JP2009242651A - ポリスチレン樹脂組成物からなる押出発泡体 - Google Patents

ポリスチレン樹脂組成物からなる押出発泡体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ポリスチレン系樹脂の溶融張力を大きく低下させず、高いレベルで保持可能なポリスチレン系樹脂を用いることでリサイクルポリスチレン樹脂の使用比率を高めたポリスチレン樹脂組成物からなる押出発泡体が安定的に得られる技術を提供する。
【解決手段】本発明の押出発泡体は、特定量のバージンポリスチレン樹脂(A)とリサイクルポリスチレン樹脂(B)とからなるポリスチレン系樹脂を含むポリスチレン樹脂組成物からなる押出発泡体であって、前記ポリスチレン樹脂組成物中に、特定種および量の加工安定剤を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

ポリスチレン樹脂組成物からなる押出発泡体に関する。
ポリスチレン樹脂組成物から得られる押出発泡体である発泡シートからなる容器は美麗で清潔感があり、成形加工のし易さ、及び、安価であるために魚類、野菜類、肉類から調理済みの食品に至るまでの種々の容器に広く使用されている。また、ポリスチレン樹脂組成物から得られる押出発泡体である発泡ボードは畳の芯材、断熱材、防音壁等の建材用途に広く使用されている。
また、これら発泡シート、又は、発泡ボードは広告用ディスプレイ材としても広く用いられている。
ポリスチレン樹脂の熱履歴による分解はポリオレフィンやポリエステル等と比較し緩やかである。したがって、ポリスチレン樹脂組成物から得られた容器を回収し、粉砕したもの、若しくは、粉砕品を再度、押出機にて溶融混練し、再度ペレット化したもの(所謂リサイクルポリスチレン樹脂)を、重合工程を経てペレット化され、市販されているポリスチレン樹脂(所謂バージンポリスチレン樹脂)に配合し、使用している。
しかしながら、上述の容器を回収し、粉砕したようなリサイクルポリスチレン樹脂は、一般的に発泡押出加工による熱履歴のため、バージンポリスチレン樹脂より分解が進んでいる。また、その粉砕形状が不定形であることから押出機に投入する際にスクリューへの供給が不安定になりやすく、多量に用いることが困難である。また、上述の粉砕品を再度、押出機で溶融混練し、再度ペレット化したようなリサイクルポリスチレン樹脂は、スクリュー供給の不安定は解消されるが、前記粉砕品と比べ更に分解が進んでいる。したがって、これを多く用いると加工成形時に溶融樹脂の粘りが低下し、押出発泡時に注入する発泡ガスの注入工程以降でのガス漏れや、発泡体表面の肌が荒れる等の不具合を生じる。よって、このようなリサイクルポリスチレン樹脂を多量に用いての安定生産は困難となる。
従来、ポリスチレン樹脂組成物から得られた発泡シートからなる容器のリサイクル技術としては、発泡シートに前記ポリスチレンとは異なる樹脂フィルムやアルミ泊等を積層した容器を用い、使用後にポリスチレンとは異なる樹脂フィルムやアルミ泊を剥がし、ポリスチレン樹脂のみを回収する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
この技術で残存した食品等は除去できるが、回収された容器を再利用するにあたり、ポリスチレン樹脂の分解を抑えることは出来ず、バージンポリスチレン樹脂より分解が進み、溶融張力の低下したものしか得られない。また、リサイクルポリスチレン樹脂の活用としてラクトン系の加工安定剤を使用する技術が提案されているが、ポリスチレン樹脂の分解抑制は充分とは言い難く、バージンポリスチレン樹脂単独のものを使用した系より溶融張力が低下したものしか得られない(例えば、特許文献4参照)。すなわち、従来、ポリスチレン樹脂組成物からなる押出発泡体において、ポリスチレン樹脂の分解を高いレベルで制御しうる技術に関しては言明されていない。
循環型社会への転換、経済性から考えると、リサイクル材料を多量に用いた製品が安定的に得られる技術が切望されている。
特開平6−315965号公報 特開平7−148877号公報 特開2001−47541号公報 特開2007−277294号公報
本発明の目的は、ポリスチレン樹脂の溶融張力を大きく低下させず、高いレベルで保持可能なポリスチレン樹脂を用いることでリサイクルポリスチレン樹脂の使用比率を高めたポリスチレン樹脂組成物からなる押出発泡体が安定的に得られる技術を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ポリスチレン樹脂に特定の種類および量の加工安定剤を配合することにより、バージンポリスチレン樹脂とリサイクルポリスチレン樹脂とを含むポリスチレン樹脂組成物の溶融張力の低下を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の押出発泡体は、バージンポリスチレン樹脂(A)0〜100質量部と、リサイクルポリスチレン樹脂(B)100〜0質量部(ただし、前記(A)および(B)の合計を100質量部とする)とからなるポリスチレン系樹脂を含むポリスチレン樹脂組成物からなる押出発泡体であって、前記ポリスチレン樹脂組成物が、(i)リン系加
工安定剤、および必要に応じて(ii)フェノール系加工安定剤からなる加工安定剤を、ポリスチレン樹脂組成物100質量部中に、(i)と(ii)との合計量で0.15〜1質量
部含み、(i)と(ii)との質量比((ii)/(i))が0〜2.5であり、(i)が下記
一般式(I)で表される亜リン酸エステル類であり、発泡体における、前記加工安定剤を
含むポリスチレン樹脂組成物の溶融張力(a)と、前記加工安定剤を含まないこと以外は同一組成のポリスチレン樹脂組成物の溶融張力(b)との比([溶融張力(a)]/[溶融張力(b)])が、1.10以上であることを特徴とする。
一般式(I)
Figure 2009242651
〔一般式(I)中、R1 、R2 、R4 およびR5 はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数
1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素原子数7〜12のアラルキル基またはフェニル基を示し、R3 は水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を示す。
また、Xは単結合、硫黄原子または下記一般式(I−1)で表される2価の残基を示す
Figure 2009242651
(一般式(I−1)中、R6 は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基または炭素原子
数5〜8のシクロアルキル基を示す。)
また、Aは炭素原子数2〜8のアルキレン基または下記一般式(I−2)で表される2
価の残基を示す。
Figure 2009242651
(一般式(I−2)中、R7 は単結合または炭素原子数1〜8のアルキレン基を示し、*
は酸素原子側に結合していることを示す。)
また、Y、Zはいずれか一方がヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシル基または炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を示し、他の一方が水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を示す。〕
また、前記バージンポリスチレン樹脂(A)の配合量は1〜99質量部であり、前記リサイクルポリスチレン樹脂(B)の配合量は99〜1質量部(ただし、前記(A)および(B)の合計を100質量部とする)であることが好ましい。
また、前記加工安定剤の少なくとも一部は、前記バージンポリスチレン樹脂(A)および/またはリサイクルポリスチレン樹脂(B)中に含まれていることが好ましい。
また、前記フェノール系加工安定剤は、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕およびペンタエリスリトール テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネートからなる群より選択される少なくとも1種以上であることが好ましい。
また、前記押出発泡体としては、サーキュラー型ダイスより押出された厚み1〜10mmの発泡シートであってもよく、スリット型ダイスより押出された厚み10〜100mmの発泡ボードであってもよい。
また、本発明は、押出発泡体からなる容器、建材部品、またはディスプレイ材を提供する。
また、本発明の押出発泡体の製造方法は、上記ポリスチレン系樹脂および上記加工安定剤を含む樹脂組成物を押出発泡することにより上述した押出発泡体を得ることを特徴としている。
本発明によれば、熱履歴を受けたリサイクルポリスチレン樹脂を使用しても、バージンポリスチレン樹脂とリサイクルポリスチレン樹脂とからなるポリスチレン樹脂組成物の溶融張力の低下を抑制できる。また、本発明によれば、ポリスチレン樹脂の成形において、特に溶融張力特性を必要とする発泡押出成形において、リサイクルポリスチレン樹脂の使
用比率を高めたポリスチレン樹脂組成物からなる押出発泡体を安定的に製造することが可能となる。
<ポリスチレン樹脂組成物>
[ポリスチレン系樹脂]
本発明の押出発泡体は、バージンポリスチレン樹脂(A)0〜100質量部と、リサイクルポリスチレン樹脂(B)100〜0質量部(ただし、前記(A)および(B)の合計を100質量部とする)とからなるポリスチレン系樹脂を含むポリスチレン樹脂組成物からなる押出発泡体である。
本発明において、バージンポリスチレン樹脂とは、重合後成形加工を行っていないポリスチレン樹脂を意味する。ただし、この成形加工には重合後の樹脂をペレット状にするなどの後の加工に供するための1回目の成形は含まない。また、リサイクルポリスチレン樹脂とは、成形加工した成形体からなるポリスチレン樹脂を意味し、たとえば、各種ポリスチレン成形体の粉砕物、ペレット化を2回以上行ったペレットなどが挙げられる。
前記バージンポリスチレン樹脂(A)の配合量は、好ましくは1〜99質量部であり、より好ましくは15〜85質量部であり、さらに好ましくは30〜70質量部である。前記リサイクルポリスチレン樹脂(B)の配合量は、好ましくは99〜1質量部であり、より好ましくは85〜15質量部であり、さらに好ましくは70〜30質量部である。ただし、前記(A)および(B)の合計を100質量部とする。この配合比率はバージンポリスチレン樹脂とリサイクルポリスチレン樹脂とからなるポリスチレン樹脂組成物の溶融張力が大きく低下しない範囲で任意に調整される。
本発明において用いられるバージンポリスチレン樹脂またはリサイクルポリスチレン樹脂は、スチレン単量体単位を主体とした重合体1種又は2種以上からなる。例えば、ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、スチレン−アクリル酸共重合体(SAc)、スチレン−メタクリル酸共重合体(SMAc)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(MS)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMAH)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−非共役ジエン−スチレン共重合体(AES)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)等を挙げることができる。これらは2種以上を併用することもできる。中でも、加工性および経済性の観点から、GPPSまたはHIPSが好ましく、発泡性の観点から、特にGPPSを用いることが望ましい。
前記バージンポリスチレン樹脂の重量平均分子量または分子量分布(数平均分子量/重量平均分子量)は、一般に市販されているものであれば特に限定されないが、重量平均分子量は10万〜50万であり、好ましくは25万〜40万であり、更に好ましくは30万〜38万であり、分子量分布は2〜4の範囲であることが好ましい。重量平均分子量または分子量分布の測定方法としてはゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法(GPC法)による方法が挙げられる。
前記バージンポリスチレン樹脂は公知の方法で製造され、例えば、連続塊状重合法、連続溶液重合法、塊状−懸濁重合法などが挙げられる。重合に用いられる反応槽は特に限定されず、完全混合型反応槽、流通型反応槽、循環型反応槽などが挙げられる。反応槽は、二つ以上有ってもよい。更には以下の方法で製造されることも多い。本発明において、いずれの製造方法で作られたバージンポリスチレン樹脂でも好適に用いることが出来る。
(1) 製造時に重合槽の重合温度分布を設けること、
(2) 製造時に多官能ラジカル開始剤を使用すること、
(3) 製造時にスチレン系化合物と多官能モノマーとを共重合すること、
(4) 製造時に分子量調整剤を使用すること
等により可能である。
多官能ラジカル開始剤としては、例えば、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパンなどが挙げられる。
多官能モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジメタクリレート類、ジアクリレート類、トリエステル類などが挙げられる。ジメタクリレート類としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。ジアクリレート類としては、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどが挙げられる。トリエステル類としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
分子量調整剤としては、例えば、α−メチルスチレンダイマー、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンなどが挙げられる。
また、二つ以上の反応槽で異なる分子量のゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造し、それらを最終的に混合する方法などによって得られる所望の分子量のゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造することができる。
[加工安定剤]
本発明において、ポリスチレン樹脂組成物は、(i)リン系加工安定剤、および必要に
応じて(ii)フェノール系加工安定剤からなる加工安定剤を、ポリスチレン樹脂組成物100質量部中に、(i)と(ii)との合計量で0.15〜1質量部含む。また、前記(i)は、下記一般式(I)で表される亜リン酸エステル類である。前記(i)が、下記一般式(I)で表される亜リン酸エステル類であると、溶融張力を大きく低下させず、高いレベル
で保持できる点で好ましい。
一般式(I)
Figure 2009242651
一般式(I)中、R1 、R2 、R4 およびR5 はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数
1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素原子数7〜12のアラルキル基またはフェニル基を示し、R3 は水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を示す。
また、一般式(I)中、Xは単結合、硫黄原子または下記一般式(I−1)で表される2価の残基を示す。
Figure 2009242651
一般式(I−1)中、R6 は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基または炭素原子
数5〜8のシクロアルキル基を示す。
また、一般式(I)中、Aは炭素原子数2〜8のアルキレン基または下記一般式(I−2)で表される2価の残基を示す。
Figure 2009242651
一般式(I−2)中、R7 は単結合または炭素原子数1〜8のアルキレン基を示し、*
は酸素原子側に結合していることを示す。
また、一般式(I)中、Y、Zはいずれか一方がヒドロキシル基、炭素数1〜8のアル
コキシル基または炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を示し、他の一方が水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を示す。
前記リン系加工安定剤である亜リン酸エステル類の具体例としては、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,10
−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,4,8,10−テトラ−t−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−t−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2, 4,8,1
0−テトラ−t−ペンチル−6−[3− (3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニルオキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,10−ジメチル−4,8−ジ^−t−ブチル−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
−ブチルフェニル)プロポキシ)−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジエチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[2,2−ジメチル−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンなどが挙げられる。中でも6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピンが好ましい。前記(i)が、このような亜リン酸エステ
ル類であると特に溶融張力を高いレベルで保持できる点で好ましい。
このような亜リン酸エステル類は公知の方法で製造することができる(特開平11−236475号公報など)。
前記フェノール系加工安定剤としては、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトール テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンティルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−tert−ペンティルフェニルアクリレート、2,4−ジ−tert−アミル−6−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレートなどが挙げられる、中でも、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕またはペンタエリスリトール テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネートであることが好ましい。フェノール系加工安定剤は1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
加工安定剤は、ポリスチレン樹脂組成物100質量部中に、(i)と(ii)との合計量
で0.15〜1質量部含み、より好ましくは0.2〜0.6質量部含む。前記加工安定剤を前記下限値以上含有するポリスチレン樹脂組成物の溶融張力は、前記加工安定剤を含有しないポリスチレン樹脂組成物の溶融張力よりも大きくなる傾向がある。また、前記加工安定剤を含有するリサイクルポリスチレン樹脂の溶融張力は、バージンポリスチレン樹脂とほとんど変わらない。よって、リサイクルポリスチレン樹脂を、バージンポリスチレン樹脂と混合して用いても、バージンポリスチレン樹脂単体で使用するときと同様に加工でき、押出発泡時に注入する発泡ガスの注入工程以降での、例えばスクリーンチェンジャー部やダイス部からのガス漏れや、発泡体表面の肌が荒れる等の不具合が生じることなく、安定して押出発泡体を得ることが出来る。一方、前記加工安定剤を一定量以上添加しても、改良効果は一定となる。そのため、コスト面から前記加工安定剤の含有量は前記上限値以下であることが好ましい。
また、本発明において、(i)と(ii)との質量比((ii)/(i))が0〜2.5であり、好ましくは0.5〜2.5であり、より好ましくは1.0〜2.0である。(i)と
(ii)との質量比((ii)/(i))を前記の範囲にすることにより、ポリスチレン樹脂
の製品加工時または粉砕品加工時の分解を高いレベルで抑制できる。
[その他の成分]
前記ポリスチレン樹脂組成物中に含まれる樹脂成分としては、前記ポリスチレン系樹脂であることが好ましいが、さらに本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン―ブタジエン共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマー、石油樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリ乳酸等のポリスチレン系樹脂とは異なる熱可塑性樹脂が含有されていてもよい。
本発明の押出発泡体を製造する際に用いられる発泡剤としては、特に限定されず、一般に用いられる発泡剤を使用できる。例えば、物理的発泡用として炭化水素系であるプロパン、ブタン、ペンタン、これらのノルマル構造、若しくはイソ構造、及び、これらの混合物質やジメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。更には二酸化炭素、窒素、アルコール、水等が挙げられる。化学的発泡用としてはアゾジカルボン酸アミド、ジニトロペンタメチレンテトラミン、4,4オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジン)、重炭酸ナトリウム、クエン酸等が例示される。
本発明の押出発泡体を形成するにあたっては、本発明の効果を損なわない範囲で気泡調整剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料など、その他の添加剤、鉱油などの可塑剤が含有されていてもよい。さらに、本発明の効果を損なわない範囲でシリコーンオイルや帯電防止剤等の界面活性剤が塗布されていてもよい。
<押出発泡体>
本発明の押出発泡体は、前記ポリスチレン樹脂組成物からなる押出発泡体である。
また、本発明の押出発泡体における、前記加工安定剤を含むポリスチレン樹脂組成物の溶融張力(a)と、前記加工安定剤を含まないこと以外は同一組成のポリスチレン樹脂組成物の溶融張力(b)との比([溶融張力(a)]/[溶融張力(b)])は、1.10以上であり、好ましくは1.30以上である。この範囲とすることで、押出中にガス漏れが発生せず、肌荒れの無い外観の良好な押出発泡体が安定的に得られる。
また、本発明において、前記加工安定剤の少なくとも一部が、前記バージンポリスチレン樹脂(A)および/またはリサイクルポリスチレン樹脂(B)中に含まれていることが好ましい。前記加工安定剤の全部が、前記バージンポリスチレン樹脂(A)および/またはリサイクルポリスチレン樹脂(B)中に含まれていてもよい。また、前記加工安定剤を含まないバージンポリスチレン樹脂およびリサイクルポリスチレン樹脂に対して、前記加工安定剤の全部を、別途後から添加してポリスチレン樹脂組成物を調製してもよい。
また、前記加工安定剤の少なくとも一部を含むリサイクルポリスチレン樹脂(B)は、前記加工安定剤を含むバージンポリスチレン樹脂を押出加工して得られるポリスチレン樹脂であってもよい。
また、前記加工安定剤を含まないリサイクルポリスチレン樹脂に関しては、該リサイクルポリスチレン樹脂の溶融張力に対するバージンポリスチレン樹脂の溶融張力の比(バージンポリスチレン樹脂の溶融張力/リサイクルポリスチレン樹脂の溶融張力)が0.6〜3.0の範囲内である樹脂を使用することで良好な押出発泡体が得られる。前記溶融張力の比は、好ましくは0.7〜1.6、更に好ましくは0.8〜1.4である。
本発明の押出発泡体は、サーキュラー型ダイスより押出された厚み1〜10mmの発泡シートであることが好ましい。発泡倍率としては1.5〜30倍程度であることが好ましい。
また、本発明の押出発泡体は、スリット型ダイスより押出された厚み10〜100mmの発泡ボードであることが好ましい。発泡倍率としては15〜50倍程度であることが好ましい。
また、本発明の押出発泡体の厚みまたはセル形状については特に規定はないが、通常、この種の製品を構成するに必要な厚みまたはセル形状を有していればよい。
また、本発明の容器、建材部品、またはディスプレイ材は、上述した押出発泡体からなる。
<押出発泡体の製造方法>
本発明の押出発泡体の製造方法は、上記ポリスチレン系樹脂および上記加工安定剤を含む樹脂組成物を押出発泡することにより上述した押出発泡体を得ることを特徴としている。
本発明の押出発泡体の製造方法としては、例えば、単軸押出機において樹脂ペレットと発泡剤をペレットブレンドした後に押出機に投入し、発泡させる方法、または連結式の押出機において、1段目の押出機で溶融樹脂と発泡ガスを混練し、2段目以降の押出機で冷却し、ダイスから押出発泡体を押出す方法等が挙げられる。ダイスは所望の製品が得られる範囲で、サーキュラー型またはスリット型を適宜選択すればよい。発泡剤としては、上述したものが挙げられる。
単軸押出機での製造方法例としては、シリンダーの温度パターンをホッパー側からダイス側にかけて160℃→200℃→170℃のように設定し、発泡剤を1〜2質量部添加する方法
が挙げられる。連結型の押出機での製造方法例としては、第1押出機を200〜250℃とし、発泡剤を2〜5質量部含ませ混練した後、第2押出機以降で120〜160℃となるように設定し、冷却しながら押出発泡体を得る方法が挙げられる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、これらは例示のためのものであり、本発明を限定するものではない。本実施例で用いた各測定方法は以下のとおりである。
〔重量平均分子量の測定〕
ポリスチレン樹脂の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法(GPC法)により測定した。測定条件は以下のとおりとした。
測定器:RI検出器(示差屈折検出器)
カラム:東ソー製、Tsk−gel6000HXLおよび4000HXLの2本
(いずれも長さ30cm)
溶媒:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
測定する溶液:濃度0.2重量%、注入量0.1ml、流速1ml/分
分子量の計算は、得られたクロマトグラフのピークの立ち上がり時間と分子量2000に相当する時間との間に直線を引き、クロマトグラフとの間に囲まれた部分について、標準ポリスチレンを用いて作成した標準較正曲線により行った。
〔溶融張力〕
ポリスチレン樹脂押出ペレット、若しくは、押出発泡体(発泡シート)を、真空乾燥機で150℃、76Torr、30分間処理し、減容後、約2〜5mm程度の大きさに粉砕
した。この粉砕品を17g秤量し、キャピログラフ((株)東洋精機製作所製、機番1B、バレル径9.55mm)を用い、200℃に設定したバレル内に投入した。10分間加熱して溶融し、溶融樹脂を得た。この溶融樹脂を直径2.095mm、長さ8mmのキャピラリーを用い、ピストンで20mm/minの速度でキャピラリーから押出してストランドとした。このストランドを10m/minの速度で引き取る際の張力を測定した。この張力値を溶融張力とした。
〔発泡体の溶融張力比〕
発泡体において、(i)リン系加工安定剤、および必要に応じて(ii)フェノール系加
工安定剤からなる加工安定剤を含むポリスチレン樹脂組成物の溶融張力(a)と、前記加工安定剤を含まないこと以外は同一組成のポリスチレン樹脂組成物の溶融張力(b)との比([溶融張力(a)]/[溶融張力(b)])を、発泡体の溶融張力比とした。
〔押出発泡時の安定性〕
第1押出機に65mmφ単軸押出機、第2押出機に90mmφ単軸押出機からなるタンデム式押出機を用い、2mm厚み、約20倍の発泡シートを製造した。
発泡ガスはノルマルブタン/イソブタン=7/3の比率とし、第1押出機より5質量部含まれるよう、注入した。樹脂温度は第1押出機では200〜220℃、第2押出機では140〜160℃となるように調整した。
ダイスはサーキュラーダイを使用し、135〜145℃に設定した。リップ開度は0.5mm、水冷マンドレルとの膨比は3.8とした。
得られた発泡シートの安定性として、12時間連続運転時の発泡シートの肌荒れ有無、及び、発泡ガス漏れの有無を観察した。
[製造例]
[バージンポリスチレン樹脂の製造]
(重合)重合槽(内容積17.7dm3、攪拌翼付き)に、スチレンを2.4dm3/時間の供給速度で連続的に供給しながら重合温度114℃で重合すると共に、0.9dm3
/時間の取出速度で重合槽から混合物を取り出して、スチレンを含む重合混合物を得た。
取り出された重合混合物をスタティックミキサーで均一に混合した後、脱揮槽に導き、温度255℃、圧力0.20kPaで脱揮して、ポリスチレンを得た。
脱揮後の溶融状態にあるポリスチレン100質量部中に、下表1の通りに所望する加工安定剤を必要量含まれるよう、添加、混合し、造粒装置でペレット化し、バージンポリスチレン樹脂A−1〜A−2−8を得た。得られたバージンポリスチレン樹脂について、上記測定方法により、重量平均分子量および溶融張力を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2009242651
リン系加工安定剤は6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピンを使用した。
フェノール系加工安定剤としては以下を用いた。
種類X:オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド ロキシ
フェニル)プロピオネート
種類Y:エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブ チル−
4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕
種類Z:ペンタエリスリトール テトラキス〔3−(3,5−ジ−ter t−ブ
チル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート
[リサイクルポリスチレン樹脂の製造]
表1記載のバージンポリスチレン樹脂A−1及びA−2−1を使用し、φ40mmの単軸押出機でシリンダー温度を全て250℃に設定し、吐出量約15kgで押出、ストレンドカ
ットでペレット化し、リサイクルポリスチレン樹脂を得た。得られたリサイクルポリスチレン樹脂について、上記測定方法により、重量平均分子量および溶融張力を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2009242651
[実施例1]
バージンポリスチレン樹脂A−2−1を50質量部、リサイクルポリスチレン樹脂B−2を50質量部配合し、この合計100質量部に対し、タルク(浅田製粉(株)JA-13R)
0.5質量部をドライブレンドし、第1押出機に65mmφ単軸押出機、第2押出機に90mmφ単軸押出機からなるタンデム式押出機を用い、押出発泡シートを得た。
第1押出機の樹脂温度は210℃、第2押出機の樹脂温度は145℃であった。
この発泡押出時において、ガス漏れやシート表面の肌荒れはなく、安定生産性に優れるものであった。
更にこの発泡シートについて、上記測定方法により、溶融張力、溶融張力比を測定した。結果を表3に示す。なお、該溶融張力比を算出する際、加工安定剤を含まないこと以外は同一組成のポリスチレン樹脂組成物の溶融張力(b)として、後述する比較例1におけるポリスチレン樹脂組成物の溶融張力を用いた。また、押出発泡成形する前の樹脂組成物ペレットの溶融張力は、各樹脂の溶融張力を加重平均することにより算出した。
[実施例2〜12]
表3〜4に示すように各樹脂の組み合わせおよび配合量を変更した以外は実施例1と同様にして発泡シートを得た。これらの発泡押出時において、ガス漏れやシート表面の肌荒れはなく、安定生産性に優れるものであった。
更にこの発泡シートについて、上記測定方法により、溶融張力、溶融張力比を測定した。結果を表3〜4に示す。なお、該溶融張力比を算出する際、加工安定剤を含まないこと以外は同一組成のポリスチレン樹脂組成物の溶融張力(b)として、対応する比較例におけるポリスチレン樹脂組成物の溶融張力を用いた。
[実施例13]
バージンポリスチレン樹脂A−1を50質量部、リサイクルポリスチレン樹脂B−1を50質量部配合し、この合計100質量部に対し、6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピンを0.15質量部、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを0.15質量部、タルク(浅田製粉(株)JA-13R)0.5質量部をドライブレンドした以外は実施例1と同様にして発泡シートを得た。この発泡押出時において、ガス漏れやシート表面の肌荒れはなく、安定生産性に優れるものであった。
更にこの発泡シートについて、上記測定方法により、溶融張力、溶融張力比を測定した。結果を表4に示す。なお、該溶融張力比を算出する際、加工安定剤を含まないこと以外は同一組成のポリスチレン樹脂組成物の溶融張力(b)として、後述する比較例1におけるポリスチレン樹脂組成物の溶融張力を用いた。
Figure 2009242651
Figure 2009242651
[比較例1〜9]
表5に示すように各樹脂の組み合わせおよび配合量を変更した以外は実施例1と同様にして発泡シートを得た。これらの発泡押出時において、ダイス直後の発泡度合いが小さく、発泡シートにも肌荒れが時折観察された。また、ガス注入以降に設置のスクリーン部よりガス漏れが時折発生するものもあった。
更にこれらの発泡シートについて、上記測定方法により、溶融張力、溶融張力比を測定した。結果を表5に示す。その結果、溶融張力は実施例と比べ格段に低くなっていた。
Figure 2009242651

Claims (10)

  1. バージンポリスチレン樹脂(A)0〜100質量部と、リサイクルポリスチレン樹脂(B)100〜0質量部(ただし、前記(A)および(B)の合計を100質量部とする)とからなるポリスチレン系樹脂を含むポリスチレン樹脂組成物からなる押出発泡体であって、
    前記ポリスチレン樹脂組成物が、
    (i)リン系加工安定剤、および必要に応じて
    (ii)フェノール系加工安定剤
    からなる加工安定剤を、ポリスチレン樹脂組成物100質量部中に、(i)と(ii)と
    の合計量で0.15〜1質量部含み、
    (i)と(ii)との質量比((ii)/(i))が0〜2.5であり、
    (i)が下記一般式(I)で表される亜リン酸エステル類であり、
    発泡体における、前記加工安定剤を含むポリスチレン樹脂組成物の溶融張力(a)と、前記加工安定剤を含まないこと以外は同一組成のポリスチレン樹脂組成物の溶融張力(b)との比([溶融張力(a)]/[溶融張力(b)])が、1.10以上であることを特徴とする押出発泡体;
    一般式(I)
    Figure 2009242651
    〔一般式(I)中、R1 、R2 、R4 およびR5 はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数
    1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素原子数7〜12のアラルキル基またはフェニル基を示し、R3 は水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を示す。
    また、Xは単結合、硫黄原子または下記一般式(I−1)で表される2価の残基を示す

    Figure 2009242651
    (一般式(I−1)中、R6 は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基または炭素原子
    数5〜8のシクロアルキル基を示す。)
    また、Aは炭素原子数2〜8のアルキレン基または下記一般式(I−2)で表される2
    価の残基を示す。
    Figure 2009242651
    (一般式(I−2)中、R7 は単結合または炭素原子数1〜8のアルキレン基を示し、*
    は酸素原子側に結合していることを示す。)
    また、Y、Zはいずれか一方がヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシル基または炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を示し、他の一方が水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を示す。〕
  2. 前記バージンポリスチレン樹脂(A)の配合量が1〜99質量部であり、前記リサイクルポリスチレン樹脂(B)の配合量が99〜1質量部(ただし、前記(A)および(B)の合計を100質量部とする)であることを特徴とする請求項1に記載の押出発泡体。
  3. 前記加工安定剤の少なくとも一部が、前記バージンポリスチレン樹脂(A)および/またはリサイクルポリスチレン樹脂(B)中に含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の押出発泡体。
  4. 前記フェノール系加工安定剤が、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕およびペンタエリスリトール テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネートからなる群より選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の押出発泡体。
  5. 前記押出発泡体がサーキュラー型ダイスより押出された厚み1〜10mmの発泡シートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の押出発泡体。
  6. 前記押出発泡体がスリット型ダイスより押出された厚み10〜100mmの発泡ボードであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の押出発泡体。
  7. 請求項5記載の押出発泡体からなることを特徴とする容器。
  8. 請求項6記載の押出発泡体からなることを特徴とする建材部品。
  9. 請求項5または6記載の押出発泡体からなることを特徴とするディスプレイ材。
  10. バージンポリスチレン樹脂(A)0〜100質量部、およびリサイクルポリスチレン樹脂(B)100〜0質量部(ただし、前記(A)および(B)の合計を100質量部とする)からなるポリスチレン系樹脂、ならびに下記(イ)〜(ニ)を満たす加工安定剤を含む樹脂組成物を押出発泡することにより請求項1〜6のいずれか1項に記載の押出発泡体を得ることを特徴とする押出発泡体の製造方法;
    (イ)(i)リン系加工安定剤、および必要に応じて(ii)フェノール系加工安定剤から
    なり、
    (ロ)樹脂組成物100質量部中に(i)と(ii)との合計量で0.15〜1質量部含み

    (ハ)(i)と(ii)との質量比((ii)/(i))が0〜2.5であり、
    (ニ)(i)が下記一般式(I)で表される亜リン酸エステル類である。
    一般式(I)
    Figure 2009242651
    〔一般式(I)中、R1 、R2 、R4 およびR5 はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数
    1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素原子数7〜12のアラルキル基またはフェニル基を示し、R3 は水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を示す。
    また、Xは単結合、硫黄原子または下記一般式(I−1)で表される2価の残基を示す

    Figure 2009242651
    (一般式(I−1)中、R6 は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基または炭素原子
    数5〜8のシクロアルキル基を示す。)
    また、Aは炭素原子数2〜8のアルキレン基または下記一般式(I−2)で表される2
    価の残基を示す。
    Figure 2009242651
    (一般式(I−2)中、R7 は単結合または炭素原子数1〜8のアルキレン基を示し、*
    は酸素原子側に結合していることを示す。)
    また、Y、Zはいずれか一方がヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシル基または炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を示し、他の一方が水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を示す。〕
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