JP2009249724A - 基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電極部間の短絡の発生を抑制するとともに、クリーニングガスの作用による構成部品の劣化を抑制する。
【解決手段】基板を処理する処理室と、処理室内に設けられ基板を加熱するヒータと、処理室内にガスを供給するガス供給口と、ヒータを覆うように設けられ絶縁体で構成され基板を支持する支持板と、支持板の裏面よりも下方に設けられヒータに電源を投入する電極部と、電極部に接続され電源を供給する電源線と、支持板の裏面に着脱可能かつ気密に接続され、電極部と電源線を覆うことで、電極部及び電源線を処理室内の雰囲気から隔離する隔離部材と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は処理室内にガスを供給して基板を処理する基板処理装置に関する。
従来、基板処理装置は、基板を処理する処理室と、処理室内で基板を支持する支持板と、を有していた。そして、例えば、処理室内に搬入した基板を支持板により支持し、減圧された処理室内に成膜ガス等を供給することにより基板を処理していた。また、例えば、減圧された処理室内にクリーニングガス等を供給することにより処理室内をクリーニングしていた。
上述の支持板には、基板を加熱するヒータが設けられている。ヒータとしては、例えば、絶縁材で構成されたヒータ基板と、ヒータ基板の表面に設けられた抵抗加熱ヒータと、抵抗加熱ヒータの表面を覆う絶縁材からなるコーティング材と、を有するプレートヒータが用いられる。なお、かかるヒータは、抵抗加熱ヒータに電源を投入する一対の電極部を有している。電極部の一部はコーティング材の表面から露出するように構成されており、電極部の露出部分には電源を供給する電源線が接続されるように構成されている。
しかしながら、上述の基板処理装置を用いて基板上に導体膜(例えばメタル系膜等)を形成しようとすると、前記電極部周辺や電源線にも導体膜が形成されてしまい、例えば一対の電極部間で短絡が発生してしまう場合がある。
また、処理室内にクリーニングガス等を供給すると、ヒータや電源線等の構成部品の表面が、クリーニングガスの作用により劣化してしまう場合がある。
本発明は、電極部間の短絡の発生を抑制するとともに、クリーニングガスの作用による構成部品の劣化を抑制することが可能な基板処理装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、基板を処理する処理室と、前記処理室内にガスを供給するガス供給口と、前記処理室内に設けられ基板を加熱するヒータと、前記ヒータを覆うように設けられ絶縁体で構成され基板を支持する支持板と、前記支持板の裏面よりも下方に設けられ前記ヒータに電源を投入する電極部と、前記電極部に接続され電源を供給する電源線と、前記支持板の裏面に着脱可能かつ気密に接続され、前記電極部と前記電源線を覆うことで、前記電極部及び前記電源線を前記処理室内の雰囲気から隔離する隔離部材と、を有する基板処理装置が提供される。
本発明にかかる基板処理装置によれば、電極部間の短絡の発生を抑制するとともに、クリーニングガスの作用による構成部品の劣化を抑制することが可能となる。
(1)基板処理装置の構成
以下に、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の構成について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるヒータユニットの構成を示す断面概略図であり、図2は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の構成を示す断面概
略図であり、図3は、本発明の一実施形態にかかる支持板と隔離部材とが接続する様子を示す断面概略図である。また、図4は、本発明の一実施形態にかかる支持板と隔離部材との接続構造を示す断面概略図であり、(a)は支持板と隔離部材との間に封止部材が設けられている様子を、(b)は隔離部材の上端部に環状の溝構造(ラビリンス構造)が設けられている様子を、(c)は隔離部材の上端部及び支持板の裏面に環状の溝構造(ラビリンス構造)が設けられている様子を、(d)は隔離部材の内部を不活性ガスで加圧パージする様子をそれぞれ示している。
(処理室)
図2に示すとおり、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置は、例えば、枚葉式熱CVD装置として構成されている。枚葉式熱CVD装置は、シリコンウェハなどの基板1上に導電性の導体膜(例えばメタル系膜等)を形成する真空チャンバ等の処理容器7を備えており、処理容器7内には処理室8が形成されている。処理室8の側部には基板搬送口2aが設けられており、処理室8の外部にはこの基板搬送口2aを開閉するゲート弁2が設けられている。搬送ロボット(図示せず)を用いて、基板1を、ゲート弁2を開いた状態の基板搬送口2aを介して処理室8内外に搬送できるようになっている。
(ヒータユニット)
処理室8の内部には、基板1を支持する支持板としてのサセプタ6が設けられている。サセプタ6は、基板1を加熱するプレート状のヒータ5を内蔵している。サセプタ6は、絶縁体、例えば耐熱性、電気絶縁性に優れたAlN(窒化アルミニウム)などのセラミックス材料からなり、ヒータ5を覆い、ヒータ5と一体物として構成されている。
サセプタ6の裏面(基板1の支持面とは反対側の面)よりも下方側には、ヒータ5に電源を投入する一対の電極部5aと、ヒータ5の温度を測定する熱電対を接続する接続部5cと、がそれぞれ設けられている。そして、電極部5aには、電源線5bが接続され、接続部5cには、熱電対線5dがそれぞれ接続されている。なお、電源線5b及び熱電対線5dは、処理室8外に設けられた温度制御器(温度制御手段)19にそれぞれ接続されている。
サセプタ6は、隔離部材としての筒状部材6aにより、略水平姿勢になるように下方から支持されている。なお、筒状部材6aは、サセプタ6の裏面に着脱可能かつ気密に接続されている。そのため、筒状部材6a内の電極部5a、接続部5c、電源線5b、及び熱電対線5dは、処理室8内の雰囲気(例えば処理室8内に供給される各種ガス)から隔離される。
具体的には、図3に示すように、筒状部材6aは、サセプタ6の裏面に着脱容易(ジョイント容易)に接続するように構成されている。なお、電極部5aと電源線5bとの接続部分、及び接続部5cと熱電対線5dとの接続部分は、着脱が容易に行えるように、例えばソケット構造あるいはコネクタ構造となっている。
また、筒状部材6aの上端部とサセプタ6の裏面との間には、例えば図4(a)に示すように、封止部材としてのOリング6bを少なくとも1つ以上設けてもよい。また、例えば、図4(b)に示すように、筒状部材6aの上端部に環状の溝(ラビリンス構造)を設けてもよい。また、図4(c)に示すように、筒状部材6aの上端部とサセプタ6の裏面とに、互いに嵌り合うような環状の溝構造(ラビリンス構造)をそれぞれ設けてもよい。これらの構成により、筒状部材6aの上端部とサセプタ6の裏面との間の気密性を高め、処理室8内の雰囲気(処理室8内に供給された各種ガス等)が、筒状部材6a内に回り込むことを抑制することが出来る。さらには、図4(d)に示すように、筒状部材6a内に高圧の不活性ガス(例えばNガス等)を供給して筒状部材6a内をパージしてもよい。
この構成により、処理室8内の雰囲気が筒状部材6a内に回り込むことをさらに抑制することが出来る。なお、図4(a)〜(d)に示す構成を組み合わせてもよい。
主に、サセプタ6、ヒータ5、筒状部材6a等により、図1に示すヒータユニット4が構成される。ヒータユニット4は、昇降装置12によって処理室8内を昇降自在に設けられ、必要に応じて回転自在にも設けられる。ヒータユニット4は、基板搬送時は下降し、突上げピン3がサセプタ6表面より突出して、基板1を支持できるようになっている。また、成膜時は、図2に示す位置まで上昇し、突上げピン3がサセプタ表面より没入して、サセプタ6が基板1を支持するように構成されている。ヒータ5は、温度制御器(温度制御手段)19によって制御され、サセプタ6上の基板1を所定の温度に加熱するように構成されている。なお、温度制御器19は、制御装置(制御手段)としてのコントローラ60により制御されるように構成されている。
(シャワーヘッド)
処理室8の上部には、ガス供給口としてのシャワーヘッド13が設けられる。シャワーヘッド13は、これに供給されるガスを拡散させる拡散板と、拡散されたガスを分散するバッファ空間と、多数の孔を有してガスを処理室8内へシャワー状に噴射するシャワープレートと、を有する。
(排気口)
処理室8の下部には、処理室8内を排気する排気口9aが設けられている。排気口9aには排気管9が接続されている。排気管9は、圧力制御器(圧力制御手段)としてのコンダクタンス制御部10を介して、排気装置としての真空ポンプ11に接続されている。排気管9に設けたコンダクタンス制御部10をコントローラ60で制御することによって、処理室8内の圧力を調整する。
(ガス供給管)
シャワーヘッド13には、シャワーヘッド13内にガスを供給するための配管としての成膜ガス供給管14、クリーニングガス供給管18が接続されている。成膜ガス供給管14には、メタル系の液体原料を気化した原料ガスを供給する原料ガス供給管17、不活性ガスを供給する不活性ガス供給管15、反応ガスを供給する反応ガス供給管16の3本の配管がそれぞれ接続されている。各配管内を流れるガスは、成膜ガス供給管14を介してシャワーヘッド13内に供給できるようになっている。また、クリーニングガス供給管18は、成膜ガス供給管14と並列に設けられており、クリーニングガスをシャワーヘッド13内に供給できるようになっている。
不活性ガス供給管15、反応ガス供給管16、クリーニングガス供給管18は、それぞれ、開閉バルブ21、22、24、流量制御器としてのマスフローコントローラ31、32、34、開閉バルブ25、26、28を介して、不活性ガスを供給する不活性ガス供給源41、反応ガスを供給する反応ガス供給源42、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給源44に接続されている。
原料ガス供給管17は、開閉バルブ23を介してメタル系原料を気化する気化器50に接続されている。気化器50には液体原料供給管17aが接続されており、液体原料供給管17aは液体流量制御器としての液体マスフローコントローラ33、開閉バルブ27を介して、メタル系原料を供給するメタル系原料供給源43に接続されている。
(コントローラ)
開閉バルブ21、22、23、24、25、26、27、28、マスフローコントローラ31、32、34、液体マスフローコントローラ33、気化器50、温度制御器19、
コンダクタンス制御部10、真空ポンプ11、昇降装置12等、枚葉式熱CVD装置を構成する各部の動作は、コントローラ60により制御される。
(2)成膜方法、及びクリーニング方法
次に、上述したような構成の枚葉式熱CVD装置を用いて、半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として処理室8内で基板1上にメタル系膜として、例えばルテニウム(Ru)膜または酸化ルテニウム(RuO)膜を成膜する方法、および、処理室8内をクリーニングする方法について説明する。成膜方法としては、メタル系原料として常温で液体であるルテニウム有機金属液体原料としてのRu(C)((CH)C)(以下、DERと略す。)を、反応ガスとしてOガスを用いて、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、特にMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により成膜する場合について説明する。なお、DERガスのガス分子は、ルテニウム原子Ruと、ルテニウム原子Ruにそれぞれ結合している配位子h1(C)及び配位子h2((CH)C)と、から構成されている。なお、不活性ガスとしては窒素ガス(N)を用いる。また、クリーニング方法としては、クリーニングガスとしてClF
ガスを用いて、熱化学反応によりクリーニングする場合について説明する。なお、以下の説明において、枚葉式熱CVD装置を構成する各部の動作はコントローラ60により制御される。
(成膜方法)
まず、処理室8内で基板1上にルテニウム膜または酸化ルテニウム膜を成膜する方法について説明する。
ゲート弁2が開かれると、シリコン等の基板1は搬送ロボット(図示せず)により、基板搬送口2aを通して処理室8内に搬入されて、下降時のヒータユニット4上部、すなわちサセプタ6から突出している突き上げピン3上に載置される(基板搬入工程)。そして、ヒータユニット4を昇降装置12により定められた成膜位置まで上昇させて、基板1を突上げピン3からサセプタ6上に移し変える。これにより基板1がサセプタ6上に載置される(基板載置工程)。
続いて、温度制御器19によってヒータユニット4のヒータ5の温度を制御して、サセプタ6を介して基板1を一定時間加熱し、基板温度を250〜350℃に保持させる(温度安定化工程)。また、コントローラ60によってコンダクタンス制御部10を制御して、処理室8内を排気管9より排気して処理室8内の圧力値を0.1〜数十Torr(13.3〜数千Pa)に安定させる(圧力安定化工程)。この段階で、開閉バルブ22、23、24、26、27、28はコントローラ60の制御により閉としてある。また、開閉バルブ21、25は開として、処理室8内には、マスフローコントローラ31により流量制御されたNを常に供給しつつ、排気した状態としておく。
これと並行して、液体原料供給管17aの開閉バルブ27を開として、DERを液体マスフローコントローラ33により流量制御しつつ、気化器50に供給してDERを気化する。気化したDERガスは、図示しないベントラインより処理室8外へ排気するなどしておく。処理室8内の温度、圧力が安定した後、原料ガス供給管17の開閉バルブ23を開とすることで、気化器50よりDERガスを原料ガス供給管17、成膜ガス供給管14を介してシャワーヘッド13内へ供給する。同時に反応ガス供給管16の開閉バルブ22、26を開とすることで、反応ガス供給源より酸素ガスをマスフローコントローラ32により流量制御しつつ反応ガス供給管16、成膜ガス供給管14を介してシャワーヘッド13内へ供給する。シャワーヘッド13内に供給されたDERガスと酸素ガスは処理室8内にシャワー状に供給され、処理室8内を流下して基板1に接触した後、排気管9より排気さ
れる。このとき、熱CVD反応により、基板1上にルテニウム膜、または酸化ルテニウム膜が形成される(成膜工程)。
基板1上に所定膜厚のルテニウム膜、または酸化ルテニウム膜が形成された後、開閉バルブ22、23を閉とすることで、酸素ガス、DERガスの供給を停止する。その後、不活性ガス供給源41よりNガスを不活性ガス供給管15、成膜ガス供給管14、シャワーヘッド13を介して処理室8内へ供給しつつ、排気管9より排気することで、処理室8内のパージを行う(パージ工程)。
処理室8内のパージ終了後、ヒータユニット4を昇降装置12により成膜位置から搬送位置まで下降させ、下降過程で基板1をサセプタ6から突き上げピン3上に移し変える。その後、ゲート弁2を開き、基板1を、搬送ロボット(図示せず)により基板搬送口2aを通して処理室8外に搬出する。
なお、本実施の形態において、熱CVD法により、基板上にルテニウム膜、または酸化ルテニウム膜を形成する際の処理条件としては、処理温度250〜350℃、処理圧力0.1〜数十Torr(13.3〜数千Pa)、DER供給流量0.01〜0.2g/min、酸素ガス供給流量1〜1000sccmが例示され、上記処理条件範囲内で成膜条件を目的に応じて適宜決定すれば、ルテニウム膜、または酸化ルテニウム膜のいずれの成膜も可能である。
なお、上記実施形態では、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、特にMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により成膜する場合について説明したが、ALD(Atomic Layer Deposition)法により成膜するようにしてもよい。その場合、処理室内の温度、圧力を、DERガスを単独で流した場合にDERガスが熱分解しない程度の温度、圧力とし、DERガスの供給と、反応ガスの供給とを、間に不活性ガスによるパージを挟んで交互に複数回繰り返すことにより成膜する。
(クリーニング方法)
上述のように成膜を継続すると、基板1以外の処理容器7の内壁(処理室8の内壁)、ヒータユニット4の上部、すなわちサセプタ6の上面、側面や筒状部材6aの上部側面にも膜が堆積され、ある膜厚を超えると膜のストレスにより剥がれが生じる。これが原因で発生したパーティクルが基板1上に付着し歩留まり低下の原因になる。
そこで、処理室8内に付着した膜(以下、堆積物と称する。)に剥がれが生じる前に、処理室8内のクリーニングを行う。具体的には、予め、処理室8内に付着した堆積物に剥がれが生じ始める成膜回数を測定しておき、その成膜回数となる前に処理室8内のクリーニングを行う。すなわち、基板1に対する成膜を所定回数実施した後、処理室8内のクリーニングを行う。以下に、処理室内をクリーニングする方法について説明する。
ゲート弁2が開かれると、ダミー基板1aが搬送ロボット(図示せず)により、基板搬送口2aを通して処理室8内に搬入されて、下降時のヒータユニット4上部、すなわちサセプタ6から突出している突き上げピン3上に載置される(ダミー基板搬入工程)。ヒータユニット4を昇降装置12により定められたクリーニング位置まで上昇させて、ダミー基板1aを突上げピン3からサセプタ6上に移し変える。これによりダミー基板1aがサセプタ6上に載置される(ダミー基板載置工程)。なお、サセプタ6上にダミー基板1aを載置することで、クリーニングの際にサセプタ6の基板載置エリアを保護することができる。
温度制御器19によってヒータユニット4のヒータ5を制御して、処理室8内を一定時間加熱し、処理室8内の温度を250〜500℃に保持させる(温度安定化工程)。また、コントローラ60によってコンダクタンス制御部10を制御して、処理室8内を排気管9より排気して処理室内の圧力値を5〜100Torr(665〜13300Pa)に安定させる(圧力安定化工程)。この段階で開閉バルブ22、23、24、26、27、28はコントローラ60の制御により閉としてある。また、開閉バルブ21、25は開とし処理室8内には、マスフローコントローラ31により流量制御されたNガスを常に供給しつつ、排気した状態としておく。
処理室8内の温度、圧力が安定した後、クリーニングガス供給管18の開閉バルブ24、28を開とすることで、クリーニングガス供給源44からのClFガスを、マスフローコントローラ34により流量制御しつつ、クリーニングガス供給管18を介してシャワーヘッド13内へ供給する。このとき上述のようにシャワーヘッド13内へはNガスも供給される。
シャワーヘッド13内に供給されたClFガス、Nガスは、処理室8内にシャワー状に供給され、処理室8内を流下して、処理室8内のサセプタ6や、ヒータユニット4や、処理容器7の内壁等の部材に接触した後、排気管9より排気される。このとき、熱化学反応により、処理室8内に付着した堆積物が除去(エッチング)される(堆積物除去工程)。
所定時間堆積物の除去を行った後、開閉バルブ24、28を閉とすることで、ClFガスの供給を停止して、処理室8内の真空引きを実施する。このとき、排気速度が最大となるように圧力調整を行う。具体的には、コントローラ60によってコンダクタンス制御部10を制御して、処理室8内の圧力が0.1〜100Paとなるように制御する。これにより、堆積物の除去を行う際に、堆積物の表面を覆うように生成された副生成物、すなわち、RuFやRuCl等のフッ化物や塩化物を気化して除去し、堆積物の表面を露出させることができる(副生成物除去工程(堆積物表面露出工程))。なお、このとき、開閉バルブ21、25を開とした状態を維持し、処理室8内に不活性ガスを供給しつつ処理室8内を真空引きするようにしてもよいし、開閉バルブ21、25を閉じることで、処理室8内への不活性ガスの供給を停止して処理室8内を真空引きするようにしてもよい。
上記の堆積物除去工程と副生成物除去工程(堆積物表面露出工程)とを1サイクルとし、このサイクルを処理室8内に付着した堆積物が除去されるまで繰り返す。
処理室8内のクリーニング終了後、ヒータユニット4を昇降装置12によりクリーニング位置から搬送位置まで下降させ、下降過程でダミー基板1aをサセプタ6から突き上げピン3上に移し変える。その後、ゲート弁2を開き、ダミー基板1aを、搬送ロボット(図示せず)により基板搬送口2aを通して処理室8外に搬出する。
なお、本実施の形態において、処理室内をクリーニングする際の条件としては、温度;250〜500℃、堆積物除去時の圧力;5〜100Torr(665〜13300Pa)、副生成物除去時の圧力;0.1〜100Pa、ClFガス供給流量;100〜2000sccm、Nガス供給流量;100〜2000sccm、トータルクリーニング時間;30〜120分、副生成物除去時間;1〜30分、サイクル数;数〜10サイクルが例示され、それぞれの条件を、それぞれの範囲内のある値で一定に維持することでクリーニングがなされる。
(3)本発明の一実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、以下に挙げる1つ又はそれ以上の効果を奏する。
本実施形態によれば、筒状部材6a内の電極部5a、接続部5c、電源線5b、及び熱電対線5dは、筒状部材6aによって処理室8内の雰囲気(処理室8内に供給される成膜ガス)から隔離される。すなわち、電極部5a、接続部5cの周囲や、電源線5b、及び熱電対線5dの表面には、成膜ガスが接触しないためルテニウム(Ru)膜または酸化ルテニウム(RuO)膜が形成されない。したがって、ヒータ5に電力を印加する一対の電極部5a間の短絡の発生を抑制でき、基板処理装置の取り扱い時の安全性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、筒状部材6a内の電極部5a、接続部5c、電源線5b、及び熱電対線5dは、処理室8内の雰囲気(処理室8内に供給されるクリーニングガス)から隔離される。すなわち、筒状部材6a内の電極部5a、接続部5c、電源線5b、及び熱電対線5dが、クリーニングガスの作用によって劣化することを抑制でき、基板処理装置の構成部品の寿命を延ばすことができる。
また、本実施形態によれば、図4(a)〜(c)のいずれか、または、これらを組み合わせた構造によって、筒状部材6aの上端部とサセプタ6の裏面との間の気密性を高めることが出来る。また、図4(d)に示すように、筒状部材6a内に高圧の不活性ガス(例えばNガス等)を供給して筒状部材6a内を加圧パージすることで、処理室8内の雰囲気が筒状部材6a内に回り込むことを抑制できる。これにより、ヒータ5に電源を投入する一対の電極部5a間の短絡の発生をさらに抑制でき、クリーニングガスの作用による劣化をさらに抑制できる。
また、本実施形態によれば、図3に示すように、筒状部材6aは、サセプタ6の裏面に着脱容易(ジョイント容易)に接続するように構成されている。電極部5aと電源線5bとの間、及び接続部5cと熱電対線5dとの間は、着脱が容易に行えるように、例えばソケットやコネクタ等により接続されている。したがって、枚葉式熱CVD装置の組み立て工数を低減することができ、メンテナンス時間を短縮することが出来る。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の形態に限定されず、当業者にとって自明な範囲で適宜変更することが可能である。
(4)従来の基板処理装置の構成
なお、従来の基板処理装置の構成について、図5〜図8を用いて参考までに説明する。図5は、従来のヒータ周辺の構成を示す断面概略図であり、図6は、従来の基板処理装置の構成を示す断面概略図であり、図7は、従来のヒータの構成を示す断面概略図であり、図8は、従来のヒータ上に導体膜が形成された様子を示す断面概略図である。
図6に示すとおり、従来の基板処理装置は、例えば、枚葉式熱CVD装置として構成されている。従来の基板処理装置が上述の本実施形態にかかる基板処理装置と異なる点は、ヒータユニット100の構成である。その他の構成は、本実施形態にかかる基板処理装置と同様である。
図5に示すとおり、従来の基板処理装置が有するヒータユニット100は、支持板として構成されたサセプタ101と、サセプタ101の下方に設けられたヒータ103と、サセプタ101及びヒータ103を下方から支持する固定プレート102と、を有している。
図7に示すとおり、ヒータ103は、絶縁材で構成されたヒータ基板103aと、ヒータ基板の表面に設けられた抵抗加熱ヒータ103bと、抵抗加熱ヒータ103bの表面を
覆う絶縁材からなるコーティング材103cと、を有するプレートヒータとして構成されている。また、ヒータ103には、抵抗加熱ヒータ103bに電源を投入する一対の電極部103d及びヒータ5の温度を測定する熱電対を接続する接続部103eが、ヒータ基板103a、抵抗加熱ヒータ103b、及びコーティング材103cをそれぞれ貫通するように設けられている。電極部103d及び接続部103eの上端部は、コーティング材103cの表面に露出するとともに、電極部103d及び接続部103eの下端部は、ヒータ基板103aの裏面から突出するように構成されている。ヒータ基板103aの裏面から突出した電極部103d,接続部103eの下端部には、電源を供給する電源線5b及び熱電対線5dがそれぞれ接続される。
なお、従来の基板処理装置は、本実施形態にかかる基板処理装置とは異なり、ヒータ103の周囲が絶縁体で覆われておらず、また、サセプタ101の裏面(ヒータ103の裏面)よりも下方側の周囲が筒状部材6aにより覆われていない。すなわち、コーティング材103cの表面、ヒータ基板103aの裏面、電極部103d及び接続部103e、電源線5b、及び熱電対線5d等は、処理室8内の雰囲気(処理室8内に供給される成膜ガスやクリーニングガス)から隔離されていない。
したがって、上記の基板処理装置を用いて成膜処理を行うと、図8に示すように、例えばコーティング材103cの表面から露出している一対の電極部103d,103dの周囲にもメタル系膜が形成されてしまい、ヒータ103に電源を投入する一対の電極部103d,103d間の短絡が発生する可能性がある。また、図示はしていないが、ヒータ基板103aの裏面、電源線5bの表面等にもメタル系膜が形成され、ヒータ103に電源を投入する一対の電極部103d,103d間の短絡が発生する可能性もある。
また、上記の基板処理装置を用いてクリーニング処理を行うと、クリーニングガスの作用により、コーティング材103cの表面、ヒータ基板103aの裏面、電極部103d、接続部103e、電源線5b、及び熱電対線5d等が劣化する可能性がある。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
本発明の一態様によれば、基板を処理する処理室と、前記処理室内にガスを供給するガス供給口と、前記処理室内に設けられ基板を加熱するヒータと、前記ヒータを覆うように設けられ絶縁体で構成され基板を支持する支持板と、前記支持板の裏面よりも下方に設けられ前記ヒータに電源を投入する電極部と、前記電極部に接続され電源を供給する電源線と、前記支持板の裏面に着脱可能かつ気密に接続され、前記電極部と前記電源線を覆うことで、記電極部及び前記電源線を前記処理室内の雰囲気から隔離する隔離部材と、を有する基板処理装置が提供される。
好ましくは、前記支持板の裏面と前記隔離部材との間には封止部材が設けられる。
さらに好ましくは、前記ヒータには熱電対が接続され、前記熱電対線は前記支持板の裏面よりも下方であって、前記隔離部材の内部に収納される。
また、好ましくは、前記処理室内に成膜ガスを供給して基板上にメタル膜を成膜するように制御するコントローラを有する。
また、好ましくは、前記処理室内にクリーニングガスを供給して前記処理室内をクリーニングするように制御するコントローラを有する。
本発明の他の態様によれば、上述した基板処理装置の処理室内に処理ガスを供給して基板を処理する工程を有する半導体装置の製造方法が提供される。
また、好ましくは、上述した基板処理装置の処理室内に処理ガスを供給して基板を処理する工程と、前記処理室内にクリーニングガスを供給して前記処理室内をクリーニングする工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態にかかるヒータユニットの構成を示す断面概略図である。 本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の構成を示す断面概略図である。 本発明の一実施形態にかかる支持板と隔離部材とが接続する様子を示す断面概略図である。 本発明の一実施形態にかかる発明の一実施形態にかかる支持板と隔離部材との接続構造を示す断面概略図であり、(a)は支持板と隔離部材との間に封止部材が設けられている様子を、(b)は隔離部材の上端部に環状の溝構造(ラビリンス構造)が設けられている様子を、(c)は隔離部材の上端部及び支持板の裏面に環状の溝構造(ラビリンス構造)が設けられている様子を、(d)は隔離部材の内部を不活性ガスで加圧パージする様子をそれぞれ示している。 従来のヒータ周辺の構成を示す断面概略図である。 従来の基板処理装置の構成を示す断面概略図である。 従来のヒータの構成を示す断面概略図である。 従来のヒータ上に導体膜が形成された様子を示す断面概略図である。
符号の説明
1 基板
1a ダミー基板
2 ゲート弁
2a 基板搬送口
3 ピン
4 ヒータユニット
5 ヒータ
5a 電極部
5b 電源線
5c 電極部
5d 熱電対線
6 サセプタ(支持板)
6a 筒状部材(隔離部材)
6b Oリング(封止部材)
8 処理室
60 コントローラ

Claims (1)

  1. 基板を処理する処理室と、
    前記処理室内にガスを供給するガス供給口と、
    前記処理室内に設けられ基板を加熱するヒータと、
    前記ヒータを覆うように設けられ絶縁体で構成され基板を支持する支持板と、
    前記支持板の裏面よりも下方に設けられ前記ヒータに電源を投入する電極部と、
    前記電極部に接続され電源を供給する電源線と、
    前記支持板の裏面に着脱可能かつ気密に接続され、前記電極部と前記電源線を覆うことで、前記電極部及び前記電源線を前記処理室内の雰囲気から隔離する隔離部材と、
    を有することを特徴とする基板処理装置。
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