JP2009249440A - アルコキシシリル基含有重合体、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、アルコキシシリル基含有ビニル単量体のみをモノマー成分とする重合体、及びその製造方法に関する。この重合体は、塗料などのコーティング材料や接着剤等のベースポリマー等として有用である。
従来、熱や光により硬化して硬化塗膜を形成しうる組成物として、側鎖にエポキシ基を有する重合体を含む硬化性樹脂組成物、側鎖にイソシアネート基を有する重合体を含む硬化性樹脂組成物、アルコキシシラン基を含む重合体に、酸、塩基、有機金属触媒等を添加した硬化性樹脂組成物などが知られている。しかし、これらの硬化性樹脂組成物から得られる硬化塗膜では、硬化性、基材への密着性、耐薬品性、保存安定性等の要求性能をすべて満足させることはできない。
特開2007−223825号公報には、シランカップリング基等の反応性基を末端に有する高分子化合物と加水分解性の金属アルコキシド化合物とを含有する親水性塗布液組成物を調製し、それをガラス基板の表面に塗布、乾燥して表面親水性層を形成した耐熱ガラスが開示されている。
この耐熱ガラスは、親水性を保持し、耐久性、透明性、保存安定性に優れた表面親水性層を備え、耐久性のある防汚性、防曇性を有するとされている。しかしながら、モノマー成分が複雑で、入手し難い単量体を用いる必要などがあった。
本発明の目的は、モノマー成分がシンプルで、入手し易い単量体を用いて、耐薬品性、特に耐溶剤性に優れるとともに、基材に対する密着性に優れた硬化物が得られる重合体を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、アルコキシシリル基含有ビニル単量体のみをモノマー成分とする重合体であって、重量平均分子量が700〜5000であるアルコキシシリル基含有重合体からなる硬化性樹脂組成物を基材に塗布して硬化させると、耐薬品性、特に耐溶剤性に優れるとともに、基材に対する密着性に優れた硬化物の塗膜が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(I)
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜7のアルキル基を示し、Aは単結合又は2価の炭化水素基を示す。R2及びR3は同一又は異なった炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシル基を、R4は炭素数1〜6のアルキル基をそれぞれ示す。xは0又は1であり、yは1〜10の整数である)
で表される、一種又は複数種のアルコキシシリル基含有ビニル単量体のみをモノマー成分とする重合体であって、重量平均分子量が700〜5000である、アルコキシシリル基含有重合体を提供する。
で表される、一種又は複数種のアルコキシシリル基含有ビニル単量体のみをモノマー成分とする重合体であって、重量平均分子量が700〜5000である、アルコキシシリル基含有重合体を提供する。
これにより、耐溶剤性に優れるとともに、基材や基板に対して高い密着性を有し、硬化性及び保存安定性にも優れた重合体が得られる。本発明のアルコキシシリル基含有重合体は、硬化性及び保存安定性にも優れている。
また、本発明では、下記式(I)
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜7のアルキル基を示し、Aは単結合又は2価の炭化水素基を示す。R2及びR3は同一又は異なった炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシル基を、R4は炭素数1〜6のアルキル基をそれぞれ示す。xは0又は1であり、yは1〜10の整数である)
で表される、一種又は複数種のアルコキシシリル基含有ビニル単量体のみからなるモノマー成分を重合に付して、重量平均分子量が700〜5000であるアルコキシシリル基含有重合体を得ることを特徴とする、アルコキシシリル基含有重合体の製造方法を提供する。
で表される、一種又は複数種のアルコキシシリル基含有ビニル単量体のみからなるモノマー成分を重合に付して、重量平均分子量が700〜5000であるアルコキシシリル基含有重合体を得ることを特徴とする、アルコキシシリル基含有重合体の製造方法を提供する。
本発明の上記アルコキシシリル基含有重合体の製造方法によれば、モノマー成分がシンプルで、入手し安い単量体を用いて、耐溶剤性に優れるとともに、基材や基板に対して高い密着性を有し、硬化性及び保存安定性にも優れた分子量が700〜5000である低分子量の重合体を再現性良く製造できる。
本発明のアルコキシシリル基含有重合体からなる硬化性樹脂組成物を基材に塗布し、加熱、あるいは活性エネルギー線を照射し露光すること、又は露光後に加熱して硬化させることにより、耐薬品性、特に耐溶剤性に優れるとともに、基材に対する密着性に優れた硬化物(硬化皮膜等)を得ることができる。
本発明のアルコキシシリル基含有重合体は、下記式(I)
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜7のアルキル基を示し、Aは単結合又は2価の炭化水素基を示す。R2及びR3は同一又は異なった炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシル基を、R4は炭素数1〜6のアルキル基をそれぞれ示す。xは0又は1であり、yは1〜10の整数である)
で表される、一種又は複数種のアルコキシシリル基含有ビニル単量体のみをモノマー成分とする重合体であって、重量平均分子量が700〜5000である、アルコキシシリル基含有重合体であることを特徴とする。
で表される、一種又は複数種のアルコキシシリル基含有ビニル単量体のみをモノマー成分とする重合体であって、重量平均分子量が700〜5000である、アルコキシシリル基含有重合体であることを特徴とする。
本発明のアルコキシシリル基含有ビニル単量体のみをモノマー成分とする重合体の重量平均分子量は700〜5000であり、好ましくは700〜4000程度、さらに好ましくは2000〜4000程度、特に好ましくは2500〜4000程度である。このような重合体からなる硬化性樹脂組成物を熱や活性エネルギー線により硬化させた場合に、諸物性、特に基材密着性、硬度、耐薬品性、及び耐熱性(耐熱変形性)などに優れた硬化物が得られる。重量平均分子量が5000超の場合には、重合体からなる硬化性樹脂組成物を硬化した時の基材密着性が悪くなる。
また、前記アルコキシシリル基含有ビニル単量体を含む重合体で、重量平均分子量が5000以下であっても、アルコキシシリル基含有ビニル単量体のみをモノマー成分とする重合体でなく、前記アルコキシシリル基含有ビニル単量体以外の単量体をモノマー成分として含む重合体では、この重合体からなる硬化性樹脂組成物を硬化した時の基材密着性が悪くなる。アルコキシシリル基含有ビニル単量体は架橋性のモノマーであるが、架橋性のモノマーであっても、アルコキシシリル基含有ビニル単量体以外の架橋性の官能基を有するモノマーを混合して用いた場合には、この重合体からなる硬化性樹脂組成物を硬化した時に優れた基材密着性が得られない。
また、本発明のアルコキシシリル基含有ビニル単量体のみからなる重合体の分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、例えば1〜3、好ましくは2.1〜2.6である。分散度が大きくなると、高分子量成分が増え、アルコキシシリル基含有重合体を基材に塗布して硬化した時に、優れた基材密着性が得られない。
本発明においてアルコキシシリル基含有重合体とは、実質的に単一の化合物からなるものであっても良いし、上記式(I)で表される複数種の化合物の混合物からなるものであっても良い。また、本明細書において重合体と言うときは、2量体、3量体も含む、2量体以上の化合物を言う。
また、本発明のアルコキシシリル基含有重合体の合成反応において、重合開始剤、及び/又は連鎖移動剤を使用してもよいが、本明細書において単量体、モノマー成分と言うときは、反応に使用される重合開始剤、連鎖移動剤、及びそれらの分解物などは含まない。
[アルコキシシリル基含有ビニル単量体]
アルコキシシリル基含有ビニル単量体において、式(I)中、R1によって表される炭素数1〜7のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル基等のアルキル基が挙げられるが、R1は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
アルコキシシリル基含有ビニル単量体において、式(I)中、R1によって表される炭素数1〜7のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル基等のアルキル基が挙げられるが、R1は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
これにより、重合物を硬化して得られる硬化物の基材密着性、硬度、耐薬品性、及び耐熱性(耐熱変形性)などを優れたものとできるとともに、硬化物の透明性を特に高いものとすることができる。
式(I)中、Aによって表される2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等などの直鎖または分枝鎖状のアルキレン基などが挙げられる。これらのうち、特に、メチレン、エチレン、プロピレン基などの炭素数1〜3の直鎖または分枝鎖状アルキレン基が好ましい。
式(I)中、R2、R3及びR4によって示される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。これらのなかでも、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基等の炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が好ましい。
R2及びR3によって示される炭素数1〜6のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ基等の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシル基が挙げられる。
式(I)中で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシブチルフェニルジエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有重合性不飽和化合物等が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<重合体の製造方法>
本発明のアルコキシシリル基含有重合体の製造方法は、下記式(I)
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜7のアルキル基を示し、Aは単結合又は2価の炭化水素基を示す。R2及びR3は同一又は異なった炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシル基を、R4は炭素数1〜6のアルキル基をそれぞれ示す。xは0又は1であり、yは1〜10の整数である)
で表される、一種又は複数種のアルコキシシリル基含有ビニル単量体のみからなるモノマー成分を重合に付して、重量平均分子量が700〜5000であるアルコキシシリル基含有重合体を得ることを特徴とする。
本発明のアルコキシシリル基含有重合体の製造方法は、下記式(I)
で表される、一種又は複数種のアルコキシシリル基含有ビニル単量体のみからなるモノマー成分を重合に付して、重量平均分子量が700〜5000であるアルコキシシリル基含有重合体を得ることを特徴とする。
本発明のアルコキシシリル基含有重合体は、上述の単量体成分を、重合溶媒中において重合反応させることにより合成できる。本発明のアルコキシシリル基含有重合体の合成には、必要に応じて、重合開始剤、連鎖移動剤を用いることができる。
本発明のアルコキシシリル基含有重合体の製造方法では、アルコキシシリル基含有重合体の重量平均分子量を、重合開始剤の種類や量、連鎖移動剤の種類や量により調整できる。
本発明の上記アルコキシシリル基含有重合体の製造方法では、好ましくは、重合に供する単量体は、上記式(I)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体の、一種の化合物、又は複数種の化合物の混合物のみとし、且つ、好ましくは、重合開始剤の使用量を、全単量体成分100重量部に対して、例えば7〜30重量部程度、好ましくは10〜25重量部程度、より好ましくは10〜20重量部程度とする。これにより、アルコキシシリル基含有ビニル単量体のみをモノマー成分とする重合体であって、重量平均分子量が700〜5000である低分子量の重合体を再現性良く製造できる。
重合に供する単量体を、上記式(I)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体の、単一の化合物、又は複数種の化合物の混合物のみとせず、上記式(I)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体以外の単量体を含めた場合には、上記式(I)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体のみからなる重合体が得られない。このような重合体からなる硬化性樹脂組成物を硬化したときには、基材との密着性が悪くなる。アルコキシシリル基含有ビニル単量体は架橋性のモノマーであるが、架橋性のモノマーであっても、アルコキシシリル基含有ビニル単量体以外の架橋性の官能基を有するモノマーを混合して反応させた重合体では、この重合体からなる硬化性樹脂組成物を基材に塗布し硬化した時に、優れた基材密着性が得られない。
重合開始剤の使用量が全単量体成分100重量部に対して、7重量部未満の場合には、得られる重合体の重量平均分子量が5000を超える場合が多く、この重合体からなる硬化性樹脂組成物を硬化したときに、基材との密着性が悪くなる。また、得られる重合体の分散度が2.6を超えて、高分子成分が多くなることが多く、この重合体からなる硬化性樹脂組成物を基材に塗布して硬化したときに、基材との密着性が悪くなる。また、重合開始剤の使用量が全単量体成分100重量部に対して、30重量部超の場合には、反応終了後の系内の残留開始剤量が多くなるため、この重合体からなる硬化性樹脂組成物を基材に塗布して硬化したときに塗膜の耐溶剤性が低下する。また、加熱によって重合開始剤を分解処理すると、その加熱により高分子量の樹脂が生成し、結果としてこの重合体からなる硬化性樹脂組成物を基材に塗布して硬化したときに基材との密着性が悪くなる。
重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合、乳化重合など、スチレン系ポリマーやアクリル系ポリマーを製造する際に用いる慣用の方法により行うことができる。これらのなかでも溶液重合が好ましい。モノマー、重合開始剤は、それぞれ、反応系に一括供給してもよく、その一部又は全部を反応系に滴下してもよい。例えば、一定温度に保持したモノマーと重合溶媒の混合液中に、重合開始剤を重合溶媒に溶解した溶液を滴下して重合する方法や、予め単量体、重合開始剤を重合溶媒に溶解させた溶液を、一定温度に保持した重合溶媒中に滴下して重合する方法(滴下重合法)などを採用できる。
[重合開始剤]
重合に用いられる重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤が使用できる。例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、ジエチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジブチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクトエート,1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、過酸化水素などが挙げられる。過酸化物をラジカル重合開始剤として使用する場合、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。上記のなかでもアゾ化合物が好ましく、特に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、t−ブチルパーオキシオクトエートが好ましい。
重合に用いられる重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤が使用できる。例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、ジエチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジブチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクトエート,1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、過酸化水素などが挙げられる。過酸化物をラジカル重合開始剤として使用する場合、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。上記のなかでもアゾ化合物が好ましく、特に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、t−ブチルパーオキシオクトエートが好ましい。
[連鎖移動剤]
本発明においては、ラジカル重合において一般的に使用されている連鎖移動剤を併用してもよい。具体例としては、チオール類(n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、トリエチレングリコールジメルカプタン等)、チオール酸類(β−メルカプトプロピオン酸、チオ安息香酸、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、メルカプト酢酸2−エチルヘキシル等)、アミン類(ジブチルアミン等)、次亜燐酸塩類(次亜燐酸ナトリウム等)、α−メチルスチレンダイマー、タービノーレン、ミルセン、リモネン、α−ピネン、β−ピネン等を挙げることができる。
本発明においては、ラジカル重合において一般的に使用されている連鎖移動剤を併用してもよい。具体例としては、チオール類(n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、トリエチレングリコールジメルカプタン等)、チオール酸類(β−メルカプトプロピオン酸、チオ安息香酸、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、メルカプト酢酸2−エチルヘキシル等)、アミン類(ジブチルアミン等)、次亜燐酸塩類(次亜燐酸ナトリウム等)、α−メチルスチレンダイマー、タービノーレン、ミルセン、リモネン、α−ピネン、β−ピネン等を挙げることができる。
連鎖移動剤を使用する場合は、全単量体成分100重量部に対して、連鎖移動剤0.001〜7重量部を使用するのが好ましい。この場合に、連鎖移動剤は予め溶媒などに混合させておくことが好ましい。
[重合溶媒]
重合溶媒は単量体組成等に応じて適宜選択できる。重合溶媒として、例えば、エーテル(ジエチルエーテル;エチレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノ又はジアリールエーテル、ジプロピレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、1,3−プロパンジオールモノ又はジアルキルエーテル、1,3−ブタンジオールモノ又はジアルキルエーテル、1,4−ブタンジオールモノ又はジアルキルエーテル、グリセリンモノ,ジ又はトリアルキルエーテル等のグリコールエーテル類などの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルなど)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、C5-6シクロアルカンジオールモノ又はジアセテート、C5-6シクロアルカンジメタノールモノ又はジアセテート等のカルボン酸エステル類;エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ又はジアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ又はジアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ又はジアセテート、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ又はジアセテート、1,3−プロパンジオールモノアルキルエーテルアセテート、1,3−プロパンジオールモノ又はジアセテート、1,3−ブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート、1,3−ブタンジオールモノ又はジアセテート、1,4−ブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート、1,4−ブタンジオールモノ又はジアセテート、グリセリンモノ,ジ又はトリアセテート、グリセリンモノ又はジC1-4アルキルエーテルジ又はモノアセテート、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノ又はジアセテート等のグリコールアセテート類又はグリコールエーテルアセテート類など)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オンなど)、アミド(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、C5-6シクロアルカンジオール、C5-6シクロアルカンジメタノールなど)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素など)、これらの混合溶媒などが挙げられる。重合温度は、例えば30〜150℃程度の範囲で適宜選択できる。
重合溶媒は単量体組成等に応じて適宜選択できる。重合溶媒として、例えば、エーテル(ジエチルエーテル;エチレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノ又はジアリールエーテル、ジプロピレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、1,3−プロパンジオールモノ又はジアルキルエーテル、1,3−ブタンジオールモノ又はジアルキルエーテル、1,4−ブタンジオールモノ又はジアルキルエーテル、グリセリンモノ,ジ又はトリアルキルエーテル等のグリコールエーテル類などの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルなど)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、C5-6シクロアルカンジオールモノ又はジアセテート、C5-6シクロアルカンジメタノールモノ又はジアセテート等のカルボン酸エステル類;エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ又はジアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ又はジアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ又はジアセテート、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ又はジアセテート、1,3−プロパンジオールモノアルキルエーテルアセテート、1,3−プロパンジオールモノ又はジアセテート、1,3−ブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート、1,3−ブタンジオールモノ又はジアセテート、1,4−ブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート、1,4−ブタンジオールモノ又はジアセテート、グリセリンモノ,ジ又はトリアセテート、グリセリンモノ又はジC1-4アルキルエーテルジ又はモノアセテート、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノ又はジアセテート等のグリコールアセテート類又はグリコールエーテルアセテート類など)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オンなど)、アミド(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、C5-6シクロアルカンジオール、C5-6シクロアルカンジメタノールなど)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素など)、これらの混合溶媒などが挙げられる。重合温度は、例えば30〜150℃程度の範囲で適宜選択できる。
アルコール類(イソプロピルアルコール等)は、連鎖移動剤の機能も有する。
こうして得られる重量平均分子量が特定範囲のアルコキシシリル基含有重合体を含む溶液は、必要に応じて、溶媒交換したり、適宜な添加剤等を添加することにより、塗料、接着剤等として使用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<重量平均分子量及び分散度の測定>
下記の実施例及び比較例に示す方法により生成した重合体の重量平均分子量(ポリスチレン換算)及び分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、以下の条件にて測定した。
装置:検出器:RID−10A(島津製作所)
ポンプ:LC−10ADVP(島津製作所)
システムコントローラー:SCL−10AVP(島津製作所)
デガッサー:DGU−14A(島津製作所)
オートインジェクター:SIL−10AF(島津製作所)
カラム:Waters Styragel HR3,
Styragel HR4,
Styragel HR5 計3本
移動相:THF
流量:1mL/min
温度:オーブン(40℃)、RI(40℃)
検出器:RI POLARITY(+)
注入量:50μL
下記の実施例及び比較例に示す方法により生成した重合体の重量平均分子量(ポリスチレン換算)及び分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、以下の条件にて測定した。
装置:検出器:RID−10A(島津製作所)
ポンプ:LC−10ADVP(島津製作所)
システムコントローラー:SCL−10AVP(島津製作所)
デガッサー:DGU−14A(島津製作所)
オートインジェクター:SIL−10AF(島津製作所)
カラム:Waters Styragel HR3,
Styragel HR4,
Styragel HR5 計3本
移動相:THF
流量:1mL/min
温度:オーブン(40℃)、RI(40℃)
検出器:RI POLARITY(+)
注入量:50μL
実施例1
<アルコキシシランAのホモポリマー>
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100重量部を入れ、撹拌しながら90℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(A:東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030)80重量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20重量部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。
<アルコキシシランAのホモポリマー>
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100重量部を入れ、撹拌しながら90℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(A:東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030)80重量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20重量部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。
一方、重合開始剤2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量部に溶解した溶液を別の滴下ポンプを用いて約4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の滴下が終了した後、約4時間同温度に保持し、その後室温まで冷却して、固形分33.4重量%のアルコキシシリル基含有重合体溶液を得た。生成したアルコキシシリル基含有重合体の重量平均分子量Mwは3500、分散度2.50であった。
実施例2
<アルコキシシランBのホモポリマーの例>
単量体組成を、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(B:東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6036)80重量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分33.4重量%のアルコキシシリル基含有重合体溶液を得た。生成したアルコキシシリル基含有重合体の重量平均分子量Mwは3600、分散度2.55であった。
<アルコキシシランBのホモポリマーの例>
単量体組成を、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(B:東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6036)80重量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分33.4重量%のアルコキシシリル基含有重合体溶液を得た。生成したアルコキシシリル基含有重合体の重量平均分子量Mwは3600、分散度2.55であった。
実施例3
<アルコキシシランAとBのポリマーの例>
単量体組成を、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40重量部、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン40重量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分33.4重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは3500、分散度2.55であった。
<アルコキシシランAとBのポリマーの例>
単量体組成を、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40重量部、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン40重量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分33.4重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは3500、分散度2.55であった。
実施例4
<実施例1の重合開始剤を変更した例>
重合開始剤を、t-ブチルパーオキシオクトエート(日本油脂株式会社製、商品名パーブチルO)15重量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分33.0重量%のアルコキシシリル基含有重合体溶液を得た。生成したアルコキシシリル基含有重合体の重量平均分子量Mwは3600、分散度2.55であった。
<実施例1の重合開始剤を変更した例>
重合開始剤を、t-ブチルパーオキシオクトエート(日本油脂株式会社製、商品名パーブチルO)15重量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分33.0重量%のアルコキシシリル基含有重合体溶液を得た。生成したアルコキシシリル基含有重合体の重量平均分子量Mwは3600、分散度2.55であった。
実施例5
<実施例2で連鎖移動剤を使用した例>
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100重量部を入れ、撹拌しながら90℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030)80重量部、連鎖移動剤n−オクチルメルカプタン1重量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20重量部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。
<実施例2で連鎖移動剤を使用した例>
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100重量部を入れ、撹拌しながら90℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030)80重量部、連鎖移動剤n−オクチルメルカプタン1重量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20重量部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。
一方、重合開始剤2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量部に溶解した溶液を別の滴下ポンプを用いて約4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の滴下が終了した後、約4時間同温度に保持し、その後室温まで冷却して、固形分33.4重量%のアルコキシシリル基含有重合体溶液を得た。生成したアルコキシシリル基含有重合体の重量平均分子量Mwは2700、分散度2.50であった。
実施例6
<実施例5の連鎖移動剤を変更した例>
連鎖移動剤を、メルカプト酢酸2-エチルヘキシル1重量部に変更する以外は、実施例5と同様の操作を行い、固形分33.5重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは2800、分散度2.51であった。
<実施例5の連鎖移動剤を変更した例>
連鎖移動剤を、メルカプト酢酸2-エチルヘキシル1重量部に変更する以外は、実施例5と同様の操作を行い、固形分33.5重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは2800、分散度2.51であった。
実施例7
<実施例5の連鎖移動剤を変更した例>
連鎖移動剤を、βメルカプトプロピオン酸1重量部に変更する以外は、実施例5と同様の操作を行い、固形分33.9重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは3000、分散度2.53であった。
<実施例5の連鎖移動剤を変更した例>
連鎖移動剤を、βメルカプトプロピオン酸1重量部に変更する以外は、実施例5と同様の操作を行い、固形分33.9重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは3000、分散度2.53であった。
実施例8
<実施例5の連鎖移動剤を変更した例>
連鎖移動剤を、αメチルスチレンダイマー1重量部に変更する以外は、実施例5と同様の操作を行い、固形分33.0重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは3000、分散度2.51であった。
<実施例5の連鎖移動剤を変更した例>
連鎖移動剤を、αメチルスチレンダイマー1重量部に変更する以外は、実施例5と同様の操作を行い、固形分33.0重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは3000、分散度2.51であった。
実施例9
<実施例5の溶剤をIPAに変更(連鎖移動剤代わり)した例>
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、イソプロピルアルコール100重量部を入れ、撹拌しながら80℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030)80重量部を、イソプロピルアルコール20重量部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。
<実施例5の溶剤をIPAに変更(連鎖移動剤代わり)した例>
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、イソプロピルアルコール100重量部を入れ、撹拌しながら80℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030)80重量部を、イソプロピルアルコール20重量部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。
一方、重合開始剤2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル15重量部をイソプロピルアルコール40重量部に溶解した溶液を別の滴下ポンプを用いて約4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の滴下が終了した後、約4時間同温度に保持し、その後室温まで冷却して、固形分33.4重量%のアルコキシシリル基含有重合体溶液を得た。生成したアルコキシシリル基含有重合体の重量平均分子量Mwは3100、分散度2.55であった。
比較例1
<実施例1で重合開始剤の使用量を変更した例>
重合開始剤2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを5重量部用いた以外は、実施例1と同じ操作を行い、固形分33.7重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは11000、分散度2.61であった。
<実施例1で重合開始剤の使用量を変更した例>
重合開始剤2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを5重量部用いた以外は、実施例1と同じ操作を行い、固形分33.7重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは11000、分散度2.61であった。
比較例2
<実施例2で重合開始剤の使用量を変更した例>
重合開始剤2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを5重量部用いた以外は、実施例2と同じ操作を行い、固形分33.7重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは12000、分散度2.62であった。
<実施例2で重合開始剤の使用量を変更した例>
重合開始剤2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを5重量部用いた以外は、実施例2と同じ操作を行い、固形分33.7重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは12000、分散度2.62であった。
比較例3
<実施例3で重合開始剤の使用量を変更した例>
重合開始剤2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを5重量部用いた以外は、実施例3と同じ操作を行い、固形分33.7重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは11000、分散度2.62であった。
<実施例3で重合開始剤の使用量を変更した例>
重合開始剤2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを5重量部用いた以外は、実施例3と同じ操作を行い、固形分33.7重量%の重合体溶液を得た。生成した重合体の重量平均分子量Mwは11000、分散度2.62であった。
比較例4
<実施例1でアルコキシシラン以外のモノマーを使用した例>
単量体組成を、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(ダイセル化学工業株式会社製、商品名サイクロマーM100)80重量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分33.4重量%の共重合体溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは2800、分散度2.05であった。
<実施例1でアルコキシシラン以外のモノマーを使用した例>
単量体組成を、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(ダイセル化学工業株式会社製、商品名サイクロマーM100)80重量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分33.4重量%の共重合体溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは2800、分散度2.05であった。
比較例5
<実施例1でアルコキシシラン以外のモノマーを使用した例>
単量体組成を、グリシジルメタクリレート(日本油脂株式会社製、商品名ブレンマーG)80重量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分33.3重量%の共重合体溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは2800、分散度2.03であった。
<実施例1でアルコキシシラン以外のモノマーを使用した例>
単量体組成を、グリシジルメタクリレート(日本油脂株式会社製、商品名ブレンマーG)80重量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分33.3重量%の共重合体溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは2800、分散度2.03であった。
比較例6
<比較例4で重合開始剤の使用量を変更した例>
重合開始剤2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを5重量部用いた以外は、比較例4と同じ操作を行い、固形分33.7重量%の共重合体溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは10000、分散度2.41であった。
<比較例4で重合開始剤の使用量を変更した例>
重合開始剤2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを5重量部用いた以外は、比較例4と同じ操作を行い、固形分33.7重量%の共重合体溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは10000、分散度2.41であった。
比較例7
単量体組成を、メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(昭和電工株式会社製、商品名カレンズMOI−BM)80重量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分33.1重量%の共重合体溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは2800、分散度1.68であった。
単量体組成を、メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(昭和電工株式会社製、商品名カレンズMOI−BM)80重量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分33.1重量%の共重合体溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは2800、分散度1.68であった。
<硬化物の作製>
基材に、各実施例及び比較例で得られた重合体溶液又は共重合体溶液をスピンコーターで塗布したのち、100℃のホットプレートで3分間加熱後、80℃のオーブン中で30分間加熱し、さらに220℃のオーブン中で30分間加熱することにより各実施例及び比較例の硬化物を作製した。基材として、ガラス板とステンレス板を用いた。
基材に、各実施例及び比較例で得られた重合体溶液又は共重合体溶液をスピンコーターで塗布したのち、100℃のホットプレートで3分間加熱後、80℃のオーブン中で30分間加熱し、さらに220℃のオーブン中で30分間加熱することにより各実施例及び比較例の硬化物を作製した。基材として、ガラス板とステンレス板を用いた。
<鉛筆硬度の評価試験>
上記の方法により作製した硬化物を評価用試験片として用い、密着性の評価試験を行った。実施例及び比較例において、ガラス板で作製した評価用試験片に対し、JIS K−5600−5−4に準拠し鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。なお、ステンレス板で作製した評価用試験片を用いた場合も同様の評価結果が得られた。
上記の方法により作製した硬化物を評価用試験片として用い、密着性の評価試験を行った。実施例及び比較例において、ガラス板で作製した評価用試験片に対し、JIS K−5600−5−4に準拠し鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。なお、ステンレス板で作製した評価用試験片を用いた場合も同様の評価結果が得られた。
<耐溶剤性の評価試験>
上記の方法により作製した硬化物を評価用試験片として用い、耐溶剤性の評価試験を行った。実施例及び比較例において、ガラス板で作製した評価用試験片へ、エタノール、メチルエチルケトン(MEK)をそれぞれ1滴ずつ滴下し、10分間放置した。その後水洗し、溶剤を滴下した箇所が全く変化していなかったら◎、僅かに溶剤の跡が残るが、拭き取れば消えるようであれば○、溶剤の跡が残り、拭き取っても消えないようであれば△、全面的に変色していたら×とした。結果を表1に示す。
上記の方法により作製した硬化物を評価用試験片として用い、耐溶剤性の評価試験を行った。実施例及び比較例において、ガラス板で作製した評価用試験片へ、エタノール、メチルエチルケトン(MEK)をそれぞれ1滴ずつ滴下し、10分間放置した。その後水洗し、溶剤を滴下した箇所が全く変化していなかったら◎、僅かに溶剤の跡が残るが、拭き取れば消えるようであれば○、溶剤の跡が残り、拭き取っても消えないようであれば△、全面的に変色していたら×とした。結果を表1に示す。
<密着性の評価試験>
上記の方法により作製した硬化物を評価用試験片として用い、密着性の評価試験を行った。実施例及び比較例の重合体溶液又は共重合体溶液から作製した硬化物について、耐溶剤性試験を実施した箇所に対して、JIS K−5600−5−6に準拠し、基材からの剥離により密着性を測定した。JIS K5600−5−6 8.3 表1 試験結果の分類の「0」であれば◎、「1」であれば○、「2」であれば△、「3」もしくは「4」であれば×とした。結果を表1に示す。なお、比較例1、2、3、及び6については、切込みを入れると塗膜が割れ、カットの淵に沿って部分的な剥離が生じたため××とした。
上記の方法により作製した硬化物を評価用試験片として用い、密着性の評価試験を行った。実施例及び比較例の重合体溶液又は共重合体溶液から作製した硬化物について、耐溶剤性試験を実施した箇所に対して、JIS K−5600−5−6に準拠し、基材からの剥離により密着性を測定した。JIS K5600−5−6 8.3 表1 試験結果の分類の「0」であれば◎、「1」であれば○、「2」であれば△、「3」もしくは「4」であれば×とした。結果を表1に示す。なお、比較例1、2、3、及び6については、切込みを入れると塗膜が割れ、カットの淵に沿って部分的な剥離が生じたため××とした。
表より明らかなように、実施例の重合体溶液から得られた硬化塗膜は、基材(ガラス及びステンレス)に対する密着性が優れていた。これに対し、比較例の重合体溶液から得られた硬化塗膜は基材に対する密着性が劣っていた。
Claims (2)
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- 2008-04-02 JP JP2008096543A patent/JP2009249440A/ja active Pending
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