JP2009241788A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動モータ18の回転軸37とは継手38を介して同軸に連結されたウォーム軸20を備える。ウォーム軸20の第1および第2の端部20a,20bを第1および第2の軸受45,47によって支持する。第1の端部20aは回転軸37に相対的に近く、第2の端部20bは回転軸37から相対的に遠い。第1の軸受45と電動モータ18のロータ64との間にECU12を配置する。両軸受45,47に一括して予圧を付与する予圧付与機構200を、第2の端部20bに近接して配置する。
【選択図】図4
Description
電動モータの回転軸の軸方向に関して、電動モータと減速機構との間に、制御装置を配置する電動パワーステアリング装置が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
この種の電動パワーステアリング装置では、上記のカップリングやトルクリミッタの他、ウォーム軸を支持する軸受等が、制御装置に近接して配置されることになる。
本発明は、かかる背景のもとになされたものであり、小型で信頼性の高い車両用操舵装置を提供することを目的とする。
また、上記連結部材は、非金属の絶縁部材(41)を含む場合がある(請求項4)。この場合、非金属の絶縁部材であれば、車両用操舵装置の出荷後に、万一、破損して、制御装置の周辺に入り込んだとしても、電気的不良を起こすおそれがない。したがって、制御装置の信頼性を向上することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、直線状に延びている。また、ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。すなわち、ステアリングホイール2に一定値以上の操舵トルクが入力されると、入力軸8および出力軸9は、互いに相対回転しつつ同一方向に回転するようになっている。
ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン16が連結されている。
操舵補助機構5は、操舵補助用の電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを転舵機構4に伝達するための伝達機構としての減速機構19とを含む。減速機構19としては、例えばウォームギヤ機構などの食い違い軸歯車機構や、平行軸歯車機構などを用いることができる。本実施形態では、減速機構19として、ウォームギヤ機構が用いられている。すなわち、減速機構19は、駆動部材としてのウォーム軸20と、このウォーム軸20と噛み合う従動部材としてのウォームホイール21とを含む。減速機構19は、伝達機構ハウジングとしてのギヤハウジング22内に収容されている。
電動モータ18がウォーム軸20を回転駆動すると、ウォーム軸20によってウォームホイール21が回転駆動され、ウォームホイール21およびステアリングシャフト6が同行回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォーム軸20を回転駆動することで、転舵輪3が転舵されるようになっている。
第1のハウジング23および第2のハウジング24は、一端が開放した概ね四角箱形に形成されている。第1および第2のハウジング23,24の互いの端部は、突き合わされ固定ねじ91により互いに締結されている。
また、図3を参照して、電動モータ18の後述する回転軸37の軸方向X1に沿って見たときに、電気コネクタ94および従動ギヤ収容ハウジング28の互いの少なくとも一部が互いに重なり合うレイアウトとされている。これにより、実質的な小型化および省スペース化を図ることができ、車両への搭載性が向上する。
モータハウジング25の第1のハウジング23は、例えばアルミニウム合金(例えば鋳造品、冷間鍛造品)により形成され、操舵補助機構5の軽量化が図られている。また、駆動ギヤ収容ハウジング27、従動ギヤ収容ハウジング28および第2のハウジング24で構成されるギヤハウジング22は、例えばアルミニウム合金(例えば鋳造品、冷間鍛造品)により形成され、操舵補助機構5の軽量化が図られている。また、モータハウジング25のモータハウジング本体26には、例えば非磁性の板金が用いられている。
環状のフランジ31の周方向の一部から径方向外方に張り出したブラケット32が設けられている。そのブラケット32のねじ挿通孔33に挿通された固定ねじ34が、第1のハウジング23のねじ孔にねじ込まれることにより、モータハウジング本体26と第1のハウジング23とが一体に固定されている。上記のねじ挿通孔33は、モータハウジング本体26の周方向に延びる長孔に形成されているので、第1のハウジング23に対して、モータハウジング本体26の周方向位置を調整可能となっている。
ギヤハウジング22の従動ギヤ収容ハウジング28には、トルクセンサ11が収容された筒状のセンサハウジング35が連結されており、従動ギヤ収容ハウジング28およびセンサハウジング35は、固定ねじ36を用いて互いに固定されている。ステアリングシャフト6が、筒状の従動ギヤ収容ハウジング28およびセンサハウジング35内に挿通されている。
再び図4を参照して、第1のハウジング23は、収容室100の一部を区画する第1の内壁面101を含み、第2のハウジング24は収容室100の一部を区画する第2の内壁面102を含み、これら第1の内壁面101および第2の内壁面102は、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に対向している。
第2の内壁面102のなす環状平面の延長面P1が、ステアリングシャフト6を取り囲む筒状部としての従動ギヤ収容ハウジング28の外周面28aの主要部のなす円筒面P2と図4のように交差するか、または接する状態にある。具体的には、従動ギヤ収容ハウジング28は、ステアリングシャフト6が嵌合するウォームホイール21を取り囲んでいる。
電動モータ18の回転軸37およびウォーム軸20が同軸上に並べて配置されており、回転軸37およびウォーム軸20は、互いの間に介在する連結部材としての継手38を介して同軸的に動力伝達可能に連結されている。連結部材としての継手38は、電動モータ18の回転軸37と同行回転する環状の入力部材39と、ウォーム軸20と同行回転する環状の出力部材40と、入力部材39および出力部材40の間に介在し入力部材39および出力部材40を動力伝達可能に連結する環状の弾性部材41とを有している。
ウォーム軸20は、ギヤハウジング22の駆動ギヤ収容ハウジング27の駆動ギヤ収容孔42に収容されている。ウォーム軸20は第1の端部20aおよび第2の端部20bを有しており、ウォーム軸20の軸方向の中間部にウォーム20cが形成されている。
第1の軸受45は、内輪48と、外輪49と、内輪48および外輪49の間に介在する複数の転動体50とを有する転がり軸受からなる。内輪48は、ウォーム軸20の第1の端部20aに同行回転可能に保持されている。内輪48の一方の端面は、ウォーム軸20の外周に設けられた位置決め段部に当接している。ウォーム軸20の第1の端部20aには、小径の突軸51が延設されており、その突軸51には、継手38の出力部材40が同行回転可能に且つ軸方向移動不能に嵌合されている。出力部材40は内輪48の他方の端面に当接しており、ウォーム軸20の上記位置決め段部と出力部材40の間に、内輪48が挟持されている。これにより、ウォーム軸20に対する内輪48の軸方向移動が規制されている。
第2の軸受47は、内輪53と、外輪54と、内輪53および外輪54の間に介在する複数の転動体55とを有する転がり軸受からなる。内輪53は、ウォーム軸20の第2の端部20bに同行回転可能に保持されている。内輪53の一方の端面は、ウォーム軸20の外周に設けられた位置決め段部に当接している。これにより、ウォーム軸20に対する内輪53の軸方向移動(第1の軸受45側への移動)が規制されている。
予圧付与機構200は、駆動ギヤ収容孔42の軸受保持部46に隣接する、駆動ギヤ収容孔42の入口部に形成されたねじ部56と、このねじ部56に、第1および第2の軸受45,47に一括して予圧を付与するためにねじ込まれた予圧付与部材57とを備えている。予圧付与部材57は、円板状の本体58を有しており、本体58の外周には、上記ねじ部56に螺合するねじ部59が形成されている。また、本体58の一方の端面に、第2の軸受47の外輪54の一方の端面を押圧する環状凸部60が形成されている。
ウォーム軸20の第1および第2の端部20a,20bを支持する第1および第2の軸受45,47は、何れも公知のシール軸受により構成されている。具体的には、転動体の軸方向X1の両側において、内輪と外輪の間を密封するシール部材62を備えており、そのシール部材62は、内輪または外輪の何れか一方に固定される。また、シール部材62は他方に摺接するリップを有している。
ロータ64は、回転軸37の外周に同行回転可能に取り付けられた環状のロータコア66と、ロータコア66の外周に同行回転可能に取り付けられた例えば環状の永久磁石からなるロータマグネット67とを有している。ロータマグネット67には、複数の磁極が周方向に並べて配置されている。これらの磁極は、ロータ64の周方向に関して、N極およびS極が交互に入れ替わるようにされている。
収容室100には、ECU12の一部を構成するパワー基板78および制御基板79が収容され保持されている。パワー基板78には、電動モータ18を駆動するためのパワー回路の少なくとも一部(例えばFETなどのスイッチング素子)が実装されている。上記の各コイル69と接続されたバスバー71は、第1のハウジング23の上記仕切り壁77を挿通して収容室100内に進入するバスバー端子80を介して、パワー基板78に接続されている。
収容室100内において、パワー回路が実装されたパワー基板78は、第1の内壁面101および第2の内壁面102のうち第1の内壁面101に相対的に近接して配置されている。すなわち、上記の仕切り壁77は、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に関しての厚みt1が相対的に厚い厚肉部77aと相対的に薄い薄肉部77bとを含んでいる。厚肉部77aは、収容室100内に突出するように設けられている。
本実施の形態では、パワー基板78は厚肉部77aにおける第1の内壁面101に対して熱伝導可能に接触しており、上記の厚肉部77aは、パワー基板78の熱を逃がすためのヒートシンクとして機能している。
制御基板79は、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に関して、第2のハウジング24の第2の内壁面102とパワー基板78との間に配置されている。パワー基板78および制御基板79は、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に関して所定の間隔を隔てて配置されている。また、電動モータ18の回転軸37の中心軸線C1に沿う方向に関して、制御基板79および継手38の互いの少なくとも一部が重なるようにレイアウトされている。
収容室100内において、仕切り壁77の中央部には、本体87の開放側(第2のハウジング24側)に向かって延びる筒状部89が形成されている。外周壁92は、仕切り壁77の外周縁から延設されており、筒状部89を取り囲んでいる。本体87および筒状部89は、単一の部材で一体に形成されている。
第1の内壁面101のうち、厚肉部77aにおける部分が、パワー基板78を受ける座部103を構成している。座部103は、発熱要素としてのFET83を有するパワー基板78に、熱伝導可能に接触している。発熱要素の熱は、パワー基板78から、ヒートシンクを構成する厚肉部77aおよび取付部96を介して、第2のハウジング24とは一体のギヤハウジング22側へ逃がされる。
本実施の形態によれば、回転軸37に相対的に近い、ウォーム軸20の第1の端部20aを支持する第1の軸受45と、電動モータ18のロータ64との間に、ECU12が配置されており、そのECU12から、回転軸37の軸方向X1に十分離隔した位置にある、ウォーム軸20の第2の端部20bに近接して、予圧付与機構200が配置されている。したがって、電動パワーステアリング装置1を組み立てるときの予圧調整作業の際に、万一、予圧付与機構200から摩耗粉等が発生したとしても、その摩耗粉がECU12の周辺に到達することを抑制することができる。その結果、ECU12の信頼性を向上することができる。
また、モータハウジング25の一部である第1のハウジング23とギヤハウジング22の一部である第2のハウジング24との間に、ECU12を収容する収容室100が形成されており、上記の予圧付与機構200が、収容室100の外部に配置されている。したがって、予圧付与機構200から発生するおそれのある摩耗粉が、ECU12の周辺に到達することがなく、ECU12の信頼性を格段に向上することができる。
また、モータハウジング25の少なくとも一部である第1のハウジング23と、これに接触する第2のハウジング24とによって、ECU12の収容室100を形成している。すなわち、第1のハウジング23および第2のハウジング24の間に、別のハウジングを介在させないので、小型化を達成することができる。したがって、車両への搭載性が良い。
第2の内壁面102のなす環状平面の延長面P1が、操舵力を伝達するための軸(本実施の形態ではステアリングシャフト6に相当)を取り囲む筒状部としての従動ギヤ収容ハウジング28の外周面28aの主要部のなす円筒面P2と図4のように交差するか、または接する状態にある。したがって、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に関して、収容室100を、ステアリングシャフト6側に十分に近づけて配置することになり、回転軸37の軸方向X1に関して、電動パワーステアリング装置1をより小型にすることができる。
換言すると、ECU12の少なくとも一部が、電動モータ18の回転軸37の回りに配置されているので、回転軸37の回りのスペースをECU12の配置に有効に利用でき、ひいては、電動モータの回転軸37の軸方向X1に関して、電動パワーステアリング装置1を小型にできる。
上記の実施の形態では、第2のハウジング24およびギヤハウジング22を兼用するようにしたが、これに限らず、図7に示すように、第2のハウジング24Aおよびセンサハウジング35を兼用するようにしてもよい。すなわち、第2のハウジング24Aはセンサハウジング35とは単一の材料で一体に形成されることになる。この場合、操舵状態検出センサとしてのトルクセンサ11が収容されたセンサハウジング35を介して、FET83等の発熱要素からの熱を収容室100外へ効果的に放出することができる。なお、図7において、図4と同一の構成についても同一の符号を付してある。
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、いわゆるコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置に本発明が適用された例について説明したが、これに限らず、いわゆるピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置や、いわゆるラックアシスト式の電動パワーステアリング装置に、本発明を適用してもよい。
また、上述の実施形態では、電動モータ18として、ブラシレスモータを用いる例について説明したが、これに限らず、ブラシレスモータ以外のモータを、電動モータ18として用いてもよい。
Claims (6)
- 回転軸、回転軸とは同行回転するロータ、およびロータとは対向するステータを含み、操舵力を発生する電動モータと、
上記回転軸とは連結部材を介して同軸上に同行回転可能に連結された駆動部材、およびこの駆動部材によって駆動される従動部材を含む伝達機構と、
この伝達機構を収容する伝達機構ハウジングと、
この伝達機構ハウジングによって支持され、回転軸に相対的に近い駆動部材の第1の端部および回転軸から相対的に遠い第2の端部を、それぞれ、支持する第1および第2の軸受と、
駆動部材の第2の端部に近接して配置され、上記第1および第2の軸受に予圧を付与する予圧付与機構と、
電動モータの駆動を制御する制御装置とを備え、
この制御装置は、電動モータの回転軸の軸方向に関して、上記ロータと上記第1の軸受との間に配置されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1において、上記予圧付与機構は、伝達機構ハウジングに形成されたねじ部と、このねじ部に螺合するねじ部を有する予圧付与部材とを含み、
この予圧付与部材は、上記第2の軸受を押圧することにより駆動部材を介して上記第1の軸受に予圧を付与していることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1または2において、上記制御装置の少なくとも一部は、電動モータの回転軸の回りに配置されていることを特徴とする車両用操舵装置。
- 請求項1から3の何れ1項において、上記連結部材は、非金属の絶縁部材を含むことを特徴とする車両用操舵装置。
- 請求項1から4の何れか1項において、上記伝達機構ハウジングと電動モータのモータハウジングの少なくとも一部との間に、上記制御装置が収容された収容室が区画されており、
上記予圧付与機構は、収容室の外部に配置されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1から5の何れか1項において、上記電動モータのモータハウジングによって支持され、上記回転軸の駆動部材側の端部を回転可能に支持する第3の軸受を備え、
上記制御装置は、上記電動モータに電力を供給するパワー回路が実装されたパワー基板を含み、
このパワー基板は、上記回転軸の軸方向に関して、上記第3の軸受と上記ロータとの間に配置されるか、または、パワー基板および上記第3の軸受の互いの少なくとも一部が、上記回転軸の軸方向に関して重なる位置に配置されていることを特徴とする車両用操舵装置。
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