JP2005116291A - 異方性導電膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 導電成分と樹脂を主成分とする異方性導電膜であって、前記導電成分は微細な金属粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する金属粉末を含み、また該金属粉末は膜厚方向に配向しており、かつ、その一部が膜から突出していることを特徴とする異方性導電膜とする。さらには、その片側若しくは両側に実質的に導電成分を含まない樹脂を被覆し、複層の異方性導電膜とする。
【選択図】 図2
Description
この方法は、膜の厚み方向には高導電性を有し、膜の面方向には低導電性か導電性の無い、いわゆる異方性を有する膜を、導電接続すべき電極間に挟み、加熱加圧等により接着する方法である。
その特徴は、小型化する電子部品同士の電極を導電接続する際、隣接する電極とのピッチが非常に近く、従来の半田等を用いた接続では、隣接する電極との絶縁が困難になっており、このような回路接続に効果的な接続方法である。
その一手段として、異方性導電膜に含む導電性粒子を、導電性微粒子と絶縁性微粒子との混合体とする方法がある(特許文献1参照)。このようにすると、異方性導電膜中の導電性微粒子同士の接触割合が減少し、横方向(隣接する電極方向)への導通を抑えることができると言う記載がある。
この対策として、絶縁性樹脂シートに予め貫通孔を形成し、この貫通孔にめっきで金属を充填することにより、異方性導電膜を形成する方法がある(特許文献2参照)。この方法によれば、導通後に大きな電流を流すことができる。
また、含まれる金属粉末は、直鎖状の形状をした金属粉末を含むが、金属粉末全体の50%以上がアスペクト比(長さ/径)10以上であると、膜方向(隣接電極方向)への配向性が十分であり、所望の導通を十分確保できる。
本発明は、このような金属粉と樹脂を混合し膜状にする際に、該膜の厚み方向に金属粉末を配向させた異方性導電膜である。
前記磁性金属は、磁性金属単独で使用するのが好ましいが、その合金を用いても良い。また、一旦磁性金属で金属粉末化してから、その表面に別種の金属を被覆する等の複合化された金属として用いることもできる。特に複合化するには、導電性の良い金属を磁性金属の表面に被覆すると、異方性導電膜とした際により導電性をよくすることができるため好ましい。
ここで異方性導電膜は、数μm程度の厚さがあれば十分に機能を発揮できるため、その厚みよりやや長い程度の鎖長があればよい。そして、最大長さは、長すぎると膜からの突出が大きくなるため、ハンドリングの阻害要因となる。従って最大鎖長の大きな金属粉末は、異方性導電膜が厚い場合に用いる等、使用時の組み合わせをすればよい。
前記金属粉末は、そのまま使用しても良いが、表面処理剤で表面を覆ってから使用するのも好ましい。使用する表面処理剤には、ハロゲン元素を1つ以上有する表面処理剤を用いると樹脂の粘度が大きくなっても、金属粉末の自由度が大きくとれるため、磁界若しくは電界による配向をしやすいので、好ましい。
但し、異方性導電膜として使用するため、該膜の状態においては、未硬化若しくは半硬化(プリプレグ)の段階としておき、電子部品を熱圧着するときに硬化するのが好ましい。
このように膜を作成後処理する方法は、前記の方法に比較して、樹脂濃度、直鎖状の金属粉末の長さ、展延する厚み等を気にせずに異方導電膜を作製できる。
(実施例)導電成分となる金属粉末には、粒子径(d)が約50nm程度の微細な金属粒子が多数、直鎖状に繋がったNi粉末を用いた。このNi粉末は、電子顕微鏡による観察から、鎖の平均径(D)が約100nmであり、最大の鎖長(L)は14μmであった。また、この金属粉末には、アスペクト比10以上のものが含まれている。
樹脂には固形エポキシ樹脂であるエピコート(登録商標)1010を用い、これにマイクロカプセル型潜在性硬化剤であるノバキュア(登録商標)HX3721をくわえ、メチルエチルケトンで溶解し、液状とした。なお、前記樹脂の100℃における溶融粘度η1は約10000Pa・secである。この樹脂溶液に、固形分を1とした時の1体積%になるように前記Ni粉末を加え、混合均一化した。
この展延した樹脂液を乾燥固化したのち、該膜をガラス基板から剥離し、裏返した状態でガラス基板に乗せ、前記樹脂液を展延し、乾燥固化した。得られた複合化された異方性導電膜は、厚みが約30μmであった。ここで得られた異方性導電膜を試料2とする。
樹脂としてアクリル樹脂を用い、メチルエチルケトンで溶解し、樹脂液とした。この樹脂に、固形分を1としたときに20体積%となるように、前記粉末を加え、混合し、分散液とした。
この分散液を、ガラス基板上に展延し、乾燥固化し、異方性導電膜を作製した。膜の厚みは約30μmであった。ここで得られた異方性導電膜を試料3とする。
(厚み方向の導電抵抗)
幅15μm、長さ50μm、厚み2μmの金電極が15μm間隔で配列された電極パターンを有するFPCを用意し、このFPCの電極パターン上に、異方性導電膜試料を乗せた。その上に、片面をアルミニウム膜が蒸着されたガラス基板をアルミニウム膜が異方性導電膜と接するように置き、100℃雰囲気で加圧し、熱接着した。
放冷した後、異方導電膜とアルミニウム膜とを介して導電接続された隣り合う2つの金電極間の抵抗値を測定し、この測定値を1/2して、異方性導電膜の厚み方向の導電抵抗とした。
また、導電抵抗の評価は、以下の基準を用いた。
◎:導電抵抗が0.1Ω以下。厚み方向の導電性極めて良好。
○:導電抵抗が0.1Ωを超え、かつ1Ω以下。厚み方向の導電性良好。
×:導電抵抗が1Ωを超える。厚み方向の導電性不良。
前記厚み方向で使用したFPCと同じ内容のFPCを用意し、これに異方性導電膜試料を乗せた。その上に、アルミニウムの蒸着無しのガラス基板を重ね、100℃雰囲気で加圧し、熱接着した。
放冷した後、異方導電膜とアルミニウム膜とを介して導電接続された隣り合う2つの金電極間の抵抗値を測定し、異方性導電膜の面方向の導電抵抗とした。
また、導電抵抗の評価は、以下の基準を用いた。
◎:導電抵抗が1GΩを超える。面方向の絶縁性極めて良好。
○:導電抵抗が1MΩを超え、かつ1GΩ以下。面方向の絶縁性良好。
×:導電抵抗が1MΩ以下。面方向の絶縁性不良。
2.樹脂、
3.IC、
4.電極、
5.基板、
6.電極、
7.樹脂、
8.樹脂、
Claims (11)
- 導電成分と樹脂を主成分とする異方性導電膜であって、前記導電成分は微細な金属粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する金属粉末を含み、また該金属粉末は膜厚方向に配向しており、かつ、その一部が膜の表面から突出していることを特徴とする異方性導電膜。
- 前記金属粉末を構成する微細な金属粒子は、磁性金属又はその合金、若しくはその複合金属である請求項1に記載の異方性導電膜。
- 前記金属粉末の最大鎖長は前記膜厚より大きく、かつ15μm以下である請求項1又は2に記載の異方性導電膜。
- 前記金属粉末の鎖の径が50nm以上1μm以下であり、かつ50%以上の粉末はアスペクト比が10以上である請求項1乃至3のいずれかに記載の異方性導電膜。
- さらに、請求項1乃至4のいずれかに記載の異方性導電膜の片面若しくは両面に導電成分を実質的に含まない樹脂膜を有する複層の異方性導電膜。
- 前記導電成分を含有する樹脂の100℃における溶融粘度をη1とし、前記導電成分を実質的に含まない樹脂膜を構成する樹脂の100℃における溶融粘度をη2としたときに、η1/η2が2以上である請求項5に記載の複層の異方性導電膜。
- 前記導電成分を含有する樹脂と、前記導電成分を実質的に含まない樹脂が、共に熱硬化性樹脂である請求項5又は6に記載の複層の異方性導電膜。
- 前記導電成分を含有する樹脂が、熱硬化性樹脂であり、前記導電成分を実質的に含まない樹脂は、熱可塑性樹脂である請求項5又は6に記載の複層の異方性導電膜。
- 液状の熱硬化性樹脂に、導電成分として微細な金属粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する金属粉末を加え混合し、膜状に展開して磁界若しくは電界により前記金属粉末を膜厚方向に配向させ、その状態を維持したまま前記熱硬化性樹脂を固化若しくは硬化させることにより、前記膜の表面から該金属粉末の一部が突出した膜を得ることを特徴とする異方性導電膜の製造方法。
- 液状の熱硬化性樹脂に、導電成分として微細な金属粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有し、ハロゲン元素を一つ以上有する表面処理剤で表面を覆われた金属粉末を加え混合し、膜状に展開して磁界若しくは電界により前記金属粉末を膜厚方向に配向させ、その状態を維持したまま前記熱硬化性樹脂を固化若しくは硬化させることにより、前記膜の表面から該金属粉末の一部が突出した膜を得ることを特徴とする異方性導電膜の製造方法。
- 液状の熱硬化性樹脂に、導電成分として微細な金属粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する金属粉末を加え混合し、膜状に展開して磁界若しくは電界により前記金属粉末を膜厚方向に配向させ、その状態を維持したまま前記熱硬化性樹脂を固化若しくは硬化させた後、該膜の表面から樹脂のみを一部浸食除去することにより、前記膜の表面から該金属粉末の一部が突出した膜を得ることを特徴とする異方性導電膜の製造方法。
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