JP2009235851A - 滑雪屋根材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 屋根に積もる雪の滑雪性を高めて屋根の積雪対策を施した滑雪屋根材を提供する。
【解決手段】 滑雪屋根材1A,1Bの表面に複数の略半球状の凸部3を規則的に配置する。また、 滑雪屋根材1A,1Bは、表面に複数の略半球状の凸部3が滑雪を促進する大きさおよび間隔に形成および配置された滑雪促進凸部群4と、表面に複数の略半球状の凸部3が滑雪を阻害する大きさおよび間隔に形成および配置された滑雪阻害凸部群5とを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】 滑雪屋根材1A,1Bの表面に複数の略半球状の凸部3を規則的に配置する。また、 滑雪屋根材1A,1Bは、表面に複数の略半球状の凸部3が滑雪を促進する大きさおよび間隔に形成および配置された滑雪促進凸部群4と、表面に複数の略半球状の凸部3が滑雪を阻害する大きさおよび間隔に形成および配置された滑雪阻害凸部群5とを有する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、屋根に積もる雪の滑雪効果を高めた滑雪屋根材に関するものである。
従来、雪を落雪させて屋根の積雪を抑制するための屋根材が提案されている。
例えば、特開2000−85053号公報では、ポリエステル樹脂および油変性アルキッド樹脂のうちの少なくとも一方と、シリカを含むワックスとを含有する樹脂被覆層を有し、かつ、その樹脂被覆層の最大表面粗さを5〜20μmとする樹脂被覆金属板が提案されている(特許文献1)。この特許文献1によれば、前記樹脂被覆金属板は、シリカにより作業者が足を滑らすことを抑えることができるとともに、最大表面粗を5〜20μmとすることにより滑雪性をよくすることができるとされている。
しかしながら、特許文献1に記載された発明においては、樹脂被覆層の5〜20μm程度の表面粗さでは土や砂、埃等により目が詰まりやすいという問題がある。また、風雪に長時間さらされると樹脂被覆層が腐食してしまうし、滑雪により摩擦で剥げ落ちてしまうという問題もある。したがって、特許文献1に記載された発明により滑雪の効果を維持するのは困難である。
一方、屋根からの落雪によって通行人に怪我をさせないために、従来、軒先に落雪防止板等を設けているが、設置の手間や費用が嵩むという問題があり、さらに外観上好ましくないとするユーザもいるため、改善の必要があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、屋根に積もる雪の滑雪性を高めて屋根の積雪対策を施した滑雪屋根材を提供することを目的とする。
本発明に係る滑雪屋根材の第1の態様は、表面に複数の略半球状の凸部が規則的に配置されているものである。
また、本発明に係る滑雪屋根材の第2の態様は、表面に複数の略半球状の凸部が滑雪を促進する大きさおよび間隔に形成および配置された滑雪促進凸部群と、表面に複数の略半球状の凸部が滑雪を阻害する大きさおよび間隔に形成および配置された滑雪阻害凸部群とを有するものである。
本発明によれば、屋根に積もる雪の滑雪性を高めて屋根の積雪対策を効果的に図ることができる。
以下、本発明に係る滑雪屋根材の第1実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本第1実施形態における滑雪屋根材1Aの平面図である。
本第1実施形態における滑雪屋根材1Aは、図1に示すように、屋根基板2の表面に多数の略半球状の凸部3が形成されている。
屋根基板2の素材としては、特に限定するものではないが、亜鉛メッキ鋼、アルミニウム、プラスチック樹脂、瓦等のセラミックス等を用いることができる。本第1実施形態では、一般的なトタンである亜鉛メッキ鋼板を用いている。
複数の凸部3は、略半球状に形成されており、それぞれ屋根基板2の表面に規則的に配置されることにより滑雪促進凸部群4を構成している。第1実施形態における凸部3は、ほぼ同一の適当な大きさに統一されて形成され、かつ適当な間隔を隔てて配置されている。これにより、図2に示すように、積雪があったときに隣接する凸部3との境界部分に空気を溜める空気ポケット41が形成されると発明者は考えている。この空気ポケット41は、特に定まった形状のものではなく、一種の空気層のごときものと考えられる。この空気ポケット41は、雪融け水wの侵入を阻害するように作用しうるが、完全に阻害するものではなく、条件次第で水を流下させる溝となりうるものである。前記空気ポケット41により、滑雪屋根材1Aと雪との接触面が融けて液化し、雪sが滑り落ちやすい状態になると考えられる。もちろん滑雪屋根材1Aから直接的に家屋等の熱や太陽熱が伝わって雪sが溶ける場合もある。なお、滑雪促進凸部群4の配置構成は、図1に示すものに限らず、滑雪の効果を奏する限りにおいて任意に選択することが可能であり、例えば、図3に示すように、1つの凸部3を基準として考えた場合、その凸部3を中心として正六角形の頂点に当たる位置に他の凸部3を配置するようにしてもよい。あるいは、隣の凸部3同士が接するほどに密接させて配置してもよい。
また、本第1実施形態における滑雪促進凸部群4は、亜鉛メッキ鋼板をプレス加工することにより成形されるがこれに限られるものではなく、例えば、鍛造等機械加工により形成してもよいし、鋳造等の成型時に設けてもよい。さらには凸部3を別体に製造し、接着材等により屋根基板2の表面に固着させてもよい。なお、屋根基板2は板状のものに限らず、瓦のように厚みのあるものも含まれる。また、本第1実施形態では、凸部3の形状を略半球状に形成しているが、この形状に限定されるものではなく、本発明の所望の作用効果を奏するものであれば、適宜変更してよい。
つぎに、本第1実施形態における滑雪屋根材1Aの作用について説明する。
本発明に係る滑雪屋根材1Aは、半球状の滑落促進凸部群4によって前記屋根基板2の表面上に空気層のような空気ポケット41が形成されると考えられる。この空気ポケット41は、屋根を介して建物内から熱を得たり、太陽から直接的に熱を得て温められる。また、ポケット状に構成されているため、風が吹いてもその風が入りにくく、熱が奪われにくいという作用も奏する。これにより、滑雪促進凸部群4の上に積雪した雪sは、空気ポケット41により温められて雪融け水wとなる。また、滑雪屋根材1Aが有する熱によっても雪を融かしている。
一方、前記雪融け水wは、水の表面張力の作用により空気ポケットに入り込むことができない。そのため、滑雪促進凸部群4の空気ポケット41の上には雪融け水wの層が形成されると考えられる。この雪融け水wの層は、単なる平面状の屋根面に比べると、滑雪促進凸部群4の凹凸面によって接触面積が小さくなっているため、雪融け水wや雪sの流下に対する抵抗力が小さい。したがって、滑雪促進凸部群4上の雪融け水wは屋根の傾斜に沿って流れ落ちやすい。このため、雪sが屋根の上に降り積もったとしても、図2に示すように、滑雪促進凸部群4と雪sと間に雪融け水wの層が形成されるため、滑雪に対する抵抗力が小さくなる。これにより、滑雪促進凸部群4の上に降り積もった雪sは、自重よって、あるいは軽く力を与えることによって滑落することができる。
以上のような本第1実施形態における滑雪屋根材1Aよれば、以下の効果が得られる。
1.屋根基板2の凹凸面によって融雪し易くなり、しかも滑雪の効果も高めることができる。
2.雪融け水wを流れ落ち易くすることができる。
3.コーティング等に比べて長期的に滑雪効果を持続できる。
1.屋根基板2の凹凸面によって融雪し易くなり、しかも滑雪の効果も高めることができる。
2.雪融け水wを流れ落ち易くすることができる。
3.コーティング等に比べて長期的に滑雪効果を持続できる。
つぎに、本発明に係る滑雪屋根材の第2実施形態について図面を用いて説明する。図4は、本第2実施形態における滑雪屋根材1Bの平面図である。なお、本第2実施形態のうち、前述した第1実施形態の構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
本第2実施形態における滑雪屋根材1Bは、図4に示すように、滑雪促進凸部群4ととともに滑雪阻害凸部群5を有している。
滑雪阻害凸部群5は、屋根基板2の表面に滑雪を阻害しうる凸部3を多数設けることにより構成されている。この滑雪阻害凸部群5は、滑雪をさせたくない位置に設ければよく、例えば軒先に滑雪阻害凸部群5を配置し、屋根の上方から滑雪促進凸部群4により滑落してくる雪sを一旦軒先に止めて落雪を防止し、軒先において融雪するようにしてもよい。
滑雪阻害凸部群5としては、例えば、略半球状の凸部3を滑雪促進凸部群4に比べて大きく形成することにより、図5に示すように、直接的に雪sと当接させて滑雪を阻害するものが挙げられる。また、図6に示すように、大きさの異なる凸部3を並べて雪融け水wの層を分断することで滑雪を阻害してもよい。さらに、図7に示すように、いくつかの凸部3を並べて連接することで凸状ブロックを構成し、雪融け水wは流下させつつ雪を軒先に止めておくような配置構成にしてもよい。
つぎに、本第2実施形態における滑雪屋根材1Bの作用について説明する。
本発明に係る滑雪屋根材1B上の雪sは、滑雪促進凸部群4と同様に前記屋根基板2の表面上の空気ポケット41や滑雪屋根材1Bからの熱により温められて雪融け水wとなる。一方、前記雪融け水wは滑雪促進凸部群4の場合とは異なり、水の表面張力より重力の方が大きく働くため凸部3間に入り込み、その間を通って流れ落ちる。そのため、図5に示すように、滑雪阻害凸部群5は直接的に雪に当接する面積が大きくなる。
したがって、滑雪阻害凸部群5と雪sとの間に摩擦による抵抗力が働くため、当該雪sを滑落しづらくすることができる。また、滑雪促進凸部群4と滑雪阻害凸部群5とを任意に組み合わせることにより、所望する箇所に雪を集め、かつ、その箇所にとどめておくことができる。
以上のような本第2実施形態によれば、落雪を防止することができる。また、任意の箇所に雪をとどめておくことで、効率よく融雪を行うことができる。
なお、本発明に係る滑雪屋根材1A,1Bは、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、滑雪屋根材1A,1Bを道路標識や建物の壁に応用することも可能である。
1A,1B 滑雪屋根材
2 屋根基板
3 凸部
4 滑雪促進凸部群
41 空気ポケット
5 滑雪阻害凸部群
s 雪
w 雪融け水
2 屋根基板
3 凸部
4 滑雪促進凸部群
41 空気ポケット
5 滑雪阻害凸部群
s 雪
w 雪融け水
Claims (2)
- 表面に複数の略半球状の凸部が規則的に配置されていることを特徴とする滑雪屋根材。
- 表面に複数の略半球状の凸部が滑雪を促進する大きさおよび間隔に形成および配置された滑雪促進凸部群と、表面に複数の略半球状の凸部が滑雪を阻害する大きさおよび間隔に形成および配置された滑雪阻害凸部群とを有することを特徴とする滑雪屋根材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008085782A JP2009235851A (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | 滑雪屋根材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008085782A JP2009235851A (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | 滑雪屋根材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009235851A true JP2009235851A (ja) | 2009-10-15 |
Family
ID=41250128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008085782A Pending JP2009235851A (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | 滑雪屋根材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009235851A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102011001326A1 (de) | 2010-04-01 | 2011-10-06 | Dal Col Spa | Vorrichtung gegen Schneefall, Schneeverdichtung und Entleerungsvorrichtung für ein schräges Satteldach und ein entsprechendes System zur Inbetriebsetzung derselben |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63219749A (ja) * | 1987-03-06 | 1988-09-13 | 柳 雄一 | 融雪屋根装置の屋根材構造 |
JP2002332722A (ja) * | 2001-05-10 | 2002-11-22 | Nikko Kinzoku:Kk | 屋根鋼鈑の滑雪構造 |
JP2003278329A (ja) * | 2002-03-20 | 2003-10-02 | Akira Kaido | 屋根融雪装置及びそれに使用される屋根用鋼板 |
JP2004068430A (ja) * | 2002-08-07 | 2004-03-04 | Nisshin Steel Co Ltd | 着雪防止金属板 |
-
2008
- 2008-03-28 JP JP2008085782A patent/JP2009235851A/ja active Pending
Patent Citations (4)
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