JP2009240567A - 高膨張泡消火設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒状に形成された発泡機本体3と、該発泡機本体3の先端3a側に設けられた発泡用網5と、前記発泡機本体3内部の後端3b側に設けられ、前記発泡用網5に向って泡水溶液wを放射する放射ノズル6と、を備えた高膨張泡消火設備であって、前記発泡用網5の長さL1が、前記発泡機本体の全長Lとほぼ同じ長さから前記全長Lの3分の2の長さ範囲である。
【選択図】図1
Description
前記発泡機本体の先端を、該発泡機本体の全長とほぼ同じ長さから該全長のほぼ3分の2の範囲内で延長したことを特徴とする。
その結果、発泡用網の長さ、又は、発泡機本体の長さ、を大きくして、放射ノズルと発泡用網との間隔を長くすることにより、泡水溶液の勢い(放射エネルギー)が落ち、発泡用網に衝突する際の流速が低下していることが分かった。
即ち、発泡用網を中心軸方向に伸ばして、放射ノズルから放射される泡水溶液が速度を落とした状態で該発泡用網に衝突するようにした。又は、発泡機本体の先端を伸ばして、放射ノズルから放射される泡水溶液が速度を落とした状態で該発泡用網に衝突するようにした。
本発明は、上記知見に基づいて完成したものである。
泡の放出区画である部屋(室)には、高膨張泡消火設備の発泡機1が設けられている。この発泡機1は、例えば、発泡倍率が500に設定されている。
部屋内で火災が発生すると、図示しない煙感知器が火災を検知し、制御盤に火災信号を送出する。そうすると、該制御盤は、高膨張泡消火設備を起動させるので、発泡機本体3内に室内空気、即ち、前記発泡機1が配設されている近傍の部屋の空気が吸引されるとともに、放射ノズル6から泡水溶液wが液滴となって放出される。
この実施例と第1実施例との相違点は、発泡用網5を、発泡機本体3の高さ方向に2つ(複数)設けたことである。また、ノズル6が接続される配管6aを発泡機本体3の外側に設けたことである。
この上下2つの発泡用網5は、互いに同一構造であり、その先端角度θは、30°、発泡用網5の長さL2は、597mm、幅Yは、1280mm、に形成されている。なお、発泡器本体3の長さL、高さHは、第1実施例と同じである。つまり、発泡用網5の長さL2は、発泡機本体3の全長Lのほぼ3分の2の長さとなっている。
この実施例と第2実施例(図3、図4)との相違点は、発泡用網5を、発泡機本体3の高さ方向に4つ(複数)設け、つまりノズル6一つに発泡用網5を二つ設けたことである。
この4つの発泡用網5は、互いに同一構造であり、その先端角度θは、15°、発泡用網5の長さL3は615mm、に形成され、発泡用網5の長さL3が、発泡機本体3の全長Lのほぼ3分の2の長さとなっている。
この実施例と第1実施例との相違点は、次の通りである。
(1)発泡機本体3の先端3aが長さL6延長され、延長部10の先端10aに発泡用網5が張設されていること。この延長部10の長さL6は、発泡機本体3の全長Lと同一長さに形成されている。この長さL6は、前記全長Lとほぼ同じ長さから該全長Lのほぼ3分の2の長さの範囲内(L×2/3≦L1≦L)で適宜選択される。この延長部10の長さは、ノズル6からの放射された泡水溶液wの放射エネルギーを低下させ、かつ煙状況下でも十分な発泡倍率を得ることができるような泡水溶液wの流速で、発泡用網5に泡水溶液wが当たるように調整されている。また、この延長部10のない、発泡機本体3の長さは、正常な空気下で、放射した泡が最適な発泡倍率を得ることができる長さとなっている。
(2)発泡用網5が、平板状に形成され、中心軸Cに対して直交方向に張設されていること。
この実施例と第1実施例との相違点は、発泡機本体3の先端を長さL7だけ伸ばし、延長部10を形成したことである。この延長部10の長さL7は、167mm、発泡用網5の長さL8は523mm、に形成されている。この延長部10を設けることで、泡水溶液wの発泡用網5に当たる流速をおとして、煙状況下での発泡倍率の低下を軽減させるようにしてある。
この実施例と第1実施例との相違点は、発泡用網5の面を凹凸状態にし、点線で示す三角柱状の発泡用網より、更に面積を増加し、接触面積を増やしたことである。
前述したように、放射された泡水溶液wの勢い(放射エネルギー)を奪うためには、発泡機本体3内の中間に中間痛感網(金網)を設けるようにしても良い。そこで、この実施例では、中間網について、どの位置に設ければ最適な効果が得られるかにつき説明する。
図10に示すように、全長100cmの発泡機本体3の先端部に発泡用網5を設け、該発泡機本体3の後端部側に、放射圧が0.5MPaの放射ノズル6を内蔵させると共に、中間網4の配設位置として、P−1、P0、P1、P2、P3を選択した。
前記位置P−1は、前記着地位置P0の上流側(放射ノズル6側)で、該着地位置P0から放射ノズル6側に20cm引っ込んだ位置である。
前記位置P3は、前記発泡機本体の先端の位置で、前記位置P0から60cm離れている。
(1)着地位置P0〜位置P1(液滴速度規制領域)
位置P0〜位置P1に中間網4を垂設すると、発泡倍率は、727〜750倍となった。これらの位置P0〜P1は最も発泡倍率が好適な位置である。
位置P−1に中間網4を配設すると、発泡倍率が686倍であった。このように、着地位置P0〜位置P1に中間網4を垂設したときと比べて発泡倍率が良くない理由として、次のことが考えられる。
中間網4を放射ノズル6に近接した位置に垂設すると、円錐状に放出された泡水溶液は、発泡機本体3の内壁に当たる前に、中間網4に当たる。つまり、泡水溶液は放射後すぐに中間網4に当たって、放射速度が低下してしまうので、十分に空気を取り込むことができない。
この位置で中間網に当たった泡水溶液は、その抵抗によって放射パターンの形状が、円錐の直径方向に小さくなり、発泡用網5の外側に当たる泡水溶液の量が減る。つまり、泡水溶液が発泡用網5に当たる量が不均一となり、当たる量が少ない部分から空気が抜け、当たる量が多い部分は発泡が追いつかず、それにより発泡倍率が低下する。
位置P2に中間網4を垂設すると、発泡倍率は、615倍となった。このように、着地位置P0〜位置P1に中間網4を垂設したときと比べて発泡倍率が良くない理由として、次のことが考えられる。
泡水溶液の放射速度が低下した状態で泡水溶液が中間網4に当たる。前記速度が低下している泡水溶液が中間網4に当たると、勢いがさらに抑制されてしまい、該中間網4を通り抜けることができない、又は、発泡用網5まで届かない泡水溶液がでてくる。そのため、一部の泡水溶液は発泡用網5に到達しないので、うまく発泡が行えなくなってしまう。
位置P3に中間網4を垂設すると、発泡倍率は、545倍であった。このように、着地位置P0〜位置P1に中間網4を垂設したときと比べて発泡倍率が低い理由として、位置P2のときと同様の理由以外に次のことが考えられる。
放射ノズル6と中間網4との間隔が長いため、中間網4に当たる泡水溶液の勢いは弱く、それに伴い、中間網4に当たった段階で泡が生じる可能性が高くなる。これは、泡水溶液の速度が速いと、そのままの液体の状態で中間網を通過するが、ある程度まで速度が低下すると、前記中間網を通過する際泡になる。
つまり、筒状に形成された発泡機本体と、該発泡機本体の先端側に設けられた発泡用網と、発泡機本体内部の後端側に設けられ、発泡用網に向って円錐状に広がる放射パターンで泡水溶液を放射する放射ノズルと、発泡用網と放射ノズルの間に設けられた中間網と、を備えた高膨張泡消火設備において;
中間網は、放射パターンの外周が発泡機本体の内壁に当たる着地位置から液滴が該中間網の網目を通過できる限界位置までの、液滴速度規制領域内に配置されていることを特徴とするものである。
このようにして、放射ノズルから放射された泡水溶液は、中間網を抵抗を受けながら通過して適切な発泡流速になり、その後前記発泡用網に衝突する。そのため、発泡倍率の低下を防止することができる。
発泡機本体3内は、中間網4により仕切られている。この中間網4は、該本体3内に垂設され、その上下にある取付部は、ビスにより内壁に固定されている。前記中間網4は、前記放射パターンWPの外周が発泡機本体3の内壁3fと当たる位置P0(着地位置)に設けられているが、この位置P0は、例えば、発泡機本体3の長手方向の中心から放射ノズル6側で、発泡機本体3の後端3bから40cm、離れている。
ε={A/(A+d)}2×100
前記火災監視区域内で火災が発生すると、図示しない火災感知器が該火災を検知し、制御盤に火災信号を送信する。そうすると、該制御盤は、前記高膨張泡消火設備を起動させるので、発泡機本体3内に室内空気、即ち、前記発泡機本体3が配設されている近傍の部屋の空気Kが吸引されるとともに、放射ノズル6から泡水溶液Wが液滴となりながら円錐状の放射パターンWPを描いて放射される。
このとき、放射ノズル6の放射角度は鈍角で放射されており、短い距離で中間網全体に泡水溶液を当てることができ、放射角度が鋭角なものと比べて、発泡機本体3の全長を短くすることができる。
以上のように、発泡用網5を放射ノズル6から離すことで、泡水溶液の発泡用網5にあたる流速を落としてもよいが、それに加えて中間網4を設けることで、泡水溶液の放射エネルギーを奪って流速を低下させるようにしてもよい。
3 発泡機本体
5 発泡用網
6 放射ノズル
10 延長部
L 発泡機本体の長さ
L1 発泡機用網の長さ
θ 発泡用網の先端角度
w 泡水溶液
Claims (5)
- 筒状に形成された発泡機本体と、該発泡機本体の先端側に設けられた発泡用網と、前記発泡機本体内部の後端側に設けられ、前記発泡用網に向って泡水溶液を放射する放射ノズルと、を備えた高膨張泡消火設備であって、
前記発泡用網の長さが、前記発泡機本体の全長とほぼ同じ長さから前記全長のほぼ3分の2の長さの範囲であることを特徴とする高膨張泡消火設備。 - 前記発泡用網を先端側に突出するように折り曲げて、その先端角度を、15°〜40°にしたことを特徴とする請求項1記載の高膨張泡消火設備。
- 前記発泡用網は、前記発泡機本体の高さ方向に少なくとも2つ設けられていることを特徴とする請求項2記載の高膨張泡消火設備。
- 筒状に形成された発泡機本体と、該発泡機本体の先端側に設けられた発泡用網と、前記発泡機本体内部の後端側に設けられ、前記発泡用網に向って泡水溶液を放射する放射ノズルと、を備えた高膨張泡消火設備であって、
前記発泡機本体の先端を、該発泡機本体の全長とほぼ同じ長さから該全長のほぼ3分の2の範囲内で延長したことを特徴とする高膨張泡消火設備。 - 前記発泡用網は、前記発泡機本体の中心軸に対して直交方向に張設されていることを特徴とする請求項4記載の高膨張泡消火設備。
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