JP2009235755A - ドアロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化を招来することなく、操作性の向上を図ること。
【解決手段】ドアDの端面に沿って配設され、ラッチ機構20を収容するラッチ機構収容部11と、ラッチ機構収容部11に対して略直角を成すようにドアの内面に反って配設され、ロック機構30を収容するロック機構収容部12と、電動モータ35に電力を供給するためのコネクタ72とを備えたドアロック装置において、ラッチ機構収容部11よりも車両前方側、かつラッチ機構収容部11の上端から下端に至るまでの間に中心位置Pが含まれるようにコネクタ72を配置した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、四輪自動車等の車両に適用するドアロック装置に関するもので、特に、車両本体に対してドアが閉位置に配置された場合にラッチ状態となってドアの開方向への移動を規制するラッチ機構と、ドアハンドルからラッチ機構に至るまでの間に介在し、かつロックアクチュエータの駆動によりアンロック状態とロック状態とに切り替え可能に構成し、アンロック状態においてドアハンドルが開扉操作された場合にこれをラッチ機構に伝達することによりラッチ状態を解除してドアの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはドアハンドルが開扉操作された場合にもラッチ機構のラッチ状態を維持するロック機構とを備えたドアロック装置に関するものである。
昨今においては、操作性の向上を図るため、ロックアクチュエータによってロック機構のロック状態/アンロック状態を切り替えるようにしたドアロック装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−204491号公報
ところで、市場においては、ドアロック装置の小型化が要求されている。しかしながら、従来のドアロック装置では、ロックアクチュエータに電力を供給するためのコネクタが必要になるため、このコネクタの配置によっては、ドアロック装置の大型化を招来する虞れがある。例えば、レバー部材などの配置レイアウトを決定した後に、コネクタを配置しようとしてもスペースがない場合がある。このような場合でも、コネクタは必須のものであるため、結局配置スペースを別に設けることになり、ドアロック装置の大型化を招来する虞れがある。
本発明は、上記実情に鑑みて、大型化を招来することなく、操作性の向上を図ることのできるドアロック装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るドアロック装置は、車両本体に対してドアが閉位置に配置された場合にラッチ状態となってドアの開方向への移動を規制するラッチ機構と、ドアの端面に沿って配設され、前記ラッチ機構を収容するラッチケースと、ドアハンドルから前記ラッチ機構に至るまでの間に介在し、かつロックアクチュエータの駆動によりアンロック状態とロック状態とに切り替え可能に構成し、アンロック状態においてドアハンドルが開扉操作された場合にこれを前記ラッチ機構に伝達することによりラッチ状態を解除してドアの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはドアハンドルが開扉操作された場合にも前記ラッチ機構のラッチ状態を維持するロック機構と、前記ラッチケースに対して略直角を成すようにドアの内面に反って配設され、前記ロック機構を収容するロックケースと、前記ロックアクチュエータに電力を供給するためのコネクタとを備えたドアロック装置において、前記ラッチケースよりも車両前方側、かつ前記ラッチケースの上端から下端に至るまでの間に中心位置が含まれるように前記コネクタを配置したことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るドアロック装置は、上述した請求項1において、前記ロック機構がアンロック状態において室内に配設したインサイドドアハンドルが開扉操作された場合に、この開扉操作を前記ラッチ機構に伝達する一方、前記ロック機構がロック状態において前記インサイドドアハンドルが開扉操作された場合には、この開扉操作を前記ラッチ機構に伝達することなく前記ロック機構をアンロック状態に切り替えるダブルアクション機構をさらに備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ロックアクチュエータの駆動によりアンロック状態とロック状態とに切り替え可能に構成し、アンロック状態においてドアハンドルが開扉操作された場合にこれをラッチ機構に伝達することによりラッチ状態を解除してドアの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはドアハンドルが開扉操作された場合にもラッチ機構のラッチ状態を維持するロック機構を備えている。したがって、ロックアクチュエータを駆動すれば、ロック機構をロック状態とアンロック状態とに容易に切り替えることができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。しかも、ラッチケースよりも車両前方側、かつラッチケースの上端から下端に至るまでの間に中心位置が含まれるようにコネクタを配置してある。したがって、配置スペースを別に設ける事態を招来することなく、ドアロック装置の大型化を招来することがない。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるドアロック装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1および図2は、本発明の実施の形態1であるドアロック装置を示したもの、図3は、図1に示したドアロック装置において副ケースを外した状態を示したものである。ここで例示するドアロック装置は、四輪自動車の前席右側に配置された前方ヒンジのサイドドア(右ハンドル車においては運転席側のドアD)に設けられるもので、主ケース2および副ケース3を備えている。
これら主ケース2および副ケース3は、例えば、それぞれ合成樹脂材料を成形したもので、互いに接合した後、ネジなどの締結手段(図示せず)によって相互に締結することによりハウジング10を構成している。なお、主ケース2と副ケース3との接合部には、パッキン材(図示せず)を介在させてあり、所望の水密性が確保してある。
これら主ケース2および副ケース3によって構成されるハウジング10は、ドアDの車両後方側に位置する端面に沿うようにドアDの左右方向に沿って延在するラッチ機構収容部(ラッチケース)11と、このラッチ機構収容部11の室内側に位置する端部からドアDの室内側に位置する内面に沿うようにドアDの前後方向に沿って延在するロック機構収容部(ロックケース)12とを備え、上方から見た場合にほぼL字状を呈している。
ハウジング10のラッチ機構収容部11は、その高さ方向のほぼ中央となる位置に、室内側から室外側に向けて略水平に延在するストライカ侵入溝13を有したもので、ラッチ機構20を内部に収容している。
ラッチ機構20は、図4に示すように、四輪自動車の車両本体側に設けたストライカSを噛合保持するためのもので、ラッチ22とラチェット23とを備えて構成してある。
ラッチ22は、ラッチ機構収容部11のストライカ侵入溝13よりも上方となる位置に、車両本体の前後方向に沿って略水平に延在するラッチ軸24を介して回転可能に配設したものである。このラッチ22には、噛合溝22a、フック部22bおよび係止部22cが設けてある。
噛合溝22aは、ラッチ22の外周面からラッチ軸24に向けて形成したもので、ストライカSを収容することのできる幅に形成してある。
フック部22bは、噛合溝22aを下方に向けて開口させた場合に噛合溝22aよりも室内側に位置する部分である。このフック部22bは、図4−1に示すように、ラッチ22をラッチ軸24の軸心回りに最大限時計回りに回転させた場合にストライカ侵入溝13を開放する位置で停止する。一方、このフック部22bは、図4−2に示すように、ラッチ22をラッチ軸24の軸心回りに最大限反時計回りに回転させた場合にストライカ侵入溝13を横切る位置で停止するように構成してある。
係止部22cは、噛合溝22aを下方に向けて開口させた場合に噛合溝22aよりも室外側に位置する部分である。この係止部22cは、図4−1に示すように、ラッチ22をラッチ軸24の軸心回りに最大限時計回りに回転させた場合にストライカ侵入溝13を横切り、かつこのストライカ侵入溝13の奥方(室外側)に向けて漸次上方に傾斜する状態で停止するように構成してある。なお、図には明示していないが、ラッチ22とラッチ機構収容部11との間には、図4においてラッチ22をラッチ軸24の軸心回りに常時時計回りに向けて付勢するラッチバネが設けてある。
ラチェット23は、ラッチ機構収容部11のストライカ侵入溝13よりも下方、かつラッチ軸24よりも室内側となる位置に、車両本体の前後方向に沿って略水平に延在するラチェット軸25を介して回転可能に配設したものである。このラチェット23には、係合部23aおよび作用部23bが設けてある。
係合部23aは、ラチェット軸25から室外側に向けて径外方向に延在する部分であり、ラチェット軸25の軸心回りに回転することによりその突出端面を介して上述したラッチ22のフック部22bおよび係止部22cに着脱可能に係合することが可能である。作用部23bは、ラチェット軸25から室内側に向けて径外方向に延在する部分である。
また、ラチェット23には、図3に示すように、車両前側となる位置にラチェット23とともに一体となってラチェット軸25の軸心回りに回転するラチェットレバー26が設けてある。ラチェットレバー26は、ラチェット軸25からラチェット23の作用部23bと同一方向に向けて延在した当接部26aを有したものである。なお、図には明示していないが、ラチェット23とラッチ機構収容部11との間には、図4においてラチェット23をラチェット軸25の軸心回りに常時反時計回りに向けて付勢するラチェットバネが設けてある。
上記のように構成したラッチ機構20では、ドアDが車両本体に対して開成状態にある場合、図4−1に示すように、ラッチ22がストライカ侵入溝13を開放する開放位置に配置されることになる。この状態からドアDを閉位置に移動させると、車両本体側に設けたストライカSが、ラッチ機構収容部11のストライカ侵入溝13に進入し、やがてストライカSがラッチ22の係止部22cに当接することになる。この結果、ラッチ22がラッチバネ(図示せず)の弾性力に抗して図4においてラッチ軸24の軸心回りに反時計回りに回転する。この間、ラチェット23は、ラチェットバネ(図示せず)の弾性力によって係合部23aの突出端面がラッチ22の外周面に摺接することになり、ラッチ22の外周面形状に応じて適宜ラチェット軸25の軸心回りに回転する。
上述した状態からさらにドアDを閉方向に移動させると、ストライカ侵入溝13に対するストライカSの進入量が漸次増大し、やがてラチェット23の係合部23aがラッチ22の噛合溝22aに至り、その後、図4−2に示すように、ラッチ22のフック部22bがラチェット23の係合部23aに当接することになるため、ラッチバネ(図示せず)の弾性復元力に抗してラッチ22の時計回りの回転が阻止されることになる。この状態においては、ラッチ22のフック部22bがストライカ侵入溝13を横切るラッチ位置に配置されるため、フック部22bによってストライカSがストライカ侵入溝13の奥方(室外側)から離脱する方向へ移動する事態が阻止されるようになり、結局、ドアDが車両本体に対して閉じた状態に維持される(ラッチ状態)。
一方、上述したラッチ状態からラチェットバネ(図示せず)の弾性力に抗してラチェットレバー26の当接部26aを図4においてラチェット軸25の軸心回りに上方に回転させると、ラッチ22のフック部22bとラチェット23の係合部23aとの当接係合状態が解除され、ラッチ22がラッチバネ(図示せず)の弾性復元力により図4において時計回りに回転する。この結果、図4−1に示すように、ストライカ侵入溝13が開放され、ストライカSがストライカ侵入溝13から離脱する方向に移動可能となり、ドアDを車両本体に対して開成移動させることができるようになる。
また、ハウジング10のラッチ機構収容部11には、図1に示すように、当該ラッチ機構収容部11の車両後方側を覆う態様でカバープレート14が設けてある。このカバープレート14は、切欠孔14aとネジ孔14bとを有している。切欠孔14aは、当該切欠孔14aからラッチ機構収容部11のストライカ侵入溝13を外部に露出させる態様で設けた孔である。ネジ孔14bは、ラッチ機構20を介してハウジング10をドアDに固定するための孔であり、複数(図1中3箇所)設けてある。本実施の形態1では、図1に示すように、複数のネジ孔14において上方に位置するネジ孔14は、ラッチ機構収容部11において上端面から13mm、室内側端面から21mmに位置し、このネジ孔14から60mm下方に位置するネジ孔14は、ラッチ機構収容部11において下端面から10mmに位置し、さらにこのネジ孔14よりも室外側に位置するネジ孔14は、ラッチ機構収容部11において下端面から14mm、室内側端面から50mmに位置している。
ハウジング10のロック機構収容部12には、図1〜図3に示すように、内部にオープンレバー16、インサイドハンドルレバー(ダブルアクション機構)17、セクタレバー(ダブルアクション機構)31およびロック機構30が収容してある。
オープンレバー16は、上記ラッチ機構20のラチェット23よりもさらに下方となる部位に、車両本体の前後方向に沿って略水平に延在するオープンレバー軸18を介して回転可能に配設したもので、オープン作用端部16a、オープン動作端部16bおよび受圧部16cを有している。
オープンレバー16のオープン作用端部16aは、オープンレバー軸18から室外側に向けて延在する部分であり、その延在端部がハウジング10の外部に突出している。このオープン作用端部16aにおいてハウジング10の外部に突出する部分には、ドアDの外表面に配設したアウトサイドドアハンドルD1との間を連係するリンクなどのアウトサイド連係手段OCが接続してある。より詳細には、アウトサイドドアハンドルD1を開扉操作した場合に、オープンレバー16が図1においてオープンレバー軸18の軸心回りに時計回りに回転し、オープン動作端部16bおよび受圧部16cが図3において上方に動作するようにアウトサイド連係手段OCを接続してある。オープンレバー16のオープン動作端部16bは、オープンレバー軸18から室内側に向けて延在する部分であり、ラチェットレバー26における当接部26aの下方域に配置してある。オープンレバー16の受圧部16cは、オープン動作端部16bの下方に位置し、オープンレバー16の下縁部から車両前方に向けて屈曲した部分である。なお、図には明示していないが、オープンレバー16とロック機構収容部12との間には、図1においてオープンレバー16をオープンレバー軸18の軸心回りに常時反時計回りに向けて付勢するオープンレバーバネが設けてある。
インサイドハンドルレバー17は、オープンレバー16よりも車両後方となる部位に、車両本体の左右方向に沿って略水平に延在するインサイドレバー軸19を介して揺動可能に配設したもので、図5−1および図5−2に示すように、インサイド作用端部17a、インサイド動作端部17b、ロック連係部17c、オープン連係部17dおよびインサイドレバー軸孔17eを有している。
インサイド作用端部17aは、インサイドレバー軸19から下方に向かうにつれて漸次車両前方に傾斜延在する部分であり、その延在端部が副ケース3に設けた開口3aを通じて外部に露出している(図2参照)。このインサイド作用端部17aにおいてハウジング10の外部に露出する部分には、車両の室内に配設したインサイドドアハンドルD2との間を連係するリンクやケーブルなどのインサイド連係手段ICが接続してある。より詳細には、インサイドドアハンドルD2を開扉操作した場合に、インサイドハンドルレバー17が図3においてインサイドレバー軸19の軸心回りに時計回りに回転するようにインサイド連係手段ICを接続してある。インサイド動作端部17bは、インサイド作用端部17aの車両前方側に位置する端面から車両前方に向けて突出した後、室外側に向けて屈曲した部分である。ロック連係部17cは、インサイド動作端部17bから下方に向けて延在した部分である。オープン連係部17dは、インサイド動作端部17bにおいてロック連係部17cよりも室外側となる位置から車両後方に向けて屈曲した部分であり、図3からも明らかなように、オープンレバー16における受圧部16cの下端面に対して近接対向するように設けてある。インサイドレバー軸孔17eは、インサイドレバー軸19を挿通するための孔である。
セクタレバー31は、オープンレバー16よりも車両前方となる部位に、車両本体の左右方向に沿って略水平に延在するセクタレバー軸34を介して揺動可能に配設したもので、車両前方に向けて漸次拡開するセクタ状の部分を備えて形成してある。このセクタレバー31は、図6−1、図6−2および図6−3に示すように、伝達端部31a、操作端部31bおよびセクタレバー軸孔31cを有している。
伝達端部31aは、セクタレバー軸34から上方に向けて延在した部分であり、ブロック突起31eおよび連結ピン31fを有している。ブロック突起31eは、伝達端部31aにおいて上端縁部から室内側に向けて凸設した部分である。連結ピン31fは、伝達端部31aにおいてブロック突起31eよりも下方となる部位の室内側に位置する端面から車両本体の左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。
操作端部31bは、セクタレバー軸34から車両前方に向けて延在した部分と、セクタレバー軸34から下方に向けて延在した部分とを一体に形成した略扇状を成す部分であり、ギア部31g、収容壁31h、キー操作ピン31jおよび掛止ピン31nを有している。ギア部31gは、操作端部31bの円弧状を成す外周面に形成した歯車であり、電動モータ(ロックアクチュエータ)35の出力軸35aに固着したウォーム36に歯合している(図3参照)。収容壁31hは、操作端部31bにおいて室内側に向けて凸設する態様で構成した部分である。この収容壁31hは、収容壁31hにおいて車両後方に向けて開口するように湾曲したバネ操作溝部31kと、収容壁31hにおいてバネ操作溝部31kよりも下方となる部位に、セクタレバー軸34の軸心回りに反時計回り方向に開口するように湾曲したピン操作溝部31mとを有して形成してある。キー操作ピン31jは、操作端部31bにおいて室外側に位置する端面から車両本体の左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。掛止ピン31nは、操作端部31bにおいて下方となる部位の室外側に位置する端面から車両本体の左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起であり、その延在端部に掛止ピン31nよりも大きな外径を有するストッパ31pが形成してある。セクタレバー軸孔31cは、セクタレバー軸34を挿通するための孔である。
ロック機構30は、セクタレバー31の位置に応じてアウトサイドドアハンドルD1の開扉操作によるオープンレバー16の回転動作をラッチ機構20に伝達するアンロック状態と、アウトサイドドアハンドルD1の開扉操作によるオープンレバー16の回転動作をラッチ機構20に伝達しないロック状態とに切り替わるように構成したもので、第1リンクレバー(ダブルアクション機構)32および第2リンクレバー(ダブルアクション機構)33を備えている。
第1リンクレバー32は、図7−1および図7−2に示すように、リンク本体32aの略中央に連結具32gが装着されたレバー部材である。この連結具32gは、リンク本体32aの連結孔(図示せず)に外周面を介して装着される円筒状の連結具本体32hと、連結具本体32hの内部に設けた装着孔32jと、連結具本体32hの室内側に位置する端部の周面から径外方向に突出する態様で形成した一対の装着爪32kとを有して構成してある。この第1リンクレバー32は、連結具32gの装着孔32jにオープンレバー16のオープン動作端部16bを挿通保持させることにより(図3参照)、オープン動作端部16b及び受圧部16cと共に上下動可能、かつオープン動作端部16bに対して車両本体の左右方向に沿った軸心回りに揺動可能に支承させてある。また、第1リンクレバー32には、スプリング収容溝32b、セクタ連結部32cおよびレバー当接部32dが設けてある。スプリング収容溝32bは、リンク本体32aにおいて室内側となる部位に、連結具32gの連結具本体32hを囲繞する態様で形成した略円環状の溝である。セクタ連結部32cは、図3においてリンク本体32aにおいて車両前方側となる部位から前傾延在した部分であり、連結用溝孔32eを有している。連結用溝孔32eは、セクタ連結部32cの延在方向に沿って形成したスリット状の開口であり、図3からも明らかなように、その内部にセクタレバー31の連結ピン31fを移動可能に嵌合支承している。レバー当接部32dは、リンク本体32aにおいて車両後方側となる部位から車両後方に向けて突出した後、室内側に向けて屈曲した部分である。
第2リンクレバー33は、図3に示すように、第1リンクレバー32のリンク本体32aに重ね合わせる態様で第1リンクレバー32と副ケース3との間に、連結具32gを介して車両本体の左右方向に沿った軸心回りに揺動可能に配設したレバー部材である。この第2リンクレバー33は、第1リンクレバー32に装着された連結具32gと共に上下動可能に構成してある。また、第2リンクレバー33には、図8−1および図8−2に示すように、そのレバー本体33aにラチェット駆動部33b、掛止部33cおよび連結具本体孔33dが設けてある。ラチェット駆動部33bは、レバー本体33aにおいて上方となる部位から上方に向けて延在した後、室内側に向けて屈曲延在した部分である。このラチェット駆動部33bは、レバー本体33aに構成した当接係合部分であり、第1リンクレバー32に装着された連結具32gの鉛直上方に配置した場合(図18参照)に、ラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向するように構成してある。掛止部33cは、レバー本体33aにおいて車両後方側となる部位から車両後方に向けて延在した部分である。図3からも明らかなように、この掛止部33cは、その下端面が第1リンクレバー32のレバー当接部32dの上端面に当接している。連結具本体孔33dは、第1リンクレバー32に装着された連結具32gの連結具本体32hを挿通するための孔である。
なお、第2リンクレバー33は、配設した状態では、第1リンクレバー32のリンク本体32a、連結具本体32hおよび一対の装着爪32kから形成される装着溝部32m(図7−2参照)に、連結具本体孔33dの縁部を嵌合することにより、脱落が防止してある。
また、図3に示すように、セクタレバー31の下方部には、オーバーセンタスプリング37が設けてあるとともに、セクタレバー31の上方部には、ロックスイッチ38が配設してある。オーバーセンタスプリング37は、セクタレバー31を、掛止ピン31nを介してセクタレバー軸34の軸心回りに保持するものである。具体的には、図18に示すように、セクタレバー31をセクタレバー軸34の軸心回りに最大限時計回りに揺動させた位置(アンロック位置)と、図3に示すように、セクタレバー31をセクタレバー軸34の軸心回りに最大限反時計回りに揺動させた位置(ロック位置)とのいずれか一方にセクタレバー31を保持するものである。ロックスイッチ38は、検出片38aに対するセクタレバー31のブロック突起31eの接触状態に応じて、セクタレバー31がロック位置にあるか否かを検出するものである。
さらに、第1リンクレバー32と第2リンクレバー33との間には、図3および図13に示すように、リンク本体32aのレバー当接部32dとレバー本体33aの掛止部33cとが常時当接するように付勢するパニックスプリング39が設けてある。パニックスプリング39は、上述した第1リンクレバー32に装着された連結具32gの連結具本体32hに支持させてあるとともに、スプリング収容溝32bに収容してある。
上記のように構成したロック機構30では、図18に示した状態がアンロック状態であり、セクタレバー31がアンロック位置に配置されるとともに、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bが第1リンクレバー32に装着された連結具32gの鉛直上方に配置されるため、ラチェット駆動部33bがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになる。したがって、この状態からアウトサイドドアハンドルD1を開扉操作し、オープンレバー16の回転動作によって第1リンクレバー32のリンク本体32aが上動すれば、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接してこれを上動させることになる。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にもこれが解除されるため、車両本体に対してドアDを開成移動させることができるようになる。
図18に示したアンロック状態から、電動モータ35の駆動によってウォーム36を適宜任意の方向に回転させると、セクタレバー31がセクタレバー軸34を中心として反時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン31fを介して係合した第1リンクレバー32およびレバー当接部32dに当接する第2リンクレバー33が装着孔32jを中心として反時計回りに揺動し、図3に示すロック状態となる。
このロック状態では、セクタレバー31がロック位置に配置されるとともに、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対向する位置から逸脱するため、アウトサイドドアハンドルD1を開扉操作し、オープンレバー16の回転動作によって第1リンクレバー32のリンク本体32aが上動した場合にも、ラチェット駆動部33bがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することがない。この結果、アウトサイドドアハンドルD1の開扉操作が無効化され、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にはこれが維持されるため、車両本体に対してドアDが閉位置に維持されることになる。
図3に示すロック状態から、電動モータ35の駆動によってウォーム36を適宜任意の方向に回転させると、セクタレバー31がセクタレバー軸34を中心として時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン31fを介して係合した第1リンクレバー32およびパニックスプリング39により付勢された第2リンクレバー33が装着孔32jを中心として時計回りに揺動し、再び図18に示したアンロック状態に復帰する。
また、上記ドアロック装置は、図3に示すように、ロック機構収容部12の内部に、車両の室内に配設したロックノブD3がロック操作された場合に動作するロックレバー41を備えている。
ロックレバー41は、図3に示すように、セクタレバー31に重ね合わせる態様でセクタレバー31と副ケース3との間に、セクタレバー軸34を介して揺動可能に配設したもので、図9−1および図9−2に示すように、バネ連係部41a、ロック作用端部41b、ロック操作ピン41cおよびセクタレバー軸孔41dを有している。
バネ連係部41aは、図3においてセクタレバー軸34から下方に向けて延在した後、室外側に向けて屈曲延在した部分である。ロック作用端部41bは、バネ連係部41aの室外側に位置する端部から下方に向けて屈曲延在した部分であり、その延在端部が副ケース3に設けた開口3aを通じて外部に露出している(図2参照)。このロック作用端部41bにおいてハウジング10の外部に露出する部分には、車両の室内に配設したロックノブD3との間を連係するリンクやケーブルなどのロック連係手段LCが接続してある。より詳細には、ロック機構30がアンロック状態においてロックノブD3を所定のロック操作した場合に、ロックレバー41が図18においてセクタレバー軸34の軸心回りに反時計回りに揺動するようにロック連係手段LCを接続してある。ロック操作ピン41cは、ロック作用端部41bにおいて室外側に位置する端面から車両本体の左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。このロック操作ピン41cは、図18に示すように、セクタレバー31に形成した収容壁31hのピン操作溝部31mに配置されており、ロックレバー41が図18においてセクタレバー軸34の軸心回りに反時計回りに揺動した場合に、ピン操作溝部31mの奥方(図18において下方)を形成する収容壁31hを押圧するように構成してある。セクタレバー軸孔41dは、セクタレバー軸34を挿通するための孔である。
また、このロック作用端部41bには、インサイド当接面41eが設けてある。インサイド当接面41eは、図3に示すように、ロック作用端部41bをセクタレバー軸34の下方域に配置した場合に、当該ロック作用端部41bの下端面から上方に向かうにつれて漸次車両後方に傾斜延在するように構成してある。このインサイド当接面41eは、ロック機構30がロック状態にある場合、図3に示すように、上述したインサイドハンドルレバー17のロック連係部17cがインサイドレバー軸19を中心として揺動した場合の揺動域に配置される一方、ロック機構30がアンロック状態にある場合には、図18に示すように、ロック連係部17cに対して離隔した位置に配置されるように構成してある。
本実施の形態1では、ロックノブD3は、車両の室内に出没可能に配設してあり、ロック機構30がアンロック状態にある場合にのみ車両の室内に突出して、これを没入させるロック操作が可能となるように構成してある。
また、ロックレバー41とセクタレバー31との間には、図3および図15に示すように、ロックレバー41のバネ連係部41aとセクタレバー31の収容壁31hとを、一体的に動作させるべく、セクタレバー軸34を中心とした時計回りに向けて常時付勢する連係バネ42が設けてある。連係バネ42は、上述したセクタレバー31のセクタレバー軸34を介して配設したもので、バネ作用部42aを有している。バネ作用部42aは、セクタレバー31に形成した収容壁31hのバネ操作溝部31kに配置した部分であり、連係バネ42の弾性復元力により、バネ操作溝部31kの上方(図3参照)を形成する収容壁31hを、セクタレバー軸34を中心とした時計回りに向けて押圧するように構成してある。このバネ作用部42aは、セクタレバー31においてバネ操作溝部31kの上方(図3参照)を形成する収容壁31hをセクタレバー軸34の軸心回りに時計回りに向けて付勢する付勢力を、オーバーセンタスプリング37がセクタレバー31をセクタレバー軸34の軸心回りにロック位置に保持する保持力よりも小さくなるように構成してある。
ここで、図18に示すアンロック状態にあるロック機構30を図3に示すロック状態に移行することは、必ずしも電動モータ35を駆動することに限らず、ロックノブD3をロック操作することによっても実施することができる。すなわち、図18に示したアンロック状態から、ロックノブD3のロック操作によってロックレバー41をセクタレバー軸34の軸心回りに反時計回りに揺動させると、ロック操作ピン41cがセクタレバー31のピン操作溝部31mの奥方(図18において下方)を形成する収容壁31hを押圧することになる。ロックレバー41のロック操作ピン41cがセクタレバー31のピン操作溝部31mの奥方を形成する収容壁31hを押圧すると、セクタレバー31が適宜ウォーム36を回転させながらセクタレバー軸34を中心として反時計回りに揺動することになる。この結果、セクタレバー31がロック位置に配置され、ロック機構30は、連結ピン31fを介して係合した第1リンクレバー32およびレバー当接部32dに当接する第2リンクレバー33が装着孔32jを中心として反時計回りに揺動し、図3に示すロック状態となる。
ところで、図18に示すアンロック状態からインサイドドアハンドルD2を開扉操作すると、インサイドハンドルレバー17のオープン連係部17dが上方に移動するため、オープンレバー16の受圧部16cを介して第1リンクレバー32および第2リンクレバー33も上動することになる。従って、第2リンクレバー33がラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することになり、ラッチ状態を解除することができる。つまり、インサイドドアハンドルD2の開扉操作によってドアDを開成移動させることができる。
一方、図3に示すロック状態では、ロックレバー41のロック作用端部41bに設けたインサイド当接面41eがインサイドハンドルレバー17においてロック連係部17cの揺動域に配置される。この状態からインサイドドアハンドルD2を開扉操作すると、インサイドハンドルレバー17におけるオープン連係部17dの移動によって、第1リンクレバー32および第2リンクレバー33が上動することになるとともに、ロック連係部17cがロックレバー41のインサイド当接面41eに当接して、ロックレバー41をセクタレバー軸34の軸心回りに時計回りに揺動させることになる。インサイドドアハンドルD2の開扉操作を一度行うと、図3に示す状態から図19に示す状態を経て図20に示す状態へとロックレバー41が揺動することになる。以下、この動作について詳細に説明する。
インサイドハンドルレバー17のオープン連係部17dが上方に移動すると、図19に示すように、オープンレバー16の受圧部16cを介して第1リンクレバー32および第2リンクレバー33も上動することになる。一方、ロックレバー41がセクタレバー軸34の軸心回りに時計回りに揺動すると、バネ連係部41aを介して連係バネ42を適宜弾性変形させ、当該連係バネ42の付勢力を増加させることになり、そのバネ作用部42aが、セクタレバー31のバネ操作溝部31kの上方(図3参照)を形成する収容壁31hを、セクタレバー軸34を中心とした時計回りに向けてさらに押圧することになる。連係バネ42のバネ作用部42aがセクタレバー31のバネ操作溝部31kの上方を形成する収容壁31hをさらに押圧して、この力がオーバーセンタスプリング37のロック位置に保持する保持力を超えると、図19に示すように、セクタレバー31がロックレバー41と連係して、ロックレバー41と一体的にセクタレバー軸34を中心として時計回りに揺動することになる。そして、セクタレバー31の揺動に伴い、その連結ピン31fが車両後方に移動するため、第1リンクレバー32も図3において時計回りに揺動することになる。
図19に示す状態から、さらにインサイドハンドルレバー17のオープン連係部17dが上方に移動すると、図20に示すように、オープンレバー16の受圧部16cを介して第1リンクレバー32および第2リンクレバー33もさらに上動することになる。一方、図19に示す状態から、さらにロックレバー41がセクタレバー軸34の軸心回りに時計回りに揺動すると、連係バネ42を介して連係したセクタレバー31が、ロックレバー41と一体的にセクタレバー軸34を中心として適宜ウォーム36を回転させながらさらに時計回りに揺動し、アンロック位置に配置されることになる。そして、セクタレバー31の更なる揺動に伴い、その連結ピン31fが車両後方に移動するため、第1リンクレバー32も図19において時計回りにさらに揺動することになる。このとき、図20に示すように、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラチェットレバー26の当接部26aに車両前方側から当接することになるため、第1リンクレバー32が、パニックスプリング39の弾性復元力に抗して掛止部33cとの当接状態を解除し、図19において時計回りに揺動することになる。
図20に示す状態からインサイドドアハンドルD2の開扉操作力を除去すると、オープンレバー16がオープンレバーバネ(図示せず)の弾性復元力により、オープン動作端部16bおよび受圧部16cを下動するとともに、第1リンクレバー32および第2リンクレバー33も下動することになる。オープン動作端部16bおよび受圧部16cが下動すると、図18に示すように、再び受圧部16cの下端面がインサイドハンドルレバー17のオープン連係部17dに対して近接対向するように配置されることになる。一方、第1リンクレバー32および第2リンクレバー33が下動すると、図18に示すように、やがて第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bとラチェットレバー26の当接部26aとの当接状態が解除され、第2リンクレバー33が、パニックスプリング39の弾性復元力により、再び掛止部33cを第1リンクレバー32のレバー当接部32dと当接するように移動することになる。そして、第2リンクレバー33の移動に伴い、図18に示すように、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bが第1リンクレバー32に装着された連結具32gの鉛直上方に配置されるため、ラチェット駆動部33bがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになり、ロック機構30がアンロック状態となる。
図18に示す状態においては、インサイドドアハンドルD2を開扉操作すると、インサイドハンドルレバー17のオープン連係部17dが上方に移動するため、オープンレバー16の受圧部16cを介して第1リンクレバー32および第2リンクレバー33も上動することになる。また、このとき、ロックレバー41のロック作用端部41bに設けたインサイド当接面41eは、インサイドハンドルレバー17においてロック連係部17cに対して離隔した位置に配置されており、当該ロック連係部17cに当接することがない。従って、第2リンクレバー33がラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することになり、ラッチ状態を解除することができる。つまり、インサイドドアハンドルD2の開扉操作によってドアDを開成移動させることができる(いわゆるダブルアクション機構)。
ところで、図20に示すように、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラチェットレバー26の当接部26aに当接する状態は、例えば、図3に示すロック状態において、アウトサイドドアハンドルD1を開扉操作するとともに、電動モータ35を駆動してロック機構30をアンロック状態に切り替える場合にも起こりうる。図3に示すロック状態において、アウトサイドドアハンドルD1を開扉操作すると、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aを上動させることなく、オープンレバー16の回転動作によって第1リンクレバー32および第2リンクレバー33が上動することになる。この状態で、電動モータ35を駆動してウォーム36を適宜任意の方向に回転させると、セクタレバー31がセクタレバー軸34を中心として時計回りに揺動することになる。そして、セクタレバー31の揺動に伴い、その連結ピン31fが車両後方に移動するため、第1リンクレバー32も図3において時計回りに揺動することになる。このとき、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラチェットレバー26の当接部26aに車両前方側から当接することになるため、第1リンクレバー32が、パニックスプリング39の弾性復元力に抗して掛止部33cとの当接状態を解除し、図20に示す状態となる。
この状態においては、アウトサイドドアハンドルD1の開扉操作力を除去すると、オープンレバー16がオープンレバーバネ(図示せず)の弾性復元力により、オープン動作端部16bおよび受圧部16cを下動するとともに、第1リンクレバー32および第2リンクレバー33も下動することになる。第1リンクレバー32および第2リンクレバー33が下動すると、図18に示すように、やがて第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bとラチェットレバー26の当接部26aとの当接状態が解除され、第2リンクレバー33が、パニックスプリング39の弾性復元力により、再び掛止部33cを第1リンクレバー32のレバー当接部32dと当接するように移動することになる。そして、第2リンクレバー33の移動に伴い、図18に示すように、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bが第1リンクレバー32に装着された連結具32gの鉛直上方に配置されるため、ラチェット駆動部33bがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになり、ロック機構30がアンロック状態となる。
図18に示す状態から再びアウトサイドドアハンドルD1を開扉操作し、オープンレバー16の回転動作によって第1リンクレバー32のリンク本体32aが上動すれば、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接してこれを上動させることになる。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にもこれが解除されるため、車両本体に対してドアDを開成移動させることができるようになる。
さらに、上記ドアロック装置は、図3に示すように、ロック機構収容部12の内部に、ドアDに配設したキーシリンダKCがキー操作された場合に動作するキーレバー51と、このキーレバー51が動作した場合に動作して、ロック状態にあるロック機構30をアンロック状態に切り替える、あるいはアンロック状態にあるロック機構30をロック状態に切り替えるキーリンク52とを備えている。
キーレバー51は、図3に示すように、上記ラッチ機構20のラッチ22よりもさらに上方となる部位に配設したもので、ドアDに配設したキーシリンダKCがキー操作された場合に、この回転駆動力が入力される入力部として入力軸部51aを有したものである。このキーレバー51は、入力軸部51aにおいて室内側に向けて開口するように凹設した回動凹部51bに副ケース3に設けた凸部(図示せず)を嵌合させることにより、車両本体の左右方向に沿った軸心回りに回動可能に支承させてある。入力軸部51aには、キーシリンダKCがキー操作された場合の回転駆動力を伝達するリンクやケーブルなどのシリンダ連係手段CCが接続してある(図1参照)。より詳細には、キーシリンダKCを解錠操作した場合に、キーレバー51が図3において回動凹部51bの軸心回りに時計回りに回動する一方、キーシリンダKCを施錠操作した場合に、キーレバー51が図18において回動凹部51bの軸心回りに反時計回りに回動するようにシリンダ連係手段CCを接続してある。また、キーレバー51には、図3および図16に示すように、レバー部51cおよびレバーピン51dが設けてある。レバー部51c、入力軸部51aから車両前方に向けて延在した部分である。レバーピン51dは、レバー部51cにおいて室内側に位置する端面から車両本体の左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。
キーリンク52は、図3に示すように、主ケース2に設けた一対のガイド体2aの長手方向に沿ってスライド可能に配設したもので、ハウジング10の上端部から下端部に亘って長手状に形成してある。このキーリンク52は、図10−1および図10−2に示すように、キー連係端部52a、ダブルロック連係部52b、セクタ連係端部52cを有している。
キー連係端部52aは、キーリンク52において主ケース2に設けた一対のガイド体2aよりも上方に位置する部分であり、キー連結用溝孔52dを有している。キー連結用溝孔52dは、キー連係端部52aにおいて上方となる部位に、車両本体の前後方向に沿って形成したスリット状の開口であり、図3からも明らかなように、その内部にキーレバー51のレバーピン51dを移動可能に嵌合支承している。
ダブルロック連係部52bは、キー連係端部52aにおいて下方に位置する端部から室外側に屈曲した後、下方に向けて屈曲延在した長手状の部分であり、レバー支承溝52e、キー操作用溝孔52f、ロック認識用突起52gおよびアンロック認識用突起52hを有している。レバー支承溝52eは、室内側に向けて開口するようにダブルロック連係部52bの長手方向に沿って凹設して形成した溝である。キー操作用溝孔52fは、ダブルロック連係部52bにおいて上方となる部位に、レバー支承溝52eの延在方向に沿って形成したスリット状の開口である。ロック認識用突起52gおよびアンロック認識用突起52hは、ダブルロック連係部52bにおいてレバー支承溝52eよりも下方となる部位の室外側に位置する端面から車両本体の左右方向に沿って略水平にそれぞれ延在した柱状突起である。図3からも明らかなように、このロック認識用突起52gおよびアンロック認識用突起52hは、ダブルロック連係部52bの延在方向に沿って並設してある。
セクタ連係端部52cは、ダブルロック連係部52bにおいて下方に位置する端部から下方に向かうにつれて漸次車両前方に傾斜延在した後、下方に向けて延在した部分であり、セクタ連結孔52jを有している。セクタ連結孔52jは、セクタ連係端部52cの延在方向に沿って形成したスリット状の開口であり、図14に示すように、その内部にセクタレバー31のキー操作ピン31jを移動可能に挿通させてある。このセクタ連結孔52jは、ロック機構30がロック状態にある場合、図3に示すように、下方に位置するアンロック部52mの内壁面がセクタレバー31のキー操作ピン31jに対して近接した位置に配置される一方、ロック機構30がアンロック位置にある場合には、図18に示すように、上方に位置するロック部52nの内壁面がセクタレバー31のキー操作ピン31jに対して近接した位置に配置されるように構成してある。
また、図3に示すように、キーリンク52におけるダブルロック連係部52bの車両前方域には、キースイッチ53が配設してある。キースイッチ53は、キーリンク52のロック認識用突起52gとアンロック認識用突起52hとの相互間に検出片53aを配置させており、この検出片53aに対するロック認識用突起52gおよびアンロック認識用突起52hの接触状態に応じて、キーリンク52の位置を検出するものである。
ここで、図18に示すアンロック状態にあるロック機構30を図3に示すロック状態に移行することは、必ずしも電動モータ35の駆動や、ロックノブD3をロック操作することに限らず、キーシリンダKCを施錠操作することによっても実施することができる。すなわち、図18に示したアンロック状態から、キーシリンダKCのキー操作によってキーレバー51を回動凹部51bの軸心回りに反時計回りに回動させると、レバーピン51dを介して係合したキーリンク52が主ケース2に設けた一対のガイド体2aの長手方向に沿って下方にスライド移動することになる。キーリンク52が主ケース2に設けた一対のガイド体2aの長手方向に沿って下方にスライド移動すると、セクタ連結孔52jにおいてロック部52nの内壁面がセクタレバー31のキー操作ピン31jを下方に向けて移動させることになる。なお、このとき、ロック認識用突起52gが、キースイッチ53の検出片53aを下方に向けて押圧するため、キースイッチ53がキーリンク52の移動からキーシリンダKCのキー操作、つまり施錠操作を検出する。そして、セクタレバー31のキー操作ピン31jが下方に向けて移動すると、セクタレバー31が適宜ウォーム36を回転させながらセクタレバー軸34を中心として反時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン31fを介して係合した第1リンクレバー32およびレバー当接部32dに当接する第2リンクレバー33が装着孔32jを中心として反時計回りに揺動し、図3に示すロック状態となる。
さらに、図3に示すロック状態にあるロック機構30を図18に示すアンロック状態に移行することも、必ずしも電動モータ35の駆動することに限らず、キーシリンダKCを解錠操作することによっても実施することができる。すなわち、図3に示したロック状態から、キーシリンダKCのキー操作によってキーレバー51を回動凹部51bの軸心回りに時計回りに回動させると、レバーピン51dを介して係合したキーリンク52が主ケース2に設けた一対のガイド体2aの長手方向に沿って上方にスライド移動することになる。キーリンク52が主ケース2に設けた一対のガイド体2aの長手方向に沿って上方にスライド移動すると、セクタ連結孔52jにおいてアンロック部52mの内壁面がセクタレバー31のキー操作ピン31jを上方に向けて移動させることになる。なお、このとき、アンロック認識用突起52hが、キースイッチ53の検出片53aを上方に向けて押圧するため、キースイッチ53がキーリンク52の移動からキーシリンダKCのキー操作、つまり解錠操作を検出する。そして、セクタレバー31のキー操作ピン31jが上方に向けて移動すると、セクタレバー31が適宜ウォーム36を回転させながらセクタレバー軸34を中心として時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン31fを介して係合した第1リンクレバー32およびパニックスプリング39により付勢された第2リンクレバー33が装着孔32jを中心として時計回りに揺動し、図18に示すアンロック状態となる。
また、上記ドアロック装置には、図3に示すように、ロック機構収容部12の内部にダブルロック機構60が設けてある。ダブルロック機構60は、アンセット状態とセット状態とに切り替え可能に構成したもので、ダブルロックレバー61を備えている。
ダブルロックレバー61は、図3に示すように、最大限上方にスライド移動させたアンセット位置と、図21に示すように、最大限下方にスライド移動したセット位置とに直線的に移動可能に構成したものである。このダブルロックレバー61には、図11−1および図11−2に示すように、その基部61aにおいて車両後方側となる部位に、摺動部61b、アンセット操作ピン61cおよびブロック部61dが設けてある。
摺動部61bは、基部61aにおいて室外側に位置する端面から下方に向けて長手状に延在する部分である。この摺動部61bは、キーリンク52のレバー支承溝52eに移動可能に嵌合してある(図17参照)。アンセット操作ピン61cは、摺動部61bにおいて上方となる部位の室外側に位置する端面から車両本体の左右方向に沿って略水平にそれぞれ延在した柱状突起である。このアンセット操作ピン61cは、キーリンク52のキー操作用溝孔52fに移動可能に挿通してあり、ダブルロックレバー61が図21に示すセット位置に配置された場合、キー操作用溝孔52fの下端部に配置される一方、ダブルロックレバー61が図3に示すアンセット位置に配置された場合には、キー操作用溝孔52fにおいて上下方向の略中央に配置されるように構成してある。ブロック部61dは、摺動部61bの下方に位置する延在端部から車両前方側に向けて凸設した部分である。このブロック部61dは、ダブルロックレバー61が図21に示すセット位置に配置された場合、上述したセクタレバー31のブロック突起31eに近接し、このブロック突起31eがセクタレバー軸34を中心として揺動した場合の揺動域に配置されることになる。これに対してこのブロック部61dは、ダブルロックレバー61が図3に示すアンセット位置に配置された場合には、ブロック突起31eの揺動域外に配置されるように構成してある。
また、ダブルロックレバー61には、図11−1および図11−2に示すように、その基部61aにおいて車両前方側となる部位に、第1アーム部61eおよび第2アーム61fが設けてある。第1アーム部61eは、基部61aにおいて室内側に位置する端面から車両前方に向けて湾曲延在した後、車両前方に向けて延在した部分である。この第1アーム部61eは、車両前方に向けて開口するように湾曲した把持溝部61gを有して形成してある。第2アーム部61fは、基部61aにおいて室外側に位置する端面から車両前方に向けて湾曲延在した後、車両前方に向けて延在した部分である。この第2アーム部61fは、車両前方に向けて開口するように湾曲した把持溝部61hを有して形成してある。
さらに、ダブルロックレバー61において第1アーム部61eと第2アーム部61fとの相互間には、図3および図17に示すように、リンクピン62が設けてある。リンクピン62は、ダブルロックレバー61と連動するもので、図12−1および図12−2に示すように、ピン本体62aと、このピン本体62aとダブルロックレバー61とを連動させるための一対の伝達ピン62bとを有している。ピン本体62aは、円筒状を成すもので、その内部にギア部62cを有している。ギア部62cは、ピン本体62aの内周面に形成した歯車であり、電動モータ63の出力軸63aに固着したウォーム64に歯合している(図17参照)。一対の伝達ピン62bは、ピン本体62aにおいて室内側と室外側とに位置する外周面から車両本体の左右方向に沿って略水平にそれぞれ延在した柱状突起である。この一対の伝達ピン62bは、それぞれダブルロックレバー61における第1アーム部61eの把持溝部61gと、第2アーム部61fの把持溝部61hとに配置されている。
また、図3および図17に示すように、キーリンク52と主ケース2との間には、オーバーセンタスプリング65が設けてある。オーバーセンタスプリング65は、ダブルロックレバー61を、アンセット操作ピン61cを介して保持するものである。具体的には、図3に示すように、ダブルロックレバー61を摺動部61bの長手方向に沿って最大限上方にスライド移動させたアンセット位置と、図21に示すように、ダブルロックレバー61を摺動部61bの長手方向に沿って最大限下方にスライド移動させたセット位置とのいずれか一方にダブルロックレバー61を保持するものである。
さらに、図21に示すように、ダブルロックレバー61の車両前方部には、ダブルロックスイッチ66が配設してある。ダブルロックスイッチ66は、検出片66aに対するダブルロックレバー61における第2アーム部61fの延在端部の接触状況に応じて、ダブルロックレバー61がセット位置にあるか否かを検出するものである。
またさらに、上述した電動モータ35、ロックスイッチ38、キースイッチ53、電動モータ63およびダブルロックスイッチ66は、図3に示すように、ロック機構収容部12の内部に配設した回路基板71に接続してある。この回路基板71には、各モータや各スイッチに電力を供給するためのコネクタ72が配設してある。このコネクタ72は、電力の供給系を構成するとともに、車両本体の制御部(図示せず)から各モータへの電気信号の入力、あるいは各スイッチから車両本体の制御部(図示せず)への電気信号の出力を行うための通信手段としても利用されている。図2からも明らかなように、コネクタ72は、副ケース3に設けた開口3bを通じて外部に露出している。さらに、この副ケース3に設けた開口3bは、ドアロック装置をドアDに配設した場合に、ドアDの室内側に位置するインサイドパネルIPに設けた開口(図示せず)を通じてドアDの外部に露出している(図1参照)。
さらにまた、副ケース3に設けた開口3bには、その周縁からインサイドパネルIPに向けて延在する案内部3cが設けてあり、さらにこの案内部3cの周方向には、当該案内
部3cを囲繞する態様で、円環状のシール部材73が設けてある。このシール部材73は、図1に示すように、インサイドパネルIPに設けた開口(図示せず)に開口3bおよび案内部3cを臨ませた状態でドアロック装置を複数のネジ孔14を介してドアDに固定した場合に、インサイドパネルIPに押圧され適宜変形して、ハウジング10の内部に所望のシール性を確保するように構成してある。
本実施の形態1では、コネクタ72は、ラッチ機構収容部11よりも車両前方側、かつラッチ機構収容部11の上端から下端に至るまでの間に中心位置Pが含まれるようにコネクタ72を配置してある。さらに、図2に示すように、ラッチ機構収容部11において車両前方側に位置する端面から49mm、車両後方側に位置する端面から87mmに位置している。このように、複数のネジ孔14に可及的に近づけることにより、ドアロック装置をドアDに固定した場合に、よりシール部材73がインサイドパネルIPに押圧され適宜変形して、ハウジング10の内部を確実にシールすることができる。
上記のように構成したダブルロック機構60では、図3に示した状態がアンセット状態であり、ダブルロックレバー61がアンセット位置に配置されるため、ブロック部61dがセクタレバー31においてブロック突起31eの揺動域外に配置されることになる。
図3に示したアンセット状態から、電動モータ63の駆動によってウォーム64を適宜任意の方向に回転させると、リンクピン62がウォーム64の延在方向に沿って下方に移動することになる。リンクピン62がウォーム64の延在方向に沿って下方に移動すると、一対の伝達ピン62bを介してダブルロックレバー61の把持溝部61gおよび把持溝部61hの下方を形成する第1アーム部61eおよび第2アーム部61fがそれぞれ下方に向けて移動することになる。この結果、ダブルロック機構60は、ダブルロックレバー61が、摺動部61bを介してキーリンク52のレバー支承溝52eに案内されながら長手方向に沿って直線的に下方に移動し、図21に示すセット状態となる。
このセット状態では、ダブルロックレバー61がセット位置に配置されるため、ブロック部61dがセクタレバー31においてブロック突起31eの揺動域に配置されることになる。この状態からインサイドドアハンドルD2を開扉操作すると、インサイドハンドルレバー17におけるオープン連係部17dの移動によって、第1リンクレバー32および第2リンクレバー33が上動することになるとともに、ロック連係部17cがロックレバー41のインサイド当接面41eに当接して、ロックレバー41をセクタレバー軸34の軸心回りに時計回りに揺動させることになる。インサイドハンドルレバー17のオープン連係部17dが上方に移動すると、オープンレバー16の受圧部16cを介して第1リンクレバー32および第2リンクレバー33も上動することになる。一方、ロックレバー41がセクタレバー軸34の軸心回りに時計回りに揺動すると、バネ連係部41aを介して連係バネ42を適宜弾性変形させ、当該連係バネ42の付勢力を増加させることになり、そのバネ作用部42aが、セクタレバー31のバネ操作溝部31kの上方(図21参照)を形成する収容壁31hを、セクタレバー軸34を中心とした時計回りに向けてさらに押圧することになる。しかしながら、連係バネ42のバネ作用部42aがセクタレバー31のバネ操作溝部31kの上方を形成する収容壁31hをさらに押圧しても、セクタレバー31のブロック突起31eがダブルロックレバー61のブロック部61dに当接することになり、セクタレバー31のアンロック位置への揺動が阻止されることになる。すなわち、セット状態においては、ロックレバー41がセクタレバー軸34の軸心回りに時計回りに揺動しても、連係バネ42が適宜弾性変形するのみでロック位置にあるセクタレバー31がアンロック位置に揺動することがなく、ロックレバー41がセクタレバー31に対して独立して動作することになる。この結果、インサイドドアハンドルD2の開扉操作によってロック状態にあるロック機構30をアンロック状態に切り替えることが阻止されることになり、インサイドドアハンドルD2の開扉操作によってはドアDを開成移動させることができないことになる。
ところで、図21に示すセット状態では、例えば、悪意のあるものがロック連係手段LCを不正に動作させてロックレバー41をセクタレバー軸34の軸心回りに時計回りに揺動したとしても、連係バネ42が適宜弾性変形するのみでロック位置にあるセクタレバー31がアンロック位置に揺動することがなく、ロックレバー41がセクタレバー31に対して独立して動作することになる。この結果、ロック連係手段LCの動作によってもロック状態にあるロック機構30をアンロック状態に切り替えることが阻止されることになり、車両本体に対してドアDが閉位置に維持されることになる。
図21に示すセット状態から、電動モータ63の駆動によってウォーム64を適宜任意の方向に回転させると、リンクピン62がウォーム64の延在方向に沿って上方に移動することになる。リンクピン62がウォーム64の延在方向に沿って上方に移動すると、一対の伝達ピン62bを介してダブルロックレバー61の把持溝部61gおよび把持溝部61hの上方を形成する第1アーム部61eおよび第2アーム部61fがそれぞれ上方に向けて移動することになる。この結果、ダブルロック機構60は、ダブルロックレバー61が、摺動部61bを介してキーリンク52のレバー支承溝52eに案内されながら長手方向に沿って直線的に上方に移動し、再び図3に示すアンセット状態に復帰する。
ここで、図21に示すセット状態にあるダブルロック機構60をアンセット状態に移行することは、必ずしも電動モータ63を駆動することに限らず、キーシリンダKCを解錠操作することによっても実施することができる。すなわち、図21に示したセット状態から、キーシリンダKCのキー操作によってキーレバー51を回動凹部51bの軸心回りに時計回りに回動させると、レバーピン51dを介して係合したキーリンク52が主ケース2に設けた一対のガイド体2aの長手方向に沿って上方にスライド移動することになる。キーリンク52が主ケース2に設けた一対のガイド体2aの長手方向に沿って上方にスライド移動すると、キー操作用溝孔52fにおいて下端部の内壁面がダブルロックレバー61のアンセット操作ピン61cを上方に向けて移動させることになり、かつこのダブルロックレバー61の移動に引き続いてセクタ連結孔52jにおいてアンロック部52mの内壁面がセクタレバー31のキー操作ピン31jを上方に向けて移動させることになる。ダブルロックレバー61のアンセット操作ピン61cが上方に向けて移動すると、図22に示すように、ダブルロックレバー61が、リンクピン62を介して適宜ウォーム64を回転させるとともに、摺動部61bを介してキーリンク52のレバー支承溝52eに案内されながら長手方向に沿って直線的に上方に移動することになる。やがてダブルロックレバー61のブロック部61dがセクタレバー31においてブロック突起31eの揺動域外に移動した後に、図22に示すように、セクタレバー31のキー操作ピン31jが上方に向けて移動して、セクタレバー31が適宜ウォーム36を回転させながらセクタレバー軸34を中心として時計回りに揺動することになる。なお、このとき、アンロック認識用突起52hが、キースイッチ53の検出片53aを上方に向けて押圧するため、キースイッチ53がキーリンク52の移動からキーシリンダKCのキー操作、つまり解錠操作を検出する。この結果、ダブルロック機構60は、ダブルロックレバー61がアンセット位置に配置され、アンセット状態となり、かつロック機構30は、連結ピン31fを介して係合した第1リンクレバー32およびパニックスプリング39により付勢された第2リンクレバー33が装着孔32jを中心として時計回りに揺動し、図18に示すアンロック状態となる。
上記のように構成した実施の形態1のドアロック装置によれば、電動モータ35の駆動によりアンロック状態とロック状態とに切り替え可能に構成し、アンロック状態においてアウトサイドドアハンドルD1が開扉操作された場合にこれをラッチ機構20に伝達することによりラッチ状態を解除してドアDの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはアウトサイドドアハンドルD1が開扉操作された場合にもラッチ機構20のラッチ状態を維持するロック機構30を備えている。したがって、電動モータ35を駆動すれば、ロック機構30をロック状態とアンロック状態とに容易に切り替えることができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。しかも、ラッチ機構収容部11よりも車両前方側、かつラッチ機構収容部11の上端から下端に至るまでの間に中心位置Pが含まれるようにコネクタ72を配置してある。したがって、配置スペースを別に設ける事態を招来することなく、ドアロック装置の大型化を招来することがない。
なお、上述した実施の形態1では、インサイドハンドルレバー17のインサイド作用端部17aおよびロックレバー41のロック作用端部41bにおいて、ハウジング10の外部に露出する部分に、これを覆い隠す態様でカバー部材を設けても良い。
(実施の形態2)
図23は、本発明の実施の形態2であるドアロック装置において副ケースを外して室内側から見た図を示したものである。この実施の形態2におけるドアロック装置は、上述した実施の形態1に対して、ロックレバー、ダブルロック機構およびこれを駆動する電動モータを備えない点、およびセクタレバーの構成が異なるもので、他の構成は実施の形態1と同様である。以下、この差異の詳細について説明する。なお、実施の形態2において実施の形態1と同様の構成に関しては、同一の符号を付してそれぞれの説明を省略する。
セクタレバー(ダブルアクション機構)131は、オープンレバー16よりも車両前方となる部位に、車両本体の左右方向に沿って略水平に延在するセクタレバー軸34を介して揺動可能に配設したもので、車両前方に向けて漸次拡開するセクタ状の部分を備えて形成してある。このセクタレバー131は、図24−1、図24−2および図24−3に示すように、伝達端部131a、操作端部131bおよびセクタレバー軸孔131cを有している。
伝達端部131aは、セクタレバー軸34から上方に向けて延在した部分であり、ブロック突起131eおよび連結ピン131fを有している。ブロック突起131eは、伝達端部131aにおいて上端縁部から室内側に向けて凸設した部分である。連結ピン131fは、伝達端部131aにおいてブロック突起131eよりも下方となる部位の室内側に位置する端面から車両本体の左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。図23からも明らかように、この連結ピン131fは、第1リンクレバー(ダブルアクション機構)32においてセクタ連結部32cに形成した連結用溝孔32eに移動可能に挿通してある。
操作端部131bは、セクタレバー軸34から車両前方に向けて延在した部分と、セクタレバー軸34から下方に向けて延在した部分とを一体に形成した略扇状を成す部分であり、ギア部131g、キー操作ピン131j、ロックレバー部131qおよび掛止ピン131nを有している。ギア部131gは、操作端部131bの円弧状を成す外周面に形成した歯車であり、電動モータ(ロックアクチュエータ)35の出力軸35aに固着したウォーム36に歯合している(図23参照)。キー操作ピン131jは、操作端部131bにおいて室外側に位置する端面から車両本体の左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起であり、図23に示すように、キーリンク52においてセクタ連係端部52cに形成したセクタ連結孔52jに移動可能に挿通してある。このキー操作ピン131jは、伝達端部131aをセクタレバー軸34の鉛直上方に配置した場合に、図23に示すように、キーリンク52のセクタ連結孔52jにおいてアンロック部52mの内壁面に対して近接した位置に配置される一方、伝達端部131aをセクタレバー軸34の鉛直上方から逸脱させた位置に配置した場合には、図25に示すように、キーリンク52のセクタ連結孔52jにおいてロック部52nの内壁面に対して近接した位置に配置されるように構成してある。ロックレバー部131qは、操作端部131bにおいてキー操作ピン131jよりも下方となる部位から室内側に向けて凸設する態様で構成した部分である。また、このロックレバー部131qには、ロック作用端部131rおよびインサイド当接面131sが設けてある。
ロック作用端部131rは、伝達端部131aをセクタレバー軸34の鉛直上方に配置した場合にロックレバー部131qの下方に位置する端部から下方に向けて突出した部分であり、その突出端部が副ケース3に設けた開口3aを通じて外部に露出している。このロック作用端部131rにおいてハウジング10の外部に露出する部分には、車両の室内に配設したロックノブD3との間を連係するリンクやケーブルなどのロック連係手段LCが接続してある。より詳細には、ロック機構30がアンロック状態においてロックノブD3を所定のロック操作した場合に、ロックレバー部131rが図25においてセクタレバー軸34の軸心回りに反時計回りに揺動するようにロック連係手段LCを接続してある。インサイド当接面131sは、図23に示すように、ロックレバー部131qをセクタレバー軸34の下方域に配置した場合に、当該ロックレバー部131qの下端面から上方に向かうにつれて漸次車両後方に傾斜延在するように構成してある。このインサイド当接面131sは、ロック機構30がロック状態にある場合、図23に示すように、上述したインサイドハンドルレバー(ダブルアクション機構)17のロック連係部17cがインサイドレバー軸19を中心として揺動した場合の揺動域に配置される一方、ロック機構30がアンロック状態にある場合には、図25に示すように、ロック連係部17cに対して離隔した位置に配置されるように構成してある。
掛止ピン131nは、操作端部131bにおいて下方となる部位の室外側に位置する端面から車両本体の左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起であり、その延在端部に掛止ピン131nよりも大きな外径を有するストッパ131pが形成してある。セクタレバー軸孔131cは、セクタレバー軸34を挿通するための孔である。
本実施の形態2でも、ロックノブD3は、車両の室内に出没可能に配設してあり、ロック機構30がアンロック状態にある場合にのみ車両の室内に突出して、これを没入させるロック操作が可能となるように構成してある。
また、図23に示すように、実施の形態2においても、セクタレバー131の下方部には、オーバーセンタスプリング37が設けてあるとともに、セクタレバー131の上方部には、ロックスイッチ38が配設してある。オーバーセンタスプリング37は、セクタレバー131を、掛止ピン131nを介してセクタレバー軸34の軸心回りに保持するものである。具体的には、図25に示すように、セクタレバー131をセクタレバー軸34の軸心回りに最大限時計回りに揺動させた位置(アンロック位置)と、図23に示すように、セクタレバー131をセクタレバー軸34の軸心回りに最大限反時計回りに揺動させた位置(ロック位置)とのいずれか一方にセクタレバー131を保持するものである。ロックスイッチ38は、検出片38aに対するセクタレバー131のブロック突起131eの接触状態に応じて、セクタレバー131がロック位置にあるか否かを検出するものである。
さらに、この実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、電動モータ35、ロックスイッチ38およびキースイッチ53は、図23に示すように、ロック機構収容部12の内部に配設した回路基板71に接続してある。この回路基板71には、各モータや各スイッチに電力を供給するためのコネクタ72が配設してある。
この実施の形態2においても、実施の形態1と同様に構成したロック機構30では、図25に示した状態がアンロック状態であり、セクタレバー131がアンロック位置に配置されるとともに、第2リンクレバー(ダブルアクション機構)33のラチェット駆動部33bが第1リンクレバー32に装着された連結具32gの鉛直上方に配置されるため、ラチェット駆動部33bがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになる。したがって、この状態からアウトサイドドアハンドルD1を開扉操作し、オープンレバー16の回転動作によって第1リンクレバー32のリンク本体32aが上動すれば、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接してこれを上動させることになる。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にもこれが解除されるため、車両本体に対してドアDを開成移動させることができるようになる。
図25に示したアンロック状態から、電動モータ35の駆動によってウォーム36を適宜任意の方向に回転させると、セクタレバー131がセクタレバー軸34を中心として反時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン131fを介して係合した第1リンクレバー32およびレバー当接部32dに当接する第2リンクレバー33が装着孔32jを中心として反時計回りに揺動し、図23に示すロック状態となる。
このロック状態では、セクタレバー131がロック位置に配置されるとともに、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対向する位置から逸脱するため、アウトサイドドアハンドルD1を開扉操作し、オープンレバー16の回転動作によって第1リンクレバー32のリンク本体32aが上動した場合にも、ラチェット駆動部33bがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することがない。この結果、アウトサイドドアハンドルD1の開扉操作が無効化され、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にはこれが維持されるため、車両本体に対してドアDが閉位置に維持されることになる。
図23に示すロック状態から、電動モータ35の駆動によってウォーム36を適宜任意の方向に回転させると、セクタレバー131がセクタレバー軸34を中心として時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン131fを介して係合した第1リンクレバー32およびパニックスプリング39により付勢された第2リンクレバー33が装着孔32jを中心として時計回りに揺動し、再び図25に示したアンロック状態に復帰する。
ここで、図25に示すアンロック状態にあるロック機構30を図23に示すロック状態に移行することは、必ずしも電動モータ35を駆動することに限らず、ロックノブD3をロック操作することによっても実施することができる。すなわち、図25に示したアンロック状態から、ロックノブD3のロック操作によってセクタレバー131のロックレバー部131qをセクタレバー軸34の軸心回りに反時計回りに揺動させると、セクタレバー131が適宜ウォーム36を回転させながらセクタレバー軸34を中心として反時計回りに揺動することになる。この結果、セクタレバー131がロック位置に配置され、ロック機構30は、連結ピン131fを介して係合した第1リンクレバー32およびレバー当接部32dに当接する第2リンクレバー33が装着孔32jを中心として反時計回りに揺動し、図23に示すロック状態となる。
ところで、図25に示すアンロック状態からインサイドドアハンドルD2を開扉操作すると、インサイドハンドルレバー17のオープン連係部17dが上方に移動するため、オープンレバー16の受圧部16cを介して第1リンクレバー32および第2リンクレバー33も上動することになる。従って、第2リンクレバー33がラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することになり、ラッチ状態を解除することができる。つまり、インサイドドアハンドルD2の開扉操作によってドアDを開成移動させることができる。
一方、図23に示すロック状態では、セクタレバー131のロックレバー部131qに設けたインサイド当接面131sがインサイドハンドルレバー17においてロック連係部17cの揺動域に配置される。この状態からインサイドドアハンドルD2を開扉操作すると、インサイドハンドルレバー17におけるオープン連係部17dの移動によって、第1リンクレバー32および第2リンクレバー33が上動することになるとともに、ロック連係部17cがセクタレバー131のインサイド当接面131sに当接して、セクタレバー131をセクタレバー軸34の軸心回りに時計回りに揺動させることになる。インサイドドアハンドルD2の開扉操作を一度行うと、図23に示す状態から図26に示す状態を経て図27に示す状態へとセクタレバー131が揺動することになる。以下、この動作について詳細に説明する。
インサイドハンドルレバー17のオープン連係部17dが上方に移動すると、図26に示すように、オープンレバー16の受圧部16cを介して第1リンクレバー32および第2リンクレバー33も上動することになる。一方、セクタレバー131がセクタレバー軸34の軸心回りに時計回りに揺動すると、連結ピン131fが車両後方に移動するため、第1リンクレバー32も図23において時計回りに揺動することになる。
図26に示す状態から、さらにインサイドハンドルレバー17のオープン連係部17dが上方に移動すると、図27に示すように、オープンレバー16の受圧部16cを介して第1リンクレバー32および第2リンクレバー33もさらに上動することになる。一方、図26に示す状態から、さらにセクタレバー131が適宜ウォーム36を回転させながらセクタレバー軸34の軸心回りに時計回りに揺動すると、アンロック位置に配置されることになる。そして、セクタレバー131の更なる揺動に伴い、その連結ピン131fが車両後方に移動するため、第1リンクレバー32も図26において時計回りにさらに揺動することになる。このとき、図27に示すように、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラチェットレバー26の当接部26aに車両前方側から当接することになるため、第1リンクレバー32が、パニックスプリング39の弾性復元力に抗して掛止部33cとの当接状態を解除し、図26において時計回りに揺動することになる。
図27に示す状態からインサイドドアハンドルD2の開扉操作力を除去すると、オープンレバー16がオープンレバーバネ(図示せず)の弾性復元力により、オープン動作端部16bおよび受圧部16cを下動するとともに、第1リンクレバー32および第2リンクレバー33も下動することになる。オープン動作端部16bおよび受圧部16cが下動すると、図25に示すように、再び受圧部16cの下端面がインサイドハンドルレバー17のオープン連係部17dに対して近接対向するように配置されることになる。一方、第1リンクレバー32および第2リンクレバー33が下動すると、図27に示すように、やがて第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bとラチェットレバー26の当接部26aとの当接状態が解除され、第2リンクレバー33が、パニックスプリング39の弾性復元力により、再び掛止部33cを第1リンクレバー32のレバー当接部32dと当接するように移動することになる。そして、第2リンクレバー33の移動に伴い、図25に示すように、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bが第1リンクレバー32に装着された連結具32gの鉛直上方に配置されるため、ラチェット駆動部33bがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになり、ロック機構30がアンロック状態となる。
図25に示す状態においては、インサイドドアハンドルD2を開扉操作すると、インサイドハンドルレバー17のオープン連係部17dが上方に移動するため、オープンレバー16の受圧部16cを介して第1リンクレバー32および第2リンクレバー33も上動することになる。また、このとき、セクタレバー131のロックレバー部131qに設けたインサイド当接面131sは、インサイドハンドルレバー17においてロック連係部17cに対して離隔した位置に配置されており、当該ロック連係部17cに当接することがない。従って、第2リンクレバー33がラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することになり、ラッチ状態を解除することができる。つまり、インサイドドアハンドルD2の開扉操作によってドアDを開成移動させることができる(いわゆるダブルアクション機構)。
ところで、図27に示すように、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラチェットレバー26の当接部26aに当接する状態は、例えば、図23に示すロック状態において、アウトサイドドアハンドルD1を開扉操作するとともに、電動モータ35を駆動してロック機構30をアンロック状態に切り替える場合にも起こりうる。図23に示すロック状態において、アウトサイドドアハンドルD1を開扉操作すると、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aを上動させることなく、オープンレバー16の回転動作によって第1リンクレバー32および第2リンクレバー33が上動することになる。この状態で、電動モータ35を駆動してウォーム36を適宜任意の方向に回転させると、セクタレバー131がセクタレバー軸34を中心として時計回りに揺動することになる。そして、セクタレバー131の揺動に伴い、その連結ピン131fが車両後方に移動するため、第1リンクレバー32も図23において時計回りに揺動することになる。このとき、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラチェットレバー26の当接部26aに車両前方側から当接することになるため、第1リンクレバー32が、パニックスプリング39の弾性復元力に抗して掛止部33cとの当接状態を解除し、図27に示す状態となる。
この状態においては、アウトサイドドアハンドルD1の開扉操作力を除去すると、オープンレバー16がオープンレバーバネ(図示せず)の弾性復元力により、オープン動作端部16bおよび受圧部16cを下動するとともに、第1リンクレバー32および第2リンクレバー33も下動することになる。第1リンクレバー32および第2リンクレバー33が下動すると、図25に示すように、やがて第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bとラチェットレバー26の当接部26aとの当接状態が解除され、第2リンクレバー33が、パニックスプリング39の弾性復元力により、再び掛止部33cを第1リンクレバー32のレバー当接部32dと当接するように移動することになる。そして、第2リンクレバー33の移動に伴い、図25に示すように、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bが第1リンクレバー32に装着された連結具32gの鉛直上方に配置されるため、ラチェット駆動部33bがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになり、ロック機構30がアンロック状態となる。
図25に示す状態から再びアウトサイドドアハンドルD1を開扉操作し、オープンレバー16の回転動作によって第1リンクレバー32のリンク本体32aが上動すれば、第2リンクレバー33のラチェット駆動部33bがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接してこれを上動させることになる。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にもこれが解除されるため、車両本体に対してドアDを開成移動させることができるようになる。
さらに、図25に示すアンロック状態にあるロック機構30を図23に示すロック状態に移行することは、必ずしも電動モータ35の駆動や、ロックノブD3をロック操作することに限らず、キーシリンダKCを施錠操作することによっても実施することができる。すなわち、図25に示したアンロック状態から、キーシリンダKCのキー操作によってキーレバー51を回動凹部51bの軸心回りに反時計回りに回動させると、レバーピン51dを介して係合したキーリンク52が主ケース2に設けた一対のガイド体2aの長手方向に沿って下方にスライド移動することになる。キーリンク52が主ケース2に設けた一対のガイド体2aの長手方向に沿って下方にスライド移動すると、セクタ連結孔52jにおいてロック部52nの内壁面がセクタレバー131のキー操作ピン131jを下方に向けて移動させることになる。なお、このとき、ロック認識用突起52gが、キースイッチ53の検出片53aを下方に向けて押圧するため、キースイッチ53がキーリンク52の移動からキーシリンダKCのキー操作、つまり施錠操作を検出する。そして、セクタレバー131のキー操作ピン131jが下方に向けて移動すると、セクタレバー131が適宜ウォーム36を回転させながらセクタレバー軸34を中心として反時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン131fを介して係合した第1リンクレバー32およびレバー当接部32dに当接する第2リンクレバー33が装着孔32jを中心として反時計回りに揺動し、図23に示すロック状態となる。
またさらに、図23に示すロック状態にあるロック機構30を図25に示すアンロック状態に移行することも、必ずしも電動モータ35の駆動することに限らず、キーシリンダKCを解錠操作することによっても実施することができる。すなわち、図23に示したロック状態から、キーシリンダKCのキー操作によってキーレバー51を回動凹部51bの軸心回りに時計回りに回動させると、レバーピン51dを介して係合したキーリンク52が主ケース2に設けた一対のガイド体2aの長手方向に沿って上方にスライド移動することになる。キーリンク52が主ケース2に設けた一対のガイド体2aの長手方向に沿って上方にスライド移動すると、セクタ連結孔52jにおいてアンロック部52mの内壁面がセクタレバー131のキー操作ピン131jを上方に向けて移動させることになる。なお、このとき、アンロック認識用突起52hが、キースイッチ53の検出片53aを上方に向けて押圧するため、キースイッチ53がキーリンク52の移動からキーシリンダKCのキー操作、つまり解錠操作を検出する。そして、セクタレバー131のキー操作ピン131jが上方に向けて移動すると、セクタレバー131が適宜ウォーム36を回転させながらセクタレバー軸34を中心として時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン131fを介して係合した第1リンクレバー32およびパニックスプリング39により付勢された第2リンクレバー33が装着孔32jを中心として時計回りに揺動し、図25に示すアンロック状態となる。
上記のように構成した実施の形態2のドアロック装置によれば、実施の形態1と同様に、電動モータ35の駆動によりアンロック状態とロック状態とに切り替え可能に構成し、アンロック状態においてアウトサイドドアハンドルD1が開扉操作された場合にこれをラッチ機構20に伝達することによりラッチ状態を解除してドアDの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはアウトサイドドアハンドルD1が開扉操作された場合にもラッチ機構20のラッチ状態を維持するロック機構30を備えている。したがって、電動モータ35を駆動すれば、ロック機構30をロック状態とアンロック状態とに容易に切り替えることができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。しかも、実施の形態1と同様に、ラッチ機構収容部(ラッチケース)11よりも車両前方側、かつラッチ機構収容部11の上端から下端に至るまでの間に中心位置Pが含まれるようにコネクタ72を配置してある。したがって、配置スペースを別に設ける事態を招来することなく、ドアロック装置の大型化を招来することがない。
なお、上述した実施の形態2でも、インサイドハンドルレバー17のインサイド作用端部17aおよびセクタレバー131のロック作用端部131rにおいて、ハウジング10の外部に露出する部分に、これを覆い隠す態様でカバー部材を設けても良い。
本発明の実施の形態1であるドアロック装置を車両後方側から見た図である。 図1に示したドアロック装置を室内側から見た図である。 図1に示したドアロック装置において副ケースを外して室内側から見た図である。 図1に示したドアロック装置に適用するラッチ機構のドア開成状態を示す概念図である。 図1に示したドアロック装置に適用するラッチ機構のラッチ状態を示す概念図である。 図1に示したドアロック装置に適用するインサイドハンドルレバーの正面図である。 図5−1に示したインサイドハンドルレバーのA矢視図である。 図1に示したドアロック装置に適用するセクタレバーの正面図である。 図6−1に示したセクタレバーのB矢視図である。 図6−1に示したセクタレバーのC矢視図である。 図1に示したドアロック装置に適用する第1リンクレバーの正面図である。 図7−1に示した第1リンクレバーのD矢視図である。 図1に示したドアロック装置に適用する第2リンクレバーの正面図である。 図8−1に示した第2リンクレバーのE矢視図である。 図1に示したドアロック装置に適用するロックレバーの正面図である。 図9−1に示したロックレバーのF矢視図である。 図1に示したドアロック装置に適用するキーリンクの正面図である。 図10−1に示したキーリンクのG矢視図である。 図1に示したドアロック装置に適用するダブルロックレバーの正面図である。 図11−1に示したダブルロックレバーのH矢視図である。 図1に示したドアロック装置に適用するリンクピンの正面図である。 図12−1に示したリンクピンのJ矢視図である。 図3におけるA−A線断面図である。 図3におけるB−B線断面図である。 図3におけるC−C線断面図である。 図3におけるD−D線断面図である。 図3におけるE−E線断面図である。 図1に示したドアロック装置においてロック機構をアンロック状態とした場合の図である。 図3に示す状態においてインサイドドアハンドルを開扉操作した状態を示す図である。 図19に示す状態において引き続きインサイドドアハンドルを開扉操作した状態を示す図である。 図1に示したドアロック装置においてダブルロック機構をセット状態とした場合の図である。 図21に示す状態においてキーシリンダを解錠操作した状態を示す図である。 本発明の実施の形態2であるドアロック装置において副ケースを外して室内側から見た図である。 図23に示したドアロック装置に適用するセクタレバーの正面図である。 図24−1に示したセクタレバーのM矢視図である。 図24−1に示したセクタレバーのN矢視図である。 図23に示したドアロック装置においてロック機構をアンロック状態とした場合の図である。 図23に示す状態においてインサイドドアハンドルを開扉操作した状態を示す図である。 図26に示す状態において引き続きインサイドドアハンドルを開扉操作した状態を示す図である。
符号の説明
10 ハウジング
11 ラッチ機構収容部
12 ロック機構収容部
16 オープンレバー
16a オープン作用端部
16b オープン動作端部
16c 受圧部
17 インサイドハンドルレバー
17a インサイド作用端部
17b インサイド動作端部
17c ロック連係部
17d オープン連係部
20 ラッチ機構
22 ラッチ
23 ラチェット
24 ラッチ軸
25 ラチェット軸
26 ラチェットレバー
26a 当接部
30 ロック機構
31 セクタレバー
31a 伝達端部
31b 操作端部
31c セクタレバー軸孔
31e ブロック突起
31f 連結ピン
31g ギア部
31h 収容壁
31j キー操作ピン
31k バネ操作溝部
31m ピン操作溝部
31n 掛止ピン
31p ストッパ
32 第1リンクレバー
32a リンク本体
32b スプリング収容溝
32c セクタ連結部
32d レバー当接部
32e 連結用溝孔
32g 連結具
32h 連結具本体
32j 装着孔
32k 装着爪
32m 装着溝部
33 第2リンクレバー
33a レバー本体
33b ラチェット駆動部
33c 掛止部
33d 連結具本体孔
34 セクタレバー軸
35 電動モータ
35a 出力軸
36 ウォーム
37 オーバーセンタスプリング
38 ロックスイッチ
39 パニックスプリング
41 ロックレバー
41a バネ連係部
41b ロック作用端部
41c ロック操作ピン
41e インサイド当接面
42 連係バネ
42a バネ作用部
51 キーレバー
51a 入力軸部
51b 回動凹部
51c レバー部
51d レバーピン
52 キーリンク
52a キー連係端部
52b ダブルロック連係部
52c セクタ連係端部
52d キー連結用溝孔
52e レバー支承溝
52f キー操作用溝孔
52g ロック認識用突起
52h アンロック認識用突起
52j セクタ連結孔
52m アンロック部
52n ロック部
53 キースイッチ
60 ダブルロック機構
61 ダブルロックレバー
61a 基部
61b 摺動部
61c アンセット操作ピン
61d ブロック部
61e 第1アーム部
61f 第2アーム部
61g 把持溝部
61h 把持溝部
62 リンクピン
62a リンクピン本体
62b 伝達ピン
62c ギア部
63 電動モータ
63a 出力軸
64 ウォーム
65 オーバーセンタスプリング
66 ダブルロックスイッチ
71 回路基板
72 コネクタ
131 セクタレバー
131a 伝達端部
131b 操作端部
131c セクタレバー軸孔
131e ブロック突起
131f 連結ピン
131g ギア部
131j キー操作ピン
131n 掛止ピン
131p ストッパ
131q ロックレバー部
131r ロック作用端部
131s インサイド当接面
D ドア
IP インサイドパネル
D1 アウトサイドドアハンドル
D2 インサイドドアハンドル
D3 ロックノブ
KC キーシリンダ
LC ロック連係手段
S ストライカ

Claims (2)

  1. 車両本体に対してドアが閉位置に配置された場合にラッチ状態となってドアの開方向への移動を規制するラッチ機構と、
    ドアの端面に沿って配設され、前記ラッチ機構を収容するラッチケースと、
    ドアハンドルから前記ラッチ機構に至るまでの間に介在し、かつロックアクチュエータの駆動によりアンロック状態とロック状態とに切り替え可能に構成し、アンロック状態においてドアハンドルが開扉操作された場合にこれを前記ラッチ機構に伝達することによりラッチ状態を解除してドアの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはドアハンドルが開扉操作された場合にも前記ラッチ機構のラッチ状態を維持するロック機構と、
    前記ラッチケースに対して略直角を成すようにドアの内面に反って配設され、前記ロック機構を収容するロックケースと、
    前記ロックアクチュエータに電力を供給するためのコネクタとを備えたドアロック装置において、
    前記ラッチケースよりも車両前方側、かつ前記ラッチケースの上端から下端に至るまでの間に中心位置が含まれるように前記コネクタを配置したこと
    ことを特徴とするドアロック装置。
  2. 前記ロック機構がアンロック状態において室内に配設したインサイドドアハンドルが開扉操作された場合に、この開扉操作を前記ラッチ機構に伝達する一方、前記ロック機構がロック状態において前記インサイドドアハンドルが開扉操作された場合には、この開扉操作を前記ラッチ機構に伝達することなく前記ロック機構をアンロック状態に切り替えるダブルアクション機構
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のドアロック装置。
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