JP2009241329A - 多層ポリイミドフィルムの製法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多層ポリイミドフィルムの製法であって、製造途中でフィルム表層の厚みムラをシュリーレン法およびシャドーグラフ法から選択される方法により測定し、表層部分のポリイミド前駆体溶液の押出す量を均一になるよう制御することを行う、多層ポリイミドフィルムの製法。
【選択図】なし
Description
基材層/表層の2層、あるいは表層/基材層/表層の3層の構造を有する多層ポリイミドフィルムの製法に関するもので、安定した製品或いは生産性を向上させた多層ポリイミドフィルムの製法に関するものである。
製造されたフィルムの検査法として、特許文献1には、防眩フィルムなどの検査対象フィルムを照明光で照らし検査員がフィルムのムラなどを目視で観察する目視検査用観察装置を目的として、検査対象フィルムの目視検査用観察装置において、前記検査対象フィルムを曲面状態で支持する曲面支持手段と、曲面状態で支持された前記検査対象フィルムを照明する光源とを備えることを特徴とするフィルムの目視検査用観察装置が開示されている。
また特許文献2には、フィルムの評価方法およびその評価結果に基づくスリットフィルムの品質管理方法に関し、詳しくはフィルムに存在する欠陥の幅方向の位置を高精度でかつ簡便に特定できるフィルムの評価方法、およびその評価結果に基づいてスリットフィルムの品質を管理する方法を目的として、フィルムの欠陥を検出することにより前記フィルムを評価する方法において、(1)前記フィルムの一方の面側に光源を配置するとともに、他方の面側にCCDカメラを配置することにより、前記フィルムの欠陥検出部を形成し、(2)前記欠陥検出部にゲージを設置し、そのゲージラインを所定位置に固定したCCDカメラを用いて撮影し、前記ゲージラインとCCD素子との位置関係に係る情報を前記コンピュータに記録し、(3)前記ゲージを除去した後前記欠陥検出部にフィルムを走行させ、前記CCDカメラを用いて欠陥を撮影し、その情報を前記コンピュータに記録し、(4)前記コンピュータに記録した 前記ゲージラインと前記CCD素子との位置関係に係る情報および前記欠陥に係る情報に基づいて、前記欠陥のフィルム幅方向の位置を特定することを特徴とするフィルムの評価方法が開示されている。
基材層の片面あるいは両面に表層を積層する場合、様々な要因により表層に厚みムラが発生する場合がある。そのためポリイミドフィルムの表層の厚みムラを確認するため、一般的には得られたポリイミドフィルムの一部を切り取り、目視外観検査や接着性・ぬれ性などの表面特性を評価することで行われ、全面の塗工状況を確認することは非常に手間がかかりかつ生産性が低下するために困難である。さらに表層の厚みムラが発生すると、目的とする性能が得られにくいため、一部或いは全量廃棄することになり廃棄物が増える原因になる。
そのため表層の厚みムラ発生の抑制、表層の厚みムラの発生した製品の廃棄による産業廃棄物発生の抑制および無駄なエネルギー消費の抑制などを行う観点から、製造途中でフィルム表層の厚みムラの発生を早期に見つけこの見つけた結果を利用して多層ダイスから基材層と表層のポリイミド前駆体溶液を支持体へ押出す際に、表層部分のポリイミド前駆体溶液の押出す量を均一になるよう制御することで表層の厚みムラ発生の防止を目的とする多層ポリイミドフィルムの製法の提供を目的とする。
・工程(A)
(A−1)ポリイミド前駆体溶液を、基材層/表層の2層あるいは表層/基材層/表層の3層の多層ダイスより支持体に押出し薄膜状のフィルムを作製する工程、
(A−2)薄膜状のフィルムを加熱乾燥して支持体より剥離して自己支持性フィルムを作製する工程、
(A−3)自己支持性フィルムの表層の厚みムラをシュリーレン法およびシャドーグラフ法から選択される方法により測定する工程、
(A−4)自己支持性フィルムの表層の測定結果を利用して厚みムラの発生の有無を判断する工程、
(A−5)自己支持性フィルムの表層の厚みムラを測定後、加熱炉に入れて加熱イミド化を行う工程、
(A−6)加熱イミド化した多層ポリイミドフィルムをロール状に巻取る工程とを行う。
・工程(B)
(B−1)ポリイミド前駆体溶液を、基材層/表層の2層あるいは表層/基材層/表層の3層の多層ダイスより支持体に押出し薄膜状のフィルムを作製する工程、
(B−2)薄膜状のフィルムを加熱乾燥して支持体より剥離して自己支持性フィルムを作製する工程、
(B−3)自己支持性フィルムを加熱イミド化して多層ポリイミドフィルムを得る工程、
(B−4)シュリーレン法およびシャドーグラフ法から選択される方法により、加熱イミド化した多層ポリイミドフィルムの表層の厚みムラを測定する工程、
(B−5)加熱イミド化した多層ポリイミドフィルムの表層の測定結果を利用して厚みムラの発生の有無を判断する工程、
(B−6)多層ポリイミドフィルムをロール状に巻取り、ロール状の多層ポリイミドフィルムを得る工程とを行う。
多層ダイスから表層部分のポリイミド前駆体溶液を押出す量を制御することにより、表層の厚みムラ発生の抑制を行い、表層の厚みムラの発生した製品の廃棄による産業廃棄物発生の抑制および無駄なエネルギー消費の抑制などを行うことができる。
さらに、前記の結果を利用して多層ダイスから表層部分のポリイミド前駆体溶液を支持体に押出す量を均一に制御することで、表層の厚みムラ発生の抑制、表層の厚みムラの発生した製品の廃棄による産業廃棄物発生の抑制及び無駄なエネルギー消費の抑制などを行うことができる。
・工程A
(A−1)ポリイミド前駆体溶液を、基材層/表層の2層あるいは表層/基材層/表層の3層の多層ダイスより支持体に押出し薄膜状のフィルムを作製する工程、
(A−2)薄膜状のフィルムを加熱乾燥して支持体より剥離して自己支持性フィルムを作製する工程、
(A−3)自己支持性フィルムの片面あるいは両面の表層の厚みムラをシュリーレン法およびシャドーグラフ法から選択される方法により測定する工程、
(A−4)自己支持性フィルムの片面あるいは両面の表層の厚みムラの発生の有無を判断する工程、
(A−5)自己支持性フィルムの表層の厚みムラを測定後、加熱炉に入れて加熱イミド化を行う工程、
(A−6)加熱イミド化した多層ポリイミドフィルムをロール状に巻取る工程、である。
また前記(A−4)の工程で、自己支持性フィルムの片面あるいは両面の表層の厚みムラを測定した結果を利用して、前記(A−1)の工程で、多層ダイスから表層部分のポリイミド前駆体溶液を支持体に押出す押出し量が均一になるように片面あるいは両面の多層ダイスの複数の流路の一部又は全体の制御を行うことにより、表層の幅方向の全体の厚みが均一になるようにすることができる。
・工程B
(B−1)ポリイミド前駆体溶液を、基材層/表層の2層あるいは表層/基材層/表層の3層の多層ダイスより支持体に押出し薄膜状のフィルムを作製する工程、
(B−2)薄膜状のフィルムを加熱乾燥して支持体より剥離して自己支持性フィルムを作製する工程、
(B−3)自己支持性フィルムを加熱イミド化して多層ポリイミドフィルムを得る工程、
(B−4)シュリーレン法およびシャドーグラフ法から選択される方法により、加熱イミド化した多層ポリイミドフィルムの片面あるいは両面の表層の厚みムラを測定する工程、
(B−5)加熱イミド化した多層ポリイミドフィルムの片面あるいは両面の表層の厚みムラの発生の有無を判断する工程、
(B−6)多層ポリイミドフィルムをロール状に巻取り、ロール状の多層ポリイミドフィルムを得る工程、である。
また前記(B−5)の工程で、多層ポリイミドフィルムの片面あるいは両面の
表層の厚みムラを測定した結果を利用して、前記(B−1)の工程で、多層ダイスから表層部分のポリイミド前駆体溶液を支持体に押出す押出し量が均一になるように片面あるいは両面の多層ダイスの複数の流路の一部又は全体の制御を行うことにより、表層の幅方向の全体の厚みが均一になるようにすることができる。
本発明では、市販のシュリーレン可視化装置およびシャドーグラフ可視化装置を用いて、公知のシュリーレン法およびシャドーグラフ法により、フィルムの表面状態を測定することができる。尚、シュリーレン可視化装置の原理であるシュリーレン現象とは、透明物質中にある屈折率のわずかな変化を、受光部側で明暗の差として観察できる光学的現象のことである。シュリーレン可視化装置では、この現象を利用して、厚さや屈折率のわずかな違いをコントラストの違いとして可視化するため、従来の測定方法である、目視検査やCCDの画像解析などで見落とすようなポリイミドフィルムの厚みムラや、微細な傷を観測することができる。
(1)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物および1,4−ヒドロキノンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物より選ばれる成分を少なくとも1種含む酸成分、好ましくはこれらの酸成分を少なくとも70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む酸成分と、
(2)ジアミン成分としてp−フェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、m−トリジンおよび4,4’−ジアミノベンズアニリドより選ばれる成分を少なくとも1種含むジアミン、好ましくはこれらのジアミン成分を少なくとも70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むジアミン成分とから得られるポリイミドなどを用いることができる。
特に、基材層となるポリイミドを構成する酸成分とジアミン成分との組合せの一例としては、
1)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンあるいはp−フェニレンジアミンおよび4,4−ジアミノジフェニルエ−テル、
2)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物およびピロメリット酸二無水物と、p−フェニレンジアミンあるいはp−フェニレンジアミンおよび4,4−ジアミノジフェニルエ−テル、
3)ピロメリット酸二無水物と、p−フェニレンジアミンおよび4,4−ジアミノジフェニルエ−テル、
4)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとを主成分(合計100モル%中の50モル%以上)として得られるものが、プリント配線板、フレキシブルプリント基板、TABテープなどの電子部品の素材として用いられ、広い温度範囲にわたって優れた機械的特性を有し、長期耐熱性を有し、耐加水分解性に優れ、熱分解開始温度が高く、加熱収縮率と線膨張係数が小さい、難燃性に優れるために好ましい。
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス[(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、などの酸ニ無水物成分を用いることができる。
m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、などのジアミン成分を用いることができる。
表層となるポリイミドとしては、金属箔と熱融着(熱圧着)することができるポリイミドを用いることができ、好ましくは150℃〜400℃、さらに好ましくは200〜400℃、より好ましくは250〜400℃の温度で熱融着(熱圧着)できる熱可塑性ポリイミドなどのポリイミドを用いることができる。
表層となるポリイミドは、ガラス転移温度が好ましくは170〜320℃、より好ましくは180〜300℃、さらに好ましくは190〜280℃、特に好ましくは200〜275℃のものを用いることができる。
(1)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物及び1,4−ヒドロキノンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物などの酸ニ無水物より選ばれる成分を少なくとも1種含む酸成分、好ましくはこれらの酸成分を少なくとも70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む酸成分と、
(2)ジアミン成分としては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンなどのジアミンより選ばれる成分を少なくとも1種含むジアミン、好ましくはこれらのジアミン成分を少なくとも70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むジアミン成分とから得られるポリイミドなどを用いることができる。
(1)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の酸ニ無水物より選ばれる成分を少なくとも1種含む酸成分、好ましくはこれらの酸成分を少なくとも70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む酸成分と、
(2)ジアミン成分としては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンなどのジアミンより選ばれる成分を少なくとも1種含むジアミン、好ましくはこれらのジアミン成分を少なくとも70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むジアミン成分とから得られるポリイミドなどを用いることができる。
m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、などのジアミン成分を用いることができる。
ポリアミック酸の溶液の溶液粘度は、製造方法に応じて適宜選択すればよく、ポリアミック(ポリイミド前駆体)酸溶液は、30℃で測定した回転粘度が、約0.1〜5000ポイズ、特に0.5〜2000ポイズ、さらに好ましくは1〜2000ポイズ程度のものであることが、このポリアミック酸溶液を取り扱う作業性の面から好ましい。したがって、前記の重合反応は、生成するポリアミック酸が前記のような粘度を示す程度にまで実施することが望ましい。
自己支持性フィルムを加熱処理してポリイミドフィルムを得る。自己支持性フィルムの加熱処理としては、公知の方法を用いることが出来、例えば、連続的または断続的に自己支持性フィルムの少なくとも一対の両端縁を連続的または断続的に前記フィルムと共に移動可能な固定装置などで固定した状態で、前記の乾燥温度より高く、しかも好ましくは200〜550℃の範囲内、さらに好ましくは300〜500℃の範囲内、特に好ましくは320〜500℃の範囲内の高温度で、好ましくは1〜100分間、特に1〜10分間、前記自己支持性フィルムを乾燥および熱処理して、好ましくは最終的に得られるポリイミドフィルム中の有機溶媒および生成水などからなる揮発物の含有量が1重量%以下になるように、自己支持性フィルムから溶媒などを充分に除去するとともに前記フィルムを構成しているポリマーのイミド化を充分に行って、熱融着性を有する多層ポリイミドフィルムを形成する。
また、200℃以上の連続加熱処理においては、ピンテンタ、クリップ、枠などで、少なくとも長尺の自己支持性フィルムの長手方向に直角の方向の両端縁を固定して加熱処理を行うことが好ましい。特に薄い厚みのフィルムを製造する場合には、加熱処理時間は短くてもよい。
多層ダイスとしては、公知の多層ダイスを用いる事ができ、2層以上3層などのダイスを用いる事ができる。
ポリイミドのポリアミック酸の溶液は、さらにイミド化触媒、有機リン含有化合物、無機微粒子などを加えたものを用いることが出来る。
なお、前記の自己支持性フィルムの加熱減量とは、測定対象のフィルムを420℃で20分間乾燥し、乾燥前の重量W1と乾燥後の重量W2とから数式1に従って算出した値である。
片面あるいは両面金属箔積層樹脂フィルムは、カールが小さく、ファインピッチ回路を形成する基板材料として好適に用いることが出来る。
Claims (2)
- 自己支持性フィルムを加熱イミド化して、基材層の片面あるいは両面に表層を有する多層ポリイミドフィルムの製法であって、
下記工程(A)または工程(B)により製造されることを特徴とする多層ポリイミドフィルムの製法。
・工程(A)
(A−1)ポリイミド前駆体溶液を、基材層/表層の2層あるいは表層/基材層/表層の3層の多層ダイスより支持体に押出し薄膜状のフィルムを作製する工程、
(A−2)薄膜状のフィルムを加熱乾燥して支持体より剥離して自己支持性フィルムを作製する工程、
(A−3)自己支持性フィルムの表層の厚みムラをシュリーレン法およびシャドーグラフ法から選択される方法により測定する工程、
(A−4)自己支持性フィルムの表層の測定結果を利用して厚みムラの発生の有無を判断する工程、
(A−5)自己支持性フィルムの表層の厚みムラを測定後、加熱炉に入れて加熱イミド化を行う工程、
(A−6)加熱イミド化した多層ポリイミドフィルムをロール状に巻取る工程、である。
・工程(B)
(B−1)ポリイミド前駆体溶液を、基材層/表層の2層あるいは表層/基材層/表層の3層の多層ダイスより支持体に押出し薄膜状のフィルムを作製する工程、
(B−2)薄膜状のフィルムを加熱乾燥して支持体より剥離して自己支持性フィルムを作製する工程、
(B−3)自己支持性フィルムを加熱イミド化して多層ポリイミドフィルムを得る工程、
(B−4)シュリーレン法およびシャドーグラフ法から選択される方法により、加熱イミド化した多層ポリイミドフィルムの表層の厚みムラを測定する工程、
(B−5)加熱イミド化した多層ポリイミドフィルムの表層の測定結果を利用して厚みムラの発生の有無を判断する工程、
(B−6)多層ポリイミドフィルムをロール状に巻取り、ロール状の多層ポリイミドフィルムを得る工程、である。 - 多層ポリイミドフィルムの表層の厚みムラの測定結果を利用して、
多層ダイスから表層部分のポリイミド前駆体溶液の押出し量を均一になるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の多層ポリイミドフィルムの製法。
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