JP2009244767A - 磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末及びその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】 小粒径の磁性トナー粒子として使用する場合に、流動性が高く、解像度が高く、また、黒色度に優れている磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末及びその製造法を提供する。
【解決手段】 平均粒径が0.10〜0.30μmであり、Si換算でFeに対して0.1原子%以上0.9原子%未満のケイ素を含み、六面体を基本とし、該六面体の各稜線が曲面状であり、形状係数Φが1.05<Φ<1.40であるマグネタイト粒子からなる磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末は、第一鉄塩水溶液と第一鉄塩に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリ水溶液とを反応させた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に加熱しながら酸素含有ガスを通気してマグネタイト粒子を生成させる第一段反応と、残存Fe2+に対し1.00当量以上の水酸化アルカリ水溶液を添加し、加熱しながら酸素含有ガスを通気してマグネタイト粒子を生成させる第二段反応で得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粒子サイズが0.10〜0.30μmの微細粒子であり、流動性に優れ、しかも、小粒径の磁性トナー粒子として使用する場合に、残留磁化が低いことから、磁気的な凝集が生気しにくいので樹脂への分散性が良好となり、磁性トナー粒子間の特性差が生じ難いことによって解像度が高く、また、Fe2+が多いことによって黒色度に優れている磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末及びその製造法に関するものである。
従来、静電潜像現像法の一つとして、キャリアを使用せずに樹脂中にマグネタイト粒子粉末等の磁性粒子粉末を混合分散させた複合体粒子を現像剤として用いる所謂「一成分系磁性トナー」による現像法が広く知られ、汎用されている。
近時、静電複写機器の小型化、高速化等の高性能化に伴い、現像剤である磁性体トナーの特性向上、即ちカブリが抑制され、高解像度が得られる小粒径の磁性トナーが強く要求されている。六面体、八面体の磁性粒子は磁性体の個々の粒子が面で接触するため、機械的せん断力で磁性体の粒子同士を引き離すことが出来ない凝集体が発生し易く、樹脂中への分散が十分に行えず、結果として磁性トナー粒子間の特性差が生じ、画像濃度が低下し、カブリが発生し易くなる。
磁性トナーの流動性は、磁性トナー表面に露出している磁性粒子の表面状態に大きく依存することから、磁性粒子粉末自身の流動性が優れていることが必要であり、八面体や六面体等の角張った粒子である場合には磁性粒子としての流動性は悪く、磁性トナーとした場合にも流動性は悪くなる。一方、球状等の丸みを帯びた粒子である場合には磁性粒子としての流動性が良好であり、磁性トナーとした場合にも流動性が良好となる。そこで、磁性トナーとした場合にも流動性が良好である、球状等の丸みを帯びた磁性粒子粉末が要求されている。
磁性粒子粉末の黒色度は、「粉体および粉末冶金」第26巻第7号第239〜240頁の「試料の黒色度合はFe(II)含有量および平均粒径によって左右され、平均粒径0.2μmの粉末は青味を帯びた黒色粉末であり、黒色顔料として最も好適である。・・・Fe(II)含有量が10%以上では黒色度合に若干の差異が認められるが、試料はいずれも黒色である。Fe(II)含有量が10%以下に減少すると各試料は黒色から赤茶色に変化する。」なる記載の通り、磁性トナー用に使用される0.1〜0.5μm程度のマグネタイト粒子粉末の場合には、主にFe2+含有量によって左右されることが知られている。そこで、Fe2+含有量が多い、黒色度が高いマグネタイト粒子粉末が要求されている。
磁性トナー用磁性粒子粉末として用いられているマグネタイト粒子粉末は、八面体を呈したマグネタイト粒子粉末(特公昭44−668号公報)や、球状を呈したマグネタイト粒子(特公昭62−51208号公報)などであるが、これらは特開平3−201509号公報に記載の「・・・八面体を呈したマグネタイト粒子粉末は、Fe2+含有量がFe3+に対しモル比で0.3〜0.45程度であり、黒色度においては優れているが、残留磁化が大きく磁気的な凝集が生起しやすいものである為、分散性が悪く樹脂との混合性が悪い。・・・球状を呈したマグネタイト粒子粉末は、残留磁化が小さく磁気的な凝集が生起しにくいので分散性に優れ樹脂との混合性は良好であるが、Fe2+含有量がFe3+に対しモル比で高々0.28程度であるので、やや茶褐色を帯びた黒色となり、黒色度において劣る。・・・」なる記載の通り、従来の球状や八面体のマグネタイト粒子は、十分な特性を有するものではない。
また、六面体を呈したマグネタイト粒子粉末(特許文献1:特開平3−201509号公報)が提案されているが、その粒子形状が角張っているために流動性は十分なものではない。
従来、マグネタイト粒子の特性改善のためにマグネタイト生成反応中にSiを添加する製造法の検討が行われており、例えば、第一鉄塩溶液にケイ素成分を添加し、鉄に対して1.0〜1.1当量のアルカリと混合した後、pHを7〜10に維持して酸化反応を行い、反応途中で当初のアルカリに対して0.9〜1.2当量となる不足の鉄を追加し、pH6〜10に維持して酸化反応を行うことによりマグネタイト粒子を得る方法(特許文献2:特開平5−213620号公報)などがある。
また、六面体形状のマグネタイト粒子の改良においても様々な試みがなされている。例えば、エッジが面取りされた立方体形状のマグネタイト粒子(特許文献3:特開平2−44030号公報)、粒子形状が実質的に六面体であり、該六面体の各稜線が面状になっているマグネタイト粒子粉末(特許文献4:特開平6−144840号公報)、六面体状であって保磁力が40〜80Oeであるマグネタイト粒子(特許文献5:特開平9−22143号公報)、Si換算で0.9〜1.7原子%のシリカを含み六面体を基本として各稜線が曲面状であるマグネタイト粒子(特許文献6:特開平9−59024号公報)、リン、アルミニウム及びケイ素を含有し種々の形状を有するマグネタイト粒子(特許文献7:特開平10−101339号公報)、飽和磁化、残留磁化及び保磁力を制御したマグネタイト粒子(特許文献8:特開2000−335922号公報)、六面体の各頂点及び稜線が曲面状であるマグネタイト粒子(特許文献9:特開2007−178717号公報)などが知られている。
特開平3−201509号公報 特開平5−213620号公報 特開平2−44030号公報 特開平6−144840号公報 特開平9−22143号公報 特開平9−59024号公報 特開平10−101339号公報 特開2000−335922号公報 特開2007−178717号公報
上述の諸問題に鑑み、粒子サイズが0.10〜0.30μmの微細粒子であり、流動性に優れ、しかも、小粒径の磁性トナー粒子として使用する場合に、残留磁化が低いことで、磁気的な凝集が生気しにくいために樹脂への分散性が良好で磁性トナー粒子間の特性差が生じ難く、解像度が高い、また、Fe2+が多いことによって黒色度に優れている磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末は、現在最も要求されているところであるが、このような磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末は未だ提供されていない。
すなわち、前出特許文献2(特開平5−213620号公報)に記載のマグネタイト粒子は、一次反応において、第一鉄に対して1.0〜1.1当量のアルカリを添加しており、得られるマグネタイト粒子は粒度分布が大きく均一な粒子径のものがえられない。
また、前出特許文献3(特開平2−44030号公報)に記載のマグネタイト粒子は、その粒子形状はエッジが面取りされた立方体形状であるが、BET比表面積が0.5〜5m/gと大きな粒径のものであり、しかも角張った形状であり、流動性に劣るものである。
また、前出特許文献4(特開平6−144840号公報)に記載のマグネタイト粒子は、その粒子形状が実質的に六面体であり、該六面体の各稜線が面状になっているが、角張った形状であり、流動性に劣るものである。
また、前出特許文献5(特開平9−22143号公報)に記載のマグネタイト粒子は、その粒子形状が通常の六面体であり、流動性に劣るものである。
また、前出特許文献6(特開平9−59024号公報)に記載のマグネタイト粒子は、六面体を基本として各稜線が曲面状であるマグネタイト粒子が記載されているが、後出比較例に示すとおり、残留磁化値が高いものである。
また、前出特許文献7(特開平9−22143号公報)に記載のマグネタイト粒子は、その粒子形状が通常の六面体であり、流動性に劣るものであり、また、残留磁化値が高いものである。
また、前出特許文献8(特開2000−335922号公報)に記載のマグネタイト粒子は、その粒子形状が通常の六面体であり、流動性に劣るものである。
また、前出特許文献9(特開2007−178717号公報)に記載のマグネタイト粒子は、六面体を基本として各稜線が曲面状であるマグネタイト粒子が記載されているが、後出比較例に示すとおり、残留磁化値が高いものである。
そこで、本発明は、粒子サイズが0.10〜0.30μmの微細粒子であり、流動性に優れ、しかも、小粒径の磁性トナー粒子として使用する場合に、残留磁化が低いことから、磁気的な凝集が生気しにくいので樹脂への分散性が良好となり、磁性トナー粒子間の特性差が生じ難いことによって解像度が高く、また、Fe2+が多いことによって黒色度に優れている磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末を提供することを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、平均粒子径(d)が0.10〜0.30μmであり、Si換算でFeに対して0.1原子%以上0.9原子%未満のケイ素を含むマグネタイト粒子であって、その粒子形状が六面体を基本とし、該六面体の各稜線が曲面状であり、次式で規定される形状係数Φが1.05<Φ<1.40であることを特徴とするマグネタイト粒子からなる磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末である(本発明1)。
形状係数Φ=l/w
l:投影図における磁性酸化鉄粒子の平均長軸径
w:投影図における磁性酸化鉄粒子の平均短軸径
また、本発明は、平均粒子径(d)が0.10〜0.30μmであり、Si換算でFeに対して0.1原子%以上0.9原子%未満のケイ素を含み、Al、Ti、Mg、Co、Zr、Mn、Zn、Ni、Cu、S、Na、P、Ca、Ce、Sr、Ba、Cr、Sn、Biから選ばれる1種または2種以上の元素を0〜20原子%含むマグネタイト粒子であって、その粒子形状が六面体を基本とし、該六面体の各稜線が曲面状であり、次式で規定される形状係数Φが1.05<Φ<1.40であることを特徴とするマグネタイト粒子からなる磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末である(本発明2)。
形状係数Φ=l/w
l:投影図における磁性酸化鉄粒子の平均長軸径
w:投影図における磁性酸化鉄粒子の平均短軸径
また、本発明は、測定磁場が79.6kA/mでの残留磁化値(σr)と平均粒子径(d)との関係が下記式を満たすことを特徴とする磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末である(本発明3)。
σr≦−40d+14.8
また、本発明は、第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリ水溶液とを反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に70〜100℃の温度範囲に加熱しながら酸素含有ガスを通気してマグネタイト粒子を生成させる第一段反応と、該第一段反応終了後の残存Fe2+に対し1.00当量以上の水酸化アルカリ水溶液を添加し、70〜100℃の温度範囲に加熱しながら酸素含有ガスを通気してマグネタイト粒子を生成させる第二段反応との二段階反応からなるマグネタイト粒子粉末の製造法において、水酸化アルカリ水溶液、第一鉄塩溶液又は水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液のいずれかの水溶液に水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.1〜0.9原子%未満添加し、且つ、前記第一段反応における酸素含有ガス通気開始時に水酸化アルカリ水溶液を添加することによりpHを7.0以上8.0未満に調整して酸素含有ガスを通気することを特徴とする上記記載の磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末の製造法である(本発明4)。
本発明に係るマグネタイト粒子は、粒子サイズが0.10〜0.30μmの微細粒子であり、流動性に優れ、残留磁化値が低いことで磁性体粒子間の磁気的凝集が抑えられることから小粒径の磁性トナーとして使用した場合に、樹脂中への分散が容易でトナー粒子間に特性差が生じ難いことで、カブリが抑えられることによって、解像度が高く、しかもFe2+が多いことから黒色度に優れていることから電子写真用磁性トナー用磁性粉として最適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末について述べる。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、組成的にはマグネタイト粒子((FeO)x・Fe、0<x≦1)からなり、必要により、鉄以外の金属元素で、Al、Ti、Mg、Co、Zr、Mn、Zn、Ni、Cu、S、Na、P、Ca、Ce、Sr、Ba、Cr、Sn、Biから選ばれる1種又は2種以上の金属元素をFeに対して0〜20原子%含むものである。その粒子形状は、後出図1の透過型電子顕微鏡写真に示す通り、六面体を基本として、該六面体の各稜線が曲面状のものである。好ましくは立方体を基本として、該立方体の各稜線が曲面状のものである。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、平均粒子径が0.10〜0.30μmである。平均粒子径が0.10μm未満の場合には、単位容積中の粒子が多くなり過ぎ、粒子間の接点数が増えるために、粉体層間の付着力が大きくなり、磁性トナーとする場合に、樹脂中への分散性が悪くなる。0.30μmを越える場合には、一個のトナー粒子中に含まれる磁性酸化鉄粒子の個数が少なくなり、各トナー粒子について磁性酸化鉄粒子の分布に偏りが生じ、その結果、トナーの帯電の均一性が損なわれる。より好ましくは0.12〜0.28μmである。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、下記式で表される形状係数Φが1.05を越え、1.4未満の範囲である。好ましくは1.15〜1.38、より好ましくは1.18〜1.30の範囲である。形状係数Φが1.05以下の場合には球状であり、保磁力が低くなり、好ましくない。また、形状係数Φが1.4の場合は、角張った六面体であり、良好な流動性が得られない。
形状係数Φ=l/w
l:投影図における磁性酸化鉄粒子の平均長軸径
w:投影図における磁性酸化鉄粒子の平均短軸径
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、ケイ素をFeに対するSi換算で0.1原子%以上0.9原子%未満含有する。Siの含有量が0.1原子%未満の場合には、角張った六面体粒子が得られ、流動性に劣るものとなる。0.9原子%以上の場合には、含有するケイ素の量が増加するため、BET比表面積が増加し、その結果、吸着水分量が増加することがあり、トナーとした場合に、トナーの環境安定性に影響を及ぼす場合がある。好ましいケイ素の含有量は0.12〜0.89原子%であり、より好ましくは0.15〜0.85原子%である。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、測定磁場が79.6kA/mでの残留磁化(σr)が平均粒子径d(μm)との関係式、σr≦−40d+14.8を満たす範囲にあることが好ましい。残留磁化が各粒子径dについての上限値を越える場合には磁気的な凝集が強くなり、磁性トナーとする場合に樹脂中への分散が悪化し、トナー粒子間での特性差が生じるため画像特性が低下する。
より好ましくは、更に、−40d+10.8≦σr、1≦σrをともに満たすものである。残留磁化値が各粒子径dについての前記下限未満の場合には、磁気感応力が弱くなり、感光ドラムへの飛散が生じやすくなり、カブリが起きる。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、飽和磁化値が80〜92Am/kg(80〜92emu/g)、好ましくは85〜90Am/kg(85〜90emu/g)の範囲である。92Am/kgの値はマグネタイトの理論値であり、これを越える場合はない。80Am/kg未満の場合には、粒子中のFe2+量が減少するため赤色味を帯びてくる。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、流動性の指標である圧縮度が55以下、好ましくは50以下である。55を越える場合には、流動性において好ましくない。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、流動性のもう一つの指標である安息角θが50°以下、好ましくは49°以下である。50°を越える場合には流動性において好ましくない。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、Fe2+含有量が磁性酸化鉄粒子全重量に対して15.0〜24.0重量%、好ましくは17〜24重量%である。15.0重量%未満の場合には、十分な黒色度が得られない。24.0重量%を越える場合には、酸化されやすく環境安定性に劣るものとなる。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末を用いて、後述する方法で塗膜を作成した場合、膜厚24μmの塗膜の60°光沢度が75%以上、好ましくは80%以上である。上記塗膜の60°光沢度が75%未満の場合、樹脂中での分散が優れるとは言い難い。
次に、本発明に係る磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末の製造法について述べる。
本発明においては、第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリ水溶液とを反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に70〜100℃の温度範囲に加熱しながら酸素含有ガスを通気してマグネタイト粒子を生成させる第一段反応と、該第一段反応終了後に残存するFe2+に対し1.00当量以上の水酸化アルカリ水溶液を添加し、70〜100℃の温度範囲に加熱し酸素含有ガスを通気してマグネタイト核晶粒子を生成させる第二段反応との二段階反応からなるマグネタイト粒子粉末の製造法において、水酸化アルカリ水溶液、第一鉄塩水溶液又は水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液のいずれかに、水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.1原子%以上0.9原子%未満添加し、且つ、前記第一段反応における酸素含有ガス通気開始時に水酸化アルカリ水溶液を添加してpHを7.0以上8.0未満に調整して酸素含有ガスを通気して、粒子形状が六面体を基本として、該六面体の各稜線が曲面状であるマグネタイト粒子からなる磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末を得る。
本発明における第一鉄塩水溶液としては、硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等を使用することができる。
本発明における水酸化アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物の水溶液、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液、また、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等の炭酸アルカリ水溶液及びアンモニア水等を使用することができる。
前記第一段反応においてpH調整の前に使用する水酸化アルカリ水溶液の量は、第一鉄塩水溶液中のFe2+に対して0.80〜0.99当量である。好ましくは0.85〜0.99当量の範囲である。0.80当量未満の場合には、生成物中にゲータイトが混入し、目的のマグネタイト粒子を単一相として得ることができない。0.99当量を越える場合には、粒度分布が大きくなり、均一な粒子径のものが得られない。
前記第一段反応における反応温度は70〜100℃である。70℃未満である場合には、針状晶ゲータイト粒子が混在してくる。100℃を越える場合もマグネタイト粒子は生成するが、オートクレーブ等の装置を必要とするため工業的に容易ではない。
酸化手段は酸素含有ガス(例えば、空気)を液中に通気することにより行う。
本発明において使用される水可溶性ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウムや、ケイ酸カリウム等が使用できる。水可溶性ケイ酸塩の添加量は、Feに対してSi換算で0.1原子%以上0.9原子%未満、好ましくは0.12〜0.89原子%である。0.1原子%未満の場合には、角張った六面体粒子となり、流動性に劣るものとなる。一方、0.9原子%以上の場合には、含有するケイ素の量が増加するため、BET比表面積が増加し、その結果、吸着水分量が増加し、トナーとした場合、トナーの環境安定性に影響を及ぼす場合がある。
本発明における水可溶性ケイ酸塩は、生成するマグネタイト粒子の形状に関与するものであり、従って、水可溶性ケイ酸塩の添加時期は、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液中に酸素含有ガスを通気してマグネタイト粒子を生成する前であることが必要であり、水酸化アルカリ水溶液、第一鉄塩溶液又は、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄反応水溶液のいずれかに添加することができる。
前記第一段反応においては、酸素含有ガス通気開始時に水酸化アルカリ水溶液を添加して懸濁液のpHを7.0以上8.0未満の範囲に調整しておく。より好ましくはpH7.1〜7.9の範囲である。懸濁液pHが7.0未満の場合には、球状粒子となり、Fe2+含有量が低く、十分な黒色度が得られない。懸濁液pHが8.0を越える場合には、角張った六面体粒子、若しくは八面体粒子が生成するため流動性の劣るものとなる。
前記第二段反応において使用する水酸化アルカリ水溶液の量は、第二段反応開始時における残存するに対して1.00当量以上である。1.00当量未満では、残存するFe2+が全量沈殿しない。実用上、1.00当量以上であって工業性を考慮した量が好ましい。その結果、第二段反応においては、懸濁液のpHは9〜12の範囲となる。
前記第二段反応の反応温度は第一段反応と同一でよい。また、酸化手段も同一でよい。
尚、原料添加後と第一段反応との間、及び、第一段反応と第二段反応との間において、必要により所要の時間にわたって十分な攪拌を行ってもよい。
尚、必要により、鉄以外の金属元素で、Al、Ti、Mg、Co、Zr、Mn、Zn、Ni、Cu、S、Na、P、Ca、Ce、Sr、Ba、Cr、Sn、Biから選ばれる1種又は2種以上の金属元素の金属塩を添加することにより、前記金属元素を含有させることができる。前記金属塩としては、硫酸塩、硝酸塩、塩化物等を使用することができる。前記金属塩の添加量は、総量としてFeに対して好ましくは0〜20原子%、より好ましくは0〜18原子%である。
次に、本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末を用いた磁性トナーについて述べる。
本発明における磁性トナーは、体積平均径が3〜15μm、好ましくは5〜12μmである。
本発明における磁性トナーは、前記磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末及び結着樹脂とからなり、必要に応じて離型剤、着色剤、荷電制御剤、その他の添加剤等を含有してもよい。前記結着樹脂と前記磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末との割合は、前記磁性酸化鉄粒子粉末100重量部に対して結着樹脂10〜900重量部、好ましくは10〜400重量部である。
前記結着樹脂としては、スチレン、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル等のビニル系単量体を重合又は共重合したビニル系重合体が使用できる。この結着樹脂を構成する単量体のスチレンとして、例えばスチレン及びその置換体があり、アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等がある。前記共重合体には、スチレン系成分を50〜95重量%含むことが好ましい。
また、結着樹脂には、必要に応じてポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を使用することができる。
本発明における磁性トナーを作成する方法としては、混合、混練、粉砕による公知の方法によって行うことができ、具体的には、前記磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末及び前記結着樹脂、必要に応じて着色剤、離型剤、荷電制御剤、その他の添加剤等をまず混合機により十分に混合した後、加熱混練機によって樹脂等を溶融、混練して相溶化させた中に磁性酸化鉄粒子等を分散させ、冷却固化後、得られた樹脂混練物について粉砕及び分級を行って磁性トナーを得ることができる。
前記混合機としては、ヘンシェルミキサー、ボールミルなどの混合機を使用することができる。前記加熱混練機としては、ロールミル、ニーダー、二軸スクリュー型、エクストルーダー等を使用することができる。前記粉砕は、カッターミル、ジェットミル等の粉砕機によって行うことができ、前記分級も公知の方法により行うことができる。
本発明における磁性トナーを得る他の方法として、懸濁重合法又は乳化重合法があり、懸濁重合法においては、重合性単量体及び磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末、着色剤、必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を溶解又は分散させた単量体そせいぶつを、懸濁安定剤を含む水相中に攪拌しながら添加して造粒し、重合させてトナー粒子を形成することができる。
乳化重合法においては、単量体、磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末、着色剤、重合開始剤などを水中に分散させて重合を行う過程に乳化剤を添加することによって適度な粒度のトナー粒子を形成することができる。
<作用>
先ず、本発明において最も重要な点は、本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、流動性に優れ、残留磁化値が低いことで磁性体粒子間の磁気的凝集が抑えられることから小粒径の磁性トナーとして使用した場合に、樹脂中への分散が容易でトナー粒子間に特性差が生じ難いことからカブリが抑えられることによって解像度が高く、しかもFe2+が多いことから黒色度に優れている磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末が得られるという事実である。
本発明に係るマグネタイト粒子は、その形状が六面体を基本として、該六面体の各稜線が曲面状であることにより、流動性に優れており、残留磁化値が低いことで磁気的凝集が抑えられ、しかもFe2+の含有量が十分に多く、黒色度に優れているものである。
本発明に係るマグネタイト粒子は、第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリ水溶液とを反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に70〜100℃の温度範囲に加熱しながら酸素含有ガスを通気してマグネタイト粒子を生成させる第一段反応と、該第一段反応終了後残存Fe2+に対し1.00当量以上の水酸化アルカリ水溶液を添加し、70〜100℃の温度範囲に加熱し酸素含有ガスを通気してマグネタイト核晶粒子を生成させる第二段反応との二段階反応からなるマグネタイト粒子粉末の製造法において、水酸化アルカリ水溶液、第一鉄塩水溶液又は水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液のいずれかに、水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.1原子%以上0.9原子%未満添加し、且つ、前記第一段反応における酸素含有ガス通気開始時に水酸化アルカリ水溶液を添加してpHを7.0以上8.0未満に調整して酸素含有ガスを通気して得られるので、上記特性を有するマグネタイト粒子粉末が得られる。
本発明の代表的な実施例は次の通りである。
なお、以下の実施の形態及び実施例並びに比較例における平均粒子径は、電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で、また、比表面積はBET法により測定した値で示した。磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を使用し、外部磁場79.6kA/mまでかけて測定した。
粒子形状は、透過型電子顕微鏡(日立S−800)により観察した。
磁性酸化鉄粒子粉末の形状係数の測定は、投影図である透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−100S)写真において磁性酸化鉄粒子をランダムに250個以上抽出し、平均長軸径l及び平均短軸径wを求め、下記式によって算出した。
形状係数=l/w
l:投影図における磁性酸化鉄粒子の平均長軸径
w:投影図における磁性酸化鉄粒子の平均短軸径
磁性酸化鉄粒子のSi量は、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業(株)製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した値で示した。
Fe2+含有量は、下記の化学分析法により求めた値で示した。即ち、不活性ガス雰囲気下において、磁性粒子粉末0.5gに対しリン酸と硫酸とを2:1の割合で含む混合溶液25ccを添加し、上記磁性粒子を溶解する。この溶解水溶液の希釈液に指示薬としてジフェニルアミンスルホン酸を数滴加えた後、重クロム酸カリウム水溶液を用いた酸化還元滴定を行った。上記希釈液が紫色を呈した時を終点とし、該終点に至るまでに使用した重クロム酸カリウム水溶液の量から計算して求めた。
磁性酸化鉄粒子粉末の流動性は、圧縮度と安息角θによって見積もることができる。
圧縮度は、カサ密度(ρa)とタップ密度(ρt)とをそれぞれ測定し、これらの値を下記式に代入して算出した値で示した。
圧縮度=〔(ρt−ρa)/ρt〕×100尚、圧縮度が小さくなるほど流動性がより優れたものとなる。
なお、カサ密度(ρa)は、JIS K5101の顔料試験法により測定し、タップ密度(ρt)は、カサ密度測定後の磁性酸化鉄粒子粉末10gを20ccのメスシリンダー中にロートを用いて静かに充填させ、次いで、25mmの高さから自然落下させる操作を600回繰り返した後、充填している磁性酸化鉄粒子粉末の量(cc)をメスシリンダーの目盛りから読み取り、この値を下記式に代入して算出した値で示した。
タップ密度(g/cc)=10(g)/容量(cc)
安息角θは、以下のように測定した。まず、試料粉末をあらかじめ710μmの篩を通しておく。半径3cmの安息角測定用テーブルを設置し、その上方10cmに設置した710μmの篩に先に一度篩通しした試料粉末を落としていく。試料粉末がテーブル上に円錐をなすようになったところで高さxを測定し、さらに試料粉末を落としていき、再度円錐の高さxを測定する。2回測定された高さxに差がなければ、xを下記式に代入して安息角θの値を求めた。
tanθ=x/3
尚、安息角θが小さくなるほど流動性がより優れたものとなる。
膜厚24μmの塗膜の60°光沢度は以下のような方法で求めることができる。ポリエステル樹脂8gをトルエン20gに溶解させる。このトルエンにポリエステルが溶解した溶液に磁性酸化鉄粒子粉末8gと1.5mmΦガラスビーズ50gを加え、ペイントコンディショナーで4時間分散させ分散液を得る。この分散液をウェットの膜厚が24μmのバーを用いてキャストコート紙上にバーコーターを用いて塗布する。乾燥後、「グロスメーターUGV−5D」(スガ試験機株式会社製)を用いて塗膜の60°光沢度を測定して求めた。
実施例1
Fe2+1.5mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液21.3lを、あらかじめ反応器中に準備された3.4Nの水酸化ナトリウム水溶液17.9lに加え(Fe2+に対し0.95当量に該当する。)、pH6.8温度90℃において水酸化第一鉄塩コロイドを含む第一鉄塩懸濁液の生成を行った。この際、ケイ素成分として3号水ガラス(SiO28.8wt%)58.1g(Feに対しSi換算で0.87原子%に該当する。)を1lに水で希釈したものを水酸化ナトリウム水溶液に添加した。上記水酸化第一鉄塩コロイドを含む第一鉄塩懸濁液に3.4Nの水酸化ナトリウム水溶液添加して懸濁液のpHを7.6に調整した後、温度90℃において毎分100lの空気を80分間通気してマグネタイト核晶粒子を含む第一鉄塩懸濁液とした。
次いで、上記マグネタイト核晶粒子を含む第一鉄塩懸濁液に9Nの水酸化ナトリウム水溶液60mlを加え(残存するFe2+に対し1.5当量に該当する。)、pH10、温度90℃において毎分100lの空気を30分間通気してマグネタイト粒子を生成した。生成粒子は、常法により、水洗、濾別、乾燥、粉砕した。
得られたマグネタイト粒子は図1に示す電子顕微鏡写真(×100000)から明らかな通り、その粒子形状は、立方体を基本として、稜線が曲面状であり、平均粒子径が0.22μmで、形状係数Φは1.22であった。
また、このマグネタイト粒子粉末は、蛍光X線分析の結果、Feに対しSiを0.84原子%含有したものであって、酸化還元滴定の結果、Fe2+量は20.2重量%であり、十分な黒色度を有するものであった。磁気特性は、残留磁化値(σr)が3.9Am/kgであった。
実施例2〜7、比較例1〜4;
第一鉄塩水溶液の種類、水ガラスの添加量、第一段反応における水酸化アルカリ水溶液の添加量、反応温度、第二段反応における水酸化アルカリの種類、添加量及び反応温度を種々変化させた以外は前記実施例1と同様にしてマグネタイト粒子粉末を得た。このときの製造条件を表1に、得られたマグネタイト粒子粉末の諸特性を表2にそれぞれ示す。
比較例1で得られたマグネタイト粒子粉末は図2に示す電子顕微鏡写真(×100000)から明らかな通り、稜線が角張った六面体形状を有しているものであり、実施例1のマグネタイト粒子粉末に比べて流動性に劣るものである。
本発明に係る磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末の平均粒子径d(μm)と残留磁化値(σr)との関係について図3に示した。一般に、粒子径と残留磁化値とは密接な関係があり、粒子径が小さくなるほど残留磁化値は大きくなる。本発明に係る磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末は従来の角張った立方体形状のマグネタイト粒子粉末よりも残留磁化値が低いものである。図中、●印は、本発明の実施の形態及び実施例1〜7で得られたマグネタイト粒子粉末についてのものである。
本発明に係るマグネタイト粒子は、粒子サイズが0.10〜0.30μmの微細粒子であり、流動性に優れ、残留磁化値が低いことで磁性体粒子間の磁気的凝集が抑えられることから小粒径の磁性トナーとして使用した場合に、樹脂中への分散が容易でトナー粒子間に特性差が生じ難いことで、カブリが抑えられることによって、解像度が高く、しかもFe2+が多いことから黒色度に優れていることから電子写真用磁性トナー用磁性粉として最適である。
実施例1で得られた磁性酸化鉄粒子の電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた磁性酸化鉄粒子の電子顕微鏡写真である。 本発明における磁性酸化鉄粒子の平均粒子径d(μm)と残留磁化値σr(Am/kg)との関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 平均粒子径(d)が0.10〜0.30μmであり、Si換算でFeに対して0.1原子%以上0.9原子%未満のケイ素を含むマグネタイト粒子であって、その粒子形状が六面体を基本とし、該六面体の各稜線が曲面状であり、次式で規定される形状係数Φが1.05<Φ<1.40であることを特徴とするマグネタイト粒子からなる磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末。
    形状係数Φ=l/w
    l:投影図における磁性酸化鉄粒子の平均長軸径
    w:投影図における磁性酸化鉄粒子の平均短軸径
  2. 平均粒子径(d)が0.10〜0.30μmであり、Si換算でFeに対して0.1原子%以上0.9原子%未満のケイ素を含み、Al、Ti、Mg、Co、Zr、Mn、Zn、Ni、Cu、S、Na、P、Ca、Ce、Sr、Ba、Cr、Sn、Biから選ばれる1種または2種以上の元素を0〜20原子%含むマグネタイト粒子であって、その粒子形状が六面体を基本とし、該六面体の各稜線が曲面状であり、次式で規定される形状係数Φが1.05<Φ<1.40であることを特徴とするマグネタイト粒子からなる磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末。
    形状係数Φ=l/w
    l:投影図における磁性酸化鉄粒子の平均長軸径
    w:投影図における磁性酸化鉄粒子の平均短軸径
  3. 粒子形状が立方体を基本とし、該立方体の各稜線が曲面状であることを特徴とする請求項1乃至2記載の磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末。
  4. 測定磁場が79.6kA/mでの残留磁化値(σr)と平均粒子径(d)との関係が下記式を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末。
    σr≦−40d+14.8
  5. 第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリ水溶液を反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に70〜100℃の温度範囲に加熱しながら酸素含有ガスを通気してマグネタイト粒子を生成させる第一段反応と、該第一段反応終了後の残存Fe2+に対し1.00当量以上の水酸化アルカリ水溶液を添加し、70〜100℃の温度範囲に加熱しながら酸素含有ガスを通気してマグネタイト粒子を生成させる第二段反応との二段階反応からなるマグネタイト粒子粉末の製造法において、水酸化アルカリ水溶液、第一鉄塩水溶液又は水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液のいずれかの水溶液に、水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.1原子%以上0.9原子%未満添加し、且つ、前記第一段反応における酸素含有ガス通気開始時に水酸化アルカリ水溶液を添加することによりpHを7.0以上8.0未満に調整して酸素含有ガスを通気することを特徴とする請求項1記載の磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末の製造法。

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