JP2009249265A - 窒素ドープシリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

窒素ドープシリコン単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高価な窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減して原料調達コストの抑制を実現でき、生産効率を向上させることが可能なチョクラルスキー法(CZ法)による窒素ドープシリコン単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】窒素ドープシリコン単結晶4を引き上げた後、ルツボ1内に残存する残存融液3aにシリコン原料8を供給して溶融し、この融液3から窒素ドープシリコン単結晶4を引き上げる。シリコン単結晶の育成の際、直前のシリコン単結晶の引き上げ終了時の固化率に基づいて、前記残存融液に供給するシリコン原料の量を設定し、シリコン単結晶中の窒素濃度を調整する。
【選択図】図4

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)により、窒素をドープされたシリコン単結晶を製造する方法に関し、特に、単結晶引き上げ後にルツボ内に残存する残存融液を用いる窒素ドープシリコン単結晶の製造方法に関する。
半導体基板の素材となる窒素ドープシリコン単結晶を製造するには種々の方法があるが、その中でもCZ法が広く採用されている。
図1は、CZ法による窒素ドープシリコン単結晶の引き上げを実施するのに適した単結晶引き上げ装置の要部構成を模式的に示す図である。単結晶引き上げ装置は、その外郭を図示しないチャンバで構成され、その中心部にルツボ1が配置されている。ルツボ1は二重構造になっており、内側の石英ルツボ1aと、外側の黒鉛ルツボ1bとから構成される。
ルツボ1は、回転および昇降が可能な支持軸6の上端部に固定されている。ルツボ1の外側には、ルツボ1を取り囲むように抵抗加熱式のヒータ2が配設されている。ルツボ1の上方には、支持軸6と同一軸上で逆方向または同一方向に所定の速度で回転するワイヤなどの引き上げ軸5が配設されており、引き上げ軸5の下端には種結晶7が取り付けられている。
このような単結晶引き上げ装置を用いて窒素ドープシリコン単結晶の引き上げを行う際には、ルツボ1内にシリコン原料と窒素ドーパント用原料を投入し、減圧下の不活性ガス雰囲気中でヒータ2による加熱により、両原料をルツボ1内で溶融させる。その後、ルツボ1内に形成された原料融液3の表面に、引き上げ軸5の下端に保持された種結晶7を浸漬し、ルツボ1および引き上げ軸5を回転させながら、引き上げ軸5を徐々に引き上げる。これにより、種結晶7の下方に窒素ドープシリコン単結晶4が育成される。
ここで、窒素ドーパント用原料としては、窒化珪素膜付きのウェーハや高純度の窒化珪素粉末など、窒素を高濃度に含有するものが慣用されるが、これは高価なものであり、原料調達コストを悪化させる一因となっている。そこで、原料調達コストを抑制するため、慣用の高価な窒素ドーパント用原料の使用量を低減する技術が、これまでに提案されている。
例えば、特許文献1には、引き上げられた窒素ドープシリコン単結晶のうち、製品とはならない部分(以下、「非製品部」という)をシリコン原料とともにルツボ内で溶融し、この原料融液から窒素ドープシリコン単結晶を育成する技術が記載されている。非製品部として、製品として取り扱われる直胴部の上下に形成されたショルダー部とテール部、ならびに、直胴部に含まれるものであるが、スリップ転位や酸化誘起積層欠陥(OSF)などが著しいために製品とはならない結晶欠陥部、および、抵抗率や酸素濃度などが規格を満足しないために製品とはならない規格外れ部が用いられる。
このような特許文献1に記載の技術を用いる場合に、非製品部は、窒素ドープシリコン単結晶から派生したものであるため、それ自体が窒素を含有している。このことから、その非製品部を窒素ドーパント用原料に用い、これにより、慣用の高価な窒素ドーパント用原料の使用量を低減できるとされている。
特開2004−224582号公報
ところで、CZ法によるシリコン単結晶の育成時は、引き上げ前の原料融液中に含まれる不純物が固相のシリコン単結晶と液相の原料融液とに振り分けられるが、不純物元素の偏析挙動に起因して、シリコン単結晶中の不純物濃度が原料融液中の不純物濃度よりもはるかに低くなる。これは、固相であるシリコン単結晶における不純物の溶解度が、液相である原料融液における不純物の溶解度よりも低いことによる。その比である「固相中の溶解度/液相中の溶解度」は、偏析係数と称され、不純物元素ごとに固有のものである。
不純物を窒素とする場合、窒素の偏析係数が7×10-4と小さいため、窒素ドープシリコン単結晶中の窒素の濃度は極めて低くなり、この窒素ドープシリコン単結晶から派生する非製品部中においても窒素の濃度は極めて低くなる。
そのため、上記特許文献1に記載の技術では、窒素を含有する非製品部を窒素ドーパント用原料に用いるにしても、非製品部中の窒素濃度が極めて低いことから、実際には、慣用の高価な窒素ドーパント用原料を補充しなければ、所望する窒素濃度の窒素ドープシリコン単結晶を育成することはできない。従って、高価な窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減できるとはいえず、原料調達コストの抑制はあまり期待できない。
また、窒素ドーパント用原料として、窒化珪素膜付きのウェーハ、または上記特許文献1に記載の非製品部を用いた場合、これらはある程度大きな固形物であるため、これを溶融させるのに時間を要する。特に、窒化珪素膜付きのウェーハを窒素ドーパント用原料に用いた場合、その窒化珪素は原料融液に溶解し難いため、単結晶育成の初期に有転位を誘発し、多結晶化を引き起こすことがある。単結晶育成の初期に多結晶化が発生すると、それ以降の育成で単結晶化が阻害されることから、実操業では、それまでに育成した結晶を原料融液に浸漬して再溶融し、あらためて単結晶の引き上げを行う。いずれの場合も、生産効率の悪化は否めない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、高価な窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減して原料調達コストの抑制を実現でき、しかも生産効率を向上させることが可能なCZ法による窒素ドープシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために、窒素ドープシリコン単結晶の育成状況を詳細に検討し、窒素ドープシリコン単結晶を引き上げた後にルツボ内に残存する結晶化されなかった残存融液に着目した。
すなわち、残存融液は、不純物元素の偏析により、窒素ドープシリコン単結晶中に取り込まれなかった多量の窒素を含有しており、窒素の濃度が極めて高いものである。これは以下の説明から理解できる。
図2は、シリコン単結晶の育成における固化率と単結晶中の不純物濃度の関係を示す図である。同図に示す関係は、不純物として、窒素(N)を例に取り、固化率gのときのシリコン単結晶(固相)中の不純物濃度〔C〕Sを与える公知の下記(1)式に従って示している。図2中、縦軸はシリコン単結晶中の不純物濃度を示し、横軸は固化率を示す。「固化率」とは、シリコン単結晶を引き上げる前のルツボ内の原料融液量に対するシリコン単結晶の質量比での比率である。
〔C〕S=k0〔C〕0(1−g)k0-1 ・・・(1)
上記(1)式から固化率の変化に対応したシリコン単結晶中の不純物濃度が得られる。同(1)式において、k0は、不純物の偏析係数であり、〔C〕0は、固化が始まる前の原料融液(液相)中の不純物の初期濃度を示しており、窒素で3.5×1016atoms/cm3としている。
図3は、シリコン単結晶の育成における固化率と原料融液中の不純物濃度の関係を示す図である。同図に示す関係は、前記図2と対応関係にあり、固化率gのときの原料融液(液相)中の不純物濃度〔C〕Lを与える公知の下記(2)式に従って示している。図3中、縦軸は原料融液中の不純物濃度を示し、横軸は固化率を示す。
〔C〕L=〔C〕0(1−g)k0-1 ・・・(2)
上記(2)式から固化率の変化に対応した原料融液中の不純物濃度が得られ、同式におけるk0、および〔C〕0は、それぞれ前記(1)式での意味および値と同じである。
前記図2から明らかなように、固相であるシリコン単結晶中における各不純物の濃度は、原料融液中の各不純物の初期濃度(窒素で3.5×1016atoms/cm3)に比べて著しく低い。また、窒素および鉄のいずれについても、不純物濃度は、シリコン単結晶のトップ側(固化率が0に近い側)では低く、固化率の上昇に伴って徐々に高くなり、ボトム側(固化率が1.0に近い側)では急激に高くなっている。
一方、前記図3から明らかなように、液相である原料融液中の各不純物の濃度は、シリコン単結晶のトップ側では初期濃度と同程度で低く、固化率の上昇に伴って徐々に高くなり、ボトム側では急激に高くなっている。
このような不純物元素の偏析により、窒素ドープシリコン単結晶を引き上げた後のルツボ内の残存融液は、窒素の濃度が極めて高くなる。従って、残存融液は、窒素を十分に含有していることから、慣用の高価な窒素ドーパント用原料の代替として好適に用いることができる。
本発明は、このような技術思想に基づくものであり、CZ法により、窒素をドープされたシリコン単結晶を製造する方法であって、シリコン単結晶を引き上げた後、ルツボ内に残存する残存融液にシリコン原料を供給して溶融し、この融液からシリコン単結晶を引き上げることを特徴とするものである。
このような構成により、CZ法による窒素ドープシリコン単結晶の引き上げ後にルツボ内に残存する窒素濃度の高い残存融液を、そのままの状態で窒素ドーパント用原料として再利用するため、高価な窒素ドーパント用原料の補充は不要であり、その結果、高価な窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減することができる。しかも、シリコン単結晶の育成にあたり、窒化珪素が十分に溶解した状態にある残存融液を窒素ドーパント用原料として用いるため、これをあらためて溶融させる必要はないし、これとシリコン原料との原料融液から育成されるシリコン単結晶は、育成初期に有転位の発生が抑えられ、多結晶化が抑制される。
ここで、前記残存融液へのシリコン原料の供給、および前記シリコン単結晶の引き上げを複数回繰り返すことが好ましい。また、シリコン単結晶の育成の際、直前のシリコン単結晶の引き上げ終了時の固化率に基づいて、前記残存融液に供給するシリコン原料の量を設定し、シリコン単結晶中の窒素濃度を調整することが好ましい。
本発明の窒素ドープシリコン単結晶の製造方法によれば、高価な窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減することができ、その結果として、原料調達コストの抑制を実現することが可能になる。しかも、単結晶育成の際、窒素ドーパント用原料である残存融液の溶融はあらためて要することがなく、単結晶育成の初期における多結晶化が抑制されることから、生産効率を向上させることができる。
以下に、本発明の窒素ドープシリコン単結晶の製造方法の一実施形態を詳述する。本実施形態での窒素ドープシリコン単結晶の製造方法は、シリコン単結晶を引き上げた後、ルツボ内に残存する残存融液にシリコン原料を供給して溶融し、この融液からシリコン単結晶を引き上げることを特徴としている。
簡単な例でいえば、CZ法による窒素ドープシリコン単結晶の引き上げを2回行うこととし、1回目の引き上げの際は、窒素ドーパント用原料として窒素濃度の高い慣用のものを用いて単結晶引き上げを行い、引き続き2回目の引き上げの際は、1回目の引き上げ後のルツボ内の残存融液を窒素ドーパント用原料として用いて単結晶引き上げを行う。
図4は、本発明の一実施形態である窒素ドープシリコン単結晶の製造方法における工程を模式的に示す図である。図4(a)に示すように、ルツボ1内に、窒素ドープシリコン単結晶の製造に慣用される多結晶のシリコン原料8と、窒化珪素膜付きのウェーハや高純度の窒化珪素粉末などの慣用の窒素ドーパント用原料9とを所定の配合比で仕込み、ヒータにより加熱する。これにより、図4(b)に示すように、両原料8、9を溶融させた原料融液3が得られる。
続いて、図4(c)に示すように、ルツボ1内の原料融液3の表面に種結晶7を浸漬し、通常の製造条件に従って上方に引き上げる。これにより、図4(d)に示すように、種結晶7の下方に窒素ドープシリコン単結晶4が育成される。シリコン単結晶4を引き上げた後のルツボ1内の底には、窒素を高濃度で含有する融液3aが残存している。この残存融液3aは、窒化珪素が十分に溶解した状態にある。
次に、図4(e)に示すように、残存融液3aが残存しているルツボ1内に、多結晶のシリコン原料8を所定量投入し、ヒータにより加熱する。これにより、図4(f)に示すように、シリコン原料8が溶融して残存融液3aと混合した原料融液3が得られる。
続いて、図4(g)に示すように、前記図4(c)に示す工程と同様の製造条件に従って、ルツボ1内の原料融液3に種結晶7を浸漬し上方に引き上げる。これにより、図4(h)に示すように、前記図4(d)に示す工程と同様、種結晶7の下方に窒素ドープシリコン単結晶4が育成される。
そして、図4(h)に示す工程でも、ルツボ1内には、窒素を高濃度で含有する融液3aが残存しているため、さらに前記図4(e)〜(h)に示す工程を経ることにより、窒素ドープシリコン単結晶4を育成することができる。すなわち、前記図4(e)〜(h)に示す工程は繰り返すことができ、1つのルツボから複数の単結晶を連続して引き上げる、いわゆるマルチプリング法での操業を行うことも可能である。
このような窒素ドープシリコン単結晶の製造方法においては、窒素ドープシリコン単結晶を引き上げた後のルツボ内に残存する窒素濃度の高い残存融液を、そのままの状態で窒素ドーパント用原料として再利用するため、高価な窒素ドーパント用原料の補充は不要であり、その結果、高価な窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減することができる。このため、原料調達コストの抑制を実現することが可能になる。
しかも、単結晶の育成にあたり、窒化珪素が十分に溶解した状態にある残存融液を窒素ドーパント用原料として用いるため、これをあらためて溶融させる必要はないし、これとシリコン原料との原料融液から育成されるシリコン単結晶は、育成初期に有転位の発生が抑えられ、多結晶化が抑制される。このため、窒素ドープシリコン単結晶の生産効率を向上させることができる。
ここで、所望する窒素濃度の窒素ドープシリコン単結晶を得るため、ルツボ内に供給するシリコン原料の量を決定する必要がある。シリコン単結晶の育成で原料融液から単結晶中に窒素が取り込まれるため、その育成後にルツボ内に残存する残存融液中の窒素の量は、結晶育成の前の初期状態よりも当然減少しており、次の単結晶の育成の際、その減少分を考慮せずにシリコン原料を供給すると、育成した単結晶中の窒素濃度が所望する範囲を満足しない場合があるからである。
このため、本実施形態では、固化率を重点管理し、以下の手法に従ってルツボ内へのシリコン原料の供給量を設定する。先ず、シリコン単結晶の引き上げ終了時の固化率gから、前記(2)式に基づき、残存融液中の窒素の濃度〔C〕L(N)を算出し、その残存融液中に含まれる窒素の量(原子単位数)を算出する。
そして、次の単結晶育成の際、その残存融液とシリコン原料とが溶融して成る原料融液中の窒素濃度が、単結晶中の窒素濃度が所望の範囲となるために採用する初期原料融液中の初期濃度〔C〕0(N)に合致するように、残存融液の重量および残存融液中の窒素の量から、シリコン原料の必要重量を算出し、この量のシリコン原料をルツボ内に投入する。この原料融液から単結晶引き上げを行えば、所望する窒素濃度の窒素ドープシリコン単結晶を育成することができる。
こうして、シリコン単結晶の育成の際、直前のシリコン単結晶の引き上げ終了時の固化率に基づいて、残存融液に供給するシリコン原料の量を設定することにより、シリコン単結晶中の窒素濃度を適宜調整することができる。
本発明の窒素ドープシリコン単結晶の製造方法による効果を確認するため、以下の試験を行った。本実施例の試験では、内径22インチのルツボを使用し、先ず、これに多結晶のシリコン原料と窒化珪素膜付きのウェーハとを総重量で140kg仕込み、加熱溶融して得られた原料融液から引き上げを行って、直径200mmのp型窒素ドープシリコン単結晶を育成した。
このとき、単結晶育成前の原料融液中の窒素濃度が、単結晶のトップ部での窒素濃度が目標の1×1014atom/cm3となるために採用する初期原料融液中の初期濃度となるように、ルツボ内に窒素ドーパント用原料である窒化珪素膜付きのウェーハを仕込んでおいた。さらに、装置内の温度分布や引き上げ速度を調整し、赤外線散乱体欠陥(COP:Crystal Originated Particle)や転位クラスターなどのgrown−in欠陥が存在しない無欠陥結晶領域が形成される育成条件で引き上げを行った。
そして、ルツボ内に融液が30kg残存する時点、すなわち固化率が0.786(百分率表示で78.6%)の時点で引き上げを終了した。
続いて、2本目の単結晶を育成するにあたり、上記1本目の単結晶育成後に30kgの融液が残存するルツボ内に、多結晶のシリコン原料を投入した。このとき、原料融液中の窒素の初期濃度が1本目の単結晶育成時の初期濃度と同等になるように、1本目の単結晶中に取り込まれた窒素の減少分を考慮し、総重量で139.8kgとなるように多結晶のシリコン原料を投入した。加熱溶融後、上記1本目の育成と同様の条件で、2本目の窒素ドープシリコン単結晶を育成した。
そして、1本目の育成条件と同様に、ルツボ内に融液が30kg残存する時点で2本目の単結晶の引き上げを終了した。同様にして、3本目の単結晶の育成を行った。
このように連続する1本目〜3本目の単結晶の育成を1バッチとし、これを5バッチ行った。
各バッチの各段階の育成過程において、育成の初期に、有転位が発生して多結晶化した回数を調査した。多結晶化は、晶癖線を観察することにより確認した。ここで、多結晶化が発生した場合は、それまでに育成した結晶を再溶融し、あらためて単結晶の引き上げを行った。その後、再び多結晶化が発生した場合も、結晶を再溶融し、再度単結晶の引き上げを行った。すなわち、ここで調査した多結晶化の回数とは、1回の育成過程において、多結晶化が発生した累積の回数を意味する。
下記の表1に調査結果を示す。表1において、多結晶化の回数は、1本目、2本目および3本目の単結晶の育成過程それぞれでの5バッチの平均値を示す。
Figure 2009249265
同表1の結果から、多結晶化の回数は、窒素ドーパント用原料として窒化珪素膜付きのウェーハを用いた1本目の単結晶育成時と比較して、ルツボ内の残存融液を窒素ドーパント用原料として用いた2本目および3本目の単結晶育成時の方が顕著に減少した。すなわち、ルツボ内の残存融液を窒素ドーパント用原料として用いた場合、予め窒化珪素が十分に溶解した状態であるため、有転位の発生が抑えられ、多結晶化が抑制されることが明らかとなった。
また、育成したシリコン単結晶の品質確認のため、単結晶のボトム部からサンプルウェーハを採取し、SIMS(二次イオン質量分析法)により窒素濃度を測定した。その結果は、1本目の単結晶で2.75×1015atoms/cm3、2本目の単結晶で2.82×1015atoms/cm3、および3本目の単結晶で2.79×1015atoms/cm3であり、いずれの段階でも目標とする窒素濃度の範囲内であった。
その他、単結晶に含有されるアルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)などの不純物元素の濃度についても同様の手法により測定したが、いずれも規格の範囲内であった。また、単結晶に含有されるカーボン(C)濃度についてはFTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)により測定し、鉄(Fe)濃度についてはICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析法)およびAAS(原子吸光分光法)により測定したが、いずれも規格の範囲内であった。
本発明の窒素ドープシリコン単結晶の製造方法によれば、窒素ドープシリコン単結晶を引き上げた後のルツボ内に残存する窒素濃度の高い融液を、窒素ドーパント用原料として再利用するため、高価な高純度の窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減することができ、その結果、原料調達コストの抑制を実現することが可能になる。しかも、単結晶育成の際、残存融液の溶融はあらためて要することがなく、単結晶育成の初期における多結晶化が抑制されることから、生産効率を向上させることができる。よって、本発明は、CZ法による窒素ドープシリコン単結晶の製造に極めて有用な技術である。
CZ法による窒素ドープシリコン単結晶の引き上げを実施するのに適した単結晶引き上げ装置の要部構成を模式的に示す図である。 シリコン単結晶の育成における固化率と単結晶中の不純物濃度の関係を示す図である。 シリコン単結晶の育成における固化率と原料融液中の不純物濃度の関係を示す図である。 本発明の一実施形態である窒素ドープシリコン単結晶の製造方法における工程を模式的に示す図である。
符号の説明
1 ルツボ
1a 石英ルツボ
1b 黒鉛ルツボ
2 ヒータ
3 原料融液
3a 残存融液
4 窒素ドープシリコン単結晶
5 引き上げ軸
6 支持軸
7 種結晶
8 シリコン原料
9 慣用の窒素ドーパント用原料

Claims (3)

  1. チョクラルスキー法により、窒素をドープされたシリコン単結晶を製造する方法であって、
    シリコン単結晶を引き上げた後、ルツボ内に残存する残存融液にシリコン原料を供給して溶融し、この融液からシリコン単結晶を引き上げることを特徴とする窒素ドープシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記残存融液へのシリコン原料の供給、および前記シリコン単結晶の引き上げを複数回繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の窒素ドープシリコン単結晶の製造方法。
  3. シリコン単結晶の育成の際、直前のシリコン単結晶の引き上げ終了時の固化率に基づいて、前記残存融液に供給するシリコン原料の量を設定し、シリコン単結晶中の窒素濃度を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の窒素ドープシリコン単結晶の製造方法。
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