JP2009237296A - 電子打楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 打撃センシング信号の打撃位置による差が小さいと共に、自然な打感を得る。
【解決手段】 上面メッシュ10aと中間メッシュ10bと下面メッシュ10cとを張力を与えてメッシュ枠11に張って打面となるパッド部10を構成する。上面メッシュ10aと下面メッシュ10cとはアースされて中間メッシュ10bはシールドされ、上面メッシュ10aと中間メッシュ10bとにより第1容量手段が構成されると共に、中間メッシュ10bと下面メッシュ10cとにより第2容量手段が構成される。パッド部10を叩くと、第1容量手段および第2容量手段の容量が変化して、容量の変化に基づいて中間メッシュ10bから打撃センシング信号が出力される。
【選択図】 図6

Description

この発明は、アコースティックな打楽器を模擬した電子ドラム等の電子打楽器に関する。
従来のアコースティック・ドラムを模擬した電子ドラムのような電子打楽器においては、スティックで叩くことのできる打面を備え、打面が叩かれたことを検出する打撃センサが設けられている。従来の打面は、板状のケースを軟質高分子材料により被覆することにより形成されており、打面を叩いた際に反撥感が強く、感触のよい打撃感を得ることができなかった。また、打面を叩いた際の打撃音が大きく、その打撃音が演奏の邪魔になる恐れがあった。さらに、アコースティック・ドラムのパッドに打撃検出用のセンサーを設け、アコースティック・ドラムのパッドを電子ドラムの打面として代用したものもあるが、このような電子ドラムでは打撃音が大きくなってしまっていた。
これを解決するために、従来の電子ドラムにおいて打面を網状素材により構成することが提案されていた。この従来の電子ドラムにおいては、第1の網と第2の網とを互いの織り目方向が斜交するように積層して外周部において環状に貼着することにより固着した網状素材により打面が構成されている。この打面の中心位置には円錐状のクッション部材が接触しており、クッション部材の下面には打撃検出用のセンサーが設けられている。このような従来の電子ドラムにおいては、打面が網状素材により構成されていることから、叩いた際に打撃音が静かで反撥弾性のよい打面とすることができる。
特開2005−301318号公報
しかしながら、従来の電子ドラムにおいては、網状素材により構成されている打面の中心位置の下面に、打撃検出用のセンサーが設けられている円錐状のクッション部材が設けられており、このクッション部材の頭部は打面の中心位置の下面に接触するようにされている。このような構成のセンサーでは、打面全体の打撃を中心点で検出していることから、打撃位置の分解能が低くなると共に微小打撃に対する感度が低くなって、叩いてから信号検出までの時間が長くなってしまうようになる。また、点でセンシングするタイプのセンサーとされていることからセンサーは高反応スポットを有するようになり、クッション部材の真上の打面を叩いた際には、非常に大きな打撃応答信号を発生するようになるが、その位置をはずすと打撃応答信号が小さくなり、打撃応答信号の打撃位置による差が非常に大きくなってしまう。従って、この打撃応答信号を音源に供給すると、ランダムな打撃に対する打撃応答音量の差が非常に大きくなり、意図する強打や弱打とは異なった音量差となって極めて不自然になるという問題点があった。
さらに、打面の中心位置にクッション部材を接触させて、クッション部材が打面とセンサーをつなぐ構造になっているが、打面に接触させるクッション部材の面積が小さいと、弱打でも強打でも打面が跳ねすぎて演奏しづらい高反撥打面になり、クッション部材を大面積で接触させると、弱打でも強打でも反撥しないデッドな打面となり、ロールなどの連続打撃が不能になってしまう。このように、弱打で高反撥、強打では低反撥というアコースティック・ドラムの打面がもつ自然な打感が得られないという問題点があった。
そこで、本発明は、打撃センシング信号の打撃位置による差が小さいと共に、自然な打感が得られる電子打楽器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の電子打楽器は、シェルの上面に設けた上面電極と中間電極と下面電極とにより構成されているパッド部を備え、少なくとも上面電極は導電性のメッシュからなる張力を与えた上面メッシュとされていると共に、該上面メッシュと下面電極とはアースされて、上面メッシュと中間電極とにより構成された第1容量手段、中間電極と下面電極とにより構成された第2容量手段における容量の変化に基づいて、中間電極から打撃センシング信号が出力されることを最も主要な特徴としている。
本発明によれば、シェルの上面に設けた上面電極と中間電極と下面電極とにより構成されているパッド部を備え、少なくとも上面電極は導電性のメッシュからなる張力を与えた上面メッシュとされていると共に、該上面メッシュと下面電極とはアースされて、上面メッシュと中間電極とにより構成された第1容量手段、中間電極と下面電極とにより構成された第2容量手段における容量の変化に基づいて、中間電極から打撃センシング信号が出力されることから、打撃センシング信号の打撃位置による差を小さくすることができると共に、自然な打感が得られるようになる。
本発明の電子打楽器の第1実施例にかかる電子ドラムの構成を示す平面図を図1に、第1実施例の電子ドラムの構成を断面図で示す側面図を図2に示す。
これらの図に示す第1実施例の電子ドラム1は、円筒状の胴を構成しているシェル16を備え、シェル16の外周面にはリング状の平らな固定部17が固着されている。この固定部17には、上面から下面まで貫通するに複数のネジ孔が所定間隔で形成されている。また、シェル16の上に平らな面を有するリング状の支持枠15aが固着されている。第1実施例の電子ドラム1における打面を構成しているパッド部10は、リング状のメッシュ枠11と、このメッシュ枠11が取り付けられているリング状の保持枠12と、張力を与えてメッシュ枠11の上面に張られた上面メッシュ10aと、張力を与えて上面メッシュ10aから所定間隔をもってメッシュ枠11の中間部に張られた中間メッシュ10bと、張力を与えて中間メッシュ10bから所定間隔をもってメッシュ枠11の下面に張られた下面メッシュ10cとの3層に張られた導電性メッシュから構成されている。保持枠12には、複数に分割されている引っ張り部13が固着されており、引っ張り部13により外側に向かう張力が与えられている。図示する例では、引っ張り部13はリング状の形状を6分割して構成されている。また、メッシュ枠11および保持枠12は弾性を有する材料で作成されており、引っ張り部13によりメッシュ枠11および保持枠12が引っ張られたときはメッシュ枠11および保持枠12が外側に伸びて、メッシュ10a〜10cにさらなる張力が印加されるようになる。なお、引っ張り部13を緩めるとメッシュ枠11および保持枠12は元に戻り、メッシュ10a〜10cに印加される張力は弱くなる。
引っ張り部13の端部には断面が楕円状等に拡大されている係合枠14が形成されている。引っ張り部13は、支持枠15aの上面の周縁から上方へ突出するよう形成された縁部を越えて斜め下方へ屈曲されて延伸されている。この引っ張り部13の係合枠14に対して下方へ応力を印加することにより、メッシュ枠11および保持枠12に外側へ向かう張力が与えられ、この結果、支持枠15aの上面に張られているメッシュ10a〜10cに張力が与えられるようになる。係合枠14の上面には、略リング状の形状を複数に分割した係合部15の下面が当接している。係合部15の外側面からは平らな突出部が外側へ向かって形成されており、この突出部にはピン18が挿通される複数の挿通孔が所定間隔で形成されている。この挿通孔が形成される位置は、固定部17に形成されているネジ孔の位置に対応しており、挿通孔の上から挿通した複数のピン18は固定部17に形成されているネジ孔にそれぞれ螺合される。
それぞれのピン18の頭部は、例えば六角形に形成されており、ピン18の頭部を回転させて固定部17のネジ孔にねじ込んでいくことにより、係合枠14が下方へ引っ張られてメッシュ10a〜10cに印加される張力が大きくなっていく。逆に、ピン18の頭部を回転させて固定部17からピン18を抜き出していくことにより、係合枠14が上方へ移動していきメッシュ10a〜10cに印加される張力が小さくなっていく。このように、複数のピン18を回転させることにより、メッシュ10a〜10cに印加される張力の大きさを調整することができると共に、メッシュ10a〜10cの全面に張力が均一に与えられるよう調整することができる。この場合、メッシュ10a〜10cに印加される張力を調整して張力を上げると硬質な打感が得られ、張力を緩めると柔らかい打感が得られるようになる。そして、張力を調整することにより弱打で高反撥、強打では低反撥というアコースティック・ドラムの打面がもつ自然な打感を得ることもできるようになる。
また、第1実施例の電子ドラム1においては、上面電極とされる上面メッシュ10aと下面電極とされる下面メッシュ10cとはアースに接続されて、中間電極とされる中間メッシュ10bはシールドされるようになる。また、上面メッシュ10aと中間メッシュ10bとにより第1容量手段が構成されていると共に、中間メッシュ10bと下面メッシュ10cとにより第2容量手段が構成されている。そして、パッド部10が叩かれると、その打撃強度に応じて上面メッシュ10aが少なくとも変位して第1容量手段の容量が増加するよう変化する。この際に、中間メッシュ10bも変位すると第2容量手段の容量も増加するよう変化する。この第1容量手段および第2容量手段の容量の変化に基づいて、中間メッシュ10bから打撃強度に応じた打撃センシング信号が出力されるようになる。すなわち、パッド部10の全面が打撃を検出するセンサーとなる。なお、上面メッシュ10aと中間メッシュ10bと下面メッシュ10cには、絶縁材が塗布されたりメッシュ間に軟質の絶縁材が介挿されたりして、互いに接触しても電気的には絶縁される。
このように構成されている第1実施例の電子ドラム1は、パッド部10が空気が透過する上面メッシュ10aないし下面メッシュ10cにより構成されていることから、パッド部10を叩いた際の打撃音が静かになると共に、高反撥弾性の打面を得ることができる。さらに、パッド部10の全面がセンサーとなることから、点ではなく面でセンシングできるようになり、高反応スポットというものがなくパッド部10において均一な反応が得られるようになる。さらにまた、センサーはアースされている上面メッシュ10aと下面メッシュ10cとによりシールドされた容量センサーとなって、打撃から信号検出までの時間が短くなると共に、雑音に強くなることから感度を上げることができるようになる。これにより、微小打撃に対する感度が高くなってダイナミックレンジを大きく取れるようになる。さらにまた、上面メッシュ10aないし下面メッシュ10cのメッシュ間に軟質の絶縁材を介挿させることで、メッシュ間の絶縁性を確保できるばかりでなく、弱打では高反撥、強打では低反撥という、アコースティックドラムに近い自然な打感を得ることができる。なお、第1実施例の電子ドラム1は、構造が単純で安価な材料で構成できるため、安価に製造することができる。
ここで、パッド部10の第1実施形態の構成を図5および図6に示す。図5は第1実施形態のパッド部10の構成を示す平面図であり、図6は第1実施形態のパッド部10の構成を断面図で示す側面図である。
これらの図に示すように、第1実施形態のパッド部10は3枚の上面メッシュ10aないし下面メッシュ10cが各々約5mmずつ離されてメッシュ枠11に張られている。この場合、メッシュ枠11の下面に約0.08mmφのステンレス線等の金属線で織った約60メッシュの平織メッシュからなる下面メッシュ10cをまず張る。下面メッシュ10cの上に絶縁用の薄い(例えば、約2mm厚)発泡ウレタン製のスポンジや不織布からなる第2絶縁層10eを載せて電気的な絶縁を図る。次いで、約0.08mmφのステンレス線等の金属線で織った約60メッシュの平織メッシュからなる中間メッシュ10bを、下面メッシュ10cから約5mm離してメッシュ枠11に張る。その上に、絶縁用の薄い(例えば、約2mm厚)発泡ウレタン製のスポンジや不織布からなる第1絶縁層10dを載せて電気的な絶縁を図る。そして、約0.08mmφのステンレス線等の金属線で織った約60メッシュの平織メッシュからなる上面メッシュ10aを、中間メッシュ10bから約5mm離してメッシュ枠11に張る。
また、第1絶縁層10dおよび第2絶縁層10eに替えて、上面メッシュ10aないし下面メッシュ10cに絶縁塗料などを塗布してメッシュ間の絶縁を図るようにしてもよい。上面メッシュ10aと中間メッシュ10bとの間隔d1は、上記の例では約5mmとされ、中間メッシュ10bと下面メッシュ10cとの間隔d2も、上記の例では約5mmとされているが、これに限るものではなく約0.1mm〜約15mm程度の寸法とすることができる。この場合、間隔d1,d2を約0.1mm未満とすると、メッシュ間の間隔が近すぎて微小打撃でもメッシュ同士が接触してしまい、容量変化がすぐ飽和してしまう。また、間隔d1,d2が約15mmを超えると、メッシュ間の間隔が離れすぎて、微小打撃での感度が不足しやすくなる。さらに、上面メッシュ10aないし下面メッシュ10cに使用する材料に特に制限はないが、鋼、ステンレス、真鍮などの金属、あるいは、導電性のあるカーボン繊維の糸やそれを樹脂で固めた複合材、あるいは、ポリエステルやナイロンの糸の表面にニッケルなどの導電性材料をメッキなどでコーティングしたもの等を使用することができる。
さらにまた、導電性のないポリエステルなどの糸と金属糸の混紡糸を編んだメッシュでもよいし、導電性のないポリエステルやナイロンの延伸ワイヤーと、金属ワイヤーを編みこんで作ったメッシュを使用してもよい。さらにまた、上面メッシュ10aないし下面メッシュ10cのワイヤー線材の径の寸法も特に制限はないが、約0.03mm〜約0.5mm程度とされる。この場合、径を約0.03mm未満とすると径が細すぎて強度が弱くなり切れやすくなる。また、径が約0.5mmを超えるとメッシュの剛性が高くなりすぎ、硬く板をたたいた打感になってしまう。さらにまた、上面メッシュ10aないし下面メッシュ10cの稠密度も特に制限はないが、約5〜約200メッシュ程度とされる。この場合、約5メッシュ未満では、網目が粗すぎてスティックが網目の中に挟まったり突き刺さったりしやすくなる。また、約200メッシュを超えると、密度が高すぎて打撃音が生じるようになる。
パッド部10において、図1に示すような手段によりメッシュ10a〜10cに印加される張力が所定の張力になるよう調整されている。そして、上面メッシュ10aと下面メッシュ10cとは、グラウンドにアースされ、中間メッシュ10bにはアースに対して+あるいは−の電圧が印加される。これにより、上面メッシュ10aと中間メッシュ10bとにより構成されている第1容量手段と、中間メッシュ10bと下面メッシュ10cとにより構成されている第2容量手段に電荷が与えられるようになる。このパッド部10を叩くと、上面メッシュ10aが少なくとも変位し、この結果、少なくとも第1容量手段の容量が変化して第1容量手段に蓄えられる電荷量が変化することから、中間メッシュ10bに変化した電荷量、すなわち打撃強度に応じた打撃センシング信号が出力されるようになる。
ここで、図5および図6に示す第1実施形態のパッド部10を弱く叩いた際の状態を図7に示す。図7に示すようにパッド部10の上面をスティック100で弱く叩いた弱打時においては、上面メッシュ10aにおける叩いた部位のみが下方へ若干撓むように変位する。これにより、第1容量手段の容量が若干変化して弱打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ10bから出力されるようになる。なお、第1絶縁層10dは薄いことから、弱打時には上面メッシュ10aは第1絶縁層10dに接触せず、上面メッシュ10aが単独で打撃に対する反撥をつかさどる。これにより、弱打時にはきわめて反撥率の高いよく弾む打面が得られ、ドラムを弱打でロールするときなどの連続打撃に好適となる。
次に、図5および図6に示す第1実施形態のパッド部10を中くらいで叩いた際の状態を図8に示す。図8に示すようにパッド部10の上面をスティック100で中くらいで叩いた中打時においては、上面メッシュ10aにおける叩いた部位がさらに下方へ撓むように変位する。これにより、第1容量手段の容量変化が大きくなり、中打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ10bから出力されるようになる。なお、中打時には上面メッシュ10aが第1絶縁層10dに接触するようになり、第1絶縁層10dにより上面メッシュ10aにダンピング機能が与えられるようになる。このため、中打時にはパッド部10の反撥弾性は落ちるようになり、不必要な強い反撥が押さえられる。これにより、パッド部10の打感が、アコースティック・ドラムのパッドが備える自然の性質にきわめて近くなり、自然な打感に近づくようになる。
次に、図5および図6に示す第1実施形態のパッド部10を強く叩いた際の状態を図9に示す。図9に示すようにパッド部10の上面をスティック100で強く叩いた強打時においては、上面メッシュ10aにおける叩いた部位が大きく下方へ撓むように変位すると共に、撓んだ上面メッシュ10aに押されて中間メッシュ10bも下方へ若干撓むように変位する。この場合、上面メッシュ10aは第1絶縁層10dを介して中間メッシュ10bに接触することから、第1容量手段の容量変化は飽和して、大きな打撃センシング信号が中間メッシュ10bに誘起される。また、中間メッシュ10bが変位することから、第2容量手段の容量が若干変化して、変化に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ10bに誘起される。これにより、第1容量手段および第2容量手段の変化に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ10bで加算されて、強打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が出力されるようになる。このように、弱打時は第1容量手段の容量変化となり、強打時は第1容量手段に加えて第2容量手段の容量変化となることから、弱打から強打までのダイナミックレンジが広くなったセンシングを行うことができる。なお、強打時は、上面メッシュ10aが第1絶縁層10dに強く接触するため、ダンピングはさらに大きくなる。これにより、パッド部10の打感は、アコースティック・ドラムの打感により近づき、自然な打感が得られるようになる。
さらに、図5および図6に示す第1実施形態のパッド部10をさらに強く叩いた際の状態を図10に示す。図10に示すようにパッド部10の上面をスティック100でさらに強く叩いた超強打時においては、上面メッシュ10aにおける叩いた部位が大きく下方へ撓むように変位すると共に、撓んだ上面メッシュ10aに押されて中間メッシュ10bも下方へ大きく撓むように変位する。この場合、第1容量手段の容量変化は飽和に近づいて、大きな打撃センシング信号が中間メッシュ10bに誘起される。また、中間メッシュ10bは第2絶縁層10eを介して下面メッシュ10cに接触することから、第2容量手段の容量変化も飽和に近づいて、大きな打撃センシング信号が中間メッシュ10bに誘起される。これにより、第1容量手段および第2容量手段の変化に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ10bで加算されて、超強打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が出力されるようになる。なお、これ以上強く叩くとメッシュ10a〜10cは引き伸ばされて、メッシュ10a〜10cの各メッシュ間の間隔がさらに狭まるため、第1容量手段および第2容量手段の飽和に近づいている容量がさらに増加するようになる。すなわち、超強打時でも、それに応じたダイナミックレンジが確保される。なお、超強打時には、上面メッシュ10aは第1絶縁層10dに、中間メッシュ10bは第2絶縁層10eに共に強く押し付けられてダンプされるため、パッド部10の反撥が抑えられ自然な打感が得られるようになる。
次に、本発明の電子打楽器の第2実施例にかかる電子ドラムの構成を示す平面図を図3に、第2実施例の電子ドラムの構成を断面図で示す側面図を図4に示す。
これらの図に示す第2実施例の電子ドラム2は、円筒状の胴を構成しているシェル23を備え、シェル23の上に平らな面を有するリング状の支持枠24が固着されている。また、第2実施例の電子ドラム2における打面を構成しているパッド部20は、リング状の形状が複数に分割されたメッシュ枠21と、このメッシュ枠21が取り付けられているリング状の形状が複数に分割された保持枠22と、張力を与えてメッシュ枠21の上面に張られた上面メッシュ20aと、張力を与えて上面メッシュ20aから所定間隔をもってメッシュ枠21の中間部に張られた中間メッシュ20bと、張力を与えて中間メッシュ20bから所定間隔をもってメッシュ枠21の下面に張られた下面メッシュ20cとの3層に張られた導電性メッシュから構成されている。複数に分割されているそれぞれの保持枠22における周側面のほぼ中央にはネジ孔が中心に向かう方向にそれぞれ形成されている。図示する例では、メッシュ枠21および保持枠22はリング状の形状を6分割して構成されている。
リング状の支持枠24の上面の周縁には上方へ突出するようリング状の起立部24aが形成されている。この起立部24aには周側面から内側面に貫通する複数の挿通孔が形成されている。この挿通孔が形成されている位置は、保持枠22に形成されているネジ孔の位置に対応している。そして、各挿通孔の外側からピン25をそれぞれ挿通して、ピン25の先端部を保持枠22に形成されているネジ孔にそれぞれ螺合する。それぞれのピン25の頭部は、例えば六角形に形成されており、ピン25の頭部を回転させて保持枠22にねじ込んでいくことにより、メッシュ枠21が外側へ引っ張られてメッシュ20a〜20cに印加される張力が大きくなっていく。逆に、ピン25の頭部を回転させて保持枠22からピン25を抜き出していくことにより、メッシュ枠21が内側へ移動していきメッシュ20a〜20cに印加される張力が小さくなっていく。このように、複数のピン25を回転させることにより、メッシュ20a〜20cに印加される張力の大きさを調整することができると共に、メッシュ20a〜20cの全面に張力が均一に与えられるよう調整することができる。この場合、メッシュ20a〜20cに印加される張力を調整して張力を上げると硬質な打感が得られ、張力を緩めると柔らかい打感が得られるようになる。そして、張力を調整することにより弱打で高反撥、強打では低反撥というアコースティック・ドラムの打面がもつ自然な打感を得ることもできるようになる。
また、第2実施例の電子ドラム2においては、上面電極とされる上面メッシュ20aと下面電極とされる下面メッシュ20cとはアースに接続されて、中間電極とされる中間メッシュ20bはシールドされており、上面メッシュ20aと中間メッシュ20bとにより第1容量手段が構成されていると共に、中間メッシュ20bと下面メッシュ20cとにより第2容量手段が構成されている。そして、パッド部20が叩かれると、その打撃強度に応じて上面メッシュ20aが少なくとも変位して第1容量手段の容量が増加するよう変化する。この際に、中間メッシュ20bも変位すると第2容量手段の容量も増加するよう変化する。この第1容量手段および第2容量手段の容量の変化に基づいて、中間メッシュ20bから打撃強度に応じた打撃センシング信号が出力されるようになる。すなわち、パッド部20の全面が打撃を検出するセンサーとなる。なお、上面メッシュ20aと中間メッシュ20bと下面メッシュ20cには、絶縁材が塗布されたりメッシュ間に軟質の絶縁材が介挿されたりして、互いに接触しても電気的には絶縁される。
このように構成されている第2実施例の電子ドラム2は、パッド部20が空気が透過する上面メッシュ20aないし下面メッシュ20cにより構成されていることから、パッド部20を叩いた際の打撃音が静かになると共に、高反撥弾性の打面を得ることができる。さらに、パッド部20の全面がセンサーとなることから、点ではなく面でセンシングするようになり、高反応スポットというものがなくパッド部20において均一な反応が得られるようになる。さらにまた、センサーはアースされている上面メッシュ20aと下面メッシュ20cとによりシールドされた容量センサーとなって、打撃から信号検出までの時間が短くなると共に、雑音に強くなることから感度を上げることができるようになる。これにより、微小打撃に対する感度が高くなってダイナミックレンジを大きく取れるようになる。さらにまた、上面メッシュ20aないし下面メッシュ20cのメッシュ間に軟質の絶縁材を介挿させることで、メッシュ間の絶縁性を確保できるばかりでなく、弱打では高反撥、強打では低反撥という、アコースティック・ドラムに近い自然な打感を得ることができる。なお、第2実施例の電子ドラム2は、構造が単純で安価な材料で構成できるため、安価に製造することができる。
第2の実施例の電子ドラム2においても、パッド部20として第1実施形態のパッド部10を用いることができる。ただし、第2の実施例の電子ドラム2に適用する場合は、メッシュ枠11を複数に分割するようにする。
次に、第2実施形態のパッド部30の構成を図11に示す。図11に示す第2実施形態のパッド部30は、上面電極とされる上面メッシュ30aないし下面電極とされる下面メッシュ30cが所定間隔でメッシュ枠31に3層に張られている。この場合、上面メッシュ30aと中間電極とされる中間メッシュ30bとの間隔d3は狭く、中間メッシュ30bと下面メッシュ30cとの間隔d4は、間隔d3より広くなるようにメッシュ枠31に張られている。また、図示されていないが中間メッシュ30bの上に発泡ウレタン製のスポンジや不織布からなる薄い第1絶縁層が、下面メッシュ30cの上に発泡ウレタン製のスポンジや不織布からなる薄い第2絶縁層が載せられて、メッシュ間の電気的な絶縁が図られている。あるいは、上面メッシュ30aないし下面メッシュ30cに絶縁塗料などを塗布してメッシュ間の絶縁を図るようにしてもよい。なお、上面メッシュ30aないし下面メッシュ30cにおける間隔d3,d4の寸法の範囲、素材の種類、素材の径の寸法や稠密度の範囲については第1実施形態のパッド部10と同様とされているので、その説明は省略する。
ここで、図11に示す第2実施形態のパッド部30を弱く叩いた際の状態を図12に示す。図12に示すようにパッド部30の上面をスティック100で弱く叩いた弱打時においては、上面メッシュ30aにおける叩いた部位のみが下方へ若干撓むように変位する。これにより、上面メッシュ30aと中間メッシュ30bとからなる第1容量手段の容量が若干変化して弱打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ30bから出力されるようになる。弱打時は、上面メッシュ30a上の打撃部がスティック100で押されて、中間メッシュ30bに近づくが、上面メッシュ30aと中間メッシュ30bの間隔d3が小さくされていることから、上面メッシュ30aの撓み移動量(ΔL)に対する間隔d3の変化率である(L−ΔL)/Lが大きくなり、感度が上がる。なお、この場合のLは間隔d3に等しい。
次に、図11に示す第2実施形態のパッド部30を強く叩いた際の状態を図13に示す。図13に示すようにパッド部30の上面をスティック100で強く叩いた強打時においては、上面メッシュ30aにおける叩いた部位が大きく下方へ撓むように変位すると共に、撓んだ上面メッシュ30aに押されて中間メッシュ30bも下方へ若干撓むように変位する。この場合、上面メッシュ30aは第1絶縁層を介して中間メッシュ30bに接触することから、第1容量手段の容量変化は飽和して、大きな打撃センシング信号が中間メッシュ30bに誘起される。また、中間メッシュ30bが変位することから、中間メッシュ30bと下面メッシュ30cとからなる第2容量手段の容量が若干変化して、変化に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ30bに誘起される。これにより、第1容量手段および第2容量手段の変化に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ30bで加算されて、強打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が出力されるようになる。この場合、上面メッシュ30aと中間メッシュ30bとの間隔d3が小さくされているため、第1容量手段の感度が高くなるが、少し強く打撃すると、上面メッシュ30a上の打撃部と中間メッシュ30bとが、第1絶縁層を介してすぐに接触してしまい、第1容量手段の出力は飽和に近づくようになる。しかし、強打時には、上面メッシュ30aおよび中間メッシュ30bがさらにスティック100で押され、中間メッシュ30bは下面メッシュ30cに近づき始める。そして、中間メッシュ30bと下面メッシュ30cとの間隔d4が大きくされているため、第2容量手段は飽和をおこしにくく、中間メッシュ30bが変位するに従って、第2容量手段の容量が増加していくようになる。すなわち、第2実施形態のパッド部30は強打でも飽和しにくく、弱打時は感度の高い第1容量手段によりセンシングすることができ、強打時は第2容量手段でセンシングすることができることから、弱打から強打まで広いダイナミックレンジでセンシングを行うことができるようになる。
図11に示す第2実施形態のパッド部30において、上面メッシュ30aと中間メッシュ30bとの間隔d3と、中間メッシュ30bと下面メッシュ30cとの間隔d4を可変可能としてもよい。図14に、間隔d3,d4を可変できる第2実施形態のパッド部30の変形例の構成を示す。
図14に示す第2実施形態の変形例のパッド部30において、メッシュ枠31はリング状の上部枠31aと中間枠31bと下部枠31cとを備えている。リング状に形成されている上部枠31aの上面から下面へ貫通する挿通孔が内周側と外周側にそれぞれ形成されている。この内周側の挿通孔内には第1調整ネジ31dが挿通され、外周側の挿通孔内には第2調整ネジ31eが挿通されている。第1調整ネジ31dにはコイル状の第1スプリング31fが嵌挿されて、先端部が中間枠31bに形成されているネジ穴に螺合されており、第2調整ネジ31eにコイル状の第2スプリング31gが嵌挿されて、先端部が下部枠31cに形成されているネジ穴に螺合されている。
また、上面メッシュ30aの周縁部は断面が細長い矩形とされている上部枠31aの下面に貼着されており、中間メッシュ30bの周縁部は断面が矩形とされている中間枠31bの上面に貼着されており、下面メッシュ30cの周縁部は断面が矩形とされている下部枠31cの上面に貼着されている。ここで、第1調整ネジ31dを締めていくと第1スプリング31fが圧縮されて中間枠31bが上部枠31aに近づき、上面メッシュ30aと中間メッシュ30bとの間隔d3が狭まるようになる。また、第1調整ネジ31dを緩めていくと第1スプリング31fの付勢力により中間枠31bが上部枠31aから離れていき、上面メッシュ30aと中間メッシュ30bとの間隔d3が広がるようになる。さらに、第2調整ネジ31eを締めていくと第2スプリング31gが圧縮されて下部枠31cが上部枠31aに近づき、中間メッシュ30bと下面メッシュ30cとの間隔d4が狭まるようになる。さらにまた、第2調整ネジ31eを緩めていくと第2スプリング31gの付勢力により下部枠31cが上部枠31aから離れていき、中間メッシュ30bと下面メッシュ30cとの間隔d4が広がるようになる。このようにして、上面メッシュ30aと中間メッシュ30bとの間隔d3と、中間メッシュ30bと下面メッシュ30cとの間隔d4を独立して所望の間隔になるよう可変することができる。
次に、間隔d3,d4を可変できる第2実施形態のパッド部30の他の変形例の構成を図15に示す。
図15に示す第2実施形態の他の変形例のパッド部30において、メッシュ枠31はリング状の上部枠31hと中間枠31iと下部枠31jとを備えている。リング状に形成されている上部枠31hと中間枠31iにおいて、上面から下面へ貫通する挿通孔がほぼ中央にそれぞれ形成されている。上部枠31hの挿通孔内には上から調整ネジ31kが挿通され、上部枠31hの下面から突出した調整ネジ31kに弾力性のある第1スペーサ31mが嵌挿されて、調整ネジ31kは中間枠31iの挿通孔に挿通されている。さらに、中間枠31iの下面から突出した調整ネジ31kに弾力性のある第2スペーサ31nが嵌挿されて、調整ネジ31kの先端部が下部枠31jのほぼ中央に形成されているネジ穴に螺合されている。
また、上面メッシュ30aの周縁部は断面が矩形とされている上部枠31hの下面に貼着されており、中間メッシュ30bの周縁部は断面が矩形とされている中間枠31iの上面に貼着されており、下面メッシュ30cの周縁部は断面が矩形とされている下部枠31jの上面に貼着されている。ここで、調整ネジ31kを締めていくと第1スペーサ31mおよび第2スペーサ31nが圧縮され、中間枠31iが上部枠31aに近づくと共に下部枠31jが中間枠31iに近づいていく。これにより、上面メッシュ30aと中間メッシュ30bとの間隔d3が狭まると共に、中間メッシュ30bと下面メッシュ30cとの間隔d4が狭まるようにようになる。また、調整ネジ31kを緩めていくと第1スペーサ31mおよび第2スペーサ31nの付勢力により、中間枠31iが上部枠31aから離れていくと共に下部枠31jが中間枠31iから離れていく。これにより、上面メッシュ30aと中間メッシュ30bとの間隔d3が広がるようになると共に、中間メッシュ30bと下面メッシュ30cとの間隔d4が広がるようになる。ここで、第1スペーサ31mの剛性と第2スペーサ31nの剛性とは異ならせてあり、調整ネジ31kを締めた(緩めた)際に間隔d3が狭く(広く)なる割合と間隔d4が狭く(広く)なる割合とを、剛性の大きさに応じて異ならせることができる。このようにして、上面メッシュ30aと中間メッシュ30bとの間隔d3と、中間メッシュ30bと下面メッシュ30cとの間隔d4を連動させて可変することができる。なお、第1スペーサ31mと第2スペーサ31nは、コイル状スプリング、板バネ、ゴム、エラストマー等により構成される。
次に、第3実施形態のパッド部40の構成を図16に示す。図16に示す第3実施形態のパッド部40は、上面電極とされる上面メッシュ40aないし下面電極とされる下面メッシュ40cの張力を変えて所定間隔で3層にメッシュ枠41に張られている。この場合、上面メッシュ40aに与えられる張力は弱くされ、中間電極とされる中間メッシュ40bに与えられる張力は中くらいとされ、下面メッシュ40cに与えられる張力は強くされている。この構成では、上面メッシュ40aないし下面メッシュ40cの張力を変えられるよう、各メッシュを外部から引っ張る機構が付加されている。また、図示されていないが中間メッシュ40bの上に発泡ウレタン製のスポンジや不織布からなる薄い第1絶縁層が、下面メッシュ40cの上に発泡ウレタン製のスポンジや不織布からなる薄い第2絶縁層が載せられて、メッシュ間の電気的な絶縁が図られている。あるいは、上面メッシュ40aないし下面メッシュ40cに絶縁塗料などを塗布してメッシュ間の絶縁を図るようにしてもよい。なお、上面メッシュ40aないし下面メッシュ40cにおける間隔d3,d4の寸法の範囲、素材の種類、素材の径の寸法や稠密度の範囲については第1実施形態のパッド部10と同様とされているので、その説明は省略する。
ここで、図16に示す第3実施形態のパッド部40を弱く叩いた際の状態を図17に示す。図17に示すようにパッド部40の上面をスティック100で弱く叩いた弱打時においては、上面メッシュ40aにおける叩いた部位が下方へ撓むように変位する。これにより、上面メッシュ40aと中間メッシュ40bとからなる第1容量手段の容量が若干変化して弱打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ40bから出力されるようになる。弱打時は、上面メッシュ40a上の打撃部がスティック100で押されて、中間メッシュ40bに近づくが、上面メッシュ40aに与えられている張力が弱いため、弱い打撃でも上面メッシュ40aの撓み移動量が大きくなって、第1容量手段の変化率が大きくなることから、感度が高くなる。
次に、図16に示す第3実施形態のパッド部40を強く叩いた際の状態を図18に示す。図18に示すようにパッド部40の上面をスティック100で強く叩いた強打時においては、上面メッシュ40aにおける叩いた部位が大きく下方へ撓むように変位すると共に、撓んだ上面メッシュ40aに押されて中間メッシュ40bも下方へ若干撓むように変位する。この場合、上面メッシュ40aは第1絶縁層を介して中間メッシュ40bに接触することから、第1容量手段の容量変化は飽和して、大きな打撃センシング信号が中間メッシュ40bに誘起される。また、中間メッシュ40bが変位することから、中間メッシュ40bと下面メッシュ40cとからなる第2容量手段の容量が若干変化して、変化に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ40bに誘起される。これにより、第1容量手段および第2容量手段の変化に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ40bで加算されて、強打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が出力されるようになる。
この場合、上面メッシュ40aに与えられている張力は弱いため、打撃に対する変位が得やすくなり、第1容量手段の感度は高くなるが、少し強く打撃すると、上面メッシュ40a上の打撃部と中間メッシュ40bが第1絶縁層を介してすぐに接触してしまい、第1容量手段の出力は飽和に近づくようになる。しかし、強打時には、上面メッシュ40aおよび中間メッシュ40bがさらにスティック100で押され、中間メッシュ40bは下面メッシュ40cに近づき始める。しかし、中間メッシュ40bに与えられている張力は上面メッシュ40aに与えられている張力より強くされて剛性が高くされているため、そこから先の変位は急激に小さくなる。このため、第2容量手段の出力の飽和はおきにくく、中間メッシュ40bの変位に従って第2容量手段の容量が増加していくようになる。すなわち、第3実施形態のパッド部40は強打でも飽和しにくく、弱打時は感度の高い第1容量手段によりセンシングすることができ、強打時は第2容量手段でセンシングすることができることから、弱打から強打まで広いダイナミックレンジでセンシングを行うことができるようになる。
次に、第4実施形態のパッド部50の構成を図19に示す。図19に示す第4実施形態のパッド部50は、上面電極とされる上面メッシュ50aないし下面電極とされる下面メッシュ50cが所定間隔で3層にメッシュ枠51に張られている。また、中間電極とされる中間メッシュ50bの上に発泡ウレタン製のスポンジからなる薄い第1絶縁層50dが、下面メッシュ50cの上に発泡ウレタン製のスポンジからなる薄い第2絶縁層50eが載せられて、メッシュ間の電気的な絶縁が図られている。この場合、第1絶縁層50dは剛性の低い柔らかい発泡ポリウレタン製のスポンジとされるが、省略してもよい。また、第2絶縁層50eは剛性が高めの硬い発泡ポリウレタン製のスポンジとされる。なお、上面メッシュ50aないし下面メッシュ50cにおける間隔d3,d4の寸法の範囲、素材の種類、素材の径の寸法や稠密度の範囲については第1実施形態のパッド部10と同様とされているので、その説明は省略する。
ここで、図19に示す第4実施形態のパッド部50を弱く叩いた際の状態を図20に示す。図20に示すようにパッド部50の上面をスティック100で弱く叩いた弱打時においては、上面メッシュ50aにおける叩いた部位が下方へ撓むように変位する。これにより、上面メッシュ50aと中間メッシュ50bとからなる第1容量手段の容量が若干変化して弱打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ50bから出力されるようになる。弱打時は、上面メッシュ50a上の打撃部がスティック100で押されて、中間メッシュ50bに近づくが、第1絶縁層50dの剛性が小さくされているため、弱い打撃でも上面メッシュ50aの撓み移動量が大きくなって、第1容量手段の変化率が大きくなることから、感度が高くなる。なお、第1絶縁層50dを省略した場合も同様になる。
次に、図19に示す第4実施形態のパッド部50を強く叩いた際の状態を図21に示す。図21に示すようにパッド部50の上面をスティック100で強く叩いた強打時においては、上面メッシュ50aにおける叩いた部位が大きく下方へ撓むように変位すると共に、撓んだ上面メッシュ50aに押されて中間メッシュ50bも下方へ若干撓むように変位する。この場合、上面メッシュ50aは第1絶縁層50dを介して中間メッシュ50bに接触することから、第1容量手段の容量変化は飽和して、大きな打撃センシング信号が中間メッシュ50bに誘起される。また、中間メッシュ50bが変位することから、中間メッシュ50bと下面メッシュ50cとからなる第2容量手段の容量が若干変化して、変化に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ50bに誘起される。これにより、第1容量手段および第2容量手段の変化に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ50bで加算されて、強打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が出力されるようになる。
この場合、第1絶縁層50dの剛性が小さくされているため、打撃に対する変位が得やすくなり、第1容量手段の感度は高くなるが、少し強く打撃すると、上面メッシュ50a上の打撃部と中間メッシュ50bが第1絶縁層50dを介してすぐに接触してしまい、第1容量手段の出力は飽和に近づくようになる。しかし、強打時には、上面メッシュ50aおよび中間メッシュ50bがさらにスティック100で押され、中間メッシュ50bは下面メッシュ50cに近づき始める。しかし、中間メッシュ50bと下面メッシュ50cとの間に介挿されている第2絶縁層50eの剛性が大きくされているため、そこから先の変位は急激に小さくなる。このため、第2容量手段の出力の飽和はおきにくく、中間メッシュ50bの変位に従って第2容量手段の容量が増加していくようになる。すなわち、第4実施形態のパッド部50は強打でも飽和しにくく、弱打時は感度の高い第1容量手段によりセンシングすることができ、強打時は第2容量手段でセンシングすることができることから、弱打から強打まで広いダイナミックレンジでセンシングを行うことができるようになる。
次に、中間メッシュを電気的に分割した第5実施形態のパッド部60の構成を示す平面図を図22に、第5実施形態のパッド部60の構成を断面図で示す側面図を図23に示す。
これらの図に示す第5実施形態のパッド部60は、上面電極とされる上面メッシュ60aないし下面電極とされる下面メッシュ60cが所定間隔で3層にメッシュ枠61に張られている。また、図示されていないが中間電極とされる中間メッシュ60bの上に発泡ウレタン製のスポンジや不織布からなる薄い第1絶縁層が、下面メッシュ60cの上に発泡ウレタン製のスポンジや不織布からなる薄い第2絶縁層が載せられて、メッシュ間の電気的な絶縁が図られている。中間メッシュ60bは、ほぼ中央に形成されている略円形の第1分割電極60−1と、第1分割電極60−1の周囲にリング状に形成されている第2分割電極60−2とを有している。この中間メッシュ60bは、例えば約0.08mmφのポリエステルワイヤー等の非金属のワイヤーで織った約60メッシュの保持メッシュ60fを基材とし、保持メッシュ60f上に、約0.08mmφのステンレス線等の金属線で織った約60メッシュの平織メッシュで形成した第1分割電極60−1および第2分割電極60−2を貼着して構成されている。第1分割電極60−1および第2分割電極60−2からは、容量変化に対応する打撃センシング信号を外部に取り出せるよう、図示しない引き出し線が導出されている。
なお、上面メッシュ60aおよび下面メッシュ60cはグラウンドにアースされて中間メッシュ60bはシールドされており、その素材の種類、素材の径の寸法や稠密度の範囲については第1実施形態のパッド部10と同様とされているので、その説明は省略する。また、図示する例では、同心円状に区切られた2つの分割電極を中間メッシュ60bは備えるようにしたが、同心円状に3以上に区切ることにより分割電極を3以上設けるようにしてもよい。
ここで、第5実施形態のパッド部60において、第1分割電極60−1の上をスティック100で叩いた際の状態を図24に示す。第1分割電極60−1の上は、パッド部60における中央部近傍となるため、上面メッシュ60aと中間メッシュ60bにおける第1分割電極60−1との電極間距離変化が、他の部分を叩いたときに比して最も大きくなると共に速く発生する。このため、上面メッシュ60aと第1分割電極60−1とからなる容量手段の容量変化が最も大きくなると共に、容量変化も速くなる。従って、第1分割電極60−1からは打撃強度に応じた大きな打撃センシング信号が出力されるようになり、第2分割電極60−2からは小さな信号が出力されるようになる。
次に、第5実施形態のパッド部60において、第2分割電極60−2の上をスティック100で叩いた際の状態を図25に示す。第2分割電極60−2の上は、パッド部60における周辺部近傍となるため、上面メッシュ60aと中間メッシュ60bにおける第2分割電極60−2との電極間距離変化が、他の部分を叩いたときに比して最も大きくなると共に速く発生する。このため、上面メッシュ60aと第2分割電極60−2とからなる容量手段の容量変化が最も大きくなると共に、容量変化も速くなる。従って、第2分割電極60−2からは打撃強度に応じた打撃センシング信号が速く出力されるようになり、第1分割電極60−1からは小さな信号が遅れて出力されるようになる。
このことから、分割電極の出力の内で最も大きな信号を出力した分割電極の位置を打撃位置として検出することができる。また、最も大きな信号の大きさから打撃強度も検知されるようになる。
なお、第5実施形態のパッド部60に上記した第2実施形態ないし第4実施形態における強打でも飽和しにくく、弱打時は感度の高い第1容量手段によりセンシングすることができ、強打時は第2容量手段でセンシングすることができるダイナミックレンジの広いパッド部の構成を適用することができる。
次に、第5実施形態のパッド部を適用した本発明の電子打楽器にかかる第3実施例の電子ドラム3の回路構成を示す回路ブロック図を図26に示す。
図26に示す第3実施例の電子ドラム3においては、中間メッシュの電極が同心円状に4分割されたパッド部70とされている。パッド部70における中間メッシュの保持メッシュ上に同心円状に区切られた第1分割電極70−1、第2分割電極70−2、第3分割電極70−3、第4分割電極70−4が形成されている。これらの第1分割電極70−1ないし第4分割電極70−4のそれぞれから引き出し線が導出されて、第1アンプA1ないし第4アンプA4の入力に接続されている。第1分割電極70−1ないし第4分割電極70−4には、電源+Vから抵抗R1ないし抵抗R4および引き出し線を介して電荷が与えられている。すなわち、第1分割電極70−1からの引き出し線は抵抗R1を介して電源+Vに接続されると共に第1アンプA1に接続され、第2分割電極70−2からの引き出し線は抵抗R2を介して電源+Vに接続されると共に第2アンプA2に接続され、第3分割電極70−3からの引き出し線は抵抗R3を介して電源+Vに接続されると共に第3アンプA3に接続され、第4分割電極70−4からの引き出し線は抵抗R4を介して電源+Vに接続されると共に第4アンプA4に接続されている。
第1アンプA1ないし第4アンプA4により増幅された第1分割電極70−1ないし第4分割電極70−4からそれぞれ出力された信号は、アナログ/ディジタル変換器(A/D)101によりそれぞれディジタル信号に変換される。CPU(Central Processing Unit)102は、A/D101から出力されるディジタル信号を処理することにより、パッド部70をスティック100で叩いた際の打撃強度と打撃位置とを検出している。第1分割電極70−1ないし第4分割電極70−4における各リング状の分割電極の面積は等しく形成することが好適であるが、等しく形成することができない場合はこれを補正する補正テーブル102aをCPU102は備えている。これは、第1分割電極70−1ないし第4分割電極70−4における分割電極の面積が等しくないと、同じ打撃力が加えられても小さい面積の分割電極では容量の変化率が大きくなり、大きい面積の分割電極では容量の変化率が小さくなって、出力される信号のレベルが異なるようになる。そこで、補正テーブル102aにより分割電極の面積の異なりを補正して同じ打撃力が加えられた際には分割電極の面積が異なっていても同じ打撃強度として検出されるようにしている。また、CPU102は第1分割電極70−1ないし第4分割電極70−4から出力される信号のうちの最大レベルの信号を出力する分割電極を検出することにより、打撃位置を検出している。
そして、CPU102は検出された打撃位置と打撃強度の情報を音源103に与えて、音源103は打撃位置に応じた音色の楽音波形データをメモリ103aから読み出して、打撃強度に応じたエンベロープを付与することにより楽音を発生させる。音源103には、音の種類別や音程別の楽音波形データがメモリ103aに記憶されている。なお、打撃位置と打撃強度の情報を音の種類、音の大きさ、音程、音質等のパラメータに自由に割り当てて楽音を発生させるようにしてもよい。これにより、アコースティックなドラムを叩いたときと同様の楽音が得られるようになる。この楽音はアンプ104により増幅されてスピーカ(SP)105から放音される。
図26に示す第3実施例の電子ドラム3におけるパッド部70の概略構成を図27に示す。図27に示すパッド部70は、上面電極とされる上面メッシュ70aないし下面電極とされる下面メッシュ70cの3層とされた導電性メッシュを備えている。中間電極とされる中間メッシュ70bは、同心円状に区切られた第1分割電極70−1ないし第4分割電極70−4を有している。この中間メッシュ70bは、非金属のワイヤーで織った保持メッシュ上に、金属線で織った平織メッシュで形成した第1分割電極70−1ないし第4分割電極70−4を貼着して構成されている。第1分割電極70−1ないし第4分割電極70−4からは、容量変化に対応する打撃センシング信号を外部に取り出せるよう、引き出し線1−4がそれぞれ導出されている。また、上面メッシュ70aおよび下面メッシュ70cはグラウンドにアースされて、中間メッシュ70bはシールドされている。
また、図26に示す第3実施例の電子ドラム3におけるパッド部70回りの等価回路を図28に示す。図28において、破線で囲った部位は中間メッシュ70bの等価回路とされ、容量B1は第1分割電極70−1と上面メッシュ70aおよび下面メッシュ70cとの間の容量であり、容量B2は第2分割電極70−2と上面メッシュ70aおよび下面メッシュ70cとの間の容量であり、容量B3は第3分割電極70−3と上面メッシュ70aおよび下面メッシュ70cとの間の容量であり、容量B4は第4分割電極70−4と上面メッシュ70aおよび下面メッシュ70cとの間の容量である。定常状態においては、容量B1ないし容量B4にはそれぞれ直列に接続されている抵抗R1ないし抵抗R4により電源+Vから充電された状態とされている。ここで、スティック100によりパッド部70が叩かれて、例えば容量B1の容量値が大きくなるよう変化したとする。すると、抵抗R1と容量B1との接続点の電位が下がり容量B1は抵抗R1を介して充電されていくようになる。この時の抵抗R1と容量B1との接続点の電位変化が信号として第1アンプA1により増幅されてA/D101に供給されるようになる。この信号のレベルは容量B1の変化率にほぼ比例し、スティック100で強く叩くほど大きなレベルの信号が出力されるようになる。
次に、中間メッシュを電気的に分割した第6実施形態のパッド部80における中間メッシュの構成を示す平面図を図29に示す。
図29に示す第6実施形態のパッド部80は、図示されていないが所定間隔で張られた上面電極とされる上面メッシュ80a、中間電極とされる中間メッシュ80bおよび下面電極とされる下面メッシュ80cを備えている。中間メッシュ80bは、マトリクス状に区切られた16個のパッチ電極B11〜B44を有している。この中間メッシュ80bは、非金属のワイヤーで織った保持メッシュ80f上に、金属線で織った平織メッシュで形成した4×4の16個のパッチ電極B11,B12,B13,・・・,B44を貼着して構成されている。パッチ電極B11〜B44からは、容量変化に対応する打撃センシング信号を外部に取り出せるよう、それぞれのパッチ電極B11〜B44から引き出し線が導出され、引き出し線は8本ずつ中間メッシュ80bの左側と右側から引き出されている。すなわち、図29に示すように中間メッシュ80bの左側から引き出し線b11,b12,b21,・・・,b42が引き出され、中間メッシュ80bの右側から引き出し線b14,b13,b24,・・・,b43が引き出されている。また、上面メッシュ80aおよび下面メッシュ80cはグラウンドにアースされて、中間メッシュ80bはシールドされている。このように構成された第6実施形態のパッド部80では、パッチ電極B11〜B44の出力の内で最も大きな信号を出力したパッチ電極B11〜B44の位置が打撃位置として検出することができる。また、最も大きな信号の大きさから打撃強度も検知される。
次に、本発明の電子打楽器の第4実施例にかかる電子ドラムの構成を断面図で示す側面図を図30に示す。
この図に示す第4実施例の電子ドラム4は、第1実施例の電子ドラム1におけるパッド部10の構成を変更している電子ドラムとされている。すなわち、円筒状の胴を構成しているシェル116を備え、シェル116の外周面にはリング状の平らな固定部117が固着されている。この固定部117には、上面から下面まで貫通するに複数のネジ孔が所定間隔で形成されている。また、シェル116の上に階段状の段差部を有するリング状の支持枠115aが固着されている。第4実施例の電子ドラム4における打面を構成しているパッド部110は、上面電極とされる導電性メッシュからなる上面メッシュ110aと、金属製等とされる導電性の略円形とされた中間電極110bと、金属製等とされる導電性の略円形とされた下面電極110cとから構成されている。上面メッシュ110aの周縁は引っ張り部113に固着されており、引っ張り部113により所定の外側に向かう張力が与えられて支持枠115aの上面に張られている。また、中間電極110bと下面電極110cは剛性のある絶縁板110eの両面にそれぞれ貼着あるいは蒸着により形成されており、絶縁板110eは支持枠115aの段差部に嵌着されている。さらに、上面メッシュ110aと中間電極110bとの間には、その間の絶縁を図るゴム、エラストマーやスポンジ等の絶縁性の軟質クッション材110dが挿入されている。
引っ張り部113の端部には断面が楕円状等に拡大されている係合枠114が形成されている。引っ張り部113は、支持枠115aの上面の周縁から上方へ突出するよう形成された縁部を越えて斜め下方へ屈曲されて延伸されている。この引っ張り部113の係合枠114に対して下方へ応力を印加することにより、支持枠115aの上面に張られている上面メッシュ110aに張力が与えられるようになる。係合枠114の上面には、略リング状の形状を複数に分割した係合部115の下面が当接している。係合部115の外側面からは平らな突出部が外側へ向かって形成されており、この突出部にはピン118が挿通される複数の挿通孔が所定間隔で形成されている。この挿通孔が形成される位置は、固定部117に形成されているネジ孔の位置に対応しており、挿通孔の上から挿通した複数のピン118は固定部117に形成されているネジ孔にそれぞれ螺合される。
それぞれのピン118の頭部は、例えば六角形に形成されており、ピン118の頭部を回転させて固定部117のネジ孔にねじ込んでいくことにより、係合枠114が下方へ移動していき上面メッシュ110aに印加される張力が大きくなっていく。逆に、ピン118の頭部を回転させて固定部117からピン118を抜き出していくことにより、係合枠114が上方へ移動していき上面メッシュ110aに印加される張力が小さくなっていく。このように、複数のピン118を回転させることにより、上面メッシュ110aに印加される張力の大きさを調整することができると共に、上面メッシュ110aの全面に張力が均一に与えられるよう調整することができる。この場合、上面メッシュ110aに印加される張力を調整して張力を上げると硬質な打感が得られ、張力を緩めると柔らかい打感が得られるようになる。そして、張力を調整することにより弱打で高反撥、強打では低反撥というアコースティック・ドラムの打面がもつ自然な打感を得ることもできるようになる。
また、第4実施例の電子ドラム4においては、上面メッシュ110aと下面電極110cとはアースに接続されて、中間電極110bはシールドされるようになる。また、上面メッシュ110aと中間電極110bとにより第1容量手段が構成されていると共に、中間電極110bと下面電極110cとにより第2容量手段が構成されている。そして、パッド部110が叩かれると、その打撃強度に応じて上面メッシュ110aが変位して第1容量手段の容量が増加するよう変化する。この第1容量手段の容量の変化に基づいて、中間電極110bから打撃強度に応じた打撃センシング信号が出力されるようになる。すなわち、パッド部110の全面が打撃を検出するセンサーとなる。
このように構成されている第4実施例の電子ドラム4は、パッド部110が空気が透過する上面メッシュ110aを備えていることから、パッド部110を叩いた際の打撃音が静かになると共に、高反撥弾性の打面を得ることができる。さらに、パッド部110の全面がセンサーとなることから、点ではなく面でセンシングできるようになり、高反応スポットというものがなくパッド部110において均一な反応が得られるようになる。さらにまた、センサーはアースされている上面メッシュ110aと下面電極110cとによりシールドされた容量センサーとなって、打撃から信号検出までの時間が短くなると共に、雑音に強くなることから感度を上げることができるようになる。これにより、微少打撃に対する感度が高くなってダイナミックレンジを大きく取れるようになる。さらにまた、上面メッシュ110aと中間電極110b間に軟質クッション材110dを介挿させることで、弱打では高反撥、強打では低反撥という、アコースティック・ドラムに近い自然な打感を得ることができる。なお、第4実施例の電子ドラム4は、構造が単純で安価な材料で構成できるため、安価に製造することができる。
第4実施例の電子ドラム4のパッド部110を弱く叩いた際の状態を図31に示す。図31に示すようにパッド部110の上面をスティック100で弱く叩いた弱打時においては、上面メッシュ110aにおける叩いた部位のみが下方へ若干撓むように変位する。これにより、第1容量手段の容量が若干変化して弱打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が中間電極110bから出力されるようになる。なお、軟質クッション材110dは薄いことから、弱打時には上面メッシュ110aは軟質クッション材110dに接触せず、上面メッシュ110aが単独で打撃に対する反撥をつかさどる。これにより、弱打時にはきわめて反撥率の高いよく弾む打面が得られ、ドラムを弱打でロールするときなどの連続打撃に好適となる。
次に、第4実施例の電子ドラム4のパッド部110の上面をスティック100で中くらいで叩いた中打時においては、上面メッシュ110aにおける叩いた部位がさらに下方へ撓むように変位する。これにより、第1容量手段の容量変化が大きくなり、中打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が中間電極110bから出力されるようになる。なお、中打時には上面メッシュ110aが軟質クッション材110dに接触するようになり、軟質クッション材110dにより上面メッシュ110aにダンピング機能が与えられるようになる。このため、中打時にはパッド部110の反撥弾性は落ちるようになり、不必要な強い反撥が押さえられる。これにより、パッド部110の打感が、アコースティック・ドラムのパッドが備える自然の性質にきわめて近くなり、自然な打感に近づくようになる。
次に、第4実施例の電子ドラム4のパッド部110を強く叩いた際の状態を図32に示す。図32に示すようにパッド部110の上面をスティック100で強く叩いた強打時においては、上面メッシュ110aにおける叩いた部位が大きく下方へ撓み、軟質クッション材110dにめり込むようになる。これにより、第1容量手段の容量変化がさらに大きくなり、強打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が中間電極110bから出力されるようになる。なお、強打時には上面メッシュ110aが軟質クッション材110dにめり込むようになり、軟質クッション材110dにより上面メッシュ110aにさらにダンピング機能が与えられるようになる。このため、強打時にはパッド部110の反撥弾性はさらに落ちるようになり、強打しても不必要な強い反撥が押さえられる。これにより、パッド部110の打感は、アコースティック・ドラムの打感により近づき、自然な打感が得られるようになる。
第4実施例の電子ドラム4のパッド部110を叩いた際の打撃強さに対する出力特性を図33に、第4実施例の電子ドラム4のパッド部110を叩いた際の打撃強さに対する打面からの反力特性を図34(a)に、第4実施例の電子ドラム4のパッド部110を叩いた際の打撃強さに対する反撥弾性特性を図34(b)に示す。
これらの図を参照すると、弱打から中打までの上面メッシュ110aが軟質クッション材110dに接触するまでは、打撃強さに対して出力および打面からの反力はリニアに上昇していくと共に、反発弾性は高い率の反発弾性を維持する。そして、打撃強さが増して上面メッシュ110aが軟質クッション材110dに接触すると、この接触により打撃力増加に対する出力の増加カーブは変曲点aを持って、変曲点aを超えると傾斜が緩くなり、打面からの反力の増加カーブは変曲点dを持って、変曲点dを超えると傾斜が急になる。さらに、反発弾性の減少カーブは変曲点gを持って、変曲点gを超えると急に下降していく。これは、打撃力が増加すると上面メッシュ110aが軟質クッション材110dに接触してめり込むようになることから、出力の増加カーブは鈍化するが飽和せずに徐々に増加し、打面からの反力は急激に上昇するようになると共に、反発弾性は急激に減少していくからである。
上記した第4実施例の電子ドラム4のパッド部110の非線形性は、アコースティックのドラムも有しており、電子ドラム4ではアコースティックに近い感覚が得られる。すなわち、打撃力が小さい弱打時には、スティック100は上面メッシュ110aと接触するだけであり、上面メッシュ110aの反撥率は大変大きいため、弱打時の打撃はよく弾むようになる。そのため、弱打で連続打のロールなどの奏法をとる際、連続打が非常に容易になり美しい連続打ができる。一方、中打以上になると、上面メッシュ110aは軟質クッション材110dに接触し始めるが、軟質クッション材110dの反撥率は上面メッシュ110aより小さくされていることから、その軟質クッション材110dの低反撥率の影響によりスティック100はだんだん弾まなくなる。このため、スティック100が暴れずコントロールされた打撃ができるようになる。ところで、従来のようにメッシュ1枚だけの打面の場合は、強打のときスティックが強烈に弾むため、スティックが暴れて跳ね返りコントロールできなくなるが、第4実施例の電子ドラム4のように軟質クッション材110dを有していると、スティック100が暴れずコントロールされた打撃ができるようになる。このように、打撃力が増加するに従って、スティック100が打面から受ける反発弾性は図34(b)に示すように非線形に減少していくようになる。
次に、本発明の電子打楽器の第5実施例にかかる電子ドラムの構成を断面図で示す側面図を図35に示す。
この図に示す第5実施例の電子ドラム5は、第1実施例の電子ドラム1におけるパッド部10の構成を変更している電子ドラムとされている。すなわち、円筒状の胴を構成しているシェル126を備え、シェル126の外周面にはリング状の平らな固定部127が固着されている。この固定部127には、上面から下面まで貫通するに複数のネジ孔が所定間隔で形成されている。また、シェル126の上に階段状の段差部を有するリング状の支持枠125aが固着されている。第5実施例の電子ドラム5における打面を構成しているパッド部120は、上面電極とされる導電性メッシュからなる上面メッシュ120aと、中間電極とされる導電性メッシュからなる中間メッシュ120bと、金属製等とされる導電性の略円形とされた下面電極120cとから構成されている。上面メッシュ120aおよび中間メッシュ120bの周縁部は、リング状のメッシュ枠121に所定間隔を持って貼着されており、このメッシュ枠121が取り付けられているリング状の保持枠122には、複数に分割されている引っ張り部123が固着されて、引っ張り部123により所定の外側に向かう張力が与えられている。これにより、上面メッシュ120aおよび中間メッシュ120bは所定の張力が与えられて支持枠125aの上面に張られるようになる。また、円板状とされている下面電極120cは支持枠125aの段差部に貼着されている。さらに、上面メッシュ120aと中間メッシュ120bとの間には、その間の絶縁を図るスポンジ等の通気性があると共に絶縁性の第1軟質クッション材120dが挿入されており、中間メッシュ120bと下面電極120cとの間にも、その間の絶縁を図るゴム、エラストマーやスポンジ等の絶縁性の第2軟質クッション材120eが挿入されている。
引っ張り部123の端部には断面が楕円状等に拡大されている係合枠124が形成されている。引っ張り部123は、支持枠125aの上面の周縁から上方へ突出するよう形成された縁部を越えて斜め下方へ屈曲されて延伸されている。この引っ張り部123の係合枠124に対して下方へ応力を印加することにより、メッシュ枠121および保持枠122に外側へ向かう張力が与えられ、この結果、支持枠125aの上面に張られている上面メッシュ120aおよび中間メッシュ120bに張力が与えられるようになる。係合枠124の上面には、略リング状の形状を複数に分割した係合部125の下面が当接している。係合部125の外側面からは平らな突出部が外側へ向かって形成されており、この突出部にはピン128が挿通される複数の挿通孔が所定間隔で形成されている。この挿通孔が形成される位置は、固定部127に形成されているネジ孔の位置に対応しており、挿通孔の上から挿通した複数のピン128は固定部127に形成されているネジ孔にそれぞれ螺合される。
それぞれのピン128の頭部は、例えば六角形に形成されており、ピン128の頭部を回転させて固定部127のネジ孔にねじ込んでいくことにより、係合枠124が下方へ移動していき上面メッシュ120aに印加される張力が大きくなっていく。逆に、ピン128の頭部を回転させて固定部127からピン128を抜き出していくことにより、係合枠124が上方へ移動していき上面メッシュ120aに印加される張力が小さくなっていく。このように、複数のピン128を回転させることにより、上面メッシュ120aに印加される張力の大きさを調整することができると共に、上面メッシュ120aの全面に張力が均一に与えられるよう調整することができる。この場合、上面メッシュ120aに印加される張力を調整して張力を上げると硬質な打感が得られ、張力を緩めると柔らかい打感が得られるようになる。そして、張力を調整することにより弱打で高反撥、強打では低反撥というアコースティック・ドラムの打面がもつ自然な打感を得ることもできるようになる。
また、第5実施例の電子ドラム5においては、上面メッシュ120aと下面電極120cとはアースに接続されて、中間メッシュ120bはシールドされるようになる。また、上面メッシュ120aと中間メッシュ120bとにより第1容量手段が構成されていると共に、中間メッシュ120bと下面電極120cとにより第2容量手段が構成されている。そして、パッド部120が叩かれると、その打撃強度に応じて上面メッシュ120aが少なくとも変位して第1容量手段の容量が増加するよう変化する。この際に、中間メッシュ120bも変位すると第2容量手段の容量も増加するよう変化する。この第1容量手段および第2容量手段の容量の変化に基づいて、中間メッシュ120bから打撃強度に応じた打撃センシング信号が出力されるようになる。すなわち、パッド部120の全面が打撃を検出するセンサーとなる。
このように構成されている第5実施例の電子ドラム5は、パッド部120が空気が透過する上面メッシュ120aおよび中間メッシュ120bを備えていることから、パッド部120を叩いた際の打撃音が静かになると共に、高反撥弾性の打面を得ることができる。さらに、パッド部120の全面がセンサーとなることから、点ではなく面でセンシングできるようになり、高反応スポットというものがなくパッド部120において均一な反応が得られるようになる。さらにまた、センサーはアースされている上面メッシュ120aと下面電極120cとによりシールドされた容量センサーとなって、打撃から信号検出までの時間が短くなると共に、雑音に強くなることから感度を上げることができるようになる。これにより、微小打撃に対する感度が高くなってダイナミックレンジを大きく取れるようになる。さらにまた、上面メッシュ120aと中間メッシュ120b間、および、中間メッシュ120bと下面電極120c間にそれぞれ軟質クッション材120d,120eを介挿させることで、弱打では高反撥、強打では低反撥という、アコースティック・ドラムに近い自然な打感を得ることができる。なお、第5実施例の電子ドラム5は、構造が単純で安価な材料で構成できるため、安価に製造することができる。
第5実施例の電子ドラム5のパッド部120を弱く叩いた際の状態を図36に示す。図36に示すようにパッド部120の上面をスティック100で弱く叩いた弱打時においては、上面メッシュ120aにおける叩いた部位のみが下方へ若干撓むように変位する。これにより、第1容量手段の容量が若干変化して弱打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ120bから出力されるようになる。なお、第1軟質クッション材120dは薄いことから、弱打時には上面メッシュ120aは第1軟質クッション材120dに接触せず、上面メッシュ120aが単独で打撃に対する反撥をつかさどる。これにより、弱打時にはきわめて反撥率の高いよく弾む打面が得られ、ドラムを弱打でロールするときなどの連続打撃に好適となる。
次に、第5実施例の電子ドラム5のパッド部120を中くらいで叩いた際の状態を図37に示す。図37に示すようにパッド部120の上面をスティック100で中くらいで叩いた中打時においては、上面メッシュ120aにおける叩いた部位がさらに下方へ撓むように変位する。これにより、第1容量手段の容量変化が大きくなり、中打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ120bから出力されるようになる。なお、中打時には上面メッシュ120aが第1軟質クッション材120dに接触するようになり、第1軟質クッション材120dにより上面メッシュ120aにダンピング機能が与えられるようになる。このため、中打時にはパッド部120の反撥弾性は落ちるようになり、不必要な強い反撥が押さえられる。これにより、パッド部120の打感が、アコースティック・ドラムのパッドが備える自然の性質にきわめて近くなり、自然な打感に近づくようになる。
次に、第5実施例の電子ドラム5のパッド部120を強く叩いた際の状態を図38に示す。図38に示すようにパッド部120の上面をスティック100で強く叩いた強打時においては、上面メッシュ120aにおける叩いた部位が大きく下方へ撓むように変位すると共に、撓んだ上面メッシュ120aに押されて中間メッシュ120bも下方へ若干撓むように変位する。この場合、上面メッシュ120aは第1軟質クッション材120dにめり込んで中間メッシュ120bに接触することから、第1容量手段の容量変化はほぼ飽和して、大きな打撃センシング信号が中間メッシュ120bに誘起される。これにより、第1容量手段および第2容量手段の変化に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ120bで加算されて、強打の打撃強度に応じた打撃センシング信号が中間メッシュ120bから出力されるようになる。なお、上面メッシュ120aは第1軟質クッション材120dにめり込んで中間メッシュ120bに接触することから、第1軟質クッション材120dにより上面メッシュ120aにダンピング機能が与えられるようになる。さらに、強打の打撃力が増加していくと中間メッシュ120bが第2軟質クッション材120eに接触してめり込んでいくようになり、第2軟質クッション材120eにより中間メッシュ120bを介して上面メッシュ120aにダンピング機能が与えられるようになる。このため、強打時にはパッド部120の反撥弾性はさらに落ちるようになり、強打しても不必要な強い反撥が押さえられる。これにより、パッド部120の打感は、アコースティック・ドラムの打感により近づき、自然な打感が得られるようになる。
第5実施例の電子ドラム5のパッド部120を叩いた際の打撃強さに対する出力特性を図39に、第5実施例の電子ドラム5のパッド部120を叩いた際の打撃強さに対する打面からの反力特性を図40(a)に、第5実施例の電子ドラム5のパッド部120を叩いた際の打撃強さに対する反撥弾性特性を図40(b)に示す。
これらの図を参照すると、弱打から中打までの上面メッシュ120aが第1軟質クッション材120dに接触するまでは、打撃強さに対して出力および打面からの反力はリニアに上昇していくと共に、反発弾性は高い率の反発弾性を維持する。そして、打撃力が増加するにつれて、上面メッシュ120aは第1軟質クッション材120dに接触し、さらに増加すると中間メッシュ120bに接触するため、反力は急速に増加し始める。さらに打撃力が増加すると、中間メッシュ120bは第2軟質クッション材120eに接触してめり込んでいくため、反力はさらに急速に増加する。強打になるほど、上面メッシュ120aから受ける反力以外にこれらの追加反力が加わるために、スティック100が打面から受ける反力は、図40(a)に示すように変曲点d、e、fを持ち、それぞれの変曲点を超える毎に打面からの反力の傾斜は急になって非線形に増加していくようになる。
上記のように打面からの反力が非線形に増加していくことから、打撃強さが増していくと打撃力増加に対する出力の増加カーブは図39に示すように変曲点a、b、cを持ち、それぞれの変曲点を超える毎に傾斜が緩くなる。すなわち、上面メッシュ120aが第1軟質クッション材120dに接触してめり込むことで変曲点aを持ち、さらに、上面メッシュ120aが中間メッシュ120bに接触して、中間メッシュ120bが第2軟質クッション材120eに接触していくことで変曲点bを持ち、さらに、中間メッシュ120bが第2軟質クッション材120eに接触してめり込むことで変曲点cを持つようになる。このように、打撃力増加に対する出力の増加カーブは鈍化するが、飽和せずに徐々に増加するようになる。
また、反発弾性は図40(b)に示すように、打撃強さが増していくと打撃力増加に対する反発弾性の減少カーブは変曲点g、hを持ち、それぞれの変曲点を超える毎に下降傾斜が急になる。すなわち、上面メッシュ120aが第1軟質クッション材120dに接触してめり込むことで変曲点gを持ち、さらに、中間メッシュ120bが第2軟質クッション材120eに接触してめり込むことで変曲点hを持つようになる。このように、打撃力増加に対する反発弾性の減少カーブは急に下降していくようになる。
上記した第5実施例の電子ドラム5のパッド部120の非線形性は、アコースティックのドラムも有しており、電子ドラム5ではアコースティックに近い感覚が得られる。すなわち、打撃力が小さい弱打時には、スティック100は上面メッシュ120aと接触するだけであり、上面メッシュ120aの反撥率は大変大きいため、弱打時の打撃はよく弾むようになる。そのため、弱打で連続打のロールなどの奏法をとる際、連続打が非常に容易になり美しい連続打ができる。一方、中打以上になると、上面メッシュ120aは第1軟質クッション材120dに接触し始めるが、第1軟質クッション材120dの反撥率は上面メッシュ120aより小さくされていることから、その第1軟質クッション材120dの低反撥率の影響によりスティック100はだんだん弾まなくなる。このため、スティック100が暴れずコントロールされた打撃ができるようになる。さらに強打以上になると、中間メッシュ120bが第2軟質クッション材120eに接触し始めるようになり、第2軟質クッション材120eの反撥率が中間メッシュ120bより小さくされていることから、その第2軟質クッション材120eの低反撥率の影響も加わりスティック100はさらに弾まなくなるため、スティック100が暴れずコントロールされた打撃ができるようになる。ところで、従来のようにメッシュ1枚だけの打面の場合、強打のときスティックが強烈に弾むため、スティックが暴れて跳ね返りコントロールできなくなるが、第5実施例の電子ドラム5のように第1軟質クッション材120dおよび第2軟質クッション材120eを有していると、スティック100が暴れずコントロールされた演奏ができるようになる。
以上説明した本発明にかかる電子打楽器は、上述したように上面電極、中間電極と下面電極を3層に備えたパッド部を有して構成するようにしたが、電極を4層以上に積層することでパッド部を構成するようにしてもよい。この場合、上面電極が少なくとも導電性のメッシュからなる上面メッシュとされ、最上面の上面メッシュと最下面の電極および一層置きの電極をグラウンドにアースして、各層間の電極により形成される容量手段から出力される信号を合成して出力する。また、本発明の実施例に係る電子ドラムのパッド部を、電子ドラム以外の電子打楽器における演奏情報入力装置に適用することができる。
さらにまた、分割された電極を備えるパッド部を用いる電子ドラムにおいては、分割されている電極毎に異なる楽器を割り当てるようにしたり、マルチパッドを実現することができる。
本発明の第1実施例にかかる電子ドラムの構成を示す平面図である。 本発明の第1実施例にかかる電子ドラムの構成を断面図で示す側面図である。 本発明の第2実施例にかかる電子ドラムの構成を示す平面図である。 本発明の第2実施例にかかる電子ドラムの構成を断面図で示す側面図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第1実施形態のパッド部の構成を示す平面図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第1実施形態のパッド部の構成を断面図で示す側面図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第1実施形態のパッド部を弱く叩いた際の状態を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第1実施形態のパッド部を中くらいで叩いた際の状態を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第1実施形態のパッド部を強く叩いた際の状態を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第1実施形態のパッド部をさらに強く叩いた際の状態を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第2実施形態のパッド部の構成を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第2実施形態のパッド部を弱く叩いた際の状態を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第2実施形態のパッド部を強く叩いた際の状態を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第2実施形態のパッド部の変形例の構成を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第2実施形態のパッド部の他の変形例の構成を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第3実施形態のパッド部の構成を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第3実施形態のパッド部を弱く叩いた際の状態を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第3実施形態のパッド部を強く叩いた際の状態を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第4実施形態のパッド部の構成を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第4実施形態のパッド部を弱く叩いた際の状態を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第4実施形態のパッド部を強く叩いた際の状態を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第5実施形態のパッド部の構成を示す平面図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第5実施形態のパッド部の構成を断面図で示す側面図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第5実施形態のパッド部を叩いた際の状態を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第5実施形態のパッド部を叩いた際の他の状態を示す図である。 第5実施形態のパッド部を適用した本発明にかかる第3実施例の電子ドラムの回路構成を示す回路ブロック図である。 本発明にかかる第3実施例の電子ドラムにおけるパッド部の概略構成を示す図である。 本発明にかかる第3実施例の電子ドラムにおけるパッド部回りの等価回路を示す図である。 本発明にかかる電子ドラムにおける第6実施形態のパッド部における中間メッシュの構成を示す平面図である。 本発明の第4実施例にかかる電子ドラムの構成を断面図で示す側面図である。 本発明の第4実施例にかかる電子ドラムのパッド部を弱く叩いた際の状態を示す図である。 本発明の第4実施例にかかる電子ドラムのパッド部を強く叩いた際の状態を示す図である。 本発明の第4実施例にかかる電子ドラムのパッド部の打撃強度に対する出力特性を示す図である。 本発明の第4実施例にかかる電子ドラムのパッド部の打撃強度に対する打面からの反力特性および反撥弾性特性を示す図である。 本発明の第5実施例にかかる電子ドラムの構成を断面図で示す側面図である。 本発明の第5実施例にかかる電子ドラムのパッド部を弱く叩いた際の状態を示す図である。 本発明の第5実施例にかかる電子ドラムのパッド部を中くらいで叩いた際の状態を示す図である。 本発明の第5実施例にかかる電子ドラムのパッド部を強く叩いた際の状態を示す図である。 本発明の第5実施例にかかる電子ドラムのパッド部の打撃強度に対する出力特性を示す図である。 本発明の第5実施例にかかる電子ドラムのパッド部の打撃強度に対する打面からの反力特性および反撥弾性特性を示す図である。
符号の説明
1 電子ドラム、2 電子ドラム、3 電子ドラム、4 電子ドラム、5 電子ドラム、10 パッド部、10a 上面メッシュ、10b 中間メッシュ、10c 下面メッシュ、10d 第1絶縁層、10e 第2絶縁層、11 メッシュ枠、12 保持枠、13 引っ張り部、14 係合枠、15 係合部、15a 支持枠、16 シェル、17 固定部、18 ピン、20 パッド部、20a 上面メッシュ、20b 中間メッシュ、20c 下面メッシュ、21 メッシュ枠、22 保持枠、23 シェル、24 支持枠、24a 起立部、25 ピン、30 パッド部、30a 上面メッシュ、30b 中間メッシュ、30c 下面メッシュ、31 メッシュ枠、31a 上部枠、31b 中間枠、31c 下部枠、31d 調整ネジ、31e 調整ネジ、31f スプリング、31g スプリング、31h 上部枠、31i 中間枠、31j 下部枠、31k 調整ネジ、31m 第1スペーサ、31n 第2スペーサ、40 パッド部、40a 上面メッシュ、40b 中間メッシュ、40c 下面メッシュ、41 メッシュ枠、50 パッド部、50a 上面メッシュ、50b 中間メッシュ、50c 下面メッシュ、50d 第1絶縁層、50e 第2絶縁層、51 メッシュ枠、60 パッド部、60 分割電極、60a 上面メッシュ、60b 中間メッシュ、60c 下面メッシュ、60f 保持メッシュ、61 メッシュ枠、70 パッド部、70 分割電極、70a 上面メッシュ、70b 中間メッシュ、70c 下面メッシュ、80 パッド部、80a 上面メッシュ、80b 中間メッシュ、80c 下面メッシュ、80f 保持メッシュ、100 スティック、102a 補正テーブル、103 音源、103a メモリ、104 アンプ、110 パッド部、110a 上面メッシュ、110b 中間電極、110c 下面電極、110d 軟質クッション材、110e 絶縁板、113 引っ張り部、114 係合枠、115 係合部、115a 支持枠、116 シェル、117 固定部、118 ピン、120 パッド部、120a 上面メッシュ、120b 中間メッシュ、120c 下面電極、120d 第1軟質クッション材、120e 第2軟質クッション材、121 メッシュ枠、122 保持枠、123 引っ張り部、124 係合枠、125 係合部、125a 支持枠、126 シェル、127 固定部、128 ピン

Claims (15)

  1. 互いに所定の間隔を隔てて対面するようにシェルの上面に設けた上面電極と中間電極と下面電極とにより構成されているパッド部を備え、
    少なくとも前記上面電極は導電性のメッシュからなる張力を与えた上面メッシュとされていると共に、該上面メッシュと前記下面電極とはアースされて、前記上面メッシュと前記中間電極とにより第1容量手段が形成されていると共に、前記中間電極と前記下面電極とにより第2容量手段が形成されており、前記パッド部が叩かれた際の前記第1容量手段、あるいは、前記第1容量手段および前記第2容量手段における容量の変化に基づいて、前記中間電極から打撃センシング信号が出力されるようにしたことを特徴とする電子打楽器。
  2. 前記中間電極が導電性のメッシュからなる張力を与えた中間メッシュとされていることを特徴とする請求項1記載の電子打楽器。
  3. 前記中間電極が導電性のメッシュからなる張力を与えた中間メッシュとされていると共に、前記下面電極が導電性のメッシュからなる張力を与えた下面メッシュとされていることを特徴とする請求項1記載の電子打楽器。
  4. 少なくとも前記上面電極と前記中間電極との間に、軟質の絶縁材が介挿されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子打楽器。
  5. 前記軟質の絶縁材の反撥弾性が、前記導電性のメッシュの反撥弾性より低くされていることを特徴とする請求項4記載の電子打楽器。
  6. 前記上面メッシュと前記中間メッシュと前記下面メッシュとに絶縁材が塗布されて、メッシュ間が絶縁されていることを特徴とする請求項3記載の電子打楽器。
  7. 前記上面メッシュと前記中間メッシュとの間、および、前記中間メッシュと前記下面メッシュとの間に、それぞれ軟質の絶縁材が介挿されていることを特徴とする請求項3記載の電子打楽器。
  8. 前記軟質の絶縁材が、空気を透過する絶縁材とされていることを特徴とする請求項7記載の電子打楽器。
  9. 前記上面メッシュと前記中間メッシュとの間に介挿されている前記軟質の絶縁材の剛性が、前記中間メッシュと前記下面メッシュとの間に介挿されている前記軟質の絶縁材の剛性より低くされていることを特徴とする請求項7記載の電子打楽器。
  10. 前記上面メッシュと前記中間メッシュとの間隔が、前記中間メッシュと前記下面メッシュとの間隔より狭くされていることを特徴とする請求項3記載の電子打楽器。
  11. 前記上面メッシュと前記中間メッシュとの間隔と、前記中間メッシュと前記下面メッシュとの間隔が可変できるように構成されていることを特徴とする請求項10記載の電子打楽器。
  12. 前記上面メッシュに与えられている張力より前記中間メッシュに与えられている張力が大きくされていると共に、前記中間メッシュに与えられている張力より前記下面メッシュに与えられている張力が大きくされていることを特徴とする請求項3記載の電子打楽器。
  13. 前記中間メッシュが、導電性のメッシュからなる複数の分割電極が一面に設けられた絶縁性の保持メッシュから構成されており、前記パッド部が叩かれた際に叩かれた位置に応じた前記分割電極から打撃センシング信号が出力されることを特徴とする請求項3記載の電子打楽器。
  14. 前記上面メッシュと前記中間メッシュと前記下面メッシュとが、弾性を有する材料で作成された枠にそれぞれ張られており、該枠に印加される外側へ向かう張力の大きさを調整する調整手段が前記シェルに設けられていることを特徴とする請求項3記載の電子打楽器。
  15. 前記上面メッシュと前記中間メッシュと前記下面メッシュとが、複数に分割された枠にそれぞれ張られており、該分割された各枠に印加される外側へ向かう張力の大きさを調整する調整手段が前記シェルに設けられていることを特徴とする請求項3記載の電子打楽器。
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