JP2006077269A - 転動軸 - Google Patents

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JP2006077269A
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Akihiro Nishida
明弘 西田
Hideki Kokubu
秀樹 國分
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Abstract

【課題】 焼入れ深さを適正範囲に維持しつつ転動面の表面層に必要な残留オーステナイト量を確保することで、耐疲労性に優れ、塑性変形の生じにくい転動軸を提供する。
【解決手段】 相手部材に対して相対的に転動する転動面を有する転動軸3において、高周波加熱焼入れを2回以上行い、前記転動面の表面層の残留オーステナイト量を15〜40体積%、硬さをHv650以上とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、転動軸に関し、特に、ラジアルニードル軸受等の転がり軸受の内輪に相当する転動軸に関する。
従来、ラジアルニードル軸受の内輪に相当する転動軸は、SUJ2等のずぶ焼入れ鋼に高周波焼入れ、焼戻しを施して、ビッカース硬さをHv650以上として使用されている。その際には、旋削等の前加工上の要求、また、後加工での軸端部のかしめ加工の必要性から、ビッカース硬さがHv300以下の転動軸の外周面に前記加工を施した後に、前記硬さが必要な外周面に高周波加熱焼入れを施してビッカース硬さをHv650以上としている。
また、転動軸を0.5〜1.2重量%の炭素を含有する鋼で形成するとともに、窒素を0.05〜0.4重量%含有し、高周波加熱焼入れによりビッカース硬さをHv650以上とし、且つ残留オーステナイト量を15〜40体積%とした表面層を設け、更に、心部の残留オーステナイトを0体積%として、耐転がり疲労性に優れ、塑性変形を生じにくくくした転動軸が提案されている。
特開2002−4003号公報
残留オーステナイトは、マトリックス中に固溶される炭素および窒素で決定される因子であるため、炉加熱においては、温度と時間の管理により表面層に安定したオーステナイト量が確保されるが、高周波加熱焼入れにおいては、任意の深さに焼入れしようとする場合、例えば転動軸が細いものや転動軸の内部に穴が空いていて肉厚が薄いものに対しては、焼入れ深さが所定の範囲を超えないように高周波の出力を抑えなければならない。
その結果、十分に加熱温度が上がらずに固溶される炭素および窒素が不足して、転動面の表面層に必要な残留オーステナイト量を確保できないという問題が生じてくる。また、高周波加熱する時間を延ばしても、焼入れ深さが所定の範囲を超えて深くなり過ぎることになる。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、焼入れ深さを適正範囲に維持しつつ転動面の表面層に必要な残留オーステナイト量を確保することで、耐疲労性に優れ、塑性変形の生じにくい転動軸を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、相手部材に対して相対的に転動する転動面を有する転動軸において、
高周波加熱焼入れを2回以上行い、前記転動面の表面層の残留オーステナイト量を15〜40体積%、硬さをHv650以上としたことを特徴とする。
本発明によれば、高周波加熱焼入れを2回以上行うことにより、焼入れ深さを適正範囲に維持しつつ転動面の表面層に必要な残留オーステナイト量を十分に形成し、高周波加熱焼入れを1回だけ施したものよりも残留オーステナイト量を多く確保することができ、これにより、耐疲労性に優れ、塑性変形の生じにくい転動軸を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例である転動軸の焼入れ部を模式的に説明するための断面図、図2は転動軸の高周波加熱焼入れ方法を説明するための断面図、図3は転動軸に施す熱処理パターンの一例を示す図である。
本発明の実施の形態の一例である転動軸は、図1に示すように、ラジアルニードル軸受の内輪に相当する転動軸3を例に採ったもので、この転動軸3には高周波誘導加熱による焼入れを2回以上行い、転動面の表面層の残留オーステナイト量を15〜40体積%、硬さをHv650以上としている。
これにより、焼入れ部1の深さを適正範囲に維持しつつ転動面の表面層に必要な残留オーステナイト量を十分に形成し、高周波加熱焼入れを1回だけ施したものよりも残留オーステナイト量を多く確保することで、耐疲労性に優れ、塑性変形の生じにくい転動軸を提供することを可能にしている。
以下、本発明の実施例を詳述する。
表1に試験結果を示す。
Figure 2006077269
表1の有効硬化層肉厚比αは、図1を参照して、転動軸3の外径寸法aに対する有効硬化層深さbの割合、つまりα=(b/a)×100で示される。ここでの有効硬化層深さbとは、焼入れ硬さがHv500である深さの位置を示している。本実施例では、αの値が高いものは転動軸3の外径寸法が小さいものを示している(有効硬化層深さbは一定)。
表1の比較例1,2、従来例1,2及び本発明の実施例1〜7の試験片としては、SUJ2を用いて、浸炭窒化により前処理を行い、心部の残留オーステナイト量を0体積%とするための調質を行った。また、図1の転動軸3の両端部の非焼入れ部2の硬さは、かしめ加工の要求からHv300以下とする必要があるので、調質温度は600〜720°C(650°C狙い)とした。
この場合、調質温度が高いためにFe3 Cとして炭化物が成長して、粗大化する。焼入れは、加熱してマトリックス中に炭素,窒素原子を固溶し、急冷することでマルテンサイト変態させて完了するが、炭化物及び窒化物が粗大化すると高周波加熱焼入れのような短時間の加熱では、炭素を容易に溶解させることができず、表面温度が低いと必要な固溶炭素+固溶窒素量が得られなくなり、結果として十分な残留オーステナイト量を確保することが難しくなる。
しかし、本発明の実施例1〜7のように、高周波による短時間加熱を2回以上繰り返すことによって十分な固溶炭素+固溶窒素が得られ、比較例1.2及び従来例1、2のように高周波加熱焼入れを1回だけ施したものよりも表面残留オーステナイト量を多く確保することができ、また、焼入れ部1の深さを狙った深さにすることが可能となった。なお、高周波加熱焼入れ後は、加熱炉にて焼戻しを行い、研削を行った。
図3に本発明の実施例1〜7における熱処理パターンの一例を示す。
また、表1で実施した試験片の熱処理条件の詳細は次に通りである、
浸炭窒化:RXガス+エンリッチガス+アンモニアガス雰囲気下で2〜5時間
調質 :600〜720°Cで1.5〜2時間
高周波焼入れ:周波数200kHz、出力10〜30kW、転動軸の送り速度2〜8m/sec、冷却水35L/minの条件で焼入れ
焼戻し :加熱炉において160°Cで1.5〜2時間
図2は高周波加熱焼入方法の一例を示したものであり、転動軸3が矢印の下方向に連続的に移動中、高周波誘導加熱コイル4によって誘導加熱された加熱部5が、加熱後直ちに冷却ジャケツト6の位置まで移動して冷却され、連続的に焼入れ部1が形成される。そして、本発明の実施例1〜7では上記の操作を2回以上繰り返し、比較例1,2、従来例1,2では上記操作を1回で終了する。なお、SUJ2素材は、切削性を考慮して球状化焼鈍して旋削加工により成形する。
耐疲労性に優れた転動軸3とするためには、表面硬さがHv650以上、望ましくはHv700以上、表面層の残留オーステナイト量は15〜40体積%、望ましくは20〜40体積%が必要である。また、塑性変形の生じにくい転動軸3とするためには、心部の残留オーステナイト量を0体積%とする必要がある。
表1の判定基準としては、硬さHv650以上、残留オーステナイト量を15〜40体積%を○、そうでないものを×とした。
表1より、比較例1〜3であるα値が12.5以上のもの(転動軸3の外径寸法が小さいもの)では表面層の残留オーステナイト量が規定に達していなかったものが、本発明の実施例1〜3,6,7である2回以上の高周波加熱焼入れを施すとα値が12.5以上のものでも十分な表面層の残留オーステナイト量を得ることができた。従って、αの値が12.5以上の外径寸法が比較的小さい転動軸3に本発明の高周波加熱焼入れ処理を施すことが好ましい。
また、従来例1,2はα値が10と7.5で転動軸の外径寸法が比較的大きいものであるが、表面層の残留オーステナイト量が規定に達しているものでも、高周波加熱焼入れの回数を2回(実施例4,5)にすると表面層の残留オーステナイト量が増える傾向を示した。また、高周波加熱焼入れ回数を増やすとさらに残留オーステナイト量が増えていることが判った。但し、焼入れに必要な時間やコストを考えると、高周波加熱焼入れの回数は2回が望ましい。
また、全ての加工が終了した後の転動軸3の心部の残留オーステナイト量は0体積%、転動軸3の端部の非焼入れ部2の硬さはHv300以下となっている。更に、転動軸3の表面層のC量:0.8〜1.4重量%、表面層のN量:0.05〜0.4重量%となっている。C量を0.8重量%以上とするのは、転動軸3の表面層の表面硬さを確保するためであり、1.4重量%以下とするのは、残留オーステナイト量が多くなりすぎて表面硬さが低下するのを防止するためである。また、N量を0.05重量%以上とするのは、転動軸3の表面層に必要な残留オーステナイト量を確保するためであり、0.4重量%以下とするのは、大きな窒化物を析出させず、焼入れ性を阻害しないためである。
なお、本発明は上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態及び実施例では、ラジアルニードル軸受の内輪に相当する転動軸に本発明を適用した場合を例に採ったが、これに限定されず、その他の転がり軸受や転がり軸受以外の転動軸に本発明を適用してもよい。
また、上記実施例では、転動軸3の材料にSUJ2を用いて試験を行った場合を例示したが、本発明の適用できる限りにおいて、転動軸3の材料に浸炭鋼や中炭素鋼を用いてもよい。
更に、上記実施例では、高周波加熱焼入れ後の焼戻し処理を加熱炉で行った場合を例示したが、これに限定されず、高周波誘導加熱を利用した焼戻し処理でもよい。
本発明の実施の形態の一例である転動軸の焼入れ部を模式的に説明するための断面図である。 転動軸の高周波加熱焼入れ方法を説明するための断面図である。 転動軸に施す熱処理パターンの一例を示す図である。
符号の説明
1 焼入れ部
3 転動軸
4 高周波誘導加熱コイル
6 冷却ジャケット

Claims (1)

  1. 相手部材に対して相対的に転動する転動面を有する転動軸において、
    高周波加熱焼入れを2回以上行い、前記転動面の表面層の残留オーステナイト量を15〜40体積%、硬さをHv650以上としたことを特徴とする転動軸。
JP2004259569A 2004-09-07 2004-09-07 転動軸 Pending JP2006077269A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009242920A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Jfe Steel Corp 異物環境下での疲労特性に優れた軸受部品およびその製造方法

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