JP2009250800A - ガスサンプリング用袋体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 臭気の測定あるいは試料気体中の成分測定などにおいて、特殊な処理や加工を施すことなく、高いシール性を有し、充填されたガスの変質がなく、さらに外部からの紫外線や熱線などを遮断することが可能なガスサンプリング用袋体およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 非ガス透過性かつ非ガス吸着性の高密度高純度のポリエステルフィルムからなる内層1と、遮光機能を有する低密度低純度のポリエステルフィルムからなる外層2とを含む複数のポリエステルフィルムによって構成されるとともに、内層1と外層2を重ね合せて作製されたシートSの端部4(4a〜4d)が熱融着処理によってヒートシール接着されて、密封構造を形成することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガスサンプリング用袋体およびその製造方法に関し、特に、臭気の測定あるいは試料気体中の成分測定などに用いられるガスサンプリング用袋体およびその製造方法に関するものである。
従前より、大気汚染の主たる原因となる亜硫酸ガス等各種ガスを試料として採取し、その濃度の測定或いは各種含有量を分析するために、吸入排出用弁体を備えたガスサンプリング用袋体が用いられている。また、呼気や悪臭測定あるいは各種工場において使用される溶剤などの揮発性有機化合物(以下「VOC」という)の測定や分析においても、ガスサンプリング用袋体が多く用いられている。かかるガスサンプリング用袋体は、採取したガスの一部成分でも外部に透過することがないこととともに、組成が不明な各種ガス等を変質させないこととともに、外部からの影響を受けずに袋体内部に保管することは必要とされ、その性能は極めて重要な要素である。すなわち、ガスサンプリング用袋体の材質について、透過性が少なく発生物質や吸着の少なさなどに秀逸な素材を選定すること、さらに構成、構造、製法等を思慮し、袋体内部での経時変化を可能な限り小さくし測定精度を極め、高い評価、信頼性が得られる器材にする必要がある。
例えば、図6(A)および(B)に示すような、容器の内外二重のフィルム構造とし、内袋および外袋共に同一のサンプリングガスを充填させることにより、内袋内のガスの組成を実用上不変とし誤差を極めて少なくするガスサンプル採取容器が提案されている(例えば特許文献1参照)。具体的には、ガスサンプル採取時には出口側の弁を閉じた状態で、内袋(104)および外袋(105)に弁(110)および弁(111)を開いて同一のサンプルガスを充満させる。しかるのち、弁(110),(111)を閉じそのまま持ち帰るようにすればよい。フィルムの有する多少のガス透過性によって外袋(105)内のガス組成は極少の変化をするが、内袋(104)内のガス組成はほとんど影響されることない。フィルム袋は例えばプラスチック材を用いればよい。ここで、(103)は内外二重のフィルム袋、(106)は外袋(105)へのガス入口管、(107)は内袋(104)へのガス入口管、(108),(109)はガス出口管、(112),(113)は弁を示す。
実開昭61−125743号公報
しかし、上記のようなガスサンプリング用袋体では、以下のような問題点や課題が生じることがある。
(i)昨今、上記のような測定や分析において高い測定精度が要求され、これに対応して袋体内に採取されたガスに対しても高い安定性が求められている。しかし、現実にこうした要請に対応可能な袋体の構成ができていないのが現状であった。具体的には、ガスサンプリング用袋体に対して、
(a)採取したガスの外部への透過がないこと(その一部の成分においても透過性があれば組成の変化を生じることとなる)、
(b)袋体内部において、サンプリングされたガスとの反応性がないあるいは非常に少ないこと、
(c)袋体自体からのガスの発生がないあるいは非常に少ないこと、
(d)袋体外部からの紫外線や熱線等によって、サンプリングされたガスの変性がないあるいは非常に少ないこと、
(e)ガス採取時から測定や分析が完了する所定の期間、上記(a)〜(d)の特性が維持されること
などが求められる。
(ii)上記特許文献1に係る発明においては「フィルム袋は例えばプラスチック材を用いればよい」との記載があるのみで、特に、臭気の測定あるいは試料気体中の成分測定などに用いられるガスサンプリング用袋体として使用が可能な十分な条件が開示されていない。また、上記構造では、測定に必要なガス採取容積が外袋内のガス容積より小さくなるため、より大きな袋を必要とする。これは、吸着面を大きくするとともに、素材フィルムや部品を倍加させ、加工の複雑化を招来することから、さらに価格負担を増大させる。また、他の従来技術における素材や構造などについても同様であり、ガスサンプリング用袋体として使用することは困難であった。
(iii)一般的に、上記(a)〜(c)の観点から、袋体自体は、耐熱、耐薬品性の効果が優れたポリエステルフィルム、例えばポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という)フィルムが適しているが、さらに(d)の観点に対しては外部からの紫外線等の遮光が不可欠である。このとき、例えばアルミニウムなど蒸着したポリエチレンテレフタレート(以下「アルミPET」という)フィルムを用いることが考えられるが、こうした異なる素材の蒸着層を有するフィルムを用いて、シール性の高い袋体とするには、従前、接着剤を用いたフィルムの貼り合せ以外に適切な方法がなく、接着剤との反応性あるいは接着剤から生じる不純物などの影響によって、上記(a)〜(c)といった特性を確保することが難しかった。
(iv)一方、耐食性の高いフッ素樹脂等のバッグは、ガス透過率が極めて大きいことから、長期間の保存を必要とする臭気の測定あるいは試料気体中の成分測定などに用いられるガスサンプリング用袋体として使用は適していない。また、ガスサンプリングバッグとして一部で使用されているFEP,PVDFなどのフッ素樹脂フィルムは、大変に高価であり、一般的なガスサンプリングバッグとして使用することは困難であった。また、こうした素材の軟質・高融点という特徴は、製袋の難度が高い。
(v)ポリエステルフィルムには、その組成や製法によって種々のグレードがあり、本発明者の検証においては、上記(a)〜(c)の特性を満たすには、高純度のポリエステルフィルムが好ましく、高密度性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムが該当するが、その中にあっても最も高密度高純度に位置するものが好ましい反面、こうしたフィルムは、その表面にアルミニウムなど遮光性のある材料を蒸着して定着させることが難しいことが判った。つまり、上記(a)〜(e)を満たすガスサンプリング用袋体を構成することが非常に困難であった。
そこで、本発明の目的は、臭気の測定あるいは試料気体中の成分測定などにおいて、特殊な処理や加工を施すことなく、高いシール性を有し、充填されたガスの変質がなく、さらに外部からの紫外線や熱線などを遮断することが可能なガスサンプリング用袋体およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示すガスサンプリング用袋体およびその製造方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明に係るガスサンプリング用袋体は、非ガス透過性かつ非ガス吸着性の高密度高純度のポリエステルフィルムからなる内層と、遮光機能を有する低密度低純度のポリエステルフィルムからなる外層とを含む複数のポリエステルフィルムによって構成されるとともに、該内層と外層を重ね合せて作製されたシートの端部が熱融着処理によってヒートシール接着されて、密封構造を形成することを特徴とする。
また、本発明は、非ガス透過性かつ非ガス吸着性の高密度高純度のポリエステルフィルムからなる内層と、遮光機能を有する低密度低純度のポリエステルフィルムからなる外層とを含む複数のポリエステルフィルムによって構成される袋体の製造方法であって、以下の工程、
(1)前記内層と外層を重ね合わせて、シートを作製する工程
(2)前記シートを折返しまたは複数枚重ね合わせて端部を合わせる工程
(3)重ね合わせた前記シートの端部を、クランプによって、その熱融着処理に係る部分を余して挟持する工程
(4)該クランプと平行に走行可能な刃物、または刃物と平行に走行可能な前記クランプによって、前記シートの端部を切断する工程
(5)該シートの端部を熱融着処理によってヒートシール接着し、密封構造の袋体を作製する工程
(6)前記シートの端部またはシート面上に、切り欠き部を設け、遮光性を有するガス吸排口を配設する工程
(7)該切り欠き部のシール処理を行う工程
を有するとともに、
複数箇所のヒートシール接着処理を必要とする場合には、工程(3)から(5)を繰り返して密封構造の袋体を作製することを特徴とする。
昨今の高度な要求に対応できるガスサンプリング用袋体には、上記(a)〜(e)のような特性を同時に満たすことが必要となる。本発明者は、その検証過程において、1つのフィルムによって上記(a)〜(e)のような特性を同時に満たすことが困難であり、上記特性(a)〜(c)および(d)は、サンプルガスが直接接する部分(内層)に非ガス透過性かつ非ガス吸着性の高密度高純度のポリエステルフィルムを用いることによって確保することができること、特性(d)および(e)は遮光機能を有する低密度低純度のポリエステルフィルムを外層として用いることによって確保することができること、およびこれらを重ね合わせたシートの端部を熱融着によるシール処理を行うことによって、上記(a)〜(e)のような特性を同時に満たすことが可能となることを見出した。このとき、内層と外層を構成する素材をポリエステルという化学的および物理的性質を共通とすることによって、熱融着処理を有効に活かした堅固なシール構造を可能とするとともに、こうした構成あるいは製造方法によって、従前にない高いシール性を有し、充填されたガスの変質がなく、さらに外部からの紫外線や熱線などを遮断することが可能なガスサンプリング用袋体およびその製造方法を提供することが可能となった。
なお、ここで「高密度高純度」とは、後に詳述するように、空孔や浸透などによるガス透過性、ガス吸着性やガス放出性の最も小さい特性を有するフィルムをいう。具体的に現在使用可能なPETフィルムは、密度1.40g/cm以上、純度98%以上を基準としているが、各タイプは、純度0〜2%の範囲内でプラスチック改良が行われていると推測される。「高密度高純度フィルム」は改良度が小さく、最も純度100%に近い位置にあるものをいう。それ以外のフィルムのタイプ群と他の異種のポリエステルフィルム群を「低密度低純度フィルム」とする。
本発明は、上記ガスサンプリング用袋体であって、前記外層が少なくとも片面にアルミニウムの蒸着層を有するポリエステルフィルムからなるとともに、該蒸着層が最外側となるように構成されることを特徴とする。
上記のように、本発明に係るガスサンプリング用袋体は、特殊な処理や加工を施すことなく、接ガスするフィルムと遮光するフィルムを互いの機能を損なわずに高いシール性を確保することが重要な課題の1つとなっている。本発明は、片面にアルミニウムの蒸着層を有するポリエステルフィルムを外層として用い、これらを重ね合わせたシートの端部を熱融着によるシール処理を行うことによって、上記(a)〜(e)のような特性を同時に満たすことが可能となること、および、蒸着層が最外面となるようにシートを折返しまたは複数枚重ね合わせて構成された端部を熱融着処理することによって、蒸着層の内向きのカール形状を形成することができ(詳細は後述する)、蒸着層同士のシール性を確保することが可能であることを見出した。
本発明は、上記ガスサンプリング用袋体であって、前記外層が遮光機能を有する試剤を含有するポリエステルフィルムからなることを特徴とする。
上記のように、本発明に係るガスサンプリング用袋体は、内層と外層を構成する素材をポリエステルという化学的および物理的性質を共通とすることによって、熱融着処理を有効に活かした堅固なシール構造を可能とする。本発明は、さらに遮光機能を有する試剤を含有するポリエステルフィルムを外層として用いることによって、特殊な処理や加工を施すことなく、上記(a)〜(e)のような特性を同時に満たすことが可能となり、外部からの紫外線や熱線などを遮断し、従前にない高いシール性を有し、充填されたガスの変質がないガスサンプリング用袋体を構成することが可能となった。
本発明は、上記ガスサンプリング用袋体であって、前記内層を構成するポリエステルフィルムが、高密度高純度のポリエチレンテレフタレートからなり、前記外層を構成するポリエステルフィルムが、これよりも低密度低純度のポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする。
本発明は、上記ガスサンプリング用袋体の製造方法であって、前記工程(1)において、内層を構成する高密度高純度のポリエチレンテレフタレートフィルムおよび外層を構成する低密度低純度のポリエチレンテレフタレートフィルムを、各原反ロールから連続的に供給し、前記シートを作製することを特徴とする。
ガスサンプリング用袋体に要求される上記(a)〜(e)の特性に対する詳細な検証を重ねた結果、その内層は、高密度高純度のポリエチレンテレフタレート(以下「S−PET」という)フィルムが好適であり、外層は、低密度低純度のポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という)を素材とし少なくとも片面に光反射層あるいは層内に遮光機能を有する試剤を含有するPETフィルム(以下「遮光PETフィルム」という)が好適であるとの知見を得ることができた。つまり、一般にPETフィルムは、機械的強度、耐薬品性、耐湿・耐水性、透明性、無可塑剤等のすぐれた性質を持つが、S−PETフィルムは、さらに無臭性、透明性、ガス透過性・吸着性の小ささ、揮発性物質の少なさ等の優れた特性を有し、本発明に係る袋体の内層に非常に適していることを実証試験において検証することができた。また、そのシール方法においても、遮光PETフィルムとの組み合わせが好適であることを検証することができた。つまり、遮光PETフィルムは、上記(d)および(e)のような紫外線、熱線を遮光緩和する機能を有し、光化学的反応の進行とPETフィルムから発生する一酸化炭素(CO)などを抑止する効果を得ることができるとともに、熱融着処理時のS−PETフィルムとの融着性が高く強固なシールを形成することができる。従って、こうしたフィルムの組み合わせによって、従前にない高いシール性を有し、充填されたガスの変質がなく、さらに外部からの紫外線や熱線などを遮断することが可能なガスサンプリング用袋体およびその製造方法を提供することが可能となった。
本発明は、上記ガスサンプリング用袋体であって、前記外層の少なくとも一部に、さらにエポキシ系樹脂による被覆層を有することを特徴とする。
また、本発明は、上記ガスサンプリング用袋体の製造方法であって、前記工程(4),(5)または(7)のいずれかの後工程において、前記袋体の少なくとも一部を、温度条件130〜140℃においてエポキシ系樹脂による被覆処理を行うことを特徴とする。
ガスサンプリング用袋体は、袋体自体と試料ガスを袋体に注入するガス吸排口から構成され、ガス吸排口と袋体との接合・シール処理は、ガスサンプリング用袋体全体のシール性において重要な役割を果たす。特に、試料ガスの採取時あるいは測定時における袋体との接合部周囲でのガス吸排口の自在な動作によっても、十分なシール性を確保することが必要とされる。このとき、接合部周囲の袋体の外面を被覆処理することによって、二重のシール処理がされ、さらに高いシール性を確保することができる。また、本発明に係るガスサンプリング用袋体は、その最外側に蒸着層を設けることから、その外層に被覆処理を行うことによって、蒸着層の保護機能をも有し、上記(a)〜(e)の特性を長期間維持することが可能となる。
本発明は、上記ガスサンプリング用袋体の製造方法であって、前記工程(2)において前記シートを折返し処理する場合、該折返し部または折返し辺の両端部に生じる膨らみ部分に対して、予め超音波によるポイントシール処理を行うことを特徴とする。
上記のガスサンプリング用袋体の製造過程においては、複数のフィルムを重ねた端部がシール処理される。このとき、例えば2枚のフィルムが重なった1枚のシートを折返し処理して袋体を形成する場合には、折返し部または折返し辺の両端部には膨らみ部分が生じている。この状態で端部の熱融着処理を行った場合、その膨らみ部分において、フィルムの重なり合いのズレあるいは不十分な熱伝導部分が生じるおそれ、さらにこれに伴う熱融着が不十分あるいは未処理部分が生じるおそれがある。本発明は、予め超音波によるポイントシール処理を行うことによって、こうした可能性を排除し、折返し部または折返し辺の両端部に対して確実なシール処理を確保することを可能にした。また、ポイントシールを後工程のヒートシールの溶融が及ぶ範囲内とすることによって、最小範囲のシール部分の形成と、均一な高レベルヒートシールが確保される。
本発明は、上記ガスサンプリング用袋体の製造方法であって、前記工程(5)において、前記加熱部によって加熱される前記端部の温度が、ポリエステルフィルムの溶融温度領域内にあるように、前記シートの端面と加熱部の間に空隙を設けるとともに、該空隙距離を維持しながら、前記クランプまたは/および加熱部を走行させて該端部を徐々に溶融一体化させることを特徴とする。
重なり合う樹脂層の端部に対して均一でかつ確実な熱融着処理を行うことは、非常に難しい。特に、本発明に係るガスサンプリング用袋体の製造工程においては、4つ以上の樹脂層が重なり、その最外側に熱伝導度の高いアルミニウムの蒸着層を有することから、従前の方法では十分なシール性を確保する熱融着処理を行うことは、さらに困難であった。本発明は、熱融着処理工程において、シートの端面と加熱部の間に所定の空隙を設け、その空隙距離を維持しながら、クランプまたは/および加熱部を走行させて端部を徐々に溶融一体化させることによって、均一でかつ確実な熱融着処理を行うことを可能にした。ここでいう、所定の空隙距離とは、端部の温度が、ポリエステルフィルムの溶融温度領域内にあるように設定された距離をいい、端部の形状や長さに応じて加熱器の温度とともに調整される。
本発明は、上記ガスサンプリング用袋体の製造方法であって、前記工程(4)および(5)において、前記クランプまたは/および加熱部の走行速度を、前記シートの熱収縮速度または加熱溶融による収縮速度とほぼ同等、あるいはそれを上回らない速度とすることを特徴とする。
重なり合う樹脂層の端部に対しては、上記のように被熱融着部と加熱部の空隙距離が重要な指標となる。本発明者は、検証過程において、さらに熱収縮速度または加熱溶融による収縮速度が重要であることを見出したもので、クランプまたは/および加熱部の走行速度を指標として、これを制御することによって、一層均一でかつ確実な熱融着処理を行うことが可能となった。
以上のように、本発明によって、特殊な処理や加工を施すことなく、高いシール性を有し、充填されたガスの変質がなく、さらに外部からの紫外線や熱線などを遮断することが可能なガスサンプリング用袋体およびその製造方法を提供することが可能となった。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<本発明に係るガスサンプリング用袋体>
本発明に係るガスサンプリング用袋体(以下「本袋体」という)は、非ガス透過性かつ非ガス吸着性の高密度高純度のポリエステルフィルムからなる内層と、遮光機能を有する低密度低純度のポリエステルフィルムからなる外層とを含む複数のポリエステルフィルムによって構成されるとともに、該内層と外層を重ね合せて作製されたシートの端部が熱融着処理によってヒートシール接着されて、密封構造を形成することを特徴とする。
ここで、「ポリエステル」は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)ポリブチレンナフタレート(PBN)の総称であり、「高密度高純度のポリエステルフィルム」は、これらのフィルムの中でも、水素などの気体に対する空孔からの非ガス透過性に優れるのみならず、水や高沸点炭化水素などに対する浸透性も極小で、非ガス透過性に優れ、その上これらのガスに対する非ガス吸着性に優れた特性を有するフィルムをいう。具体的には、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのタイプ群から厳正な比較テストにより選定したタイプ(S−PET)が該当する。ここでは、それ以外のフィルムを「低密度低純度フィルム」とする。また「遮光機能」とは、フィルムの片面に照射された赤外線,可視光,紫外線などを反射または吸収して、他面にまで透過させない機能をいう。
現在使用可能なフィルムでは、密度1.40g/cm以上、純度98%以上を基準としており、用途に応じた種々のタイプを有する。本発明における高密度高純度ポリエステルフィルムは、これらのタイプ群中から最適性のタイプを選定する。ここでいう非ガス透過性、非ガス吸着性あるいは非ガス放出性は、数ヶ月を超える長期使用において生じる各特性を微量域とすることまで求める趣旨ではなく、ガスサンプリング用袋体として要求される0〜24時間経時を最重要とし、数日、最大でも数週間における使用において各特性を維持可能な機能を有するフィルムを規定するものである。また、検証過程において、こうしたタイプのPETフィルムは、透明性、平滑性、光沢に優れていることから、「高密度高純度フィルム」の選定において、こうした特性をも選定基準とすることが好ましい。さらに、ガスサンプリングバッグに最適のフィルムは、嗅覚やニオイセンサ等による無臭エアの経時の着臭の比較と、VOC等の成分測定装置を用いての経時の測定数値を比較することによって選定するが、検証過程において、NMHC(非メタン炭化水素)の量が着臭の主因になっていることが明確になった。従って、後述するように、例えばFID法によってTVOC(全VOC)中のNMHCを測定し、その経時特性を基準に高密度高純度ポリエステルフィルムを選定することができる。
〔本袋体の実施の一態様(第1構成例)〕
図1(A)および(B)は、本袋体の第1構成例として、非ガス透過性かつ非ガス吸着性の高密度高純度のポリエステルフィルムからなる内層1と、片面にアルミニウムの蒸着層3を有する低密度低純度のポリエステルフィルムからなる外層2とを含む複数のポリエステルフィルムによって構成され、蒸着層3が最外側となるように構成されるとともに、内層1と外層2を重ね合せて作製されたシートの端部4(4a〜4d)が熱融着処理によってヒートシール接着されて、密封構造を形成する袋体を示す。袋体の一端部4dには、内層1によって形成された空間部5と連通するガス吸排口6が設けられる。以下、特に限定のない場合においては、ポリエステルフィルムとして「PET」を用いた場合について説明する。
採取された試料ガスは、吸排口6を介して空間部5に導入され、非ガス透過性かつ非ガス吸着性を有する内層1によって、変質あるいは漏洩がなく組成変動が生じることのない状態を保持することができる。つまり、試料ガスに対する袋体内部での不安定要素を排除することができる。と同時に、外部から照射される光に対しては、最外層に設けられたアルミニウムの蒸着層3によって反射され、空間部5まで透過し試料ガス中の成分の光反応、特に紫外線による変質などを防止することができる。つまり、試料ガスに対する袋体外部からの不安定要素を排除することができる。このように、本袋体は、封止された試料ガスに対する高い安定性を確保することができる。
また、試料ガスに対する長期の安定性に対しても、こうした接ガス部でのあるいは外部からの不安定要素を排除するとともに、内層1および外層2を同質素材(PET)とし、熱融着処理を用いてその接合部分をヒートシール接着することによって、非常に優れたシール性を確保することができる。さらに、最外層を蒸着層3とする外層2をアルミPETフィルムで形成することによって、重なる蒸着層3同士に後述する「カール形状」を形成することができることから、遮光機能の確実を図るとともに、シール機能においても細密な通気遮蔽機能を確保することができる。
ここで、内層1は、その非ガス透過性かつ非ガス吸着性の高さからS−PETで形成されことが好ましい。PETフィルムは、機械的強度、耐薬品性、耐湿・耐水性、透明性、無可塑剤等のすぐれた性質を持つが、S−PETフィルムは、さらに無臭性、透明性、ガス透過性・吸着性の小ささ、揮発性物質の少なさ等の優れた特性を有し、本袋体の内層1に適している。
また、外層2は、遮光PETフィルムとして、片面にアルミニウムの蒸着層3を有する低密度低純度のポリエチレンテレフタレート(以下「アルミPET」という)フィルムを用いるが好ましい。低密度低純度のPETとアルミニウムとの間における強い付着特性を利用することによって、外層2の最外層に強固なアルミ蒸着層3を形成することができる。また、アルミPETフィルムは、紫外線、熱線を遮光緩和する機能を有し、光化学的反応の進行とPETフィルムから発生する一酸化炭素(CO)などを抑止する効果を得ることができるとともに、熱融着処理時のS−PETフィルムとの融着性が高く強固なシールを形成することができる。
なお、外層2は、遮光PETフィルムとして、黒色ポリエステル繊維の織布、黒色ポリエステル不織布を用いることも可能である。紫外線、熱線を遮光緩和する機能を有するとともに、後述するヒートシールによって、一体化溶着が可能で、密封度の高い袋体を形成することが可能である。
また、袋体を形成するに際し、図1(A)のように、内層1および外層2を含む複数枚のフィルムを重ね合せた後、端部4a〜4dを熱融着処理するのではなく、S−PETフィルムにアルミPETフィルムのフィルム面が接するように2枚重ねし(2枚以上の場合も同様にする)、S−PETフィルムが内側になるように2つ折りにした構造とすることが好ましい。図1(C)のように、端部4b’において2つ折りにすることによって、熱融着処理部分の低減およびシール性の確保はむろんのこと、最外層の連続性の確保によって遮光性を確保することができる。このとき、図1(D)のように、端部4aおよび4cの熱融着処理を確実にするために、折返される端部4b’またはその両端部4ab’および4bc’に生じる膨らみ部分に対して、後述するように、予め超音波によるポイントシール処理を行うことが好ましい。
本袋体は、袋体自体とガスを袋体に注入するガス吸排口6から構成され、ガス吸排口6は、金属製のガス吸排口を有することが好ましい。ガス吸排口6についても、上記(a)〜(e)とほぼ同様の機能が要求されるとともに、袋体との接合部のシール性およびサンプリング操作における他の部品との接続等の操作を伴う堅牢性が求められる。従前、ガラス管や樹脂製を使用することがあったが、紫外線などの遮光が困難なため、袋体内のサンプリングされたガスの安定性に影響を及ぼすことがあった。ガラス管を袋体に強固に固定し、高いシール性を確保することが難しく、特にアルミPETなどのように遮光性材料の蒸着層3を有するフィルムに対する高い加工性およびシール性を確保する場合に優れている。
〔本袋体の他の実施態様(第2構成例)〕
図1(E)は、本袋体の第2構成例として、上記アルミニウムの蒸着層3を有する低密度低純度のポリエステルフィルムからなる外層2に代え、遮光機能を有する試剤を含有するポリエステルフィルム(PETを素材とする場合には、遮光PETフィルム)からなる外層2aを用いた袋体を示す。遮光機能を有する試剤としては、例えばカーボンブラックや酸化チタンなどの細粒子や微粒子が挙げられる。外層2aを形成するフィルム自体に遮光機能を保有させることができ、複数の遮光PETフィルムによって、その遮光機能の強さを調整することができる。また、内層1と外層2aを重ね合せて作製されたシートの熱融着処理も容易に行うことができ、密封度の高い構造を有する袋体を作製することができる。
<本袋体の製造方法>
本発明におけるガスサンプリング用袋体の製造方法(以下「本製造方法」という)は、以下の工程、
(1)内層と外層を重ね合わせて、シートを作製する工程
(2)該シートを折返しまたは複数枚重ね合わせて端部を合わせる工程
(3)重ね合わせたシートの端部を、クランプによって、その熱融着処理に係る部分を余して挟持する工程
(4)該クランプと平行に走行可能な刃物、または刃物と平行に走行可能なクランプによって、シートの端部を切断する工程
(5)該シートの端部を熱融着処理によってヒートシール接着し、密封構造の袋体を作製する工程
(6)シートの端部またはシート面上に、切り欠き部を設け、遮光性を有するガス吸排口を配設する工程
(7)該切り欠き部のシール処理を行う工程
を有するとともに、工程(3)から(5)を繰り返して複数箇所のヒートシール接着処理を行い、密封構造の袋体を作製する。
〔PETフィルムの熱融着処理に対する検証結果〕
袋体の作製に先立ち、PETフィルム、S−PETフィルムおよびアルミPETフィルムについて、その熱融着処理を行ったときのフィルムの溶融接着部の状態あるいはフィルム形状の変化などを検証した結果、以下の知見を得た。
(ア)PETフィルムおよびS−PETフィルムの溶融接着部は、丸状あるいは棒状の形状を呈し、接着力は強い。
(イ)PETフィルムおよびS−PETフィルムは、延伸縦軸方向の溶着は溶融が極めて安定するが、横軸方向は熱収縮から溶融の段階で若干の波状を呈するため、溶融接着部の不安定要因となる。縦軸と横軸の延伸比率の差によって生じるものと推定される。
(ウ)アルミPETフィルムの溶融接着部は扁平状を呈する。
(エ)アルミPETフィルムの熱溶融収縮の幅は、PETフィルムより小さく、強度はPETフィルムの1/3程度であるが、均一性にすぐれる。
(オ)アルミPETフィルムは、基材のPETと蒸着層との熱収縮の差からPET側にカールする。これが両フィルムの密着力となり均一性を生む要因となる。
(カ)アルミPETフィルムの熱融着単位加熱量は、同厚のPETフィルムの熱融着単位加熱量より小さいことから、アルミPETフィルムの熱劣化は小さい。
こうした知見を基に、本袋体の作製方法を検討した結果、以下のような製造工程が最適であることがわかった。以下、特に限定のない場合においては、ポリエステルフィルムとして「PET」を用いた場合について、図2〜4に基づき説明する。
(1)内層と外層を重ね合わせて、シートを作製する工程
図2(A)に例示するように、内層1および外層2を各原反ロールR1,R2から連続的に供給し、両者を重ね合わせて、シートSを作製する。このとき、外層2を片面に蒸着層3を有するアルミPETフィルムで構成する場合においては、蒸着層3を最外層となる(PETフィルムが、内層1を構成するS−PETフィルムと接する)ように重ね合わせることが好ましい。充填されたガスの変質を防止するとともに、熱融着処理時のS−PETフィルムとの融着性が高く強固なシールSを形成することができる。このとき、原反ロールR1,R2は、巻き方向とPETフィルムの延伸比率の高い軸方向が同一であることが好ましい。上記知見(イ)のように、図1(A)に示す端部4aおよび4cに対するヒートシール接着処理を延伸比率の高い軸方向と同じ方向に行うことによって、PETフィルムの端部4aおよび4cでの安定した溶融を生じさせ、均一かつ確実な溶融接着を行うことができる。
また、重ね合せた2枚のアルミPETフィルムの間に、さらに1あるいは2(複数)枚重ねのPETフィルム(あるいはS−PETフィルム)を入れ、複数枚重ねとし、熱融着をすると、アルミPETフィルムのPETフィルム側へカールする力が上下からPETフィルムに伝達され、PETフィルムの上記知見(イ)のような不安定要因は軽減され、加熱時間はアルミPETフィルムとほぼ同等に短縮され、充分な接着力が得られる。
(2)該シートを折返しまたは複数枚重ね合わせて端部を合わせる工程
図2(B)に例示するように、シートSをカッタKによって定尺に切断し、図2(C)のように、シートS1,S2を複数枚重ね合わせて端部41,42を合わせる。また、図2(D)は、定尺のシートSを折返して重ね合わせた場合を例示する。このとき、外層(21,22,2)を、片面に蒸着層(31,32,3)を有するアルミPETフィルムで構成する場合においては、蒸着層(31,32,3)を最外層となるように重ね合わせることが好ましい。充填されたガスの変質を防止するとともに、熱融着処理時のS−PETフィルムとの融着性が高く強固なシールを形成することができる。
(3)重ね合わせたシートの端部を、クランプによって、その熱融着処理に係る部分を余して挟持する工程
図3(A)に例示するように、熱融着処理を行う処理部分4hおよびカット処理部分4eを余した状態で、重ね合わせたシートSの端部4をクランプP1,P2によって挟持する。このとき、シートSを折返し処理する場合、図3(B)に例示するように、折返される端部4b’またはその両端部4ab’および4bc’に生じる膨らみ部分(本工程においてはさらに処理部分4hおよびカット処理部分4eを含む)に対して、予め超音波によるポイントシール処理PSを行うことが好ましい。後工程で、部分シールを行う方法やホットメルト接着剤でシールする方法等を用いることが可能であるが、シール前にポイントシールを行うことによって、膨らみ部分を含めた端部4b’を確実にかつ均等に挟持することができ、フィルムSの重合いのズレあるいは不十分な熱伝導を防止し、確実な熱融着処理を行い、端部4a,4cおよび両端部4ab’および4bc’に対して確実なシール処理を確保することができる。特に、両端部4ab’および4bc’は未シール部が生じやすいため、予め数ミリ角を超音波によるポイントシール処理による予備シールを行い、その後全長のシールを行うことが好ましい。また、ポイントシールは、後工程(5)におけるヒートシールの溶融が及ぶ範囲内とすることが好ましい。これによって、成形後の袋体におけるシール部分を最小範囲とし、後工程のヒートシールレベルでシール全長を均一化することができる。
(4)該クランプと平行に走行可能な刃物、または刃物と平行に走行可能なクランプによって、シートの端部を切断する工程
図3(C)に例示するように、シートSの端部であるカット処理部分4eをカッタK1,K2(刃物に相当)によって切断する。このとき、図3(D)に例示するように、カッタK1,K2をクランプP1,P2と平行に走行させることによって、カット処理部分4eに対して均質な切断面を形成することができる。また、カッタK1,K2を固定し、クランプP1,P2をカッタK1,K2と平行に走行させることによっても同様の処理を行うことができる。
(5)該シートの端部を熱融着処理によってヒートシール接着し、密封構造の袋体を作製する工程
図3(E)に例示するように、シートSの処理部分4hに加熱部Hを近接させ、PETフィルム(内層1および外層2)を熱融着処理することによってヒートシール接着し、密封構造の袋体を作製する。図3(F)に例示するように、加熱部HをクランプP1,P2と平行に走行させることによって、処理部分4hに対して均等な熱融着処理を行うことができる。このとき、加熱部Hの走行速度を、シートSの熱収縮速度または加熱溶融による収縮速度とほぼ同等、あるいはそれを上回らない速度とすることが好ましい。重なり合う樹脂層の端部に対しては、処理部分4hと加熱部Hの空隙距離が重要な指標となり、これを指標として加熱部Hの走行速度を制御することによって、均一でかつ確実な熱融着処理を行うことが可能となった。また、加熱部Hを固定し、クランプP1,P2を加熱部Hと平行に走行させることによっても同様の処理を行うことができる。
また、重なり合う樹脂層の端部に対して均一でかつ確実な熱融着処理を行うことは、非常に難しいことから、加熱部Hによって加熱される処理部分4hの温度が、PETフィルムの溶融温度領域内にあるように、処理部分4hと加熱部Hの間に空隙を設けるとともに、該空隙距離を維持しながら、加熱部Hを走行させて処理部分4hを徐々に溶融一体化させることが好ましい。本製造方法においては、4以上のフィルムが重なり、また、その最外側に熱伝導度の高いアルミニウムの蒸着層を有することから、特に有効な手段である。ここでいう、所定の空隙距離とは、処理部分4hの温度が、PETの溶融温度領域内にあるように設定された距離をいい、処理部分4hの形状や長さに応じて加熱部Hの温度とともに調整される。
なお、上記工程(5)を工程(4)と同時に行い、新たな切断面に対して直ちに熱融着処理を行うことによって、フィルムSの重合いのズレを防止し、確実な熱融着処理を行うことができる。
(6)シートの端部またはシート面上に、切り欠き部を設け、遮光性を有するガス吸排口を配設する工程
本袋体に設けられるガス吸排口6は、加工性から、図4(A),(B)に示すように、シートSの端部4d、またはその両端部4adあるいは4cdに金属製のガス吸排口6を配設する。ただし、ガス吸排口6の配設位置は、これに限定されるものではなくシートSの面上も可能である。また、ガス吸排口6は、ポリエステルフィルムとの接合部のシール性およびサンプリング操作における他の部品との接続等の操作を伴う堅牢性から、金属例えばステンレス鋼など耐食性の管状体が好ましい。切り欠き部6aは、端部4dまたはその両端部4adあるいは4cdに沿って、ナイフ等にて多少融通性を持たせてガス吸排口6を挿通し得る程度の寸法に切開する。
(7)該切り欠き部のシール処理を行う工程
切り欠き部6aのシール処理に際し、ガス吸排口6を切り欠き部6aに挿入する前に、切り欠き部6aの内周面と接するガス吸排口6の外周面に、予め熱可塑性樹脂接着剤6bを塗着する。この接着剤6bは特定しないが、例えば常温で硬化するエポキシ系樹脂などが好ましい。図4(A),(B)に示すように、ガス吸排口6外周面に接着剤6bの層を形成した後、ガス吸排口6を切り欠き部6aと直交する方向に挿入して、ガス吸排口6の接着剤6b塗着部分を切り欠き部6a内周面に添わせ、切り欠き部6aの内周面とガス吸排口6の外周面とを完全密接させてシール処理を行う。このとき、図4(A)のように、ガス吸排口6を偏心させることにより、ガス吸排口6の外周に接する切り欠き部6a内周面の面積が広くさせることができ、切り欠き部6aは確実にガス吸排口6の外周面に密接する。この状態を所定時間維持することにより、切り欠き部6aとガス吸排口6とは確実に接着されることとなる。
(8)以上において、シール工程の1つのサイクルが完結するが、複数箇所のヒートシール接着処理を必要とする場合には、工程(3)から(5)を繰り返して行うことによって、密封構造の袋体を作製することができる。具体的には、シートSを複数枚重ね合わせた場合には、その端部4a〜4dについて行い、シートSを折返した場合には、その端部4a,4cおよび4dについて行う。
このとき、工程(4),(5)または(7)のいずれかの後工程において、前記袋体の少なくとも一部を、温度条件130〜140℃においてエポキシ系樹脂による被覆処理を行うことが好ましい。接合部周囲の袋体の外面を被覆処理することによって、二重のシール処理がされ、さらに高いシール性を確保することができる。また、外層2にアルミPETフィルムを用いた場合は、その最外側に設けられた蒸着層3の保護機能をも有することが可能となる。
実際の試料ガスを対象として、本袋体を用い、従前のガスサンプリング用袋体との比較を含む実証実験を行った。
〔実施例1〕
(1)実験用袋体
下表1に示す袋体Fa〜Feについて実験を行った。袋体FaはPETフィルム(東レ社製、型式ルミラー(TM))、袋体Fbはフッ素樹脂(FEP)フィルム(ダイキン社製、ネオフロン(TM))、袋体Fcはポリフッ化ビニル樹脂(PVF)フィルム(デュポン社製、テドラー(TM))を用いた。本袋体FdおよびFeとして、内層にS−PETフィルム(東レ社製、型式ルミラー(TM))、外層にアルミPETフィルム(東レ社製、型式ルミラー(TM))を用いて形成された袋体を用いた。各袋体の内容量は20Lとした。
Figure 2009250800
(2)実験用ガス
京都市内の1地点で採取した大気を試料ガスとし、その経時変化を追跡した。
(3)実験条件
(3−1)測定項目
中間を含む経過時間0〜75hrにおける、試料ガス中のメタン(CH)、NMHC、全炭化水素(THC)および一酸化炭素(CO)の濃度を測定した。
(3−2)暴露条件
袋体Fa〜Feについて、下表2の条件で暴露した。屋内の場合は室温18〜25℃とし、屋外の場合は環境温度7〜22℃であった(日光照射に伴う温度上昇がある)。
Figure 2009250800
(3−3)測定装置
CH、NMHCおよびTHCについては、大気汚染監視用HC濃度測定装置(堀場製作所社製、APHA−370)を用いて測定し、COについては毒ガス検知器(一酸化炭素計)(新コスモス電機社製、XC−2200)を用いて測定した。
(4)結果
図5(A)〜(D)に示すような結果を得た。
(4−1)CH
図5(A)に示すように、PVFフィルム(Fc)においてCHの変動が大きく、FEPフィルム(Fb)の各時点においてやや高めの値となった。本袋体を含む他のフィルムについては、少し変動があるものの、その動きは全て同様であった。
(4−2)NMHC
図5(B)に示すように、PVFフィルム(Fc)においてNMHCの変動が大きく、PETフィルム(Fa)においてやや高めの値となった。本袋体を含む他のフィルムについては、少し変動があるものの、その動きは全て同様であった。
(4−3)THC
図5(C)に示すように、PVFフィルム(Fc)においてTHCの変動が大きく、PETフィルム(Fa)において徐々に上昇する傾向が見られた。本袋体を含む他のフィルムについては、全てほとんど変動がなかった。
(4−4)CO
図5(D)に示すように、PETフィルム(Fa)において徐々に上昇する傾向が見られた。本袋体(Fe)については、変動がなかった。
(5)まとめ
以上のように、従来品であるPETフィルム(Fa),FEPフィルム(Fb)およびPVFフィルム(Fc)は遮光機能を有しておらず、上記の測定項目のいずれかにおいて変動要素を有する結果となった。対して本袋体においては、そうした傾向は全く見られず、充填されたガスの変質がなく、さらに外部からの紫外線や熱線などを遮断する機能が十分であることが証明された。
以上のガスサンプリング用袋体は、主に、試料ガスの安定性に優れた臭気測定用に用いられる袋体について説明したが、本袋体は、こうした用途に限定されることなく、各種プロセスガスや大気あるいは排気ガス等、特に現場で採取し、バッチ的に測定する分野に広く適用することができる。
本発明に係るガスサンプリング用袋体の構成を例示する説明図 本発明に係るガスサンプリング用袋体の製造工程を例示する説明図 本発明に係るガスサンプリング用袋体の製造工程を例示する説明図 本発明に係るガスサンプリング用袋体の製造工程を例示する説明図 ガスサンプリング用袋体の実証実験結果を例示する説明図 従来技術に係るガスサンプリング用袋体を示す説明図
符号の説明
1, 内層
2,21,22 外層
3,31,32 蒸着層
4,4a,4b,4b’,4c,4d,4ab’,4bc’,41,42 端部
4e カット処理部分
4h 処理部分
5 空間部
6 ガス吸排口
6a 切り欠き部
6b 接着剤
K,K1,K2 カッタ(刃物)
H 加熱部
P,P1,P2 クランプ
PS ポイントシール処理
R1,R2 原反ローラ
S,S1,S2 シート

Claims (11)

  1. 非ガス透過性かつ非ガス吸着性の高密度高純度のポリエステルフィルムからなる内層と、遮光機能を有する低密度低純度のポリエステルフィルムからなる外層とを含む複数のポリエステルフィルムによって構成されるとともに、該内層と外層を重ね合せて作製されたシートの端部が熱融着処理によってヒートシール接着されて、密封構造を形成することを特徴とするガスサンプリング用袋体。
  2. 前記外層が少なくとも片面にアルミニウムの蒸着層を有するポリエステルフィルムからなるとともに、該蒸着層が最外側となるように構成されることを特徴とする請求項1記載のガスサンプリング用袋体。
  3. 前記外層が遮光機能を有する試剤を含有するポリエステルフィルムからなることを特徴とする請求項1記載のガスサンプリング用袋体。
  4. 前記内層を構成するポリエステルフィルムが、高密度高純度のポリエチレンテレフタレートからなり、前記外層を構成するポリエステルフィルムが、これよりも低密度低純度のポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のガスサンプリング用袋体。
  5. 前記外層の少なくとも一部に、さらにエポキシ系樹脂による被覆層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスサンプリング用袋体。
  6. 非ガス透過性かつ非ガス吸着性の高密度高純度のポリエステルフィルムからなる内層と、遮光機能を有する低密度低純度のポリエステルフィルムからなる外層とを含む複数のポリエステルフィルムによって構成される袋体の製造方法であって、以下の工程、
    (1)前記内層と外層を重ね合わせて、シートを作製する工程
    (2)前記シートを折返しまたは複数枚重ね合わせて端部を合わせる工程
    (3)重ね合わせた前記シートの端部を、クランプによって、その熱融着処理に係る部分を余して挟持する工程
    (4)該クランプと平行に走行可能な刃物、または刃物と平行に走行可能な前記クランプによって、前記シートの端部を切断する工程
    (5)該シートの端部を熱融着処理によってヒートシール接着し、密封構造の袋体を作製する工程
    (6)前記シートの端部またはシート面上に、切り欠き部を設け、遮光性を有するガス吸排口を配設する工程
    (7)該切り欠き部のシール処理を行う工程
    を有するとともに、
    複数箇所のヒートシール接着処理を必要とする場合には、工程(3)から(5)を繰り返して密封構造の袋体を作製することを特徴とするガスサンプリング用袋体の製造方法。
  7. 前記工程(1)において、内層を構成する高密度高純度のポリエチレンテレフタレートフィルムおよび外層を構成する低密度低純度のポリエチレンテレフタレートフィルムを、各原反ロールから連続的に供給し、前記シートを作製することを特徴とする請求項6記載のガスサンプリング用袋体の製造方法。
  8. 前記工程(2)において前記シートを折返し処理する場合、該折返し部または折返し辺の両端部に生じる膨らみ部分に対して、予め超音波によるポイントシール処理を行うことを特徴とする請求項6または7記載のガスサンプリング用袋体の製造方法。
  9. 前記工程(5)において、前記加熱部によって加熱される前記端部の温度が、ポリエステルフィルムの溶融温度領域内にあるように、前記シートの端面と加熱部の間に空隙を設けるとともに、該空隙距離を維持しながら、前記クランプまたは/および加熱部を走行させて該端部を徐々に溶融一体化させることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のガスサンプリング用袋体の製造方法。
  10. 前記工程(4)および(5)において、前記クランプまたは/および加熱部の走行速度を、前記シートの熱収縮速度または加熱溶融による収縮速度とほぼ同等、あるいはそれを上回らない速度とすることを特徴とする請求項9記載のガスサンプリング用袋体の製造方法。
  11. 前記工程(4),(5)または(7)のいずれかの後工程において、前記袋体の少なくとも一部を、温度条件130〜140℃においてエポキシ系樹脂による被覆処理を行うことを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載のガスサンプリング用袋体の製造方法。
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