JP6719176B2 - アルミニウム部材の接合方法 - Google Patents
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Description
アルミニウムを主成分とする、第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材の接合方法であって、
前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材の間に、亜鉛を主成分とする複数の金属粒子と、熱可塑性樹脂とを含む接合材料を位置させた状態で、前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材の一方が他方に向かって押圧されるように圧力を加えながら、前記熱可塑性樹脂が軟化するとともに、前記金属粒子の少なくとも一部が溶融する温度までに加熱する工程を経て、前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材とを、前記金属粒子が分散している前記熱可塑性樹脂により接合するとともに、前記第1および第2のアルミニウム部材と、前記金属粒子との当接部に亜鉛とアルミニウムを含む合金層を生じさせることにより、前記第1および第2のアルミニウム部材と前記金属粒子とを接合するようにしたこと
を特徴としている。
なお、有機溶剤を含まない熱可塑性ポリイミドを用いた場合には、有機溶剤が蒸発することに起因するボイドの発生も防止することが可能になり、さらに好ましい。
前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材の一方が他方に向かって押圧されるように圧力を加えながら、前記樹脂が軟化するとともに、前記金属粒子の少なくとも一部が溶融する温度までに加熱する工程を経て、前記金属粒子を前記樹脂シートに埋め込み、かつ、前記第1および第2のアルミニウム部材と、前記熱可塑性樹脂に埋め込まれた前記金属粒子との当接部に亜鉛とアルミニウムを含む合金層を生じさせることが好ましい。
このように構成した場合、熱可塑性樹脂に金属粒子を分散させた接合材料を作製する工程が不要になる。
なお、樹脂シートの表裏両主面側のいずれか一方、または両方に金属粒子を供給するにあたっては、例えば、樹脂シートに粘着性を付与しておき、金属粒子が確実に樹脂シートの上面側あるいは下面側に保持されるように構成することも可能である。
いずれにしても、樹脂シートの表裏両主面の少なくとも一方に金属粒子を位置させる方法に特別の制約はない。
このアルミニウム部材の接合体は、第1および第2のアルミニウム部材と金属粒子とが、その接合部に形成された亜鉛とアルミニウムを含む合金層を介して強固に接合しているとともに、第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材とが、樹脂によって確実に接合されているので、接合信頼性の高い接合体を得ることができる。
同時に、第1および第2のアルミニウム部材と金属粒子との接合部に形成された合金層により、第1および第2のアルミニウム部材と金属粒子とが電気的に確実に接続され、かつ、第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材とが、樹脂により確実に接合されていることから、接続部が安定した状態に保たれるため、導通信頼性の高い接合体を得ることができる。
さらに、金属粒子が、樹脂中に分散して存在しているので、金属粒子が大気中に露出して酸化されることがなく、経時的な接続抵抗の増大を抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態1にかかるアルミニウム部材の接合体を示す図である。図1に示すアルミニウム部材の接合体10は、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12とが、亜鉛を主成分とする複数の金属粒子13と接着性を有する樹脂14とを含む接合材料15により接合された構造を有する接合体である。
アルミニウム部材11,12の態様に特別の制約はなく、膜状、プレート状、帯状、線状などの種々の態様であってよい。
具体的には、例えば、電力供給用の引き出し端子、金属ケースに形成された端子、または、回路基板に形成された配線電極などが、本発明におけるアルミニウム部材となる。なお、第1および第2のアルミニウム部材11,12の純度や添加物は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
この実施形態では、樹脂14として、有機溶剤を含まない熱可塑性ポリイミドが用いられている。
また、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12とは、金属粒子13の本体13aと、上述の合金層16(16a,16b)を介して強固に接合されており、電気的および機械的に確実に接続されている。
さらに、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12とは、接着性を有する樹脂14によっても機械的に接続されている。
また、この実施形態の接合体10においては、金属粒子13が、樹脂14中に分散して存在しており、合金層16(16a,16b)も樹脂14中に存在している。したがって、金属粒子13および合金層16(16a,16b)が、大気に触れて酸化されることがなく、経時的に接続抵抗が増大することを抑制することができる。
この実施形態1では、接合材料として、図2(a)に示すように、金属粒子を分散させた液体状の樹脂を金型に注入し、固化させることにより、樹脂14中に金属粒子13が分散したシート状の接合材料15を作製する。
樹脂14として、有機溶剤を含まない熱可塑性ポリイミドを用いる。この実施形態では、接合材料15の厚みは25μmとする。
加熱方式としては、加熱と除熱の応答性に優れたパルスヒート方式が採用される。なお、レーザ加熱方式を採用することも可能である。
そして、接合材料15の厚みが薄くなり、第1のアルミニウム部材11と第2のアルミニウム部材12との間隔が小さくなることにより、アルミニウム部材11,12と、接合材料15中の金属粒子13とが当接する。
また、この第1の押圧加熱工程を経た後の状態では、金属粒子13とアルミニウム部材11,12は当接しているだけであり、接続抵抗(電気抵抗)は高い状態にある。
なお、アルミニウム部材11,12や、亜鉛を含む金属粒子13の表面には、通常、酸化膜が形成されているが、この第2の押圧加熱工程で、酸化膜は破壊され、アルミニウム部材11,12を構成するアルミニウムと、金属粒子13を構成する亜鉛が反応して、接合部J1,J2に合金層16(16a,16b)が形成される。
また、金属粒子13は樹脂14に分散し、合金層16(16a,16b)が形成された接合部J1,J2は樹脂14中に存在しているので、金属粒子13や合金層16(16a,16b)が大気に触れることがなく酸化されるおそれもない。
また、加熱により軟化した樹脂14が、アルミニウム部材11,12の表面の微細な凹凸に侵入することにより、アンカー効果が発現し、樹脂14とアルミニウム部材11,12の接合強度が向上する。
また、この実施形態では、適切な押圧状態とした後に、加熱を開始しているが、加圧開始と加熱開始を同時に行ってもよい。
図3(a)〜(c)は、他の実施形態(実施形態2)にかかるアルミニウム部材の接合方法を示す図である。
この実施形態2のアルミニウム部材の接合方法は、接合材料として、樹脂をシート状に成形した樹脂シート14aと、樹脂シート14aの上面(一方の主面)に位置させた複数の金属粒子13を備えた構成のものを接合材料15aとして用いている点において、接合材料として、樹脂14中に予め金属粒子13を分散させたシート状の接合材料15を用いた実施形態1とは異なっている。
次に、樹脂シート14aの上面(一方の主面)に複数の金属粒子13を位置させる(供給する)。
ただし、樹脂シート14aを第2のアルミニウム部材12上に配設する前の段階で、金属粒子13を樹脂シート14a上に供給し、金属粒子13を樹脂シート14aの上面に備えた接合材料15aを形成しておき、この接合材料15aを図3(a)に示すように、第2のアルミニウム部材12上に位置させるように構成することも可能である。
なお、金属粒子13は、樹脂シート14aの下面側または上下両面側に位置させてもよい。
次に、本発明の効果を確認するため、上記実施形態の方法で作製したアルミニウム部材の接合体と、上記実施形態1、2とは異なる方法で作製したアルミニウム部材の接合体を用意し、それぞれの接合強度と接続抵抗(電気抵抗)を調べた。
(1)試料1
上記の実施形態2の方法で作製した接合体。
(2)試料2(比較例)
第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材を樹脂のみで接合した接合体。
(3)試料3(比較例)
第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材を複数の金属粒子のみで接合した接合体。
(a)第1のアルミニウム部材:A1070
(b)第2のアルミニウム部材:A1070
(c)樹脂:熱可塑性ポリイミド
(d)金属粒子:粒子径約20μmの亜鉛粒子
試料1における金属粒子と樹脂の体積比は1:1
試料3における金属粒子の数は、試料1と同程度
(e)接合部の面積:9mm2
(f)接合材料の厚み:約20μm
接合強度は、第1および第2のアルミニウム部材をそれぞれ把持し、せん断方向(接合時に押圧する方向と直交する方向)に引っ張って、接合部が破断したときの力を測定し、接合強度とした。なお、引っ張り速度は50mm/minとした。
接続抵抗は、第1および第2のアルミニウム部材のそれぞれに測定プローブを当て、4端子法にて測定した。
11 第1のアルミニウム部材
12 第2のアルミニウム部材
13 金属粒子
14 樹脂
14a 樹脂シート
15,15a 接合材料
16(16a,16b) 合金層
21,22 加熱手段を備えた押圧治具
C1,C2 当接部
J1,J2 接合部
Claims (3)
- アルミニウムを主成分とする、第1のアルミニウム部材と第2のアルミニウム部材の接合方法であって、
前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材の間に、亜鉛を主成分とする複数の金属粒子と、熱可塑性樹脂とを含む接合材料を位置させた状態で、前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材の一方が他方に向かって押圧されるように圧力を加えながら、前記熱可塑性樹脂が軟化するとともに、前記金属粒子の少なくとも一部が溶融する温度までに加熱する工程を経て、前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材とを、前記金属粒子が分散している前記熱可塑性樹脂により接合するとともに、前記第1および第2のアルミニウム部材と、前記金属粒子との当接部に亜鉛とアルミニウムを含む合金層を生じさせることにより、前記第1および第2のアルミニウム部材と前記金属粒子とを接合するようにしたこと
を特徴とするアルミニウム部材の接合方法。 - 前記熱可塑性樹脂が、ポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム部材の接合方法。
- 前記接合材料が、前記熱可塑性樹脂をシート状に成形した樹脂シートと、前記樹脂シートの表裏両主面の少なくとも一方に位置させた複数の前記金属粒子を備えた接合材料であり、
前記第1のアルミニウム部材と前記第2のアルミニウム部材の一方が他方に向かって押圧されるように圧力を加えながら、前記樹脂が軟化するとともに、前記金属粒子の少なくとも一部が溶融する温度までに加熱する工程を経て、前記金属粒子を前記樹脂シートに埋め込み、かつ、前記第1および第2のアルミニウム部材と、前記熱可塑性樹脂に埋め込まれた前記金属粒子との当接部に亜鉛とアルミニウムを含む合金層を生じさせることを特徴とする請求項1または2記載のアルミニウム部材の接合方法。
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