JP2009247727A - 医療用チューブ - Google Patents

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Abstract

【課題】医療用チューブにおいて、被挿入部が屈曲している場合にも、少ない力量で挿入可能となるような良好な挿入性を有するようにする。
【解決手段】医療用チューブ1のチューブ本体が、ポリエーテル系ブロック共重合体からなる熱可塑性樹脂製のベース1aと、ベース1aに添加された高分子材料の微粒子添加剤1bとを備えるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療用チューブに関する。例えば、内視鏡チャンネル管などを通して屈曲された被挿入部に挿入される医療用処置具等に用いる医療用チューブに関する。
例えば、カテーテル等の医療用処置具に用いられる医療用チューブは、内視鏡のチャンネル管に挿入し、患部の処置や病変部の摘出の補助を行うものであり、柔軟性、耐キンク性、耐滅菌性の基本的特性を備えている必要がある。また、このような医療用チューブを扱う手技時間を短縮し、手技者(医療用チューブを扱う者)や患者の負担を軽減するために、小さい挿入力量でチャンネル管内に挿入できる良好な挿入性が求められている。
従来、このような医療用チューブの挿入性を向上させるため、例えば特許文献1には、ベースとなる樹脂に添加剤を加えて表面の摩擦係数を低減させる内腔内カテーテル(医療用チューブ)が記載されている。この内腔内カテーテルは、ベースとなるポリエステルに、グラファイト、MoS、TiC等の微粉砕潤滑性粒状物質を添加することで、内腔内カテーテルの表面の潤滑性を向上させるようにしている。
また、特許文献2には、反発性の少ないしなやかな医療用チューブを提供するため、スチレン系ブロック共重合体などからなる熱可塑性樹脂と、ポリブタジエンなどの熱可塑性ポリオレフィンとを共に押し出してなる多相構造を有する医療用チューブが記載されている。
特表平10−503103号公報 特開2003−102827号公報
しかしながら上記のような従来の医療用チューブには以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、ポリエステル等のベースとなる樹脂にグラファイト、MOS、TiC等の無機粒子を添加すると、表面の摩擦係数は低減できるものの、曲げ弾性率や反発弾性率等の他の物性が悪くなり、かえって挿入性が悪くなるという問題がある。
また、特許文献2に記載の技術では、熱可塑性樹脂と熱可塑性ポリオレフィンとを共に押し出して、反発性が低いしなやかな医療用チューブを形成できるものの、医療用処置具等、内視鏡のチャンネル管に挿入して使用する場合や、内視鏡の先端が屈曲した状態で使用する場合には、可撓性が大きすぎ、反発性が少なすぎるため、かえって挿入性が悪くなるという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、被挿入部が屈曲している場合にも、少ない力量で挿入可能となるような良好な挿入性を有する医療用チューブを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の医療用チューブは、チューブ本体が、ポリエーテル系ブロック共重合体からなる熱可塑性樹脂製のベースと、該ベースに添加された高分子材料の微粒子添加剤とを備える構成とする。
この発明によれば、ベースがポリエーテル系ブロック共重合体からなる熱可塑性樹脂製であるため、チューブ本体の柔軟性が得られ、さらに、高分子材料の微粒子添加剤をベースに添加することによって、曲げ弾性や反発弾性の特性を向上させ、被挿入部が屈曲している場合にも、挿入が容易となる。
また、本発明の医療用チューブでは、前記ベースは、ハードセグメントを構成するポリブチレンテレフタレ一ト(PBT)またはポリアミド(PA)が、ソフトセグメントを構成するポリエーテルとブロック共重合されてなることが好ましい。
この場合、ハードセグメントが、PBTまたはPAからなるため、ハードセグメントにおける摺動特性が良好となるので、挿入性を向上することができる。
また、本発明の医療用チューブでは、前記微粒子添加剤は、ロックウェル硬さがR95以上であることが好ましい。
この場合、微粒子添加剤のロックウェル硬さがR95以上であるため、チューブ本体の表面に露出した微粒子添加剤が、被挿入部にそれぞれ点接触するので、チューブ本体の表面がより低摩擦な状態で被挿入部に当接することができる。
また、本発明の医療用チューブでは、前記微粒子添加剤の材質は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネイト(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)、液晶ポリエステル(LCP)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、アクリロニトリルスチレン(AS)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミド(PI)、ポリアミド−イミド(PAI)、ポリアクリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、およびポリスルホン(PSF)のうちの少なくとも一種類の樹脂からなることが好ましい。
この場合、これらの高分子材料を用いることで、チューブ本体の表面を低摩擦にすることが可能となる。
なお、ベースが、PBTとポリエーテルとの交互共重合体である場合には、微粒子添加剤は、PC、PET、ABS、PPE、POMのうちの一種類以上の樹脂を採用することがより好ましい。
また、ベースが、PAとポリエーテルとの交互共重合体である場合には、微粒子添加剤は、ABS、PPE、LCPのうちの一種類以上の樹脂を採用することがより好ましい。
また、本発明の医療用チューブでは、前記ベースに、前記チューブ本体の表面の摩擦を低減する滑剤を添加した構成とすることが好ましい。
この場合、滑剤を添加することにより、チューブ本体の表面の摩擦係数が低減されるため、さらに良好な挿入性が得られる。
滑剤としては、例えば、MoS、PTFE、脂肪酸アミド、グラファイト、BN、SiC、CaFなどを採用することができる。
本発明の医療用チューブによれば、ベースによって柔軟性が得られ、微粒子添加剤によって曲げ弾性や反発弾性の特性が向上されるので、被挿入部が屈曲している場合にも、少ない力量で挿入可能となるような良好な挿入性が得られるという効果を奏する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態に係る医療用チューブについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る医療用チューブの概略構成を示すチューブの軸方向に沿う模式的な断面図である。
本実施形態の医療用チューブ1は、図1に示すように、チューブ本体が、内径d、外径d、長さLの円筒形状に形成された可撓性を有するチューブである。そして、このチューブ本体が、ポリエーテル系ブロック共重合体からなる熱可塑性樹脂製のベース1aと、ベース1aに添加された高分子材料の微粒子添加剤1bとによって構成されたものである。
ベース1aのポリエーテル系ブロック共重合体は、ハードセグメントを構成するポリアミド(PA)が、ソフトセグメントを構成するポリエーテルとブロック共重合されてなる。
ベース1aは、例えば、Pebax(登録商標)6333SN01(アルケマ社製)を採用することができる。このPebax(登録商標)6333は、ハードセグメントがPA、ソフトセグメントがポリエーテルからなるポリエーテルブロックアミド共重合体であって、高い可撓性と反発弾性とを有する熱可塑性エラストマーである。
微粒子添加剤1bは、PET、PC、PEN、PEEK、ETFE、PPS、PBT、PVDF、PA、PPE、PPO、PS、PES、PSU、LCP、POM、ABS、AS、AAS、PMMA、PI、PAI、PAR、PEI、およびPSFのうちの少なくとも一種類の樹脂を採用することができ、それぞれを、例えば、平均粒径10μmの微粒子状として、重量比で1部〜75部添加することができる。
微粒子添加剤1bの添加量は、ベース1aの材質に応じて、曲げ弾性、反発弾性および表面の摩擦特性が好適となるように、適宜設定することができる。
医療用チューブ1の挿入性を良好にするためには、曲げ弾性率は、150MPa以上170MPa以下とすることが好ましく、反発弾性率は、20%以上70%未満とすることが好ましい。
摩擦特性は、医療用チューブ1を挿入する被挿入部の表面性および屈曲度合いに応じて挿入時の挿入力量が良好となるように設定する。例えば、挿入力量が、0.49N(50gf)より小さいことが好ましく、0.392N(40gf)より小さいことがさらに好ましい。
摩擦特性は、微粒子添加剤1bの材質のロックウェル硬さがR95以上の場合に、より低摩擦特性が得られるため、微粒子添加剤1bとしてR95以上の材質を選択することが好ましい。
本実施形態では、微粒子添加剤1bの一例として、平均粒径10μm、ロックウェル硬さR95のバイロペット(登録商標)EMC355(東洋紡積(株)製)を、重量比で5部となるように添加している。このバイロペット(登録商標)はPETまたはPBTの重合体からなるポリエステル樹脂である。
次に、本実施形態の医療用チューブ1の挿入力量の測定結果について説明する。
図2は、挿入力量の測定の様子を示す模式説明図である。
測定サンプルとしては、実施例1として、Pebax(登録商標)6333SN01からなるベース1aに、上記のバイロペット(登録商標)EMC355の粒状体を重量比で5部となるように添加し、これらの材料を十分に混ぜ合わせて、医療用チューブ1を製作した。このとき、実施例1のチューブ形状は、d=φ2.4mm、d=φ1.7mm、L=2000mmで製作した。
また、比較例1の測定サンプルとして、Pebax(登録商標)6333SN01のみからなり、微粒子添加剤を含まない医療用チューブを製作した。形状寸法は実施例1と同様である。
これら、実施例1および比較例1の測定サンプルを用いて、以下のようにして、それぞれの挿入力量を測定した。
挿入力量の測定には、図2に示す応力測定装置10を用いた。
応力測定装置10は内径3.2mm、外径4.4mm、長さ400mmの円筒状のPTFEからなるチャンネル管4が屈曲形状を有するチャンネルガイド5に嵌め込まれ、チャンネル管4に対向して、医療用チューブ1の測定サンプルを押し出すチューブ固定金属棒7を有する応力感知用測定器8が配置されたものである。
ここで、チャンネル管4は、実際に内視鏡において用いられるものを用いている。
チャンネルガイド5は、管径が5mmで、入口側から長さ105mm直線部5a、曲線部5b、長さ125mmの直線部5cから構成される。曲線部5bの外側の曲率半径(図2のR)は、50mmであり、この外側の曲線部分の長さは39.25mmである。これにより、直線部5a、5cが、図示紙面内で、90°屈曲されている。
まず、実施例1、比較例1の測定サンプルの長さを400mmに調整し、後端側をチューブ固定金属棒7の先端に固定して、チャンネル管4に挿入し、初期状態で直線部5aの入口から20mmだけ侵入させたチューブ設置位置6にセットする。
この状態から、測定サンプルを移動ストローク300mm、移動速度50mm/secで、チャンネル管4内に10往復の繰返し挿入を行う。
測定サンプルは、チャンネル管4内に進出すると、先端1Aがチャンネルガイド5の曲線部5bに位置するチャンネル管4の内壁と接触するなどして、挿入抵抗が発生する。
そして、この繰り返し挿入における最大挿入力を、チューブ固定金属棒7が接続された応力感知用測定器8によって検出し、それぞれ10回の平均値をとって挿入力量とした。
これら、実施例1および比較例1の測定サンプルを用いて、上記第1の実施形態における応力測定装置10により、それぞれの挿入力量を測定した。この測定結果を、後述する実施例2、3、比較例2の結果とともに表1に示す。また、これらの測定サンプルの曲げ弾性率も表1に併記する。
Figure 2009247727
表1に示すように、実施例1の測定サンプルでは、挿入力量は0.294N(30gf)、曲げ弾性率は150MPaであった。また、比較例1の測定サンプルでは、挿入力量が0.49N(50gf)、曲げ弾性率は285MPaであった。このように、実施例1の測定サンプルの方が、比較例1の測定サンプルより低い挿入力量が得られた。
この測定結果は、微粒子添加剤1bを添加することで、チューブ本体の表面の摩擦特性が改善されるとともに、ベース1aのみの場合に比べて曲げ弾性および反発弾性が改善されるために、挿入力量が改善された結果と考えられる。
このように、本実施形態の医療用チューブ1では、例えば内視鏡などのチャンネル管を通して、屈曲した被挿入部に挿入する場合にも、少ない力量で挿入可能となるような良好な挿入性が得られる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る医療用チューブについて説明する。
本実施形態の医療用チューブ11は、図1に示すように、上記第1の実施形態の医療用チューブ1のベース1a、微粒子添加剤1bに代えて、ポリエーテル系ブロック共重合体からなる熱可塑性樹脂製のベース11a、微粒子添加剤11bを備えるものである。チューブ本体の形状は、上記第1の実施形態と同様である。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
ベース11aのポリエーテル系ブロック共重合体は、ハードセグメントを構成するPBTが、ソフトセグメントを構成するポリエーテルとブロック共重合されてなる。
ベース11aは、例えば、ハイトレル(登録商標)6377(東レ・デュポン(株)製)を採用することができる。このハイトレル(登録商標)6377は、ハードセグメントがPBT、ソフトセグメントがポリエーテルからなるブロック共重合体であって、高い可撓性、反発弾性、及び耐屈曲疲労性を有しているのが特徴である。
一方、微粒子添加剤11bは、上記第1の実施形態の微粒子添加剤1bと同様な条件から適宜選択することができるが、以下では、平均粒径10μm、ロックウェル硬さR123のノバレックス(登録商標)7027R(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を、重量比で10部となるように添加している。このノバレックス(登録商標)7027RはPC樹脂である。
次に、本実施形態の医療用チューブ11の挿入力量の測定結果について説明する
測定サンプルとしては、実施例2として、ハイトレル(登録商標)6377からなるベース11aに、上記のノバレックス(登録商標)7027Rの粒状体を重量比で10部となるように添加し、これらの材料を十分に混ぜ合わせて、医療用チューブ11を製作した。このとき、実施例2のチューブ形状は、上記実施例1のチューブ形状と同一とした。
また、比較例2の測定サンプルとして、ハイトレル(登録商標)6377のみからなり、微粒子添加剤を含まない医療用チューブを製作した。形状寸法は実施例1と同様である。
上記の表1に示すように、実施例2の測定サンプルでは、挿入力量は0.343N(35gf)、曲げ弾性率は170MPaであった。また、比較例2の測定サンプルでは、挿入力量が0.588N(50gf)、曲げ弾性率は444MPaであった。このように、実施例2の測定サンプルの方が、比較例2の測定サンプルより低い挿入力量が得られた。
この測定結果によれば、微粒子添加剤11bを添加することで、チューブ本体の表面の摩擦特性が改善されるとともに、ベース11aのみの場合に比べて曲げ弾性および反発弾性が改善されるため、挿入力量が改善されたと考えられる。
このように、本実施形態の医療用チューブ11では、例えば内視鏡など、屈曲した被挿入部に挿入する場合にも、少ない力量で挿入可能となるような良好な挿入性が得られることが分かる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る医療用チューブについて説明する。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る医療用チューブの概略構成を示すチューブの軸方向に沿う模式的な断面図である。
本実施形態の医療用チューブ12は、図3に示すように、上記第1の実施形態の医療用チューブ1の微粒子添加剤1bに代えて、微粒子添加剤12bを備え、さらに滑剤13を追加したものである。チューブ本体の形状は、上記第1の実施形態と同様である。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
微粒子添加剤12bは、上記第1の実施形態の微粒子添加剤1bと同様な条件から適宜選択することができるが、以下では、平均粒径10μm、ロックウェル硬さR118のFZL−4033(商品名;大日本インキ化学(株)製)を重量比で10部となるように添加している。このFZL−4033は、ガラス繊維とフッ素樹脂(PTFE)を分散配合したPPSのアロイである。
滑剤13は、チューブ本体の表面の摩擦を低減するための粒状体であり、本実施形態では、粒径10μmの窒化ホウ素(BN)((株)高純度化学研究所製)を選択し、滑剤の添加量は重量比で5部となるように添加している。
滑剤13は、ベース1aと微粒子添加剤12bからなるチューブ本体が、曲げ弾性率が、150MPa以上、170MPa以下で、かつ反発弾性率が20%以上、70%未満の範囲内にある場合に、添加することで、表面の摩擦特性をより低摩擦に改善することができる。そのため、医療用チューブ12の挿入力量を低減することが可能となる。
このような滑剤としては、BNの他に、二硫化モリブデン(MoS)、PTFE、脂肪酸アミド、グラファイト、炭化珪素(SiC)、フッ化カルシウム(CaF)等の滑剤を好適に採用することができる。
次に、本実施形態の医療用チューブ12の挿入力量の測定結果について説明する
測定サンプルとしては、実施例3として、Pebax(登録商標)6333SN01からなるベース1aに、上記のFZL−4033を重量比で10部となるように添加し、これらの材料を十分に混ぜ合わせて、医療用チューブ12を製作した。このとき、実施例3のチューブ形状は、上記実施例1のチューブ形状と同一とした。
この実施例3の測定サンプルを用いて、上記第1の実施形態における測定と同様にして、挿入力量を測定した。
上記表1に示すように、実施例3の測定サンプルでは、挿入力量は0.274N(28gf)、曲げ弾性率は150MPaであった。
このように、実施例3の測定サンプルでは、ベース1aのみからなる上記の比較例1の測定サンプルに比べて挿入力量が小さく、さらに上記第1の実施形態の実施例1に比べても、挿入力量が小さくとなっている。
この測定結果によれば、ベース1aに微粒子添加剤12bを添加し、さらに、滑剤13を添加することで、チューブ本体の表面の摩擦特性が改善されるとともに、ベース1aのみの場合に比べて曲げ弾性および反発弾性が改善されるため、挿入力量が改善されたと考えられる。
このように、本実施形態の医療用チューブ12では、例えば内視鏡など、屈曲した被挿入部に挿入する場合にも、少ない力量で挿入可能となるような良好な挿入性が得られることが分かる。
なお、上記の説明では、微粒子添加剤が、一種類の場合の例で説明したが、これは一例であって、上記に例示した種々の高分子材料のいずれか一種類を用いてもよいし、またはそれらの高分子材料のうち二種類以上を適宜選択して、混合して添加してもよい。
特に、上記第1および第3実施形態のように、ベースとなる熱可塑性樹脂がPAとポリエーテルとの交互共重合体の場合には、微粒子添加剤として、上記のPETとPBTの重合体やPPSに加えて、あるいはこれらに代えて、ABS、PPE、LCPの少なくとも1種類が添加されていることがより好ましい。
また、上記第2の実施形態のように、ベースとなる熱可塑性樹脂がPBTとポリエーテルとの交互共重合体の場合には、微粒子添加剤として、上記のPCに加えて、あるいは代えて、PET、ABS、PPE、POMの少なくとも1種類が添加されていることがより好ましい。
また、上記の説明では、微粒子添加剤の添加量を重量比で5〜10部とした例で説明したが、ベースの材質や、必要な曲げ弾性や反発弾性に応じて、1〜75部の範囲で添加するのがよい。配合量が、1部より少ないと、微粒子添加剤が少なすぎて、ベースの樹脂の特性を向上できない。また、配合量が75部より多いと、硬くなり過ぎて可撓性や弾発性が低下してしまう。
本発明の第1および第2の実施形態に係る医療用チューブの概略構成を示すチューブの軸方向に沿う模式的な断面図である。 挿入力量の測定の様子を示す模式説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る医療用チューブの概略構成を示すチューブの軸方向に沿う模式的な断面図である。
符号の説明
1、 11、12 医療用チューブ
1a、11a ベース
1b、11b、12b 微粒子添加剤
13 滑剤

Claims (5)

  1. チューブ本体が、
    ポリエーテル系ブロック共重合体からなる熱可塑性樹脂製のベースと、
    該ベースに添加された高分子材料の微粒子添加剤とを備えることを特徴とする医療用チューブ。
  2. 前記ベースは、
    ハードセグメントを構成するポリブチレンテレフタレ一ト(PBT)またはポリアミド(PA)が、ソフトセグメントを構成するポリエーテルとブロック共重合されてなることを特徴とする請求項1に記載の医療用チューブ。
  3. 前記微粒子添加剤は、ロックウェル硬さがR95以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の医療用チューブ。
  4. 前記微粒子添加剤の材質は、
    ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネイト(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)、液晶ポリエステル(LCP)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、アクリロニトリルスチレン(AS)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミド(PI)、ポリアミド−イミド(PAI)、ポリアクリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、およびポリスルホン(PSF)のうちの少なくとも一種類の樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医療用チューブ。
  5. 前記ベースに、前記チューブ本体の表面の摩擦を低減する滑剤を添加したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の医療用チューブ。
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