である。 図4の処理を行った後の処理部分の平面状態を示す写真の図面である。
符号の説明
1.IC実装フィルム(構造体)、 2.基材、 3.アンテナ(導電材)、
4.結合ブリッジ(導電材)、 5.ICチップ装着部、 6.接着剤、 7.基台、
8.押圧工具、 9.測定端子

Claims (7)

  1. 樹脂によって形成された基材の両面に接着剤によって導電材を接着してなる構造体において前記導電材を前記基材を通して結合させる導通結合方法であって、
    前記導電材同士が結合される部分に在る前記基材の樹脂及び前記接着剤を当該導電材同士が結合される部分から除去する樹脂除去工程と、
    前記樹脂及び前記接着剤が除去された部分の前記導電材同士を電気抵抗溶接法に基づいて溶接する抵抗溶接工程とを有し、
    前記樹脂除去工程では、表面が平面である基台上に前記構造体を置き、前記構造体における前記導電材同士が結合される部分を加熱された押圧工具によって前記基台へ所定圧力で押し付けることにより、前記樹脂及び前記接着剤を前記基台の表面上で流動させて前記導電材同士が結合される部分から除去する
    ことを特徴とする導通結合方法。
  2. 請求項1記載の導通結合方法において、前記基台は前記構造体よりも熱伝導率の低い材料によって形成されていることを特徴とする導通結合方法。
  3. 請求項2記載の導通結合方法において、前記基台はガラス又は雲母によって形成されていることを特徴とする導通結合方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の導通結合方法において、
    前記押圧工具は前記樹脂及び前記接着剤の融解温度のうちの高い方の温度よりも高い温度に設定され、
    前記押圧工具が前記構造体を押し付ける圧力は、溶融された前記樹脂及び前記接着剤を前記導電材同士が結合される部分から排除できる大きさである
    ことを特徴とする導通結合方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の導通結合方法において、
    前記押圧工具における前記構造体を押し付ける面の周縁には面取りが施されていることを特徴とする導通結合方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の導通結合方法において、
    前記押圧工具による前記構造体への押圧力Pは、90MPa≦P≦140MPaであることを特徴とする導通結合方法。
  7. 導電材によって形成されたアンテナを基材の第1面に有し、導電材によって形成された結合ブリッジを基材の第1面の反対面である第2面に有し、前記アンテナと前記結合ブリッジはそれらの一部において、所定の導通結合方法によって基材を通して互いに導電接続されているカードの製造方法であって、
    前記導通結合方法は請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の導通結合方法であることを特徴とするカードの製造方法。
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