JP2009235854A - 床構造体及びその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】床下地の上面にプライマーを塗布・乾燥させてプライマー層を形成する工程と、プライマー層の上面に、フロー値が190mm以上でありかつ2時間後のショア硬度が30以下の自己流動性水硬性組成物(A)と、水とを混練して調製したスラリー(a)を打設して硬化させることによって、スラリー(a)硬化体層を形成する工程と、スラリー(a)硬化体層の上面に、フロー値が190mm以上である自己流動性水硬性組成物(B)と、水とを混練して調製したスラリー(b)を打設して硬化させることによって、スラリー(b)硬化体層を形成する工程とを含む、床構造体の施工方法である。
【選択図】図1
Description
(1)自己流動性水硬性組成物(A)が、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分を含む速硬性セルフレベリング材である。
(2)自己流動性水硬性組成物(A)が、水酸化カルシウム及びフライアッシュをさらに含む、床構造体の施工方法である。
(3)自己流動性水硬性組成物(A)が、さらに細骨材と、凝結遅延剤とを含み、さらに再乳化形樹脂粉末、無機粉末、流動化剤、増粘剤及び消泡剤から選ばれる成分のうち少なくとも1種以上含む。
(4)自己流動性水硬性組成物(B)が、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分を含む速硬性セルフレベリング材である。
(5)自己流動性水硬性組成物(B)が、さらに細骨材と、凝結遅延剤とを含み、さらに再乳化形樹脂粉末、無機粉末、流動化剤、凝結促進剤、増粘剤及び消泡剤から選ばれる成分のうち少なくとも1種以上含む。
(6)スラリー(b)硬化体層を形成する工程が、スラリー(a)硬化体層の表面水の光沢が消失する水引き時点から、スラリー(a)硬化体層のショア硬度が70であるときに、スラリー(b)を打設することを含む。
本発明の施工方法では、まず図1及び図2に示すように、凹凸を有するなど、完全に平坦ではないコンクリートなどの床下地11の上面に、セルフレベリング材用プライマーなどのプライマーを用いてプライマー層18を形成する。プライマー層18を設けることによって、その上に自己流動性のスラリー(a)を打設する際に、スラリー中の水分が床下地11に浸透する作用を防止することができ、床下地11とスラリー(a)硬化体層19とを強固に接着することができると共に、さらに床下地11からの気泡の発生を防止することができる。
本発明の施工方法では、次に、プライマー層の上面に、フロー値が190mm以上でありかつ2時間後のショア硬度が30以下の自己流動性水硬性組成物(A)と、水とを混練して調製したスラリー(a)を打設して硬化させることにより、スラリー(a)硬化体層19を形成する。
自己流動性水硬性組成物(A)は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分を含む水硬性組成物であることが好ましい。また、この水硬性組成物は、水酸化カルシウム微粉末と、フライアッシュ微粉末とを含むとがより好ましい。なお、このような組成を有する水硬性組成物は、十分な速硬性を有する水硬性組成物(速硬性セルフレベリング材)である。
(1)水硬性成分100質量部に対して、水酸化カルシウム微粉末が0.01〜1質量部であり、フライアッシュ微粉末が0.5〜5質量部である。
(2)水硬性成分100質量%中、アルミナセメント20〜80質量%、ポルトランドセメント5〜70質量%及び石膏5〜45質量%である。
(3)細骨材と、流動化剤とをさらに含み、無機成分、凝結遅延剤、再乳化形樹脂粉末、増粘剤及び消泡剤から選ばれる成分の少なくとも1種以上をさらに含み、水硬性組成物と、水とを混練して調製した水硬性スラリーが、自己流動性を有する。
(4)凝結遅延剤が、有機酸及び/又は無機酸のナトリウム塩である。
(5)自己流動性水硬性組成物(A)と、水とを混練して調製したスラリーの硬化体表面のショア硬度が、水硬性スラリーを施工して2時間後に10以上である。
(6)自己流動性水硬性組成物(A)と、水とを混練して調製したスラリーの硬化体が、スラリーを施工後、65分〜120分の間に整形・補修作業が可能である。
自己流動性水硬性組成物(A)は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分とを含む。自己流動性水硬性組成物(A)は、水酸化カルシウム微粉末及びフライアッシュ微粉末をさらに含むことが好ましい。
自己流動性水硬性組成物(A)に含まれる水酸化カルシウム微粉末は、初期の軽歩行可能となるスラリー(a)の表面硬度の発現時間を調整するという機能を有する成分である。水酸化カルシウム微粉末を水硬性成分に対して適正量を配合することによって、凝結促進剤として有効に機能し、スラリー(a)を施工後、必要に応じて、早期に施工表面を補修することもできる。水酸化カルシウム微粉末の製造方法は、特に限定されるものではなく、市販のものを使用することができる。
自己流動性水硬性組成物(A)に含まれるフライアッシュ微粉末は、硬化初期のスラリー(a)硬化体層19の表層の保水性を適正に長時間維持し、整形や補修が容易な施工表面を形成させる効果を付与できることから、保水性付与材として、水硬性成分に対して適正量のフライアッシュ微粉末を配合することが好ましい。
自己流動性水硬性組成物(A)は、水硬性成分と、水酸化カルシウム微粉末と、フライアッシュ微粉末とに加え、細骨材と、流動化剤とを含むことが好ましい。また、さらに再乳化形樹脂粉末、無機成分、凝結遅延剤、増粘剤及び消泡剤から選ばれる成分を少なくとも1種以上含み、自己流動性水硬性組成物(A)と、水とを混練して調製したスラリー(a)が、自己流動性を有することが好ましい。
自己流動性水硬性組成物(A)は、細骨材を、水硬性成分100質量部に対し、好ましくは50〜500質量部、より好ましくは100〜400質量部、さらに好ましくは150〜300質量部、特に好ましくは150〜250質量部含む。
自己流動性水硬性組成物(A)に対して流動化剤を添加することにより、自己流動性水硬性組成物(A)を用いたスラリーに自己流動性を付与することができる。そのため、自己流動性水硬性組成物(A)に対する流動化剤の添加は、施工の際の作業性を向上することができるため好ましい。
自己流動性水硬性組成物(A)には、樹脂粉末(再乳化形樹脂粉末)を添加することが好ましい。樹脂粉末の添加により、自己流動性水硬性組成物(A)を用いたスラリー(a)において、乾燥によって発生する収縮応力がひび割れ発生に繋がる過程で、ひび割れの発生に対する抵抗性を向上することができる。
自己流動性水硬性組成物(A)は、無機成分として、高炉スラグ微粉末、石灰石粉、シリカヒュームから選ばれる少なくとも1種以上の無機成分を含み、特に高炉スラグ微粉末を含む。これらの無機成分を含むことにより、乾燥収縮によるスラリー(a)硬化体層19の耐クラック性を高めることができ、かつコストが低減でき、経済的である。
自己流動性水硬性組成物(A)に添加する凝結遅延剤は、自己流動性水硬性組成物(A)に使用する水硬性成分及び水硬性成分以外の成分などに応じて、特性を損なわない範囲で適宜添加することができる。また、凝結遅延剤の成分、添加量及び混合比率を適宜選択することによって、自己流動性水硬性組成物(A)の可使時間と速硬性とを調整することができる。自己流動性水硬性組成物(A)に対する凝結遅延剤の添加によって、自己流動性スラリーとしての使用が非常に容易になるため好ましい。
自己流動性水硬性組成物(A)に添加する増粘剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを除く他のセルロース系、スターチエーテル及びグアーガムなどの化工澱粉系、蛋白質系、ラテックス系及び水溶性ポリマー系などの増粘剤を併用して用いることができる。
自己流動性水硬性組成物(A)に添加する消泡剤は、シリコーン系、アルコール系及びポリエーテル系などの合成物質、鉱物油系又は植物由来の天然物質など、公知のものを用いることができる。
自己流動性水硬性組成物(A)では、乾燥クラックの防止・抑制効果をより高める場合などには、収縮低減剤及びシリコーンオイルなどを適宜選択して用いることができる。
自己流動性水硬性組成物(A)を構成する場合に、特に好適な成分構成は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分、水酸化カルシウム微粉末、フライアッシュ微粉末及び硅砂などの細骨材、流動化剤、無機成分、凝結遅延剤、再乳化形樹脂粉末、増粘剤及び消泡剤を含むものである。
所定量の水硬性成分、水酸化カルシウム微粉末、フライアッシュ微粉末、無機成分、細骨材、流動化剤、無機成分、凝結遅延剤、再乳化形樹脂粉末、増粘剤及び消泡剤などを混合機で混合することによって、自己流動性水硬性組成物(A)のプレミックス粉体を得ることができる。
本発明の施工方法では、次に、スラリー(a)硬化体層19の上面に、フロー値が190mm以上である自己流動性水硬性組成物(B)と、水とを混練して調製したスラリー(b)を打設して硬化させ、スラリー(b)硬化体層20を形成する。図2に示すように、床下地11に比較的大きなトレンチ21がある場合にも、スラリー(a)硬化体層19の形成により、トレンチ21に起因する凹部を緩やかな凹部22とすることができる。スラリー(a)硬化体層19の上面にスラリー(b)硬化体層20を形成することにより、比較的大きなトレンチ21があった部分も含めて表面が良好な水平レベル性を有する床構造体を得ることができる。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物は、セメント成分及び石膏を含む水硬性成分と、細骨材とを含む水硬性組成物であって、石膏中の残留水酸化カルシウム濃度が、残留水酸化カルシウムを含む石膏100質量%に対して0.5質量%以下であることを特徴とする水硬性組成物である。なお、このような組成を有する水硬性組成物は、十分な速硬性を有する水硬性組成物(速硬性セルフレベリング材)である。
(1)水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物が、流動化剤をさらに含む。
(2)石膏が、水酸化カルシウムを脱硫中和材として用いるフッ酸製造工程から副産される石膏である。
(3)残留水酸化カルシウムが、水酸化カルシウムを脱硫中和材として用いるフッ酸製造工程で副産される石膏に含まれる、フッ酸製造工程において未反応の中和反応残渣の水酸化カルシウムである。
(4)セメント成分が、アルミナセメント及び/又はポルトランドセメントからなる。
(5)水硬性成分が、水硬性成分の合計を100質量%として、アルミナセメント20〜80質量%、ポルトランドセメント5〜70質量%及び石膏5〜45質量%である。
(6)水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物が、無機成分、凝結遅延剤、凝結促進剤、増粘剤及び消泡剤から選ばれる成分の少なくとも1種以上をさらに含み、水硬性組成物と、水とを混練して調製した水硬性スラリーが、自己流動性を有する。
(7)水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物と、水とを混練して調製した水硬性スラリーの硬化体表面のショア硬度が、水硬性スラリーを施工して3時間後に30以上である。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物では、水硬性成分として、セメント成分と石膏とを含む水硬性成分を用いることができ、セメント成分としては、ポルトランドセメント及び/又はアルミナセメントを用いることができる。水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物が、これらの成分を用いることにより、優れた自己流動性を有し、適正な可使時間と、優れた速硬性とを有する水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物が得られることから特に好ましい。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物がセメント成分としてポルトランドセメントを含む場合、ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントなどのポルトランドセメントを用いることができる。また、水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物のセメント成分として、ポルトランドセメントと他の成分とを混合した混合セメント、例えば、高炉セメント、フライアッシュセメント及びシリカセメントなどの混合セメントなどを用いるができる。
本発明では、水硬性成分のひとつとして石膏を用いる。石膏は、水硬性組成物と水とを混練して得られる水硬性スラリーが硬化した後の寸法安定性を保持する成分として機能するものである。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分に加えて、細骨材を含む。水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物に含まれる細骨材の配合量は、水硬性成分100質量部に対し、好ましくは30〜500質量部、より好ましくは50〜400質量部、さらに好ましくは100〜300質量部、特に好ましくは150〜250質量部の範囲が好ましい。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物は、材料分離を抑制しつつ好適な流動性を確保するために、流動化剤(高性能減水剤などの減水剤)を含むことが好ましい。水硬性成分であるアルミナセメントの発現強度は、水/水硬性成分比の影響を大きく受けることから、水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物の水硬性成分としてアルミナセメントを含む場合には、減水効果を有する流動化剤を使用して水/水硬性成分比を小さくすることが特に好ましい。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物は、さらに無機成分、凝結遅延剤、凝結促進剤、増粘剤及び消泡剤から選ばれる1種以上の成分を含み、水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物と、水とを混練して調製した水硬性スラリーが、自己流動性を有することが好ましい。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物は、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ及びシリカヒュームから選ばれる少なくとも1種以上の無機成分を含み、特に高炉スラグ微粉末を含むことが好ましい。これらの無機成分を含むことにより、乾燥収縮による硬化体層の耐クラック性を高めることができる。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物に添加する凝結調整剤(凝結遅延剤及び凝結促進剤)は、水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物に使用する水硬性成分及び水硬性成分以外の成分などに応じて、特性を損なわない範囲で適宜添加することができる。また、凝結遅延剤及び凝結促進剤の成分、添加量及び混合比率を適宜選択することによって、水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物の可使時間と速硬性とを調整することができる。水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物に対する凝結遅延剤の添加によって、セルフレベリング材(自己流動性モルタル)としての使用が非常に容易になるため好ましい。
凝結遅延剤としては、公知の凝結遅延剤を用いることができる。凝結遅延剤の一例として、L−酒石酸ナトリウムなどの酒石酸ナトリウム類、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム類、グルコン酸ナトリウムなどのオキシカルボン酸類を代表とする有機酸やそのナトリウム塩、硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウムなどの無機ナトリウム塩類などの成分を挙げることができる。凝結遅延剤は、これらの成分のそれぞれを単独で又は2種以上の成分を併用して用いることができる。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物に添加する凝結促進剤としては、公知の凝結を促進する成分を用いることができ、例えば、凝結促進効果を有するリチウム塩を好適に用いることができる。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物に添加する増粘剤は、ヒドロキシエチルメチルセルロースを含み、ヒドロキシエチルメチルセルロースを除く他のセルロース系、蛋白質系及びスターチエーテルなどの化工澱粉系、ラテックス系及び水溶性ポリマー系などの増粘剤を併用して用いることができる。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物に添加する消泡剤は、シリコン系、アルコール系及びポリエーテル系などの合成物質、鉱物油系又は植物由来の天然物質など、公知のものを用いることができる。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物では、乾燥クラックの防止・抑制効果をより高める場合などには、収縮低減剤、樹脂粉末などを適宜選択して用いることができる。
水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物を構成する場合に、特に好適な成分構成は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び所定の石膏からなる水硬性成分、硅砂などの細骨材、流動化剤、無機成分、凝結調整剤、増粘剤及び消泡剤を含むものである。
所定量の水硬性成分及び細骨材並びに必要に応じて流動化剤、無機成分、凝結調整剤、増粘剤及び消泡剤などを混合機で混合することによって、水酸化カルシウム制御自己流動性水硬性組成物のプレミックス粉体を得ることができる。
評価に用いるスラリーは、水硬性組成物と、水とを混練して調製した混練直後のスラリーを用いる。
フロー値は、JASS・15M−103に準拠して測定した。すなわち、厚さ5mmのみがき板ガラスの上に内径50mm、高さ51mmの塩化ビニル製パイプ(内容積100ml)を置き、練り混ぜたスラリーを充填した後、パイプを引き上げた。スラリーの広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値とした。
調製したスラリーを、13cm×19cmの樹脂製の型枠へ厚さ10mmで流し込んだ後、凝結開始に伴いスラリー表面水が消失(光の反射が失われ曇った状態)した時点までの時間を水引き時間とした。スラリー硬化体層表面の状態は、目視により評価した。
上記の水引き時間を測定したサンプルを用いて、コテを使用した整形性・補修性を評価した。スラリー表面の水引き後、コテを試料表面に押し当てた時に硬化したスラリーがコテに付着しなくなる時間を補修開始時間とし、その後の作業性を評価した。コテ押さえの繰り返しにより水浮きが多く発生する場合は補修作業が容易となり、高得点となる。評価は5段階で、5点が最も高い評価とした。なお、補修終了時間は、スラリー硬化体層表面のショア硬度=15とし、補修開始から補修終了の時間を補修可能時間とした。なお、コテ押さえの繰返しによる水浮きとは、スラリー硬化体層の表層を、繰返しコテ押さえを行った時に、水硬性スラリーが遊離水を含んだ状態になることをいう。
スラリー打設後からの所定の経過時間において、硬化した表面の硬度をスプリング式硬度計タイプD型((株)上島製作所製)を用いて、任意の3〜5カ所の表面硬度を測定し、そのスプリング式硬度計の読み取り値の平均値をその時間のスラリー表面のショア硬度とした。
上記サンプルにおいて、硬化後材齢24時間で、補修を加えていない部分の表面仕上りを目視などで観察することで評価した。評価は5段階評価とし、5点が最も高い評価とした。
1)水硬性成分
・アルミナセメント(フォンジュ、ケルネオス社製、ブレーン比表面積3100cm2/g)。
・ポルトランドセメント(早強セメント、宇部三菱セメント社製、ブレーン比表面積4500cm2/g)。
・石膏:II型無水石膏(旭硝子社製、ブレーン比表面積3600cm2/g)。
2)水酸化カルシウム微粉末(宇部マテリアルズ社製、ブレーン比表面積16020cm2/g、平均粒子径=7.0μm、粒子径分布を表3に示す。なお、粒子径の測定は、下記のレーザー回折・散乱式粒度分布測定器を用いて行った。)。
一般名 : レーザー回折・散乱式粒度分布測定器
メーカー: 株式会社 セイシン企業
製品名 : レーザー・マイクロン・サイザー
型式 : LMS−30
3)フライアッシュ(常磐フライアッシュ、常磐火力産業製、ブレーン比表面積3660cm2/g、平均粒子径=14.6μm、粒子径分布を表3に示す。なお、粒子径の測定は、水酸化カルシウム微粉末の場合と同様に、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器を用いて行った。)。
4)細骨材
・珪砂:6号珪砂。
5)流動化剤
・流動化剤A:ポリカルボン酸系流動化剤(花王社製)。
・流動化剤B:リグニンスルホン酸カルシウム系流動化剤(BASFポゾリス社製)。
6)無機成分
・高炉スラグ微粉末(リバーメント、千葉リバーメント社製、ブレーン比表面積4400cm2/g)。
7)凝結遅延剤
・グルコン酸ナトリウム(富田製薬社製)。
・ポリリン酸ナトリウム(オルガノ社製)。
・トリポリリン酸ナトリウム(太洋化学工業社製)。
8)増粘剤:ヒドロキシプロピルメチルセルロース系増粘剤(マーポローズ65MP−400、松本油脂製薬社製)。
9)消泡剤:ポリエーテル系消泡剤(ADEKA社製)。
10)再乳化形樹脂粉末:酢酸ビニルエステル/バーサチック酸ビニルエステルの共重合体(ニチゴー・モビニール社製)。
表1に示す水硬性成分、細骨材、流動化剤、無機成分、凝結調整剤、再乳化形樹脂粉末、増粘剤及び消泡剤(総量:1.5kg)を、混合して水硬性組成物を調製し、さらに水360gを加えてケミスタラーを用いて3分間混練して、スラリーを得た。水硬性組成物及びスラリーの調製及び養生は、全て、温度20℃、湿度65%の雰囲気下で行った。
評価には、水硬性組成物と水とを混練して調製した混練直後の水硬性スラリーを用いた。
・セルフレベリング性(自己流動性):フロー値及びSL値
フロー値は、実施例1と同様の方法により測定した。すなわち、フロー値は、JASS・15M−103に準拠して測定した。すなわち、厚さ5mmのみがき板ガラスの上に内径50mm、高さ51mmの塩化ビニル製パイプ(内容積100ml)を置き、練り混ぜた水硬性スラリーを充填した後、パイプを引き上げた。水硬性スラリーの広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値とした。
水硬性スラリー硬化体層表面の状態は、調製した水硬性スラリーを、13cm×19cmの樹脂製の型枠へ厚さ10mmで流し込み、硬化後材齢24時間で、表面仕上りを目視で観察することで評価した。評価は以下の通りとした。評価条件は、温度20℃、25℃、30℃及び35℃並びに湿度65%の温度及び湿度条件下で行った。
○:表面仕上りが良好(気泡なし、粉化なし)
×:表面仕上りが不良(気泡及び/又は粉化あり)
水硬性スラリー打設後からの所定の経過時間において、硬化した表面の硬度をスプリング式硬度計タイプD型((株)上島製作所製)を用いて、任意の3〜5カ所の表面硬度を測定し、そのスプリング式硬度計タイプD型のゲージの読み取り値の平均値をその時間の水硬性スラリー表面のショア硬度とした。
1)水硬性成分
・アルミナセメント(フォンジュ、ケルネオス社製、ブレーン比表面積3100cm2/g)。
・ポルトランドセメント(早強セメント、宇部三菱セメント社製、ブレーン比表面積4500cm2/g)。
・石膏A:水酸化カルシウムを排煙脱硫材とするII型無水石膏(旭硝子社製、Ca(OH)2含有量=0.00%、pH=8.4)。
・石膏B:水酸化カルシウムを排煙脱硫材とするII型無水石膏(旭硝子社製、Ca(OH)2含有量=0.30%、pH=11.3)。
・石膏C:水酸化カルシウムを排煙脱硫材とするII型無水石膏(旭硝子社製、Ca(OH)2含有量=0.63%、pH=11.7)。
2)細骨材
・珪砂:6号珪砂。
3)流動化剤:ポリカルボン酸系流動化剤(花王社製)。
4)無機成分
・高炉スラグ微粉末(リバーメント、千葉リバーメント社製、ブレーン比表面積4400cm2/g)。
5)凝結調整剤:
・重炭酸Na:重炭酸ナトリウム(東ソー社製)。
・酒石酸Na:L−酒石酸ナトリウム(扶桑化学工業社製)。
・炭酸Li :炭酸リチウム(本荘ケミカル社製)。
6)増粘剤 :ヒドロキシエチルメチルセルロース系増粘剤(マーポローズMX−30000、松本油脂製薬社製)。
7)消泡剤 :ポリエーテル系消泡剤(サンノプコ社製)。
表4に示す水硬性成分、細骨材、流動化剤、無機成分、凝結調整剤、増粘剤及び消泡剤(総量:1.5kg)を、混合して水硬性組成物を調製し、さらに水390gを加えてケミスタラーを用いて3分間混練して、水硬性スラリーを得た。水硬性組成物及び水硬性スラリーの調製は、温度20℃、25℃、30℃及び35℃並びに湿度65%の温度及び湿度条件下で行った。
18 : プライマー層
19 : スラリー(a)硬化体層
20 : スラリー(b)硬化体層
21 : 比較的大きなトレンチ
22 : 緩やかな凹部
Claims (9)
- 床下地の上面にプライマーを塗布・乾燥させてプライマー層を形成する工程と、
プライマー層の上面に、フロー値が190mm以上でありかつ2時間後のショア硬度が30以下の自己流動性水硬性組成物(A)と、水とを混練して調製したスラリー(a)を打設して硬化させることにより、スラリー(a)硬化体層を形成する工程と、
スラリー(a)硬化体層の上面に、フロー値が190mm以上である自己流動性水硬性組成物(B)と、水とを混練して調製したスラリー(b)を打設して硬化させることにより、スラリー(b)硬化体層を形成する工程と
を含む、床構造体の施工方法。 - 自己流動性水硬性組成物(A)が、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分を含む速硬性セルフレベリング材である、請求項1記載の床構造体の施工方法。
- 自己流動性水硬性組成物(A)が、水酸化カルシウム及びフライアッシュをさらに含む、請求項2記載の床構造体の施工方法。
- 自己流動性水硬性組成物(A)が、さらに細骨材と、凝結遅延剤とを含み、さらに再乳化形樹脂粉末、無機粉末、流動化剤、増粘剤及び消泡剤から選ばれる成分のうち少なくとも1種以上含む、請求項2又は3記載の床構造体の施工方法。
- 自己流動性水硬性組成物(B)が、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分を含む速硬性セルフレベリング材である、請求項1〜4のいずれか1項記載の床構造体の施工方法。
- 自己流動性水硬性組成物(B)が、さらに細骨材と、凝結遅延剤とを含み、さらに再乳化形樹脂粉末、無機粉末、流動化剤、凝結促進剤、増粘剤及び消泡剤から選ばれる成分のうち少なくとも1種以上含む、請求項5記載の床構造体の施工方法。
- スラリー(b)硬化体層を形成する工程が、スラリー(a)硬化体層の表面水の光沢が消失する水引き時点から、スラリー(a)硬化体層のショア硬度が70であるときに、スラリー(b)を打設することを含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の床構造体の施工方法。
- スラリー(b)硬化体層を形成する工程において、スラリー(b)の打設を開始する時が、スラリー(a)硬化体層の表面水の光沢が消失する水引き時点から、スラリー(a)の打設終了後3時間経過時までの間である、請求項1〜6のいずれか1項記載の床構造体の施工方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載の施工方法により得られる床構造体。
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