JP2009236187A - 自動変速機の制御方法及び自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御方法及び自動変速機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シフト操作速度を精度良くできる自動変速機の制御方法を提供すること。
【解決手段】本発明の自動変速機の制御方法は、作動油を油圧回路6に出力可能な高圧源51及び油圧回路6中の作動油を排出可能な低圧源52の何れかと油圧回路6との間を断続するマスタ流量制御弁41により油圧回路6の圧力を目標圧力に制御するときに、シフトピストン32の伸縮速度の目標速度を設定した上で、その伸縮速度が目標速度になるように算出した補正後目標圧力に制御することを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動変速機の制御方法及び自動変速機の制御装置に関する。
従来からマニュアルトランスミッション(MT)を自動化した自動制御式マニュアルトランスミッション(自動MT)の開発が進められており、変速段を切り替えるためのシフト操作やセレクト操作をアクチュエータを用いて行う機構が実現されている。例えば、アクチュエータとして油圧を用いて実現する機構について一例を説明する。図8に示すように、ECU55からの指示に従い、セレクト用流量制御弁42及びシフト用流量制御弁43に流す電流値を変えることでD、C、Pの3つのポートの間の接続を切り替え、セレクトピストン22及びシフトピストン32を伸縮させている。
セレクト用流量制御弁42及びシフト用流量制御弁43以外に圧力調整を行う調圧機構54に作動油を流出入の制御を行うマスタ流量制御弁41がある。各流量制御弁41〜43のDポートと作動油を貯留するリザーバ52が繋がっており、作動油を供給するアキュムレータ51とマスタ流量制御弁41のPポートとが繋がっている。そして、マスタ流量制御弁41のCポート、セレクト用流量制御弁42のPポート、シフト用流量制御弁43のPポート、セレクトシリンダ21の前室房211、シフトシリンダ31の前室房311及び調圧機構54が繋がっており、油圧回路6を形成している。
セレクトピストン22及びシフトピストン32の駆動源となる油圧回路6の圧力は、マスタ流量制御弁41のD、C、Pの3つのポートを切り替えて変化させている。この制御装置1では、油圧回路6が有する調圧機構54に、アキュムレータ(高圧源)51及びリザーバ(低圧源)52に流出入される作動油の量により油圧回路6の圧力が決定される。そして、ピストン22及び32が伸縮すると調圧機構54内部の作動油が消費されて油圧回路6が減圧する。
図9は、自動MTが2速から1速に向けて変速段を切り替えるシフト操作を行う際における、シフトストローク、油圧回路6の圧力、そしてマスター流量制御弁43へ流す電流量を示す。図9では説明のし易さの観点から模式的なデータを示している。2速から1速に切り替える場合、2速ギヤからのギヤ抜き(I)、1速ギヤに対する同期(II)、1速ギヤへのギヤ噛合(III)の順に段階を踏んで進行していく。
ここで、ギヤ抜き(I)及びギヤ噛合(III)の各段階について考えると、変速段の切り替え速度(シフト操作速度)を向上する観点からはできるだけ速いことが望ましいが、あまりに速いと異音の発生などが生起するおそれがある。従って、シフト操作速度は適正な範囲に制御する必要がある。
従来のシフト操作速度を制御する方法としては、油圧回路6の圧力を目標圧力に制御することにより行っていた。つまり、シフト操作速度はシフトピストン32の移動速度に対応し、シフトピストン32の移動速度は油圧回路6の圧力により制御できるから、シフト操作速度を制御するために油圧回路6の圧力を制御するものである。具体的にはマスター流量制御弁43への通電電流の大きさを油圧回路6の圧力が目標圧力になるように制御していた。目標圧力の大きさは、アクセル開度、車速、変速段、油圧回路6中の作動油の油温などに基づいて適正値が決定される。つまり、速やかなシフト操作が望まれるか否かをアクセル開度、車速、変速段などから判断した上で、油温に応じた適正な目標圧力を設定している。具体的には、アクセル開度が大きい、車速が低い、そして変速段が低いほど速やかな変速操作(シフト操作速度が大きい)が望まれるとして、より高い目標圧力を設定する対応関係を示すマップが作成されている。この場合に、油温が変化すると作動油の粘度が変化してシフトピストン32の動作にも影響を与えるため、油温毎に適正な目標圧力が設定されるマップが作成されている。
しかし、従来の方法ではシフト操作速度制御の精度が十分でない場合有った。例えば、シフトピストン32のピストン反力が変化することにより、同じ圧力を加えても同じ速度にならない場合があった。
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、シフト操作速度を精度良く行うことができる自動変速機の制御方法及び制御装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明の構成上の特徴は、作動油を内部に貯留する量に応じて内部の前記作動油に印加される圧力を調節する調圧機構が接続された油圧回路の圧力の目標値である目標圧力を所定の条件に基づいて決定する目標圧力決定ステップと、
前記油圧回路の圧力を検出する圧力検出ステップと、前記油圧回路の圧力と前記目標圧力との偏差である圧力偏差を計算する圧力偏差計算ステップと、前記作動油を前記油圧回路に出力可能な高圧源及び前記油圧回路中の前記作動油を排出可能な低圧源の何れかと前記油圧回路との間を断続して前記油圧回路に前記作動油を流出入させるマスタ流量制御弁を前記圧力偏差が小さくなるように制御することにより前記油圧回路の圧力を前記目標圧力に向けて調節するマスタ流量制御弁制御ステップとをもつ油圧回路圧力制御ステップと、
を有する自動変速機の制御方法であって、
前記油圧回路圧力制御ステップは、
並行に配置された2以上の回転シャフトの外周に配設された複数の変速用ギヤの間に配設されるシンクロメッシュ機構に係合したフォークをもつ複数のフォークシャフトのうちの一つを介して前記シンクロメッシュ機構をシフト動作させ且つ前記油圧回路を駆動源とするシフトピストンの伸縮速度を検出するシフト速度検出ステップと、
所定の条件に基づいて前記伸縮速度の目標速度を決定する目標速度決定ステップと、
前記伸縮速度と前記目標速度との偏差である速度偏差を計算する速度偏差計算ステップと、
前記油圧回路圧力制御ステップにおける前記目標圧力を前記速度偏差が小さくなるように補正して前記油圧回路の圧力を増減させることにより前記伸縮速度を前記目標速度に向けて調節する目標圧力補正ステップと、
を有することにある。
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記所定の条件は、アクセル開度、車速、変速段、及び前記作動油の温度であり、
前記目標圧力及び前記目標速度の決定は前記所定の条件の1つ1つに対して及び/又は組み合わせに対して設定されている対応関係に基づいて行うことにある。
また請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記目標圧力の増減の程度は、前記シフト動作が終了後、次のシフト動作を開始するまでその値が保持されることにある。
また請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜3の何れか1項において、前記シフト動作の開始から完了までの間のうち、前記シンクロメッシュ機構による同期作用の開始まで及び前記同期作用の終了後に、制御を行うことにある。
上記課題を解決する請求項5に係る発明の構成上の特徴は、作動油を内部に貯留する量に応じて内部の前記作動油に印加される圧力を調節する調圧機構が接続された油圧回路の圧力の目標値である目標圧力を所定の条件に基づいて決定する目標圧力決定手段と、
前記油圧回路の圧力を検出する圧力検出手段と、前記油圧回路の圧力と前記目標圧力との偏差である圧力偏差を計算する圧力偏差計算手段と、前記作動油を前記油圧回路に出力可能な高圧源及び前記油圧回路中の前記作動油を排出可能な低圧源の何れかと前記油圧回路との間を断続して前記油圧回路に前記作動油を流出入させるマスタ流量制御弁を前記圧力偏差が小さくなるように制御することにより前記油圧回路の圧力を前記目標圧力に向けて調節するマスタ流量制御弁制御手段とをもつ油圧回路圧力制御手段と、
を有する自動変速機の制御装置であって、
前記油圧回路圧力制御手段は、
並行に配置された2以上の回転シャフトの外周に配設された複数の変速用ギヤの間に配設されるシンクロメッシュ機構に係合したフォークをもつ複数のフォークシャフトのうちの一つを介して前記シンクロメッシュ機構をシフト動作させ且つ前記油圧回路を駆動源とするシフトピストンの伸縮速度を検出するシフト速度検出手段と、
所定の条件に基づいて前記伸縮速度の目標速度を決定する目標速度決定手段と、
前記伸縮速度と前記目標速度との偏差である速度偏差を計算する速度偏差計算手段と、
前記油圧回路圧力制御ステップにおける前記目標圧力を前記速度偏差が小さくなるように補正して前記油圧回路の圧力を増減させることにより前記伸縮速度を前記目標速度に向けて調節する目標圧力補正手段と、
を有することにある。
また請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項5において、前記所定の条件は、アクセル開度、車速、変速段、及び前記作動油の温度であり、
前記目標圧力及び前記目標速度の決定は前記所定の条件の1つ1つに対して及び/又は組み合わせに対して設定されている対応関係に基づいて行うことにある。
また請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項5又は6において、前記目標圧力の増減の程度は、前記シフト動作が終了後、次のシフト動作を開始するまでその値が保持されることにある。
また請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請求項5〜7の何れか1項において、前記シフト動作の開始から完了までの間のうち、前記シンクロメッシュ機構による同期作用の開始まで及び前記同期作用の終了後に、制御を行うことにある。
請求項1及び5に係る発明においては、油圧回路6の圧力制御の目標値である目標圧力を実際のシフトピストン32の伸縮速度と目標とする目標速度との偏差である速度偏差に応じてフィードバック制御を行うことにより、目標速度に応じた適正な目標圧力を設定可能になるため、油圧回路6の圧力の安定化とシフトピストン32の伸縮速度の安定化とが両立できる。
請求項2及び6に係る発明においては、目標圧力及び目標速度を決定するときに用いる所定の条件として、上述の条件を採用することにより、目標圧力及び目標速度を適正に設定することが可能になる。
請求項3及び7に係る発明においては、速度偏差に応じて増減された目標圧力の増減の程度を次のシフト動作を開始するときまで保持することにより、次のシフト動作においても最初から適正な目標圧力が設定可能となる。
請求項4及び8に係る発明においては、シフト動作の開始から完了までの間のうち、シンクロメッシュ機構による同期作用の開始まで及びその同期作用の終了後において制御を行うことから、より適正な目標圧力を設定可能になる。同期作用の開始まで及び同期作用の終了後においてはシフトピストン32の伸縮が進行し、その伸縮速度を制御することが重要であるため、本発明のようなシフトピストン32の伸縮速度に基づく目標圧力の設定を行うことにより望ましいシフト動作が実現できる。
以下、実施形態を用いて本発明を具体的に説明する。
(実施形態)
本実施形態の自動変速機の制御装置10は、図1に示されるように、アキュムレータ(高圧源)51、リザーバ(低圧源)52、シフトストローク装置3、マスタ流量制御弁41、セレクト用流量制御弁42、シフト用流量制御弁43、圧力センサ53、調圧機構54及びECU55を有する。なお、本実施形態では説明の簡略化のためにセレクト操作を実現するために設けられているセレクトピストンについては図示を省略しているが、実際には同じ油圧回路を用いてセレクトピストンを駆動する形態を採用している(例えば、従来技術にて説明した図8などの構成)。
アキュムレータ51は、高圧力源として作用し、後述するマスタ流量制御弁41のPポートに接続されている。アキュムレータ51は何らかの油圧ポンプなどが例示できる。車両の他の油圧装置に用いる油圧ポンプと共用することもできる。リザーバ52は、低圧力源として作用し、後述する各流量制御弁41及び43のDポート(ドレインポート)に繋がっている。リザーバ52としては内部が外部に接続されており、その圧力が大気圧に開放されている油貯めのための容器が例示できる。
シフトストローク装置3は、シフトシリンダ31とシフトピストン32とシフトストロークセンサ33とを有する。シフトシリンダ31にシフトピストン32が嵌挿されている。そして、シフトストロークセンサ33は、シフトピストン32が伸縮し移動した位置を検出するセンサである。シフトピストン32は、図2(a)及び図2(b)に示されるように、複数の変速用ギヤ83のうち1つに切り替えるためにフォーク85を介してシンクロメッシュ機構84をシフト動作せるためにシフトシリンダ31内を移動する。シフト操作は、複数組あるフォーク85から1つを選択して行うが、その選択は複数組あるフォーク85が接続されるフォークシャフト86の1つからセレクト操作により選択する。シフトシリンダ31内は、シフトピストン32を移動させるための作動油で満たされており、前室房311と後室房312とにシフトピストン32によって区切られる。シフトピストン32は、前室房311側から圧力を受ける面積が後室房312側から圧力を受る面積より狭い。
マスタ流量制御弁41、セレクト用流量制御弁42及びシフト用流量制御弁43は、それぞれD、C、Pの3ポートを有しており、セレクトピストン22及びシフトピストン32を移動させるために、各ポートなどと繋がれており、セレクトシリンダ21及びシフトシリンダ31内、またアキュムレータ51、リザーバ52にも繋がっている。
各流量制御弁41及び43のDポートと作動油を貯留するリザーバ52とが繋がっており、作動油を供給するアキュムレータ51とマスタ流量制御弁のPポートとが繋がっている。そして、マスタ流量制御弁41のCポート、シフト用流量制御弁43のPポート、シフトシリンダ31の前室房311及び調圧機構54が繋がっており、油圧回路6を形成している。
各流量制御弁41及び43は電磁式アクチュエータにより各ポートの接続切り替え(断続)を行っており、図3に示されるように、電流を流す大きさを変化させることにより各ポートの接続切り替えを行う。具体的には、最も高い電流値を基準とした通電割合で説明することができる。通電をしない状態である通電割合が0%の状態で、CポートとDポートとが繋がる。通電割合が50%の場合、Cポートが封鎖されてDポートともPポートとも接続されない。通電割合が100%の場合、CポートとPポートとが繋がる。
圧力センサ53(圧力検出手段)は、油圧回路6の圧力を測定するためのセンサであり、ECU55に圧力信号を出力する。
調圧機構54は、図4に示されるように、作動油が貯留される貯油室(5411、5412)と、作動油が流出入する開口部542と、貯油室(5411、5412)内部に隙間なく密着した状態で移動可能であって開口部542に接続される側(第1室)5411と接続されない側(第2室)5412とに区画する隔壁544と、その隔壁544の第2室5412内に配設されその隔壁544を第1室5411の体積に応じた力で第1室5411側に押圧できる圧力発生源543とを有する。圧力発生源543としてはバネなどの弾性体が例示できる。
開口部542から第1室5411に作動油が流入すると、第1室5411の体積は増加していき、圧力発生源543が隔壁544を押圧する力が第1室5411の体積の増加に応じて大きくなっていくことにより、調圧機構54が接続されている油圧回路6の圧力が大きくなっていく。反対に開口部542から作動油が流出すると、第1室5411の体積は減少していき、圧力発生源543が隔壁544を押圧する力が第1室5411の体積の減少に応じて小さくなっていくことにより、調圧機構54が接続されている油圧回路6の圧力が小さくなっていく。
調圧機構54は、圧力が掛かっていない状態(図4(1):圧力発生源543には荷重が加わっていない状態)から、マスタ流量制御弁41のC、Pポートを接続することにより、作動油が開口部542より流入する。作動油の流入量に応じて圧力が発生する(図4(2))。そして、マスタ流量制御弁41のCポートを封鎖することにより、作動油の流出入が止まり、調圧機構54は内部に貯留する作動油の量に応じた圧力を保持する(図4(3):調圧機構54内に貯留された作動油の量に応じて圧力発生源543が圧縮された状態)。従って、油圧回路6の圧力は調圧機構54内に貯留される作動油の量を制御することにより制御可能である。
シフト流量制御弁43のポート接続の切り替えを行うことで、シフトピストン32を作動させることができる。シフトピストン32が移動すると第1室5411の作動油が消費、流出し、調圧機構54内の作動油は減少して、油圧回路6の圧力は減少する(図4(4))。また、マスタ流量制御弁42のCポートをDポートに接続することでも油圧回路6内の作動油はリザーバ52へと流出し、調圧機構54内の作動油は減少して油圧回路6の圧力が減少する。
ECU55は、目標圧力決定手段と油圧回路圧力制御手段とをロジックとして有している。油圧回路圧力制御手段は、圧力検出手段と圧力偏差計算手段とマスタ流量制御弁制御手段とシフト速度検出手段と目標速度決定手段と速度偏差計算手段と目標圧力補正手段とをもつ。ECU55には圧力センサ53が検出した圧力である圧力信号、シフトストロークセンサ33が検出したシフトピストン32の伸縮位置である伸縮位置信号が入力される。ECU55はマスター流量制御弁43への通電割合、シフト用流量制御弁43への通電割合を制御する電流制御信号を出力する。それぞれの流量制御弁41及び43はその電流制御信号に基づき、電流の値を制御する駆動手段(図略)をもつ。
目標圧力決定手段はシフト操作速度が所定の条件から決定される適正な速度である目標速度となるように油圧回路6の圧力の目標値として目標圧力を決定する手段である。S120〜S240を一回以上行った後に目標圧力を決定する場合には、後述する目標圧力補正ステップ(S200)にて行った目標圧力の増減の程度を考慮して目標圧力を決定することができる。特に、シフト操作としては新たな操作であるが、以前に行ったシフト操作において計算した目標圧力の増減の程度を利用して目標圧力を計算することもできる。つまり、目標圧力補正ステップ(S200)にて一度補正が行われた値を流用して目標圧力を算出することにより最初から適正な値からずれが小さい目標圧力を決定することができる。目標圧力補正ステップ(S200)にて補正を行った後の目標圧力を流用するか否かの判断方法については特に限定しないが、常に流用する方法、所定条件が類似(又は同一)である場合に流用する方法などが考えられる。ここで、目標速度及び目標圧力は機械的な限界などから上限が決定されるものと考えられる。具体的に考慮することが望ましい所定の条件については詳しくは後述するが、アクセル開度、車速、変速段、作動油の温度が例示できる。
圧力検出手段は圧力センサ53から入力される圧力信号に基づき油圧回路の圧力を検出する手段である。
圧力偏差計算手段は圧力検出手段により検出された油圧回路6の実際の圧力(実圧力)と目標圧力決定手段により決定された目標圧力との偏差を計算する手段である。
マスタ流量制御弁制御手段は圧力偏差が小さくなるように油圧回路6の圧力をフィードバック制御する手段である。マスター流量制御弁43の制御としては以下の通りである。まず油圧回路6の圧力を上昇させる場合にはマスター流量制御弁43のCポートをPポートに接続させる。すると、アキュムレータ51内の圧力が高い作動油が油圧回路6を介して調圧機構54内に流入することにより調圧機構54内の圧力、つまり油圧回路6の圧力が上昇する。反対にマスター流量制御弁43のCポートをDポートに接続することにより、調圧機構54内の作動油が油圧回路6を介してリザーバ52に流出する。その結果、調圧機構54内に貯留されている作動油の量は減少し、調圧機構54内の圧力、つまり油圧回路6の圧力が減少する。油圧回路6の圧力制御を行う具体的な方法については後述する作用欄において説明する。
シフト速度検出手段はシフトストロークセンサ33から入力される伸縮位置信号からシフトピストンの伸縮速度を算出する。伸縮位置信号から伸縮速度を算出する方法としては特に限定しないが、伸縮位置の時間経過による変化率から算出することができる。なお、本実施例ではシフトストロークセンサ33からの伸縮位置信号からシフトピストン32の伸縮速度を算出しているが、シフトピストン32の伸縮位置を検出するシフトストロークセンサ33に替えてシフトピストン32の伸縮速度を直接検出するシフトピストン伸縮速度センサを採用する場合にはシフト速度検出手段はECU55内に設けることなく、シフトピストン伸縮速度センサにてシフト速度検出手段を完結させることができる。この場合にシフトピストン32の伸縮位置が必要な場合には伸縮速度を積分することにより算出する。
シフトピストン32はシフト流量制御弁を制御することにより動作させる。シフト用流量制御弁43を制御してCポートとDポートとを接続すると、Dポートには低圧源であるリザーバ52と接続されているため、Cポートに接続されている後室房312から作動油が流出して後室房312の圧力が低下する。圧力低下の結果、ピストン23の前室房311側から受ける力が後室房312側から受ける力よりも大きくなると、ピストン23は後室房312の体積を小さく、前室房311の体積を大きくするように移動する(図面右方)。
また、シフト用流量制御弁43を制御してCポートとPポートとを接続すると、Pポート及びCポートを介して油圧回路6の圧力が前室房311及び後室房312に伝達され、両者の圧力は等しくなる。ここで、シフトピストン32が前室房311側から圧力を受ける面積は後室房212、312側から圧力を受ける面積より狭いため、ピストン32に後室房312側から伝達される力の方が前室房311側から伝達される力よりも大きくなり、ピストン23は前室房、311側に向かって移動する(図面左方)。
目標速度決定手段は、前述した圧力決定手段において説明したものと同じである目標速度を決定する手段である。目標速度は所定の条件から決定される。目標速度は機械的な限界などから上限が決定されるものと考えられる。具体的に考慮することが望ましい所定の条件については詳しくは後述するが、アクセル開度、車速、変速段、作動油の温度が例示できる。
速度偏差計算手段はシフト速度検出手段にて検出した実際の伸縮速度(伸縮速度)と目標速度との偏差を計算する手段である。
目標圧力補正手段は目標圧力を速度偏差が小さくなるように補正する手段である。目標圧力を補正することにより油圧回路6の圧力が増減するため、油圧回路6の圧力を駆動源としているシフトピストン32の伸縮速度も変化する。
本実施形態の自動変速機の制御装置10の作用・動作について、2速から1速に変速用ギヤを切り替える場合を例として説明する。その他の変速段の間を切り替える場合であってもセレクト操作の追加やシフト操作の向きが逆になるなどの相違はあるもののシフト操作における速度、油圧回路6の圧力制御の観点では同様に適用できる。つまり、変速段が異なるとしてもシフトピストン32の伸縮速度に基づいて制御を行う点については変わりない。
以下、図5に基づき詳細に説明する。図5に示す制御方法は一例であり、本発明の趣旨に添う限り処理や判断の順番の入れ替え、処理や判断の追加・削除・代替ステップへの入れ替えを行うことができることは言うまでもない。
変速開始後、まず、所定の条件を取得する。所定の条件の取得は、変速段の取得(現在のギヤ、目標のギヤ:S110)と、アクセル開度、車速、及び作動油の温度の取得(S120)とを行う。その後、シフトストロークセンサ33から入力される伸縮位置信号に基づき、シフトピストン32の伸縮位置を計算する(シフト速度検出ステップ(手段):S130)。
シフトピストン32の伸縮位置からシフト操作における段階を検出する(S140)。シフト操作における段階は、図9に示すように進行する。まず、2速ギヤからのギヤ抜き(I)、1速ギヤに対する同期(II)、1速ギヤへのギヤ噛合(III)の順に段階を踏んで進行していく。ギヤ抜き(I)段階及びギヤ噛合(III)段階は、変速段の切り替え速度(シフト操作速度)を向上する観点からはできるだけ速いことが望ましいが、あまりに速いと異音の発生などが生起するおそれがあるため、シフト操作速度は適正な範囲に制御する必要がある。同期(II)段階ではシフトのストロークは殆ど変化せず、シンクロメッシュ機構による同期が完了するために必要な圧力が付与され続けることになり、圧力の制御が主となる。どの段階にあるかはシフトピストン32の伸縮位置により決定することもできる他、同期(II)の開始・終了は変速機内のギヤの回転数の変化、シフト操作の速度の変化などを利用して判断することができる。ここで、シフト操作の段階としてシフト操作が完了している場合にはシフト操作の制御は終了する(S150)。
シフトピストン32の伸縮位置に基づき、シフトピストン32の実速度を計算する(シフト速度検出ステップ(手段):S160)。実速度の計算方法としては特に限定しないが、シフトピストン32の伸縮位置を時間で微分することにより計算可能である。
その後、前述した所定の条件と現在の段階とに応じてシフトピストン32の伸縮速度の目標値である目標速度を計算する(目標速度決定ステップ(手段):S170)。目標速度の計算方法としては必要に応じて必要な方法にて行うことで十分である。例えば、特に限定するものではないが、以下の方法が挙げられる。
シフト操作の現在の段階が図9におけるギヤ抜き(I)又はギヤ噛合(III)のいずれかの段階である場合にはシフトピストン32の伸縮が進行しているため、ピストン32の伸縮速度を制御する必要がある。従って、目標速度は0より大きな値になる。特に、ギヤ抜き(I)段階の方がギヤ噛合(III)段階よりもシンクロメッシュ機構に与える負荷が小さく、より速い目標速度にてシフトピストン32を操作することができる。同期(II)段階においてはシンクロメッシュ機構による同期が行われる段階であり、シフトピストン32の伸縮は行われない。従って、目標速度としては0となり、目標圧力のみを制御することになる。
アクセル開度は大きくなるほど、操作者は速やかな加速を望んでいるものと推測できる。従って、加速の途切れがないように迅速なシフト操作を行うために、シフト速度の目標速度は速くなる。反対にアクセル開度が小さくなると、速やかな加速よりも車両の穏やかな挙動が望まれていると推測できる。従って、シフト操作もその操作によるショックや音の発生が少なくなるように緩やかなシフト操作を行うために、シフト速度の目標速度は低くする。
車速(変速段)が大きくなるほど、加速の大きさは小さくなるため、シフト操作により加速が中断しても違和感が少なくなると推測される。従って、シフト操作速度の上昇に伴うショックや音が発生し難くなるように目標速度が低く設定される。反対に車速(変速段)が小さくなるほど、加速の大きさは相対的に大きくなるため、シフト操作により加速が中断することによる違和感が大きくなると推測される。従って、シフト操作速度の上昇に伴うショックや音の発生防止と比較してシフト速度向上の優先順位が相対的に高くなることから目標速度が高く設定される。
作動油の温度によってシフト操作速度の上限値が変化する。例えば、温度が望ましい範囲内にある場合にはシフト操作を速やかに行うことが可能であるシフト操作速度であっても、作動油温度がそれ以外になった場合には作動が困難になる場合が考えられる。その場合にはシフト操作速度の上限値を望ましい値に変化させる。
このようにして計算して算出した目標速度と実速度とを比較して偏差を求める(速度偏差計算ステップ(手段):S180)。この偏差の値によりフィードバック制御を行う。
次に、前述の所定の条件及び現在の段階に応じ、油圧回路6の圧力の目標値である目標圧力を決定する(目標圧力決定ステップ(手段):S190)。目標圧力は目標速度に対応して設定されており、目標速度が大きくなれば、それに応じて概ね目標圧力も大きく設定される。ここで、シフト操作の現在の段階が同期(II)段階である場合には目標速度は0であるが目標圧力としては同期を進行させるために、ギヤ抜き(I)段階やギヤ噛合(III)段階よりも高い目標圧力が設定される(図9参照)。
なお、作動油は温度により粘度が変化するため、作動油の温度が変化すると、同じ圧力を設定してもピストン32の伸縮速度は変化する。従って、同じ目標速度とした場合であっても作動油の温度によって目標圧力を変化させる。具体的には作動油の温度が高くなるにつれて作動油の粘度が低下するため、他の条件が同じ場合の目標圧力は低下していく。反対に作動油の温度が低くなるにつれて作動油の粘度が大きくなるため、他の条件が同じ場合の目標圧力は上昇していく。
S180にて計算した目標速度と実速度との偏差(速度偏差)に基づいて目標圧力を補正して増減させる(目標圧力補正ステップ(手段):S200)。補正の方法は後述する。
圧力センサ83から入力される圧力信号を取得して実圧力を求め(圧力検出ステップ(手段):S210)、補正後目標圧力と実圧力との偏差(圧力偏差)を計算する(圧力偏差計算ステップ(手段):S220)。この圧力偏差に基づきマスター流量制御弁43への通電割合を計算する(マスタ流量制御弁制御ステップ(手段):S230)。具体的な計算方法は後述する。算出した通電割合を電流制御信号として駆動手段に出力する(マスタ流量制御弁制御ステップ(手段):S240)。その後、S120に戻って制御を継続する。
以下にS200(目標圧力補正ステップ(手段))において目標圧力を補正する計算方法を説明する。具体的には図6の(1)〜(4)に示す4つの手法が例示される。
図6(a)に示した方法は一般的なPID制御法である。つまり、PID制御にて速度偏差eを最小とするように補正値(目標圧力を補正するためのF/B項として用いる)を計算する。求めた補正値を目標圧力に適用することにより、補正後の新しい目標圧力を得ることができる。制御に用いる比例ゲイン、積分ゲイン、及び微分ゲインは実験など行うことで適正に設定する。
図6(b)に示した方法は速度偏差eの値から関数(速度偏差eの絶対値が所定値以内の場合には補正値は0であり、所定値を超えると、その超えた値に比例して補正値を決定する:MAP(e))に基づき補正値を算出する方法である。求めた補正値を目標圧力に適用することにより、補正後の新しい目標圧力を得ることができる。(a)に示したPID制御と比較して計算量を減少することができる利点がある。
図6(c)に示した方法は速度偏差eの値の絶対値が一定値(図6(c)において破線で示す)を超えた場合に、その超えている時間に対応する量だけ補正値を増減させる方法である。ここで、速度偏差eの正負に応じて補正値の増減値は変化する。図4(c)では実速度が目標速度よりも小さい(大きい)場合に補正値を減少(増加)させている。求めた補正値を目標圧力に適用することにより、補正後の新しい目標圧力を得ることができる。
図6(d)に示した方法は速度偏差eの値の絶対値が一定値である閾値(図6(d)において破線で示す)を超えた場合に、その超えている時間をタイマにより積算し、そのタイマの値から関数(タイマの絶対値が所定値以内の場合には補正値は0であり、所定値を超えると、その超えた値に比例して補正値を決定する。:MAP(タイマ)に基づき補正値を算出する方法である。求めた補正値を目標圧力に適用することにより、補正後の新しい目標圧力を得ることができる。
S230(マスタ流量制御弁制御ステップ(手段))における圧力偏差に基づき通電割合を算出する方法としてはフィードバック制御方法を採用すること以外は特に限定しない。例えば、図6(a)〜(d)で説明したような方法と同等の制御方法である図7(a)〜(d)の方法を採用することができる。つまり、補正後目標圧力と実圧力との偏差である圧力偏差dの大きさに応じて図6(a)〜(d)にて説明したような方法で制御を行うものである。
・補足:本実施例においてはS190にて目標速度に基づいて目標圧力を計算しているが、所定の条件などから直接的に目標圧力を設定しても良い。つまり、本実施例では所定の条件と目標速度との対応関係が設定されており、目標圧力は目標速度の大きさに対応づけられているが、目標圧力についても直接、所定の条件に対応づけることができる。
また、本実施例ではシフトピストン32により操作されるシフト操作についてのみ言及しているが、セレクトピストンにより操作されるセレクト操作についてもシフトピストン32(図9におけるギヤ抜き(I)及びギヤ噛合(III)段階における制御)と同様の制御にて行うことができる。
本実施形態の自動変速機の制御装置10のシフトピストン32に関連する部分の構成図である。 本実施形態の自動変速機の制御装置10が採用される変速機の構成断面図である。 本実施形態の自動変速機の制御装置10で用いられる流量制御弁の通電割合によるポート切り替えを説明する概略断面図である。 本実施形態の自動変速機の制御装置10で用いられる調圧機構54の作動油の量による圧力の調節を示す概略断面図である。 本実施形態の自動変速機の制御装置10で用いられる制御方法のフローチャートである。 本実施形態の自動変速機の制御装置10で用いられるシフト速度制御手段の動作を示すフローチャートである。 本実施形態の自動変速機の制御装置10で用いられる油圧回路圧力制御手段の動作を示すフローチャートである。 本実施形態の自動変速機の制御装置10の全体の構成図である。 従来の自動変速機の制御装置における変速段が2速から1速に切り替えられるときのシフトピストン32のストローク(伸縮位置)、油圧回路の圧力、マスター流量制御弁43への通電電流を示したイメージ図である。
符号の説明
10…自動変装機の制御装置、2…セレクトストローク装置、21…セレクトシリンダ、211…前室房、212…後室房、22…セレクトピストン、23…セレクトストロークセンサ、3…シフトストローク装置、31…シフトシリンダ、311…前室房、312…後室房、32…シフトピストン、33…シフトストロークセンサ、41…マスタ流量制御弁、42…セレクト用流量制御弁、43…シフト用流量制御弁、51…アキュムレータ(高圧源)、52…リザーバ(低圧源)、53…圧力センサ、54…調圧機構、5411…第1室、542…開口部、543…圧力発生源、544…隔壁、55…ECU、6…油圧回路、81、82…回転シャフト、83…変速用ギヤ、84…シンクロメッシュ機構、85…フォーク、86…フォークシャフト

Claims (8)

  1. 作動油を内部に貯留する量に応じて内部の前記作動油に印加される圧力を調節する調圧機構が接続された油圧回路の圧力の目標値である目標圧力を所定の条件に基づいて決定する目標圧力決定ステップと、
    前記油圧回路の圧力を検出する圧力検出ステップと、前記油圧回路の圧力と前記目標圧力との偏差である圧力偏差を計算する圧力偏差計算ステップと、前記作動油を前記油圧回路に出力可能な高圧源及び前記油圧回路中の前記作動油を排出可能な低圧源の何れかと前記油圧回路との間を断続して前記油圧回路に前記作動油を流出入させるマスタ流量制御弁を前記圧力偏差が小さくなるように制御することにより前記油圧回路の圧力を前記目標圧力に向けて調節するマスタ流量制御弁制御ステップとをもつ油圧回路圧力制御ステップと、
    を有する自動変速機の制御方法であって、
    前記油圧回路圧力制御ステップは、
    並行に配置された2以上の回転シャフトの外周に配設された複数の変速用ギヤの間に配設されるシンクロメッシュ機構に係合したフォークをもつ複数のフォークシャフトのうちの一つを介して前記シンクロメッシュ機構をシフト動作させ且つ前記油圧回路を駆動源とするシフトピストンの伸縮速度を検出するシフト速度検出ステップと、
    所定の条件に基づいて前記伸縮速度の目標速度を決定する目標速度決定ステップと、
    前記伸縮速度と前記目標速度との偏差である速度偏差を計算する速度偏差計算ステップと、
    前記油圧回路圧力制御ステップにおける前記目標圧力を前記速度偏差が小さくなるように補正して前記油圧回路の圧力を増減させることにより前記伸縮速度を前記目標速度に向けて調節する目標圧力補正ステップと、
    を有することを特徴とする自動変速機の制御方法。
  2. 前記所定の条件は、アクセル開度、車速、変速段、及び前記作動油の温度であり、
    前記目標圧力及び前記目標速度の決定は前記所定の条件の1つ1つに対して及び/又は組み合わせに対して設定されている対応関係に基づいて行う請求項1に記載の自動変速機の制御方法。
  3. 前記目標圧力の増減の程度は、前記シフト動作が終了後、次のシフト動作を開始するまでその値が保持される請求項1又は2に記載の自動変速機の制御方法。
  4. 前記シフト動作の開始から完了までの間のうち、前記シンクロメッシュ機構による同期作用の開始まで及び前記同期作用の終了後に、制御を行う請求項1〜3の何れか1項に記載の自動変速機の制御方法。
  5. 作動油を内部に貯留する量に応じて内部の前記作動油に印加される圧力を調節する調圧機構が接続された油圧回路の圧力の目標値である目標圧力を所定の条件に基づいて決定する目標圧力決定手段と、
    前記油圧回路の圧力を検出する圧力検出手段と、前記油圧回路の圧力と前記目標圧力との偏差である圧力偏差を計算する圧力偏差計算手段と、前記作動油を前記油圧回路に出力可能な高圧源及び前記油圧回路中の前記作動油を排出可能な低圧源の何れかと前記油圧回路との間を断続して前記油圧回路に前記作動油を流出入させるマスタ流量制御弁を前記圧力偏差が小さくなるように制御することにより前記油圧回路の圧力を前記目標圧力に向けて調節するマスタ流量制御弁制御手段とをもつ油圧回路圧力制御手段と、
    を有する自動変速機の制御装置であって、
    前記油圧回路圧力制御手段は、
    並行に配置された2以上の回転シャフトの外周に配設された複数の変速用ギヤの間に配設されるシンクロメッシュ機構に係合したフォークをもつ複数のフォークシャフトのうちの一つを介して前記シンクロメッシュ機構をシフト動作させ且つ前記油圧回路を駆動源とするシフトピストンの伸縮速度を検出するシフト速度検出手段と、
    所定の条件に基づいて前記伸縮速度の目標速度を決定する目標速度決定手段と、
    前記伸縮速度と前記目標速度との偏差である速度偏差を計算する速度偏差計算手段と、
    前記油圧回路圧力制御ステップにおける前記目標圧力を前記速度偏差が小さくなるように補正して前記油圧回路の圧力を増減させることにより前記伸縮速度を前記目標速度に向けて調節する目標圧力補正手段と、
    を有することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  6. 前記所定の条件は、アクセル開度、車速、変速段、及び前記作動油の温度であり、
    前記目標圧力及び前記目標速度の決定は前記所定の条件の1つ1つに対して及び/又は組み合わせに対して設定されている対応関係に基づいて行う請求項5に記載の自動変速機の制御装置。
  7. 前記目標圧力の増減の程度は、前記シフト動作が終了後、次のシフト動作を開始するまでその値が保持される請求項5又は6に記載の自動変速機の制御装置。
  8. 前記シフト動作の開始から完了までの間のうち、前記シンクロメッシュ機構による同期作用の開始まで及び前記同期作用の終了後に、制御を行う請求項5〜7の何れか1項に記載の自動変速機の制御装置。
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JP2011163403A (ja) * 2010-02-08 2011-08-25 Hitachi Automotive Systems Ltd 自動変速機の制御方法および制御装置

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