JP2001158855A - 精密摺動部品用樹脂組成物 - Google Patents

精密摺動部品用樹脂組成物

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JP2001158855A JP2000249656A JP2000249656A JP2001158855A JP 2001158855 A JP2001158855 A JP 2001158855A JP 2000249656 A JP2000249656 A JP 2000249656A JP 2000249656 A JP2000249656 A JP 2000249656A JP 2001158855 A JP2001158855 A JP 2001158855A
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Takuya Ishii
卓哉 石井
Eiichiro Shimazu
英一郎 島津
Masaki Egami
正樹 江上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリンターや光式または光磁気式の記憶・読
み取り装置などにおけるキャリッジ等の精密摺動部品用
樹脂組成物が、所要の精密成形性および寸法安定性を満
たすと共に、低摩擦係数で安定した摺動特性で耐摩耗性
に優れた特性のものにすることである。 【解決手段】 ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチ
レン樹脂をブレンドしアロイ化した変性ポリフェニレン
エーテル樹脂を用い、これを主要成分としてガラス繊維
などの繊維状補強剤を添加すると共に、四フッ化エチレ
ン樹脂と黒鉛の配合容量比が1:1から1:5の範囲に
混合された固体潤滑剤を、2〜30容量%配合した精密
摺動部品用樹脂組成物とする。固体潤滑剤として四フッ
化エチレン樹脂および黒鉛を併用し、摺動相手材に低摩
擦係数の強固な移着膜を形成して、従来品にない優れた
摺動性および耐摩耗性を示す精密摺動部品用樹脂組成物
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、プリンターや光
式または光磁気式の電子画像記憶・読み取り装置などに
装着されたキャリッジの摺動部、その他の電子機器の精
密摺動部品用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの入出力手段であるプリン
ターや光式または光磁気式の画像記憶・読み取り装置
(スキャナ)には、電子画像記憶・読み取り装置の光セ
ンサーおよび光源が装着された走査部品や印刷用ヘッド
を滑らかに移動させ、かつ精度良く位置決めする必要が
あり、これらを軌道に沿って滑らかに移動させる装置は
キャリッジと呼ばれている。
【0003】このようなキャリッジなどの摺動部、その
他の電子機器の精密摺動部品は、部品の寸法精度が非常
に高いこと、および常温環境で安定した摺動特性が要求
されるものであり、精密な位置決めやスムーズな動作が
できる摺動部品であることが求められる。
【0004】精密摺動部品を形成している従来の樹脂材
料として、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレン
テレフタレートまたはポリカーボネートなどの樹脂を主
成分とし、ガラス繊維および四フッ化エチレン樹脂(P
TFE)を添加して精密成形性を高めた樹脂材料が知ら
れている。
【0005】また、電子機器の精密摺動部品を形成する
樹脂材料には、PTFEを含有させて潤滑性を改良して
いるが、PTFEだけで充分に低摩擦係数として摺動特
性を安定させることは難しく、通常は、さらに摺動面に
潤滑油やグリース(以下、グリース等という。)を塗布
して所要の摺動特性をもたせている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、グリース等を
併用した従来の精密摺動部品用樹脂組成物は、潤滑剤の
飛散や蒸発により部品の周囲や装置内を汚染する可能性
がある。
【0007】また、グリース等を併用した従来の精密摺
動部品用樹脂組成物は、摺動部に塵埃が付着しやすく、
摺動面に塵埃が進入すれば摺動相手材や軸受部が摩耗す
ることも予想される。
【0008】また、グリース等を併用した従来の精密摺
動部品用樹脂組成物は、維持管理を怠ると潤滑剤不足の
状態になることがあり、潤滑剤不足により異常音が発生
することもある。
【0009】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、例えばプリンターや光式または光磁気式
の記憶・読み取り装置などにおけるキャリッジ等の摺動
部品を形成する精密摺動部品用樹脂組成物が所要の精密
成形性および寸法安定性を満たすと共に、低摩擦係数で
安定した摺動特性であり、かつ耐摩耗性に優れた樹脂組
成物を提供し、これによりグリースレス化が可能な精密
摺動部品を製造できるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、変性ポリフェニレンエーテ
ル樹脂を主要成分とし、繊維状補強剤を添加すると共
に、四フッ化エチレン樹脂および黒鉛からなる固体潤滑
剤を2〜30容量%配合してなる精密摺動部品用樹脂組
成物としたのである。
【0011】上記したように構成されるこの発明の精密
摺動部品用樹脂組成物は、変性ポリフェニレンエーテル
樹脂を主要成分とし、さらに繊維状補強剤を含有するも
のであって、耐熱性が良く難燃性であると共に射出成形
が可能であり、また低比重であるので部品の軽量化が可
能なものであり、繊維状補強剤により寸法安定性も良好
なものになる。
【0012】因みに、変性ポリフェニレンエーテル樹脂
とは、ポリフェニレンエーテル樹脂に例えば非晶性ポリ
スチレン樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂等
の結晶性ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の単体ま
たはこれらの2種以上をアロイ化したもので、これらは
ポリカーボネート樹脂同様の非結晶性樹脂になり、成形
時に結晶化する場合の収縮や変形がなく、特に成形時の
寸法安定性に優れたものになる。
【0013】また、この発明の精密摺動部品用樹脂組成
物は、固体潤滑剤として四フッ化エチレン樹脂および黒
鉛を併用したことにより、低摩擦係数の移着膜を摺動相
手材に強固に形成し、四フッ化エチレン樹脂を単独で配
合することによっては得られないような優れた摺動性お
よび耐摩耗性を示す。そして、この発明の精密摺動部品
用樹脂組成物は、四フッ化エチレン樹脂および黒鉛から
なる固体潤滑剤を2〜30容量%配合しているので、安
定した低摩擦係数および優れた耐摩耗性を兼ね備えたも
のになる。なお、この発明の精密摺動部品用樹脂組成物
は、このような特性によって前記した変性PPE樹脂の
難燃性および成形性が損なわれることはない。
【0014】上記の精密摺動部品用樹脂組成物において
は、所期の特性を確実に得るために、四フッ化エチレン
樹脂と黒鉛の配合容量比が、1:1から1:5の範囲で
あることが好ましい。
【0015】また、上記の精密摺動部品用樹脂組成物
は、所期した特性を得るために繊維状補強剤としてガラ
ス繊維または炭素繊維を採用することが好ましく、繊維
状補強剤の配合量は、3〜22.5容量%であることが
好ましい。
【0016】さらにまた、上記の樹脂組成物の用途であ
る精密摺動部品の具体的な態様としては電子画像の走査
部品または印刷用ヘッドのキャリッジを採用し、好まし
い結果が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明に用いる変性ポリフェニ
レンエーテル樹脂は、ポリ(2,6−ジメチルフェニレ
ンエーテル)などのポリフェニレンエーテル(以下、P
PEと略記する。)と、非晶性ポリスチレン樹脂やシン
ジオタクチックポリスチレンに代表される結晶性ポリス
チレン樹脂などのポリスチレン系樹脂とをブレンドし、
ポリマーアロイとしたものを用いることが、耐熱性、寸
法安定性および低比重性を満足させ得るので好ましい。
これらの材料は、単に混合し溶融混練して押し出すだけ
で充分に混ざり合い、材料として使用に耐える性質を有
するものになる。ポリスチレン系樹脂をブレンドした市
販の変性PPE樹脂としては、旭化成工業社製のザイロ
ンが挙げられるが、これは難燃剤を配合したグレードで
あってもよい。
【0018】また、変性PPE樹脂としては、耐熱性が
良く難燃性であると共に精密成形が可能であるものを採
用することができ、ポリスチレン系樹脂樹脂以外の樹脂
をブレンドした変性PPE樹脂であってもよい。例え
ば、PPE樹脂に対してブレンド可能な樹脂としては、
ポリアミド系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフェニレン
スルフィド樹脂、またはポリブチレンテレフタレート樹
脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂を挙げることができ
る。
【0019】この発明で用いる繊維状補強剤は、変性P
PE樹脂の線膨張係数を低く安定させ、成形収縮率を低
くするために配合されるものであるが、変性PPEの精
密成形性を損なわないように配合されるものである。
【0020】繊維状補強剤の種類としては、ガラス繊
維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、アルミナ繊
維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素、窒化ホ
ウ素、金属繊維などが挙げられる。このうち、ガラス繊
維は、補強効果が高く、また低コストで使用できるので
好ましく、また炭素繊維は摺動相手材がアルミニウムな
どの軟質相手材である場合にも耐摩耗性が良くなって好
ましい。繊維状補強材は、変性PPE樹脂に対する均一
分散性を向上させるために、シランカップリングなどの
表面処理を施したものを採用することも好ましい。
【0021】また、このような繊維状補強材の繊維径
は、摺動相手材を損傷せず、摩擦音を発生させないよう
にするために、10μm以下のものを採用することが好
ましい。また、繊維状補強材の繊維長は、組成物を精密
に成形できる条件を満足する繊維長であればよい。その
ような繊維長は、繊維の種類(硬さ、弾性)によって異
なるが、例えば繊維長3mmのガラス繊維を使用可能で
ある。因みにこのような繊維は、コンパウンドの調製時
や射出成形時に折れて配合され、当初より短くなると考
えられる。
【0022】ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状補強材
の配合量は、3〜22.5容量%であり、より好ましく
は5〜20容量%である。なぜなら、所定の配合割合未
満では、充分な補強効果がなく、所定量を越えて多量に
配合すると、溶融状態の変性PPE樹脂の流動性が低下
して精密成形が困難になり、また、精密成形が可能であ
る場合でも、過剰に配合したことにより、摺動相手材を
攻撃し損傷する恐れが生じるので好ましくないからであ
る。
【0023】この発明における固体潤滑剤は、四フッ化
エチレン樹脂(PTFE)および黒鉛(GRP)を併用
する。PTFEと黒鉛はいずれも粉末状のものであり、
それらの配合比は、PTFE:黒鉛の容量比が、1:1
から1:5の範囲である。
【0024】上記配合比を越えてPTFEを多量に配合
した場合、または上記配合比を越えて黒鉛を多量に配合
すると、樹脂組成物に所要の耐摩耗性が得られない。特
に、精密摺動部品が、電子画像の走査部品または印刷用
ヘッドのキャリッジである場合にはそのような傾向が顕
著にみられる。このような傾向から、より好ましいPT
FE:黒鉛の容量比は、2:3から2:5の範囲であ
る。
【0025】また、この発明で用いる固体潤滑剤の配合
量は、2〜30容量%であり、より好ましくは5〜15
容量%である。上記所定範囲未満の少量の配合割合で
は、この発明にとって充分な摺動特性(低摩擦係数)が
得られない。また上記所定範囲を越えて多量に配合する
と、樹脂組成物の機械的特性(強度)が不充分であり、
また樹脂組成物の溶融流動性が低下して射出成形が困難
になって好ましくない。
【0026】この発明の精密摺動部品用樹脂組成物に
は、この発明の効果を阻害しないように、種々の物性改
善のための添加剤または充填剤を配合してもよく、その
ような添加材料としては、カーボン、マイカ、タルク、
ウォラストナイト、金属酸化物粉末、チタン酸カリウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、炭酸
カルシウム、硫酸カルシウムなどのウィスカ、二硫化モ
リブデン、リン酸塩、炭酸塩、ステアリン酸塩、テトラ
フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)などが挙
げられる。
【0027】なお、この発明の精密摺動部品用樹脂組成
物の実施形態としては、摺動部品の全体に樹脂組成物を
適用できるほか、摺動面を最小限の厚みで被覆するよう
に複合化してもよいのは勿論である。また、この発明の
樹脂組成物で形成する精密摺動部品は、液体潤滑剤やグ
リースを併用せずに(グリースレス)使用できるもので
あるが、グリースや潤滑油を使用しても差し支えない場
合は、これらを併用してもよいのは勿論である。また、
この発明の樹脂組成物で形成する精密摺動部品の摺動相
手材の摺動面には、予め固体潤滑剤や潤滑油が存在する
ように、コーティングやメッキなどを施してもよく、ダ
イヤモンドライクカーボンのような潤滑性被膜やニッケ
ルメッキ、亜鉛メッキなどの防錆被膜を形成したもので
あってもよい。
【0028】
【実施例および比較例】実施例および比較例に用いた原
料を以下にまとめて示し、〔 〕内には表中に示す略称
を示した。
【0029】(1)変性ポリフェニレンエーテル樹脂〔変
性PPE樹脂〕 旭化工業社製:ザイロン600H (2)ガラス繊維〔GF1〕 旭ファイバーグラス社製:チョップドストランドCS0
3JA497 (直径10μm) (3)ガラス繊維〔GF2〕 日本電気硝子社製:チョップドストランドECS03T
−531DE (直径6μm) (4)炭素繊維〔CF〕 呉羽化学工業社製:クレカC−103T (5)四フッ化エチレン樹脂〔PTFE〕 住友スリーエム社製:ホスタフロンTF9205 (6)黒鉛〔GRP〕 ロンザ社製:KS10
【0030】〔実施例1〜7、比較例1、2〕表1に示
した各原材料を同表に示した配合割合で配合し、補強材
を二軸押出機の途中で供給することにより、原材料を溶
融混練し押し出してペレットを作製した。
【0031】得られたペレットを射出成形機に供給し、
樹脂温度310℃、金型温度110℃で図1に示すよう
な厚さ3mmのJIS 1号のダンベル型試験片1を射
出成形により作製した。この射出成形では、溶融樹脂の
流れ方向が試験片の長手方向に一致するように射出成形
ゲート2を配置し、ダンベル型の中央部のくびれ部分か
ら円柱状のピン型試験片(直径3mm、高さ2mm)3
を切削加工によって切り出した。なお、切削加工をする
際には、ピン型試験片3の円形端面に、繊維状補強材4
が平行に配向して現れるように切り出し位置を調整し
た。
【0032】得られたピン型試験片を用いて以下の条件
で摩擦摩耗試験を行ない、結果を表1中に併記した。
【0033】<摩擦摩耗試験>ピンオンディスク型の摩
擦摩耗試験機を用い、以下の試験条件で測定した。測定
項目は、試験開始直後の動摩擦係数、摩擦試験(20時
間連続摩擦)時の動摩擦係数、ピン型試験片の軸方向の
摩耗高さ(減耗したピンの長さ)とした。 面圧:0.1MPa 速度:36m/min. 雰囲気温度:30℃ 摺動相手材の材質:電気ニッケルメッキ(以下、Niメ
ッキという。)した鋼板(表面粗さRa=0.04μ
m)および亜鉛メッキ(以下、Znメッキという。)し
た鋼板(表面粗さRa=0.04μm) 摺動方向:試験片表面に配向した繊維状補強材が摺動相
手材に対して平行に摺接するように摺動させた。 試験時間:20時間
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果からも明らかなように、Niメ
ッキした鋼板を摺動相手材とした場合に、変性PPE樹
脂にガラス繊維を配合すると共にPTFEのみを配合
し、黒鉛を配合しなかった比較例1は、20時間の摩擦
試験中に摩擦係数が0.46から0.66まで43%も
増加し、摩耗量もかなり多かった。また、Znメッキし
た鋼板を摺動相手材とした場合の比較例1は、摩擦係数
の上昇はほとんどみられなかったが、摩耗量が著しく多
かった。
【0036】また、変性PPE樹脂にガラス繊維を配合
すると共に黒鉛のみを配合し、PTFEを配合しなかっ
た比較例2は、20時間の摩擦試験中に摩擦係数は0.
42から0.48までの14%程度の増加に止まった
が、摩耗量が非常に多かった。また、Znメッキした鋼
板を摺動相手材とした場合の比較例2は、摩擦係数はあ
まり上昇しなかったが、摩耗量が著しく多かった。
【0037】一方、変性PPE樹脂にガラス繊維を配合
すると共にPTFEおよび黒鉛(GRP)を併せて配合
した実施例1〜7は、Niメッキした鋼板を摺動相手材
とした場合に、試験時間の20時間を過ぎても摩擦係数
は低く安定し、しかも摩耗量は6〜38μmという少な
い量であり、優れた摺動特性と耐摩耗性を示した。ま
た、Niメッキより軟質のZnメッキを施した鋼板を摺
動相手材とした場合の実施例1〜7は、低摩擦係数であ
り、摩耗量も4〜12μmと非常に優れた摺動性を示し
た。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本願の精密摺動部
品用樹脂組成物に係る発明は、変性ポリフェニレンエー
テル樹脂を主要成分とし、繊維状補強剤を添加すると共
に、四フッ化エチレン樹脂および黒鉛からなる固体潤滑
剤を所定量配合したので、所要の精密成形性および寸法
安定性を満たすと共に、低摩擦係数で安定した摺動特性
を示すものであり、かつ耐摩耗性に優れた樹脂組成物と
なる利点がある。
【0039】また、上記の精密摺動部品用樹脂組成物で
は、四フッ化エチレン樹脂と黒鉛の配合容量比が、1:
1から1:5の範囲であることにより、前記した特性が
より確実に得られる。
【0040】また、上記の精密摺動部品用樹脂組成物で
は、繊維状補強剤としてガラス繊維または炭素繊維を採
用し、または繊維状補強剤の配合量を3〜22.5容量
%とすることにより、所期した特性がより確実に得られ
る。
【0041】本願の電子画像の走査部品または印刷用ヘ
ッドのキャリッジに係る発明は、電子画像の走査部品ま
たは印刷用ヘッドのキャリッジを上記した精密摺動部品
用樹脂組成物で形成したことにより、グリースレス化が
可能な精密摺動部品用樹脂組成物を提供することがで
き、さらに固体潤滑剤のみで摺動させ得るので摺動面に
塵埃が付着し難くなり、摺動摩耗が少なく、静穏に滑ら
かな動作できる電子画像の走査部品または印刷用ヘッド
のキャリッジを提供できるという利点がある。
【0042】また、摺動相手材として、ステンレス鋼や
Niメッキを用いた場合は勿論のこと、安価で軟質なZ
nメッキを用いた場合でもこれを損傷することがないの
で、摺動面にZnメッキを用いてプリンター用精密摺動
部品などを低コストで製造できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)ダンベル型試験片の斜視図 (b)ピン型試験片の斜視図
【符号の説明】
1 ダンベル型試験片 2 射出成形ゲート 3 ピン型試験片 4 繊維状補強材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/14 C08K 7/14 C10M 103/02 C10M 103/02 Z 107/38 107/38 125/02 125/02 125/28 125/28 143/10 143/10 145/24 145/24 169/04 169/04 //(C08L 71/12 (C08L 71/12 27:18 27:18 25:00) 25:00) C10N 20:06 C10N 20:06 B 30:06 30:06 40:02 40:02 40:06 40:06 50:08 50:08 (72)発明者 江上 正樹 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 エヌ ティエヌ株式会社内 Fターム(参考) 2C480 CA01 CA51 CA52 DB02 DB06 DB07 DB08 4F071 AA22 AA27 AA51 AB03 AB28 AD01 AE11 AF28A AH16 EA01 EA02 4H104 AA04A AA04C AA23C CA07C CB14C CD02A EA10C LA03 PA01 PA04 QA11 QA21 4J002 BB032 BC032 BD152 CF072 CH071 CL002 CN022 DA016 DA027 DL006 FA046 FD172 FD177 GQ00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変性ポリフェニレンエーテル樹脂を主要
    成分とし、繊維状補強剤を添加すると共に、四フッ化エ
    チレン樹脂および黒鉛からなる固体潤滑剤を2〜30容
    量%配合してなる精密摺動部品用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 変性ポリフェニレンエーテル樹脂が、ポ
    リフェニレンエーテル樹脂にポリスチレン系樹脂をブレ
    ンドした変性ポリフェニレンエーテル樹脂である請求項
    1に記載の精密摺動部品用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 四フッ化エチレン樹脂と黒鉛の配合容量
    比が、1:1から1:5の範囲である請求項1または2
    に記載の精密摺動部品用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 繊維状補強剤が、ガラス繊維または炭素
    繊維である請求項1〜3のいずれかに記載の精密摺動部
    品用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 繊維状補強剤の配合量が、3〜22.5
    容量%である請求項1〜4のいずれかに記載の精密摺動
    部品用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 精密摺動部品が、電子画像の走査部品ま
    たは印刷用ヘッドのキャリッジである請求項1〜5のい
    ずれかに記載の精密摺動部品用樹脂組成物。
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