JP2009249783A - 車両用シートの表皮材 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用シートの表皮材が元来有する特性を損なわず、静電気を抑制する機能を有する車両用シートの表皮材を容易に製造可能とする。
【解決手段】ポリエステル繊維を含有するファブリックを基材とする車両用シートの表皮材であって、基材に高分子導電剤が付与されており、該高分子導電剤がポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールの共重合体であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、車両用シートの表皮材に関する。より詳しくは、静電気の発生を抑制する機能を有する車両用シートの表皮材に関する。
従来、車両用シートの表皮材としては、ポリエステル繊維を主体として構成されたファブリックがよく用いられている。しかし、一般に、ポリエステル繊維は静電気を発生しやすく、例えば乗降の際に衣服と擦れて静電気を発生することがあった。そこで、従来、車両用シートの表皮材における帯電防止のための技術が提案されている。例えば、下記特許文献1には、ポリエステル繊維の表面に吸水基を有するポリマーまたはアミン化合物を、ポリウレタンにより固定することにより繊維表面の導電性を向上させ、静電気の発生を抑制することのできるシート表皮が開示されている。
特開2001−98461号公報
このように、繊維表面に導電性を付与することのできる処理剤を付着させる場合、比較的容易に静電気の発生を抑制することが可能であるが、車両用シートの表皮材が元来有する特性が損なわることが懸念される。
そこで、本発明はが解決しようとする課題は、車両用シートの表皮材が元来有する特性を損なわず、静電気を抑制する機能を有する車両用シートの表皮材を容易に製造可能とすることにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討の結果、静電気の発生を抑制することが可能であり、車両用シートの表皮材が元来有する特性を損ないにくい高分子導電剤を見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、ポリエステル繊維を含有するファブリックを基材とする車両用シートの表皮材であって、前記基材に高分子導電剤が付与されており、該高分子導電剤がポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールの共重合体であることを特徴とする。
本発明によれば、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールの共重合体からなる高分子導電剤は、ポリエチレンテレフタレートが基材のポリエステル繊維と親和性を有し、ポリエチレングリコールが電解質であって、微少の水分により電解状態が得られるため、該高分子伝導剤を基材に付与することにより基材そのものが導電化され、容易に静電気の発生を抑制する機能を付与することが可能である。しかも、該高分子伝導剤を基材に付与することにより車両用シートの表皮材が元来有する特性を損ないにくい。
本発明において、基材に対する高分子導電剤の付着量は、固形分換算で0.5g/m以上とすることが望ましい。それにより、静電気の発生を抑制する効果をより長く持続させることが可能である。
また、本発明のポリエステル繊維を含有するファブリックを基材とする車両用シートの表皮材は、前記高分子導電剤を有効成分とする溶液に前記基材を浸漬し該浸漬により前記高分子導電剤が付与され、該基材を60〜110℃で加熱乾燥させてなることが望ましい。それにより、色落ちの発生を抑制することが可能である。
本発明によれば、車両用シートの表皮材が元来有する特性を損なわず、静電気を抑制する機能を有する車両用シートの表皮材を容易に製造可能とすることが可能である。
本発明の実施形態に係る車両用シートの表皮材(以下、表皮材と称することがある。)は、ポリエステル繊維を含有するファブリックを基材とし、該基材に高分子導電剤が付与されてなるものである。ポリエステル繊維を含有するファブリックとは、ポリエステル繊維単独あるいは他の材質の繊維と混紡して形成されたファブリックである。ファブリックは、その形態は限定されるものではなく、織物、ジャージ、トリコット、不織布、モケット、織物等の種々の形態を含む布地を意味している。また、これらのファブリックの裏面側に、例えば燃焼性付与、糸のほつれ防止、傷付き防止を目的としてバッキング樹脂層の形成されたものも含む。
[高分子導電剤]
本発明の実施形態で用いられる高分子導電剤は、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールの共重合体であり、下記化1に示す一般式で表される。
Figure 2009249783
高分子導電剤としてポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールの共重合体を用いることにより、表皮材としての要求性能をも満たすことが可能でありながら、高分子導電剤を基材に付与することにより基材そのものが導電化され、静電気の発生を抑制することが可能である。すなわち、本実施形態の表皮材によれば、強度、伸び、耐久性、耐光性、しわになりにくさ、触感等のシート表皮材の一般要求性能において、高分子導電剤を付与していない従来の表皮材と遜色なく、更に静電気の発生を抑制することが可能である。
基材に対する高分子導電剤の付与は、例えば、高分子導電剤を水中に分散させた水分散型の溶液を用いることができる。高分子導電剤の溶液に基材を浸漬させるディップ法、基材に高分子導電剤の溶液を吹き付けるスプレー法など、一般的なファブリックに対する処理剤の付与方法にて基材に高分子導電剤を付与することができる。
基材に対する高分子導電剤の付着量は、固形分換算で0.2〜5g/mであることが好ましい。基材に対する高分子導電剤の付着量が0.2g/mより少ない場合、静電気の発生を抑制する機能を十分に発現しない場合がある。基材に対する高分子導電剤の付着量が5g/mより多いと、シート表皮材の一般要求性能が損なわれる恐れがある。基材に対する高分子導電剤の付着量は、固形分換算で0.5〜5g/mであることがより好ましい。高分子導電剤の付着量が0.5g/m以上であると、静電気の発生を抑制する機能をより長く持続させることが可能である。最も好ましくは、基材に対する高分子導電剤の付着量を固形分換算で0.8〜5g/mとする。高分子導電剤の付着量が0.8g/m以上であると、静電気の発生を抑制する機能が低下しにくく、より長く持続させることが可能である。
[製造方法1]
以下、図1,2を参照しながら本実施形態の表皮材の製造方法1について説明する。この製造方法1は、ディップ法により基材に高分子導電剤を付与する製造方法であり、本実施形態の表皮材を製造するための製造方法の一例である。
図1に示されるように、本発明の車両用シートの表皮材は、繊維を原料とし、製織工程、起毛・シアリング工程、浸漬工程、乾燥工程、巻取り工程を経て製造することができる。
先ず、製織工程で繊維が織り上げられ、次いで起毛・シアリング工程で起毛処理され、シアリング処理により毛羽立った表面が整えられて基材となるファブリックが形成される。次に、浸漬工程で基材を高分子導電剤の溶液に浸漬することにより基材に高分子導電剤を添着し、ニップローラ間で絞り、乾燥工程へと送る。この浸漬工程における高分子導電剤の溶液の濃度は、基材に対する高分子導電剤の付着量及びニップローラでの絞りの程度により適宜調整されるものであるが、例えば、0.15〜1.5%とすることができる。乾燥工程では、加温されたチャンバー内を通過することにより加熱乾燥される。その乾燥温度は60〜110℃であることが好ましい。乾燥温度が110℃を超えると、ポリエステル繊維が色落ちしやすくなる場合がある。これは、ポリエステル繊維が110℃以上に加熱されることによりポリエステルの組織が緩むことによりポリエステルの分子内に保持されていた染料の一部が外れるためであると推察される。また60℃より低い温度では十分に乾燥させるのに時間がかかるため好ましくない。乾燥工程で乾燥された基材はそのまま巻取り工程で巻取られる。あるいは、必要に応じてバックコーティング工程を経てバックコーティングが施された後に巻取り工程で巻取られる。
このような製造方法によれば、従来の車両用シートの表皮材の製造ラインに浸漬工程を追加するのみで容易に本発明の車両用シートの表皮材を製造することが可能である。従来の車両用シートの表皮材の製造ラインとは、製織工程、起毛・シアリング工程、ヒートセット工程、(バックコーティング工程)、巻取り工程を経て表皮材を製造するラインのことである。ヒートセット工程とは、加温されたチャンバー内で基材に張力をかけた状態で加熱してしわを伸ばす工程である。本発明の車両用シートの表皮材を製造する場合には、従来のヒートセット工程に代えて浸漬工程と乾燥工程とを設定する。図2に示すように、乾燥工程は従来のヒートセット工程を行うチャンバー30を用い、該チャンバー30の手前に浸漬工程を行うのための設備として、高分子導電剤20を入れたバット22及び該バット22に基材10を案内するガイドローラ24と一対のニップローラ26とを設定すればよい。これらの浸漬工程に用いる設備は、従来、他の処理剤を付与するために必要応じて使用可能な状態でライン内に設定されていたものを用いればよい。このように、従来の車両用シートの表皮材の製造ラインを一部変更して本発明の車両用シートの表皮材を製造する場合、乾燥工程では基材が乾燥されるとともに、実質的にヒートセット工程が同時に行われるため、工程の増加を最小限に抑えることができるとともに、一連の製造ラインで繊維から静電気の発生を抑制する機能を備えた表皮材を製造することが可能である。ひいては静電気の発生を抑制する機能を備えた表皮材の製造コストを大幅に低減することが可能である。
なお、表皮材の製造方法は、上記製造方法1に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、必ずしも繊維から一連の製造ラインで形成される必要はない。基材を形成する工程と、高分子導電剤を付与する浸漬工程及び乾燥工程が別の製造ラインとされていてもよい。
(実施例)
以下、本発明をさらに具体化した実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
この実施例では、ポリエステル繊維を主体として構成された織物を基材とし、高分子導電剤としてポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールの共重合体を主成分とする「エレナイトA73R」(高松油脂株式会社製)を用いてディップ法により表皮材を作成して試料とし、以下の各試験を行った。
[初期性能試験]
初期性能試験では、先ず、純度0.6%に希釈した高分子導電剤の溶液に基材を浸漬させ、ニップロールで絞り110℃で2分間乾燥させて、高分子導電剤の付着量が0.8g/mの表皮材(試料1)を得た。
次に、上記試料1及び高分子導電剤を付与していない基材(ブランク)の体積固有抵抗値を測定した。併せて、引張強度、定荷重伸び率、定荷重セット率の測定及び燃焼試験を行った。
体積固有抵抗値はJISK6911に準じ、室温11.9℃、湿度25%の雰囲気で測定した。なお、体積固有抵抗値が小さいほど、導電しやすく静電気を発生しにくい。
引張強度はJISL1098に準拠して測定した。ただし、引張速度は200mm/minとした。
定加重伸び率の測定では、幅80mm、長さ250mmの大きさに各試料を裁断して試験片とした。各試験片の長さ方向の中央部に100mm間隔の標点を印した。試験片の上端を固定された締め具で挟持し、試験片の下端には、固定されていない別の締め具を介し、該締め具を含む質量が10kgのおもりを取り付け、吊り下げた。このとき、上側の締め具と下側の締め具とのチャック間の距離を160mmとした。試験片におもりを吊り下げた状態で10分間放置し、10分後におもりを吊るした状態で標点の間隔(L1)をノギスにて測定し、数式(1)に代入して定荷重伸び率を算出した。
Figure 2009249783
定荷重セット率の測定では、上記定荷重伸び率の測定に供した試験片を用いた。10分間おもりを吊り下げて放置した試験片を上下の締め具から取り外し、水平台上で10分間放置後、標点の間隔(L2)をノギスにて測定し、数式(2)に代入して算出した。
Figure 2009249783
燃焼試験では、各試料を長さ350mm、幅100mmに裁断して試験片とし、予め、温度20±5℃、湿度50±5%RHに保たれた環境内で少なくとも24時間放置した。幅380±5mm×205±5mm×高さ355±5mmの大きさで天井部周囲と底面に通気孔を有するキャビネットを温度20±5℃、湿度65±20%RHの環境下に設置し、該キャビネット内においてU字クランプで試験片を水平に保持し、試験片の長手方向の一端において試験片にガスバーナーの炎をあてた。このとき、試験片の下面とバーナ口との間隔を19mmとし、15秒間炎をあてた。試験片の炎をあてた一端から長手方向に38mmの位置に炎が達する前に燃焼が停止したとき、「不燃」とした。
体積固有抵抗値、引張強度、定荷重伸び率、定荷重セット率、および燃焼性の測定結果を表1に示した。
Figure 2009249783
初期性能試験の結果、試料1はブランクに比べて体積固有抵抗率が低く、ポリエステル繊維を主体として構成された基材に対し、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールの共重合体を付着させることにより体積固有抵抗率が低下し、静電気が発生しにくくなることが確認された。また、引張強度、定荷重伸び率、定荷重セット率及び燃焼性については、試料1とブランクとは同程度であり、試料1も表皮材の一般要求性能を満たしている。これにより、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールの共重合体を付着させることにより表皮材としての一般要求性能を低下させることなく静電気の発生を抑制することができ、表皮材として好適に利用可能であることが明らかとなった。
[摩擦による耐久性能試験]
摩擦による耐久性能試験では、先ず、高分子導電剤の付着量の異なるの表皮材(試料2〜4)を作成した。各資料の高分子導電剤の付着量を表2に示す。なお、乾燥温度は110℃であった。
次に、各試料の体積固有抵抗値をJISK6911に準じ、室温11.9℃、湿度25%の雰囲気で測定した。これを初期体積固有抵抗値とした。
次に、各試料に平面摩擦を加えた。摩擦は、摩擦子にかかる荷重を9.8±0.0098Nとし、試料上の140mmの間を60±10回/minの速さで10000回往復させて行った。摩擦後、再び体積固有抵抗値を測定した。これを摩擦後体積固有抵抗値とした。摩擦後体積固有抵抗値を初期体積固有抵抗値で割り、平面摩擦後の体積固有抵抗値の上昇率を算出した。その結果を図3及び表2に示した。
Figure 2009249783
この摩擦による耐久性能試験では、試料2〜5は、初期体積固有抵抗値がブランク(表1)に比して低く、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールの共重合体を付着させることにより静電気の発生を抑制することが可能であることが確認された。そして、試料3〜5は体積固有抵抗値の上昇率が低く、過酷な条件で平面摩擦を加えたにもかかわらず、静電気の発生を抑制する機能が維持されていた。これにより、高分子導電剤の付着量を0.5g/m以上とすることにより摩擦により静電気の発生を抑制する機能が低下するのを抑えることができることが明らかとなった。特に、試料4,5は体積固有抵抗値の上昇率が低い値で略一定となっており、高分子導電剤の付着量を0.8g/m以上とするのがより望ましい。
[色移行性の評価]
色移行性の評価では、先ず、高分子導電剤の付着量が0.8g/mとなるように、純度0.6%に希釈した高分子導電剤の溶液に基材を浸漬させ、ニップロールで絞り、90〜130℃の異なる乾燥温度で90秒間乾燥させて、表皮材(試料6〜10)を得た。
次に、試料6〜10及び高分子導電剤を付与していない基材(ブランク)の色移行性を下記の色移行試験により測定した。その結果を表3に示す。
色移行試験では、先ず、試料を70×70mmに裁断し試験片とし、各試料について3枚ずつ試験片を用意した。別途50×50mmの大きさの白綿布を用意し、人口酸性汗液に10分間浸漬後取り出し、絞らずに試験片の表面に乗せ、水分の蒸発を防ぐため、試験片がしわにならないようにアルミホイルで全体を包み、白綿布を乗せた側を上にし、水平な試験台の上に置いた。次に、その試験片の上に、予め40℃±2℃になるまで温めておいた直径40mmで1kgの円柱型の錘を置き、試験片を試験台ごと40℃±2℃に調整された乾燥機に収容して60分間静置した。次に、白綿布を取り出して汚染状況を調査した。白綿布の汚染状態は、JISL0805に準拠して汚染の度合いを汚染用グレースケールで判定し、判定等級で表した。等級数が大きいほど色移行性が低く、等級数が小さくなるほど色移行性が高くなる。等級5が最も色移行性は低く、白綿布の汚染は目視では確認できない程度である。等級4.5では、白綿布の汚染が目視では少し確認できる程度である。人口酸性汗液に代えて人口アルカリ汗液及び蒸留水を用いて同様に色移行試験を行い、各試料にける等級の最低値をその試料の等級とした。
Figure 2009249783
色移行性の評価の結果、試料9,10に比して試料6〜8の方が色移行しやすく、乾燥温度を110℃以下とすることにより、色移行を抑制することができることが明らかとなった。
本発明の車両用シートの表皮材の製造方法1を示すフローチャートである。 浸漬工程及び乾燥工程を行う設備を模式的に示した図である。 摩擦による耐久性能試験の結果を示すグラフであり、高分子導電剤の付着量と体積固有抵抗値上昇率を示すグラフである。
符号の説明
10 基材
20 高分子導電剤(溶液)
26 ニップローラ
30 チャンバー

Claims (3)

  1. ポリエステル繊維を含有するファブリックを基材とする車両用シートの表皮材であって、
    前記基材に高分子導電剤が付与されており、該高分子導電剤がポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールの共重合体であることを特徴とする車両用シートの表皮材。
  2. 請求項1に記載の車両用シート表皮材であって、
    前記高分子導電剤の付着量が固形分換算で0.5g/m2以上であることを特徴とする車両用シートの表皮材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用シート表皮材であって、
    前記高分子導電剤を有効成分とする溶液に前記基材を浸漬し該浸漬により前記高分子導電剤が付与され、該基材を60〜110℃で加熱乾燥させてなる車両用シートの表皮材。
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