JP2009242536A - 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物及びエアーバッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】臭気の改善された、基布コーティング用組成物の提供。
【解決手段】(A)1分子中に平均2個以上のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)付加反応触媒、(D)接着性向上剤、(E)ポリアミン化合物を担持させてなる無機化合物粉体を含有することを特徴とする液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、6,6−ナイロン、6−ナイロン、ポリエステル等の繊維布からなる車両等のエアーバッグ基布にシリコーンゴムコーティング膜を形成させるために特に有用な液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、及び該組成物を用いたエアーバッグに関する。
従来、エアーバッグ基布の表面へゴム被膜を形成することを目的としたシリコーンゴム組成物としては、様々なものが提案されている。具体的には、付加反応硬化型組成物の構成成分として、無機質充填剤、シロキサンレジン及びエポキシ基含有有機ケイ素化合物を添加してなる、基布に対する接着性に優れたエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物(特許文献1:特開平5−214295号公報)、付加反応硬化型組成物の構成成分として、無機質充填剤、シロキサンレジン、有機チタン化合物及びアルキルシリケートを添加してなる、短時間の加熱硬化で基布に対する接着性に優れた液状シリコーンゴムコーティング剤組成物(特許文献2:特開2002−138249号公報)、付加反応硬化型組成物の構成成分であるビニル基含有オルガノポリシロキサンの粘度を8,000センチポイズ以下に限定した薄膜コート性に優れたエアーバッグ用コーティング組成物(特許文献3:特開2001−287610号公報)、ならびに付加反応硬化型組成物の構成成分として、BET法による比表面積が平均150〜250m2/gで、平均粒径が20μm以下であり、Naイオン含有量がNa2Oとして0.35重量%以下である湿式シリカを添加してなる、粘着感を低減したコーティング用液状シリコーンゴム組成物(特許文献4:特開2001−59052号公報)が提案されている。
しかし、特に繊維処理剤で処理した、6,6−ナイロン、6−ナイロン、ポリエステル等の繊維布からなるエアーバッグ基布に、これらのシリコーンゴム組成物をコーティング剤として使用すると、その硬化時及び/又は硬化後に、該繊維処理剤等に由来すると考えられる臭いが発生する。この臭いは、該組成物の加熱硬化作業中に発生して作業者に不快感を与えるだけでなく、硬化後にも発生するのでエアーバッグの使用者にも不快感を与えている。
一方、繊維を消臭剤を含有したコーティング剤で処理することは知られているが、上記したようなシリコーンゴム組成物をコーティングした場合、殆ど消臭効果が得られないものであった。
特開平5−214295号公報 特開2002−138249号公報 特開2001−287610号公報 特開2001−59052号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、硬化時及び/又は硬化後に前記繊維処理剤等に由来すると考えられる臭いの発生を著しく低減することができる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、及び上記臭いが著しく低減されたエアーバッグを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、(A)1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)付加反応触媒、(D)接着性向上剤をそれぞれ特定量含有する液状シリコーンゴムコーティング剤組成物に、(E)ポリアミン化合物を担持させてなる無機化合物粉体を特定量添加・配合した液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が、上記課題の解決に有用であることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、
〔1〕 (A)1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B)成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり1〜10個となる量、
(C)付加反応触媒:有効量、
(D)接着性向上剤:0.05〜10質量部、及び
(E)ポリアミン化合物を担持させてなる無機化合物粉体:0.01〜3質量部
を含有することを特徴とする液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、
〔2〕 (D)接着性向上剤が、接着性を付与する官能基を含有する有機ケイ素化合物である〔1〕記載の組成物、
〔3〕 (E)成分のポリアミン化合物が、下記式:
[H2N−(CH2CH2−NH)n−CH2CH2NH2
(nは0〜3の整数である。)
で示されるものである〔1〕又は〔2〕記載の組成物、
〔4〕 (E)成分の無機化合物粉体が、多孔質二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム及び酸化亜鉛から選ばれる化合物である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の組成物、
〔5〕 更に、(F)BET法による比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカを含有する〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の組成物、
〔6〕 〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の組成物でコーティングされたエアーバッグ基布、
〔7〕 〔6〕記載のエアーバッグ基布からなるエアーバッグ
を提供する。
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、硬化物の硬さ、切断時伸び、引張り強さ等の物理的特性を従来のものと同等のレベルに維持しつつ、特に、繊維処理剤で処理した基布にコーティングした際に、硬化時及び/又は硬化後に繊維処理剤等に由来すると考えられる臭いの発生を著しく低減することができるものである。また、この組成物の硬化物からなるゴムコーティング層を有する本発明のエアーバッグは、前記臭いが著しく低減されたものである。
<液状シリコーンゴムコーティング剤組成物>
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、以下の(A)〜(E)成分を含有してなるものである。
−(A)アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン−
(A)成分は、本発明の組成物の主剤であり、1分子中に平均2個以上、好ましくは平均2〜20個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンである。
前記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等の、通常、炭素原子数が2〜8、好ましくは2〜4のものである。これらのなかでも、特にビニル基であることが好ましい。(A)成分中におけるアルケニル基の結合位置は、分子鎖末端、分子鎖非末端(即ち、分子鎖側鎖)であっても、これらの両方であってもよい。
前記アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の、通常、炭素原子数が1〜12、好ましくは1〜10の非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基が挙げられ、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
(A)成分において、アルケニル基の含有量は、ケイ素原子に結合した全有機基(即ち、1価有機基)に対して0.001〜10モル%、特に0.01〜5モル%であることが好ましい。
(A)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状等が挙げられるが、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、実質的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好ましい(なお、オルガノ基にはアルケニル基も包含し得る。)。
(A)成分の25℃における粘度は、硬化物の物理的特性が良好であり、また組成物の取扱い作業性が良好であることから、100〜500,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に300〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計等により測定することができる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、例えば、下記平均組成式(1)
1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、R1は独立に、脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基を表し、R2は独立に、アルケニル基を表し、aは1.7≦a≦2.1を満たす正数であり、bは0.00001≦b≦0.1を満たす正数であり、但し、a+bは1.8≦a+b≦2.2である。以下、同じである。)
で表される。
上記平均組成式(1)中、R1で表される脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基は、炭素原子数が、通常、1〜12、好ましくは1〜10のものである。その具体例としては、前記アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基として例示したものが挙げられる。
2で表されるアルケニル基は、炭素原子数が、通常、2〜8、好ましくは2〜4のものである。その具体例としては、前記アルケニル基として例示したものが挙げられる。
aは1.7〜2.1、好ましくは1.8〜2.05、特に好ましくはに1.9〜2.0の正数であり、bは0.00001〜0.1、好ましくは0.0001〜0.08、特に好ましくは0.001〜0.05の正数であり、a+bは1.8〜2.2、好ましくは1.95〜2.05、特に好ましくは1.98〜2.02である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの具体例としては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、式:R1 3SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、式:R1 3SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、式:R1 22SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、式:R12SiOで示されるシロキサン単位と式:R1SiO3/2で示されるシロキサン単位又は式:R2SiO3/2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、及びこれらのオルガノポリシロキサンの二種以上からなる混合物等が挙げられる。
(A)成分は、一種単独で用いても分子量や構造の異なる二種以上を併用してもよい。
−(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン−
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分とヒドロシリル化付加反応し、架橋剤として作用する。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。(B)成分の分子構造に特に制限はなく、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状構造(樹脂状)等の、従来製造されている各種のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3〜300個、特に好ましくは3〜100個のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、ヒドロシリル基(SiH基))を有する。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが直鎖状構造を有する場合、これらのSiH基は、分子鎖末端及び分子鎖途中(分子鎖非末端)のどちらか一方にのみ位置していても、その両方に位置していてもよい。
(B)成分の1分子中のケイ素原子の数(重合度)は、好ましくは2〜300個、より好ましくは3〜200個、更に好ましくは4〜150個である。更に、(B)成分は室温(25℃)で液状であることが好ましく、(B)成分の25℃における粘度は、好ましくは0.1〜1,000mPa・s、より好ましくは0.5〜500mPa・s程度である。
(B)成分としては、例えば、下記平均組成式(2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができる。
3 cdSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R3は、アルケニル基を含まない、互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8の、ケイ素原子に結合した一価炭化水素基であり、c及びdは、好ましくは0.7≦c≦2.1、0.001≦d≦1.0であり、かつ0.8≦c+d≦3.0を満たす正数であり、より好ましくは1.0≦c≦2.0、0.01≦d≦1.0であり、かつ1.55≦c+d≦2.5を満足する正数である。)
上記R3としては、R1と同様のものが例示され、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の、通常、炭素原子数が1〜12、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8の、非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基が挙げられ、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
(B)成分の具体例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジフェニルポリシロキサン、これらの各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基で置換されたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、式:R3 3SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R3 2HSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、式:R3 2HSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、式:R3HSiOで示されるシロキサン単位と式:R3SiO3/2で示されるシロキサン単位及び式:HSiO3/2で示されるシロキサン単位のどちらか一方又は両方とからなるオルガノシロキサン共重合体、及び、これらのオルガノポリシロキサンの2種以上からなる混合物が挙げられる。上記式中のR3は、前記と同様である。
(B)成分の配合量は、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個に対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子の数が、1〜10個、好ましくは1〜5個の範囲内となる量である。該配合量が、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個に対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が1個未満となる量であると、得られる組成物は十分に硬化しない。また、該配合量が、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個に対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が10個を超える量であると、得られるシリコーンゴムの耐熱性が極端に劣ったものとなる。
−(C)付加反応触媒−
(C)成分の付加反応触媒は、(A)成分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子との付加反応を促進するものであればいかなる触媒であってもよい。その具体例としては、白金、パラジウム、ロジウム等や塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の、白金族金属又はそれらの化合物が挙げられるが、特に好ましくは白金系化合物である。
(C)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(C)成分の配合量は、触媒としての有効量でよいが、(A)成分及び(B)成分の合計量に対して、触媒金属元素に換算して質量基準で1〜500ppmの範囲であることが好ましく、10〜100ppmの範囲であることがより好ましい。かかる範囲を満たすと、付加反応の反応速度が適切なものとなり、かつ硬化物の耐熱性が良好なものとなる。
−(D)接着性向上剤−
(D)成分は、例えば、エアーバッグ用の合成繊維織物基材、不織布基材、あるいは熱可塑性樹脂のシート状又はフィルム状基材等に対する接着性を向上させるために配合される成分である。(D)成分の接着性向上剤としては、付加反応硬化型である本発明の組成物に自己接着性を付与する観点から、接着性を付与する官能基を含有するシラン、シロキサン等の有機ケイ素化合物、非シリコーン系有機化合物等が用いられる。
接着性を付与する官能基の具体例としては、ケイ素原子に結合したビニル基、アリル基等のアルケニル基;炭素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基(例えば、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等)や、アクリロキシ基(例えば、γ−アクリロキシプロピル基等)もしくはメタクリロキシ基(例えば、γ−メタクリロキシプロピル基等);アルコキシシリル基(例えば、エステル構造、ウレタン構造、エーテル構造を1〜2個含有してもよいアルキレン基を介してケイ素原子に結合したトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基等のアルコキシシリル基等)等が挙げられる。本発明では、特に1分子中にこれらの官能基を2種以上含有するものが好ましい。
接着性を付与する官能基を含有する有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤、アルコキシシリル基と有機官能性基を有するシロキサン、反応性有機基を有する有機化合物にアルコキシシリル基を導入した化合物等が例示され、具体例としては、下記のものが挙げられる。なお、下記式中、Meはメチル基を示す。
Figure 2009242536
(式中、mは1〜98の整数である。)
Figure 2009242536
等のトリアリルイソシアヌレートのアルコキシシリル変性物又はシリル変性物やそのシロキサン誘導体、及び
Figure 2009242536
また、非シリコーン系有機化合物としては、例えば、有機酸アリルエステル、エポキシ基開環触媒、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物等が挙げられる。
有機酸アリルエステルは、分子中にケイ素原子を有しないものであって、例えば、1分子中に1個のアルケニル基と少なくとも1個のエステル基を有する有機酸アリルエステルが挙げられる。有機酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸等の不飽和カルボン酸;安息香酸、フタル酸、ピロメリト酸等の芳香族カルボン酸;酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸等の飽和脂肪酸等が挙げられる。これらの有機酸を含む有機酸アリルエステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸等の不飽和カルボン酸等のアリルエステル;安息香酸アリルエステル、フタル酸ジアリルエステル、ピロメリト酸テトラアリルエステル等の芳香族カルボン酸アリルエステル;酢酸アリルエステル、プロピオン酸アリルエステル、酪酸アリルエステル、吉草酸アリルエステル、ラウリン酸アリルエステル等の飽和脂肪酸アリルエステル等が挙げられる。
エポキシ開環触媒は分子中にケイ素原子を有しないものであって、例えば、有機金属キレート、アミン系、アミド系、イミダゾール系、酸無水物系等のエポキシ基開環触媒である。
有機チタン化合物は、分子中にケイ素原子を有しないものであって、その具体例としては、テトラブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタン、チタニウムステアレート、テトラオクチルオキシチタン(即ち、チタン酸オクチル)、チタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセトネート、チタニウムエチルアセトネート、チタニウムラクトネート、及びこれらの縮合反応生成物であるオリゴマー、ポリマー等の有機チタン化合物等が挙げられる。
有機ジルコニウム化合物は、分子中にケイ素原子を有しないものであって、その具体例としては、ジルコニウムテトラプロピレート、ジルコニウムテトラブチレート等の有機ジルコニウムエステル;ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機ジルコニウムキレート;ジルコニウムビス(2−エチルヘキサノエート)オキサイド、ジルコニウムアセチルアセトネート(2−エチルヘキサノエート)オキサイド等のオキソジルコニウム化合物等の有機ジルコニウム化合物等があげられる。
有機アルミニウム化合物は、分子中にケイ素原子を有しないものであって、その具体例としては、アルミニウムトリエチレート、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリ(sec−ブチレート)等のアルミニウムアルコレート;ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレート化合物;ヒドロキシアルミニウムビス(2−エチルヘキサノエート)等のアルミニウムアシロキシ化合物等の有機アルミニウム化合物等が挙げられる。
(D)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.05〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部である。配合量が0.05質量部未満の場合には十分な接着力が得られず、10質量部を超える場合にはコスト的に高いものとなり不経済となる。
(D)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
−(E)ポリアミン化合物を担持させてなる無機化合物粉体−
(E)成分のポリアミン化合物を担持させてなる無機化合物粉体は、紡糸油剤、整経油剤や界面活性剤等の繊維処理剤で処理した6,6−ナイロン、6−ナイロン、ポリエステル等の繊維からなる基布に、本発明の組成物をコーティングした際、本発明の組成物の硬化時及び/又は硬化後に発生する繊維処理剤に由来すると考えられる臭いを吸収する成分である。
ポリアミン化合物を担持させる無機化合物粉体としては、多孔質二酸化ケイ素粉体、ケイ酸アルミニウム粉体、酸化亜鉛粉体が好ましい。多孔質二酸化ケイ素粉体としては、比表面積が50〜900m2/g、特に100〜800m2/gであることが好ましく、平均細孔径が0.1〜10nm、特に0.5〜8nmであるものが好ましい。ケイ酸アルミニウム粉体としては比表面積が20〜900m2/g、特に50〜800m2/gであるものが好ましく、酸化亜鉛粉体としては、比表面積が20〜200m2/g、特に40〜100m2/gであるものが好ましい。比表面積が小さすぎると臭いを消す効果が不十分となることがあり、比表面積が大きすぎると作業性が悪くなることがある。
(E)成分は、上記のような無機化合物粉体と、ポリアミン化合物、例えば下記式:
[H2N−(CH2CH2−NH)n−CH2CH2NH2
(nは0〜3の整数である。)
で示されるポリアミン化合物を混合、乾燥させて、無機化合物粉体にポリアミン化合物を担持させたものであり、その担持量は、好ましくは0.02〜10mmol/g、特に好ましくは0.1〜5mmol/gとなる量である。担持量が少なすぎると臭いを消す効果が不十分となることがあり、多すぎると組成物の硬化性を低下させることがある。なお、上記粉体の比表面積はBET法により測定することができ、平均細孔径はBET法で求めた細孔容積及び比表面積から算出することができる。
ポリアミン化合物としては、他にトリメチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン等が例示され、上記無機化合物粉体に担持させて用いることができる。これらは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(E)成分のポリアミン化合物を担持させた無機化合物粉体としては、例えば、「ケスモン」(東亜合成(株)製)が挙げられる。
(E)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、0.01〜3質量部であることが必要であり、好ましくは0.1〜2質量部、より好ましくは0.2〜1質量部である。配合量が少なすぎると、十分な臭い吸着効果が得られず、配合量が多すぎると、ポリアミン化合物による硬化被毒を受けることになる。
本発明の組成物には補強性を向上させるために(F)微粉末シリカ(ポリアミン化合物を担持させたものは除く)を配合することが好ましい。即ち、微粉末シリカは本組成物の硬化物に高引裂き強度を付与するものであって、これを補強剤として使用することにより、十分な引裂き強度を有する硬化物を形成することができる。この微粉末シリカは、比表面積(BET法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは50〜400m2/g、特に好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が50m2/g未満の場合には、硬化物に十分な引裂き強度を付与することができないことがある。
本発明において、このような微粉末シリカとしては、比表面積が上記範囲内(50m2/g以上)であることを条件として、従来からシリコーンゴムの補強性充填剤として使用されている公知のものでよく、例えば、煙霧質シリカ(乾式シリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられる。微粉末シリカはそのまま使用してもよいが、組成物に良好な流動性を付与するため、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のメチルクロロシラン類、ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザン等のヘキサオルガノジシラザン等の有機ケイ素化合物で処理したものを使用することが好ましい。
(F)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(F)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1〜50質量部、特に好ましくは5〜40質量部である。配合量が少なすぎると、十分な引裂き強度が得られないことがあり、配合量が多すぎると、組成物の流動性が低下してコーティング作業が悪くなることがある。
−その他の成分−
本発明の組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、上記成分の他にシリコーンコーティング剤用としての公知の成分を添加してもよい。例えば、(C)成分の付加反応触媒に対して硬化抑制効果を持つ化合物とされている従来公知の反応抑制剤をすべて使用することができる。この反応抑制剤としては、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミンやテトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレン系化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体等が例示される。
反応抑制剤による硬化抑制効果の度合いは、反応抑制剤の化学構造によって大きく異なるため、反応抑制剤の配合量は、使用する反応抑制剤ごとに最適な量に調整することが好ましい。配合量が少なすぎると室温での組成物の長期貯蔵安定性が得られないことがあり、逆に多すぎると組成物の硬化がかえって阻害されるおそれがあるが、通常は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.001〜5質量部である。
その他の任意の成分としては、例えば、結晶性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機質充填剤、及びこれらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面疎水化処理した充填剤等;シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー等が挙げられる。
さらに、本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、クリープハードニング防止剤、可塑剤、耐熱添加剤、チクソ性付与剤、顔料、染料、防かび剤等を配合することができる。また、本発明の組成物は、必要に応じて水や有機溶剤等の溶剤を含有してもよいが、溶剤を含まない状態で使用することもできる。
−組成物の調製・硬化・用途−
本発明の組成物は、上記(A)〜(E)成分、及び場合によって配合されるその他の成分を混合することにより調製することができる。こうして得られた組成物は、繊維布用のコーティング剤として、中でも繊維布からなるエアーバッグの基布用のコーティング剤として有用である。
本発明の組成物は、特にエアーバッグ用コーティング剤として用いる場合、室温(25℃)で液状・低粘度であることが好ましく、その粘度は10〜400Pa・s、特に30〜300Pa・sであることが好ましい。この粘度が低すぎると、得られるコーティング剤がエアーバッグの基布中に含浸してしまうため、エアーバッグの膨張状態が十分な時間持続されず、高すぎると、コーティング後に良好なコーティング層表面が得られないことがある。
本発明の組成物の硬化方法、条件は、公知の硬化方法、条件を採用することができ、通常、120〜180℃において1〜10分とすることができる。
<エアーバッグ>
本発明のエアーバッグとしては、袋状の基布と、該基布の表面にコートされた本発明組成物の硬化物からなるゴムコーティング層とを有する袋織りタイプや、基布内面にコートされた2枚の平織り基布の外周部同士を接着剤で張り合わせ、且つその接着剤層を縫い合わせて作成される平織りタイプのものが挙げられる。具体的には、公知の構成のものでよく、より詳細には、必要に応じて上述した繊維処理剤で処理された、6,6−ナイロン、6−ナイロン、ポリエステル繊維、アラミド繊維、各種ポリアミド繊維、各種ポリエステル繊維等(即ち、合成繊維)の繊維布の織生地をエアーバッグ基布とした袋織りタイプや、平織りタイプのエアーバッグが挙げられる。
このような袋織りタイプや平織りタイプのエアーバッグのエアーバッグ基布に対して前記組成物をコーティングする方法は、常法を採用することができる。エアーバッグ基布の表面への組成物の塗布量は、例えば、10〜150g/m2、好ましくは15〜80g/m2、より好ましくは20〜60g/m2である。
以下、実施例と比較例を示し本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何ら制限されるものではない。なお、下記例で部は質量部を示し、粘度は25℃での測定値である。
<実施例1>
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン60部、ヘキサメチルジシロキサン8部、水5部、及びBET法による比表面積が約300m2/gである微粉末シリカ(商品名:Aerosil 300、日本アエロジル(株)製)40部をニーダー中に投入し、1時間混合した。その後、ニーダー内の温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合した。
その後、前記温度を100℃まで降温して、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン24部、及び分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、分子鎖非末端にビニルメチルシロキサン単位を5モル%含有し、粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン5部を添加し、均一になるまで混合し、ベースコンパウンド(I)を得た。
このベースコンパウンド(I)の78部に、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、粘度が約5,000mPa・sのジメチルポリシロキサン35部、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、粘度が約1,000mPa・sのジメチルポリシロキサン15部、(CH33SiO1/2単位39.5モル%と(CH32(CH2=CH)SiO1/2単位6.5モル%とSiO2単位54モル%とからなるオルガノポリシロキサン樹脂5部、分子鎖側鎖にケイ素原子結合水素原子を有する分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量=1.12質量%)2.8部、1−エチニルシクロヘキサノール0.09部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.38部、ケスモン(NS−231)(東亜合成(株)製)0.1部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.28部、ならびにチタン酸オクチル0.17部を混合して組成物Aを調製した。
この組成物Aについて、下記の評価方法に従って、物性試験(硬さ、伸び、引張り強さ)及び臭い試験を行った。得られた結果を表1に示す。
<評価方法>
−物性試験−
前記組成物Aを150℃/5分で硬化させ、JIS K6249に従ってシートを作製し、硬さ、伸び及び引張り強さを測定した。
−臭い試験−
前記組成物Aをエアーバッグの基布に塗布し、180℃で3分間加熱した後、密閉袋に入れて室温(25℃)で24時間放置した。その後、組成物を塗布したエアーバッグの基布の臭いを評価した。臭いの評価基準は、密閉袋の開放時に、袋内の空気及びエアーバッグの基布のいずれに関してもテスター(官能試験者)が、全くあるいはほとんど異臭を感知しなかった場合には「良好」と評価し「A」と示した。一方、密閉袋の開放時に、袋内の空気及びエアーバッグの基布の少なくとも一方に関してテスター(官能試験者)が、強い異臭を感知した場合には「不良」と評価し「B」と示した。
<実施例2>
実施例1で得られたベースコンパウンド(I)64部に、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、主鎖のジオルガノシロキサン単位中にビニルメチルシロキサン単位を0.18モル%含有し、25℃での粘度が約30,000mPa・sであるジメチルポリシロキサン8部、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sであるジメチルポリシロキサン23部、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約100,000mPa・sであるジメチルポリシロキサン35部、25℃における粘度が10mPa・sであり、分子鎖側鎖にケイ素原子結合水素原子を有する分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量=0.82質量%)3部、1−エチニルシクロヘキサノール0.02部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.25部、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン0.14部、ケスモン(NS−231)(東亜合成(株)製)0.5部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.7部、2−エチルヘキサン酸酸化ジルコニウム0.32部を混合して、組成物Bを調製した。
この組成物Bについて、実施例1と同様にして、物性試験及び臭い試験を行った。得られた結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、ケスモン(NS−231)0.1部を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、組成物Cを調製した。
この組成物Cについて、実施例1と同様にして、物性試験及び臭い試験を行った。得られた結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例2において、ケスモン(NS−231)0.5部を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、組成物Dを調製した。
この組成物Dについて、実施例1と同様にして、物性試験及び臭い試験を行った。得られた結果を表1に示す。
<比較例3>
実施例1において、ケスモン(NS−231)0.1部のかわりにケイ酸マグネシウム微粉末1部を使用した以外は実施例1と同様にして、組成物Eを調製した。
この組成物Eについて、実施例1と同様にして、物性試験及び臭い試験を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 2009242536

Claims (7)

  1. (A)1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B)成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり1〜10個となる量、
    (C)付加反応触媒:有効量、
    (D)接着性向上剤:0.05〜10質量部、及び
    (E)ポリアミン化合物を担持させてなる無機化合物粉体:0.01〜3質量部
    を含有することを特徴とする液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
  2. (D)接着性向上剤が、接着性を付与する官能基を含有する有機ケイ素化合物である請求項1記載の組成物。
  3. (E)成分のポリアミン化合物が、下記式:
    [H2N−(CH2CH2−NH)n−CH2CH2NH2
    (nは0〜3の整数である。)
    で示されるものである請求項1又は2記載の組成物。
  4. (E)成分の無機化合物粉体が、多孔質二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム及び酸化亜鉛から選ばれる化合物である請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  5. 更に、(F)BET法による比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカを含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物でコーティングされたエアーバッグ基布。
  7. 請求項6記載のエアーバッグ基布からなるエアーバッグ。
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