JP2009245767A - イオン源、及びこのイオン源の製造方法 - Google Patents

イオン源、及びこのイオン源の製造方法 Download PDF

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Takayuki Hirano
貴之 平野
Chikara Ichihara
主税 一原
Akira Kobayashi
明 小林
Toshiyuki Tsuji
敏之 辻
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Abstract

【課題】電界電離電極の先端部の微小開口内における位置が移動し難いイオン源及びこのイオン源の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、イオンビームを生成するイオン源10であって、微小開口22とこの微小開口22に接続している内周面20aとを有する容器20と、先端部23Aが微小開口22内に位置するように容器20内に固定される電界電離電極23とを備え、電界電離電極23には位置決め部材30が設けられ、位置決め部材30は、電解電離電極23に固定される基部32と容器20の内周面20aに当接可能な当接部34aとを含み、この当接部34aと内周面20aとの当接により電極の先端部23Aが許容範囲の外側に逸脱するのを阻止すると共に、電解電離電極23の外周面23aと容器20の内周面20aとの間での原料ガスの流通を許容する形状を有していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高輝度のイオンビームを利用した、表面物理分析装置や半導体製造の検査装置、欠陥リペア装置用イオンプローブ、イオン注入、イオンビーム露光、イオンビーム堆積、イオンビームエッチング、イオンビーム描画、走査イオン顕微鏡等に用いられる微小径イオンビーム発生用のイオン源に関する。
従来から、電界電離型イオン源としては、図9に示されるような、開口122を有し、内部に原料ガスが供給される容器120と、先端を開口122に向けて容器120内に固定される針状電極123と、を備え、る電界電離型イオン源110が知られている(特許文献1参照)。
この電界電離型イオン源110は、ガス(原料ガス)中で、その先端半径が5nm〜100nm程度に尖らされた金属の針状電極(電界電離電極)123の先端部近傍に5〜60V/nm程度の強電界が形成されるように構成されている。
このように構成される電界電離型イオン源110においては、容器120に供給された原料ガスが開口122から噴射されるときに針状電極123先端近傍を通過する。その際、上記のように針状電極123先端近傍には強電界が形成されており、この強電界中を原料ガスが通過することでガス分子が電界電離現象によりイオンと電子とに分離され、この分離したイオンがイオンビームとして取り出される。
特開昭63−43249号公報
このように構成される電界電離型イオン源では、一般に、針状電極123は、その先端が容器120における開口周縁部121rに近接すると共に、開口122の中心部に針状電極123の中心軸が一致若しくは略一致するように容器120内に固定されている。これは、前記電界電離型イオン源110においては、強電界が形成された針状電極123先端近傍に原料ガスが安定して供給されると共に、針状電極123先端近傍で形成されたイオンが容器120内のイオン化してないガス分子と衝突して消滅・散乱するのを防ぎ、より強度が大きく且つ指向性の高いイオンビームを得るためである。このように、電界電離型イオン源110においては、容器120の開口周縁部121rと針状電極123との相対位置、即ち、容器120の開口周縁部121rに対する針状電極123の先端部の位置が重要になる。
しかし、前記の電界電離型イオン源110における針状電極123は、基部側(先端部と反対側)端部のみが容器120内に接合されることで固定されているため、当該イオン源110が製造された当初は開口122中心部に針状電極123の先端部が位置していたとしても、当該イオン源110の使用を続けることで振動や加熱又は冷却等が加わることで針状電極123と容器120との接合部に応力が発生し、針状電極123の先端部の開口122に対する位置がずれることがある。
このとき針状電極123の先端部が開口122の中心部からずれると針状電極123の先端部と開口周縁部121rとの間隔がその周方向において一定でなくなる。そのため、前記周方向において原料ガスの噴出する流量に違いが生じ、針状電極123の先端部近傍での原料ガスの流れに乱れが生じる。その結果、得られるイオンビームの強度が低下する等といった問題が生じる。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、電界電離電極の先端部の微小開口内における位置が移動し難いイオン源及びこのイオン源の製造方法を提供することを課題とする。
そこで、上記課題を解消すべく、本発明に係るイオン源は、原料ガスを噴射するときに電界電離してイオンビームを生成するイオン源であって、微小開口と、この微小開口に接続している前記イオンビームのビーム軸を囲む方向の内周面とを有し、前記内周面に囲まれた領域に供給された前記原料ガスを前記微小開口から噴射する容器と、前記ビーム軸方向に沿って延びると共に先端が尖り、先端部が前記微小開口内に位置するように前記容器内に固定される電界電離電極と、前記電界電離電極と対向するように前記容器の外部に配置される引出電極とを備え、前記電界電離電極には、前記微小開口内での当該電極の先端部の位置を所定の許容範囲内に収めるための位置決め部材が設けられ、前記位置決め部材は、前記電解電離電極に固定される基部と、前記容器の内周面に当接可能な当接部とを含み、この当接部と前記容器の内周面との当接により前記電極の先端部が前記許容範囲の外側に逸脱するのを阻止すると共に、前記電解電離電極の外周面と前記容器の内周面との間での前記原料ガスの流通を許容する形状を有していることを特徴とする。
かかる構成によれば、前記電極の先端部が移動し、若しくは移動しようとしても、前記位置決め部材によって当該電極の先端部の前記微小開口内での移動が前記原料ガスの流れに影響しないような範囲(所定の許容範囲)内に収められる。
詳細には、当該イオン源が使用等によって振動や加熱又は冷却されることで前記電界電離電極における前記容器に固定されている部位等に応力が生じ、この応力によって、前記容器の微小開口内で前記電極の先端部が移動し若しくは移動しようとする。そうすると、前記電極先端部は、前記微小開口内の前記所定の許容範囲の外側に逸脱しようとするが、前記当接部が前記容器の内周面と当接し若しくは当接しているために当該位置決め部材によって前記電極の先端部の前記許容範囲の外側への逸脱が阻止される。
また、前記位置決め部材は、前記電界電離電極の外周面と前記容器の内周面との間での前記原料ガスの流通を許容する形状を有していることから、前記容器内の原料ガスの流れを妨げない。そのため、前記電極の先端部近傍に形成された強電界内に対し、前記位置決め部材の有無に関わらず安定して原料ガスが供給される。このように強電界内に安定して原料ガスが供給されることで安定したイオンビームが形成される。
本発明に係るイオン源においては、前記位置決め部材は、前記基部から前記電界電離電極の径方向外側に延び、前記電界電離電極の周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の位置決め部を有し、各位置決め部の先端部が前記当接部を構成すると共に、前記周方向に互いに隣接する位置決め部同士の間に前記原料ガスの流通を許容する空間が確保されている構成であってもよい。
かかる構成によれば、前記位置決め部材が複数の位置決め部を有することから前記原料ガスの流通を許容する空間も複数確保されているため、前記容器内の原料ガスの流れを妨げない。そのため、前記電極の先端部近傍に形成された強電界内に対し、前記位置決め部材の有無に関わらず安定して原料ガスが供給される。
この場合、前記各位置決め部は、前記径方向に伸縮する方向に弾性変形可能な弾性変形部を含み、この弾性変形部が収縮方向に弾性変形した状態で前記当接部が前記容器の内周面に常時当接するように配置されている構成が好ましい。
このように構成されることで、前記電界電離電極には前記周方向に沿って配置された各位置決め部から常に付勢力が加えられた状態となるため、前記電極の先端部が前記許容範囲の外側により逸脱し難くなる。そのため、前記先端部の前記所定の許容範囲内の外側への逸脱がより確実に阻止される。
また、前記位置決め部のうちの少なくとも一部の位置決め部は、前記弾性変形部として、前記原料ガスの流通を許容するための空間を囲む環状の部分を有し、この環状の部分の中心軸が前記電解電離電極の中心軸と略平行になるように前記位置決め部材が配置されている構成が好ましい。
かかる構成によれば、簡易な構成によって前記位置決め部の前記径方向への伸縮が可能となる。しかも、前記位置決め部が環状の部分を有することで、この部分に囲まれた空間も前記原料ガスの流通が許容されるため、前記容器内での原料ガスの流れがより妨げられない。
また、前記位置決め部材は、前記当接部として、前記容器の内周面に沿って周方向に連続する環状当接部を有すると共に、この環状当接部と前記基部とを前記電界電離電極の径方向に連結し、且つ、前記電界電離電極の周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の径方向連結部を有し、前記基部と前記環状当接部との間の領域で前記周方向に互いに隣接する径方向連結部同士の間に前記ガスの流通を許容する空間が確保されている構成であってもよい。この場合、前記容器は、その内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小する縮径部を有し、この縮径部の内周面に対して前記先端側と反対の側から前記当接部が当接するように前記位置決め部材が配置されている構成が好ましい。
かかる構成によれば、前記環状当接部によって前記位置決め部材と前記容器の内周面との接触面積が増加し、当該接触部位でのずれが生じ難くなり、前記電極の先端部の前記許容範囲内の外側への逸脱がより確実に阻止される。
また、このような構成であっても、前記基部と前記環状当接部との間の領域で前記周方向に互いに隣接する径方向連結部同士の間に前記ガスの流通を許容する空間が確保されていることから、前記容器内での原料ガスの流れが妨げられない。
しかも、前記環状当接部が前記縮径部の内周面に対して前記先端側と反対の側から当接するように配置されることで、前記容器内での前記電界電離電極の位置決めが容易になる。
また、前記容器は、その内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小する縮径部を有し、この縮径部は、少なくとも前記微小開口の周縁部に形成され、前記位置決め部材は、前記容器における前記微小開口と対向する位置に設けられた前記微小開口よりも大きな挿入孔から挿入可能で且つ前記縮径部の内周面に対して前記先端側と反対の側から前記当接部が当接するように前記電極の先端近傍に配置されている構成が好ましい。
かかる構成では、前記容器に前記電界電離電極の基部が固定され、この部位で前記熱等による応力が発生する。そのため、前記のように応力の発生する基部側から離れた前記電極の先端部近傍に前記位置決め部材が設けられることで、当該電極の先端部の前記所定の許容範囲の外側への逸脱がより小さな力で阻止できる。
また、前記の構成によれば、前記位置決め部材をあらかじめ前記電界電離電極に設けてから当該電極を前記容器内に挿入すればよく、前記容器内で前記位置決め部材を前記電界電離電極に取り付ける必要がないことからイオン源の組み立てが容易になる。
また、前記容器の内周面における少なくとも前記微小開口周縁部は、前記ビーム軸方向と直交する共通の平面上での前記微小開口周縁部に囲まれた領域の面積と前記電界電離電極の断面積との差であるガス噴出面積が前記電界電離電極の先端又は前記先端よりも僅かに基部側の位置で最小になると共に他の位置では前記最小の面積よりも大きくなるような形状を有し、且つ前記微小開口周縁部の直径が先端側に向かうに従って縮小するような形状を有する構成が好ましい。
かかる構成とすることで、前記微小開口から噴射される前記原料ガスが絞り効果によって前記電界電離電極先端で高いガス圧を維持できる、若しくは前記高いガス圧から僅かに低くなったガス圧を維持できる。そのため、前記電界電離電極先端近傍では、前記原料ガスが電界電離してイオン化し易くなる。
しかも、前記ガス噴出面積が最小となる位置からイオンビームの照射方向側では、ガス噴出面積が大きくなっているため、前記高圧になった原料ガスが拡散して低圧、即ち、ガス分子の密度が小さい状態となり、イオンビームが他の分子等と衝突し難くなる。そのため、イオン消滅確率が低くなり、イオンビーム電流の低下が抑制されると共に集束イオンビームを得るために必要な低エネルギー分散も維持されるため、高輝度なイオンビームが得られる。
また、上記課題を解消すべく、本発明に係るイオン源の製造方法は、原料ガスを噴射するときに電界電離してイオンビームを生成するイオン源であって、微小開口と、この微小開口に接続している前記イオンビームのビーム軸を囲む方向の内周面とを有し、前記内周面に囲まれた領域に供給された前記原料ガスを前記微小開口から噴射する容器と、前記ビーム軸方向に沿って延びると共に先端が尖り、先端部が前記微小開口内に位置するように前記容器内に固定される電界電離電極と、前記微小開口を介して前記電界電離電極と対向するように前記容器の外部に配置される引出電極と、前記引出電極と前記電界電離電極との間に接続され、これら電極間に電界電離電圧を印加するための電界電離用電源とを備えるイオン源の製造方法において、前記電界電離電極が前記容器内に固定された際に前記微小開口内での当該電極の先端部の位置を所定の許容範囲内に収めるための位置決め部材であって、前記電解電離電極に固定される基部と、前記容器の内周面に当接可能な当接部とを含み、この当接部と前記容器の内周面との当接により前記電解電離電極の先端部が前記許容範囲の外側に逸脱するのを阻止すると共に、前記電解電離電極の外周面と前記容器の内周面との間での前記原料ガスの流通を許容する形状を有する位置決め部材が設けられた前記電界電離電極を用意する工程と、前記容器内に前記電解電離電極を前記微小開口と反対の側から挿入し、この電解電離電極に設けられた前記位置決め部材の当接部を前記容器の内周面に当接させることにより、当該電解電離電極の先端部を前記微小開口内に位置決めする工程とを有することを特徴とする。
かかる構成によれば、前記微小開口内での前記電極の先端部の位置決めの際、前記電界電離電極に設けられた前記位置決め部材の当接部が前記容器の内周面に当接することで前記位置決めが容易に行われる。
そして、前記位置決めされた電界電離電極が前記容器内に固定されると、前記位置決め部材の当接部が前記容器の内周面と当接した状態で当該電界電離電極が固定されることになる。その結果、当該方法によって製造されたイオン源では、前記電界電離電極の前記容器への固定部に応力等が生じてその先端部が移動して前記所定の許容範囲の外側へ逸脱しようとしても、前記位置決め部材によって前記逸脱が阻止され、前記電極の先端部が前記所定の許容範囲内に収まる。
しかも、前記位置決め部は、前記のように原料ガスの流通を許容する形状を有していることから、前記容器内の原料ガスの流れを妨げない。そのため、当該方法によって製造されたイオン源では、前記電極の先端部近傍に形成された強電界内に対し、前記位置決め部材の有無に関わらず安定して原料ガスが供給される。このように強電界内に安定して原料ガスが供給されることで安定したイオンビームが形成される。
さらに、前記電界電離電極を前記容器内で位置決めするときに、前記位置決め部材の当接部が前記容器の内周面に当接することで、前記電界電離電極の外周面と前記容器の内周面との間に間隔が確保される。そのため、前記位置決めの際の前記電界電離電極と前記容器との接触が抑制され、この接触に起因する損傷が抑制される。
また、前記電界電離電極を用意する工程では、前記容器は、その内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小する縮径部を有し、前記位置決め部材は、前記基部から前記電界電離電極の径方向外側に延び、前記電界電離電極の周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の位置決め部を有し、前記各位置決め部は、その先端部が前記当接部を構成すると共に、前記周方向に互いに隣接する位置決め部同士の間に前記ガスの流通を許容する空間が確保され、前記位置決めする工程では、前記位置決め部材の各当接部を前記縮径部の内周面に対して前記先端側と反対の側から当接させることにより前記位置決めする構成であってもよい。
かかる構成によれば、前記位置決め工程において、複数の当接部のうちの一部の当接部が前記縮径部の内周面に当接した状態で、さらに前記電界電離電極をその先端側に移動させて各当接部を前記縮径部の内周面に当接させることで、前記電極の先端部がより容易に位置決めされる。
そして、前記位置決めされた電界電離電極が前記容器内に固定されると、前記同様、前記当接部が前記容器の内周面と当接した状態で当該電界電離電極が固定されることになるため、当該方法によって製造されたイオン源では、前記先端部の前記所定の許容範囲の外側へ逸脱が阻止される。また、前記位置決め部材は、前記のように原料ガスの流通を許容する形状を有していることから、前記容器内の原料ガスの流れを妨げない。さらに、前記電界電離電極を前記容器内で位置決めするときに、前記電界電離電極の外周面と前記容器の内周面との間に間隔が確保されるため、前記位置決めの際の前記電界電離電極と前記容器との接触に起因する損傷が抑制される。
前記電界電離電極を用意する工程では、前記各位置決め部は、前記径方向に伸縮すると共にこの方向に弾性変形可能な弾性変形部を含み、前記電界電離電極が前記容器内に固定された際に前記各位置決め部の弾性変形部が収縮方向に弾性変形した状態で前記各当接部が前記縮径部の内周面に常時当接するような前記径方向の長さを有し、前記位置決めする工程では、前記各当接部を前記縮径部の内周面に対して前記先端側と反対の側から当接させて仮の位置決めを行い、又は前記当接させた状態からさらに前記電界電離電極を前記軸方向先端側に移動させることで前記各位置決め部を収縮させて仮の位置決めを行い、この仮の位置決め状態から前記電界電離電極の前記軸方向における微小位置決めをさらに行うことにより、前記位置決めする構成が好ましい。
かかる構成によれば、前記仮の位置決めを行った後の前記微小位置決めのときに、前記電界電離電極に対して加えられる前記各位置決め部からの前記弾性変形に起因する付勢力によって前記電極の先端部の位置が安定しているため、より高精度な前記電極先端部の位置決めが可能となる。
そして、前記位置決めされた電界電離電極が前記容器内に固定されると、前記同様、前記電界電離電極には前記周方向に沿って配置された各位置決め部から常に付勢力が加えられた状態となるため、前記電極の先端部が前記許容範囲の外側により逸脱し難くなる。そのため、当該方法によって製造されたイオン源では、前記先端部の前記所定の許容範囲内の外側への逸脱がより確実に阻止される。
また、前記電界電離電極を用意する工程では、前記容器は、その内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小する縮径部を有し、前記位置決め部材は、前記当接部として、前記容器の内周面に沿って周方向に連続する環状当接部を有すると共に、この環状当接部と前記基部とを径方向に連結し且つ周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の径方向連結部を有し、前記基部と前記環状当接部との間の領域で前記周方向に互いに隣接する径方向連結部同士の間に前記ガスの流通を許容する空間が確保され、前記位置決めする工程では、前記環状当接部を前記縮径部の内周面に対して前記先端側と反対の側から当接させることにより、前記位置決めする構成であってもよい。
かかる構成によれば、前記位置決め工程において、前記環状当接部の一部が前期縮径部の内周面に当接した状態で、さらに前記電界電離電極をその先端側に移動させて前記環状当接部をその周方向全体に亘って前記縮径部の内周面に当接させることで、前記電極の先端部がより容易に位置決めされる。
そして、前記位置決めされた電界電離電極が前記容器内に固定されると、前記同様、前記環状当接部によって前記位置決め部材と前記容器の内周面との接触面積が増加し、当該接触部位でのずれが生じ難くなり、前記電極の先端部の前記許容範囲内の外側への逸脱がより確実に阻止される。
また、前記電界電離電極を用意する工程では、前記容器の内周面における少なくとも前記微小開口周縁部は、前記ビーム軸方向と直交する共通の平面上での前記内周面に囲まれた領域の面積と前記電界電離電極の断面積との差であるガス噴出面積が前記電界電離電極の先端又は前記先端よりも僅かに基部側の位置で最小になると共に他の位置では前記最小の面積よりも大きくなるような形状を有し、且つその内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小するような形状を有し、前記電界電離電極が前記容器内に固定された際に、最小のガス噴出面積が目標面積となるときの前記ビーム軸方向における前記位置決め部材の位置での前記電界電離電極の外周面と前記容器の内周面との間隔を維持するのに必要な長さの前記位置決め部又は連結部を有する位置決め部材を前記電界電離電極に設ける構成が好ましい。
かかる構成によれば、前記位置決めする工程において前記位置決めされた電界電離電極が前記容器内に固定されると、このイオン源では、前記微小開口から噴射される前記原料ガスが絞り効果によって前記電界電離電極先端で高いガス圧を維持できる、若しくは前記高いガス圧から僅かに低くなったガス圧を維持できる。そのため、前記電界電離電極先端近傍では、前記原料ガスが電界電離してイオン化し易くなる。
しかも、前記ガス噴出面積が最小となる位置からイオンビームの照射方向側では、ガス噴出面積が大きくなっているため、前記高圧になった原料ガスが拡散して低圧、即ち、ガス分子の密度が小さい状態となり、イオンビームが他の分子等と衝突し難くなる。そのため、イオン消滅確率が低くなり、イオンビーム電流の低下が抑制されると共に集束イオンビームを得るために必要な低エネルギー分散も維持されるため、高輝度なイオンビームが得られる。
また、前記電界電離電極を用意する工程では、前記電極の先端部及び当該電極の先端部近傍の表面のうち前記位置決め部材よりも先端側の表面に所定の厚さを有する犠牲層がさらに形成された前記電界電離電極を用意し、前記位置決めする工程では、前記容器の内周面に前記位置決め部材の当接部を当接させると共に前記内周面における微小開口周縁部の少なくとも一部に前記犠牲層の表面を当接させることにより、前記位置決めする構成が好ましい。
かかる構成によれば、前記位置決めが行われる際、前記ビーム軸方向に離れた位置において、前記当接部を前記容器の内周面に当接させ、且つ前記犠牲層の表面を前記内周面における前記微小開口周縁部に当接させて位置決めをすることで、より正確な位置決めが行われる。その結果、当該方法によって製造されたイオン源では、より原料ガスの噴射が安定するためイオンビームが安定する。
また、前記電極の先端部が前記犠牲層に覆われているため、前記位置決めを行う際に、前記容器の内周面との接触から保護され、前記電界電離電極先端が前記内周面等に接触することによる損傷が確実に抑制される。
また、前記電界電離電極を用意する工程では、前記容器は、その内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小する縮径部を有し、この縮径部の内周面は、前記内周面における微小開口周縁部で構成され、前記微小開口周縁部は、前記ビーム軸方向と直交する共通の平面上での前記内周面に囲まれた領域の面積と前記電界電離電極の断面積との差であるガス噴出面積が前記電界電離電極の先端又は前記先端よりも僅かに基部側の位置で最小になると共に他の位置では前記最小の面積よりも大きくなるような形状を有し、且つその内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小するような形状を有し、前記位置決め部材は、基部から前記電界電離電極の径方向外側に延び、前記電界電離電極の周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の位置決め部を有し、各位置決め部は、前記径方向に伸縮すると共にこの方向に弾性変形可能な弾性変形部を含み、最小のガス噴出面積が目標面積となるように前記電界電離電極が前記容器内に固定された際に、前記各位置決め部の弾性変形部が収縮方向に弾性変形した状態で前記各当接部が前記内周面に常時当接するような前記径方向の長さを有し、当該位置決め部の先端部が前記当接部を構成し、前記周方向に互いに隣接する位置決め部同士の間に前記ガスの流通を許容する空間が確保され、前記犠牲層は、最小の前記ガス噴出面積が目標面積となるように前記電界電離電極が前記容器内に固定された際に、当該犠牲層が前記微小開口周縁部に当接するような厚さを有し、前記位置決めする工程では、前記各当接部を前記容器の内周面に対して前記先端側と反対の側から当接させて仮の位置決めを行い、又は前記当接させた後さらに前記電界電離電極を前記軸方向先端側に移動させることで前記各位置決め部を収縮させて仮の位置決めを行い、この仮の位置決め状態から前記電界電離電極の前記軸方向先端側に移動させて前記犠牲層を前記微小開口周縁部に当接させることにより、前記位置決めする構成が好ましい。
かかる構成によれば、前記仮の位置決めを行った後の前記電界電離電極の移動のときに、当該電界電離電極に対して加えられる前記各位置決め部からの前記弾性変形に起因する付勢力によって前記電極の先端部の位置が安定するため、より高精度な前記電極先端部の位置決めが可能となる。
しかも、前記仮の位置決め後の位置決めが行われる際、前記ビーム軸方向に離れた位置において、前記当接部を前記容器の内周面に当接させ、且つ前記犠牲層の表面を前記内周面における前記微小開口周縁部に当接させて位置決めをするため、さらに正確な位置決めが行可能となる。
また、前記電極の先端部が前記犠牲層に覆われているため、前記位置決めを行う際に、前記容器の内周面との接触から保護される。
そして、前記位置決めされた電界電離電極が前記容器内に固定されると、前記同様、前記電界電離電極には前記周方向に沿って配置された各位置決め部から常に付勢力が加えられた状態となるため、前記電極の先端部が前記許容範囲の外側により逸脱し難くなる。そのため、当該方法によって製造されたイオン源では、前記先端部の前記所定の許容範囲内の外側への逸脱がより確実に阻止される。
また、このイオン源では、前記微小開口から噴射される前記原料ガスが絞り効果によって前記電界電離電極先端で高いガス圧を維持できる、若しくは前記高いガス圧から僅かに低くなったガス圧を維持できるため、前記電界電離電極先端近傍では前記原料ガスが電界電離してイオン化し易くなる。
しかも、前記ガス噴出面積が最小となる位置からイオンビームの照射方向側では、ガス噴出面積が大きくなっているため、前記高圧になった原料ガスが拡散してガス分子の密度が小さい状態となり、イオンビームが他の分子等と衝突し難くなる。そのため、イオン消滅確率が低くなり、イオンビーム電流の低下が抑制されると共に集束イオンビームを得るために必要な低エネルギー分散も維持されるため、高輝度なイオンビームが得られる。
また、前記電界電離電極を用意する工程では、前記容器は、その内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小する縮径部を有し、この縮径部の内周面は、前記内周面における微小開口周縁部で構成され、前記微小開口周縁部は、前記ビーム軸方向と直交する共通の平面上での前記内周面に囲まれた領域の面積と前記電界電離電極の断面積との差であるガス噴出面積が前記電界電離電極の先端又は前記先端よりも僅かに基部側の位置で最小になると共に他の位置では前記最小の面積よりも大きくなるような形状を有し、且つその内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小するような形状を有し、前記位置決め部材は、前記当接部として、前記容器の内周面に沿って周方向に連続する環状当接部を有すると共に、この環状当接部と前記基部とを径方向に連結し、且つ、周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の径方向連結部を有し、前記基部と前記環状当接部との間の領域で前記周方向に互いに隣接する径方向連結部同士の間に前記ガスの流通を許容する空間が確保され、前記犠牲層は、最小の前記ガス噴出面積が目標面積となるように前記電界電離電極が前記容器内に固定された際に、当該犠牲層が前記微小開口周縁部に当接するような厚さを有し、前記位置決めする工程では、前記環状当接部を前記微小開口周縁部に対して前記先端側と反対の側から当接させると共に、前記犠牲層を前記微小開口周縁部に当接させることにより、前記位置決めする構成であってもよい。
かかる構成によれば、前記位置決め工程において、前記環状当接部の一部が前期縮径部の内周面に当接した状態で、さらに前記電界電離電極をその先端側に移動させて前記環状当接部をその周方向全体に亘って前記縮径部の内周面に当接させることで、前記電極の先端部がより容易に位置決めが可能となる。
しかも、前記位置決めが行われる際、前記ビーム軸方向に離れた位置において、前記環状当接部を前記容器の内周面に当接させ、且つ前記犠牲層の表面を前記内周面における前記微小開口周縁部に当接させて位置決めをするため、さらに正確な位置決めが行可能となる。
また、前記電極の先端部が前記犠牲層に覆われているため、前記位置決めを行う際に、前記容器の内周面との接触から保護される。
そして、前記位置決めされた電界電離電極が前記容器内に固定されると、前記環状当接部によって前記位置決め部材と前記容器の内周面との接触面積が増加し、当該接触部位でのずれが生じ難くなり、前記電極の先端部の前記許容範囲内の外側への逸脱がより確実に阻止される。
また、このイオン源では、前記微小開口から噴射される前記原料ガスが絞り効果によって前記電界電離電極先端で高いガス圧を維持できる、若しくは前記高いガス圧から僅かに低くなったガス圧を維持できるため、前記電界電離電極先端近傍では前記原料ガスが電界電離してイオン化し易くなる。
しかも、前記ガス噴出面積が最小となる位置からイオンビームの照射方向側では、ガス噴出面積が大きくなっているため、前記高圧になった原料ガスが拡散してガス分子の密度が小さい状態となり、イオンビームが他の分子等と衝突し難くなる。そのため、イオン消滅確率が低くなり、イオンビーム電流の低下が抑制されると共に集束イオンビームを得るために必要な低エネルギー分散も維持されるため、高輝度なイオンビームが得られる。
以上より、本発明によれば、電界電離電極の先端部の微小開口内における位置が移動し難いイオン源及びこのイオン源の製造方法を提供する。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る電界電離型イオン源(以下、単に「イオン源」と称する。)は、ヘリウムやアルゴン等の不活性ガスや酸素からなるイオン原料ガス(原料ガス)を電界電離し、高輝度のイオンビームを得るためのイオン源である。図1及び図2に示されるように、イオン源10は、微小開口22とイオンビームのビーム軸Kを囲む方向の内周面20aとを有し、この内周面20aに囲まれた領域(内部空間S)に充填(供給)されたイオン原料ガスを微小開口22から噴射する容器20と、先端部が微小開口22内に位置するように容器20内に固定される電界電離電極(以下、単に「ニードル電極」と称する。)23と、この容器20の前方に配置される引出電極40と、を備える。
これら、容器20、ニードル電極23及び引出電極40は、真空容器11内に配設されている。また、ニードル電極23と引出電極40との間には、電界電離用電源42が接続されている。尚、本実施形態においては、照射されるイオンビームの照射方向を前方(又は先端側)とする(図1においては下方向)。
容器20は、ヘリウムやアルゴン等の不活性ガスや酸素などの常温で気体状態のイオン原料ガスが内周面20aに囲まれた内部空間Sに充填される容器であり、前記イオン原料ガスを当該容器20に供給するための原料ガス供給管50が接続されている。この容器20は、アルミナセラミクスで構成されているが、このアルミナセラミクス以外に、ジルコニウム系セラミクスやガラス等の絶縁物(絶縁体)で構成されていればよい。
この容器20は、先端部に縮径部21を有し、この縮径部21の先端に内部空間Sに充填されたイオン原料ガスを噴射する微小開口22が設けられている。容器20の内周面20aは、前記のようにビーム軸Kを囲む筒状の内周面20aであり、先端側に向かって順に直径が一定の部位と、先端側に向かうに従って直径が縮小する内周面21aとで構成されている。この縮径する内周面21aは、容器20先端側の縮径部21における内周面である。
この容器20の内部には、前記のようにイオン原料ガスを電界電離してイオン化するためにその先端部に強電界を発生させるためのニードル電極23が配置されている。このニードル電極23は、一方向、本実施形態においては照射されるイオンビームのビーム軸K方向に沿って前方に延びると共に先端が尖った細長い針状の電極である。このようなニードル電極23の先端は、略円錐形に形成されており、その先端は、先端半径が100nm以下となるように形成されている。具体的には、ニードル電極23は、タングステン製で、長さが20mmであり、また、先端半径が50nm、先端付近のテーパ角θが全角で2.5°となるように電解研磨により形成されている。
尚、ニードル電極23は、タングステンに限定される必要はなく、イリジウム等の金属やシリコン、又はそれらを含む合金、若しくはそれらに貴金属、高融点金属、高融点金属の炭化物若しくは窒化物等でコーティング処理を施したものであってもよい。このようにコーティング処理が施されていても、後述するニードル電極23表面への犠牲層(薄膜)の形成及びこの犠牲層(薄膜)の除去は可能である。尚、犠牲層(薄膜)を除去する際、前記コーティングは除去されることなくニードル電極23に残る。
このニードル電極23には、微小開口22内でのニードル電極23の先端部(以下、単に「電極先端部」とも称する。)23Aの位置を所定の許容範囲内に収めるための位置決め部材30が設けられている。本実施形態においては、当該電極先端部23A近傍に位置決め部材30が設けられている。
位置決め部材30は、ニードル電極23に固定される基部32と、内周面20aに当接可能な当接部34aとを含んでいる。位置決め部材30は、この当接部34aと内周面20aとの当接により電極先端部23Aが前記許容範囲の外側に逸脱するのを阻止する。また、位置決め部材30は、ニードル電極23の外周面23aと容器20の内周面20aとの間でのイオン原料ガスの流通を許容する形状を有している。
具体的には、図3(a)及び図3(b)にも示されるように、この位置決め部材30は、基部32からニードル電極23の径方向外側に延び、ニードル電極23の周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の位置決め部34を有している。当該位置決め部材30において、これら各位置決め部34の前記径方向(ニードル電極23の径方向)先端部が当接部34aを構成している。また、位置決め部材30は、周方向に互いに隣接する位置決め部34同士の間にイオン原料ガスの流通を許容する空間が確保されている。
各位置決め部34は、前記径方向に伸縮する方向に弾性変形可能な弾性変形部材で構成されている。また、弾性変形部材34は、収縮方向に弾性変形した状態で当接部34aが容器20の内周面20aに常時当接するように構成されている。
尚、本実施形態においては、位置決め部材34は、全体が弾性変形可能な弾性変形部材で構成されているが、これに限定されず、位置決め部材34の一部が前記方向に伸縮する方向に弾性変形可能な弾性部で構成されてもよい。また、位置決め部材30の各位置決め部34が弾性変形可能に構成される必要はなく、複数の位置決め部34,34,…のうちの少なくとも一部の位置決め部34が弾性変形可能に構成されてもよい。
位置決め部34は、弾性変形部材としてイオン原料ガスの流通を許容するための空間S1を囲む環状の部材で構成され、この環状の部材で構成される位置決め部34の中心軸がビーム軸K(ニードル電極23の中心軸)と略平行になるように基部32に配置されている。
本実施形態においては、2つの位置決め部34,34が貫通孔32aを有する環状(短筒状)の基部32の周方向において180°離れた位置に設けられ、これら2つの位置決め部34と基部32とが平面視交互に3連リング状に連なるように形成されている(図3(b)参照)。この位置決め部34は、位置決め部材30が設けられたニードル電極23が容器20に固定されたときに、当接部34aが内周面20aと当接しているような直径となるように形成されている。本実施形態においては、後述の弾性圧縮された状態となるような直径、即ち、ニードル電極23が容器20に固定されたときの電極先端部23A近傍に取付けられた基部32の外周面から内周面20a(縮径部21の内周面21a)までの間隔よりも大きな直径となるように形成されている。また、この位置決め部34は、基部32と同じニッケルで形成されている。そのため、当接部34aと基部32に接続している部位とを結ぶ方向(以下、「位置決め部34が伸縮する方向」とも称する。:図3(b)においては左右方向)に沿って弾性変形可能である。また、後述するようにニードル電極23が容器20に固定されたときに、この位置決め部34は、当該位置決め部34が伸縮する方向に沿って弾性圧縮された状態となる。
尚、位置決め部材30は、ニードル電極23の先端近傍への電界集中のためには、誘電体(電極の温度変化に耐えるセラミックス(例えば、アルミナ、ボロンナイトライド、窒化ケイ素)等)で形成されることが好ましい。しかし、本実施形態のように前記弾性変形可能な構成とするためにニッケルのような導体で形成されても、ニードル電極23の電極先端部23A近傍において電界集中が必要な先端から基部側に一定距離(本実施形態においては、1000μm)離れた位置に設けられることで前記電界への影響を小さくすることができる。また、このように位置決め部材30がニードル電極23の先端から基部側に離れた位置に設けられることで、イオン原料ガスを微小開口22から噴射する際、微小開口22近傍での原料ガスの流れに与える影響を少なくすることもできる。
このような位置決め部材30が電極先端部23A近傍に設けられたニードル電極23は、中心軸が照射されるイオンビームのビーム軸Kと一致するように容器20の後方側を構成する後述の後方壁24に固定されている。このとき、電極先端部23Aが微小開口22内に位置し、当該電極先端部23A近傍に設けられた位置決め部材30における位置決め部34の当接部34aが容器20の内周面20a、詳細には、縮径部21の内周面21aに当接している。また、微小開口22から容器20の外側へニードル電極23の先端が僅かに突出している。
微小開口22は、容器20の内部に配設されたニードル電極23の中心軸(イオンビームのビーム軸K)にその中心を一致させ、容器20の内部と外部とを連通し、縮径部21の先端中央部に設けられている。
縮径部21の内周面21aは、ビーム軸Kを囲む方向の内周面であり、先端が微小開口22に接続している。詳細には、内周面21aは、先端に向かって一定の割合で縮径するようにテーパ状に形成され、その先端側端部によって微小開口22が規定されている。このように形成される微小開口22は、直径(横断長さ)が5μm〜100μmの開口である。
また、ニードル電極23の先端が僅かに微小開口22の前方側から突出するように縮径部21の内周面21a(内周面20aにおける微小開口周縁部)に対するニードル電極23(電極先端部23A近傍)の位置、即ち、両者の相対位置が位置決め部材30によって位置決めされている。このニードル電極23先端の突出量は、微小開口22から噴射されるイオン原料ガスのガス圧が当該微小開口22近傍において最も高い位置から僅かに前記ガス圧が低くなった位置(僅かに前方側)に前記先端が位置するような量である。
このように縮径部21の内周面21a(前記微小開口周縁部)に対する電極先端部23A近傍の位置(相対位置)が位置決めされ、これに伴って微小開口22に対する電極先端部23Aの位置も位置決めされる。微小開口22内の電極先端部23Aの位置が決まることで、微小開口22に接続している縮径部21の内周面21aとニードル電極23の外周面23aとの間に原料ガス流路Grが形成される。この原料ガス流路Grは、容器20から噴射されるイオン原料ガスが流れる流路である。
この原料ガス流路Grは、その流路断面積に相当するガス噴出面積Gsがビーム軸K方向においてニードル電極23の先端よりも僅かに基部側(図2では上側)で最小になると共に他の位置では前記最小の面積よりも大きくなる。具体的には、微小開口22でのガス噴出面積Gsが最小面積となる。尚、ガス噴出面積Gsは、ビーム軸Kと直交する共通の平面V上での縮径部21の内周面21aに囲まれた領域の面積21Sからニードル電極23の断面積23Sを除いたものであり、前記共通の平面V上における縮径部21の内周面21aとニードル電極23の外周面23aとの間隙部分の面積である。
本実施形態においては、内周面21aの小径側(微小開口22側(先端側)の端部)の直径がd1が25μm、大径側(微小開口22側と反対の側)の直径d2が800μm、ビーム軸K方向の長さd3が3mm、ビーム軸Kに対する内周面21aのなす角αが7.5°である。また、ビーム軸Kに対するニードル電極23(電極先端部23A近傍)の外周面23aのなす角βが1.25°、縮径部21の先端面からニードル電極23の先端までの突出量(突出距離)Lが5μmである。
また、位置決め部材30は、電極先端部23A近傍において当該ニードル電極23の先端からビーム軸K方向に沿って基部側に1000μmの位置に設けられている。この位置決め部材30において基部32の内径(当該位置におけるニードル電極23の直径)が44μm、外径が84μm、基部32の外周面から位置決め部34の当接部34aまでの長さが90μmである。
容器20の後方側は、板状の後方壁24で構成されている。この後方壁24には微小開口22と対向する位置、即ち、中央部にビーム軸Kと中心が一致する挿入孔25が形成されている。この挿入孔25は、イオン源10の製造時に、容器20内にニードル電極23を配置するため、当該ニードル電極23を挿入するための容器20の内部と外部とを連通する貫通孔であり、微小開口22よりも開孔径が大きい。また、挿入孔25の開孔径は、電極先端部23A近傍に位置決め部材30が設けられた状態のニードル電極23が挿通可能な大きさである。
この挿入孔25の周縁部には、先端側部位を内部に挿入した後のニードル電極23が固着される。その際、後方壁24も容器20の他の部位と同様にアルミナセラミクスで形成されているため、そのままでは金属(タングステン)で形成されたニードル電極23を接着等して固着させることが困難である。そのため、挿入孔25を規定する内面を含む挿入孔25の周縁部には、メタライズ処理が施された固着部位26が形成されている。
引出電極40は、ニードル電極23先端近傍に強電界を発生させ、当該強電界によってイオン原料ガスをイオン化すると同時に、このイオン化されたイオン原料ガスをイオンビームとして引き出す役目を担う。この引出電極40は、ステンレス製の板状の電極で、イオンビームの通過するイオンビーム通過孔41が中央に穿設されている。このように構成される引出電極40は、容器20の前方側にニードル電極23先端と対向するように配置されている。即ち、引出電極40は、中央に穿設されたイオンビーム通過孔41の中心が微小開口22の中心と同一直線上(イオンビームのビーム軸K上)に位置するように配置されている。
電界電離用電源42は、ニードル電極23と引出電極40とに接続され、これら電極23,40間に電界電離用電圧を印加するための電源である。この電界電離用電源42は、直流電源であり、引出電極40に対してニードル電極23が最高20kVの正電位となるような電圧を印加する電源である。そして、電界電離用電源42によって電界電離用電圧が印加されることによって、ニードル電極23先端近傍に強電界が形成されると共に前記強電界によって形成されたイオンがニードル電極23先端近傍から引出電極40側に引き寄せられる(引き出される)。
原料ガス供給管50は、イオン原料ガス(本実施形態においては、ヘリウム(He))を容器20内に供給できるよう、容器20の後方側に接続されている。この原料ガス供給管50の途中には、容器20へ供給するイオン原料ガスの量を制御する原料ガス供給量制御手段51が設けられている。
真空容器11は、いわゆる真空チャンバーであり、真空ポンプ12が設けられた排気管13が接続されている。この真空容器11の内部は、イオン源10の作動時において、接続された真空ポンプ12によって排気され、高真空状態が保たれる。
本実施形態に係るイオン源10は、以上の構成からなり、次に、このイオン源10の作用について説明する。
真空容器11内が真空ポンプ12によって真空引きされ、1×10−6Pa程度の高真空状態となる。その際、イオン原料ガスが原料ガス供給管50を通じて容器20内に供給される。このとき、容器内の圧力が100Paに保たれるよう、原料ガス供給量制御手段51によってイオン原料ガスの供給量が調整される。容器20内に充填されたイオン原料ガスは、容器20の微小開口22から真空容器11内へ噴射される。このとき微小開口22の開口径(直径)が小さいため、容器20内へのイオン原料ガス供給量に対して前記噴射する流量が十分に小さくなる。そのため容器20内の圧力が一定に保たれる。このように微小開口22からイオン原料ガスが噴射されることで、ニードル電極23先端部近傍にイオン原料ガスが供給される。
このとき、ニードル電極23と引出電極40との間には、電界電離用電源42によって電界電離用電圧が印加されているため、ニードル電極23先端近傍には強電界が形成されている。そして、イオン原料ガスは、微小開口22から外部(真空容器11内の真空領域)に噴射される際に前記ニードル電極23先端近傍の強電界中を通過する。このとき電界電離現象によってイオン原料ガスがイオン化される。
詳細には、原料ガス流路Grは、縮径部21の先端側(微小開口22側)に向かって徐々に狭くなり、先端側端部(微小開口22)で最も狭くなっている。そのため、イオン原料ガスのガス圧は、微小開口22で最も高く、10Pa程度に維持される。換言すると、縮径部21の先端側端部に設けられた微小開口22で、ガス分子の密度が高く(微小開口22近傍においては最も高く)維持される。ニードル電極23先端が微小開口22前方側から僅かにしか突出していないため、強電界が形成されたニードル電極23先端の近傍にも、このガス分子の密度の高くなったイオン原料ガスが供給されることになる。そのため、ニードル電極23先端近傍では多くのイオンが形成される。
このイオン化されたガスがニードル電極23と引出電極40との間の電位差によって引出電極40側に引き出され、イオンビームが形成される。
このとき、容器20の外部雰囲気が高真空状態(高真空領域)であるため、微小開口22から噴射されたイオン原料ガスは一気に拡散する。その結果、ニードル電極23先端近傍においてイオン原料ガスがイオン化されて容器20から引き出された直後の領域は、前記引き出されたイオンがイオン化されなかったイオン原料ガスのガス分子(雰囲気ガス)と衝突する確率が低い(イオン消滅確率が低い)高真空領域となる。そのため、イオンが引出電極40側に引き出される際、当該イオンが前記ガス分子に衝突し難くなり、その分形成されたイオンビーム電流の低下が抑制されると共に集束イオンビームを得るために必要な低エネルギー分散も維持され、高輝度なイオンビームが得られる。
即ち、微小開口22の前方側からニードル電極23先端が僅かに突出するように、容器20の縮径部21の内周面21aとニードル電極23(電極先端部23A近傍)との相対位置が位置決めされていることで、ニードル電極23先端近傍において、ガス分子の密度の高くなったイオン原料ガスが供給されると共に、ガス圧の急激な圧力勾配が生じる。その結果、ニードル電極23先端近傍では多くのイオンが形成されると共に、この形成されイオンが引出電極40によって引き出される際に雰囲気ガスと衝突する確立が十分低くなるため、高輝度なイオンビームが得られる。
この得られた高輝度なイオンビームは、引出電極40の中央に穿設されたイオンビーム通過孔41を通過して照射される。
イオン源10において、前記のようにしてイオンビームの照射を繰り返すことで、当該イオン源10が加熱又は冷却されて振動や熱が加えられ、その結果、容器20とニードル電極23との接合部位(固着部位)に内部応力が生じる。この応力によって容器20の微小開口22内で電極先端部23Aが移動しようとする。そうすると、電極先端部23Aは、微小開口22内の所定の許容範囲の外側に逸脱しようとするが、当接部34aが容器20の内周面20a、詳細には、縮径部21の内周面21aと当接しているために当該位置決め部材30によって電極先端部23Aの前記許容範囲の外側への逸脱が阻止される。尚、前記の所定の許容範囲とは、電極先端部23Aの微小開口22内での移動がイオン原料ガスの流れに影響しないような範囲である。
また、位置決め部材30は、ニードル電極23の外周面23aと容器20の内周面20aとの間でのイオン原料ガスの流通を許容する形状を有していることから、容器20内のイオン原料ガスの流れを妨げない。詳細には、位置決め部材30が複数の位置決め部34を有することからイオン原料ガスの流通を許容する空間(隣接する位置決め部34,34の間の空間)も複数確保されているため、容器20内の原料ガスの流れを妨げない。
しかも、位置決め部34が環状の部材で構成されていることからこの部材の中央部に形成された空間もイオン原料ガスの流通が許容されるため、容器20内でのイオン原料ガスの流れがより妨げられない。そのため、前記電極の先端部近傍に形成された強電界内に対し、前記位置決め部材の有無に関わらず安定して原料ガスが供給される。このように強電界内に安定して原料ガスが供給されることで安定したイオンビームが形成される。
また、複数(本実施形態においては2つ)の位置決め部34,34は、ニードル電極23の外周面23aの周方向に沿って等間隔に配置されていることで隣り合う位置決め部34,34同士の間隔が一定となり、この間を通って微小開口22から噴射されるイオン原料ガスの噴射量がニードル電極23の外周面23aの周方向において均一若しくは略均一となり、ニードル電極23先端に供給されるイオン原料ガスの流れに乱れが生じず、安定してイオン原料ガスが供給される。
尚、本実施形態のように位置決め部34の当接部34aが容器の内周面20a(縮径部21の内周面21a)と当接する構成とすることで、微小開口22内での電極先端部23Aの位置の移動が抑制され、安定してニードル電極23の先端にイオン原料ガスの供給が可能となる。しかし、これに限定される必要はなく前記当接部34aが前記内周面20a(内周面21a)に当接していなくてもよい。この場合でも電極先端部23Aが微小開口22内を移動して位置決め部34の当接部34aが内周面20a(又は内周面21a)に当接することで、電極先端部23Aの微小開口22内における所定の許容範囲の外側への逸脱が阻止され、前記許容範囲内に収まる。
次に、このイオン源10の製造方法について図4乃至図5(c)も参照しつつ説明する。
まず、ニードル電極23と容器20とがそれぞれ形成され、容器20内にニードル電極23が配置される。
具体的には、線状のタングステン(W)部材が電解研磨され、前記のような先端が尖った細長い針状のニードル電極23が形成される。また、アルミナセラミクスの粉末等の原料をプレス等によって成形し、この成形したものを焼結することでアルミナセラミクス製の容器20が形成される。このとき、容器20は、後方壁24とその他の部位とが別体として形成され、形成後(焼結後)に結合されているが、これに限定される必要はなく、容器20が一体成形されてもよい。
この後方壁24には、挿入孔25が設けられている。この挿入孔25の周縁部には、前記のようにメタライズ処理が施されて固着部位26が形成される。
また、ニードル電極23、詳細には電極先端部23A近傍に取付けられる(設けられる)位置決め部材30が形成される。具体的には、この位置決め部材30は、フォトリソグラフィとNi電鋳によって前記の形状に形成される。このようにフォトリソグラフィを用いることで、位置決め部材30の製造において、高い加工精度と生産性とを得ることができる。
次に、位置決め部材30が電極先端部23A近傍に取り付けられる。具体的には、位置決め部材30における基部32の貫通孔32aにニードル電極23が先端から挿入されて、当該位置決め部材30が電極先端部23A近傍に取付けられる。このとき貫通孔32aに略円錐形状のニードル電極23の先端側を圧入するだけでもよく、ハンダ等で固着してもよい。
次に、ニードル電極23に薄膜(犠牲層)fが形成される。具体的には、ニードル電極23の電極先端部23A及びその近傍に対し、前記取付けられた位置決め部材30よりも先端側に薄膜fが形成される。
この薄膜fは、均一な厚さ(膜厚)の膜であり、後述する位置決めの際に、位置決め部材30における位置決め部34の当接部34aが縮径部21の内周面21aに当接したときには未だ微小開口22を規定する内周面21aにその表面が当接せず、さらにニードル電極23を先端側に移動させて微小開口22の前方側からニードル電極23先端が僅かに突出したときに当該薄膜fの表面が内周面21aの微小開口22側端部に当接するような厚さに形成されている。即ち、薄膜fは、縮径部21の内周面21aとニードル電極23の外周面23aにおける電極先端部23A近傍部位との間に形成される間隙幅における目標寸法に相当する厚さに形成されている。本実施形態においては厚さが8μmの膜であるが、この厚さに限定される必要は無く、前記目標寸法に対応して0.1μm〜100μmの厚さが考えられる。このように、所定の厚さの薄膜fがニードル電極23の電極先端部23Aの前記範囲に形成されることで、後述するニードル電極23が挿入孔25に挿入される際に、この挿入孔25を規定する内周面との接触に起因する損傷等も抑制される。
電極先端部23Aの表面(外周面)23aに形成される薄膜fは、二酸化珪素(シリカ:SiO)で構成され、ニードル電極23の表面に対してプラズマCVD法によって形成(成膜)されている。
尚、薄膜fは、二酸化珪素膜に限定される必要はなく、Al膜やCu膜、カーボン膜、有機高分子膜等であってもよい。このような薄膜fにおいても、後述する除去の際に、溶解等することでニードル電極23や容器20の内周面20aへの影響が小さい。また、これらの材料で形成された薄膜fは、位置決めの際に容器20の内周面20aと接触してもニードル電極23からの剥離や薄膜f自身の変形が生じない程度の強度を備える。しかも、必要な膜厚(数〜数十μm)の薄膜fが形成し易い。
このような犠牲層としての薄膜fは、当該イオン源10の製造時における縮径部21の内周面21aと電極先端部23A近傍との位置関係(相対位置)を制御し、電極先端部23A及びその近傍を容器20等との接触に起因する損傷から保護するためのものである。そのため薄膜fは、電極先端部23A及びその近傍の外周面においてできるだけ均一に形成されていることが望ましい。そのため、薄膜fの形成方法としては、プラズマCVD法やスパッタ法において、ニードル電極23の先端をプラズマに垂直に立てて成膜する方法や、ニードル電極23を前記プラズマと平行に配置して表面と裏面とを成膜する方法、またはニードル電極23の中心軸を回転中心にして回転させながら成膜する方法が考えられる。
しかし、薄膜fの形成方法は、上記の方法に限定される必要はなく、電極先端部23Aの外周面23aに対して均一な厚さの薄膜を形成できると共に所望の範囲且つ所望の厚さで薄膜を形成できる方法であれば、上記のプラズマCVD法やスパッタリング法以外に、蒸着やディップ法等の他の成膜方法であってもよい。
次に、薄膜fが形成されたニードル電極23が容器20の後方壁24に形成された挿入孔25から容器20内に挿入される。このとき、挿入孔25は、微小開口22と対向し、且つ、ビーム軸Kと中心が一致するように後方壁24中央部に設けられている。そのため、ニードル電極23は、ビーム軸Kに沿って先端側に移動することで挿入孔25から容器20内部に挿入される(図4(a)参照)。
挿入孔25から挿入されたニードル電極23は、位置決め部材30における位置決め部34の当接部34aが縮径部21の内周面21aに当接するまでビーム軸Kに沿って移動する(図5(a)参照)。
そして、位置決め部34の当接部34aが内周面21aに当接した状態のニードル電極23は、さらに、薄膜fの表面が容器20の内周面20aにおける微小開口側端部と当接するまでビーム軸Kに沿って移動する(図4(b)及び図5(b)参照)。このとき、薄膜fの表面は、電極先端部23Aの周方向全周に亘って前記内周面21aにおける微小開口側端部と当接する。
この移動の際に各位置決め部34は、縮径部21の内周面21aが前方に向かって縮径するテーパ状に形成されているため、ニードル電極23が先端側に移動することにより内周面21aからの抗力によって位置決め部34が弾性圧縮される。
このように各位置決め部34が弾性圧縮された状態となることで、電極先端部23A近傍には当該電極先端部23A近傍の周方向に沿って間隔をおいて配置された各位置決め部34から常に付勢力が加えられた状態となる。そのため電極先端部23Aが前記許容範囲の外側に逸脱し難くなる。そのため、電極先端部23Aの前記許容範囲内の外側への逸脱がより確実に阻止される。また、前記許容範囲内で移動した場合でも、もとの位置に戻され易くなる。
さらに、ニードル電極23が容器20に固定されて薄膜fが除去されたとき、ニードル電極23と容器20との接合部位に残留応力が残り、この残留応力によって電極先端部23Aが移動して前記許容範囲内の外側へ逸脱しようとしても、前記付勢力によってその逸脱が阻止される。
尚、本実施形態においては、各位置決め部34が弾性圧縮された状態になるまで、ニードル電極23がビーム軸K方向に沿って容器20内に挿入されるが、位置決め部34の当接部34aが内周面21a(内周面20a)と当接した状態で、ニードル電極23が容器20に固定されてもよい。このように固定されても、電極先端部23Aが微小開口22内を移動した際に内周面21aにその当接部34aが当接した位置決め部34が縮むことで、当該位置決め部34の付勢力によって電極先端部23Aは元の位置に戻され、若しくはそれ以上移動しなくなる。その結果、電極先端部23Aの微小開口22内における前記許容範囲内の外側への逸脱が阻止される。
薄膜f表面が内周面21aにおける微小開口側端部と当接することで、縮径部21の内周面21a、詳細には、内周面21aにおける微小開口側端部に対する電極先端部23Aの位置決めが行われる。即ち、本実施形態のように位置決め部材30の位置決め部34が弾性変形可能に構成され、薄膜fが形成される場合には、薄膜fが内周面21aにおける微小開口側端部と当接することで、電極先端部23Aの位置は、内周面21aにおける微小開口側端部の当接した部位に対して当該薄膜fの層厚に相当する間隔をおいた位置に決まる。
本実施形態においては、電極先端部23Aは、内周面21aとビーム軸K方向に沿った同一位置において全周に亘って薄膜fの層厚に相当する間隔をおいた位置、即ち、微小開口22の中心寄りの位置に位置決めされる。しかも、電極先端部23Aにおける内周面21aと対向する部位は、薄膜fによって保護されているため、前記位置決めの際に内周面21a等との接触に起因する損傷等が生じない。
尚、本実施形態における位置決めでは、内周面21aと電極先端部23Aの外周面との間隔だけでなく、ビーム軸K方向における両者の相対位置の位置決めも含む。また、本実施形態において、薄膜fは、内周面21aとビーム軸K方向に沿った同一位置において周方向全周に亘って当接しているが、これに限定される必要はない。即ち、薄膜fは、容器20の内周面21aと1箇所以上で当接すればよい。このように当接することで、当接位置における内周面21aと電極先端部23Aの外周面との対向する部位同士の相対位置が位置決めされる。
位置決めの際に、位置決め部材30の位置決め部34が前記弾性変形可能であるため、薄膜fの膜厚(層厚)が変更されるだけで、内周面21aの当接した部位と電極先端部23Aの外周面との間隔の調整が容易にできる。さらに、膜厚を変更することで、位置決めの際、微小開口22に対するニードル電極23先端のビーム軸K方向の位置の調整も容易にできる。即ち、ニードル電極23は、その先端部において径が徐々に小さくなる略円錐形に形成されているため、前記間隔を変更することで、ビーム軸K方向に沿って前後に移動する。
このとき、内周面21aと当接している位置決め部材30の位置決め部34は、前記弾性変形可能であるためニードル電極23がビーム軸K方向に沿って移動することで当該位置決め部材30の位置における内周面21aの直径(縮径部21の内径)が変動しても収縮して弾性変形することで、常に当接部34aが内周面21aに当接した状態となる。
従って、内周面21aに対するニードル電極23先端のビーム軸K方向の位置を前方側に移動させるためには、位置決め部材30の位置決め部34の長さを変更することなく、薄膜fの膜厚を薄くして前記間隔を狭くすればよい。また、内周面21aに対する前記先端のビーム軸K方向の位置を後方側に移動させるためには、位置決め部材30の位置決め部34の長さを変更することなく、薄膜fの膜厚を厚くして前記間隔を広くすればよい。この薄膜fの膜厚はμm単位で制御できるため、ニードル電極23のK軸方向に沿った前記移動(調整)もμm単位で行うことができる。
このようにして、容器20の微小開口22内での電極先端部23Aの位置が位置決め部材30及び薄膜fによって位置決めされた後、このままの位置でニードル電極23が容器20に固定される。詳細には、ニードル電極23における容器20後方壁24の挿入孔25を挿通している部位が固着部位26にハンダhによって固着(ハンダ付け)される。このとき、固着部位26は、メタライズ処理が施されているため、ニードル電極23を当該固着部位26へ容易にハンダ付けすることができる。尚、ニードル電極23の固着部位26への固着手段としては、ハンダ付けに限定される必要はなく、接着材による接着やろう付け等であってもよい。
次に、ニードル電極23が容器20に固定されたままその表面に形成されている薄膜fが除去される。具体的には、ニードル電極23が固定された状態の容器20がフッ化アンモニウム水溶液に浸漬される。このフッ化アンモニウム水溶液は、浸漬した前記容器20においてはニードル電極23の表面に形成された二酸化珪素膜(薄膜)fしか実質的には溶解しない。そして、容器20の後方壁24に設けられ、原料ガス供給管50が接続されてイオン原料ガスが供給される原料ガス導入孔や内周面21aと電極先端部23Aの外周面との間隙等からフッ化アンモニウム水溶液が容器20内に浸入することでニードル電極23(電極先端部23A)を被覆する薄膜fが前記水溶液に触れて溶解される。
このようにして薄膜fが溶解することで、内周面21aと電極先端部23Aの外周面との間に薄膜fの膜厚に相当する間隙が現れる。このようにして、内周面21aに対し、当該内周面21aとの間に所望幅の間隙が形成されるような位置への電極先端部23Aの位置決めが行われる(図5(c)参照)。
フッ化アンモニウム水溶液によって溶解された薄膜fは、当該水溶液と共に容器20の後方壁24に設けられた前記原料ガス導入孔や内周面21aと電極先端部23Aとの間に形成された間隙等を通じて容器20から排液されて薄膜fの除去が終了する。
このような薄膜fとこの薄膜fの除去方法との組み合わせとしては、本実施形態のように、二酸化珪素膜とフッ化アルミニウム水溶液の他に、二酸化珪素膜とフッ酸水溶液、Al膜と塩酸、Cu膜と塩化第二鉄水溶液、また、カーボン膜と酸素雰囲気での熱処理若しくは水素雰囲気による熱処理、有機高分子膜と有機溶媒若しくは有機溶媒中での熱処理、等であってもよい。
上記のようにして電極先端部23A及びその近傍の薄膜fが除去された後の容器20は、真空チャンバー11内に配置される。この真空チャンバー11には、真空ポンプ12が設けられた排気管13が接続される。そして、容器20の前方側に微小開口22を介してニードル電極23先端と対向するように引出電極40が配置され、当該引出電極40とニードル電極23との間に電界電離用電源42が接続される。また、容器20には、真空チャンバー11内に引き込まれた原料ガス供給管50が接続される。
尚、本発明のイオン源は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、位置決め部材30は、本実施形態のようにニッケルで構成される必要はなく、タングステン、モリブデン等の金属でもよく、ニッケル合金のような合金であってもよい。また、金属に限定されず、樹脂で構成されてもよい。また、弾性変形する部位以外は、セラミックス(アルミナ、ボロンナイトライド、窒化ケイ素等)で構成されてもよい。
また、位置決め部材30は、本実施形態のように基部32に径方向外側に延びる位置決め部34が設けられ、その先端に当接部34aを含むような構成に限定される必要はない。即ち、図6(a)及び図6(b)に示されるように、位置決め部材30aは、当接部として、容器20の内周面20aに沿って周方向に連続する環状当接部36を有すると共に、この環状当接部36と基部32をとニードル電極23の径方向に連結し、且つ、ニードル電極23の周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の径方向連結部37,37,…を有する構成であってもよい。
具体的には、位置決め部材30aは、セラミックスで形成されている。そして、円筒状の基部32とこの基部32よりも直径の大きな円筒状の環状当接部36とが同軸となるように配置され、基部32の外周面と環状当接部36の内周面との間隔を一定に保つ径方向連結部37,37,…が設けられている。
位置決め部材30aがこのように構成されることで、環状当接部36によって位置決め部材30aと容器20の内周面20aとの接触面積が増加し、当該接触部位でのずれが生じ難くなり、電極先端部23Aの前記許容範囲内の外側への逸脱がより確実に阻止される。また、このような構成であっても、基部32と環状当接部36との間の領域で周方向に互いに隣接する径方向連結部37,37同士の間にイオン原料ガスの流通を許容する空間S2が確保されていることから、容器20内でのイオン原料ガスの流れが妨げられない。
また、縮径部21においては、このような径方向に弾性変形しない位置決め部材30aが用いられても、環状当接部36が縮径部21の内周面21aに対して先端側と反対の側から当接するようにニードル電極23に配置されることで、容器20内でのニードル電極23の位置決めが容易にできる。
また、前記の位置決め部材30aのように、径方向連結部37が径方向に伸縮しないように構成されることで、微小開口22内で電極先端部23Aの位置をより強固に固定できる。
また、図6(c)に示される位置決め部材30bのように、位置決め部34は、本実施形態のような環状の部材に限定される必要はなく、径方向と直交する方向に蛇行するバネ状に形成されてもよく、他の形状であってもよい。即ち、位置決め部34が径方向に沿って伸縮するように弾性変形可能な構成であれば、当該位置決め部34が収縮するように弾性変形されて配置されることで、電極先端部23A近傍(ニードル電極23)には周方向に沿って間隔をおいて配置された各位置決め部34から常に付勢力が加えられた状態となる。その結果、電極先端部23Aが前記許容範囲内の外側により逸脱し難くなる。即ち、電極先端部23Aの前記許容範囲内の外側への逸脱がより確実に阻止される。
また、図6(d)に示されるように、位置決め部34は、基部32にその周方向に等間隔に配置される必要もない。このように配置されても、各位置決め部34の当接部34aが内周面20a(内周面21a)と当接することで、当該位置決め部材30cが取付けられたニードル電極23における電極先端部23Aの微小開口22内での位置決めが可能となる。
また、図6(e)に示されるように、ニードル電極23において、ビーム軸K方向に間隔をおいて複数の位置決め部材30,30,…が設けられてもよい。このように複数設けられることで、より正確に微小開口22内での電極先端部23Aの位置決めを行うことができる。また、電極先端部23Aが移動しようとしても、より強固に移動を抑制され、電極先端部23Aの微小開口22内での前記許容範囲内の外側への逸脱がより確実に阻止される。
また、本実施形態においては、容器20の先端側は、内周面21aのみが先端側に向かって直径が縮小している縮径部21で構成されているが、図7に示されるイオン源100のように、先端側に向かって容器20自体が縮径したテーパ形状のノズル部21Nで構成されていてもよい。このように構成されても、上記実施形態のように電極先端部23A近傍に設けられた位置決め部材30と当該電極先端部23A及びその近傍に形成された薄膜fの表面をノズル部21Nのテーパ状のノズル部内周面21Naに当接させることで、容易に両者の相対位置を位置決めすることができる。
このように構成されても、本実施形態同様、ニードル電極23には周方向に沿って配置された各位置決め部34から常に付勢力が加えられた状態となるため、電極先端部23Aが前記許容範囲の外側により逸脱し難くなる。そのため、電極先端部23Aの前記所定の許容範囲内の外側への逸脱がより確実に阻止される。
このノズル部内周面21Naは、ビーム軸K方向と直交する共通の平面V上でのノズル部内周面21Naに囲まれた面積とニードル電極23の断面積との差であるガス噴出面積Gsがニードル電極23の先端又は前記先端よりも僅かに基部側で最小になると共に他の位置では前記最小の面積よりも大きくなるような形状を有し、且つイオンビームの照射方向に沿って前記囲まれた面積が減少するような形状を有する。そのため、本実施形態の縮径部21同様に、前記微小開口22から噴射されるイオン原料ガスが絞り効果によってニードル電極23の先端で高いガス圧を維持できる、若しくは前記高いガス圧から僅かに低くなったガス圧を維持できる。
また、容器20の前側(先端側)は、図8に示されるようなビーム軸Kと直交する板状の先端壁21Bで構成されていてもよい。
即ち、容器20は、ニードル電極23を径方向外側から囲む形状をもつ中空の容器本体20Aと、この容器本体20Aの先端側開口を微小開口22を残して塞ぐ先端壁20Bとを有する。そして、位置決め部材30は、微小開口22の内側にニードル電極23の電極先端部23Aを位置決めする。この位置決め部材30は、その当接部34aが微小開口22を囲む先端壁20Bの内周面20Baに当接するようにニードル電極23の電極先端部23Aに設けられる。
このように容器20が構成されても、電極先端部23Aが移動し、若しくは移動しようとした場合、位置決め部材30の当接部34aが先端壁20Bの内周面20Baに当接することで電極先端部23Aの微小開口22内での移動が前記許容範囲内に収められる。また、位置決め部材30は、イオン原料ガスの流通を許容する形状を有していることから、先端壁20Bの内周面20Baに囲まれた微小開口22内のイオン原料ガスの流れを妨げない。従って、容器20が先端壁20Bを有するような構成であっても、ニードル電極23の先端部近傍に形成された強電界内に対し、位置決め部材30の有無に関わらず安定してイオン原料ガスが供給される。このように強電界内に安定してイオン原料ガスが供給されることで安定したイオンビームが形成される。
また、本実施形態においては、容器20先端側の縮径部21における内周面21aは、前方に向かって一定の割合で直径が縮小するように形成されているがこれに限定されず、前記縮小の割合が一定でなくてもよい。このような内周面であっても、位置決め部材30における位置決め部34の当接部34aが前記内周面に少なくとも一箇所で当接すれば、この当接した位置決め部34の延びる方向への電極先端部23Aの移動を抑制することが可能となる。
また、微小開口22の横断面形状は、本実施形態においては円形であるが、これに限定されず、電極先端部23Aの外周面と内周面21aとの間に原料ガス流路Grが形成可能であれば四角や多角形等の他の形状であってもよい。
また、本実施形態においてはイオン源10を製造する際、電極先端部23Aに薄膜fが形成されるが、この薄膜fが電極先端部23Aに形成されることなくイオン源10が製造されてもよい。この場合、縮径部21の内周面21aのように先端に向かうに従って縮径する形状(例えばテーパ状)に形成されていれば、電極先端部23Aが微小開口22内の中心部に容易に位置決めされる。
即ち、容器20内に挿入されたニードル電極23において、位置決め部材30における複数の位置決め部34,34,…のいずれかの当接部34aを縮径部21の内周面21aに当接させ、この当接させた状態でニードル電極23を更にビーム軸Kに沿って残りの当接部34aが内周面21aに当接するまで移動させる。このようにすることで、内周面21aに案内されて電極先端部23Aが微小開口22内で位置決めされる。特に、位置決め部34が前記弾性変形しない素材で形成されている場合に、より正確に微小開口22内での電極先端部23Aの位置決めが可能となる。
また、電極先端部23A近傍には径方向外側に向かって位置決め部34が延びているため、内周面21aとの距離が保たれて当該電極先端部23A及びその近傍と内周面21aとの接触が抑制され、この接触に起因する損傷が抑制される。
一方、位置決め部34が本実施形態のように弾性変形する構成である場合は、微小開口22から容器20の外側に突出するニードル電極23先端の突出量の調整が高精度で行える。
具体的には、ニードル電極23をビーム軸K方向先端側に移動させて電極先端部23Aの位置決めを行うときに、各当接部34aを縮径部21の内周面21aに対して先端側と反対の側から当接させて仮の位置決めを行い、又は前記当接させた状態からさらに前記電界電離電極を前記軸方向先端側に移動させることで前記各位置決め部を収縮させて仮の位置決めを行う。そして、この仮の位置決め状態からニードル電極23のビーム軸K方向における微小位置決めをさらに行う。
このようにすることで、前記仮の位置決めを行った後の前記微小位置決めのときに、ニードル電極23に対して加えられる各位置決め部34からの前記弾性変形に起因する付勢力によって電極先端部23Aの位置が安定しているため、より高精度な電極先端部23Aの位置決めが可能となる。
そして、前記微小位置決めされたニードル電極23が容器20内に固定されると、前記同様、ニードル電極23には周方向に沿って配置された各位置決め部34から常に付勢力が加えられた状態となるため、電極先端部23Aが前記許容範囲の外側により逸脱し難くなる。そのため、当該方法によって製造されたイオン源10では、電極先端部23Aの前記所定の許容範囲内の外側への逸脱がより確実に阻止される。
本実施形態においては、薄膜fを溶解する際に液体(フッ化アンモニウム水溶液)が用いられているがこれに限定される必要もない。即ち、薄膜fの除去方法としては、僅かな幅の間隙や孔等から容器20内に注入でき、ニードル電極23表面から除去した薄膜と共に、注入するのと同様、前記間隙や孔等から排出できればよく、薄膜fと反応して当該薄膜fを分解する反応性の気体が用いられてもよい。
具体的には、このような薄膜と気体の組み合わせ及び薄膜の除去方法として、例えば、i)カーボン系薄膜を酸化雰囲気に曝し、熱処理を行って除去する、ii)シリコン系薄膜をXeFの昇華ガスに曝し、シリコンをエッチング除去する、iii)シリコン酸化膜をHFガスに曝し、シリコン酸化膜を除去する、等が考えられる。尚、前記カーボン系薄膜としては、フッ素系樹脂、フォトレジスト、ポリイミド等の樹脂系カーボン薄膜や、グラファイト等の無機系カーボン薄膜等が挙げられる。
本実施形態に係るイオン源の概略構成図である。 同実施形態に係るイオン源の容器先端部の部分拡大図である。 同実施形態に係る位置決め部材における(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。 同実施形態に係るイオン源の製造方法を示す概略図であって、(a)はニードル電極を容器に挿入する前の状態であり、(b)はニードル電極が容器に挿入され、位置決めされた状態であり、(c)は薄膜除去後の状態である。 同実施形態に係るイオン源の製造の際の微小開口周辺の部分拡大図であって、(a)は位置決め部材の位置決め部の当接部が縮径部の内周面に当接した状態であり、(b)は薄膜(犠牲層)が縮径部の内周面における微小開口側端部に当接した状態であり、(c)は薄膜除去後の状態である。 他実施形態に係るイオン源の位置決め部材であって、(a)は環状当接部を有する位置決め部材の平面図であり、(b)は環状当接部を有する位置決め部材の斜視図であり、(c)は蛇行したバネ部材で位置決め部が構成される位置決め部材の平面図であり、(d)は周方向に等間隔に配置されていない位置決め部を有する位置決め部材の平面図であり、(e)はビーム軸方向に間隔をおいて複数の位置決め部材が設けられたイオン源の概略構成図である。 容器先端部がノズル状に形成されたイオン源の概略構成図である。 容器先端が微小開口を有する先端壁で構成されたイオン源の概略構成図である。 従来の電界電離型イオン源の概略構成図である。
符号の説明
10 イオン源
20 容器
20a 内周面
22 微小開口
23 ニードル電極(電界電離電極)
23A 電極先端部
30 位置決め部材
32 基部
34 位置決め部
34a 当接部
40 引出電極
42 電界電離用電源
K ビーム軸

Claims (16)

  1. 原料ガスを噴射するときに電界電離してイオンビームを生成するイオン源であって、
    微小開口と、この微小開口に接続している前記イオンビームのビーム軸を囲む方向の内周面とを有し、前記内周面に囲まれた領域に供給された前記原料ガスを前記微小開口から噴射する容器と、
    前記ビーム軸方向に沿って延びると共に先端が尖り、先端部が前記微小開口内に位置するように前記容器内に固定される電界電離電極と、
    前記電界電離電極と対向するように前記容器の外部に配置される引出電極とを備え、
    前記電界電離電極には、前記微小開口内での当該電極の先端部の位置を所定の許容範囲内に収めるための位置決め部材が設けられ、
    前記位置決め部材は、前記電解電離電極に固定される基部と、前記容器の内周面に当接可能な当接部とを含み、この当接部と前記容器の内周面との当接により前記電極の先端部が前記許容範囲の外側に逸脱するのを阻止すると共に、前記電解電離電極の外周面と前記容器の内周面との間での前記原料ガスの流通を許容する形状を有していることを特徴とするイオン源。
  2. 請求項1に記載のイオン源において、
    前記位置決め部材は、前記基部から前記電界電離電極の径方向外側に延び、前記電界電離電極の周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の位置決め部を有し、各位置決め部の先端部が前記当接部を構成すると共に、前記周方向に互いに隣接する位置決め部同士の間に前記原料ガスの流通を許容する空間が確保されていることを特徴とするイオン源。
  3. 請求項2に記載のイオン源において、
    前記各位置決め部は、前記径方向に伸縮する方向に弾性変形可能な弾性変形部を含み、この弾性変形部が収縮方向に弾性変形した状態で前記当接部が前記容器の内周面に常時当接するように配置されていることを特徴とするイオン源。
  4. 請求項3に記載のイオン源において、
    前記位置決め部のうちの少なくとも一部の位置決め部は、前記弾性変形部として、前記原料ガスの流通を許容するための空間を囲む環状の部分を有し、この環状の部分の中心軸が前記電解電離電極の中心軸と略平行になるように前記位置決め部材が配置されていることを特徴とするイオン源。
  5. 請求項1に記載のイオン源において、
    前記位置決め部材は、前記当接部として、前記容器の内周面に沿って周方向に連続する環状当接部を有すると共に、この環状当接部と前記基部とを前記電界電離電極の径方向に連結し、且つ、前記電界電離電極の周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の径方向連結部を有し、前記基部と前記環状当接部との間の領域で前記周方向に互いに隣接する径方向連結部同士の間に前記ガスの流通を許容する空間が確保されていることを特徴とするイオン源。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のイオン源において、
    前記容器は、その内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小する縮径部を有し、この縮径部の内周面に対して前記先端側と反対の側から前記当接部が当接するように前記位置決め部材が配置されていることを特徴とするイオン源。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のイオン源において、
    前記容器は、その内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小する縮径部を有し、
    この縮径部は、少なくとも前記微小開口の周縁部に形成され、
    前記位置決め部材は、前記容器における前記微小開口と対向する位置に設けられた前記微小開口よりも大きな挿入孔から挿入可能で且つ前記縮径部の内周面に対して前記先端側と反対の側から前記当接部が当接するように前記電極の先端近傍に配置されていることを特徴とするイオン源。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のイオン源において、
    前記容器の内周面における少なくとも前記微小開口周縁部は、前記ビーム軸方向と直交する共通の平面上での前記微小開口周縁部に囲まれた領域の面積と前記電界電離電極の断面積との差であるガス噴出面積が前記電界電離電極の先端又は前記先端よりも僅かに基部側の位置で最小になると共に他の位置では前記最小の面積よりも大きくなるような形状を有し、且つ前記微小開口周縁部の直径が先端側に向かうに従って縮小するような形状を有することを特徴とするイオン源。
  9. 原料ガスを噴射するときに電界電離してイオンビームを生成するイオン源であって、微小開口と、この微小開口に接続している前記イオンビームのビーム軸を囲む方向の内周面とを有し、前記内周面に囲まれた領域に供給された前記原料ガスを前記微小開口から噴射する容器と、前記ビーム軸方向に沿って延びると共に先端が尖り、先端部が前記微小開口内に位置するように前記容器内に固定される電界電離電極と、前記微小開口を介して前記電界電離電極と対向するように前記容器の外部に配置される引出電極と、前記引出電極と前記電界電離電極との間に接続され、これら電極間に電界電離電圧を印加するための電界電離用電源とを備えるイオン源の製造方法において、
    前記電界電離電極が前記容器内に固定された際に前記微小開口内での当該電極の先端部の位置を所定の許容範囲内に収めるための位置決め部材であって、前記電解電離電極に固定される基部と、前記容器の内周面に当接可能な当接部とを含み、この当接部と前記容器の内周面との当接により前記電解電離電極の先端部が前記許容範囲の外側に逸脱するのを阻止すると共に、前記電解電離電極の外周面と前記容器の内周面との間での前記原料ガスの流通を許容する形状を有する位置決め部材が設けられた前記電界電離電極を用意する工程と、
    前記容器内に前記電解電離電極を前記微小開口と反対の側から挿入し、この電解電離電極に設けられた前記位置決め部材の当接部を前記容器の内周面に当接させることにより、当該電解電離電極の先端部を前記微小開口内に位置決めする工程とを有することを特徴とするイオン源の製造方法。
  10. 請求項9に記載のイオン源の製造方法において、
    前記電界電離電極を用意する工程では、前記容器は、その内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小する縮径部を有し、
    前記位置決め部材は、前記基部から前記電界電離電極の径方向外側に延び、前記電界電離電極の周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の位置決め部を有し、
    前記各位置決め部は、その先端部が前記当接部を構成すると共に、前記周方向に互いに隣接する位置決め部同士の間に前記ガスの流通を許容する空間が確保され、
    前記位置決めする工程では、前記位置決め部材の各当接部を前記縮径部の内周面に対して前記先端側と反対の側から当接させることにより前記位置決めすることを特徴とするイオン源の製造方法。
  11. 請求項10に記載のイオン源の製造方法において、
    前記電界電離電極を用意する工程では、前記各位置決め部は、前記径方向に伸縮すると共にこの方向に弾性変形可能な弾性変形部を含み、前記電界電離電極が前記容器内に固定された際に前記各位置決め部の弾性変形部が収縮方向に弾性変形した状態で前記各当接部が前記縮径部の内周面に常時当接するような前記径方向の長さを有し、
    前記位置決めする工程では、前記各当接部を前記縮径部の内周面に対して前記先端側と反対の側から当接させて仮の位置決めを行い、又は前記当接させた状態からさらに前記電界電離電極を前記軸方向先端側に移動させることで前記各位置決め部を収縮させて仮の位置決めを行い、この仮の位置決め状態から前記電界電離電極の前記軸方向における微小位置決めをさらに行うことにより、前記位置決めすることを特徴とするイオン源の製造方法。
  12. 請求項9に記載のイオン源の製造方法において、
    前記電界電離電極を用意する工程では、前記容器は、その内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小する縮径部を有し、
    前記位置決め部材は、前記当接部として、前記容器の内周面に沿って周方向に連続する環状当接部を有すると共に、この環状当接部と前記基部とを径方向に連結し且つ周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の径方向連結部を有し、前記基部と前記環状当接部との間の領域で前記周方向に互いに隣接する径方向連結部同士の間に前記ガスの流通を許容する空間が確保され、
    前記位置決めする工程では、前記環状当接部を前記縮径部の内周面に対して前記先端側と反対の側から当接させることにより、前記位置決めすることを特徴とするイオン源の製造方法。
  13. 請求項10乃至12のいずれか1項に記載のイオン源の製造方法において、
    前記電界電離電極を用意する工程では、
    前記容器の内周面における少なくとも前記微小開口周縁部は、前記ビーム軸方向と直交する共通の平面上での前記内周面に囲まれた領域の面積と前記電界電離電極の断面積との差であるガス噴出面積が前記電界電離電極の先端又は前記先端よりも僅かに基部側の位置で最小になると共に他の位置では前記最小の面積よりも大きくなるような形状を有し、且つその内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小するような形状を有し、
    前記電界電離電極が前記容器内に固定された際に、最小のガス噴出面積が目標面積となるときの前記ビーム軸方向における前記位置決め部材の位置での前記電界電離電極の外周面と前記容器の内周面との間隔を維持するのに必要な長さの前記位置決め部又は連結部を有する位置決め部材を前記電界電離電極に設けることを特徴とするイオン源の製造方法。
  14. 請求項9に記載のイオン源の製造方法において、
    前記電界電離電極を用意する工程では、前記電極の先端部及び当該電極の先端部近傍の表面のうち前記位置決め部材よりも先端側の表面に所定の厚さを有する犠牲層がさらに形成された前記電界電離電極を用意し、
    前記位置決めする工程では、前記容器の内周面に前記位置決め部材の当接部を当接させると共に前記内周面における微小開口周縁部の少なくとも一部に前記犠牲層の表面を当接させることにより、前記位置決めすることを特徴とするイオン源の製造方法。
  15. 請求項14に記載のイオン源の製造方法において、
    前記電界電離電極を用意する工程では、前記容器は、その内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小する縮径部を有し、
    この縮径部の内周面は、前記内周面における微小開口周縁部で構成され、
    前記微小開口周縁部は、前記ビーム軸方向と直交する共通の平面上での前記内周面に囲まれた領域の面積と前記電界電離電極の断面積との差であるガス噴出面積が前記電界電離電極の先端又は前記先端よりも僅かに基部側の位置で最小になると共に他の位置では前記最小の面積よりも大きくなるような形状を有し、且つその内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小するような形状を有し、
    前記位置決め部材は、基部から前記電界電離電極の径方向外側に延び、前記電界電離電極の周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の位置決め部を有し、
    各位置決め部は、前記径方向に伸縮すると共にこの方向に弾性変形可能な弾性変形部を含み、最小のガス噴出面積が目標面積となるように前記電界電離電極が前記容器内に固定された際に、前記各位置決め部の弾性変形部が収縮方向に弾性変形した状態で前記各当接部が前記内周面に常時当接するような前記径方向の長さを有し、当該位置決め部の先端部が前記当接部を構成し、前記周方向に互いに隣接する位置決め部同士の間に前記ガスの流通を許容する空間が確保され、
    前記犠牲層は、最小の前記ガス噴出面積が目標面積となるように前記電界電離電極が前記容器内に固定された際に、当該犠牲層が前記微小開口周縁部に当接するような厚さを有し、
    前記位置決めする工程では、前記各当接部を前記容器の内周面に対して前記先端側と反対の側から当接させて仮の位置決めを行い、又は前記当接させた後さらに前記電界電離電極を前記軸方向先端側に移動させることで前記各位置決め部を収縮させて仮の位置決めを行い、この仮の位置決め状態から前記電界電離電極の前記軸方向先端側に移動させて前記犠牲層を前記微小開口周縁部に当接させることにより、前記位置決めすることを特徴とするイオン源の製造方法。
  16. 請求項14に記載のイオン源の製造方法において、
    前記電界電離電極を用意する工程では、前記容器は、その内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小する縮径部を有し、
    この縮径部は、前記内周面における微小開口周縁部で構成され、
    前記微小開口周縁部の内周面は、前記ビーム軸方向と直交する共通の平面上での前記内周面に囲まれた領域の面積と前記電界電離電極の断面積との差であるガス噴出面積が前記電界電離電極の先端又は前記先端よりも僅かに基部側の位置で最小になると共に他の位置では前記最小の面積よりも大きくなるような形状を有し、且つその内周面の直径が先端側に向かうに従って縮小するような形状を有し、
    前記位置決め部材は、前記当接部として、前記容器の内周面に沿って周方向に連続する環状当接部を有すると共に、この環状当接部と前記基部とを径方向に連結し、且つ、周方向に互いに間隔をおいて配置される複数の径方向連結部を有し、前記基部と前記環状当接部との間の領域で前記周方向に互いに隣接する径方向連結部同士の間に前記ガスの流通を許容する空間が確保され、
    前記犠牲層は、最小の前記ガス噴出面積が目標面積となるように前記電界電離電極が前記容器内に固定された際に、当該犠牲層が前記微小開口周縁部に当接するような厚さを有し、
    前記位置決めする工程では、前記環状当接部を前記微小開口周縁部に対して前記先端側と反対の側から当接させると共に、前記犠牲層を前記微小開口周縁部に当接させることにより、前記位置決めすることを特徴とするイオン源の製造方法。
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