JP2009237051A - プロジェクションシステムの光量調整方法、プロジェクションシステム、及びプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】プロジェクションシステムの光量調整方法、プロジェクションシステム、及びプロジェクタの提供。
【解決手段】重ね合わせ領域の光量を調整するプロジェクションシステムの光量調整方法は、プロジェクタの投射画像における重ね合わせ領域の内側端部から外側端部に向かう光量減衰曲線を複数設定する第1手順S2と、各光量減衰曲線に応じた表示画像を前記重ね合わせ領域に同時に表示する第2手順S3と、同時に表示された複数の表示画像の中から、最も良好な表示となる表示画像を選択する第3手順S5と、選択された表示画像に係る光量減衰曲線に基づいて、再度複数の異なる光量減衰曲線を設定する第4手順S2とを実施し、第1手順乃至第4手順S2、S3、S5を再帰的に繰り返すことで最適な光量減衰曲線を選択する。
【選択図】図6
【解決手段】重ね合わせ領域の光量を調整するプロジェクションシステムの光量調整方法は、プロジェクタの投射画像における重ね合わせ領域の内側端部から外側端部に向かう光量減衰曲線を複数設定する第1手順S2と、各光量減衰曲線に応じた表示画像を前記重ね合わせ領域に同時に表示する第2手順S3と、同時に表示された複数の表示画像の中から、最も良好な表示となる表示画像を選択する第3手順S5と、選択された表示画像に係る光量減衰曲線に基づいて、再度複数の異なる光量減衰曲線を設定する第4手順S2とを実施し、第1手順乃至第4手順S2、S3、S5を再帰的に繰り返すことで最適な光量減衰曲線を選択する。
【選択図】図6
Description
本発明は、プロジェクションシステムの光量調整方法、プロジェクションシステム、及びプロジェクタに関する。
従来、複数のプロジェクタからの投射画像の端部領域を重ね合わせ、全体画像を形成するいわゆるタイリング表示によるプロジェクションシステムが知られている。このタイリング表示のプロジェクションシステムでは、投射画像の端部領域を重ね合わせることにより、シームレスな大型の画像を形成することができ、かつ複数のプロジェクタによる高解像度の大画面を形成することができる、という利点がある。
ところで、このようなタイリング表示のプロジェクションシステムでは、投射画像の重ね合わせ領域では、隣接するプロジェクタのそれぞれの光が重ね合わされるため、重ね合わせ領域の部分だけ明るくなり、そのままでは継ぎ目が観察者に視認されてしまう。
ところで、このようなタイリング表示のプロジェクションシステムでは、投射画像の重ね合わせ領域では、隣接するプロジェクタのそれぞれの光が重ね合わされるため、重ね合わせ領域の部分だけ明るくなり、そのままでは継ぎ目が観察者に視認されてしまう。
このため、重ね合わせ領域の部分の減光処理を行って、継ぎ目を視認しにくくする必要があるが、重ね合わせ領域の減光処理方法としては、投射レンズの前に投射画像の端部画像を遮る遮光板を設ける光学的手法と、各プロジェクタに入力される画像信号において、重ね合わせ領域に相当する部分の光量を減衰させる補正処理を行うソフトウェア的手法がある。
そして、ソフトウェア的手法として、重ね合わせ領域をカメラで撮像し、撮像信号に基づいて、調整を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、ソフトウェア的手法として、重ね合わせ領域をカメラで撮像し、撮像信号に基づいて、調整を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術では、カメラに対して求める解像度などの要求性能が十分に高くないと、正しい効果が得られず、プロジェクションシステムのコストが高騰してしまうという問題がある。
本発明の目的は、重ね合わせ領域の適切な減光処理を簡単に、かつコストをかけずに実現することのできるプロジェクションシステムの光量調整方法、プロジェクションシステム、及びプロジェクタを提供することにある。
本発明に係るプロジェクションシステムは、
複数のプロジェクタからの投射画像の端部領域を重ね合わせ、全体画像を形成するプロジェクションシステムにおける、重ね合わせ領域の光量を調整するプロジェクションシステムの光量調整方法であって、
前記プロジェクタの投射画像における重ね合わせ領域の内側端部から外側端部に向かう光量減衰曲線を複数設定する第1手順と、
各光量減衰曲線に応じた表示画像を前記重ね合わせ領域に同時に表示する第2手順と、
同時に表示された複数の表示画像の中から、最も良好な表示となる表示画像を選択する第3手順と、
選択された表示画像に係る光量減衰曲線に基づいて、再度複数の異なる光量減衰曲線を設定する第4手順とを実施し、
前記第1手順乃至前記第4手順を再帰的に繰り返すことで最適な光量減衰曲線を選択することを特徴とする。
複数のプロジェクタからの投射画像の端部領域を重ね合わせ、全体画像を形成するプロジェクションシステムにおける、重ね合わせ領域の光量を調整するプロジェクションシステムの光量調整方法であって、
前記プロジェクタの投射画像における重ね合わせ領域の内側端部から外側端部に向かう光量減衰曲線を複数設定する第1手順と、
各光量減衰曲線に応じた表示画像を前記重ね合わせ領域に同時に表示する第2手順と、
同時に表示された複数の表示画像の中から、最も良好な表示となる表示画像を選択する第3手順と、
選択された表示画像に係る光量減衰曲線に基づいて、再度複数の異なる光量減衰曲線を設定する第4手順とを実施し、
前記第1手順乃至前記第4手順を再帰的に繰り返すことで最適な光量減衰曲線を選択することを特徴とする。
この発明によれば、複数の光量減衰曲線に基づく複数の表示画像の中から最も良好な表示となる表示画像を選択し、選択された表示画像に係る光量減衰曲線に基づいて、再度異なる光量減衰曲線を設定し、前記選択された光量減衰曲線、及び異なる光量減衰曲線に基づいて、複数の表示画像を同時に表示し、再帰的に良好な表示画像を選択している。
従って、最終的に最も良好な光量減衰曲線に収束することとなり、タイリング表示における重ね合わせ領域の適切な減光処理を行うことができ、かつ高精度のカメラ等も必要としないため、プロジェクションシステムのコストがかかることもない。
従って、最終的に最も良好な光量減衰曲線に収束することとなり、タイリング表示における重ね合わせ領域の適切な減光処理を行うことができ、かつ高精度のカメラ等も必要としないため、プロジェクションシステムのコストがかかることもない。
本発明では、
前記プロジェクタの投射画像の端部から内側に向かう位置をx、重ね合わせ領域における光量の強度を決定する補正パラメータをGとしたときに、前記光量減衰曲線F(x,G)は、下記式(1)で与えられるのが好ましい。
F(x,G)=xG・・・(1)
この発明によれば、極めて簡単な多項式で光量減衰曲線F(x,G)を設定しているため、補正パラメータGを変化させるだけで、簡単に複数の光量減衰曲線F(x,G)を設定することができる。
前記プロジェクタの投射画像の端部から内側に向かう位置をx、重ね合わせ領域における光量の強度を決定する補正パラメータをGとしたときに、前記光量減衰曲線F(x,G)は、下記式(1)で与えられるのが好ましい。
F(x,G)=xG・・・(1)
この発明によれば、極めて簡単な多項式で光量減衰曲線F(x,G)を設定しているため、補正パラメータGを変化させるだけで、簡単に複数の光量減衰曲線F(x,G)を設定することができる。
本発明では、
前記複数の光量減衰曲線は、基準値Gよりも小さな変化量ΔGを設定し、
F(x,G−ΔG)、F(x,G)、F(x,G+ΔG)
であり、
前記第3手順でF(x,G−ΔG)又はF(x,G+ΔG)に基づく表示画像が選択され、
前記第4手順において、前記第3手順で選択された光量減衰曲線以外の光量減衰曲線に基づく表示画像、又はF(x,G)に基づく表示画像が選択されたときに、ΔGの値を小さくする第5手順を実施するのが好ましい。
この発明によれば、第3手順でF(x,G+ΔG)又はF(x,G−ΔG)が選択され、その次の第4手順でこれ以外の光量減衰曲線が選択されたということは、変化の傾向が第3手順と第4手順で異なることを意味し、その近傍に最適なGの値があるということであるから、第5手順でΔGを小さくし、再度第1手順から第4手順を繰り返すことにより、より高精度に最適なGの値を求めることができる。
前記複数の光量減衰曲線は、基準値Gよりも小さな変化量ΔGを設定し、
F(x,G−ΔG)、F(x,G)、F(x,G+ΔG)
であり、
前記第3手順でF(x,G−ΔG)又はF(x,G+ΔG)に基づく表示画像が選択され、
前記第4手順において、前記第3手順で選択された光量減衰曲線以外の光量減衰曲線に基づく表示画像、又はF(x,G)に基づく表示画像が選択されたときに、ΔGの値を小さくする第5手順を実施するのが好ましい。
この発明によれば、第3手順でF(x,G+ΔG)又はF(x,G−ΔG)が選択され、その次の第4手順でこれ以外の光量減衰曲線が選択されたということは、変化の傾向が第3手順と第4手順で異なることを意味し、その近傍に最適なGの値があるということであるから、第5手順でΔGを小さくし、再度第1手順から第4手順を繰り返すことにより、より高精度に最適なGの値を求めることができる。
本発明では、
前記複数のプロジェクタのうち、隣接する第1プロジェクタ及び第2プロジェクタにおいて、
前記第1プロジェクタで前記第1手順乃至前記第3手順を実施した後に、前記第1プロジェクタにおける前記重ね合わせ領域の表示画像を、前記第3手順で選択された良好な表示画像とし、
前記第2プロジェクタで前記第1手順乃至前記第3手順を実施した後、前記第1プロジェクタで前記第4手順を実施し、
これらの手順を前記第1プロジェクタ及び前記第2プロジェクタで交互に実施していくのが好ましい。
この発明によれば、重ね合わせ領域は、隣接する2つのプロジェクタの投射画像の光量を調整する必要があるため、第1プロジェクタ及び第2プロジェクタで第1手順乃至第3手順を交互に実施することにより、第1プロジェクタ及び第2プロジェクタのそれぞれのより適切な光量減衰曲線を徐々に求め、最終的に両方の最適な光量減衰曲線を求めることができる。特に、第1プロジェクタ及び第2プロジェクタの個体差が大きな場合に好適である。
前記複数のプロジェクタのうち、隣接する第1プロジェクタ及び第2プロジェクタにおいて、
前記第1プロジェクタで前記第1手順乃至前記第3手順を実施した後に、前記第1プロジェクタにおける前記重ね合わせ領域の表示画像を、前記第3手順で選択された良好な表示画像とし、
前記第2プロジェクタで前記第1手順乃至前記第3手順を実施した後、前記第1プロジェクタで前記第4手順を実施し、
これらの手順を前記第1プロジェクタ及び前記第2プロジェクタで交互に実施していくのが好ましい。
この発明によれば、重ね合わせ領域は、隣接する2つのプロジェクタの投射画像の光量を調整する必要があるため、第1プロジェクタ及び第2プロジェクタで第1手順乃至第3手順を交互に実施することにより、第1プロジェクタ及び第2プロジェクタのそれぞれのより適切な光量減衰曲線を徐々に求め、最終的に両方の最適な光量減衰曲線を求めることができる。特に、第1プロジェクタ及び第2プロジェクタの個体差が大きな場合に好適である。
以上のような本発明に係るプロジェクションシステムの光量調整方法は、CCDカメラ等の撮像装置を利用して、プロジェクションシステムや、プロジェクタで自動的に実施することもでき、前述した作用及び効果と同一の作用及び効果を享受することができる。
すなわち、本発明に係るプロジェクションシステムは、
投射画像の端部領域が重ね合わされ、全体画像を形成する複数のプロジェクタと、前記複数のプロジェクタの投射画像の表示を制御する表示制御装置とを備えたプロジェクションシステムであって、
投射画像の重ね合わせ領域を撮像する撮像装置を備え、
前記表示制御装置は、
前記プロジェクタの投射画像における重ね合わせ領域の内側端部から外側端部に向かう光量減衰曲線を複数設定する光量減衰曲線設定手段と、
前記光量減衰曲線設定手段で設定された複数の光量減衰曲線に基づく複数の表示画像を、前記重ね合わせ領域に同時に表示する画像同時表示手段と、
同時に表示された複数の表示画像を、前記撮像装置で撮像して取り込む撮像信号取込手段と、
前記撮像信号取込手段で取り込まれた前記重ね合わせ領域の撮像信号に基づいて、該重ね合わせ領域の特徴量を解析する特徴量解析手段と、
前記特徴量解析手段の解析結果に基づいて、前記複数の表示画像の中からいずれかの表示画像を選択する表示画像選択手段とを備え、
前記光量減衰曲線設定手段は、
前記表示画像選択手段で選択された表示画像に係る光量減衰曲線に基づいて、異なる光量減衰曲線を設定することを特徴とする。
すなわち、本発明に係るプロジェクションシステムは、
投射画像の端部領域が重ね合わされ、全体画像を形成する複数のプロジェクタと、前記複数のプロジェクタの投射画像の表示を制御する表示制御装置とを備えたプロジェクションシステムであって、
投射画像の重ね合わせ領域を撮像する撮像装置を備え、
前記表示制御装置は、
前記プロジェクタの投射画像における重ね合わせ領域の内側端部から外側端部に向かう光量減衰曲線を複数設定する光量減衰曲線設定手段と、
前記光量減衰曲線設定手段で設定された複数の光量減衰曲線に基づく複数の表示画像を、前記重ね合わせ領域に同時に表示する画像同時表示手段と、
同時に表示された複数の表示画像を、前記撮像装置で撮像して取り込む撮像信号取込手段と、
前記撮像信号取込手段で取り込まれた前記重ね合わせ領域の撮像信号に基づいて、該重ね合わせ領域の特徴量を解析する特徴量解析手段と、
前記特徴量解析手段の解析結果に基づいて、前記複数の表示画像の中からいずれかの表示画像を選択する表示画像選択手段とを備え、
前記光量減衰曲線設定手段は、
前記表示画像選択手段で選択された表示画像に係る光量減衰曲線に基づいて、異なる光量減衰曲線を設定することを特徴とする。
また、本発明に係るプロジェクタは、
光源から射出された光束を、入力される画像信号に応じて変調して光学像を形成し、投射するプロジェクタであって、
他のプロジェクタの投射画像の端部領域を重ね合わせ、全体画像を形成するように用いられ、
投射画像の重ね合わせ領域を撮像する撮像装置と、
前記プロジェクタの投射画像における重ね合わせ領域の内側端部から外側端部に向かう光量減衰曲線を複数設定する光量減衰曲線設定手段と、
前記光量減衰曲線設定手段で設定された複数の光量減衰曲線に基づく複数の表示画像を、前記重ね合わせ領域に同時に表示する画像同時表示手段と、
同時に表示された複数の表示画像を、前記撮像装置で撮像して取り込む撮像信号取込手段と、
前記撮像信号取込手段で取り込まれた前記重ね合わせ領域の撮像信号に基づいて、該重ね合わせ領域の特徴量を解析する特徴量解析手段と、
前記特徴量解析手段の解析結果に基づいて、前記複数の表示画像の中からいずれかの表示画像を選択する表示画像選択手段とを備え、
前記光量減衰曲線設定手段は、
前記表示画像選択手段で選択された表示画像に係る光量減衰曲線に基づいて、異なる光量減衰曲線を設定することを特徴とする。
光源から射出された光束を、入力される画像信号に応じて変調して光学像を形成し、投射するプロジェクタであって、
他のプロジェクタの投射画像の端部領域を重ね合わせ、全体画像を形成するように用いられ、
投射画像の重ね合わせ領域を撮像する撮像装置と、
前記プロジェクタの投射画像における重ね合わせ領域の内側端部から外側端部に向かう光量減衰曲線を複数設定する光量減衰曲線設定手段と、
前記光量減衰曲線設定手段で設定された複数の光量減衰曲線に基づく複数の表示画像を、前記重ね合わせ領域に同時に表示する画像同時表示手段と、
同時に表示された複数の表示画像を、前記撮像装置で撮像して取り込む撮像信号取込手段と、
前記撮像信号取込手段で取り込まれた前記重ね合わせ領域の撮像信号に基づいて、該重ね合わせ領域の特徴量を解析する特徴量解析手段と、
前記特徴量解析手段の解析結果に基づいて、前記複数の表示画像の中からいずれかの表示画像を選択する表示画像選択手段とを備え、
前記光量減衰曲線設定手段は、
前記表示画像選択手段で選択された表示画像に係る光量減衰曲線に基づいて、異なる光量減衰曲線を設定することを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係るマルチプロジェクションシステム1が示されており、このマルチプロジェクションシステム1は、第1プロジェクタ2、第2プロジェクタ3、表示制御装置としてのコンピュータ4、及びこれらを接続するデジタルケーブル4Aを備える。
第1プロジェクタ2の投射画像A1及び第2プロジェクタ3の投射画像A2は、端部領域で重ね合わされ、全体画像を形成する。重ね合わせ領域ACでは、プロジェクタ2、3の投射画像A1、A2のそれぞれの光量が重畳することとなるため、プロジェクタ2、3の重ね合わせ領域ACの部分は、減光処理を行う必要があり、この減光処理は、コンピュータ4で実施される。
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係るマルチプロジェクションシステム1が示されており、このマルチプロジェクションシステム1は、第1プロジェクタ2、第2プロジェクタ3、表示制御装置としてのコンピュータ4、及びこれらを接続するデジタルケーブル4Aを備える。
第1プロジェクタ2の投射画像A1及び第2プロジェクタ3の投射画像A2は、端部領域で重ね合わされ、全体画像を形成する。重ね合わせ領域ACでは、プロジェクタ2、3の投射画像A1、A2のそれぞれの光量が重畳することとなるため、プロジェクタ2、3の重ね合わせ領域ACの部分は、減光処理を行う必要があり、この減光処理は、コンピュータ4で実施される。
第1プロジェクタ2及び第2プロジェクタ3は、図示を略したが、光源と、この光源から射出された光束を、赤色光、緑色光、及び青色光の3色光に分離する色分離光学装置と、この色分離光学装置で分離された各色光について、入力された画像信号に応じて変調して光学像を形成する液晶パネル等の3つの光変調装置と、各光変調装置で変調された光学像を合成する色合成光学装置と、この色合成光学装置で合成された光学像を投射する投射光学装置とを備えて構成される。
コンピュータ4は、図2では図示を略したが、プロジェクタ2、3に部分画像信号を出力する部分であり、このコンピュータ4では、重ね合わせ領域ACの部分の光量調整を行えるようになっている。
具体的には、コンピュータ4は、ユーザインターフェース41、光量減衰曲線設定手段42、光量減衰マスク生成手段43、記憶装置44、表示画像生成手段45、第1フレームバッファ46、画像合成手段47、第2フレームバッファ48、及び画像表示制御手段49を備える。
具体的には、コンピュータ4は、ユーザインターフェース41、光量減衰曲線設定手段42、光量減衰マスク生成手段43、記憶装置44、表示画像生成手段45、第1フレームバッファ46、画像合成手段47、第2フレームバッファ48、及び画像表示制御手段49を備える。
ユーザインターフェース41は、観察者が操作して、良好な表示画像を選択したり、パラメータG、ΔGの初期値を設定したりする部分であり、キーボードやマウス等のデバイスが例示できる。
光量減衰曲線設定手段42は、プロジェクタ2、3の投射画像A1、A2における内側から外側に向かう重ね合わせ領域ACの光量減衰曲線を設定する部分である。具体的には、光量減衰曲線設定手段42は、投射画像A1、A2の外側端部から内側に向かう位置をx、光量の強度を決定する補正パラメータをGとしたときに、下記式(2)を光量減衰曲線F(x,G)を与える式として設定し、補正パラメータGを偏光することで種々の光量減衰曲線を設定する。
F(x,G)=xG・・・(2)
光量減衰曲線設定手段42は、プロジェクタ2、3の投射画像A1、A2における内側から外側に向かう重ね合わせ領域ACの光量減衰曲線を設定する部分である。具体的には、光量減衰曲線設定手段42は、投射画像A1、A2の外側端部から内側に向かう位置をx、光量の強度を決定する補正パラメータをGとしたときに、下記式(2)を光量減衰曲線F(x,G)を与える式として設定し、補正パラメータGを偏光することで種々の光量減衰曲線を設定する。
F(x,G)=xG・・・(2)
すなわち、光量減衰曲線設定手段42は、図3に示されるように、第1プロジェクタ2であれば、投射画像A1の端部から内側に向かうx1方向の重ね合わせ領域AC内の光量の強度を決定する補正パラメータGの値を変化させて複数の光量減衰曲線F(x,G)を設定している(例えば、G=1とすると直線となり、G=2.2とすると、ディスプレイにおけるガンマ補正曲線となる)。
一方、第2プロジェクタ3であれば、投射画像A2の端部から内側に向かうx2方向の重ね合わせ領域AC内の光量の減衰の程度を変化させることとなるが、x1とは方向が逆向きとなる。
一方、第2プロジェクタ3であれば、投射画像A2の端部から内側に向かうx2方向の重ね合わせ領域AC内の光量の減衰の程度を変化させることとなるが、x1とは方向が逆向きとなる。
光量減衰曲線設定手段42は、詳しくは後述するが、補正パラメータの基準値に対して、十分に小さな減衰量ΔGをGから加算、減算することにより、複数の光量減衰曲線F(x,G−ΔG)、F(x,G)、F(x,G+ΔG)という3種類の光量減衰曲線を設定する。尚、補正パラメータGの初期値を1とした場合、十分に小さな減衰量ΔGとしては、例えば、0.1等が採用できる。
また、光量減衰曲線設定手段42は、減衰量ΔGの閾値ΔGminを保持しており、後述する光量調整方法により、減衰量ΔGの値を減衰させていったときに、閾値ΔGminよりも小さくなったら、光量減衰曲線の設定を終了する。
また、光量減衰曲線設定手段42は、減衰量ΔGの閾値ΔGminを保持しており、後述する光量調整方法により、減衰量ΔGの値を減衰させていったときに、閾値ΔGminよりも小さくなったら、光量減衰曲線の設定を終了する。
光量減衰マスク生成手段43は、光量減衰曲線設定手段42で生成された3種類に基づいて、減光マスクを生成する。具体的には、第1プロジェクタ2の場合であれば、図4に示されるように、補正パラメータG1−ΔGの場合の光量減衰変化、補正パラメータG1の場合の光量減衰変化、補正パラメータG1+ΔGの場合の光量減衰変化となる減光マスクを生成する。同様に、第2プロジェクタ3の場合には、図5に示されるように、逆向きの光量減衰変化となるような減光マスクを生成する。
光量減衰マスク生成手段43は、第1プロジェクタ2及び第2プロジェクタ3における光量減衰曲線の減光マスク形成位置を、第1プロジェクタ2と第2プロジェクタ3とで対応させており、例えば、第1プロジェクタ2のG1−ΔGの減光マスク位置には、第2プロジェクタ3のG2−ΔGの減光マスク位置、第1プロジェクタ2のG1の減光マスク位置には、第2プロジェクタ3のG2の減光マスク位置、第1プロジェクタ2のG1+ΔGの減光マスク位置には、第2プロジェクタ3のG2+ΔGの減光マスク位置が対応する。
但し、光量減衰マスク生成手段43は、G−ΔG、G、G+ΔGのマスク形成位置を、この序列で常に形成する訳ではなく、順番を変更してランダムな位置に各減光マスクを配置するようにしており、これにより、観察者の眼が慣れて誤った選択を行うことを防止している。
但し、光量減衰マスク生成手段43は、G−ΔG、G、G+ΔGのマスク形成位置を、この序列で常に形成する訳ではなく、順番を変更してランダムな位置に各減光マスクを配置するようにしており、これにより、観察者の眼が慣れて誤った選択を行うことを防止している。
記憶装置44には、検査用のチャート画像が記憶されており、例えば、全白色のチャート画像データ等が格納されている。尚、チャート画像はこれに限らず、赤色画像、緑色画像、青色画像等のチャート画像を採用することができ、前述した三板式の第1プロジェクタ2及び第2プロジェクタ3であれば、これらのチャート画像を採用することにより、各光変調装置について、最適な光量減衰曲線を求められるので、高精度化を図ることができる。
表示画像生成手段45は、この記憶装置44に格納されたチャート画像データを呼び出して、第1フレームバッファ46にフレーム単位の画像として記憶する。
表示画像生成手段45は、この記憶装置44に格納されたチャート画像データを呼び出して、第1フレームバッファ46にフレーム単位の画像として記憶する。
画像合成手段47は、前述した光量減衰マスク生成手段43で生成された複数の減光マスクが書き込まれた画像データと、表示画像生成手段45で生成され、第1フレームバッファ46に記憶されたチャート画像データを合成して、最終的な複数の光量減衰曲線に応じた表示画像を生成し、第2フレームバッファ48に書き込む。
画像表示制御手段49は、第2フレームバッファ48に書き込まれた画像データに基づいて、第1プロジェクタ2及び第2プロジェクタ3の画像表示制御を行う。
尚、前述した光量減衰マスク生成手段43、画像合成手段47、及び画像表示制御手段49が、本発明にいう画像同時表示手段を構成する。
画像表示制御手段49は、第2フレームバッファ48に書き込まれた画像データに基づいて、第1プロジェクタ2及び第2プロジェクタ3の画像表示制御を行う。
尚、前述した光量減衰マスク生成手段43、画像合成手段47、及び画像表示制御手段49が、本発明にいう画像同時表示手段を構成する。
表示画像選択手段50は、画像表示制御手段49からプロジェクタ2、3に出力された複数の表示画像の中から、観察者にどれが良好な表示画像であるかの選択を促す画面を提示する部分であり、この画面は、コンピュータ4のディスプレイ上に表示される。観察者による選択は、観察者が、キーボード、マウス等のユーザインターフェース41を選択することにより行われる。
観察者が選択した表示画像の情報は、光量減衰曲線設定手段42に出力される。
観察者が選択した表示画像の情報は、光量減衰曲線設定手段42に出力される。
次に、前述の構造のマルチプロジェクションシステム1によって実施されるプロジェクションシステムの光量調整方法を、図6に示されるフローチャートに基づいて説明する。
まず、光量減衰曲線設定手段42は、観察者のユーザインターフェース41の操作により入力された補正パラメータG、及び減衰量ΔGの初期値を設定する(手順S1)。続けて、光量減衰曲線設定手段42は、補正パラメータG、及び減衰量ΔGの初期値と、式(2)に基づいて、光量減衰曲線を与えるF(x,G−ΔG)、F(x,G)、F(x,G+ΔG)を設定する(手順S2)。
光量減衰マスク生成手段43は、設定された光量減衰曲線F(x,G−ΔG)、F(x,G)、F(x,G+ΔG)に基づいて、図5に示されるような3種類の減光マスクを、重ね合わせ領域に相当する部分に配置して、減光マスク画像データを生成する。
まず、光量減衰曲線設定手段42は、観察者のユーザインターフェース41の操作により入力された補正パラメータG、及び減衰量ΔGの初期値を設定する(手順S1)。続けて、光量減衰曲線設定手段42は、補正パラメータG、及び減衰量ΔGの初期値と、式(2)に基づいて、光量減衰曲線を与えるF(x,G−ΔG)、F(x,G)、F(x,G+ΔG)を設定する(手順S2)。
光量減衰マスク生成手段43は、設定された光量減衰曲線F(x,G−ΔG)、F(x,G)、F(x,G+ΔG)に基づいて、図5に示されるような3種類の減光マスクを、重ね合わせ領域に相当する部分に配置して、減光マスク画像データを生成する。
そして、画像合成手段47は、表示画像生成手段45で生成され、第1フレームバッファ46に記憶されたチャート画像データと、光量減衰マスク生成手段43で生成された画像を合成し、第2フレームバッファ48に書き込むと、画像表示制御手段49により第1プロジェクタ2及び第2プロジェクタ3により、重ね合わせ領域ACに3種類の表示画像が表示される(手順S3)。
表示画像選択手段50は、観察者に対して複数の表示画像のうち、どの表示画像が最も良好であるかの選択を促す画面をコンピュータ4上に表示し(手順S4)、その選択に基づいて、光量減衰曲線設定手段42は、観察者によって選択された表示画像を与える補正パラメータを基準値として設定する(手順S5)。
表示画像選択手段50は、観察者に対して複数の表示画像のうち、どの表示画像が最も良好であるかの選択を促す画面をコンピュータ4上に表示し(手順S4)、その選択に基づいて、光量減衰曲線設定手段42は、観察者によって選択された表示画像を与える補正パラメータを基準値として設定する(手順S5)。
次に、光量減衰曲線設定手段42は、再帰的に上記手順S2乃至S6を繰り返したときに、基準値に全く変化がない、すなわち、光量減衰曲線F(x,G−ΔG)、F(x,G)、F(x,G+ΔG)のうち、常にF(x,G)が選択されているかを判定し(手順S6)、変化がないと判定した場合には、その値に基づく表示画像が最も良好な表示画像であると判定して、処理を終了する。
さらに、光量減衰曲線設定手段42は、手順S2乃至手順S10の再帰的な処理において、後述する手順S10により減衰量ΔGを減衰させたときに、所定の閾値ΔGmin未満となっているかどうかを判定し(手順S7)、減衰量ΔGが閾値ΔGmin未満になったと判定されたら、この場合も、基準値に係る表示画像が最も良好な表示画像であると判定して、処理を終了する(手順S7)。
さらに、光量減衰曲線設定手段42は、手順S2乃至手順S10の再帰的な処理において、後述する手順S10により減衰量ΔGを減衰させたときに、所定の閾値ΔGmin未満となっているかどうかを判定し(手順S7)、減衰量ΔGが閾値ΔGmin未満になったと判定されたら、この場合も、基準値に係る表示画像が最も良好な表示画像であると判定して、処理を終了する(手順S7)。
光量減衰曲線設定手段42は、再帰的に手順S2乃至手順S10を繰り返して、前回の選択結果と、今回の選択結果が同じ場合、例えば、2回連続してF(x,G+ΔG)が良好な表示画像として選択されたか否かを判定し(手順S8)、さらに、これを何回繰り返しても変化の方向性に差がでないかどうかを判定する。(手順S9)
何回繰り返しても変化の方向性に変化がないと判定された場合、光量減衰曲線設定手段42は、現在のパラメータ初期値が最も適切なパラメータ値からあまりにもかけ離れているとして、パラメータ初期値の設定を行い(手順S1)、手順S2から繰り返す。
一方、光量減衰曲線設定手段42が、まだ少ない回数であると判定した場合、ΔGの値をそのままにして、再帰的に手順S2からの手順を繰り返す。
さらに、手順S8において、2回連続していなかった場合、つまり、前回はF(x,G+ΔG)であったのが、今回は、F(x,G−ΔG)又はF(x,G)であった場合は、設定された光量減衰曲線に基づく表示画像が、最適値に近づいたと判定できるので、光量減衰曲線設定手段42は、減衰量ΔGを減衰する設定を行い(手順S10)、手順S2からを繰り返す。
何回繰り返しても変化の方向性に変化がないと判定された場合、光量減衰曲線設定手段42は、現在のパラメータ初期値が最も適切なパラメータ値からあまりにもかけ離れているとして、パラメータ初期値の設定を行い(手順S1)、手順S2から繰り返す。
一方、光量減衰曲線設定手段42が、まだ少ない回数であると判定した場合、ΔGの値をそのままにして、再帰的に手順S2からの手順を繰り返す。
さらに、手順S8において、2回連続していなかった場合、つまり、前回はF(x,G+ΔG)であったのが、今回は、F(x,G−ΔG)又はF(x,G)であった場合は、設定された光量減衰曲線に基づく表示画像が、最適値に近づいたと判定できるので、光量減衰曲線設定手段42は、減衰量ΔGを減衰する設定を行い(手順S10)、手順S2からを繰り返す。
前述したマルチプロジェクションシステム1の光量調整方法は、第1プロジェクタ2及び第2プロジェクタ3の個体差、つまり投射画像の特性の差が少ない場合には問題がない。
しかしながら、第1プロジェクタ2及び第2プロジェクタ3の個体差が大きな場合には、図7に示されるように、第1プロジェクタ2の光量調整に際しては、第2プロジェクタ3の投射画像A2における重ね合わせ領域ACの光量減衰曲線のパラメータをG2=一定としておく。
そして、第1プロジェクタ2において、投射画像A1の重ね合わせ領域ACで手順S1から手順S5を実施して良好な表示画像が選択された後、選択された良好なパラメータG1で第1プロジェクタ2の投射画像A1の重ね合わせ領域ACの光量減衰曲線を固定し、第2プロジェクタ3について、手順S1から手順S5を実施し、以後、これを繰り返して交互に実施するのが好ましい。
しかしながら、第1プロジェクタ2及び第2プロジェクタ3の個体差が大きな場合には、図7に示されるように、第1プロジェクタ2の光量調整に際しては、第2プロジェクタ3の投射画像A2における重ね合わせ領域ACの光量減衰曲線のパラメータをG2=一定としておく。
そして、第1プロジェクタ2において、投射画像A1の重ね合わせ領域ACで手順S1から手順S5を実施して良好な表示画像が選択された後、選択された良好なパラメータG1で第1プロジェクタ2の投射画像A1の重ね合わせ領域ACの光量減衰曲線を固定し、第2プロジェクタ3について、手順S1から手順S5を実施し、以後、これを繰り返して交互に実施するのが好ましい。
以上のような方法によれば、複数の光量減衰曲線に基づく複数の表示画像の中から、観察者が最も良好と判断した表示画像を選択し、変化の方向性が変わったときに、ΔGを減少させるような処理を行っているので、段階的に最も良好な光量減衰曲線に基づく表示画像に収束させることができ、確実にかつコストをかけることなく、重ね合わせ領域ACの光量減衰直線の最適化を図ることができる。
また、式(2)のような単純な式で光量減衰曲線を設定することにより、補正パラメータGを変化させるだけで、簡単に複数の光量減衰曲線F(x,G)を設定することができる。
さらに、前述のように、第1プロジェクタ2と第2プロジェクタ3との間に個体差が大きい場合であっても、第1プロジェクタ2及び第3プロジェクタ3の光量調整を交互に行うことにより、重ね合わせ領域ACの光量調整の最適化を図ることができる。
また、式(2)のような単純な式で光量減衰曲線を設定することにより、補正パラメータGを変化させるだけで、簡単に複数の光量減衰曲線F(x,G)を設定することができる。
さらに、前述のように、第1プロジェクタ2と第2プロジェクタ3との間に個体差が大きい場合であっても、第1プロジェクタ2及び第3プロジェクタ3の光量調整を交互に行うことにより、重ね合わせ領域ACの光量調整の最適化を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分等については、同一符号を付して説明を省略する。
前述した第1実施形態では、複数の光量減衰曲線F(x,G−ΔG)、F(x,G)、F(x,G+ΔG)に基づく表示画像が表示された際、最も良好な表示画像の選択は、観察者が行っていた。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分等については、同一符号を付して説明を省略する。
前述した第1実施形態では、複数の光量減衰曲線F(x,G−ΔG)、F(x,G)、F(x,G+ΔG)に基づく表示画像が表示された際、最も良好な表示画像の選択は、観察者が行っていた。
これに対して、本実施形態では、プロジェクタが撮像装置を備え、プロジェクタの内部の制御手段5において、最も良好な表示画像の選択が自動的に行われている点が相違する。
また、前記第1実施形態では、光量減衰曲線設定手段42による光量減衰曲線の設定は、式(2)によって行っていた。
これに対して、本実施形態では、異なる式を用いて光量減衰曲線の設定を行っている点が相違する。以下、本実施形態について詳述する。
また、前記第1実施形態では、光量減衰曲線設定手段42による光量減衰曲線の設定は、式(2)によって行っていた。
これに対して、本実施形態では、異なる式を用いて光量減衰曲線の設定を行っている点が相違する。以下、本実施形態について詳述する。
第2実施形態に係るプロジェクタは、図8に示されるように、光変調装置としての液晶パネル51の画像表示制御を行う制御手段5と、CCDカメラ52とを備える。
制御手段5は、CCDカメラ52で撮像された撮像信号を処理するための撮像信号取込手段53及び特徴量解析手段54とを備え、光量減衰曲線の設定を行う光量減衰曲線設定手段55と、表示画像の選択を行う表示画像選択手段56が第1実施形態と相違する。
CCDカメラ52は、プロジェクタから投射される投射画像の重ね合わせ領域、及び重ね合わせ領域以外の投射画像を撮像して、電気信号に変換して出力する撮像装置である。
撮像信号取込手段53は、CCDカメラ52を制御して、必要に応じて撮像信号を制御手段5内に取り込む。
制御手段5は、CCDカメラ52で撮像された撮像信号を処理するための撮像信号取込手段53及び特徴量解析手段54とを備え、光量減衰曲線の設定を行う光量減衰曲線設定手段55と、表示画像の選択を行う表示画像選択手段56が第1実施形態と相違する。
CCDカメラ52は、プロジェクタから投射される投射画像の重ね合わせ領域、及び重ね合わせ領域以外の投射画像を撮像して、電気信号に変換して出力する撮像装置である。
撮像信号取込手段53は、CCDカメラ52を制御して、必要に応じて撮像信号を制御手段5内に取り込む。
特徴量解析手段54は、撮像信号取込手段53によって取り込まれた撮像信号に基づいて、重ね合わせ領域と重ね合わせ領域以外の特徴量を取得する部分である。特徴量としては、例えば、投射画像の明るさの分布値が考えられる。
光量減衰曲線設定手段55は、所定の式に基づいて、光量減衰曲線を複数設定するが、第1実施形態とは異なり、光量減衰曲線を適用する開始位置Dをパラメータに加えた下記式(3)に基づいて光量減衰曲線を設定する。
F’(x,G,D)=(x−D)G・・・(3)
表示画像選択手段56は、特徴量解析手段54の解析結果に基づいて、重ね合わせ領域ACに同時表示された表示画像のいずれかを選択する。選択は、例えば、投射画像A1内の重ね合わせ領域AC以外の明るさの分布と、重ね合わせ領域AC内の分布とを対比して、その差が最も少ない表示画像を選択する。重ね合わせ領域ACの境界は、投射画像A1の重ね合わせ領域ACとは反対側の端部からの距離で求めることができる。
光量減衰曲線設定手段55は、所定の式に基づいて、光量減衰曲線を複数設定するが、第1実施形態とは異なり、光量減衰曲線を適用する開始位置Dをパラメータに加えた下記式(3)に基づいて光量減衰曲線を設定する。
F’(x,G,D)=(x−D)G・・・(3)
表示画像選択手段56は、特徴量解析手段54の解析結果に基づいて、重ね合わせ領域ACに同時表示された表示画像のいずれかを選択する。選択は、例えば、投射画像A1内の重ね合わせ領域AC以外の明るさの分布と、重ね合わせ領域AC内の分布とを対比して、その差が最も少ない表示画像を選択する。重ね合わせ領域ACの境界は、投射画像A1の重ね合わせ領域ACとは反対側の端部からの距離で求めることができる。
前述した式(3)によって光量減衰曲線を設定する際、開始位置Dが、重ね合わせ領域ACよりも外側の開始位置D−ΔDとする場合、重ね合わせ領域ACに一致した位置Dとする場合、重ね合わせ領域ACの内側の開始位置D+ΔDの3水準が考えられ、補正パラメータGの水準がG−ΔG、G、G+ΔGの3水準であることを考慮すると、式(3)で求められる光量減衰曲線は、F’(x,G−ΔG,D−ΔD)、F’(x,G−ΔG,D)、F’(x,G,D)、F’(x,G+ΔG,D)、F’(x,G−ΔG,D+ΔD)、F’(x,G,D+ΔD)、F’(x,G+ΔG,D+ΔD)となり、図9に示されるように9つの表示画像を同時に表示が必要となる。
しかしながら、9つの表示画像を同時に表示して最も良好な表示画像を選択し、開始位置D、補正パラメータGを変化させながら、再度新たな光量減衰曲線を9つ設定するのは、複雑な処理となってしまう。
そこで、本実施形態における光量減衰曲線設定手段55では、初めに開始位置Dを固定しておき、補正パラメータGを変化させ、最も良好な表示画像を与える補正パラメータGを求めた後、開始位置Dを変化させ、最も良好な表示画像を与える開始位置Dを求めるようにしている。
このような処理を行えば、第1実施形態と同様に、3つの表示画像を表示して、その調整方法も第1実施形態とまったく同様の方法を採用することができ、補正パラメータG及び開始位置Dの最適化を図ることが可能である。
そこで、本実施形態における光量減衰曲線設定手段55では、初めに開始位置Dを固定しておき、補正パラメータGを変化させ、最も良好な表示画像を与える補正パラメータGを求めた後、開始位置Dを変化させ、最も良好な表示画像を与える開始位置Dを求めるようにしている。
このような処理を行えば、第1実施形態と同様に、3つの表示画像を表示して、その調整方法も第1実施形態とまったく同様の方法を採用することができ、補正パラメータG及び開始位置Dの最適化を図ることが可能である。
このような本実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果を享受できる上、次のような効果も享受できる。
プロジェクタがCCDカメラ52及び撮像信号取込手段53を備え、特徴量解析手段54が撮像データの特徴量の解析を行っているので、表示画像選択手段56が自動的に判定して、最も良好な表示となる表示画像を選択することが可能となる。
また、表示画像選択手段56が3種類の表示画像の中から最も良好な表示画像を選択しているため、撮像データとして各々の表示画像の特徴量を比較できる程度の精度のCCDカメラ52で十分であり、高精度、高価格のCCDカメラを必要とせず、プロジェクタの部品コストの低減を図ることができる。
プロジェクタがCCDカメラ52及び撮像信号取込手段53を備え、特徴量解析手段54が撮像データの特徴量の解析を行っているので、表示画像選択手段56が自動的に判定して、最も良好な表示となる表示画像を選択することが可能となる。
また、表示画像選択手段56が3種類の表示画像の中から最も良好な表示画像を選択しているため、撮像データとして各々の表示画像の特徴量を比較できる程度の精度のCCDカメラ52で十分であり、高精度、高価格のCCDカメラを必要とせず、プロジェクタの部品コストの低減を図ることができる。
[実施形態の変形]
尚、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形を含むものである。
前述した第1実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いたプロジェクタによりマルチプロジェクションシステム1を構築していたが、これに限らず、マイクロミラーを用いたデバイスを用いたプロジェクタによりプロジェクションシステムを構築した場合であっても、本発明に係るプロジェクションシステムの光量調整方法を実施することができる。
尚、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形を含むものである。
前述した第1実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いたプロジェクタによりマルチプロジェクションシステム1を構築していたが、これに限らず、マイクロミラーを用いたデバイスを用いたプロジェクタによりプロジェクションシステムを構築した場合であっても、本発明に係るプロジェクションシステムの光量調整方法を実施することができる。
また、前述した第2実施形態では、プロジェクタの内部の制御手段5上で本発明に係るプロジェクションシステムの調整方法を自動的に実施するようにしていたが、本発明はこれに限らず、第1実施形態のようなマルチプロジェクションシステム1を構成する表示制御装置としてのコンピュータ4上で自動的に実施できるようにしてもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び手順等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び手順等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
1…マルチプロジェクションシステム、2…第1プロジェクタ、3…第2プロジェクタ、4…コンピュータ、4A…デジタルケーブル、5…制御手段、41…ユーザインターフェース、42…光量減衰曲線設定手段、43…光量減衰マスク生成手段、44…記憶装置、45…表示画像生成手段、46…第1フレームバッファ、47…画像合成手段、48…第2フレームバッファ、49…画像表示制御手段、50…表示画像選択手段、51…液晶パネル、52…CCDカメラ、53…撮像信号取込手段、54…特徴量解析手段、55…光量減衰曲線設定手段、56…表示画像選択手段、A1…投射画像、A2…投射画像、AC…重ね合わせ領域、D…開始位置
Claims (6)
- 複数のプロジェクタからの投射画像の端部領域を重ね合わせ、全体画像を形成するプロジェクションシステムにおける、重ね合わせ領域の光量を調整するプロジェクションシステムの光量調整方法であって、
前記プロジェクタの投射画像における重ね合わせ領域の内側端部から外側端部に向かう光量減衰曲線を複数設定する第1手順と、
各光量減衰曲線に応じた表示画像を前記重ね合わせ領域に同時に表示する第2手順と、
同時に表示された複数の表示画像の中から、最も良好な表示となる表示画像を選択する第3手順と、
選択された表示画像に係る光量減衰曲線に基づいて、再度複数の異なる光量減衰曲線を設定する第4手順とを実施し、
前記第1手順乃至前記第4手順を再帰的に繰り返すことで最適な光量減衰曲線を選択することを特徴とするプロジェクションシステムの光量調整方法。 - 請求項1に記載のプロジェクションシステムの光量調整方法において、
前記プロジェクタの投射画像の端部から内側に向かう位置をx、重ね合わせ領域における光量の強度を決定する補正パラメータをGとしたときに、前記光量減衰曲線F(x,G)は、下記式(1)で与えられることを特徴とするプロジェクションシステムの光量調整方法。
F(x,G)=xG・・・(1) - 請求項2に記載のプロジェクションシステムの光量調整方法において、
前記複数の光量減衰曲線は、基準値Gよりも小さな変化量ΔGを設定し、
F(x,G−ΔG)、F(x,G)、F(x,G+ΔG)
であり、
前記第3手順でF(x,G−ΔG)又はF(x,G+ΔG)に基づく表示画像が選択され、
前記第4手順において、前記第3手順で選択された光量減衰曲線以外の光量減衰曲線に基づく表示画像、又はF(x,G)に基づく表示画像が選択されたときに、ΔGの値を小さくする第5手順を実施することを特徴とするプロジェクションシステムの光量調整方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプロジェクションシステムの光量調整方法において、
前記複数のプロジェクタのうち、隣接する第1プロジェクタ及び第2プロジェクタにおいて、
前記第1プロジェクタで前記第1手順乃至前記第3手順を実施した後に、前記第1プロジェクタにおける前記重ね合わせ領域の表示画像を、前記第3手順で選択された良好な表示画像とし、
前記第2プロジェクタで前記第1手順乃至前記第3手順を実施した後、前記第1プロジェクタで前記第4手順を実施し、
これらの手順を前記第1プロジェクタ及び前記第2プロジェクタで交互に実施していくことを特徴とするプロジェクションシステムの光量調整方法。 - 投射画像の端部領域が重ね合わされ、全体画像を形成する複数のプロジェクタと、前記複数のプロジェクタの投射画像の表示を制御する表示制御装置とを備えたプロジェクションシステムであって、
投射画像の重ね合わせ領域を撮像する撮像装置を備え、
前記表示制御装置は、
前記プロジェクタの投射画像における重ね合わせ領域の内側端部から外側端部に向かう光量減衰曲線を複数設定する光量減衰曲線設定手段と、
前記光量減衰曲線設定手段で設定された複数の光量減衰曲線に基づく複数の表示画像を、前記重ね合わせ領域に同時に表示する画像同時表示手段と、
同時に表示された複数の表示画像を、前記撮像装置で撮像して取り込む撮像信号取込手段と、
前記撮像信号取込手段で取り込まれた前記重ね合わせ領域の撮像信号に基づいて、該重ね合わせ領域の特徴量を解析する特徴量解析手段と、
前記特徴量解析手段の解析結果に基づいて、前記複数の表示画像の中からいずれかの表示画像を選択する表示画像選択手段とを備え、
前記光量減衰曲線設定手段は、
前記表示画像選択手段で選択された表示画像に係る光量減衰曲線に基づいて、異なる光量減衰曲線を設定することを特徴とするプロジェクションシステム。 - 光源から射出された光束を、入力される画像信号に応じて変調して光学像を形成し、投射するプロジェクタであって、
他のプロジェクタの投射画像の端部領域を重ね合わせ、全体画像を形成するように用いられ、
投射画像の重ね合わせ領域を撮像する撮像装置と、
前記プロジェクタの投射画像における重ね合わせ領域の内側端部から外側端部に向かう光量減衰曲線を複数設定する光量減衰曲線設定手段と、
前記光量減衰曲線設定手段で設定された複数の光量減衰曲線に基づく複数の表示画像を、前記重ね合わせ領域に同時に表示する画像同時表示手段と、
同時に表示された複数の表示画像を、前記撮像装置で撮像して取り込む撮像信号取込手段と、
前記撮像信号取込手段で取り込まれた前記重ね合わせ領域の撮像信号に基づいて、該重ね合わせ領域の特徴量を解析する特徴量解析手段と、
前記特徴量解析手段の解析結果に基づいて、前記複数の表示画像の中からいずれかの表示画像を選択する表示画像選択手段とを備え、
前記光量減衰曲線設定手段は、
前記表示画像選択手段で選択された表示画像に係る光量減衰曲線に基づいて、異なる光量減衰曲線を設定することを特徴とするプロジェクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008080294A JP2009237051A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | プロジェクションシステムの光量調整方法、プロジェクションシステム、及びプロジェクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008080294A JP2009237051A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | プロジェクションシステムの光量調整方法、プロジェクションシステム、及びプロジェクタ |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=41251109
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JP2008080294A Pending JP2009237051A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | プロジェクションシステムの光量調整方法、プロジェクションシステム、及びプロジェクタ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10616541B2 (en) | 2017-10-20 | 2020-04-07 | Seiko Epson Corporation | Image projection system, projector, and method for controlling image projection system |
-
2008
- 2008-03-26 JP JP2008080294A patent/JP2009237051A/ja active Pending
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