JP2009238594A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池スタック内に積層されている各発電セルに対し、反応ガスを均一且つ確実に分配供給することを可能にする。
【解決手段】燃料電池システム10は、複数の発電セル60が積層される燃料電池スタック14と、前記燃料電池スタック14に燃料ガスを供給するためのエゼクタ50とを備え、前記燃料電池スタック14を構成するエンドプレート62bと前記エゼクタ50との連結部位には、整流部材120が配置される。整流部材120は、円筒状部材であり、この整流部材120の内周面に形成された各仕切り壁部130間には、複数の開口部132が形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の発電セルが積層される燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内に反応ガスを導入するとともに、前記燃料電池スタックから排出される使用済み反応ガスを前記燃料電池スタックに戻すエゼクタが設けられる反応ガス供給機構とを備える燃料電池システムに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜(電解質)の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)を、セパレータによって挟持した発電セルを備えている。この種の燃料電池は、通常、所定の数の発電セルを積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
ところで、燃料電池では、水素ガス等の燃料ガスがアノード側電極に供給されるとともに、発電に使用されない未反応の燃料ガスを含む燃料オフガスが、前記燃料電池から排出されている。従って、経済性を考慮し、燃料ガスの有効利用を図るため、燃料オフガスを、燃料ガスとしてアノード側電極に再度供給することが行われている。
例えば、特許文献1に開示されている燃料電池システムは、図15に示すように、水素供給装置1から燃料電池2(複数の発電セル2aの積層体)に水素を供給するための水素供給経路3と、前記燃料電池2から排出されるオフガスを前記水素供給経路3に合流させ、前記燃料電池2に再循環させるオフガス循環経路4と、オフガスを前記オフガス循環経路4に循環させるとともに、オフガスの循環量を制御可能であり、さらにオフガスを主供給水素に混合するエジェクタポンプ5と、前記エジェクタポンプ5の吐出圧を検出する圧力センサ6とを設けている。
特開2004−95528号公報
ところで、エジェクタポンプ5が燃料電池2の近傍に配置される際、前記エジェクタポンプ5から前記燃料電池2の水素供給連通孔内には、水素が高圧で吐出されるため、前記水素供給連通孔内に静圧分布が発生し易い。これにより、燃料電池2内では、特に水素入口側に位置する発電セル2aに対して水素が十分に供給されず、発電性能が低下するという問題がある。
本発明はこの種の要請に対応してなされたものであり、燃料電池スタック内に積層されている各発電セルに対し、反応ガスを均一且つ確実に分配供給することが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池システムは、複数の発電セルが積層されるとともに、積層方向に沿って少なくとも燃料ガス又は酸化剤ガスである反応ガスを供給する反応ガス供給連通孔が設けられる燃料電池スタックと、前記反応ガス供給連通孔に前記反応ガスを導入するとともに、前記燃料電池スタックから排出される使用済み反応ガスを前記反応ガス供給連通孔に戻すエゼクタが設けられる反応ガス供給機構とを備えている。
反応ガス供給機構は、エゼクタと反応ガス供給連通孔とを連通する連通部位に、反応ガスを整流するための整流部材を配置している。
また、整流部材は、燃料電池スタックの一方の端部に配設されるエンドプレートに設けられ、反応ガス供給連通孔に連通するマニホールド部と、エゼクタの反応ガス吐出部とを繋ぐ円筒状部材であることが好ましい。
さらに、整流部材を構成する壁面には、エゼクタと反応ガス供給連通孔とを連通する複数の開口部が設けられることが好ましい。
さらにまた、反応ガスは、燃料ガスであるとともに、反応ガス供給連通孔は、燃料ガス供給連通孔であることが好ましい。
本発明によれば、エゼクタから燃料電池スタックの反応ガス供給連通孔に反応ガスが吐出される際、前記エゼクタと前記反応ガス供給連通孔との連結部位に配置されている整流部材の作用下に、前記反応ガスが整流されている。
このため、反応ガスの流速が低下するとともに、反応ガス供給連通孔内での静圧分布が改善される。これにより、燃料電池スタック内に積層されている各発電セルに対し、反応ガスを均一且つ確実に分配供給することが可能になり、発電性能及び起動性が有効に向上する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システム10の概略構成図である。
燃料電池システム10は、図示しない燃料電池車両に搭載されており、燃料電池スタック14と、前記燃料電池スタック14に冷却媒体を供給するための冷却媒体供給機構16と、前記燃料電池スタック14に酸化剤ガス(反応ガス)を供給するための酸化剤ガス供給機構18と、前記燃料電池スタック14に燃料ガス(反応ガス)を供給するための燃料ガス供給機構(反応ガス供給機構)20とを備える。
冷却媒体供給機構16は、ラジエータ24を備える。このラジエータ24には、冷媒用ポンプ26を介して冷却媒体供給配管28と、冷却媒体排出配管30とが接続される。
酸化剤ガス供給機構18は、冷媒用ポンプ26に近接して配置される空気用ポンプ32を備える。この空気用ポンプ32に一端が接続される空気供給配管34は、加湿器36に他端が接続されるとともに、この加湿器36には、加湿空気供給配管38を介して燃料電池スタック14が接続される。燃料電池スタック14と加湿器36とには、使用済みの酸化剤ガス(以下、オフガスという)を加湿流体として供給するためのオフガス供給配管40が接続される。加湿器36では、オフガス供給配管40を介して供給されたオフガスの排出側に、背圧弁42が配設される。
燃料ガス供給機構20は、燃料ガスとして水素ガスが貯留される燃料ガスタンク44を備える。この燃料ガスタンク44には、燃料ガスパイプ45の一端が接続され、前記燃料ガスパイプ45は、遮断弁46、レギュレータ48及びエゼクタ50を介して燃料電池スタック14に接続される。
燃料電池スタック14には、使用済みの燃料ガスが排出される排出燃料ガス配管52が接続される。この排出燃料ガス配管52は、リターン配管54を介してエゼクタ50に接続されるとともに、一部がパージ弁56に連通する。
燃料電池スタック14は、複数の発電セル60が水平方向(図2中、矢印A方向)に積層されるとともに、積層方向の両端には、図示しないが、ターミナルプレート及び絶縁プレートを介して金属製エンドプレート62a、62bが配設される(図1参照)。燃料電池スタック14は、例えば、エンドプレート62a、62bを端板とするケーシング(図示せず)、又は前記エンドプレート62a、62b間を締結するタイロッド(図示せず)を備える。
ターミナルプレートに電力取り出し端子63a、63bが設けられており、エンドプレート62a、62bから積層方向外方に前記電力取り出し端子63a、63bが突出し、前記電力取り出し端子63a、63bは、図示しない走行用モータや補機類に接続される。
図2に示すように、各発電セル60は、電解質膜・電極構造体66と、前記電解質膜・電極構造体66を挟持する第1及び第2セパレータ68、70とを備えるとともに、縦長に構成される。なお、第1及び第2セパレータ68、70は、カーボンセパレータ又は金属セパレータで構成される。
発電セル60の長辺方向(矢印C方向)の一端縁部(上端縁部)には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔72a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔(反応ガス供給連通孔)76aが設けられる。
発電セル60の長辺方向の他端縁部(下端縁部)には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔72b及び燃料ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔76bが設けられる。
発電セル60の短辺方向(矢印B方向)の一端縁部には、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔74aが設けられるとともに、前記発電セル60の短辺方向の他端縁部には、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔74bが設けられる。冷却媒体供給連通孔74a及び冷却媒体排出連通孔74bは、縦長形状に設定される。
電解質膜・電極構造体66は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜78と、前記固体高分子電解質膜78を挟持するアノード側電極80及びカソード側電極82とを備える。
第1セパレータ68の電解質膜・電極構造体66に向かう面68aには、燃料ガス供給連通孔76aと燃料ガス排出連通孔76bとを連通する燃料ガス流路84が形成される。この燃料ガス流路84は、例えば、矢印C方向に延在する溝部により構成される。第1セパレータ68の面68aとは反対の面68bには、冷却媒体供給連通孔74aと冷却媒体排出連通孔74bとを連通する冷却媒体流路86が形成される。この冷却媒体流路86は、矢印B方向に延在する溝部により構成される。
第2セパレータ70の電解質膜・電極構造体66に向かう面70aには、例えば、矢印C方向に延在する溝部からなる酸化剤ガス流路88が設けられるとともに、この酸化剤ガス流路88は、酸化剤ガス供給連通孔72aと酸化剤ガス排出連通孔72bとに連通する。第2セパレータ70の面70aとは反対の面70bには、第1セパレータ68の面68bと重なり合って冷却媒体流路86が一体的に形成される。図示しないが、第1及び第2セパレータ68、70には、必要に応じてシール部材が設けられる。
図3に示すように、エンドプレート62bには、樹脂製マニホールド部材90が装着される。このマニホールド部材90は、燃料ガス供給連通孔76aに連通し、前記燃料ガス供給連通孔76aの形状に対応する非円形状筒部92aと、エンドプレート62bの外方に突出する円形状筒部92bとを一体に有する。
エゼクタ50は、本体部94と筒状部96とを備え、前記本体部94には、ノズル98及びディフューザ100が収容される。本体部94には、オフガス通路104が形成される。ノズル98は、燃料ガスパイプ45に連通する燃料ガス通路106を設け、この燃料ガス通路106は、前記ノズル98の先端に設けられる噴射口110からディフューザ100内に開放される。
オフガス通路104には、リターン配管54が連通するとともに、ディフューザ100の外周に形成される孔部112を介して吸引室114に連通する。吸引室114は、先端側に向かって縮径した後、流れ方向下流に向かって連続的に拡径する吐出通路116に連通する。
筒状部96の先端と、マニホールド部材90の円形状筒部92bとを連結する連結部位には、整流部材120が配置される。図3及び図4に示すように、整流部材120は、円筒状部材であり、大径部122と小径部124とを一体的に有する。
大径部122及び小径部124には、それぞれ周溝126a、126bが形成される。大径部122は、周溝126aにOリング128aを配設してエゼクタ50の筒状部96に嵌合する一方、小径部124は、周溝126bにOリング128bを配設してマニホールド部材90の円形状筒部92bに嵌合する。
整流部材120の内周面には、円板状壁面を切り欠くことにより、互いに90°の角度をなす仕切り壁部130が形成されるとともに、各仕切り壁部130間には、扇形状の4つの開口部132が形成される。
このように構成される燃料電池システム10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、酸化剤ガス供給機構18を構成する空気用ポンプ32が駆動され、酸化剤ガスである外部空気が吸引されて空気供給配管34に導入される。この空気は、空気供給配管34から加湿器36内に導入され、加湿空気供給配管38に供給される。
その際、オフガス供給配管40には、後述するように、反応に使用された酸化剤ガスであるオフガスが供給されている。このため、使用前の空気には、オフガス中に含まれる水分が移動し、この使用前の空気が加湿される。加湿された空気は、加湿空気供給配管38からエンドプレート62bを通って燃料電池スタック14内の酸化剤ガス供給連通孔72aに供給される。
一方、燃料ガス供給機構20では、遮断弁46の開放作用下に、燃料ガスタンク44内の燃料ガス(水素ガス)がレギュレータ48で降圧された後、エゼクタ50からエンドプレート62bを通って燃料電池スタック14内の燃料ガス供給連通孔76aに導入される。
さらに、冷却媒体供給機構16では、冷媒用ポンプ26の作用下に、冷却媒体供給配管28からエンドプレート62aを通って燃料電池スタック14内の冷却媒体供給連通孔74aに冷却媒体が導入される。
図2に示すように、燃料電池スタック14内の各発電セル60に供給された空気は、酸化剤ガス供給連通孔72aから第2セパレータ70の酸化剤ガス流路88に導入され、電解質膜・電極構造体66のカソード側電極82に沿って移動する。一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔76aから第1セパレータ68の燃料ガス流路84に導入され、電解質膜・電極構造体66のアノード側電極80に沿って移動する。
従って、各電解質膜・電極構造体66では、カソード側電極82に供給される空気中の酸素と、アノード側電極80に供給される燃料ガス(水素)とが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
次いで、カソード側電極82に供給されて消費された空気は、酸化剤ガス排出連通孔72bに沿って流動した後、オフガスとしてエンドプレート62bからオフガス供給配管40に排出される(図1参照)。
同様に、アノード側電極80に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔76bに排出されて流動し、排出燃料ガスとしてエンドプレート62bから排出燃料ガス配管52に排出される(図1参照)。排出燃料ガス配管52に排出された排出燃料ガスは、一部がリターン配管54を通ってエゼクタ50の吸引作用下に新たな燃料ガスに混在し、燃料電池スタック14内に供給される。残余の排出燃料ガスは、パージ弁56の開放作用下に排出される。
また、冷却媒体は、図2に示すように、冷却媒体供給連通孔74aから第1及び第2セパレータ68、70間の冷却媒体流路86に導入された後、矢印B方向に沿って流動する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体66を冷却した後、冷却媒体排出連通孔74bを移動してエンドプレート62aから冷却媒体排出配管30に排出される。この冷却媒体は、図1に示すように、ラジエータ24により冷却された後、冷媒用ポンプ26の作用下に冷却媒体供給配管28から燃料電池スタック14に供給される。
この場合、第1の実施形態では、図3に示すように、燃料ガスパイプ45からノズル98の燃料ガス通路106に供給される燃料ガスは、前記ノズル98の先端に設けられている噴射口110からディフューザ100に噴射される。このため、吸引室114に負圧が発生し、リターン配管54からオフガス通路104を介してこの吸引室114に排出燃料ガスが吸引される。
従って、ノズル98から噴射された燃料ガスに排出燃料ガスが混合され、この混合された燃料ガスは、ディフューザ100の吐出通路116から燃料ガス供給連通孔76aに向かって吐出される。
その際、エゼクタ50とエンドプレート62bとの間には、整流部材120が配置されている。この整流部材120は、吐出通路116と燃料ガス供給連通孔76aとの間に、仕切り壁部130を介して、複数、例えば4つの開口部132を設けている。このため、吐出通路116から吐出される燃料ガスは、4つの開口部132を通過することにより整流された後、燃料ガス供給連通孔76aに供給される。
これにより、比較的高速で吐出通路116から吐出される燃料ガスは、整流部材120の整流作用下に流速が低下し、燃料ガス供給連通孔76a内での静圧分布が改善される。このため、燃料電池スタック14を構成する複数の発電セル60に対し、燃料ガスを均一且つ確実に分配供給することが可能になり、発電性能及び起動性を有効に向上させることができるという効果が得られる。
特に、燃料ガスが最も入り難いエゼクタ50側の端部発電セル60に対して、前記燃料ガスを確実に分配供給することが可能になる。
しかも、エゼクタ50からエンドプレート62bに吐出される燃料ガスの流速が低下されるため、前記エゼクタ50と燃料電池スタック14とを一体に配置させることができる。
なお、第1の実施形態では、反応ガスとして燃料電池スタック14に循環して供給される燃料ガスを用いて説明したが、これに限定されるものではなく、前記反応ガスとして酸化剤ガスを前記燃料電池スタック14に循環供給する場合にも適用可能である。特に、酸化剤ガスとして純酸素が使用される際には、好適である。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システム140の要部断面説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池システム10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3〜第7の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池システム140は、エンドプレート62bとエゼクタ50との連結部位に配置される整流部材142を備える。この整流部材142は、円筒状部材であり、その小径部124側の端部には、円板状の壁面144が設けられるとともに、この壁面144には、複数の孔部(開口部)146が形成される(図5及び図6参照)。
このように構成される第2の実施形態では、ディフューザ100から吐出される燃料ガスは、整流部材142の壁面144に当接するとともに、複数の孔部146を通って燃料ガス供給連通孔76aに供給される。このため、燃料ガスは、整流部材142により整流されて流速が低下し、燃料ガス供給連通孔76a内での静圧分布が有効に低減される。
従って、第2の実施形態は、各発電セル60に対して燃料ガスを均一且つ確実に供給することができる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池システム150の要部断面説明図である。
燃料電池システム150は、エンドプレート62bとエゼクタ50との連結部位に配置される整流部材152を備える。この整流部材152は、円筒状部材であり、小径部124側の端部に円板状の壁面154が設けられるとともに、前記壁面154には、燃料ガス流れ方向から一方に傾斜する複数の傾斜孔部(開口部)156が設けられる(図7及び図8参照)。傾斜孔部156は、燃料ガス供給連通孔76aに向かって傾斜している。
このように構成される第3の実施形態では、特に、燃料ガス供給連通孔76aの断面形状が非円形状(異形状)に設定される際に、複数の傾斜孔部156を前記燃料ガス供給連通孔76aの形状に対応して傾斜させている。このため、整流部材152により整流された燃料ガスを、燃料ガス供給連通孔76aに向かって一層確実且つ円滑に供給することが可能になるという効果が得られる。
図9は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池システム160の要部断面説明図である。
燃料電池システム160は、エンドプレート62bとエゼクタ50との連結部位に配置される整流部材162を備える。整流部材162は、円筒状部材であり、小径部124側の端部に円板状の壁面164を設けるとともに、前記壁面164には、旋回流形成用の複数の孔部(開口部)166がそれぞれ所定の方向に傾斜して形成される(図9及び図10参照)。
従って、このように構成される第4の実施形態では、ディフューザ100から整流部材162に吐出される燃料ガスは、複数の孔部166を通過することにより旋回流を形成し、燃料ガス供給連通孔76aに供給される。このため、燃料ガス供給連通孔76aでは、燃料ガスが旋回しながら積層方向に移動し、静圧分布の低減を図るとともに、各発電セル60に対して燃料ガスを均一且つ確実に供給することが可能になる。
図11は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池システム170の要部断面説明図である。
燃料電池システム170は、エンドプレート62bとエゼクタ50との連結部位に配置される整流部材172を備える。整流部材172は、円筒状部材であり、小径部124の先端部に、さらに縮径する有底円筒形状の円筒部174が一体に設けられる。円筒部174は、燃料ガス供給連通孔76a内に突出しており、この円筒部174の先端縁部外周壁面には、複数の長孔(開口部)176が形成される(図11及び図12参照)。
このように構成される第5の実施形態では、小径部124から円筒部174が膨出形成されており、この円筒部174に形成された複数の長孔176は、燃料ガス供給連通孔76a内に配置されている。従って、ディフューザ100から吐出された燃料ガスは、整流部材172により整流されるとともに、複数の長孔176から燃料ガス供給連通孔76aに直接供給される。これにより、燃料ガス供給連通孔76a内での静圧分布を有効に低減させることができ、各発電セル60への燃料ガスの分配を均一に行うことが可能になるという効果が得られる。
図13は、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池システムを構成する整流部材180の斜視説明図である。
この整流部材180は、円筒状部材であり、小径部124の先端部に有底円筒形状の円筒部182が一体的に設けられる。円筒部182の先端縁部外周壁面には、複数の丸孔(開口部)184が形成される。
図14は、本発明の第7の実施形態に係る燃料電池システムを構成する整流部材190の斜視説明図である。
整流部材190は、円筒状部材であり、小径部124の先端に円筒部192を設ける。円筒部192の先端には、円錐部194が設けられるとともに、この円錐部194の外周縁部壁面には、台形孔(開口部)196が複数形成される。
このように、第6及び第7の実施形態では、第5の実施形態と同様に、燃料ガス供給連通孔76aに対応して複数の丸孔184や複数の台形孔196が配置されている。このため、整流された燃料ガスを燃料ガス供給連通孔76aに良好に供給することができる等、上記の第5の実施形態と同様の効果が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 前記燃料電池スタックを構成する発電セルの分解斜視説明図である。 前記燃料電池システムの要部断面説明図である。 前記燃料電池システムを構成する整流部材の斜視説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システムの要部断面説明図である。 前記燃料電池システムを構成する整流部材の斜視説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池システムの要部断面説明図である。 前記燃料電池システムを構成する整流部材の斜視説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池システムの要部断面説明図である。 前記燃料電池システムを構成する整流部材の斜視説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池システムの要部断面説明図である。 前記燃料電池システムを構成する整流部材の斜視説明図である。 本発明の第6の実施形態に係る燃料電池システムを構成する整流部材の斜視説明図である。 本発明の第7の実施形態に係る燃料電池システムを構成する整流部材の斜視説明図である。 特許文献1に開示されている燃料電池システムの説明図である。
符号の説明
10、140、150、160、170…燃料電池システム
14…燃料電池スタック 16…冷却媒体供給機構
18…酸化剤ガス供給機構 20…燃料ガス供給機構
28…冷却媒体供給配管 30…冷却媒体排出配管
34…空気供給配管 38…加湿空気供給配管
40…オフガス供給配管 44…燃料ガスタンク
45…燃料ガスパイプ 50…エゼクタ
52…排出燃料ガス配管 54…リターン配管
60…発電セル 62a、62b…エンドプレート
66…電解質膜・電極構造体 68、70…セパレータ
72a…酸化剤ガス供給連通孔 72b…酸化剤ガス排出連通孔
74a…冷却媒体供給連通孔 74b…冷却媒体排出連通孔
76a…燃料ガス供給連通孔 76b…燃料ガス排出連通孔
78…固体高分子電解質膜 80…アノード側電極
82…カソード側電極 84…燃料ガス流路
86…冷却媒体流路 88…酸化剤ガス流路
90…マニホールド部材 94…本体部
96…筒状部 98…ノズル
100…ディフューザ 104…オフガス通路
106…燃料ガス通路 110…噴射口
112、146、166…孔部 114…吸引室
116…吐出通路
120、142、152、162、172、180、190…整流部材
122…大径部 124…小径部
130…仕切り壁部 132…開口部
144、154、164…壁面
156…傾斜孔部 174、182、192…円筒部
176…長孔 184…丸孔
194…円錐部 196…台形孔

Claims (4)

  1. 複数の発電セルが積層されるとともに、積層方向に沿って少なくとも燃料ガス又は酸化剤ガスである反応ガスを供給する反応ガス供給連通孔が設けられる燃料電池スタックと、
    前記反応ガス供給連通孔に前記反応ガスを導入するとともに、前記燃料電池スタックから排出される使用済み反応ガスを前記反応ガス供給連通孔に戻すエゼクタが設けられる反応ガス供給機構と、
    を備え、
    前記反応ガス供給機構は、前記エゼクタと前記反応ガス供給連通孔とを連通する連結部位に、前記反応ガスを整流するための整流部材を配置することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前記整流部材は、前記燃料電池スタックの一方の端部に配設されるエンドプレートに設けられ、前記反応ガス供給連通孔に連通するマニホールド部と、前記エゼクタの反応ガス吐出部とを繋ぐ円筒状部材であることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1又は2記載の燃料電池システムにおいて、前記整流部材を構成する壁面には、前記エゼクタと前記反応ガス供給連通孔とを連通する複数の開口部が設けられることを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記反応ガスは、燃料ガスであるとともに、
    前記反応ガス供給連通孔は、燃料ガス供給連通孔であることを特徴とする燃料電池システム。
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