JP2006069625A - キャップ装着用治具及び該治具に用いられる転がり軸受 - Google Patents

キャップ装着用治具及び該治具に用いられる転がり軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】 巻き締めトルクのばらつきを少なくすると共に、無菌充填下における腐食性ガス環境下であるオゾン水や過酸化水素水、および過酢酸等による殺菌消毒処置を行った後においても、発錆等よる転がり軸受の寿命低下を回避する。
【解決手段】 キャッピングマシンのスピンドル2に取り付けられ、該スピンドル2と連動する治具本体3と、キャップCを把持するチャック部4と、スピンドル2の回転をチャック部4に接続、解除する磁気クラッチ8と、治具本体3とチャック部4との間に配設されて該チャック部4を治具本体3に対して回転可能に支持する深溝玉軸受5とを備えたキャップ装着用治具1において、深溝玉軸受5の内輪21、外輪22及び転動体23を非磁性材料とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、キャッピングマシンのスピンドルに取り付けられ、合成樹脂製キャップ等のプレスクリューキャップを把持して容器口部に装着するキャップ装着用治具及び該治具に用いられる転がり軸受に関する。
一般に、コンベヤ上を連続して搬送される容器の口部にプレスクリューキャップを螺合して装着するキャッピングマシンにおいては、そのスピンドル先端部分に、キャップを把持して容器口部に装着するためのキャップ装着用治具が取り付けられている。
このキャップ装着用治具1は、図1に示すように、スピンドル2の先端部に取り付けられ、該スピンドル2と連動する治具本体3と、キャップCを把持するチャック部4と、治具本体3とチャック部4との間に配設されて該チャック部4を治具本体3に対して回転可能に支持する転がり軸受5とを備えている。
ところで、容器9の口部9aにキャップCを強く締め過ぎると後でユーザが開栓することが困難となり、逆にキャップCの締め込みが緩いと雑菌が混入するなどの食品衛生上の問題が生じるため、上記キャップ装着用治具1では、チャック部4で把持したキャップCを開封時の所要回転トルクに対応した所定のトルクで容器9の口部9aに締め込む必要がある。
そのため、キャップ装着用治具1には、キャップCを容器口部9aに締め込むときに、締め込みトルクが所定のトルクに達するとキャップCを把持するチャック部4と治具本体3との接続が解除され、これにより、チャック部4によるキャップCの締め込みが停止するクラッチ機構が設けられている。
このクラッチ機構としては、例えば、治具本体3に固定された磁石6と、該磁石6に対向してチャック部4に固定された磁石7とを備えた磁気クラッチ8が用いられ、治具本体3側の磁石6とチャック部4側の磁石7との間隔を調整することによって巻き締めトルクを調整するようになっている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
そして、所定のトルクに到達するまでは、スピンドル2のトルクをキャップCを把持するチャック部4に伝達し、所定のトルクに到達すると治具本体3とチャック部4が滑り、キャップCの締め込みを停止する。
また、キャッピングマシンに用いられる転がり軸受5は、殺菌消毒のために、過酢酸や過酸化水素水などのオキソニアが噴霧される環境下で用いられる場合があり、このような環境下では軸受が早期に発錆して使用できなくなる可能性があるため、ステンレス鋼製(例えばSUS440C)の深溝玉軸受が用いられている。
特開平9−255089号公報 特開平8−207993号公報
上記従来のキャップ装着用治具においては、無菌充填システム・クリーンキャッパー内でのマグナトルク式キャッピングシステムにて、チャック部4を自由に回転させる転がり軸受5に存在する軸方向のがたつきにより、治具本体3に固定した磁石6とチャック部4に固定した磁石7との磁石間隔が変動したり、磁場環境の影響を受けて転がり軸受5が磁化されてしまい、巻き締めトルクがばらついてしまうという問題がある。
また、上述したように、一般に食品機械用の転がり軸受は、殺菌、消毒のため、過酢酸や過酸化水素などのオキソニアが噴霧され、金属が腐食しやすい環境にあるがあるが、JIS:SUS440Cは規格鋼種の中で最も低い耐食性しか有しておらず、高い耐食性の要求がある。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、巻き締めトルクのばらつきを少なくして安定で確実なトルク伝達を行うことができると共に、無菌充填下における腐食性ガス環境下であるオゾン水や過酸化水素水、および過酢酸等による殺菌消毒処置を行った後においても、発錆等よる転がり軸受の寿命低下を回避することができるキャップ装着用治具及び該治具に用いられる転がり軸受を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、キャッピングマシンのスピンドルに取り付けられ、該スピンドルと連動する治具本体と、キャップを把持するチャック部と、前記スピンドルの回転を前記チャック部に接続、解除するクラッチと、前記治具本体と前記チャック部との間に配設されて該チャック部を前記治具本体に対して回転可能に支持する転がり軸受とを備えたキャップ装着用治具において、
前記転がり軸受の内輪、外輪及び転動体を非磁性材料としたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、キャッピングマシンのスピンドルに取り付けられ、該スピンドルと連動する治具本体と、キャップを把持するチャック部と、前記スピンドルの回転を前記チャック部に接続、解除するクラッチと、前記治具本体と前記チャック部との間に配設されて該チャック部を前記治具本体に対して回転可能に支持する転がり軸受とを備えたキャップ装着用治具において、
前記転がり軸受の内輪及び外輪の材料に非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼を用い、且つ転動体にセラミックス球を用いたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2において、前記転動体を周方向に略等間隔で複数個保持する保持器を備え、該保持器の材料に樹脂又は非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼を用いたことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記転がり軸受として、前記転動体が前記内輪の軌道溝と2点で接触すると共に前記外輪の軌道溝に1点で接触する3点接触玉軸受、又は前記転動体が前記内輪の軌道溝と1点で接触すると共に前記外輪の軌道溝に2点で接触する3点接触玉軸受を用いたことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記転がり軸受として、前記転動体が前記内輪の軌道溝と2点で接触すると共に前記外輪の軌道溝に2点で接触する4点接触玉軸受を用いたことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記転がり軸受として、背面組合せの2個の玉軸受を用いたことを特徴とする。
請求項7に係る発明は、キャッピングマシンのスピンドルに取り付けられ、該スピンドルと連動する治具本体と、キャップを把持するチャック部と、前記スピンドルの回転を前記チャック部に接続、解除するクラッチと、前記治具本体と前記チャック部との間に配設されて該チャック部を前記治具本体に対して回転可能に支持する転がり軸受とを備えたキャップ装着用治具において、
前記転がり軸受の転動体にセラミックス球を用い、且つ前記転動体の中心線平均表面粗さRaを0.002μm以上0.05μm以下としたことを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項7において、前記転動体の破壊じん性値/(ヤング率×最大表面あらさRmax 0.5 )の値を2.0×10-2以上としたことを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のキャップ装着用治具の前記治具本体と前記チャック部との間に配設されて該チャック部を前記治具本体に対して回転可能に支持する転がり軸受。
本発明によれば、巻き締めトルクのばらつきを少なくして安定で確実なトルク伝達を行うことができると共に、無菌充填下における腐食性ガス環境下であるオゾン水や過酸化水素水、および過酢酸等による殺菌消毒処置を行った後においても、発錆等よる転がり軸受の寿命低下を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態であるキャップ装着用治具を図1を流用して説明すると、このキャップ装着用治具1は、治具本体3とチャック部4との間に配設されて該チャック部4を治具本体3に対して回転可能に支持する転がり軸受5を深溝玉軸受とし、該深溝玉軸受の内輪21及び外輪22の材料に非磁性のステンレス鋼を用い、転動体23は窒化けい素(Si34 )のセラミックス製としている。また、複数の転動体23を周方向に略等間隔に保持する保持器(図示せず)の材料には、フッ素樹脂又は非磁性のステンレス鋼を用いている。
これにより、磁気クラッチ8から受ける磁場による着磁を回避し、且つ腐食環境下でも高い耐食性を有することで、軸方向荷重が負荷されたときのアキシアル変位を抑制し、巻き締めトルクのばらつきを少なくして安定で確実なトルク伝達を可能にしている。
また、耐磁性、耐食性及び耐久性を有するマグナトルク式キャッピングシステムヘッド用の転がり軸受の提供が可能になり、更に、転がり軸受を2個背面組合せにて使用し(後述する)、巻き締めトルクの往復運動によるアキシアル変位のばらつきを抑制することができる転がり軸受の提供が可能となる。
なお、転がり軸受として単列深みぞ玉軸受を使用する場合には、クリーンキャッパー内のマグナトルクヘッド主軸に内輪を固定し、且つ外輪の外径面に止め輪みぞ加工を施すことにより外輪とハウジングの固定が強化される。これにより、軸受組込み時のミスアライメントを防止し、且つ外輪に十分な剛性を持たせることで、トルク変動によるチャック部の回転と軸受回転の変動を抑制し、ヘッドセット作動時の軸受に発生するがたつきとトルク変動を抑制することが可能となる。
以下、詳述する。
玉軸受の内輪及び外輪の材料に、非磁性としての機能と耐食性を有するステンレス鋼を用いる。なお、一般に非磁性としての機能を有する材料として、Be−Cu合金やMn−Cr−V系のオーステナイト系ステンレス鋼があるが、Be−Cu合金は硬さも低いうえに(Hv400程度)、酸化生成物が有害となる。
Mn−Cr−V系のオーステナイト系ステンレス鋼は時効処理を必要とし、一般のオーステナイト系ステンレス鋼より耐食性が劣る。また、一般のオーステナイト系ステンレス鋼は軟質で転がり軸受として用いる場合は軽荷重の用途となる。
そこで、この実施の形態では、より好ましい形態として、内輪及び外輪の材料に、耐食性と非磁性とを満足する次の条件のステンレス鋼を用いる。
即ち、Ni当量=Ni+Co+0.5Mn+0.3Cu+25N+30C(ここでNi,Co,Mn,Cu,N,Cは材料に含まれる各元素の比率を示す)が12.0以上であるオーステナイト系ステンレス鋼の表面に460°C程度の比較的低い温度で浸炭処理することによって形成された実質炭化物を含まない浸炭硬化層を、表面硬さHv650以上を有するように形成した表面硬化型オーステナイト系ステンレス鋼を用いる。また、保持器付の転がり軸受の場合、保持器の材料については上記の非磁性型オーステナイト系ステンレス鋼、若しくは自己潤滑性を有するポリアミド樹脂等を用いる。
転動体については、窒化けい素、炭化けい素、アルミナ等のセラミックスを使用することにより、マグナトルク式キャッピングシステム内での転がり軸受へ着磁がなくなるため、適切なトルク伝達が可能となる。
また、潤滑剤としては、食品機械に用いられることから、例えば米国農商務省が規定するUSDA;H−1認可品、或いは同等の潤滑剤を用いることが好ましい。例えば、基油にホワイトオイル、増ちょう剤にAlコンプレックス石けんを用いたTHE WHITMOREMANUFACTURING COMPANY製のメダリオン(登録商標)FM抗菌グリースや5090B無毒性グリース等が挙げられる。
耐久性及び透磁率、耐食性等の評価は実施例と比較例とも玉軸受608(JIS呼び番号)を用いて行った。なお、軸受に組み込まれる転動体はセラミックス(Si3 4 )製とし、保持器はポリアミド樹脂製保持器とした。内輪及び外輪の材料には、実施例1は非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼(JIS:SUS316L)、比較例1はマルテンサイト系ステンレス鋼であるSUS440C、比較例2は軸受鋼として代表とされる高炭素クロム軸受鋼であるSUJ2、比較例3はMn−Cr−V系の析出硬化型オーステナイト系非磁性ステンレス鋼、比較例4は非磁性であるベリリウム銅合金(Cu−Be)をそれぞれ用いた。
これら種々の材料を旋削加工にて内輪及び外輪の所望の形状に成形したのち、実施例1のオーステナイト系ステンレス鋼においては上述した浸炭硬化処理、比較例3のMn−Cr−V鋼においては時効硬化処理を施した。なお、比較例1のマルテンサイト系ステンレス鋼および比較例2のSUJ2には焼入れ処理後、焼戻し処理を行ったものを各種評価に供した。
評価は耐久性試験として表面硬さ試験、透磁率測定及び回転起動トルク試験を行った。耐食性評価については塩水噴霧試験を実施した。種々の材料とその軸受の完成品質および評価結果を表1に示す。
Figure 2006069625
表1中の表面硬さ試験は、軸受軌道輪の端面を軽く鏡面仕上げしたのち、荷重50gにてビッカース硬度を測定した値を表示した。
非磁性の確認試験は、図5を参照して、主軸に試験軸受を装着して、外周に固定設置された永久磁石の間で回転させた。テスラーメーターを用いて磁束密度の測定を行い、試験軸受の回転により磁場が変動するか否かを判定した。
回転起動トルク試験は、図6を参照して、主軸に試験軸受を装着して、外周に固定設置された永久磁石の間で回転させた。プッシュプルゲージを用いて引張り荷重の測定を行い、試験軸受の回転トルクが変動するか否かを判定した。
塩水噴霧試験については、各種軸受の内輪をJIS Z2371に準拠して、塩水噴霧試験を1週間行い、全く発錆しなかったものを◎、軽微な発錆が認められたものを○、明らかな発錆が認められたものを△、ほぼ全周に著しい発錆が認められたものを×として評価した。
また、トルク寿命試験は回転速度1000min-1、アキシアル荷重19.6Nで回転試験を行い、トルクが初期トルクの2倍に達した時点を寿命として評価した。なお、評価は10×106 サイクルで打ち切りとした。
表1から明らかなように、比較例1,2は表面硬さがHv700以上を有し、荷重による転がり寿命の低下は生じないが、着磁および腐食による転がり寿命が劣っている。比較例3,4は軸受への着磁および腐食による転がり寿命の低下は生じないが、表面硬さがHv450未満であるため耐摩耗性、耐荷重性が劣り耐久性の低下となる。
これに対し、本発明の実施例1は、転がり寿命に必要とされる表面硬さ、回転起動トルク、透磁率、耐食性のすべての評価項目において比較例よりも優れていることが確認できる。
なお、本発明は上記実施の形態及び上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、転がり軸受として深溝玉軸受5を例に採ったが、これに代えて、図2に示すように、転動体23が、内輪31の軌道溝と2点で接触すると共に外輪32の軌道溝に1点で接触する3点接触玉軸受30や、図3に示すように、転動体23が内輪41の軌道溝と1点で接触すると共に外輪42の軌道溝に2点で接触する3点接触玉軸受40に本発明を適用することにより、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができると共に、ラジアル荷重と一方向からのアキシアル荷重及びラジアル荷重とアキシアル荷重の合成荷重を負荷できるため、マグナトルク式キャッピングシステム内での適切なトルク伝達が可能となる。また、前記3点接触玉軸受30,40を背面組合せにて用いることにより、両方向のアキシアル荷重の負荷することができ、両軸方向からのアキシアル変位に対し、巻き締めトルクのばらつきを抑えることが可能となる。
また、図4に示すように、転動体23が内輪51の軌道溝と2点で接触すると共に外輪52の軌道溝に2点で接触する4点接触玉軸受50に本発明を適用することにより、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができると共に、一個の玉軸受で両方向のアキシアル荷重を負荷することができ、両方向の巻き締トルクのばらつきを抑えることが可能となる。
更に、上記実施の形態では、一個の転がり軸受を配置したキャップ装着用治具を例に採ったが、図7に示すように、転がり軸受として背面組合せの2個の玉軸受を用いたキャップ装着用治具に本発明を適用することもできる。
このキャップ装着用治具10は、キャッピングマシンのスピンドル11に取り付けられ、該スピンドル11と連動する治具本体12と、コンベヤ上を連続して搬送される容器13の口部14に螺着するためのキャップ15を把持するチャック部16と、チャック部16側及び治具本体12側にそれぞれ互いに対向して配置された一対の磁石17,18によってスピンドル11の回転を治具本体12を介してチャック部16に接続、解除する磁気クラッチ19と、治具本体12とチャック部16との間に配設されて該チャック部16を治具本体12に対して回転可能に支持する玉軸受20とを備えている。
磁気クラッチ19は、治具本体12側の磁石17とチャック部16側の磁石18との間隔を調整することによってキャップ15の巻き締めトルクを調整するようになっており、所定のトルクに到達するまでは、スピンドル11のトルクをキャップ15を把持するチャック部16に伝達し、所定のトルクに到達すると治具本体12とチャック部16が滑り、キャップ15の締め込みを停止する。
ここで、玉軸受20を深溝玉軸受(内径45mm、外径75mm、幅8mm、内外輪の軌道溝の曲率半径は共に52%Da)を接触角20°(背面組合せ)となるように予圧を付与して2列組み合わせて配置し、玉軸受20の軸方向断面幅Bと半径方向断面高さH(=(外輪外径D−内輪内径d)/2)との断面寸法比(B/H)を(B/H)<0.60とすることで、玉軸受1個のスペースに玉軸受を2個以上配置することができ、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けることができると共に、低トルク化及び更なる高剛性化を図ることができる。
また、キャップ装着用治具10は、殺菌、消毒のため、過酢酸や過酸化水素などのオキソニアが噴霧され、金属が腐食しやすい環境にあるため、玉軸受20の内外輪には非磁性のステンレス鋼が使用され、転動体にはセラミックス玉が使用されている。軸受の内外輪には非磁性のオーステナイトステンレス鋼が使用できるが、より防錆性を高め、強度をバランスよくするために、上記実施の形態と同様にNi当量=12.0以上であるオーステナイトステンレス鋼を表面硬化処理し、表面硬さHv650以上を有する表面硬化型オーステナイトステンレス鋼を使用することが好ましい。
更に、内外輪の軌道溝の曲率半径は、通常の内外輪共に52%Da(Da:玉径)の組合せが一般的であるが、内輪と外輪の面圧をできるだけ近づけるには外輪の溝曲率半径を内輪の溝曲率半径より大きくすることが、差動すべりに起因するフレッチング等を防止するには内輪の溝曲率半径を外輪の溝曲率半径より大きくすることが好ましい。面圧の増大による寿命低下、摩擦力の増加によるトルク増大を考慮すると、内外輪の軌道溝の曲率半径は51%Da〜56%Daの範囲で選定することが好ましい。
この実施の形態では、玉軸受1個のスペースに玉軸受20を2列組み合わせて配置し、且つ予圧を付与して使用するようにしているので、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けることができると共に、低トルク化及び更なる高剛性化を図ることができ、しかも、予圧を付与することにより、軸受の軸方向のがたつきが減少して剛性が高くなる結果、治具本体12側の磁石17とチャック部16側の磁石18との間隔を正確に保つことができ、これにより、チャック部16によるキャップ15の巻き締めトルクのばらつきを抑えることができる。
また、玉軸受20の軸方向断面幅Bと半径方向断面高さHとの断面寸法比(B/H)を(B/H)<0.60としているので、従来の玉軸受1個のスペースに玉軸受を2個以上組み合わせて配置し、且つ予圧を付与することによって、軸受の軸方向のガタがなくなり、磁石間隔が変動して巻き締めトルクがばらつくことを防ぐことができる。
なお、この実施の形態では、玉軸受として深溝玉軸受20を例に採ったが、これに代えて、アンギュラ玉軸受を2個用い、予圧をかけて使用してもよい。2個のアンギュラ玉軸受を背面組み合わせで使用する場合、アンギュラ玉軸受の接触角は15〜40°が使用できる。
図8はアンギュラ玉軸受の一例を示したものであり、このアンギュラ玉軸受100は、外輪101の軌道溝101aと内輪102の軌道溝102aとの間に多数の玉103が転動自在に配設され、軸方向断面幅Bと半径方向断面高さH(=(外輪外径D−内輪内径d)/2)との断面寸法比(B/H)が(B/H)<0.60とされている。
ここで、アンギュラ玉軸受100を2列背面組合せとし、7208A(接触角30°)の2列組合せアンギュラ玉軸受と置き換える場合を例に採る。
7208Aのアンギュラ玉軸受は、内輪内径φ40mm、外輪外径φ80mm、軸方向断面幅(軸受単体幅)Bが18mmであるので、断面寸法比(B/H)=0.9である。したがって、アンギュラ玉軸受100では、断面寸法比(B/H)=0.45(内輪内径及び外輪外径はそのままで、軸方向断面幅(軸受単体幅)を9mmとした)としている。 もちろん、必要に応じて、アンギュラ玉軸受100の断面寸法比(B/H)を0.45未満或いは0.45を超える(但し(B/H)<0.60)ように設定してもかまわない。因みにアンギュラ玉軸受100の接触角は例えば30°としている。
なお、巻き締めトルクが所定のトルクまで到達し、磁気クラッチの作用により治具本体3とチャック部4が滑って巻き締めが終了しても、チャック部4の慣性モーメントが大きい場合には、チャック部4の慣性トルクでキャップを締めすぎてしまうことが懸念される。
そこで、玉103のピッチ円直径は、チャック部4に固定される内輪の重量を減少させ、チャック部4の慣性モーメントを減少させることにより、慣性トルクによるキャップの巻き締めすぎを防ぐため、次式(1)のように玉ピッチ円直径を内輪102側にずらしている。但し、軸受1列あたりの玉数を増やして更にモーメント剛性を増加させたい場合は、次式(2)を採用して、逆に玉103のピッチ円直径を外輪側にずらした構造としてもよいし、次式(3)を採用して玉103のピッチ円直径を内輪と外輪の中央としてもよい(図示せず)。
玉のピッチ円直径<(内輪内径+外輪外径)/2 …(1)
玉のピッチ円直径>(内輪内径+外輪外径)/2 …(2)
玉のピッチ円直径=(内輪内径+外輪外径)/2 …(3)
また、必要に応じて、組み合わされる左右の玉軸受の玉ピッチ円直径を同―値とせずともよいし、組み合わされる左右の玉軸受の玉103の径を同一値としなくてもよい。加えて、組み合わせる2個の玉軸受の断面寸法比(B/H)は同一でなく、例えば玉径の小さい方を、玉径の大きい方より小さくしても構わない。更に、玉103の軸方向ピッチも軸方向中心でなくともよく、シールや保持器の装着有無やモーメントの作用点間距離の確保等のために玉103の軸方向ピッチを軸方向にずらしてもよい。
また、軸受の剛性を上げるために、隣り合う玉103間の円周方向ピッチは極力小さくし、できる限り玉数を多くするように設計できる。更に、必要に応じて玉103の軸方向ピッチをできるだけ組合せ側端面の反対側にずらし、保持器110の円環部111が軸受組合せ端面側になるように配置して、モーメント剛性を上げるための作用点間距離を大きくとれるようにすることも可能である。
なお、総玉軸受の場合も、環状シール体の装着の有無等、必要に応じて同様に玉の軸方向ピッチを幅中央ではなく、軸方向の左右いずれかの方向(軸受合わせ端面側、あるいは反対側)にずらしてもかまわない。
保持器付きの軸受は、回転が1方向の連続回転や大きなモーメント荷重が加わる条件等、各玉の接触角の変化による公転速度のばらつきが発生しやすい条件等で、総玉軸受を使用した場合の玉間の接触や玉つまりが生じやすい用途で低トルク、低発熱等の点で、より良い効果を発揮する。
また、転動体にセラミックス製の玉を用いる場合、玉の大きさが異なる2つの深溝玉軸受を組み合わせて配置したり、荷重を負荷する側の玉軸受の玉の数に比べて反負荷側の玉軸受の玉の数を少なくすることによって、セラミックス製の玉の占める価格の比率を小さくして軸受の価格を下げることができる。
次に、本発明の他の態様の実施の形態であるキャップ装着用治具を説明する。
図1を流用して説明すると、このキャップ装着用治具1は、治具本体3とチャック部4との間に配設されて該チャック部4を治具本体3に対して回転可能に支持する転がり軸受5をの転動体23にセラミックス球を用い、且つ転動体23の中心線平均表面粗さRaを0.002μm以上0.05μm以下とすると共に、転動体23の破壊じん性値/(ヤング率×最大表面あらさRmax 0.5 )の値を2.0×10-2以上としている。
これにより、腐食しにくいキャッピングヘッド用の転がり軸受を提供できると共に、転動体および軌道面の摩耗、微細なはく離の発生や脱落を効果的に抑制することができるため、軸受の摩耗、振動、がたつきが低減することで、磁石間隔の変動を減少させ、巻き締めトルクのばらつきを少なくすることができる。
セラミックス製の転動体の中心線平均表面粗さRaを0.002μm以上0.05μm以下とする場合には、転動体および軌道面の摩耗、微細なはく離の発生や脱落を効果的に抑制することができるため、長期間に渡って音響やトルク変動が増加しにくく、摩耗粉により外部環境を汚染することが少ない。
セラミックス製の転動体の中心線平均表面粗さRaを0.002μm未満としても、転動体および軌道面の摩耗、微細なはく離の発生や脱落をそれ以上に抑制する効果は非常に少なく、加工コストが高くなるだけである。一方、表面粗さが0.05μmRaを超える場合には、表面粗さの突起部分により、相手材である軌道面のアブレシブ摩耗が促進されるため、キャッピングヘッド用転がり軸受の寿命が極端に短くなる場合がある。
セラミックス製の転動体の破壊じん性値/(ヤング率×最大表面あらさRmax 0.5 )が2.0×10-2以上とした場合には、セラミックス製の転動体の表面あるいは内部においてクラックが伝播しにくいため、はく離や摩耗が生じ難く、衝撃が加わる条件下や、より高い荷重条件下で作動することができる。
セラミックス製の転動体の破壊じん性値/(ヤング率×最大表面あらさRmax 0.5 )が2.0×10-2未満とした場合には、表面や内部の欠陥を起点としてクラックが伝播し易く、摩耗粉が多量に発生したり、割れが生じたりして、キャッピングヘッド用転がり軸受の寿命が極端に短くなる場合がある。
転がり軸受としての耐久性を評価するために表2に示すような各種窒化けい素1〜5からなる転動体を用いた。ここで、セラミックスの破壊じん性値(MPa・m0.5 )は転動体の断面を対象に、JIS R1607のIF法に基づいて算出された破壊じん性値を用いる。ヤング率(GPa)は、セラミックスから作製した試験片を用い、JIS R1602に基づいて測定した値を用いる。
Figure 2006069625
セラミックス製転動体に用いた窒化けい素1は窒素ガス雰囲気中で8気圧程度の焼結条件で得られた窒化けい素であり、中心線平均表面粗さRaおよび破壊じん性値/(ヤング率×最大表面あらさRmax 0.5 )が本発明の範囲内である。
窒化けい素2は常圧焼結によって得られた窒化けい素であり、中心線平均表面粗さRaおよび破壊じん性値/(ヤング率×最大表面あらさRmax 0.5 )が本発明の範囲内である。 窒化けい素3は1000気圧程度でHIP法によって得られた高強度窒化けい素であり、中心線平均表面粗さRaおよび破壊じん性値/(ヤング率×最大表面あらさRmax 0.5 )が本発明の範囲内である。
窒化けい素4は10気圧以下で焼結されている窒化けい素材であるが、内部の組織が不均一で破壊じん性値が低く、中心線平均表面粗さRaと最大表面あらさRmax が大きく、本発明範囲外である。
窒化けい素5は常圧焼結によって得られた窒化けい素であるが、中心線平均表面粗さRaと最大表面あらさRmax が大きく、本発明の範囲外である。
キャッピングマシンのキャッピングヘッドのように、洗浄・殺菌・消毒のため、水などが噴霧されて転がり軸受にかかるような腐食環境下において、転がり軸受としての耐久性を評価するために表3に示す実施例1A〜5A、比較例1A,2Aの転がり軸受(型番6000:内径10mm、外径26mm、幅8mm)を試作して試験軸受とし、図9に示す日本精工株式会社製軸受回転試験機を用いて、水中で回転試験を行った。転がり軸受の耐久性は振動値を基準として評価した。
試験条件は回転速度:1000min-1、ラジアル荷重:98N、温度:常温でとした。いずれの場合も、保持器は射出成形により作製した冠型形状のポリビニリデンフルオライド(PVDF)樹脂(80体積%)にチタン酸カリウムウィスカー(20体積%)を配合した樹脂組成物製保持器を用いた。ここでは、振動値が初期値の3倍に上昇した時点を転がり軸受の寿命とした。これらの結果を表3にまとめて示す。表3中において、ジルコニアには京セラ株式会社製Z703、サーメットには日本タングステン株式会社製TiC−TaN−Ni−Mo系DUX40、超硬合金には住友電気工業株式会社製製WC−Ni−Cr系M61Uを用いた。
なお、各実施例及び比較例における転がり軸受の耐久性は、比較例1Aの耐久性を1とした相対値で示す。
Figure 2006069625
表3から明らかなように、本発明の実施例1A〜5Aは比較例1A,2Aと比較して格段に長寿命であることがわかる。
図10に、窒化けい素2製転動体の中心線平均表面粗さRaを変えた場合における該表面粗さRaと転がり軸受の耐久性との関係を示す。試験は、上述と同じ試験である。いずれの場合も、内輪、外輪をSUS316Lに460℃程度で浸炭処理した表面硬化型オーステナイト系ステンレス鋼で作製し、保持器には射出成形により作製した冠型形状のポリビニリデンフルオライド(PVDF)樹脂(70体積%)にチタン酸カリウムウィスカー(20体積%)を配合した樹脂組成物製保持器を用いた。
図10より、本発明の範囲である転動体の中心線平均表面粗さRaが0.002μm以上0.05μm以下である場合に、転がり軸受の寿命が格段に長いことがわかる。
表3および図10に示されるように、本発明の実施例1A〜5Aの転がり軸受は比較例1A,2Aと比べて、潤滑条件が厳しい環境下においても、耐摩耗性に優れ、寿命が格段に長いことがわかる。
本発明の転動体に用いるセラミックス材料は、本発明におけるポア形態を満足すれば、特に限定されないが、窒化けい素(Si3 4 )系、炭化けい素(SiC)系、窒化アルミニウム(AlN)系、炭化ホウ素(B4 C)系、ホウ化チタン(TiB2 )系、窒化ホウ素(BN)系、炭化チタン(TiC)系、窒化チタン(TiN)系、あるいはこれらを複合させたセラミックス系複合材料などを例示できる。中でも、窒化けい素は、強度および破壊じん性値が高いので特に好ましい。窒化けい素では、焼結助剤成分として、Al2 3 やMgO、CeOなどの金属酸化物およびY2 3 、B2 3 、La2 3 などの希土類酸化物の中から選択され、焼結体全体の20重量%を上限として添加されたものを用いることができる。
また、本発明の転動体に用いるセラミックス材料は、強度や破壊じん性などをさらに向上させるために、繊維状充填材を配合することができる。繊維状充填材としては、特に限定されないが、炭化ケイ素ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカ一、アルミナウィスカー、窒化アルミニウムウィスカー等を例示できる。
一方、本発明の転がり軸受の転動体以外の材質は、耐食性材料でかつ非磁性材料であれば特に限定されない。SUS316Lに代表されるステンレス鋼系金属材料、各種セラミックス材料、各種超硬合金および各種サーメットを例示することができる。
セラミックス材料としては、窒化けい素(Si3 4 )系、ジルコニア(ZrO2 )系、アルミナ(Al2 3 )系、炭化けい素(SiC)系、窒化アルミニウム(AlN)系、炭化ホウ素(B4 C)系、ホウ化チタン(TiB2 )系、窒化ホウ素(BN)系、炭化チタン(TiC)系、窒化チタン(TiN)系、あるいはこれらを複合させたセラミックス系複合材料などを例示できる。中でも、窒化けい素は、強度と破壊靭性値が高いので特に好ましい。
また、本発明の転がり軸受の転動体以外に用いるセラミック材料は、強度や破壊じん性などをさらに向上させるために、繊維状充填材を配合することができる。繊維状充填材としては、特に限定されないが、炭化ケイ素ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、アルミナウィスカー、窒化アルミニウムウィスカーを例示できる。
非磁性であり耐食性を向上させたものには、WC−Ni系、WC−Cr3 2 −Mo2 C−Ni系、WC−Ti(C,N)−TaC系、WC−Ti(C,N)系、Cr3 2 −Ni系などがある。
サーメットとしては、TiC−Ni系、TiC−Mo−Ni系、TiC−Mo2 C−Ni系、TiC−Mo2 C−ZrC−Ni系、Mo2 C−Ni系、Ti(C,N)−Mo2 C−Ni系、TiC−TiN−Mo2 C−Ni系、TiC−TiN−Mo2 C−TaC−Ni系、TiC−TiN−Mo2 C−WC−TaC−Ni系、TiC−WC−Ni系、Ti(C,N)−WC−Ni系、TiC−Mo系、Ti(C,N)−Mo系、ホウ化物系(MoB−N系、B4 C/(W,Mo)B2 系など)などを例示できる。
ここで、Ti(C,N)−Mo2 C−Ni系、Ti(C,N)−WC−Ni系、あるいはTi(C,N)−Mo系は、TiC−Mo2 C−Ni系、TiC−WC−Ni系、あるいはTiC−Mo系を窒素ガス(N2 )中で焼結した合金である。なお、前記材質を単独または組合せて使用することができる。
本発明においては、転動体が内輪の軌道溝と2点で接触する共に外輪の軌道溝に1点で接触する3点接触玉軸受、若しくは転動体が内輪の軌道溝と1点で接触すると共に外輪の軌道溝に2点で接触する3点接触玉軸受、又は転動体が内輪の軌道溝と2点で接触すると共に外輪の軌道溝に2点で接触する4点接触玉軸受を使用することにより、転がり軸受の軸方向のがたつきがなくなり、軸方向荷重が負荷されたときのアキシアル変位が少なくなるため、巻き締めトルクのばらつきを抑えることができ、さらに好ましい。
本発明の転がり軸受の保持器に用いる樹脂組成物は、特に限定されないが、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリアセタ一ル(POM)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂に代表されるポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルニトリル(PEN)、芳香族ポリイミド(PI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、芳香族ポリエステル(LCP)および各種含フッ素樹脂が好ましい。
含フッ素樹脂は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)等を例示できる。また、前記樹脂組成物以外に、金属製の保持器を用いても構わない。
本発明の転がり軸受の保持器に用いる前記樹脂組成物は、機械的強度、耐摩耗性、寸法安定性、耐熱性などを向上させるために、繊維状充填材を配合することができる。繊維状充填材としては、特に限定されないが、ホウ酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、カーボンウィスカー、アラミド繊維、芳香族ポリイミド繊維、液晶ポリエステル繊維、グラファイトウィスカー、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、アルミナウィスカー、窒化アルミニウムウィスカー、ウォラストナイト等を例示できる。
前記繊維状充填材のアスペクト比は3以上200以下であることが好ましい。アスペクト比が3未満の繊維状充填材では、前記溶融成形の可能な含フッ素樹脂の補強効果が十分に得られず、アスペクト比が200を超えると混合時の均―分散が極めて困難となる。
また、この繊維状充填材の繊維径は特に限定されないが、平均繊維径が0.2μm以上30μm以下であるものが好ましく、より好ましくは0.3μm以上20μm以下である。前記樹脂組成物における前記繊維状充填材の含有率は特に限定されないが、40重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5〜30重量%の含有率で含有することである。40重量%を超えて配合しても更なる機械的強度の向上が期待できないばかりでなく、樹脂組成物を溶融成形する際の流動性が著しく低下する。
なお、本発明の作用効果を得ることができる範囲内で、前記樹脂組成物には各種添加剤を配合してもよい。例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光保護剤、難燃剤、帯電防止剤、流動性改良剤、非粘着性付与剤、結晶化促進剤、増核剤、顔料、染料、固体潤滑剤等を例示できる。
本発明の第1の実施の形態であるキャップ装着用治具を説明するための要部断面図である。 本発明の第2の実施の形態であるキャップ装着用治具を説明するための要部断面図である。 本発明の第3の実施の形態であるキャップ装着用治具を説明するための要部断面図である。 本発明の第4の実施の形態であるキャップ装着用治具を説明するための要部断面図である。 転がり軸受の非磁性の確認試験の方法を説明するための説明図である。 転がり軸受の起動トルクの確認試験の方法を説明するための説明図である。 本発明の第5の実施の形態であるキャップ装着用治具を説明するための要部断面図である。 幅狭の単列玉軸受の変形例を説明するための要部断面図である。 軸受回転試験機の概略図である。 転動体の中心線平均表面粗さRaと転がり軸受の耐久性との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1 キャップ装着用治具
2 スピンドル
3 治具本体
C キャップ
4 チャック部
5 深溝玉軸受
6 磁石
7 磁石
8 磁気クラッチ

Claims (9)

  1. キャッピングマシンのスピンドルに取り付けられ、該スピンドルと連動する治具本体と、キャップを把持するチャック部と、前記スピンドルの回転を前記チャック部に接続、解除するクラッチと、前記治具本体と前記チャック部との間に配設されて該チャック部を前記治具本体に対して回転可能に支持する転がり軸受とを備えたキャップ装着用治具において、
    前記転がり軸受の内輪、外輪及び転動体を非磁性材料としたことを特徴とするキャップ装着用治具。
  2. キャッピングマシンのスピンドルに取り付けられ、該スピンドルと連動する治具本体と、キャップを把持するチャック部と、前記スピンドルの回転を前記チャック部に接続、解除するクラッチと、前記治具本体と前記チャック部との間に配設されて該チャック部を前記治具本体に対して回転可能に支持する転がり軸受とを備えたキャップ装着用治具において、
    前記転がり軸受の内輪及び外輪の材料に非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼を用い、且つ転動体にセラミックス球を用いたことを特徴とするキャップ装着用治具。
  3. 前記転動体を周方向に略等間隔で複数個保持する保持器を備え、該保持器の材料に樹脂又は非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼を用いたことを特徴とする請求項2に記載したキャップ装着用治具。
  4. 前記転がり軸受として、前記転動体が前記内輪の軌道溝と2点で接触すると共に前記外輪の軌道溝に1点で接触する3点接触玉軸受、又は前記転動体が前記内輪の軌道溝と1点で接触すると共に前記外輪の軌道溝に2点で接触する3点接触玉軸受を用いたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載したキャップ装着用治具。
  5. 前記転がり軸受として、前記転動体が前記内輪の軌道溝と2点で接触すると共に前記外輪の軌道溝に2点で接触する4点接触玉軸受を用いたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載したキャップ装着用治具。
  6. 前記転がり軸受として、背面組合せの2個の玉軸受を用いたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載したキャップ装着用治具。
  7. キャッピングマシンのスピンドルに取り付けられ、該スピンドルと連動する治具本体と、キャップを把持するチャック部と、前記スピンドルの回転を前記チャック部に接続、解除するクラッチと、前記治具本体と前記チャック部との間に配設されて該チャック部を前記治具本体に対して回転可能に支持する転がり軸受とを備えたキャップ装着用治具において、
    前記転がり軸受の転動体にセラミックス球を用い、且つ前記転動体の中心線平均表面粗さRaを0.002μm以上0.05μm以下としたことを特徴とするキャップ装着用治具。
  8. 前記転動体の破壊じん性値/(ヤング率×最大表面あらさRmax 0.5 )の値を2.0×10-2以上としたことを特徴とする請求項7に記載したキャップ装着用治具。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のキャップ装着用治具の前記治具本体と前記チャック部との間に配設されて該チャック部を前記治具本体に対して回転可能に支持する転がり軸受。
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