JP2009237524A - 液晶パネル装置、プロジェクタ、液晶表示装置および画像処理装置 - Google Patents

液晶パネル装置、プロジェクタ、液晶表示装置および画像処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶パネルにディスクリネーションが発生しても表示欠陥を抑制することができる液晶パネル装置、プロジェクタ、液晶表示装置および画像処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の液晶パネル装置1は、液晶に電界を加える画素電極に印加する電圧の電圧値を画像情報の画素値から算出し、算出された対象画素電極の電圧値を、対象画素電極に隣接する画素電極の電圧値に基づいて補正する画素電極印加電圧制御部101Bと、電圧値補正手段により補正された電圧値の電圧を対象画素電極に印加する投影制御回路114とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶パネル装置、液晶パネル装置を利用して投影するプロジェクタ、液晶パネル装置を利用して画像を表示する液晶表示装置、液晶パネル装置に表示する画像について画像処理を行う画像処理装置に関する。
画素密度が高い液晶パネルでは、隣接する他の画素電極から受ける電界の影響により、ディスクリネーション(液晶分子の転傾)が発生する。このディスクリネーションは、液晶パネルの表示欠陥の原因となる。この表示欠陥を抑制するため、液晶パネルの配向膜によるプレチルト角を20°以上30°以下にしてディスクリネーションの発生を抑える液晶装置が従来技術として特許文献1に開示されている。
特開2001−006321号公報
液晶パネルの画素密度が高くなるにしたがって、ディスクリネーションの発生を抑えることが困難になる。このため、特許文献1に記載されている液晶装置では、液晶パネルの画素密度が高い場合、表示欠陥を抑制することが困難になるという問題点が生じる。
本発明の第1の態様によれば、液晶パネル装置は、液晶に電界を加える画素電極に印加する電圧の電圧値を画像情報の画素値から算出する電圧値算出手段と、電圧値算出手段によって算出された対象画素電極の電圧値を、対象画素電極に隣接する画素電極の電圧値に基づいて補正する電圧値補正手段と、電圧値補正手段により補正された電圧値の電圧を対象画素電極に印加する電圧制御手段とを備える。
本発明の第2の態様によれば、画像処理装置は、液晶に電界を加える画素電極を有する色画素の明るさを制御するために画素電極に印加する電圧を制御する電圧制御手段と、液晶パネル装置に表示する画像情報における対象色画素の画素値を、対象色画素に印加する電圧と、対象色画素に隣接する色画素に印加する電圧との違いによって発生する液晶の透過率変化を補正するように、対象色画素に隣接する色画素の画素値を使用して補正する画素値補正手段とを備える。
本発明によれば、液晶パネルにディスクリネーションが発生しても表示欠陥を抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態によるプロジェクタ1を前方から眺めた図である。図1に示すように、プロジェクタ1の正面には、投影光学系111(図2参照)を構成する投影レンズ111Aと、撮像光学系121(図2参照)を構成する撮影レンズ121Aとが設けられている。プロジェクタ1は、机上などに載置された状態で前方のスクリーンなどに向けて、画像などを投影する。
図2は、プロジェクタ1の構成を説明するブロック図である。図2においてプロジェクタ1は、投射ユニット110と、撮像ユニット120と、制御回路101と、メモリ102と、操作部103と、外部インターフェイス(I/F)回路104と、メモリカードインターフェイス(I/F)105とを備え、メモリカードインターフェイス105にはメモリカード150が接続される。
制御回路101は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなる。制御回路101は、制御プログラムに基づいて、プロジェクタ内各部から入力される信号を用いて所定の演算を行う。そして、演算結果を制御信号としてプロジェクタ内各部に送出し、プロジェクタ1の投影動作および撮影動作を制御する。なお、制御プログラムは制御回路101内の不図示のROMに格納される。
制御回路101は画像処理部101Aと画素電極印加電圧制御部101Bとを有する。
画像処理部101Aは、撮像ユニット120により撮影した投影面の画像に基づいて、画像データの画像が投影面において正確に再現されるように、画像データの画像処理を行う。また、画像処理部101Aは、投影した画像のあおりや歪みに対する補正を行う。投影した画像のあおりや歪みは、投射光学系111の光軸と撮像光学系121の光軸とが一致していないこと、あるいは、投影光学系111の光軸が投影面に対して垂直でないことにより起こる。画像処理部101Aは、外部インターフェイス104を介して取得した画像データまたはメモリカード150より取得した画像データの画像処理を行う。
画素電極印加電圧制御部101Bは液晶パネル112の画素電極(図4、符号23参照)に印加する電圧を制御する。画素電極印加電圧制御部101Bで行う印加電圧の制御の詳細については後述する。
メモリ102は制御回路101の作業用メモリとして使用される。操作部103はボタンやスイッチなどで構成され、操作されたボタンやスイッチに対応する操作信号を制御回路101へ送出する。メモリカード150は、データの書き込み、保存および読み出しが可能である。
投射ユニット110は、投影光学系111、液晶パネル112、LED(Light Emitting Diode)光源113、および投射制御回路114を含む。LED光源113は、供給電流に応じた明るさで液晶パネル112を照明する。液晶パネル112は、投射制御回路114からの駆動信号に応じて光像を生成する。投影光学系111は、液晶パネル112から射出される光像を投射する。投射制御回路114は、制御回路101からの指示により、LED光源113および液晶パネル112へ制御信号を送出する。
撮像ユニット120は撮像光学系121、撮像素子122および撮像制御回路123を有し、制御回路101からの指示に応じて投影面を撮像する。撮像光学系121は、撮像素子122の撮像面上に被写体像を結像させる。撮像素子122として、CCDやCMOS撮像素子などを用いる。撮像制御回路123は、制御回路101からの指示により撮像素子122を駆動制御するとともに、撮像素子122から出力される画像信号に対して所定の信号処理を行う。
投射ユニット110は、メモリカード150内に保存されている画像データの他、外部インターフェイス回路104を介して外部機器から供給される画像データによる画像を投影可能に構成され、制御回路101から指示された画像を投影する。メモリカード150内に保存されている画像データの画像、または、外部インターフェイス回路104を介して外部機器から供給される画像データの画像を、以下、投影原画像と呼ぶ。
図3を参照して、プロジェクタ1の構成する構成要素間の関係を説明する。図3に示すように、画像処理部101Aは、画像処理を行った画像情報を画素電極印加電圧制御部101Bに出力する。画素電極印加電圧制御部101Bは、画像情報を、各画素電極(図4、符号23参照)に印加する電圧の電圧値に変換する。さらに、その電圧値を、隣接する画素電極に印加する電圧の電圧値を用いて補正する。そして、補正した電圧値を電圧信号として投射制御回路114に出力する。投射制御回路114は電圧信号に基づいて液晶パネル112の画素電極に電圧を印加する。以下、画素電極印加電圧制御部101B、液晶パネル112および投射制御回路114の構成を液晶パネル装置と呼ぶ。
図4は、投射ユニット110における液晶パネル113の構造を説明するための図である。液晶パネル113は透過型であり、LED光源113から照射される光により表示素子としての機能を実現する。また、液晶パネル112は液晶TN(Twisted Nematic)型の液晶であり、LED光源113の照射方向を軸として液晶分子が90°ねじれる配列になっている。さらに、液晶パネル112はTFT(Thin Film Transistor)を使用したアクティブ・マトリクス方式の液晶パネルであり、それぞれの画素にTFTによるオン/オフスイッチが形成されている。また、液晶パネル112は、いわゆるノーマリーホワイト型であり、液晶に電界を印加しないと液晶は光を透過し、液晶に印加される電界の強度が強くなるにしたがって液晶の透過率が低下する。
液晶パネル112は、LED光源113側から、偏光板21A、TFT素子形成ガラス基板22A、画素電極23、配向膜24A、液晶25、配向膜24B、共通電極26、カラーフィルタ27、ガラス基板22Bおよび偏光板21Bから構成される。
偏光板21A,21Bは、特定方向に振動している光のみを透過する。偏光板21A,21Bを透過する光の振動方向を偏光軸と呼び、それに直交する方向を吸収軸と呼ぶ。偏光板21A,21Bは、相互に偏光軸が直交するように構成される。偏光板21A,21Bは、ヨウ素や染料を混合した透明フィルムを一方向に延伸して作製される。この延伸方向が偏光板21A,21Bの吸収軸となる。
TFT素子形成ガラス基板22Aは、表面にTFT素子を形成したガラス基板である。TFT素子は、各画素電極に対応して形成され、後述する画素電極における電荷(画素信号)の充電を制御するオン/オフスイッチである。電圧が印加された状態でTFT素子がオン状態のとき、画素電極に電流が流れ、画素電極に電荷が充電され、液晶25に電圧が印加される。TFT素子がオフ状態になると、画素電極に充電された電荷は外部へ流れないので、画素電極に充電された電荷は保持され、液晶25の電圧印加は保持される。その後、電圧が印加されない状態でTFT素子がオン状態になると、画素電極から電流が流れ、画素電極に充電された電荷は放電され、液晶25の電圧印加は解除される。
画素電極23は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極であり、液晶25に電圧を印加する。画素電極23は、後述する色画素ごとに設けられる、画素電極23はプラズマCVDやスパッタによりTFT素子形成ガラス基板22A上に形成される。複数の画素電極23は液晶パネル112において縦横に並列配置されている。上述のTFT素子のオン/オフ状態により画素電極に印加する電圧を1画素電極ずつ順次制御することができる。
配向膜24A,24Bは、偏光板21A,21Bの偏光軸方向に液晶分子を配向させるための膜である。配向膜24A,24Bは、0.1μm程度の厚さであり、ポリイミドなどの高分子膜から成る。配向膜24A,24Bは、上述の高分子膜の表面にラビング処理を施すことにより作製される。ラビング処理とは、ローラに巻きつけた布で高分子膜の表面を擦る処理である。液晶25と配向膜24A,24Bの界面において配向膜24A,24Bに接した液晶分子は擦った方向に配向する。以下、液晶分子を配向させる方向をラビング方向と呼ぶ。この場合、ローラに巻きつけた布で高分子膜の表面を擦った方向がラビング方向となる。偏光板21A,21Bは、相互に偏光軸が直交するように構成されるので、配向膜24A,24Bのラビング方向も直交する。液晶分子は同じ方向に配向しようとする性質があるため、液晶分子の配向方向は、配向膜24Aのラビング方向から配光膜24Bの配向膜のラビング方向へ徐々に変化する。これにより、液晶分子は、LED光源113の照射方向を軸として90°ねじれる配列になる。
共通電極26は、画素電極23と対向して設けられた、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極である。共通電極26もプラズマCVDやスパッタにより形成される。共通電極26は、グランド電位に接続され、共通電極26と電荷が充電された画素電極23との間の電位差で液晶内に電界が生じる。
カラーフィルタ27は、LED光源113の光から赤色光のみを透過する赤(R)フィルタ27A、緑色光のみを透過する緑(G)フィルタ27B、青色光のみを透過する青(B)フィルタ27Cおよび光を透過しないブラックマトリックス(BM)27Dから構成される。それぞれのフィルタ27A〜27Cは長方形である(図6参照)。以下、これらのフィルタ27A〜27Cを総称するとき、長方形フィルタと呼ぶ。各長方形フィルタ27A〜27Cは、各画素電極23に対向して形成され、BM27Dは、画素電極23間の領域に対応して形成される。
長方形フィルタ27A〜27Cは、格子状に縦横並列され(図6参照)、Rフィルタ27A、Gフィルタ27BおよびBフィルタ27Cで1つの画素におけるフィルタを構成する。ここで、1つの画素は、一組のRフィルタ27A、Gフィルタ27BおよびBフィルタ27Cと、それに対応する偏光板21A、TFT素子形成ガラス基板22A、画素電極23、配向膜24A、液晶25、配向膜24B、共通電極26、ガラス基板22Bおよび偏光板21Bから構成される。加法混色の原理に基づいて、Rフィルタ27A、Gフィルタ27BおよびBフィルタ27Cを通して透過する光の組み合わせにより1つの画素で全て色彩を再現することができる。
1つの画素の中で、LED光源113により赤色光を発光する画素(R画素)、緑色光を発光する画素(G画素)および青色光を発光する画素(B画素)をそれぞれ色画素と呼ぶ。つまり、1つの画素は3つの色画素から構成される。色画素は、1つの長方形フィルタ27A〜27Cと、その長方形フィルタ27A〜27Cに対応する偏光板21A、TFT素子形成ガラス基板22A、画素電極23、配向膜24A、液晶25、配向膜24B、共通電極26、ガラス基板22Bおよび偏光板21Bから構成される。
カラーフィルタ27は、フォトリソグラフィー工程によりガラス基板22B上に作製される。なお、カラーフィルタの配置される位置はここに限定されず、入射側であっても構わない。
以下、液晶パネル112と液晶パネル112の画素電極23に印加する電圧を制御する制御回路とを組み合わせたものを液晶パネル装置と呼ぶ。
次に本発明の実施形態による画像処理および画素電極電圧制御処理を説明する。ここで、この画像処理および画素電極電圧制御処理に先立ち、LUT(Look Up Table)および色変換データを予め作成しておき、制御回路101内の不図示のROMに記憶しておく。LUTは液晶パネル112の階調補正を行うための補正データである。色変換データは、入力した画像データの画像の色を再現するために入力RGBを変換する変換データである。このLUTおよび色変換データは使用する液晶パネル112の画素電極印加電圧―透過率特性、LED光源113、カラーフィルタ27などの特性から作成される。LUTおよび色変換データは、以下のように作成する。
入力されるRGB各色の階調(0〜255)に対し、各色画素の表示輝度が所定の表示階調特性(たとえば、2.2乗のガンマ)になるように補正するLUTを作成する。
一方、色変換データは以下のようにして作成する。まず、入力画面として、黒画像((R,G,B)=(0,0,0))、R画像((R,G,B)=(255,0,0))、G画像((R,G,B)=(0,255,0))、B画像((R,G,B)=(0,0,255))で与えられる画素データをプロジェクタ1で投影したときの画像の測色値を算出する。この測色値は、これらの画像を投影して実際に測色することで求められる。もしくは、LED光源113の分光放射輝度、カラーフィルタ27の分光透過率、液晶25の分光透過率を乗算してから積分することで求めてもよい。これらの値を(X,Y,Z)、(X,Y,Z)、(X,Y,Z)、(X,Y,Z)とする。RGB入力データに対してプロジェクタ1が表示する測色値は、(1)式で算出することができる。
Figure 2009237524
ここで、γは上述の表示階調特性であり、sRGB環境を目標とすれば、γ=2.2である。また、簡単のため、累乗の形で示したが、階調特性はS字カーブのように累乗の形で表さなくてもよい。
また、Mは、上述の黒画像、R画像、G画像、B画像の測色値から(2)式のように表すことができる。
Figure 2009237524
なお、(1)式に白(R,G,B)=(255,255,255)を代入したときのY=1になるように(1)式のMと(X,Y,Z)は正規化しておく。
一方、ある入力データに対し表示したい色目標がある場合には、入力画像データ(R,G,B)と目標の測色値(X,Y,Z)のセットを、たとえば、マクベスチャートの24色のように用意する。
Figure 2009237524
そして、(3)式の値が小さくなるように3×3のマトリックスMcを算出する。ここで、ΔEは、(X,Y,Z)と(X’,Y’,Z’)の色差であり、CIELABのような均等色空間で算出するのが好ましい。また、入力画像データ(R,G,B)と、マトリックスMc、(X’,Y’,Z’)は(4)式の関係を満たす。
Figure 2009237524
このようにして求めたMcとγを用いて、後の処理で、入力画像データ(R,G,B)に以下の(5)式で変換を行った画像データ(R’,G’,B’)をプロジェクタ1で表示する。
Figure 2009237524
ここで入力画像データの階調特性をβで表す。
なお、入力画像データ(R,G,B)がsRGBでエンコーディングされており、エンコーディング通り再現することを目標とする場合には、前述の(5)式の変わりに以下の式で求められる画像データ(R’,G’,B’)をプロジェクタ1で表示してもよい。
Figure 2009237524
ここで、MsRGBは規格で規定されているリニアRGBからXYZへの変換マトリックスで、
Figure 2009237524
βはsRGBの規格で規定されているガンマ特性、簡単には約2.2乗のガンマとする。
次に、図5のフローチャートを参照して次に本発明の実施形態による画像処理および画素電極電圧制御処理を説明する。画像処理および画素電極電圧制御処理は、キャリブレーション処理(ステップS1)、画像データ読み込み(ステップS2)、画像補正処理(ステップS3)、画素電極の印加電圧値算出処理(ステップS4)および画像投影(ステップS5)から構成される。図5の処理は、プロジェクタ1が、投影を開始するとスタートするプログラムにより制御回路101において実行される。
ステップS1では、投影画像のあおりや歪みの補正を行うための補正量を算出する。また、投影面の模様や色、外部照明の影響など、投影環境に起因する補正パラメータを決定する。以下、これらの補正量および補正パラメータをキャリブレーションデータと呼ぶ。これらの処理は公知であるので、説明を省略する。
ステップS2では、外部インターフェイス104を介して取得した投影原画像の画像データまたはメモリカード150より取得した投影原画像の画像データを読み込む。
ステップS3では、ステップS2で読み込んだ画像データにおける投影原画像について、予め記憶しておいたLUTおよび色変換データ(色変換マトリクスM)を用いて補正を行う。さらに、ステップS1で算出したキャリブレーションデータを用いて投影原画像を補正する。これらの処理は公知であるので、説明を省略する。
ステップS4では、ステップS3で補正した投影原画像を投影するときに液晶パネル112の画素電極に印加する電圧値を算出する。このとき、周辺の画素電極から発生する電界の影響を考慮に入れる。
ステップS5では、ステップS4で算出した電圧値で画素電極に電圧を印加し、ステップS3で補正した投影原画像を投影する。
ステップS6では、次に投影する投影原画像があるか否かを判定する。次に投影する投影原画像がある場合はステップS2に戻る。次に投影する投影原画像がない場合は処理を終了する。
次にステップS4の画素電極の印加電圧値算出処理について詳細に説明する。図6(a)に示すように、液晶パネル112の画素Pは格子状に配列されているものとし、液晶パネル112におけるi行j列目の画素を符号Pi,jで表す。図6(b)に示すように、1つの画素Pは、3つの長方形の色画素、つまりR画素、G画素およびB画素より構成される。i行j列目の画素Pi,jを構成するR画素を符号Ri,jで表し、G画素を符号Gi,jで表し、B画素を符号Ri,jで表す。このような色画素の配列をストライプ配列と呼ぶ。ストライプ配列では、図6(a)に示すように横方向にR画素、G画素、B画素の順序で並んでおり、縦方向には同色の色画素が並ぶ。以下、色画素Gi,jの画素電極23に印加する電圧の電圧値の算出を例に上げて説明する。
図6(a)に示す色画素Gi,jは、隣接する色画素Ri,j、色画素Bi,j、色画素Gi−1,j、および色画素Gi+1,jにおける画素電極23から発生する電界の影響を受ける。これらの電界は、色画素Gi,jの画素電極23に印加される電圧と、隣接する色画素Ri,j,Bi,j,Gi−1,j,Gi+1,jにおける画素電極23に印加される電圧との差によって生じる。色画素は縦長の形状となっているため、色画素Gi,jは、縦方向に隣接する色画素Gi−1,j,Gi+1,jから受ける電界の影響よりも横方向に隣接する色画素Ri,j,Bi,j、から受ける電界の影響が大きい。色画素Gi,jは、縦方向に隣接する色画素Gi−1,j,Gi+1,jとは短手の辺で接しているのに対し、横方向に隣接する色画素Ri,j,Bi,jとは長手の辺で接しているためである。
次に色画素が所定の輝度になるために画素電極に印加する電圧における隣接する他の色画素の影響について説明する。画素電極23に電圧を印加しない場合に色画素の輝度が最大になる、つまり、液晶パネル112はノーマリーホワイトタイプのものであるとして説明する。なお、ノーマリーブラックタイプのものであってもよい。
図7(a)に示すように、色画素Gi,jの画素電極23に印加した電圧と均一の電圧が他の色画素の画素電極23に印加されている場合に、色画素Gi,jが所定の輝度になるときの画素電極23に印加する電圧の電圧値をV_Gi,jとする。このとき、色画素Gi,jの画素電極23と他の色画素の画素電極23との間に電位差が生じないので、色画素Gi,jは他の色画素の電界による影響を受けない。色画素Gi,jの画素電極23と同じ電圧が他の色画素の画素電極23に印加されている場合の色画素Gi,jの輝度と画素電極23に印加する電圧の電圧値V_Gi,jとの関係は、一義的に決まり、画素値−画素電極印加電圧テーブルとしてプロジェクタ1に予め記憶されている。
このとき、隣接色画素Ri,jの画素電極23に印加する電圧の電圧値をV_Ri,j(V_Ri,j>V_Gi,j)にすると、図7(b)に示すように、色画素Gi,jの輝度が低下する。そこで、色画素Gi,jの画素電極23に印加する電圧を下げて、図7(c)に示すように、色画素Gi,jの明るい部分をさらに明るくして色画素Gi,jの輝度を所定の輝度に戻すようにする。このときの色画素Gi,jの画素電極23に印加する電圧の電圧値をV′_Gi,j(V_Ri,j)とする。
このように、隣接色画素Ri,jの画素電極23に印加される電圧を電圧値V_Ri,jにすると、所定の輝度を発光するために色画素Gi,jの画素電極23に印加する電圧がV_Gi,jからV′_Gi,j(V_Ri,j)へ変わる。
色画素Gi,jの画素電極23に印加される電圧と、隣接色画素Ri,jにおける画素電極23に印加される電圧との差によって、隣接色画素Ri,jが色画素Gi,jに影響を与える電界が発生し、その電界によって色画素Gi,jの輝度は低下する。したがって、隣接色画素Ri,jの影響による色画素Gi,jの画素電極23に印加する電圧値の変動を、V_Gi,jとV_Ri,jとの間の差分の関数を用いて以下の(6)式のように表すことができる。
Figure 2009237524
したがって、色画素Ri,jの画素電極に電圧値V_Ri,jの電圧を印加したときに色画素Gi,jの画素電極に印加する電圧値V′_Gi,j(V_Ri,j)は(7)式のようになる。
Figure 2009237524
上述の関数f(x)は、実験で、V_Gi,j、V_Ri,jを変えながら、相当するV′_Gi,j(V_Ri,j)を求め、図8に示すように、(V_Gi,j−V_Ri,j)と(((V′_Gi,j(V_Ri,j))/V_Gi,j)−1)とをV_Ri,jの値を変更しながらプロットした曲線を作成し、その曲線の近似式を算出することにより求めることができる。たとえば、1次式で近似することにより以下の(8)式のようにf(x)を表すことができる。
Figure 2009237524
同様に、図9(a)に示すように、隣接色画素Bi,jの画素電極23に電圧値V_Bi,jの電圧を印加して暗くなった色画素Gi,jを所定の輝度に戻すために画素電極23に印加する電圧の電圧値をV′_Gi,j(V_Bi,j)とすると、V′_Gi,j(V_Bi,j)を(9)式のように表すことができる。
Figure 2009237524
色画素Bi,jは、色画素Ri,jと同様に色画素Gi,jの横の位置に隣接するので、V′_Gi,j(V_Bi,j)を関数f(x)で表すことができる。
図9(b)に示すように、隣接色画素Gi−1,jの画素電極23に電圧値V_Gi−1,jの電圧を印加して暗くなった色画素Gi,jを所定の輝度に戻すために画素電極23に印加する電圧の電圧値をV′_Gi,j(V_Gi−1,j)とすると、V′_Gi,j(V_Gi−1,j)を(10)式のように表すことができる。
Figure 2009237524
色画素Gi−1,jは、色画素Ri,jの場合と異なり色画素Gi,jの縦の位置に隣接するので、V′_Gi,j(V_Gi−1,j)を関数f(x)で表せず、関数g(x)で表すことになる。
関数g(x)は、図8に示す関数f(x)と同様にプロットした曲線を作成し、その曲線の近似式を算出することにより求めることができる。たとえば、1次式で近似することにより以下の(11)式のように表すことができる。
Figure 2009237524
ここで、横方向に隣接する色画素の方が、色画素間の距離が短く、色画素同士の接する辺も長いことから、隣接する色画素から受ける影響が強い。したがって、a>bである。aは、(8)式の係数である。
図9(c)に示すように、隣接色画素Gi+1,jの画素電極23に電圧値V_Gi+1,jの電圧を印加して暗くなった色画素Gi,jを所定の輝度に戻すために画素電極23に印加する電圧の電圧値をV′_Gi,j(V_Gi+1,j)とすると、V′_Gi,j(V_Gi+1,j)を(12)式のように表すことができる。
Figure 2009237524
色画素Gi+1,jは色画素Gi−1,jと同様に色画素Gi,jの縦の位置に隣接するので、V′_Gi,j(V_Gi+1,j)を関数g(x)で表すことができる。
以上の結果より、色画素Gi,jが所定の輝度になるとき、色画素Gi,jの画素電極23に印加する電圧の電圧値V′_Gi,jは、以下の(13)式のようにV_Gi,jを補正して算出される。ここで、V_Gi,jは、他の色画素による電界の影響を受けないで所定の輝度を発光するときの、色画素Gi,jの画素電極23に印加する電圧の電圧値である。この値は、上述の画素値−画素電極印加電圧テーブルから算出される。
Figure 2009237524
ここで、V_Ri,j、V_Bi,j、V_Gi−1,j、V_Gi+1,jも上述の画素値−画素電極印加電圧テーブルを使用して画素値から算出される。
同様に、所定の輝度の色画素Ri,jにおける画素電極23に印加する電圧の電圧値V′_Ri,jは、V_Ri,jを補正して以下の(14)式で表すことができる。
Figure 2009237524
ここで、V_Ri,jは、他の色画素における電界の影響を受けないで所定の輝度を発光するとき、色画素Ri,jの画素電極23に印加する電圧の電圧値である。この値も、画素値から一義的に決定されるので、上述の画素値−画素電極印加電圧テーブルから算出される。また、色画素Bi,j−1の画素電極23に印加された電圧の電圧値をV_Bi,j−1、色画素Gi,jの画素電極23に印加された電圧の電圧値をV_Gi,j、色画素Bi−1,jの画素電極23に印加された電圧の電圧値をV_Bi−1,j、および色画素Bi+1,jの画素電極23に印加された電圧の電圧値をV_Bi+1,jとする。V_Bi,j−1、V_Gi,j、V_Ri−1,j、V_Ri+1,jも上述の画素値−画素電極印加電圧テーブルを使用して画素値から算出される。
また、所定の輝度の色画素Bi,jにおける画素電極23に印加する電圧の電圧値V′_Bi,jは、V_Bi,jを補正して以下の(15)式で表すことができる。
Figure 2009237524
ここで、V_Bi,jは、他の色画素における電界の影響を受けないときの所定の輝度を発光するとき、色画素Bi,jの画素電極23に印加する電圧の電圧値である。この値は、画素値から一義的に決定されるので画素値−画素電極印加電圧テーブルから算出される。また、色画素Ri,j+1の画素電極23に印加された電圧の電圧値をV_Ri,j+1、色画素Gi,jの画素電極23に印加された電圧の電圧値をV_Gi,j、色画素Bi−1,jの画素電極23に印加された電圧の電圧値をV_Bi−1,j、および色画素Bi+1,jの画素電極23に印加された電圧の電圧値をV_Bi+1,jとする。V_Ri,j+1、V_Gi,j、V_Bi−1,j、V_Bi+1,jも上述の画素値−画素電極印加電圧テーブルを使用して画素値から算出される。
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)対象画素電極に印加する電圧の電圧値を画像情報の画素値から算出し、対象画素電極に隣接する画素電極に印加する電圧の電圧値に基づいて、算出された対象画素電極の電圧値を補正するようにした。これにより、液晶パネルにディスクリネーション、つまり対象色画素に印加する電圧と対象色画素に隣接する色画素に印加する電圧との違いによって発生する液晶の透過率変化が発生しても表示欠陥を抑制することができる。また、白黒が接した画像において、境界で階調が乱れグレーに表示されることにより輪郭ボヤケが生じるが、これらの現象も補正することができる。さらに、解像度を高くし、画素ピッチが小さいパネルほど、また画素サイズを小さくしたパネルほど、隣接色画素からの電場の影響が強くなるので、本発明の効果は一層大きくなる。たとえば、0.4インチのVGA液晶パネルの画素以下の大きさの画素について効果が大きい。
(2)算出された対象画素電極の電圧値と対象画素電極に隣接する画素電極に印加する電圧の電圧値との間の差分に基づいて、算出された対象画素電極の電圧値を補正するようにした。これにより、隣接する画素電極から発生する電界の影響を反映した補正を適格に行うことができる。
(3)色画素がストライプ配列の場合、対象画素電極に縦方向および横方向に隣接する画素電極に印加する電圧の電圧値を使用して対象画素電極に印加する電圧の電圧値を算出するようにした。これにより、色画素がストライプ配列である液晶パネルについて、ディスクリネーションが発生しても表示欠陥を抑制することができる。
以上の実施形態を次のように変形することができる。
(1)本発明の実施形態では、色画素に隣接する他の色画素の影響を考慮に入れて色画素の画素電極23に印加する電圧の電圧値を算出した。しかし、さらに離れた色画素の影響を考慮に入れて色画素の画素電極に印加する電圧の電圧値を算出するようにしてもよい。
たとえば、色画素Gi,jの画素電極23に印加する電圧の電圧値を算出するとき、隣接する色画素Ri,j、色画素Bi,j、色画素Gi−1,jおよび色画素Gi+1,jの他に、さらに離れた位置に存在する色画素Ri,j+1、色画素Bi,j−1、色画素Ri−1,j、色画素Ri+1,j、色画素Bi−1,jおよび色画素Bi+1,jも考慮に入れてもよい。このときの色画素Gi,jの画素電極23に印加する電圧の電圧値V′_Gi,jは(16)式のようになる。
Figure 2009237524
ここで、p(x)、q(x)は、f(x)、g(x)と同様に、他の色画素が色画素Gi,jに与える影響を表す関数である。算出方法もf(x)と同様であり、プロットして作成した曲線の近似式から求める。
また、(13)〜(15)式における関数f(x)および関数g(x)を(17)式、(18)式のように置き換えることにより、さらに離れた色画素の影響を考慮に入れて色画素の画素電極に印加する電圧の電圧値を算出するようにしてもよい。画素ピッチが細かいなどの要因で隣接色画素の影響が大きい場合にも液晶パネル112の表示画像を改善することができる。
Figure 2009237524
Figure 2009237524
(2)面方向から見たときの色画素の形状が長方形であり、(短手の辺の長さ)/(長手の辺の長さ)の値が非常に小さい場合、少なくとも長手の辺と接する色画素の影響を考慮して色画素の画素電極に印加する電圧の電圧値を算出するようにしてもよい。つまり、短手の辺と接する色画素の影響を無視してもよい。短手の辺と接する色画素の影響が小さいからである。これにより、短手の辺と接する色画素の影響を算出しなくてもよいので、電圧値の算出速度が速くなる。
(3)投影画像における隣接色画素の影響を、画素電極23に印加する電圧を制御することにより抑制した。しかし、画像処理を行うことによって画像データの画素値を補正することによって投影画像における隣接色画素の影響を抑制するようにしてもよい。たとえば、投影原画像をそのまま表示すると、隣接色画素の影響で画像データの画素値に比べて小さい画素値に相当する輝度で色画素が表示される場合、その色画素に表示する画像の画素値を大きくする補正を行うようにしてもよい。画素電極23に印加する電圧を制御するドライバを変更する必要がないので、従来のドライバを備えた液晶パネル装置についても、隣接色画素の影響を抑制して色画素を表示させることができる。
R画素の画素値をR、G画素の画素値をG、B画素の画素値をBとし、R画素の画素電極23に印加する電圧の電圧値をV、B画素の画素電極23に印加する電圧の電圧値をV、B画素の画素電極23に印加する電圧の電圧値をVとすると、V,V,Vは以下のようにR,G,Bの関数として表すことができる。
Figure 2009237524
Figure 2009237524
Figure 2009237524
画素電極23に印加する電圧を制御することにより色画素に表示する画素の画素値を制御するので、(19)〜(21)式における関数h(x)の情報は、プロジェクタ1に予め記憶されている。
色画素Gi,jの画素電極23に電圧値V_Gi,jが印加されたときの画素値をH_Gi,jとする。また、色画素Ri,jの画素電極23に電圧値V_Ri,jが印加されたときの画素値をH_Ri,jとし、色画素Bi,jの画素電極23に電圧値V_Bi,j(V)が印加されたときの画素値をH_Bi,jとする。さらに、色画素Gi−1,jの画素電極23に電圧値V_Gi−1,jが印加されたときの画素値をH_Gi−1,jとし、色画素Gi+1,jの画素電極23に電圧値V_Gi+1,jが印加されたときの画素値をH_Gi+1,jとすると、(13)式を(22)式のように画素値で表すことができる。
Figure 2009237524
同様にして、(14)式を(23)式のように、(15)式を(24)式のように画素値で表すことができる。
Figure 2009237524
Figure 2009237524
(22)〜(24)式を使用して、画像データのR画素の画素値H_Ri,jをH′_Ri,jに変換し、G画素の画素値H_Gi,jをH′_Gi,jに変換し、B画素の画素値H_Bi,jをH′_Bi,jに変換して、画像を表示することにより、隣接する色画素の影響を抑制した画像を投影することができる。
また、画像データの画素値を以下のように補正して隣接する色画素の影響を抑制した画像を投影するようにしてもよい。画素電極に印加する電圧を補正するとき、図10(a)に示すように、画像データの画素値から画素値−画素電極印加電圧テーブルを使用して画素電極に印加する電圧の電圧値を算出し、その電圧値を上述の(13)〜(15)式で補正した。この補正した電圧値を利用して、図10(b)に示すように、さらに画素値−画素電極印加電圧テーブルを使用して画素値を算出し、その画素値に画像データの画素値を置換するようにしてもよい。
(4)以上の実施形態では、液晶パネルにおける色画素の配列をストライプ配列としたが、色画素の配列は実施形態に限定されない。たとえば、図11に示すようにデルタ配列にしてもよい。この場合は、電圧値を算出する色画素の横方向に隣接する2つの色画素および斜め方向に隣接する4つの色画素の影響を考慮に入れて画素電極に印加する電圧の電圧値を算出する。また、さらに離れた色画素の影響を考慮に入れてもよい。
液晶パネルにおける色画素の配列がデルタ配列の場合の画素電極に印加する電圧の補正について説明する。図11に示すように、色画素は、R画素、G画素、B画素の順序で横方向に並んで配列されており、縦方向には半画素ずつズレながら並んでいる。R画素、G画素およびB画素のセットで入力画像データの1画素を表現する。
図11に示すように色画素が配列されている場合、色画素Ri,jは、隣接する色画素Bi,j−1,Gi,j,Gi−1,j,Bi−1,j,Gi+1,j,Bi+1,jの電界の影響を受ける。とくに横方向に隣接する色画素Bi,j−1,Gi,jは、斜め方向に隣接する色画素Gi−1,j,Bi−1,j,Gi+1,j,Bi+1,jに比べて色画素Ri,jの辺と接する長さが長いので、色画素Ri,jに与える電界の影響は色画素Gi−1,j,Bi−1,j,Gi+1,j,Bi+1,jに比べて大きい。
(13)〜(15)式と同様にして、横方向に隣接する色画素からの影響を関数f′(x)で表し、斜め方向に隣接する色画素からの影響を関数g′(x)で表すと、色画素Ri,jの画素電極に印加する電圧の電圧値V′_Ri,jは、V_Ri,jを補正して以下の(25)式のように表すことができる。
Figure 2009237524
ここで、V_Ri,j、V_Bi,j−1、V_Gi,j、V_Gi−1,j、V_Bi−1,j、V_Gi+1,j、V_Bi+1,jは隣接画素の影響がない場合の所定の明るさの色画素を表示するために画素電極に印加する電圧の電圧値であり、画素値−画素電極印加電圧テーブルを使用して画素値から算出される。
関数f′(x)および関数g′(x)は、上述の実施形態における関数f(x)および関数g(x)と同様に実験などによって算出する。関数f′(x)および関数g′(x)も、関数f(x)および関数g(x)と同様に以下のような1次式で表すことができる。
Figure 2009237524
Figure 2009237524
横方向に隣接する色画素は、斜め方向に隣接する色画素に比べて補正の対象となる色画素に与える電界の影響は大きいので、a′>b′となる。
同様にして、色画素Gi,jの画素電極に印加する電圧の電圧値V′_Gi,jは、V_Gi,jを補正して以下の(28)式のように表すことができる。
Figure 2009237524
ここで、V_Gi,j、V_Ri,j、V_Bi,j、V_Bi−1,j、V_Ri−1,j+1、V_Bi+1,j、V_Ri+1,j+1は隣接画素の影響がない場合の所定の明るさの色画素を表示するために画素電極に印加する電圧の電圧値であり、画素値−画素電極印加電圧テーブルを使用して画素値から算出される。
また、同様にして、色画素Bi,jの画素電極に印加する電圧の電圧値V′_Bi,jは、V_Bi,jを補正して以下の(29)式のように表すことができる。
Figure 2009237524
ここで、V_Bi,j、V_Gi,j、V_Ri,j+1、V_Ri−1,j+1、V_Gi−1,j+1、V_Ri+1,j+1、V_Gi+1,j+1は隣接画素の影響がない場合の所定の明るさの色画素を表示するために画素電極に印加する電圧の電圧値であり、画素値−画素電極印加電圧テーブルを使用して画素値から算出される。
以上のようにして、補正した電圧を各色画素の画素電極に印加すれば、色画素の配列がデルタ配列の場合でも周辺色画素からの影響を補正し、表示画像の劣化を補正できる。
(5)本発明の実施形態における液晶パネルは、透過型であったが、反射型でもよい。
(6)Nビットの階調の入力画像に対し、画素電極23に印加する電圧の制御をNビットより大きい階調で制御するようにしてもよい。これにより、隣接色画素の影響を考慮に入れて画素電極23に印加する電圧を制御してもNビットの階調の画像を投影することができる。たとえば、ノーマリーホワイト型の液晶パネルの場合、隣接色画素の影響で色画素の輝度は小さくなる。このため、8ビットで255階調の画素値で表示を行うためには、255階調より電圧を制御して画素電極に印加しなくてはならない。しかし、8ビットで制御を行うと、8ビットの階調における最大画素値は255であるので、隣接画素による影響を補正した場合、画素電極に印加する電圧を255階調より小さい範囲でしか制御できない。そこで、電圧の制御を9ビットで行うようにし、補正後の電圧が、隣接画素による影響がないときの画素値255に相当する電圧を越える電圧値も算出できるようにする。また、隣接画素の影響を補正すると、ノーマリーホワイト型では白が暗くなるので、LED光源113の明るさを大きくしてもよい。
(7)以上の実施形態では、液晶パネルはカラー表示を行うものであったが、白黒表示を行う液晶パネルについても本発明は適用できる。この場合、各画素にひとつの画素電極が設けられる。
(8)本発明の実施形態におけるプロジェクタを、カメラや携帯電話に内蔵するようにしてもよい。カメラや携帯電話に内蔵されたプロジェクタに用いられる液晶パネルは小型で解像度が高いので、隣接する色画素の影響が大きく、本発明の実施形態におけるプロジェクタが好適である。
(9)本発明はプロジェクタ以外に、液晶パネル装置や、カメラの電子ビューファインダ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶モニタ、液晶テレビなどの液晶表示装置にも適用できる。これらに適用した場合も色再現性よく画像を表示することができる。たとえば、本発明をカメラの電子ビューファインダに適用した場合について説明する。
図12(a)に示すように、電子ビューファインダ41は、カメラ4の上面に設けられている。電子ビューファインダ41の断面概略図に示すように、電子ビューファインダ41は、接眼部41a、接眼レンズ41bおよび液晶パネル41cを有する。矢印41dに示すように、ユーザは液晶パネル41cの表示を、接眼レンズ41bを通して見ることができる。液晶パネル41cには、撮像レンズを通して撮像された被写体が逐次表示され、ユーザは、電子ビューファインダ41の接眼部41aを覗くことにより、被写体を視認することができる。液晶パネル41cは電子ビューファインダ41内に設置されるので、小さくする必要がある。したがって、隣接する色画素による電界の影響が大きくなる。
図12(b)に示すように、電子ビューファインダ41はカメラ4のCPU(Central Processing Unit)42と接続している。CPU42にはメモリ43が接続しており、液晶パネル41cの特性(液晶パネルの電圧−透過率特性、バックライト、カラーフィルタの特性など)に応じて、所定の階調特性を表示するためのLUTや、入力RGBから出力RGBに変換するための色変換データやなどが記憶されている。CPU42は、液晶パネル41cにおける画素電極に印加する電圧の制御を行う。
上述の(3)の画像データの画素値を補正することによって投影画像における隣接色画素の影響を抑制する変形例は、液晶パネルに画像を表示する画像データの補正を行う画像処理装置、その画像処理装置を備えたプロジェクタ、およびその画像処理装置を備えた液晶表示装置に適用することができる。
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明は上記実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
本発明の実施形態によるプロジェクタの外観図である。 本発明の実施形態におけるプロジェクタの構成を説明するブロック図である。 プロジェクタを構成する構成要素間の関係を説明するための図である。 本発明の実施形態におけるプロジェクタに設けられた液晶パネルの構成を説明する図である。 本発明の実施形態におけるプロジェクタの画像処理および画素電極電圧制御処理を説明するためのフローチャートである。 液晶パネルの画素および色画素を説明するための図である。 色画素Gi,jに与える隣接色画素の影響を説明するための図である。 関数f(x)の算出方法を説明するためのグラフである。 色画素Gi,jに与える隣接色画素の影響を説明するための図である。 画像データの画素値の補正を説明するための図である。 液晶パネルの変形例を説明するための図である。 電子ビューファインダを説明するための図である。
符号の説明
1 プロジェクタ
4 カメラ
23 画素電極
27 カラーフィルタ
27A Rフィルタ
27B Gフィルタ
27C Bフィルタ
41 電子ビューファインダ
101 制御回路
101A 画像処理部
101B 画素電極印加電圧制御部
110 投射ユニット
112 液晶パネル
113 LED光源

Claims (10)

  1. 液晶に電界を加える画素電極に印加する電圧の電圧値を画像情報の画素値から算出する電圧値算出手段と、
    前記電圧値算出手段によって算出された対象画素電極の電圧値を、前記対象画素電極に隣接する画素電極の電圧値に基づいて補正する電圧値補正手段と、
    前記電圧値補正手段により補正された電圧値の電圧を前記対象画素電極に印加する電圧制御手段とを備えることを特徴とする液晶パネル装置。
  2. 請求項1に記載の液晶パネル装置において、
    前記電圧値補正手段は、前記対象画素電極の電圧値と前記対象画素電極に隣接する画素電極の電圧値との間の差分に基づいて前記対象画素電極の電圧値を補正することを特徴とする液晶パネル装置。
  3. 請求項1または2に記載の液晶パネル装置において、
    前記画素は複数の色画素から構成され、各色画素は画素電極を有し、色画素はストライプ配列の場合、前記電圧値補正手段は、前記対象画素電極に縦方向および横方向に隣接する同色および異色の画素電極に印加する電圧の電圧値に基づいて前記対象画素電極の電圧値を補正することを特徴とする液晶パネル装置。
  4. 請求項1または2に記載の液晶パネル装置において、
    前記画素は複数の色画素から構成され、各色画素は画素電極を有し、色画素はストライプ配列であり、色画素の形状が長方形の場合、前記電圧値補正手段は、少なくとも前記対象画素電極における色画素の長手の辺と接する色画素における画素電極の電圧値に基づいて前記対象画素電極の電圧値を補正することを特徴とする液晶パネル装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶パネル装置において、
    前記電圧値補正手段は、前記画像情報における画素の階調のビット数よりも大きいビット数の階調で前記対象画素電極の電圧値を補正することを特徴とする液晶パネル装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液晶パネル装置を備えることを特徴とするプロジェクタ。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液晶パネル装置を備えることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 液晶に電界を加える画素電極を有する色画素の明るさを制御するために前記画素電極に印加する電圧を制御する電圧制御手段と、
    液晶パネル装置に表示する画像情報における対象色画素の画素値を、前記対象色画素に印加する電圧と、前記対象色画素に隣接する色画素に印加する電圧との違いによって発生する液晶の透過率変化を補正するように、前記対象色画素に隣接する色画素の画素値を使用して補正する画素値補正手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  9. 請求項8に記載の画像処理装置を備えることを特徴とするプロジェクタ。
  10. 請求項8に記載の画像処理装置を備えることを特徴とする液晶表示装置。
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