JP2009238563A - 過電圧保護部品、これを用いた電気回路および過電圧保護方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、過電圧保護部品の放電電極を形成する材料を効果的に使用して、過電圧保護部品として高い特性を有しつつ、放電電極の材料の使用量を少なくすることができることを目的としている。
【解決手段】本発明の過電圧保護部品は、基体1の内部に形成された放電部4を介して互いに対向する第1の放電電極2と第2の放電電極3を設け、それぞれの対向面において放電部4と接する領域である、第1の有効電極部5と第2の有効電極部6において、第1の有効電極部5の面積を第2の有効電極部6の面積よりも大きくしたものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の過電圧保護部品は、基体1の内部に形成された放電部4を介して互いに対向する第1の放電電極2と第2の放電電極3を設け、それぞれの対向面において放電部4と接する領域である、第1の有効電極部5と第2の有効電極部6において、第1の有効電極部5の面積を第2の有効電極部6の面積よりも大きくしたものである。
【選択図】図1
Description
本発明は電子機器を静電気やサージ等から保護する過電圧保護部品、これを用いた電気回路および過電圧保護方法に関するものである。
近年、電子機器の小型化、高性能化が急速に進み、それに伴い電子機器に用いられる電子部品の小型化も急速に進んでいる。しかしながら、その反面、この小型化に伴って電子機器や電子部品の静電気やサージ等の過電圧に対する耐性は低下しており、その対策としてギャップ型の過電圧保護部品等の部品を使用している。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平1−102884号公報
近年、資源の有効活用が重要視され、また低コスト化を要求されている状況下、放電電極を形成する材料の使用量を削減することは、資源の有効活用の点からも、低コスト化の点からも好ましい。しかし、放電電極を形成する材料の使用量の削減は、放電電極の面積の減少を招く。放電電極の内の放電を行う部分の面積を減少させることは、過電圧保護部品の最大印加電圧や、繰り返し耐圧等の特性を低下させてしまうため、この点からの制約があった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、過電圧保護部品の放電電極を形成する材料を効果的に使用して、過電圧保護部品として高い特性を有しつつ、放電電極の材料の使用量を少なくすることができることを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
請求項1に記載の発明は、基体と、この基体の内部に形成された放電部と、前記基体の内部に前記放電部と少なくとも一部が接するように設けられた第1の放電電極と、前記基体の内部に前記放電部と少なくとも一部が接するように、かつ前記放電部を介して少なくとも一部が前記第1の放電電極と対向するように設けられた第2の放電電極と、前記第2の放電電極と対向している前記第1の放電電極の面内の領域であって、前記放電部と接している第1の有効電極部と、前記第1の放電電極と対向している前記第2の放電電極の面内の領域であって、前記放電部と接している第2の有効電極部と、前記基体の外部に形成された第1の端子および第2の端子とを備え、前記第1の放電電極は前記第1の端子と電気的に接続され、前記第2の放電電極は前記第2の端子と電気的に接続され、前記第1の有効電極部の面積が前記第2の有効電極部の面積よりも大きいものである。
この構成によれば、前記第1の有効電極部の面積を前記第2の有効電極部の面積よりも大きい構成にすることによって高い特性を有しつつ、第2の放電電極に使用される材料の使用量を削減することができるという作用効果を有するものである。
この作用効果について、以下、補足的に説明をする。発明者らは、従来技術のように2つの放電電極の有効電極部の面積が等しい過電圧保護部品を用い、この過電圧保護部品が破壊するまで印加電圧を上げて実験するなどの各種実験や研究の結果、損傷する放電電極は、プラスの過電圧が印加される側の放電電極であることを見出した。この理由は、グランド側の放電電極は電子を放出するのでダメージが少ないが、プラス側の放電電極には、電子や、電子を取り込みマイナスに帯電した分子が衝突するためにダメージが大きく、放電電極に衝突する単位面積あたりの電子が許容数を超えることで放電電極が破損したものと考えられる。
これより、プラス側の放電電極の有効電極部の面積を確保しておけば、グランド側の放電電極の有効電極部の面積を小さくしても、放電電極に損傷が生じることを防止しつつ放電電極に用いる材料を少なくすることができると考えられ、請求項1に記載の発明は、これを利用したものである。
請求項2に記載の発明は、特に、第1の有効電極部の面積が第2の有効電極部の面積の5倍以上であるもので、この構成によれば、第2の放電電極に使用する放電電極材料をより効果的に使用することができるという作用効果を有するものである。
請求項3に記載の発明は、特に、第1の放電電極の厚みが第2の放電電極の厚みよりも厚いもので、この構成によれば、放電によりダメージを受け易い第1の放電電極の厚みを厚くし、第2の放電電極の厚みを薄くすることで、放電による放電電極の損傷を防止するとともに、放電電極に使用する材料を効率的に使用することにより高い特性を有しつつ、材料の削減が可能になるという作用効果を有するものである。
請求項4に記載の発明は、特に、第1の端子と第2の端子の判別を行うためのマークが形成されたもので、この構成によれば、いずれの端子が第1の端子および第2の端子であるかの判別が可能になるという作用効果を有するものである。
請求項5に記載の発明は、特に、被保護部品が接続される信号側電極と、グランド側電極とを備えた電気回路において、請求項1記載の過電圧保護部品の第1の放電電極が前記信号側電極に電気的に接続され、第2の放電電極が前記グランド側電極に電気的に接続されたものである。
この構成によれば、被保護部品と接続される側の第1の有効電極部の面積を第2の有効電極部の面積よりも大きい構成にすることによって、高い特性を有しつつ、第2の放電電極に使用される材料の使用量を削減することができるという作用効果を有するものである。
請求項6に記載の発明は、特に、請求項1記載の過電圧保護部品の第1の放電電極に静電気を印加することにより、前記第1の放電電極と第2の放電電極との間に電荷を移動させるものである。
この方法によれば、静電気が印加される側の第1の有効電極部の面積を第2の有効電極部の面積よりも大きい構成にすることによって高い特性を有しつつ、第2の放電電極に使用される材料の使用量を削減することができるという作用効果を有するものである。
以上のように本発明の過電圧保護部品、これを用いた電気回路および過電圧保護方法は、第1の有効電極部の面積が第2の有効電極部の面積よりも大きいものであり、それによって過電圧保護部品の放電電極を形成する材料の使用量を削減しつつ、過電圧保護部品としての高い特性を備えるという優れた効果を有するものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の請求項1〜2、および請求項4〜6に記載の発明について説明する。
以下、実施の形態1を用いて、本発明の請求項1〜2、および請求項4〜6に記載の発明について説明する。
図1は本発明の実施の形態1における過電圧保護部品の正面断面図、図2は同過電圧保護部品の上面方向からの平面断面図、図3は同過電圧保護部品の底面方向からの平面断面図、図4は同過電圧保護部品の右側面断面図、図5は同過電圧保護部品の平面図である。
基体1は絶縁体からなり、略直方体の形状を有する。基体1は内部で放電が生じても損傷がないことが求められ、耐熱、対熱衝撃に優れたセラミックなどを材料とすることが好ましい。第1の放電電極2は基体1の内部に設けられた電極である。第1の放電電極2には放電が生じるため、耐熱性に優れた材質で形成するのが好ましく、例えばタングステンを用いるのがよい。第2の放電電極3も、第1の放電電極2と同様に基体1の内部に設けられた電極であり、耐熱性に優れた材質で形成するのが好ましく、例えばタングステンを用いるのがよい。
放電部4は基体1の内部に形成されており、通常の使用状態では絶縁体とみなすことができるものであるが、過電圧が印加された場合に放電することにより導通するものである。放電部4は、本実施の形態においては空洞の構造にしている。この放電部4は第1の放電電極2の少なくとも一部と接しており、同様に第2の放電電極3の少なくとも一部とも接している。そして、この放電部4を介して、第1の放電電極2の少なくとも一部と第2の放電電極3の少なくとも一部とが互いに対向している。
第1の有効電極部5は、第1の放電電極2の表面の一部の領域であり、第1の放電電極2において第2の放電電極3と対向している面で放電部4と接している領域が該当する。具体的には、第1の放電電極2において第2の放電電極3と対向している面は図1の第1の放電電極2の下面であり、そしてこの下面で放電部4と接している領域は、図1の符号5を付した破線で囲んだ部分であり、この領域が第1の有効電極部5である。
同様に第2の有効電極部6は、第2の放電電極3の表面の一部の領域であり、第2の放電電極3において第1の放電電極2と対向している面で放電部4と接している領域が該当する。具体的には、第2の放電電極3において第1の放電電極2と対向している面は図1の第2の放電電極3の上面であり、そしてこの上面で放電部4と接している領域は、図1の符号6を付した破線で囲んだ部分であり、この領域が第2の有効電極部6である。
そして、第1の有効電極部5の面積は、第2の有効電極部6の面積よりも大きくなるように形成している。好ましくは、第1の有効電極部5の面積が第2の有効電極部6の面積の5倍以上にすることである。
第1の端子7および第2の端子8は、ともに基体1に設けられた導体からなる端子である。第1の端子7および第2の端子8の材質は導電性に優れた銅を主成分とするものなどを用いることができる。また、第1の端子7および第2の端子8は一層からなるものではなく、銅の層の表面にニッケルめっき層を形成し、さらに半田めっき層または錫めっき層を形成する構成にすることができる。
ビア導体9は、第1の放電電極2と物理的に接続しており、引出導体10はこのビア導体9と第1の端子7に物理的に接続している。これらのビア導体9および引出導体10を介して第1の放電電極2は第1の端子7と電気的に接続している。
同様にビア導体11は、第2の放電電極3と物理的に接続しており、引出導体12はこのビア導体11と第2の端子8に物理的に接続しており、これらのビア導体11および引出導体12を介して第2の放電電極3は第2の端子8と電気的に接続している。
ビア導体9、引出導体10、ビア導体11および引出導体12はいずれも良導体が好ましく、たとえば銅を主成分とする導体で形成することができる。ただし、第1の放電電極2および第2の放電電極3を印刷工法によりタングステンで形成する場合には、タングステンを焼成する温度が高いことを考慮して、ビア導体9、引出導体10、ビア導体11および引出導体12には、タングステンと銅の組合せや、タングステンとニッケルの組み合わせなどを使用することが好ましい。
マーク13は基体1に形成されたマークであり、いずれの端子が第1の端子7あるいは第2の端子8であるかを示すものである。本実施の形態においては、第1の端子7に近い方にマーク13を形成しているが、第2の端子8に近い方にマーク13を形成する構成にしてもよい。
以上の構成を備えた本実施の形態における過電圧保護部品の製造方法について、図面を用いて以下に説明する。
図6は同過電圧保護部品の分解斜視図である。但し、第1の端子7および第2の端子8は省略している。図7〜図10は、いずれも本発明の実施の形態1における過電圧保護部品の製造工程の説明図であり、図7(a)は絶縁シート供給工程の説明図、図7(b)は引出電極形成工程の説明図、図7(c)はビア導体形成工程の説明図、図8(a)は第2の放電電極形成工程の説明図、図8(b)は放電空間工程の説明図、図8(c)は放電部形成工程の説明図、図9(a)は第1の放電電極形成工程の説明図、図9(b)はビア導体形成工程の説明図、図9(c)は引出電極形成工程の説明図、図10(a)はマーク形成工程の説明図、図10(b)はバレル研磨工程の説明図、図10(c)は端子形成工程の説明図である。
図7(a)に示す絶縁シート供給工程では、未焼成のセラミックシートである絶縁シート14を供給する。
図7(b)に示す引出電極形成工程では、絶縁シート14上に引出導体12を形成する。この引出導体12は、例えば導電性に優れたペースト状の物質を印刷することで得られる。なお、印刷で形成する場合には、通常、焼成が必要となるが、この焼成は、他の印刷や塗布によって形成された構成要素と同時に、後に焼成するようにすると、工程の合理化を図ることができる。
図7(c)に示すビア導体形成工程では、予め略中央に貫通孔が形成された未焼成のセラミックシートである絶縁シート15の貫通孔にビア導体11となる導電性のペーストが塗布されたものを絶縁シート14および引出導体12の上面に積層する。
図8(a)に示す第2の放電電極形成工程では、絶縁シート15の上面の一部およびビア導体11の上面に、第2の放電電極3を形成する。この形成法は、ペースト状の物質を用いて印刷によって行うこともできるし、めっき工法によりあらかじめ第2の放電電極3の形状に導体を形成し、これを絶縁シート15の上面の一部およびビア導体11の上面に転写させることでもできる。このとき、第2の放電電極3が、ビア導体11と物理的に接触するように形成する。また、第2の放電電極3は、耐熱性に優れた物質で形成することが好ましく、その好例としては、タングステンが挙げられる。
図8(b)に示す放電空間工程では、中央部に長方形の開口部を有する絶縁シート16を絶縁シート15の上面に積層する。この絶縁シート16は、絶縁体からなる長方形のシートの中央部に開口部を形成して得ることができるし、中央部に開口部が形成されたシート形状になるように絶縁材料を印刷して得ることもできる。
図8(c)に示す放電部形成工程では、絶縁シート16の開口部に放電部形成剤17を印刷により充填する。本実施の形態における過電圧保護部品の場合、放電部4は空洞であるので、放電部形成剤17としてアクリル樹脂を用いている。このアクリル樹脂は後の焼成工程において蒸発するため放電部4としての空洞を容易に形成することができる。アクリル樹脂としては、アクリルビーズを用いることが空洞部を形成する上で好ましい。
図9(a)に示す第1の放電電極形成工程では、放電部形成剤17の上面の一部に第1の放電電極2を形成する。この形成法は、第2の放電電極3を形成するときと同様に、ペースト状の物質を用いて印刷によって行うこともできるし、めっき工法により形成した導体を転写させることでもできる。第1の放電電極2は、耐熱性に優れた物質で形成することが好ましく、例えば、タングステンを用いることができる。
図9(b)に示すビア導体形成工程では、予め略中央に貫通孔が形成された未焼成のセラミックシートである絶縁シート18の貫通孔に、ビア導体9となる導電性のペーストを塗布しておき、この絶縁シート18を絶縁シート16、放電部形成剤17および第1の放電電極2の上面に積層する。このとき、ビア導体9と第1の放電電極2とが物理的に接触するように形成する。
図9(c)に示す引出電極形成工程では、絶縁シート18の上面の一部およびビア導体9の上面に引出導体10を形成する。この引出導体10も、引出導体12と同様に、例えば導電性に優れたペースト状の物質を印刷することで得られる。また、引出導体10はビア導体9と物理的に接触するように形成する。
図10(a)に示すマーク形成工程では、未焼成のセラミックシートである絶縁シート19の上面に、過電圧保護部品の方向性、即ちいずれの端子が第1の端子7であるかを識別することができるようなマーク13を形成しておき、この絶縁シート19を引出導体10および絶縁シート18の上面に積層する。このマーク13は印刷して形成することもできるし、絶縁シート19の表面に凹凸をつけることで形成することもできる。
このマーク形成工程の後に、焼成工程を行う。この焼成工程により、未焼成のセラミックシートである絶縁シート14、15、16、18および19が一体的に固まり基体1になる。また、基体1内で導電性ペーストなどを用いて印刷または塗布により形成した導体も、この焼成工程で硬化する。
図10(b)に示すバレル研磨工程では、基体1の頂点を丸めてR形状にするものである。
図10(c)に示す端子形成工程では、導電性ペーストを基体1の互いに対向する端面にそれぞれ塗布し、焼成後に電解めっきにより、ニッケルめっき層、さらにスズめっき層を形成して、第1の端子7および第2の端子8を形成する。このとき、第1の端子7は引出導体10と、第2の端子8は引出導体12とそれぞれ物理的に接触するように形成する。
以上、過電圧保護部品の製造方法について簡単に説明したが、上記の製造方法に限られず、様々な方法をとることができる。
例えば、一つ一つの過電圧保護部品毎に絶縁シート等を積層するのではなく、一つの大きな絶縁シートから複数の過電圧保護部品を製造するようにすることもできる。この場合は、マーク形成工程までは大きな絶縁シートを用い、マーク形成工程後に個片に分割すればよい。
以上のように構成され、製造された過電圧保護部品の使用方法および動作について、以下に説明をする。
過電圧保護部品は、被保護部品(図示せず)が接続されている信号線(図示せず)とグランド線(図示せず)との間に接続させて使用される。本実施の形態における過電圧保護部品においては、第1の端子7を信号側の電極に接続し、第2の端子8の端子をグランド側の電極になるように接続して使用することができる。通常の使用状態においては、放電部4が絶縁体として機能するので、第1の端子7と第2の端子8間に電気は流れない。しかし、信号線に過電圧が印加されると第1の放電電極2と第2の放電電極3間に放電が生じるので、信号線に印加された過電圧成分が過電圧保護部品を通ってグランドに流れ、これにより被保護部品を過電圧から保護することができる。
ここで、過電圧、特に静電気などのパルス波は一定の極性を有しており、特に人体からの静電気はプラスに帯電して放電するものである。放電の際の電子の流れとしては、グランド側の電極である第2の放電電極3は電子を放出するため物理的な損傷は起こらないが、放電される側の電極である第1の放電電極2は、負に帯電した分子が電極に衝突して電子が取り込まれると考えられるため、物理的な損傷が生じ易い。しかし、本実施の形態における過電圧保護部品は、電子を放出する側の第2の放電電極3の第2の有効電極部6の面積を小さく、放電される側の電極である第1の放電電極2の第1の有効電極部5の面積を大きくしているので、第1の放電電極2に生じるダメージを分散することができ、これにより第1の放電電極2の損傷を防止することができる。
図11は本発明における実施の形態1の過電圧保護部品のバリエーションの正面断面図である。このバリエーションの過電圧保護部品は、第1の放電電極2が第1の端子7と接続し、第2の放電電極3が第2の端子8と接続する構成になっている。このような場合においても、第1の有効電極部5は第1の放電電極2の表面の中で第2の放電電極3と対向している面内で、放電部4と接触している領域であり、第2の有効電極部6においても同様であり、それぞれ図11において破線で囲んでいる部分がこれらに該当する。
そして、第1の有効電極部5の面積と第2の有効電極部6の面積との関係も、前者が後者より大きくなるような構成にしている。好ましくは、第1の有効電極部5の面積が第2の有効電極部6の面積の5倍以上とすることである。これにより第1の放電電極2の損傷を防止することができる。
以上のように、本実施の形態の過電圧保護部品は、基体1と、この基体1の内部に形成された放電部4と、基体1の内部に放電部4と少なくとも一部が接するように設けられた第1の放電電極2と、基体1の内部に放電部4と少なくとも一部が接するように、かつ放電部4を介して少なくとも一部が第1の放電電極2と対向するように設けられた第2の放電電極3と、第2の放電電極3と対向している第1の放電電極2の面内の領域であって、放電部4と接している第1の有効電極部5と、第1の放電電極2と対向している第2の放電電極3の面内の領域であって、放電部4と接している第2の有効電極部6と、基体1の外部に形成された第1の端子7および第2の端子8とを備え、第1の放電電極2は第1の端子7と電気的に接続され、第2の放電電極3は第2の端子8と電気的に接続され、第1の有効電極部5の面積が第2の有効電極部6の面積よりも大きいもので、第1の有効電極部5の面積を第2の有効電極部6の面積よりも大きい構成にすることによって高い特性を有しつつ、第2の放電電極3に使用される材料の使用量を削減することができるものである。
また、第1の有効電極部5の面積が第2の有効電極部6の面積の5倍以上であるので、第2の放電電極3に使用する放電電極材料をより効果的に使用することができる。
そしてまた、第1の端子7と第2の端子8の判別を行うためのマーク13が形成されたので、いずれの端子が第1の端子7および第2の端子8であるかの判別が可能になる。
さらに、被保護部品が接続される信号側電極と、グランド側電極とを備えた電気回路において、過電圧保護部品の第1の放電電極2が信号側電極に電気的に接続され、第2の放電電極3がグランド側電極に電気的に接続されたものであり、被保護部品と接続される側の第1の有効電極部5の面積を第2の有効電極部6の面積よりも大きい構成にすることによって高い特性を有しつつ、第2の放電電極3に使用される材料の使用量を削減することができる。
さらにまた、第1の放電電極2に静電気を印加することにより、第1の放電電極2と第2の放電電極3との間に電荷を移動させるもので、静電気が印加される側の第1の有効電極部5の面積を第2の有効電極部6の面積よりも大きい構成にすることによって高い特性を有しつつ、第2の放電電極3に使用される材料の使用量を削減することができる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に、請求項3に記載の発明について説明する。
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に、請求項3に記載の発明について説明する。
図12は本発明の実施の形態2における過電圧保護部品の正面断面図である。図中の符号は実施の形態1と同様の構成要素を示している。
実施の形態2の過電圧保護部品が実施の形態1の過電圧保護部品と異なる点は、第1の放電電極2の厚みが第2の放電電極3の厚みより厚くなるような構成になっていることである。これは、ダメージを受け易い第1の放電電極2の厚みを厚くすることで第1の放電電極2の損傷を防止し、一方、ダメージを受けない第2の放電電極3を薄くすることができるので、放電電極に用いる材料を削減することができる。
このような構成にしても実施の形態1の過電圧保護部品と同様の作用効果を有することができ、さらに、より効率的に第1の放電電極2に損傷が生じることを防止しつつ放電電極に使用する材料を削減することができる。
本発明にかかる過電圧保護部品、これを用いた電気回路および過電圧保護部品の使用方法は、高い特性を有しつつ、放電電極に使用する材料を少なくすることができるという優れた効果を奏するものである。
1 基体
2 第1の放電電極
3 第2の放電電極
4 放電部
5 第1の有効電極部
6 第2の有効電極部
7 第1の端子
8 第2の端子
9 ビア導体
10 引出導体
11 ビア導体
12 引出導体
13 マーク
14 絶縁シート
15 絶縁シート
16 絶縁シート
17 放電部形成剤
18 絶縁シート
19 絶縁シート
2 第1の放電電極
3 第2の放電電極
4 放電部
5 第1の有効電極部
6 第2の有効電極部
7 第1の端子
8 第2の端子
9 ビア導体
10 引出導体
11 ビア導体
12 引出導体
13 マーク
14 絶縁シート
15 絶縁シート
16 絶縁シート
17 放電部形成剤
18 絶縁シート
19 絶縁シート
Claims (6)
- 基体と、
この基体の内部に形成された放電部と、
前記基体の内部に前記放電部と少なくとも一部が接するように設けられた第1の放電電極と、
前記基体の内部に前記放電部と少なくとも一部が接するように、かつ前記放電部を介して少なくとも一部が前記第1の放電電極と対向するように設けられた第2の放電電極と、
前記第2の放電電極と対向している前記第1の放電電極の面内の領域であって、
前記放電部と接している第1の有効電極部と、
前記第1の放電電極と対向している前記第2の放電電極の面内の領域であって、
前記放電部と接している第2の有効電極部と、
前記基体の外部に形成された第1の端子および第2の端子とを備え、
前記第1の放電電極は前記第1の端子と電気的に接続され、
前記第2の放電電極は前記第2の端子と電気的に接続され、
前記第1の有効電極部の面積が前記第2の有効電極部の面積よりも大きい過電圧保護部品。 - 第1の有効電極部の面積が第2の有効電極部の面積の5倍以上である請求項1記載の過電圧保護部品。
- 第1の放電電極の厚みが第2の放電電極の厚みよりも厚い請求項1記載の過電圧保護部品。
- 第1の端子と第2の端子の判別を行うためのマークが形成された請求項1記載の過電圧保護部品。
- 被保護部品が接続される信号側電極と、グランド側電極とを備えた電気回路において、請求項1記載の過電圧保護部品の第1の放電電極が前記信号側電極に電気的に接続され、第2の放電電極が前記グランド側電極に電気的に接続された電気回路。
- 請求項1記載の過電圧保護部品の第1の放電電極に静電気を印加することにより、前記第1の放電電極と第2の放電電極との間に電荷を移動させる過電圧保護方法。
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JP2008082799A JP2009238563A (ja) | 2008-03-27 | 2008-03-27 | 過電圧保護部品、これを用いた電気回路および過電圧保護方法 |
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2008
- 2008-03-27 JP JP2008082799A patent/JP2009238563A/ja active Pending
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