JP2009242920A - 異物環境下での疲労特性に優れた軸受部品およびその製造方法 - Google Patents

異物環境下での疲労特性に優れた軸受部品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波焼入を行って用いられる軸受部品について、異物混入環境下においても良好な転動疲労寿命を有する軸受部品を提供する。
【解決手段】C:1.1〜1.5mass%、Si:0.1〜1.0mass%、Mn:0.1〜1.5mass%および、Al:0.1mass%以下、Cr:0.05〜2.0mass%、N:0.01mass%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成の鋼を素材とし、焼入れ後の表面硬化層部における残留オーステナイトの量が9.5%以上20.0%以下でかつ、旧オーステナイト粒径が20μm以下とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ベアリングの内輪、外輪、鋼球など軸受部品に関するものであり、特に、焼入れ後における焼入れ表層部の残留オーステナイト量と旧オーステナイト粒径を規定することとにより、異物環境下における転動疲労特性を向上させた軸受部品に関するものである。
ベアリングなどの軸受部品は、自動車、機械などの回転部分に利用される部品である。特に、実環境では、異物が混入しベアリングの寿命を劣化させることから、このような環境下でも優れた転動疲労寿命を示すことが望まれている。
このような環境下における転動疲労寿命を向上させた軸受鋼として、特許文献1には、特定の成分組成を有する鋼に対して、浸炭窒化処理を施し、表面型さが58HRC以上で、且つ表面残留オーステナイト量を20〜50%とすることが記載されている。そして、表面残留オーステナイトの存在により、異物混入環境下での転動疲労において疲労寿命が向上するとしている。
特開2005−42188号公報
上記特許文献1の軸受鋼は、浸炭窒化処理を行うことを前提としており、高周波焼入のプロセスを用いて焼入れ硬化層を形成させる軸受鋼に対して、残留オーステナイトを活用する場合については何ら言及がなされていない。
本発明は、高周波焼入プロセスのような浸炭窒化処理という処理は施さず、単なる焼入、具体的には高周波焼入を行い、その後焼戻しを行うというプロセス用いて硬化層を形成させる軸受部品について、従来鋼に対し異物混入環境下での転動疲労寿命を向上させることを目的とする。
本発明は、焼入れ表層部の残留オーステナイト量を所定の範囲とし、さらに、旧オーステナイト粒径を特定することにより、異物環境下での転動疲労寿命を大幅に向上するという知見に基づき完成されたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
(1)C:1.1〜1.5mass%、Si:0.1〜1.0mass%、Mn:0.1〜1.5mass%、Al:0.1mass%以下、Cr:0.05〜2.0mass%およびN:0.01mass%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成の鋼を素材とし、焼入れ後の表面硬化層部における残留オーステナイトの量が9.5%以上20.0%以下でかつ、旧オーステナイト粒径が20μm以下であることを特徴とする異物環境下での疲労特性に優れた軸受部品。
(2)前記成分組成が、さらに、S:0.03mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Ni:1.0mass%以下、W:1.0mass%以下、Nb:0.5mass%以下、Mo:1.0mass%以下、Ti:0.01mass%以下、B:0.01mass%以下およびSb:0.0050mass%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の異物環境下での疲労特性に優れた軸受部品。
(3)C:1.1〜1.5mass%、Si:0.1〜1.0mass%、Mn:0.1〜1.5mass%、Al:0.1mass%以下、Cr:0.05〜2.0mass%およびN:0.01mass%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成の鋼を素材として、該素材に焼入時の加熱温度を900℃以上1100℃以下とした高周波焼入を2回以上繰り返すことを特徴とする異物環境下での疲労特性に優れた軸受部品の製造方法。
(4)前記成分組成が、さらに、S:0.03mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Ni:1.0mass%以下、W:1.0mass%以下、Nb:0.5mass%以下、Mo:1.0mass%以下、Ti:0.01mass%以下、B:0.01mass%以下およびSb:0.0050mass%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする前記(3)に記載の異物環境下での疲労特性に優れた軸受部品の製造方法。
本発明によれば鋼成分に加え、焼入れ硬化層の残留オーステナイト量9.5%以上20.0%以下、旧オーステナイト粒径20μm以下に焼き入れるようにすれば、異物環境下での転動疲労寿命(B10寿命)が向上し、工業的に非常に有用である。
本発明の軸受用鋼部品は、鋼素材、棒鋼あるいは線材を、成形工程(鍛造・切削など)を経てベアリング内外輪、軸受ボール、軸受ころおよびニードルなどの軸受部品の形状に加工した後、焼入れを施して製造される。本発明の効果を得るためには、鋼素材の組成、焼入れ表層部の残留オーステナイト量および旧オーステナイト粒径が重要であり、また、このような残留オーステナイト、旧オーステナイト粒径を得るためには焼入れ条件の適正化が必要である。以下、本発明を具体的に説明する。
まず、鋼素材の成分組成について説明する。
C:1.1〜1.5mass%
Cは、本発明において重要な元素であり、焼入れ部において部品の転動疲労寿命を得るために必要となる残留オーステナイト量の確保と硬度確保のために必要な元素であり、1.1mass%未満では焼入れ部で十分な硬度および疲労強度が得られない。一方、1.5mass%を超えて添加すると、残留オーステナイト量の増加により硬度低下が激しくなり、転動寿命が低下する。また、加えてC量の増加は焼入れ前の加工性(剪断性,鍛造性)を劣化させる。よって、C含有量範囲は1.1mass%〜1.5mass%である。
Si:0.1〜1.0mass%、
Siは、転動疲労寿命を向上するため0.1mass%以上含有されていることが好ましい。しかし、1.0mass%を越えて添加すると、Cと同様、焼入れ前の加工性(剪断性、鍛造性)を劣化させる。よって、Siの含有量範囲は0.1〜1.0mass%以下とする。
Mn:0.1〜1.5mass%
Mnは、焼入性を向上させるため、0.1mass%以上含有されている必要がある。しかし,過剰に添加すると焼入れ前の加工性(剪断性、鍛造性)を劣化させる。このため、その含有量の上限は1.0mass%とする。
Al:0.1mass%以下
Alは、強力な脱酸作用を持ち、鋼の清浄化を向上させる効果を有する成分であるため添加したほうが良いが、0.1mass%を超えて添加した場合には鋼の清浄化がむしろ劣化し、転動疲労特性が低下することから、その含有量を0.1mass%以下とすることが好ましい。
Cr:0.05〜2.0mass%、
Crは、焼入性向上および炭化物球状化を促進による焼入れ前の硬度低下・加工性向上の効果があるため、0.05mass%以上含有されていることが好ましい。しかし、2.0mass%を超えて添加しても効果が飽和してしまうため、0.05〜2.0mass%の範囲で添加する。
N:0.01mass%以下
Nは、窒化物や炭窒化物を形成し、オーステナイト粒微細化に効果がある。しかし、過剰添加は鋼の加工性を劣化させるため、0.01mass%以下とする。
以上説明した元素以外の残部は、Feおよび不可避的不純物であるものが基本となる成分である。不可避的不純物としては、P、S、Oが挙げられ、Pは0.05mass%まで、Oは0.0150mass%までを許容できる。Sは不可避的不純物としても混入するが、後述するとおり積極的に添加してもよい。
以上の基本成分組成に加えて、以下の元素をそれぞれ以下に説明する範囲で1種または2種以上含有させてもよい。
S:0.03mass%以下
Sは、Mnと結合してMnSを形成し、被削性を向上するため添加しても良いが、0.03mass%を超えて添加すると、MnSが転動疲労試験中の割れ起点となり転動疲労特性を著しく低下するため、その含有量の上限は0.03mass%とする。
Cu:1.0mass%以下
Cuは、焼入れ性向上により焼入れ部の硬度向上効果があるため添加しても良いが、この効果を得るためには、1.0mass%以下で十分である。
Ni:1.0mass%以下
Niは、焼入性増大や焼入れ部の靭性を向上させるために、1.0mass%を上限に添加しても良い。また、Cu添加時には熱間脆性抑制のために、NiをCu添加量の1/2添加することが好ましい。
Mo:1.0mass%以下
Moは、焼入性向上効果や焼戻し軟化抵抗の効果があるため添加してもよいが、過剰な添加はコスト上昇に繋がるため、コストの面から1.0mass%以下とする。
W:1.0mass%以下
Wは、焼入性向上効果があるため添加してもよいが、過剰な添加はコスト上昇に繋がるため、コスト面より1.0mass%以下とする。
Ti:0.01mass%以下
Tiは、窒化物形成によるオーステナイト粒成長抑制効果があるため添加してもよいが、0.01mass%を超えると転動疲労特性が劣化するため0.01mass%以下とする。
Nb:0.5mass%以下
Nbは、窒化物もしくは炭窒化物形成によるオーステナイト粒成長抑制効果があるため添加しても良いが、その含有量が0.5mass%を超えるとその効果は飽和するので、0.5mass%以下とする。
B:0.01mass%以下
Bは、焼入性向上効果があるため0.01mass%を上限に添加しても良いが、その含有量0.01mass%を超えるとその効果は飽和するため、0.01mass%以下とする。
Sb:0.0050mass%以下
Sbは、転動疲労試験中のミクロ組織変化(白色層生成)の遅延に対して効果があり、転動疲労特性の劣化を防止する作用を有するので、添加してもよい。しかし、その含有量が0.01mass%を超えると、靭性が劣化するので、0.01mass%以下とする。
以上説明した元素以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
次に、本発明の軸受部品では、焼入れ硬化層の鋼組織が重要である。焼入れ硬化層部では組織をマルテンサイト、残留オーステナイトおよび残留炭化物から形成されているものとする。これ以外の組織が混入していた場合、転動疲労寿命の低下が起こる。
さらに焼入れ部の旧オーステナイト粒径および残留オーステナイト量を規定する。以下、本規定を行うに至った実験結果について説明する。
図1に1.15C-1.5Cr鋼(後述する表1中の鋼1)の残留オーステナイト量と寿命比の関係を示す。素材は、φ65mmに圧延された棒材を用いた。素材は790℃で5時間加熱後、20℃/hで冷却するパターンで球状化焼鈍を行った後、φ60mm×6mmの円盤状試験片を切り出したあと、高周波焼入れ装置でスラスト試験時の転送軌道位置(直径38mm部分)を焼入れ、170℃×80分の焼戻しを行った。その後、仕上げ加工として、φ60mm×5mm厚に鏡面仕上げした。転動疲労試験は日産アルティア製のスラスト転動疲労試験機を用いた。試験は、直径38mmの円周上を試験体である鋼球が転がるようにし、5.26GPaのヘルツ最大接触応力で、繰り返し数3600cpm、潤滑油#68タービン油の条件で行い、異物として潤滑油中に硬さ約Hv800、粒径74〜150μmの鉄粉を300ppm混入させた。評価は、試験片に剥離が発生するまでの応力負荷回数を15枚の試験片を用いて調べ、ワイブル紙を用いて累積破損確率と応力負荷回数の関係で整理した後、累積破損確率10%(以下、B10寿命とよぶ)を求めた。求めたB10寿命は、比較鋼であるSUJ2(後述する表1中の鋼5)の通常焼入れ材(850℃×30分加熱、焼入れ。170℃×80分戻しを実施)のB10寿命で割り、寿命比として算出した。旧オーステナイト粒径は、焼入れ後のサンプルにオーステナイト粒界エッチング液で腐食し、焼入れ硬化層部(表層から0.2mm位置)の組織を光学顕微鏡の1000倍で3枚写真撮影した後、切断法を用いて平均旧オーステナイト粒径を算出し求めた。残留オーステナイト量は、焼入れ焼戻し後、厚さ4.98mm仕上げ加工した試験片の転送位置において、X線残留γ測定装置(リガク社製、M−PSFゴニオメータ−)を用いて測定した。
図1に残留オーステナイト量と寿命比の関係を、旧オーステナイト粒径が約5μm〜40μmごとにプロットすると、旧オーステナイト粒径が細かくなると残留オーステナイト量が9.5〜20%の間にピークを示すようになる。この傾向は旧オーステナイト粒径20μm以下で顕著であり、寿命比で1.2倍以上を達成できる。
以上の結果より、本発明では、焼入れ後の硬化層の旧オーステナイト粒径を20μm以下に規定する。旧オーステナイト粒径20μm以下の場合、結晶粒微細化の効果により20μm超えの場合に比べ、転動寿命が大幅に向上するためである。
さらに、鋼の焼入れ硬化層部における残留オーステナイト量を9.5以上〜20.0%以下に規定する。残留オーステナイト量が9.5%未満の場合、残留オーステナイトによる異物環境下での寿命向上効果が小さく、20.0%超えの場合、残留オーステナイト量が増えすぎ、転動寿命が短くなる。
次に、本発明の軸受部品の製造方法について説明する。
軸受部品は焼入れ前に鋼素材から切削,研削,鍛造等の加工によって成型される。鋼素材の組織は、通常軸受部品に用いられる軸受鋼と同様に、球状化炭化物と母相組織であればよい。炭化物の球状化は、素材もしくは焼入れ前の加工工程の間で球状化処理が行なわれればよい。球状化炭化物以外の母相組織は、特に限定しないが、加工性の観点からフェライトであることが好ましい。
軸受部品は転動疲労特性が要求されるため、切削,研削,鍛造等の加工によって成型した後の軸受部品に対して焼入れ・焼戻しが施される。本発明では、この際の焼入れ条件が重要な要素であり、焼入れによる表面硬化層部の平均旧オーステナイト粒径、残留オーステナイト量を前述した範囲とするために以下のような熱処理を行う必要がある。なお、焼入れよる表面硬化層部とは、具体的には,部品表面より0.2μm内部の位置を指すこととする。
焼入れ条件
本発明では、焼入れ時の加熱温度は900℃〜1100℃とする。900℃未満では、十分な残留オーステナイト量が得られず、1100℃超えでは残留オーステナイト量が増えすぎるもしくは旧オーステナイト粒径が大きくなりすぎるためである。焼入れは、高周波焼入れを行うこととする。短時間の加熱により、旧オーステナイト粒径の粗大化を抑止するためである。焼入時間は特に規定しないが、先に述べた理由から、1回の加熱時間はせいぜい30秒以下とする。加熱回数は、本発明規定の旧オーステナイト粒径と残留オーステナイト量が得られれば、特に1回でも良いが、実施例の条件にも示すとおり、2回以上行えば、比較的簡単に本発明の残留オーステナイト量条件、および、旧オーステナイト粒径の条件を満たすことから、好ましくは2回以上とする。
焼戻し条件
本発明においては、焼入れ処理の後に焼戻し処理を行うこととする。焼戻し温度は100〜250℃以下、時間は2.5時間以下とする。焼戻し温度が100℃未満では、軸受の重要特性の一つである圧碎(圧壊)強度に必要な延性が得られない。一方、250℃超では強度が低下しすぎ転動寿命が劣化する。また、焼戻し時間は、2.5時間超となると、コスト、生産性が悪くなることから2.5時間以下とする。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
表1に示す化学組成の鋼を転炉−連続鋳造プロセスにより溶製し、断面が300×400mmの鋳片を得た。この鋳片をブレークダウン工程を経て175mm丸ビレットに圧延したのち65mmφの棒鋼に圧延した。得られた棒鋼を、既に述べた方法と同様に球状化焼鈍、円盤状試験片の切り出し、高周波焼入および焼戻しを行い、転動疲労試験に供した。但し、高周波焼入条件は表2に示すとおりとした。転動疲労試験は既に述べている通り、日産アルティア製のスラスト転動疲労試験機を用い、5.26GPaのヘルツ最大接触応力がかかるようにして、潤滑油中に硬さ約Hv800、粒径74〜150μmの鉄粉を300ppm混入して試験を行った。転動疲労寿命の評価は、試験片に剥離が発生するまでの応力負荷回数を15枚の試験片を用いて調べ、ワイブル紙を用いて累積破損確率と応力負荷回数の関係で整理した後、累積破損確率10%(B10寿命)を求めた。求めたB10寿命は、比較鋼であるSUJ2(表1中の鋼5)の通常焼入れ材(850℃×30分加熱、焼入れ。170℃×80分戻しを実施)のB10寿命で割り、寿命比として算出した。
また、旧オーステナイト粒径は、残留オーステナイト量についても、前述した方法と同様にして求めた。表2に、評価結果を示す。
Figure 2009242920
Figure 2009242920
Figure 2009242920
本発明範囲の残留オーステナイト量および旧オーステナイト粒径を持つ鋼に関しては、寿命比1.2倍以上の優れた転動疲労を達成できる。
残留オーステナイト量および旧オーステナイト粒径と、転動疲労寿命(SUJ2に対する寿命比)との関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. C:1.1〜1.5mass%、Si:0.1〜1.0mass%、Mn:0.1〜1.5mass%、Al:0.1mass%以下、Cr:0.05〜2.0mass%およびN:0.01mass%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成の鋼を素材とし、焼入れ後の表面硬化層部における残留オーステナイトの量が9.5%以上20.0%以下でかつ、旧オーステナイト粒径が20μm以下であることを特徴とする異物環境下での疲労特性に優れた軸受部品。
  2. 前記成分組成が、さらに、S:0.03mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Ni:1.0mass%以下、W:1.0mass%以下、Nb:0.5mass%以下、Mo:1.0mass%以下、Ti:0.01mass%以下、B:0.01mass%以下およびSb:0.0050mass%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の異物環境下での疲労特性に優れた軸受部品。
  3. C:1.1〜1.5mass%、Si:0.1〜1.0mass%、Mn:0.1〜1.5mass%、Al:0.1mass%以下、Cr:0.05〜2.0mass%およびN:0.01mass%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成の鋼を素材として、該素材に焼入時の加熱温度を900℃以上1100℃以下とした高周波焼入を2回以上繰り返すことを特徴とする異物環境下での疲労特性に優れた軸受部品の製造方法。
  4. 前記成分組成が、さらに、S:0.03mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Ni:1.0mass%以下、W:1.0mass%以下、Nb:0.5mass%以下、Mo:1.0mass%以下、Ti:0.01mass%以下、B:0.01mass%以下およびSb:0.0050mass%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項3に記載の異物環境下での疲労特性に優れた軸受部品の製造方法。
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