JP2009236136A - 射出成形歯車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合成樹脂製の射出成形歯車であって、中央孔を形成する円筒状のボス、歯部の底部に円筒状の歯底部を備え、ボスと歯底部を連絡する直線上のリブが放射状に設けられた射出成形歯車において、リブとリブの中間であって、歯底部と接続することなくボス側から延出した突き出しピンの形状を設けた射出成形歯車。
【選択図】図1
Description
この合成樹脂製の射出成形歯車は強度を確保するために肉盗み部分にリブ状を設置することになる。リブを設置した場合、製品を金型から取り出す(突き出す)為の突き出しピンを受ける部分である突き出しピン形状をリブと同一線上に設けることが多い(図3参照)。
そうした場合、リブの線上に突き出しピン形状が存在することになり、その突き出しピン形状は、型抜きの圧力を受けるために強度を高くする必要があり、リブを太くしたことと同じ効果が発生する。リブは部分的に太くなることで強度は増すが、リブの収縮の影響も大きく作用してリブの延長線上に存在する歯外径の寸法精度に影響を及ぼすこととなる。
リブの影響で歯底が大きく膨張して歯外径が大きくなる傾向が顕著であり、結果として歯外径寸法精度と噛み合い誤差の悪化につながってしまう。
クレーム確定後補充
本発明は、ボスと歯底間を放射状リブによって連結補強する構造の直径40mm以下の比較的小型の歯車に適している。大きな径の歯車は、ボス部と歯底間が大きく開いているので、多様な支持構造を設計することが可能であるが、小型の射出成形歯車では、放射状リブが、単純で実用的な構造であるので、この長所生かしつつ、寸法精度を向上させることは、実用性に富んだ提案である。
電子写真機器などトナーの定着を伴う機器では、定着部は200℃以上の高温下で行われ、その定着機器に隣接する部品は高温環境に晒される。このような高温環境で使用可能な熱可塑性樹脂は限定され、かつ、型抜きの困難性などにより射出成形による製品精度を出すことが難しいが、本発明の射出成型歯車は、十分精度を出すことができ、高温環境下で精密制動可能な小型歯車を提供することができる。例えば、電子写真のカラー化に伴い、色ズレが発生しないようにロール側、紙側を正確に制動する必要があり、本発明の射出成形歯車は適している。
ボス部と歯部の歯底部間をリブのみによって支持する構造の小型射出成形歯車に適している。更に、二段歯車などの左右異なる歯を形成した歯車に適している。二段ギヤの組み合わせは、平歯-平歯、平歯-ハス歯、ハス歯-ハス歯などの組み合わせができる。2種類の歯車を一体化するので、省スペース、小型化に適している。
例えば、図1に本発明の歯車の例を示す。図1に示す歯車は、左側にハス歯、右側に平歯を設けた二段歯車を示している。(a)は左側面図、(b)は正面・I−I部分断面図、(c)は右側面図を示している。ハス歯21が形成された左側には突き出し形状Aが形成されている。一方、平歯22が形成された右側には、突き出し形状は必要なく、リブ41のみが形成されている。右側には、射出樹脂の樹脂注入痕7が見られる。
ボス3と歯底部Bとの間は肉盗み部5として空所に形成されている。長手方向の中央部にはフランジ6が設けられ左右を分けている。右側は(c)に示されるように、ボス3と歯底部Bの間にはリブ41が6本放射状に設けられている。右側端部には、樹脂注入痕7が認められる。なお、リブの数、突き出し形状の数は、6本に限られるものではない。
本発明が適用できる歯車の寸法的制限は、特に限定されないが、放射状にリブ以外の構成を採用しにくい外径40mm以内の小型の射出成形によって製造される合成樹脂製歯車に適している。特に、30mm以下に適している。
また、長さについては、制約は少ないものと考えられる。
耐熱性、耐薬品性、剛性、耐磨耗性などの優れた性質を持つために、エンジニアリングプラスチックであるナイロン66などのポリアミド樹脂、強化ポリフェニレンサルファイド(PPS )樹脂を用いることができる。
PA66(ナイロン66)には、チタン酸カリウムウイスカーを添加することができる。PPSには、カーボンファイバー又はグラスファイバーを添加することができる。
本発明は、射出成形によって、成形する。射出成形自体は一般に用いられている公知の手段を採用することができる。
本発明の合成樹脂製の射出成形歯車は、機具用あるいは搬送器具用の駆動部に使用することができる。特に、正確な制動、耐熱性が求められる環境下に適している。OA機器用、電子写真用、インクジェットプリンター用、ホビー機器用、ATM用又は券売機用が挙げられる。そして、例えば、約200℃の高温環境下にあるトナー定着ロールの駆動ギアに隣接して使用される歯車に適している。トナーに含まれる合成樹脂を紙などへ融着して定着するために200℃程度の高温となる定着に隣接する歯車として本発明の歯車は170℃程度の耐熱性があって、電子写真の正確な印刷の位置合わせの要求に耐え得る歯車ある。本発明は、耐熱性の熱可塑性合成樹脂を用いて、高性能の歯車を提供することを実現した。
本実施例では、突き出しピン形状をリブ中間に設けていた従来例より、リブの幅を狭くすることができ、リブ4が歯底部Bに及ぼす突っ張り作用を小さくすることができる。この実施例では、従来1.0mmの幅を0.7mm幅に30%減少させることができた。
また、歯底部Bの精度安定性が向上する結果、各歯の個々の形状のバラツキを抑えることができ、歯外径部の寸法精度と噛み合い誤差精度の向上をはかることができる。
リブ上に製品突き出し部形状を設けない事と、その従来よりも細い直線状のリブを設置する構造とすることで、歯外径部の強度を維持したまま、歯外径部・歯底部の寸法に及ぼす影響(変形)を軽減させることができた。その結果、表1に示すように歯外径部の寸法精度と噛み合い誤差を小さくし精度の向上に繋がっていることがわかる。なお、表1に示す性能を具体的に示す噛み合い試験のチャートを図3に従来例のチャートを図5に示す。
噛み合い試験を行った噛み合いチャートを、本実施例を図3に、従来例を図5に示す。
噛み合いチャートの波形は、図5に示される従来例は6山を示し、6つの山は何れもリブ部分に発生しており、それらが噛み合い精度と悪化を抱いている。特にリブ部分の1ピッチ精度が6級精度にも入っていない。
本実施例を示す図3では、噛み合いチャートは3山になっており、リブの影響が解消していることが確認できる。この3山は、リブ部分ではない「ウエルドライン部分」に現れていると想定される。リブの影響が軽減された結果、1ピッチ精度が向上し、5級レベルが実現できている。
なお、この点のウエルドライン部の精度は、噛み合いチャート上はリブ部分(6級以上)の大きな山の中間にあって、大きな山に吸収されていたと考えられる。この3点のウエルドラインは、従来例でも以前から発生していたが、6本リブの影響が大きく、隠れてしまい、相殺されていたものが、本実施例では、リブの影響を軽減したことで本来のウエルドライン部分の精度が顕在化したことになる。
2 歯部
3 ボス
4 リブ
41 右側リブ
42 リブ
42A 突き出しピン形状
5 肉盗み部(空所)
6 フランジ
7 樹脂注入痕
A 突き出しピン形状
B 歯底部
Claims (8)
- 合成樹脂製の射出成形歯車であって、中央孔を形成する円筒状のボス、歯部の底部に円筒状の歯底部を備え、ボスと歯底部を連絡する直線上のリブが放射状に設けられた射出成形歯車において、
リブとリブの中間であって、歯底部と接続することなくボス側から延出した突き出しピンの形状を設けたことを特徴とする射出成形歯車。 - 射出成形歯車が、二段ギヤであることを特徴とする請求項1又は2記載の射出成形歯車。
- 二段ギヤの組み合わせが、平歯-平歯、平歯-ハス歯、ハス歯-ハス歯のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2記載の射出成形歯車。
- 歯外径がφ40mm以下であって、直線状のリブの幅が、0.8mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形歯車。
- 射出成形歯車が、機具用あるいは搬送器具用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の射出成形歯車。
- 射出成形歯車が、OA機器用、電子写真用、インクジェットプリンター用、ホビー機器用、ATM用又は券売機用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の射出成形歯車。
- 射出成形歯車が、熱可塑性合成樹脂であって、OA機器用、電子写真用、インクジェットプリンター用、ホビー機器用、ATM用又は券売機用であって、トナー定着ロールの駆動ギアに隣接して使用される射出成形歯車であることを特徴とする請求項6に記載の射出成形歯車。
- 合成樹脂が、170℃以上の耐熱性熱可塑性合成樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の射出成形歯車。
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