JP6719176B2 - アルミニウム部材の接合方法 - Google Patents

アルミニウム部材の接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウム部材の接合方法に関し、詳しくは、アルミニウム部材どうしを金属粒子と樹脂を含む接合材料により接合する方法に関する。
アルミニウムを含む部材どうしを接合する場合に、アルミニウムと共晶反応を起こす亜鉛を接合材料として用いて接合する方法がある。
そして、そのような方法の一つとして、特許文献1には、アルミニウム系金属からなる部材どうしの間に、アルミニウムと共晶反応を生じる元素として亜鉛を含むインサート材を介在させ、両材料を相対的に加圧した状態で、共晶反応を生じる温度に加熱して両材料の接合界面に母材中のアルミニウムとの共晶反応による溶融物を生成させ、当該溶融物の一部とともに、アルミニウムの酸化皮膜を接合界面から排出する工程を経て、アルミニウム系金属からなる部材どうし接合するようにしたアルミニウム系金属の接合方法が開示されている。
そして、この特許文献1の方法によれば、アルミニウム系金属材からなる部材どうしの間に、少なくとも亜鉛を含むインサート材を介在させているため、加圧、加熱によって母材アルミニウムとの間に亜鉛を含む低融点の共晶溶融が生じ、大気中でフラックスを用いることもなく、低温度、低入熱、低歪み、低コストで接合することが可能で、被接合部材の変形や強度低下を防止するとともに、周辺部材への熱影響を最小限にすることができるとされている。
しかし、特許文献1に開示された方法で接合した接合体は、亜鉛や、亜鉛とアルミニウムの共晶合金などを含む接続部の一部が大気中に露出しているため、時間の経過とともに共晶合金などを含む接続部が大気により酸化され、接続抵抗の上昇、および強度劣化が生じるという問題点がある。
一方、電子部品の外部電極を回路基板の配線電極に接合する場合に、接合材料として、導電性粒子を樹脂中に分散させた異方性導電性樹脂を用いて接合する方法がある。
そして、そのような方法の一つとして、特許文献2には、厚さ方向の中央に配置する絶縁性のコアフィルムの両面に絶縁性の接着剤層が配置され、かつ、導電性微粒子の一部あるいは全部がコアフィルム(樹脂フィルム)内に存在するような異方性導電性接着シートを用いて、一方の基板に設けられた配線(電極)と、他方の基板に設けられた配線(電極)とを接合するようにした接合方法が開示されている(特許文献2の図6など参照)。
そして、この特許文献2の方法で作製された接合体においては、一方の基板と他方の基板とが異方性導電性接着シートが備える接着剤層により接続され、この接着剤層による接着力により、導電性微粒子が一方および他方の基板の配線(電極)に押し付けられ、一方の基板に設けられた配線(電極)と、他方の基板に設けられた配線(電極)とが電気的に接続されることになる。
国際公開番号WO2012/029789 特開2007−253629号公報
しかしながら、この特許文献2の方法で作製された接合体において、一方の配線(電極)と他方の配線(電極)は、導電性微粒子と一方および他方の配線(電極)との接触に依存するものであることから、必ずしも十分な電気的接続が得られず、場合によっては接続抵抗が高くなるという問題点がある。
また、特許文献2の方法では、特に、配線(電極)を構成する材料がアルミニウムである場合、その表面に形成される強固なアルミニウム酸化膜が、配線(電極)と導電性微粒子との接触を阻害するため、十分な導通を得ることが困難になるという問題点がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、接合部が酸化されることによる経時的な接続抵抗の増大を抑制することが可能で、しかも、アルミニウム部材どうしの接合強度が大きく、かつ、接続抵抗が低いアルミニウム部材の接合体を確実に得ることが可能なアルミニウム部材の接合方法を提供することを目的とする。
また、上記課題を解決するため、本発明のアルミニウム部材の接合方法は、
アルミニウムを主成分とする、第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材の接合方法であって、
前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材の間に、亜鉛を主成分とする複数の金属粒子と、熱可塑性樹脂とを含む接合材料を位置させた状態で、前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材の一方が他方に向かって押圧されるように圧力を加えながら、前記熱可塑性樹脂が軟化するとともに、前記金属粒子の少なくとも一部が溶融する温度までに加熱する工程を経て、前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材とを、前記金属粒子が分散している前記熱可塑性樹脂により接合するとともに、前記第1および第2のアルミニウム部材と、前記金属粒子との当接部に亜鉛とアルミニウムを含む合金層を生じさせることにより、前記第1および第2のアルミニウム部材と前記金属粒子とを接合するようにしたこと
を特徴としている。
また、本発明のアルミニウム部材の接合方法において、前記熱可塑性樹脂として、ポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
接合材料を構成する熱可塑性樹脂として熱可塑性ポリイミドを用いた場合、熱可塑性ポリイミドは、高温状態でも熱分解しにくいため、分解ガスの発生に起因するボイドの少ない接合部を得ることができる。
なお、有機溶剤を含まない熱可塑性ポリイミドを用いた場合には、有機溶剤が蒸発することに起因するボイドの発生も防止することが可能になり、さらに好ましい。
また、前記接合材料が、前記熱可塑性樹脂をシート状に成形した樹脂シートと、前記樹脂シートの表裏両主面の少なくとも一方に位置させた複数の前記金属粒子を備えた接合材料であり、
前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材の一方が他方に向かって押圧されるように圧力を加えながら、前記樹脂が軟化するとともに、前記金属粒子の少なくとも一部が溶融する温度までに加熱する工程を経て、前記金属粒子を前記樹脂シートに埋め込み、かつ、前記第1および第2のアルミニウム部材と、前記熱可塑性樹脂に埋め込まれた前記金属粒子との当接部に亜鉛とアルミニウムを含む合金層を生じさせることが好ましい。
本発明の接合方法においては、例えば、樹脂シートと、金属粒子を別々に用意し、樹脂シートの表裏両主面側のいずれか一方、または両方に金属粒子を適宜供給して、これを接合材料とするように構成することも可能である。
このように構成した場合、熱可塑性樹脂に金属粒子を分散させた接合材料を作製する工程が不要になる。
なお、樹脂シートの表裏両主面側のいずれか一方、または両方に金属粒子を供給するにあたっては、例えば、樹脂シートに粘着性を付与しておき、金属粒子が確実に樹脂シートの上面側あるいは下面側に保持されるように構成することも可能である。
いずれにしても、樹脂シートの表裏両主面の少なくとも一方に金属粒子を位置させる方法に特別の制約はない。
本発明のアルミニウム部材の接合方法は、第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材の一方が他方に向かって押圧されるように圧力を加えながら、熱可塑性樹脂が軟化し、金属粒子の少なくとも一部が溶融する温度までに加熱する工程を経て、第1と第2のアルミニウム部材を熱可塑性樹脂により接合するとともに、第1および第2のアルミニウム部材と金属粒子との当接部に亜鉛とアルミニウムを含む合金層を生じさせるようにしているので、接合強度が高く、導通信頼性の高い接合体を得ることができる。
このアルミニウム部材の接合体は、第1および第2のアルミニウム部材と金属粒子とが、その接合部に形成された亜鉛とアルミニウムを含む合金層を介して強固に接合しているとともに、第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材とが、樹脂によって確実に接合されているので、接合信頼性の高い接合体を得ることができる。
同時に、第1および第2のアルミニウム部材と金属粒子との接合部に形成された合金層により、第1および第2のアルミニウム部材と金属粒子とが電気的に確実に接続され、かつ、第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材とが、樹脂により確実に接合されていることから、接続部が安定した状態に保たれるため、導通信頼性の高い接合体を得ることができる。
さらに、金属粒子が、樹脂中に分散して存在しているので、金属粒子が大気中に露出して酸化されることがなく、経時的な接続抵抗の増大を抑制することができる。
本発明の一実施形態(実施形態1)にかかるアルミニウム部材の接合体の断面を模式的に示す図である。 本発明の実施形態1にかかるアルミニウム部材の接合方法を説明するための図であり、(a)は押圧加熱前の状態、(b)は第1の押圧加熱工程を実施した後の状態、(c)は第2の押圧加熱工程を実施した後の状態を示す図である。 本発明の他の実施形態(実施形態2)にかかるアルミニウム部材の接合方法を説明する図である。
以下に、本発明の実施形態を示して、本発明をさらに詳しく説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1にかかるアルミニウム部材の接合体を示す図である。図1に示すアルミニウム部材の接合体10は、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12とが、亜鉛を主成分とする複数の金属粒子13と接着性を有する樹脂14とを含む接合材料15により接合された構造を有する接合体である。
第1および第2のアルミニウム部材11,12は、アルミニウムを主成分とする部材であり、例えば、アルミニウム純度が99%以上の金属からなる部材である。
アルミニウム部材11,12の態様に特別の制約はなく、膜状、プレート状、帯状、線状などの種々の態様であってよい。
具体的には、例えば、電力供給用の引き出し端子、金属ケースに形成された端子、または、回路基板に形成された配線電極などが、本発明におけるアルミニウム部材となる。なお、第1および第2のアルミニウム部材11,12の純度や添加物は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
接合材料15を構成する樹脂14は、接着性、耐熱性および絶縁性を有する樹脂であり、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12とを機械的に接合している。
この実施形態では、樹脂14として、有機溶剤を含まない熱可塑性ポリイミドが用いられている。
接合材料15に含まれる金属粒子13は、上述の樹脂14の中に分散した状態で存在している。亜鉛を主成分とする金属粒子13としては、添加物を含まない亜鉛や、アルミニウム−亜鉛系合金、錫−亜鉛系合金などからなるものを用いることができる。ここで、「亜鉛を主成分とする」とは、亜鉛が金属粒子の全体の成分のうちの成分比率(wt%)が最も大きい成分である場合に限られず、金属粒子の全体の成分のうち、成分比率の大きさが2番目以降の成分であってもよい。ただし、「亜鉛を主成分とする」とは、不純物として、亜鉛が含まれている場合まで含むものではない。
第1および第2のアルミニウム部材11,12と、亜鉛を含む金属粒子13との接合部J1,J2には、アルミニウム11,12に含まれるアルミニウムと金属粒子13に含まれる亜鉛とが合金化することにより形成された合金層16(16a,16b)が形成されている。
そして、この実施形態の接合体10においては、第1および第2のアルミニウム部材11,12と金属粒子13とは、その接合部J1,J2に形成された亜鉛とアルミニウムを含む合金層16(16a,16b)を介して強固に接合している。
また、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12とは、金属粒子13の本体13aと、上述の合金層16(16a,16b)を介して強固に接合されており、電気的および機械的に確実に接続されている。
さらに、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12とは、接着性を有する樹脂14によっても機械的に接続されている。
また、この実施形態の接合体10においては、金属粒子13が、樹脂14中に分散して存在しており、合金層16(16a,16b)も樹脂14中に存在している。したがって、金属粒子13および合金層16(16a,16b)が、大気に触れて酸化されることがなく、経時的に接続抵抗が増大することを抑制することができる。
次に、アルミニウム部材の接合方法(上述したアルミニウム部材の接合体を形成する方法)を、図2(a)〜(c)を参照しつつ説明する。
アルミニウム部材の接合方法について説明するにあたり、まず、この実施形態で用いた接合材料について説明する。
この実施形態1では、接合材料として、図2(a)に示すように、金属粒子を分散させた液体状の樹脂を金型に注入し、固化させることにより、樹脂14中に金属粒子13が分散したシート状の接合材料15を作製する。
樹脂14として、有機溶剤を含まない熱可塑性ポリイミドを用いる。この実施形態では、接合材料15の厚みは25μmとする。
また、金属粒子13として、亜鉛を主成分とした略球状の亜鉛粒子を用いる。金属粒子13の直径は、接合材料15の厚み寸法よりも小さく、例えば、5μm〜20μmである。なお、金属粒子13は、球状のものに限らず、多面体や球体表面に突起を有するものなどを用いることも可能である。
第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12を接合するにあたって、まず、図2(a)に示すように、樹脂14中に金属粒子13を分散させたシート状の接合材料15を、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12の間に位置させる。
次に、常温で、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12の一方が他方に向かって押圧されるように、加熱手段を備えた押圧治具21,22を用いて加圧する。圧力は、例えば、5MPa〜20MPaである。接合材料15は常温では硬い状態にあるため、押圧されても厚みや形状はほとんど変形しない。
次に、押圧した状態で、加熱を行う。(図2(b):第1の押圧加熱工程)。
加熱方式としては、加熱と除熱の応答性に優れたパルスヒート方式が採用される。なお、レーザ加熱方式を採用することも可能である。
加熱温度は、例えば、150℃〜300℃とする。この加熱により、接合材料15を構成する樹脂(熱可塑性ポリイミド)14を軟化させる。ガラス転移温度が約250℃である熱可塑性ポリイミドは、250℃を超える温度(この実施形態では280℃)に加熱することにより軟化する。
第1および第2のアルミニウム部材11,12の間に位置する接合材料15は、加圧された状態で軟化することにより、押圧加熱前には約25μmであった厚みが、約20μmにまで薄くなる。
そして、接合材料15の厚みが薄くなり、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12との間隔が小さくなることにより、アルミニウム部材11,12と、接合材料15中の金属粒子13とが当接する。
なお、金属粒子13を構成する材料である亜鉛の融点は約420℃、アルミニウム部材11,12を構成する材料であるアルミニウムの融点は約660℃、亜鉛とアルミニウムの共晶反応温度は約381℃と高いことから、第1の押圧加熱工程では、金属粒子13とアルミニウム部材11,12は、それぞれ固相状態のままで、溶融することはない。
また、この第1の押圧加熱工程を経た後の状態では、金属粒子13とアルミニウム部材11,12は当接しているだけであり、接続抵抗(電気抵抗)は高い状態にある。
次に、第1および第2のアルミニウム部材11,12と金属粒子13の当接部C1,C2において、アルミニウムと亜鉛とが溶融するまで加熱する(図2(c):第2の押圧加熱工程)。
具体的には、加熱温度を400〜500℃に上昇させる。これにより、上記当接部C1,C2において、金属粒子13に含まれる亜鉛と、アルミニウム部材11,12に含まれるアルミニウムが溶融して混ざり合う。
なお、アルミニウム部材11,12や、亜鉛を含む金属粒子13の表面には、通常、酸化膜が形成されているが、この第2の押圧加熱工程で、酸化膜は破壊され、アルミニウム部材11,12を構成するアルミニウムと、金属粒子13を構成する亜鉛が反応して、接合部J1,J2に合金層16(16a,16b)が形成される。
金属粒子13とアルミニウム部材11,12の当接部C1,C2は、亜鉛またはアルミニウムの融点まで昇温しなくても、亜鉛とアルミニウムの共晶反応によって約381℃によって溶融する。
また、この第2の押圧加熱工程で、接合材料15の樹脂14がさらに軟化し、また、金属粒子13とアルミニウム部材11,12の当接部C1,C2において、金属粒子13とアルミニウム部材11,12の一部が溶融して第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12の間隔が小さくなり、接合材料15は、それに応じてさらに厚みが薄くなり、接合材料15を構成する樹脂14が流動する。そして、この流動により、樹脂14が、アルミニウム部材11,12の表面の微細な凹凸に侵入する。
上述した第2の押圧加熱工程が終了した後、加熱手段を備えた押圧治具21,22による押圧状態を維持したまま、第1および第2のアルミニウム部材11,12を常温まで冷却する。その後、押圧状態を解除することにより、第1および第2のアルミニウム部材11,12が接合された接合体10が得られる。
上述のようにして第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12を接合した接合体10においては、接合部J1,J2に、合金層16(16a,16b)が形成されており、第1および第2のアルミニウム部材11,12と金属粒子13とが強固に接合されている。
また、金属粒子13は樹脂14に分散し、合金層16(16a,16b)が形成された接合部J1,J2は樹脂14中に存在しているので、金属粒子13や合金層16(16a,16b)が大気に触れることがなく酸化されるおそれもない。
また、加熱により軟化した樹脂14が、アルミニウム部材11,12の表面の微細な凹凸に侵入することにより、アンカー効果が発現し、樹脂14とアルミニウム部材11,12の接合強度が向上する。
また、この実施形態において、樹脂14として、熱分解開始温度が約600℃と高くて耐熱性に優れ、かつ、有機溶剤を含まない熱可塑性ポリイミドを用いているので、上述の押圧加熱工程で加熱された場合にも、分解ガスの発生や、有機溶剤が蒸発することによる蒸気の発生がないため、接合部にボイドなどの欠陥が発生することを防止することができる。
したがって、上述の接合方法によれば、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12を、電気的、機械的に確実に接合することが可能で、接合状態の経時的な劣化のない接合体を得ることが可能になる。
なお、この実施形態では、押圧加熱工程を第1および第2の押圧加熱工程に分けて行うようにした場合について説明したが、適切な温度プロファイルの下で、一連の工程で押圧加熱を実施するように構成することも可能である。
また、この実施形態では、適切な押圧状態とした後に、加熱を開始しているが、加圧開始と加熱開始を同時に行ってもよい。
[実施形態2]
図3(a)〜(c)は、他の実施形態(実施形態2)にかかるアルミニウム部材の接合方法を示す図である。
この実施形態2のアルミニウム部材の接合方法は、接合材料として、樹脂をシート状に成形した樹脂シート14aと、樹脂シート14aの上面(一方の主面)に位置させた複数の金属粒子13を備えた構成のものを接合材料15aとして用いている点において、接合材料として、樹脂14中に予め金属粒子13を分散させたシート状の接合材料15を用いた実施形態1とは異なっている。
この実施形態2では、まず、図3(a)に示すように、第2のアルミニウム部材12上に、樹脂シート14aを配設する。
次に、樹脂シート14aの上面(一方の主面)に複数の金属粒子13を位置させる(供給する)。
ただし、樹脂シート14aを第2のアルミニウム部材12上に配設する前の段階で、金属粒子13を樹脂シート14a上に供給し、金属粒子13を樹脂シート14aの上面に備えた接合材料15aを形成しておき、この接合材料15aを図3(a)に示すように、第2のアルミニウム部材12上に位置させるように構成することも可能である。
なお、金属粒子13は、樹脂シート14aの下面側または上下両面側に位置させてもよい。
次に、図3(b)に示すように、第2のアルミニウム部材12上に、接合材料15aを介して、第1のアルミニウム部材11を位置させた後、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12の一方が他方に向かって押圧されるように圧力を加えながら、加熱し、樹脂シート14aを軟化させることで、金属粒子13を樹脂シート14a内に埋め込む。 そして、さらに押圧加熱を行うことで、図3(b)に示すように、樹脂シート14aを変形させ、アルミニウム部材11,12と金属粒子13とを当接させる(第1の押圧加熱工程)。
その後、上述の実施形態1の場合と同様の手順で、第2の押圧加熱工程を実施した後、冷却し、押圧状態を解除する(図3(c))。
この実施形態2の方法によっても、上述の実施形態1の場合と同様に、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12を、電気的、機械的に確実に接合することが可能で、接合状態の経時的な劣化のない接合体を得ることができる。
[アルミニウム部材の接合体の評価]
次に、本発明の効果を確認するため、上記実施形態の方法で作製したアルミニウム部材の接合体と、上記実施形態1、2とは異なる方法で作製したアルミニウム部材の接合体を用意し、それぞれの接合強度と接続抵抗(電気抵抗)を調べた。
評価用の試料(接合体)として、以下の3種類の試料を用意した。
(1)試料1
上記の実施形態2の方法で作製した接合体。
(2)試料2(比較例)
第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材を樹脂のみで接合した接合体。
(3)試料3(比較例)
第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材を複数の金属粒子のみで接合した接合体。
なお、試料1〜3は、以下に示す材料および設定条件で作製した。
(a)第1のアルミニウム部材:A1070
(b)第2のアルミニウム部材:A1070
(c)樹脂:熱可塑性ポリイミド
(d)金属粒子:粒子径約20μmの亜鉛粒子
試料1における金属粒子と樹脂の体積比は1:1
試料3における金属粒子の数は、試料1と同程度
(e)接合部の面積:9mm2
(f)接合材料の厚み:約20μm
(接合強度の測定および評価)
接合強度は、第1および第2のアルミニウム部材をそれぞれ把持し、せん断方向(接合時に押圧する方向と直交する方向)に引っ張って、接合部が破断したときの力を測定し、接合強度とした。なお、引っ張り速度は50mm/minとした。
その結果、比較例である試料2の接合強度は38.8N、同じく比較例である試料3の接合強度は16.8Nであったのに対し、本発明の実施例にかかる試料1では44.6Nの接合強度が得られた。
(接続抵抗の測定および評価)
接続抵抗は、第1および第2のアルミニウム部材のそれぞれに測定プローブを当て、4端子法にて測定した。
その結果、比較例である試料3の接続抵抗は3.1Ω、本発明の実施例にかかる試料1の接続抵抗は3.4Ωとなり、同等の低い抵抗値が得られた。なお、試料2は絶縁性を有する樹脂のみにより接合されているので、接続抵抗の測定は行わなかった。
上記の結果から、本発明の接合方法によれば、接合強度が高く、接続抵抗が低いアルミニウム部材の接合体が得られることが確認された。
なお、上記実施形態1では、第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材とを、その間に位置する1つの金属粒子を介して導通させるようにしているが、2つ以上の金属粒子を介して導通するように構成することも可能である。具体的には、例えば、2つの金属粒子どうしが一部で接続され、2つの金属粒子のそれぞれの一部が、第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材に接合されている場合があり得る。
なお、本発明においては、アルミニウム部材と金属粒子の接合部に、アルミニウムと亜鉛の合金層が形成されるが、金属粒子の全体に合金が存在するような構成とすることも可能である。
また、本発明においては、アルミニウム部材の接合面に粗面化加工を施して、アルミニウム部材の表面の微細な凹凸に樹脂が侵入することによるアンカー効果で接合強度をさらに向上させるように構成することも可能になる
なお、本発明は、その他の点においても、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
10 アルミニウム部材の接合体
11 第1のアルミニウム部材
12 第2のアルミニウム部材
13 金属粒子
14 樹脂
14a 樹脂シート
15,15a 接合材料
16(16a,16b) 合金層
21,22 加熱手段を備えた押圧治具
C1,C2 当接部
J1,J2 接合部

Claims (3)

  1. アルミニウムを主成分とする、第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材の接合方法であって、
    前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材の間に、亜鉛を主成分とする複数の金属粒子と、熱可塑性樹脂とを含む接合材料を位置させた状態で、前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材の一方が他方に向かって押圧されるように圧力を加えながら、前記熱可塑性樹脂が軟化するとともに、前記金属粒子の少なくとも一部が溶融する温度までに加熱する工程を経て、前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材とを、前記金属粒子が分散している前記熱可塑性樹脂により接合するとともに、前記第1および第2のアルミニウム部材と、前記金属粒子との当接部に亜鉛とアルミニウムを含む合金層を生じさせることにより、前記第1および第2のアルミニウム部材と前記金属粒子とを接合するようにしたこと
    を特徴とするアルミニウム部材の接合方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、ポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項記載のアルミニウム部材の接合方法。
  3. 前記接合材料が、前記熱可塑性樹脂をシート状に成形した樹脂シートと、前記樹脂シートの表裏両主面の少なくとも一方に位置させた複数の前記金属粒子を備えた接合材料であり、
    前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材の一方が他方に向かって押圧されるように圧力を加えながら、前記樹脂が軟化するとともに、前記金属粒子の少なくとも一部が溶融する温度までに加熱する工程を経て、前記金属粒子を前記樹脂シートに埋め込み、かつ、前記第1および第2のアルミニウム部材と、前記熱可塑性樹脂に埋め込まれた前記金属粒子との当接部に亜鉛とアルミニウムを含む合金層を生じさせることを特徴とする請求項または記載のアルミニウム部材の接合方法。
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