JP2009030308A - ドアロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロックアクチュエータやその伝達系に不具合が発生した場合にも、車両の防盗性を確保すること。
【解決手段】チャイルドレバーの手動操作部42dが互いに異なる第1位置と第2位置と第3位置とにそれぞれ移動可能であり、手動操作部42dを第1位置に移動した場合にチャイルドロック機構を非伝達状態にする一方、手動操作部42dを第2位置に移動した場合にチャイルドロック機構を伝達状態にするチャイルドレバーと、チャイルドレバーの手動操作部42dを第3位置に移動させた場合に動作し、ロック機構をロック状態に切り替えるロックレバー部と、チャイルドレバーの手動操作部42dの移動域から退避可能に配設され、退避した場合にのみチャイルドレバーの手動操作部42dが第3位置に移動することを許容するエマージェンシカバー60とを備えている。
【選択図】図12

Description

本発明は、四輪自動車等の車両に適用するドアロック装置に関するもので、特に、車両本体に対してドアが閉位置に配置された場合にラッチ状態となってドアの開方向への移動を規制するラッチ機構と、ドアハンドルからラッチ機構に至るまでの間に介在し、アンロック状態においてドアハンドルが開扉操作された場合にこれをラッチ機構に伝達することによりラッチ状態を解除してドアの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはドアハンドルが開扉操作された場合にもラッチ機構のラッチ状態を維持するロック機構とを備えたドアロック装置に関するものである。
昨今においては、操作性の向上を図るため、ロックアクチュエータによってロック機構のロック状態/アンロック状態を切り替えるようにしたドアロック装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−16827号公報
ところで、ドアロック装置の中には、室内においてロック状態/アンロック状態を切り替えるためのロック操作部材を省略し、車両の防盗性向上を図ろうとするものも具現化されつつある。すなわち、室内のロック操作部材を省略したドアロック装置によれば、たとえウィンドウガラスが破られた場合にもロック状態にあるロック機構をアンロック状態に切り替えることが困難となるため、車両の防盗性を向上させることが可能となる。
しかしながら、従来のドアロック装置においてロック操作部材を省略した場合には、例えばロックアクチュエータの駆動系や電源供給系に不具合が発生するとキーシリンダのない助手席側や後席側のドアにおけるロック機構をロック状態に切り替えることが困難となり、車両を離れることができなくなる等の問題を招来することになる。
本発明は、上記実情に鑑みて、ロックアクチュエータやその伝達系に不具合が発生した場合にも、車両の防盗性を確保することのできるドアロック装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るドアロック装置は、車両本体に対してドアが閉位置に配置された場合にラッチ状態となってドアの開方向への移動を規制するラッチ機構と、ドアハンドルから前記ラッチ機構に至るまでの間に介在し、アンロック状態においてドアハンドルが開扉操作された場合にこれをラッチ機構に伝達することによりラッチ状態を解除してドアの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはドアハンドルが開扉操作された場合にもラッチ機構のラッチ状態を維持するロック機構と、前記ロック機構をロック状態とアンロック状態とに切り替えるロックアクチュエータとを備えたドアロック装置において、室内に配設したインサイドドアハンドルと前記ラッチ機構との間に介在し、インサイドドアハンドルの開扉操作を前記ラッチ機構に伝達する伝達状態と、インサイドドアハンドルの開扉操作を前記ラッチ機構に伝達しない非伝達状態とに切り替え可能に構成したチャイルドロック機構と、手動操作部が互いに異なる第1位置と第2位置と第3位置とにそれぞれ移動可能であり、ドアを開成した状態において操作可能、かつドアを閉位置に配置した場合に操作不能となる位置に前記手動操作部を配設し、前記手動操作部を第1位置に移動した場合に前記チャイルドロック機構を非伝達状態にする一方、前記手動操作部を第2位置に移動した場合に前記チャイルドロック機構を伝達状態にする切替操作レバーと、前記切替操作レバーの手動操作部を第3位置に移動させた場合に動作し、前記ロック機構をロック状態に切り替えるロックレバーと、前記切換操作レバーの手動操作部の移動域から退避可能に配設され、退避した場合にのみ前記切換操作レバーの手動操作部が第3位置に移動することを許容する移動規制部材とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ロックアクチュエータによるロック状態への切り替えが不能となった場合にも、切替操作レバーの手動操作部を移動することによってロック機構をロック状態に切り替えることが可能になり、ドアが閉位置を維持することができるようになる。切替操作レバーの手動操作部を移動することができるのはドアを開成した場合のみであるから、これが操作される虞れもない。しかも、切換操作レバーの手動操作部の移動域から退避可能に配設され、退避した場合にのみ切換操作レバーの手動操作部が第3位置に移動することを許容する移動規制部材を設けたため、手動操作部を第1位置から第2位置に操作する間に、誤って第3位置に操作する虞れがない。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるドアロック装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明の実施の形態であるドアロック装置を概念的に示したものである。ここで例示するドアロック装置は、図5に示すように、四輪自動車の車両本体Bにおいて後席右側に配置された前方ヒンジのドアDに設けられるもので、図1に示すように、本体ケース10に装着されたラッチケース21の内部にラッチ機構20を備えている。
ラッチ機構20は、図5及び図6に示すように、車両本体Bに設けたストライカSを噛合保持するためのもので、図6に示すように、ラッチ22とラチェット23とを備えて構成してある。
ラッチ22は、ラッチケース21に形成したストライカ侵入溝21aよりも上方となる位置に、車両本体Bの前後方向に沿って略水平に延在するラッチ軸24を介して回転可能に配設したものである。このラッチ22には、噛合溝22a、フック部22b及び係止部22cが設けてある。噛合溝22aは、ラッチ22の外周面からラッチ軸24に向けて形成したもので、ストライカSを収容することのできる幅に形成してある。フック部22bは、噛合溝22aを下方に向けて開口させた場合に噛合溝22aよりも室内側に位置する部分である。このフック部22bは、図6の実線で示すように、ラッチ22を最大限反時計回りに回転させた場合にラッチケース21のストライカ侵入溝21aを横切る位置で停止する一方、図6中の二点鎖線で示すように、ラッチ22を最大限時計回りに回転させた場合にストライカ侵入溝21aを開放する位置で停止するように構成してある。係止部22cは、噛合溝22aを下方に向けて開口させた場合に噛合溝22aよりも室外側に位置する部分である。この係止部22cは、図6中の二点鎖線で示すように、ラッチ22を最大限時計回りに回転させた場合にストライカ侵入溝21aを横切り、かつこのストライカ侵入溝21aの奥方(室外側)に向けて漸次上方に傾斜する状態で停止するように構成してある。尚、図には明示していないが、ラッチ22とラッチケース21との間には、図6においてラッチ22を常時時計回りに向けて付勢するラッチバネが設けてある。
ラチェット23は、ラッチケース21のストライカ侵入溝21aよりも下方、かつラッチ軸24よりも室内側となる位置に、車両本体Bの前後方向に沿って略水平に延在するラチェット軸25を介して回転可能に配設したものである。このラチェット23には、係合部23a及び作用部23bが設けてある。係合部23aは、ラチェット軸25から室外側に向けて径外方向に延在する部分であり、ラチェット軸25を中心として回転することによりその突出端面を介して上述したラッチ22のフック部22b及び係止部22cに着脱可能に係合することが可能である。作用部23bは、ラチェット軸25から室内側に向けて径外方向に延在する部分である。このラチェット23には、車両前側となる位置にラチェット23とともに一体となってラチェット軸25の軸心回りに回転するラチェットレバー26が設けてある。ラチェットレバー26は、ラチェット軸25からラチェット23の作用部23bと同一方向に向けて延在した当接部26aを有したものである。尚、図には明示していないが、ラチェット23とラッチケース21との間には、図6においてラチェット23を常時反時計回りに向けて付勢するラチェットバネが設けてある。
上記のように構成したラッチ機構20では、図5中の二点鎖線で示すように、ドアDが車両本体Bに対して開成状態にある場合、図6中の二点鎖線で示すように、ラッチ22がストライカ侵入溝21aを開放する位置に配置されることになる。この状態から図5の実線で示すように、ドアDを閉位置に移動させると、車両本体Bに設けたストライカSが、図6に示すように、ラッチケース21のストライカ侵入溝21aに進入し、やがてストライカSがラッチ22の係止部22cに当接することになる。この結果、ラッチ22がラッチバネ(図示せず)の弾性力に抗して図6において反時計回りに回転する。この間、ラチェット23は、ラチェットバネ(図示せず)の弾性力によって係合部23aの突出端面がラッチ22の外周面に摺接することになり、ラッチ22の外周面形状に応じて適宜ラチェット軸25の軸心回りに回転する。上述した状態からさらにドアDを閉方向に移動させると、ストライカ侵入溝21aに対するストライカSの進入量が漸次増大し、やがてラチェット23の係合部23aがラッチ22の噛合溝22aに至り、その後、図6中の実線で示すように、ラッチ22のフック部22bがラチェット23の係合部23aに当接することになるため、ラッチバネ(図示せず)の弾性復元力に抗してラッチ22の時計回りの回転が阻止されることになる。この状態においては、ラッチ22のフック部22bがストライカ侵入溝21aを横切るように配置されるため、フック部22bによってストライカSがストライカ侵入溝21aの奥方(室外側)から離脱する方向へ移動する事態が阻止されるようになり、結局、ドアDが車両本体Bに対して閉じた状態に維持される(ラッチ状態)。
一方、上述したラッチ状態からラチェットバネ(図示せず)の弾性力に抗してラチェットレバー26の当接部26aを図6の上方に回転させると、ラッチ22のフック部22bとラチェット23の係合部23aとの当接係合状態が解除され、ラッチ22がラッチバネ(図示せず)の弾性復元力により図6において時計回りに回転する。この結果、図6中の二点鎖線で示すように、ストライカ侵入溝21aが開放され、ストライカSがストライカ侵入溝21aから離脱する方向に移動可能となり、ドアDを車両本体Bに対して開成移動させることができるようになる。
また、上記ドアロック装置には、図1に示すように、本体ケース10の内部にオープンレバー11、インサイドハンドルレバー12、ロック機構30が設けてある。
オープンレバー11は、図には明示していないが、車両本体Bの前後方向に沿って略水平に延在するオープンレバー軸を介して回転可能に配設したもので、動作端部11a及び受圧部11bを有している。オープンレバー11の動作端部11aは、ラチェットレバー26における当接部26aの下方域に配置してある。オープンレバー11の受圧部11bは、動作端部11aよりも下方に延在した後、車両後方に向けて屈曲延在した部分である。このオープンレバー11は、ドアDの外表面に設けたアウトサイドドアハンドルODH(図5参照)が開扉操作された場合に適宜リンクを介して回転し、動作端部11a及び受圧部11bが図1において上方に動作するものである。尚、図には明示していないが、オープンレバー11と本体ケース10との間には、図1において動作端部11a及び受圧部11bを常時下方に向けて付勢するオープンレバーバネが設けてある。
インサイドハンドルレバー12は、オープンレバー11よりも車両前方となる部位に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するインサイドレバー軸13を介して揺動可能に配設したもので、図7−1に示すように、作用端部12a、インハンロック連係部12b、セクタレバー当接部12c及びインサイドレバー軸孔12dを有している。作用端部12aは、図1及び図7−2に示すように、インサイドレバー軸13から下方に向けて延在した後、室内側に向けて屈曲し、さらに下方に向けて屈曲延在する部分であり、その先端部に適宜リンクを介してインサイドドアハンドルIDH(図5参照)が連係してある。この作用端部12aは、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作した場合に、インサイドハンドルレバー12が図1において時計回りに揺動するように構成してある。インハンロック連係部12b及びセクタレバー当接部12cは、図1に示すように、インサイドレバー軸13から車両後方に向けて延在した後、二又に延在しており、下方に向けて延在した部分がインハンロック連係部12bであり、上方に向けて延在した部分がセクタレバー当接部12cである。インサイドレバー軸孔12dは、インサイドレバー軸13が挿通可能な外径を有して形成した孔である。
ロック機構30は、アウトサイドドアハンドルODHの開扉操作によるオープンレバー11の回転動作をラッチ機構20に伝達するアンロック状態と、アウトサイドドアハンドルODHの開扉操作によるオープンレバー11の回転動作をラッチ機構20に伝達しないロック状態とに切り替わるように構成したもので、ウォームホイール31、セクタレバー32、リンクレバー33を備えている。
ウォームホイール31は、インサイドハンドルレバー12よりも車両前方となる位置に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するホイール軸34を介して回転可能に配設したもので、電動モータ(ロックアクチュエータ)35の出力軸35aに固着したウォーム36に歯合してある。このウォームホイール31には、同一軸心上に間欠ギアホイール37が固着してある。間欠ギアホイール37は、後述するセクタレバー32の間欠ドリブンギア32bに対して一方向のみの間欠動力伝達手段を構成するものである。尚、図11−2に示すように、ウォームホイール31と本体ケース10との間には、ウォームホイール31を所定の中立状態に維持するための中立復帰バネ31aが設けてある。
セクタレバー32は、ウォームホイール31よりも車両後方となる位置に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するセクタレバー軸38を介して回転可能に配設したもので、車両前方に向けて漸次拡開するセクタ状の部分を備えて形成してある。このセクタレバー32には、連結ピン32a、間欠ドリブンギア32b及びインサイドハンドルレバー当接部32cが設けてある。連結ピン32aは、セクタレバー32において室外側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。間欠ドリブンギア32bは、セクタレバー32の円弧状を成す外周面に形成した歯車であり、ウォームホイール31の間欠ギアホイール37に歯合している。インサイドハンドルレバー当接部32cは、セクタレバー32において車両後方側縁部から室内側に向けて凸設した部分である。このインサイドハンドルレバー当接部32cは、インサイドハンドルレバー12が図1において時計回りに揺動した場合に、セクタレバー当接部12cと当接するように構成してある。
図には明示していないが、これらセクタレバー32の間欠ドリブンギア32bとウォームホイール31の間欠ギアホイール37との間に構成される間欠動力伝達手段は、ウォームホイール31を適宜任意の方向に回転させることによってセクタレバー32を任意の方向に揺動させることができる一方、間欠ドリブンギア32bからの間欠ギアホイール37への動力伝達がなく、ウォームホイール31を回転させることなくセクタレバー32を任意の方向に揺動させることができるように構成してある。
リンクレバー33は、リンク本体33aの下端部に装着孔33bを有したレバー部材であり、装着孔33bにオープンレバー11の動作端部11aを挿通保持させることにより、動作端部11a及び受圧部11bと共に上下動可能、かつ動作端部11aに対して車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに揺動可能に支承させてある。このリンクレバー33には、パニックレバー当接部33c及びラチェット駆動部33dが設けてある。パニックレバー当接部33cは、リンク本体33aにおいて車両前方側に位置する端部から室内側に向けて屈曲した部分である。ラチェット駆動部33dは、リンク本体33aに構成した当接係合部分であり、装着孔33bの鉛直上方に配置した場合に、ラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向する態様で設けてある。
また、このリンクレバー33には、ロックレバー部(ロックレバー)33fが設けてある。ロックレバー部33fは、ラチェット駆動部33dを装着孔33bの鉛直上方に配置した場合に、リンク本体33aにおいて装着孔33bとラチェット駆動部33dとの間となる部位から室内側に向けて突出した後、車両後方側に向けて屈曲延在し、さらに室内側に向けて屈曲延在した部分である。このロックレバー部33fには、車両後方側に位置する部分に操作当接面33gが設けてある。操作当接面33gは、ラチェット駆動部33dを装着孔33bの鉛直上方に配置した場合にほぼ鉛直に沿って延在するように構成してある。
さらに、このリンクレバー33には、パニックレバー39が連結してある。パニックレバー39は、当該パニックレバー39において車両本体Bの左右方向に沿って略水平に形成したパニックレバー軸39aをリンクレバー33に設けた孔(図示せず)に挿通することにより揺動可能に配設したもので、車両前方に位置する端面がリンクレバー33のパニックレバー当接部33cに当接している。このパニックレバー39には、連結用溝孔39bが設けてある。連結用溝孔39bは、パニックレバー39において上下方向に沿って延在するスリット状の開口であり、その内部にセクタレバー32の連結ピン32aを移動可能に嵌合支承している。尚、図13に示すように、リンクレバー33とパニックレバー39との間には、パニックレバー当接部33cとパニックレバー39において車両前方に位置する端面とが常時当接するように付勢するパニックスプリング39cが設けてある。
さらに、上記ドアロック装置には、図1に示すように、本体ケース10の内部にチャイルドロック機構40が設けてある。チャイルドロック機構40は、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作をラッチ機構20に伝達する伝達状態と、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作をラッチ機構20に伝達しない非伝達状態とに切り替わるように構成したもので、コネクトレバー41、チャイルドレバー(切替操作レバー)42及びチャイルドピン46を備えている。
コネクトレバー41は、インサイドハンドルレバー12とリンクレバー33との間となる部位に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するコネクトレバー軸43を介して揺動可能に配設したもので、図8に示すように、収容端部41a、伝達端部41b及びコネクトレバー軸孔41dを有している。収容端部41aは、図1及び図8に示すように、コネクトレバー軸43から上方に向けて延在した部分であり、ピン収容孔41cを有している。ピン収容孔41cは、収容端部41aの延在方向に沿って形成したスリット状の開口である。図1からも明らかなように、収容端部41aに形成したピン収容孔41cは、上述したインサイドハンドルレバー12のインハンロック連係部12bがインサイドレバー軸13を中心として揺動した場合の揺動域に対して車両前方側に位置する端部がこれに含まれる一方、車両後方側に位置する端部が揺動域から逸脱するように構成してある。伝達端部41bは、図1及び図8に示すように、コネクトレバー軸43から車両後方に向けて僅かに下方に向けて傾斜延在した後、車両後方に向けて僅かに上方に向けて傾斜延在した部分であり、その延在端部がオープンレバー11における受圧部11bの下方域に配置されている。コネクトレバー軸孔41dは、コネクトレバー軸43が挿通可能な外径を有して形成した孔である。
チャイルドレバー42は、コネクトレバー41に重ね合わせる態様でコネクトレバー41と本体ケース10との間に、車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに円弧を描くように揺動可能、かつ車両本体Bの前後方向に沿って移動可能に配設してある。このチャイルドレバー42には、図9−1に示すように、スライド溝42a、チャイルドピン支承溝42b、チャイルドレバー軸溝42c、手動操作部42d、ロック操作部42e、復帰バネ当接部42f及びパワーチャイルド溝42gを有している。
スライド溝42aは、図17に示すように、上述したコネクトレバー41のコネクトレバー軸43が挿通するための略L字状の開口である。このスライド溝42aは、図9−1に示すように、スライド溝42aにおいて下方で、かつ、車両前方に位置するアンロック部42hと、スライド溝42aにおいてアンロック部42hよりも上方に位置するチャイルドロック部42iと、スライド溝42aにおいてアンロック部42hよりも車両後方に位置するエマージェンシロック部42jとを有して形成してある。これらアンロック部42h、チャイルドロック部42i及びエマージェンシロック部42jは、図1、図2及び図3に示すように、コネクトレバー軸43がスライド溝42a内で移動した場合に、当該コネクトレバー軸43が択一的に配置される部分である。
チャイルドピン支承溝42bは、図17に示すように、スリット状の開口であり、チャイルドレバー42において上方となる部位から車両前方に向けて当該チャイルドレバー42の延在方向に沿って延設してある。
チャイルドレバー軸溝42cは、図17に示すように、コネクトレバー軸43よりも車両前方となる部位に、本体ケース10において室内側に位置する面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するチャイルドレバー軸10bが挿通するためのスリット状の開口である。このチャイルドレバー軸溝42cは、チャイルドレバー軸10bがチャイルドレバー軸溝42cの延在方向に沿ってのみ移動可能となるように形成してある。
手動操作部42dは、図11−1に示すように、チャイルドレバー42において室内側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状部分である。この手動操作部42dは、本体ケース10に設けた操作孔10a及びドアDのパネルDPに設けた操作開口DPOを通じて外部に突出しており、ドアDの外部からチャイルドレバー42を、車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに円弧を描くように揺動操作及び車両本体Bの前後方向に沿って移動操作することが可能である。但し、本実施の形態では、図5に示すように、ドアDの内側面であって、しかもドアDを閉位置に配置した場合には塞がれる位置に手動操作部42dを設けるようにしている。図12に示すように、手動操作部42dが外部に露出するパネルDPの操作開口DPOには、それぞれの操作位置に対応した表示が設けてある。
また、操作孔10aは、図3に示すように、車両本体Bの前後方向に沿った直線状の部分、及びその車両後方側の端部に交差し、上述したチャイルドレバー軸10bを中心とした円弧状の部分から成る略Lの字状の開口であり、チャイルドレバー42における手動操作部42dの位置を規定するものである。図2に示すように、本体ケース10の操作孔10aにおいて下方となる位置が、手動操作部42dの第1位置である。この図2に示す状態から、手動操作部42dを車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに円弧を描くように上方に揺動した位置が、図1に示すように、手動操作部42dの第2位置である。この図1に示す状態から、手動操作部42dはさらに車両前方側に向けて図3に示す位置まで移動することができる。図3に示すように、本体ケース10の操作孔10aにおいて車両前方となる位置が、手動操作部42dの第3位置である。また、操作開口DPOは、チャイルドレバー42の手動操作部42dが操作孔10a内で移動した場合に、手動操作部42dの移動を妨げることのないように構成してある。本実施の形態では、操作開口DPOを操作孔10aと略同一の形状とし、当該操作開口DPOから操作孔10aが外部に露出するように配置してある。
ロック操作部42eは、図1及び図9−2に示すように、チャイルドレバー42において車両後方側に位置する端部から室外側に向けて突出した部分である。このロック操作部42eは、図1及び図2に示すように、チャイルドレバー42の手動操作部42dが第1位置及び第2位置に配置された場合、ほぼ鉛直に沿って延在するロックレバー部33fの操作当接面33gに対して離隔した位置に配置される一方、図3に示すように、チャイルドレバー42の手動操作部42dを第3位置に配置させた場合、操作当接面33gを介してリンクレバー33を反時計回りに回転させ、ロック機構30をロック状態に切り替えることのできる位置に設けてある。
復帰バネ当接部42fは、図11−1に示すように、チャイルドレバー軸溝42cの縁部から室外側に向けて凸設した部分である。
パワーチャイルド溝42gは、図1に示すように、チャイルドレバー42において下方に位置する端部に形成したスリット状の開口である。
さらに、チャイルドレバー42と本体ケース10との間には、図1に示すように、チャイルドレバー42を、本体ケース10において室内側に位置する面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在する復帰バネ軸10cを中心とした反時計回りに向けて常時付勢する復帰バネ45が設けてある。復帰バネ45は、上述した復帰バネ軸10cに係止部(図示せず)を支持させて配設したものであり、バネ作用部45aを有している。バネ作用部45aは、復帰バネ45の弾性復元力により、チャイルドレバー42の復帰バネ当接部42fを、復帰バネ軸10cを中心とした反時計回りに向けて押圧する部分である。
チャイルドピン46は、図1に示すように、チャイルドレバー42に装着してある。このチャイルドピン46には、図10−1に示すように、ベース部46a、装着ピン46b及び伝達ピン46cが設けてある。ベース部46aは、図10−2及び図11−2に示すように、コネクトレバー41とチャイルドレバー42との間に位置する部分である。装着ピン46bは、図10−2及び図11−2に示すように、ベース部46aにおいて室内側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起であり、その延在端部に装着ピン46bよりも大きな外径を有するストッパ部46dが形成してある。図10−2に示すように、このベース部46a、装着ピン46b及びストッパ部46dから形成される装着溝部46eに、チャイルドレバー42におけるチャイルドピン支承溝42bの縁部を嵌合することにより、チャイルドピン46がチャイルドピン支承溝42bの延在方向に沿って移動可能に装着される。伝達ピン46cは、図11−2に示すように、ベース部46aにおいて室外側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。この伝達ピン46cは、コネクトレバー41のピン収容孔41cを貫通するとともに、その突出端部がインサイドハンドルレバー12におけるインハンロック連係部12bの室外側端面を超える位置に達している。また、伝達ピン46cは、図1及び図3に示すように、チャイルドレバー42の手動操作部42dが第2位置及び第3位置に配置された場合、いずれもインサイドハンドルレバー12におけるインハンロック連係部12bの揺動域に配置される一方、図2に示すように、チャイルドレバー42の手動操作部42dが第1位置に配置された場合、インハンロック連係部12bの揺動域外に配置される。
また、チャイルドレバー42のパワーチャイルド溝42gには、図1に示すように、パワーチャイルドピン51が挿通してある。パワーチャイルドピン51は、パワーチャイルドレバー52において室内側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。このパワーチャイルドピン51は、電動モータ53の出力軸53aに固着したウォーム54が回転した場合に、パワーチャイルドレバー52の移動にともない、ウォーム54の延在方向に沿って移動可能に構成してある。
さらに、チャイルドレバー42の手動操作部42dが外部に露出するパネルDPの操作開口DPOには、図12に示すように、エマージェンシカバー(移動規制部材)60が着脱可能に装着してある。エマージェンシカバー60は、ゴムやプラスチック等の合成樹脂材料によって形成されたものであり、栓状部60a及び操作部60bを有している。栓状部60aは、パネルDPの操作開口DPOを覆う部分であり、操作スリット60c及び装着溝60dを有している。操作スリット60cは、図12に示すように、チャイルドレバー42の手動操作部42dが栓状部60aを貫通するためのスリットである。この操作スリット60cは、チャイルドレバー42の手動操作部42dが、第1位置と第2位置との間のみ移動可能となるように形成してある。装着溝60dは、図11−1に示すように、栓状部60aの外周に形成した溝であり、パネルDPの操作開口DPOの縁部と嵌合してある。操作部60bは、図12に示すように、栓状部60aの室内側に位置する端部から、パネルDPに沿って外方に向けて延在した部分である。
上記のように構成したロック機構30では、図1に示した状態がアンロック状態であり、リンクレバー33のラチェット駆動部33dが装着孔33bの鉛直上方に配置されるため、ラチェット駆動部33dがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになる。従って、この状態からアウトサイドドアハンドルODHを開扉操作し、オープンレバー11の回転動作によってリンクレバー33のリンク本体33aが上動すれば、ラチェット駆動部33dがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接してこれを上動させることになる。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にもこれが解除されるため、車両本体Bに対してドアDを開成移動させることができるようになる。
図1に示したアンロック状態から、電動モータ35の駆動によってウォームホイール31を反時計回りに回転させると、セクタレバー32がセクタレバー軸38を中心として時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン32a及びパニックレバー39を介して連係したリンクレバー33が装着孔33bを中心として反時計回りに揺動し、図13に示すロック状態となる。
このロック状態では、ラチェット駆動部33dがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対向する位置から逸脱するため、アウトサイドドアハンドルODHを開扉操作し、オープンレバー11の回転動作によってリンクレバー33のリンク本体33aが上動した場合にも、ラチェット駆動部33dがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することがない。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にはこれが維持されるため、車両本体Bに対してドアDが閉位置に維持されることになる。
図13に示すロック状態から、電動モータ35の駆動によってウォームホイール31を時計回りに回転させると、セクタレバー32がセクタレバー軸38を中心として反時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン32a及びパニックレバー39を介して連係したリンクレバー33が装着孔33bを中心として時計回りに揺動し、再び図1に示したアンロック状態に復帰する。
上記のように構成したチャイルドロック機構40では、図1及び図17に示した状態が伝達状態であり、チャイルドピン46の伝達ピン46cがインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域に配置される。この状態からインサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、インハンロック連係部12bが伝達ピン46cを下方に向けて移動させることになる。伝達ピン46cが下方に移動すると、伝達ピン46cが貫通されたコネクトレバー41が図1及び図17において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bが上方に移動するため、オープンレバー11の受圧部11bを介してリンクレバー33も上動することになる。従って、ロック機構30がアンロック状態であれば、リンクレバー33がラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することになり、ラッチ状態を解除することができる。つまり、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってドアDを開成移動させることができるようになる。
これに対してチャイルドレバー42の手動操作部42dを、図1及び図17に示す第2位置から、車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに円弧を描くように下方に揺動し、図2及び図18に示す第1位置に移動すると、チャイルドレバー42が図1及び図17においてチャイルドレバー軸10bを中心とした時計回りに揺動し、チャイルドロック部42iにコネクトレバー軸43を配置させることになる。この状態においては、チャイルドロック機構40が非伝達状態となる。この非伝達状態では、チャイルドピン46の伝達ピン46cがインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域外に配置されるため、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作してもインハンロック連係部12bと伝達ピン46cとが当接することはなく、コネクトレバー41が揺動することもない。この結果、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってはドアDを開成移動させることができないことになる。その後、チャイルドレバー42の手動操作部42dを図2及び図18に示す第1位置から、車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに円弧を描くように上方に揺動することで、図1及び図17に示す第2位置に移動し、チャイルドロック機構40を伝達状態とすることができるが、手動操作部42dを第2位置にから、図3及び図19に示す第3位置に移動することはできない。すなわち、エマージェンシカバー60がチャイルドレバー42における手動操作部42dの第3位置への移動を阻止するためである。従って、チャイルドレバー42の手動操作部42dを第1位置から第2位置に操作する間に、誤って第3位置に操作する虞れがない。
一方、エマージェンシカバー60をパネルDPの操作開口DPOから操作部60bを介して手指等で取り外すと、操作開口DPOが開放されることになり、チャイルドレバー42の手動操作部42dを第3位置に移動することが可能になる。この状態からチャイルドレバー42の手動操作部42dを、図1及び図17に示す第2位置から、復帰バネ45の弾性復元力に抗して車両前方側に向けて移動させ、図3及び図19に示す第3位置に移動すると、チャイルドレバー42が車両前方側に移動し、エマージェンシロック部42jにコネクトレバー軸43を配置させることになる。この状態においては、ロック機構30がロック状態となる。このロック状態では、ラチェット駆動部33dがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対向する位置から逸脱するため、アウトサイドドアハンドルODHを開扉操作し、オープンレバー11の回転動作によってリンクレバー33のリンク本体33aが上動した場合にも、ラチェット駆動部33dがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することがない。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にはこれが維持されるため、車両本体Bに対してドアDが閉位置に維持されることになる。
図3及び図19に示す状態からチャイルドレバー42における手動操作部42dの操作力を除去すると、当該チャイルドレバー42が復帰バネ45の弾性復元力によって車両後方側に向けて移動する。図4及び図20に示すように、チャイルドレバー42が図3及び図19において車両後方側に向けて移動すると、再びアンロック部42hにコネクトレバー軸43を配置させることになり、チャイルドレバー42の手動操作部42dが第2位置に移動する。
ところで、このロック状態では、チャイルドピン46の伝達ピン46cがインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域に配置される。この状態からインサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、インハンロック連係部12bが伝達ピン46cを下方に向けて移動させることになり、かつセクタレバー当接部12cがセクタレバー32のインサイドハンドルレバー当接部32cを車両後方に向けて移動させることになる。伝達ピン46cが下方に移動すると、伝達ピン46cが貫通されたコネクトレバー41が図4及び図20において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bが上方に移動するため、オープンレバー11の受圧部11bを介してリンクレバー33も上動することになる。一方、インサイドハンドルレバー当接部32cが車両後方に移動すると、セクタレバー32が図4及び図20において反時計回りに揺動し、その連結ピン32aが車両後方に移動するため、パニックレバー39も図4及び図20において時計回りに揺動することになる。このとき、図14に示すように、リンクレバー33のラチェット駆動部33dがラチェットレバー26の当接部26aに車両前方側から当接することになるため、パニックレバー39が、パニックスプリング39cの弾性復元力に抗してリンクレバー33のパニックレバー当接部33cとの当接状態を解除し、図4及び図20において時計回りに揺動することになる。
この状態からインサイドドアハンドルIDHの開扉操作力を除去すると、リンクレバー33が、パニックスプリング39cの弾性復元力により、再びパニックレバー当接部33cをパニックレバー39において車両前方に位置する端面と当接するよう移動することになり、かつオープンレバー11がオープンレバーバネ(図示せず)の弾性復元力により、動作端部11a及び受圧部11bを下動することになる。動作端部11a及び受圧部11bが下動すると、図15に示すように、オープンレバー11の受圧部11bを介してコネクトレバー41の伝達端部41bが下方に移動されるとともに、再びチャイルドピン46の伝達ピン46cがインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域に配置されることになる。一方、パニックレバー当接部33cがパニックレバー39において車両前方に位置する端面と当接するよう移動すると、図15に示すように、リンクレバー33のラチェット駆動部33dが装着孔33bの鉛直上方に配置されるため、ラチェット駆動部33dがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになり、ロック機構30がアンロック状態となる。この状態においては、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、インハンロック連係部12bが伝達ピン46cを下方に向けて移動させることになる。伝達ピン46cが下方に移動すると、伝達ピン46cが貫通されたコネクトレバー41が図15において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bが上方に移動するため、オープンレバー11の受圧部11bを介してリンクレバー33も上動することになる。従って、図16に示すように、リンクレバー33がラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することになり、ラッチ状態を解除することができる。つまり、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってドアDを開成移動させることができるようになる(いわゆるダブルアクション機構)。
図2及び図18に示した非伝達状態から、電動モータ35を駆動すると、図21に示すように、ロック機構30がロック状態となる。このロック状態では、チャイルドピン46の伝達ピン46cがインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域外に配置される。この状態からインサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、図22に示すように、インハンロック連係部12bと伝達ピン46cとが当接することはなく、コネクトレバー41が揺動することもないが、セクタレバー当接部12cがセクタレバー32のインサイドハンドルレバー当接部32cを車両後方に向けて移動させることになる。インサイドハンドルレバー当接部32cが車両後方に移動すると、セクタレバー32が図21において反時計回りに揺動し、その連結ピン32aが車両後方に移動するため、パニックレバー39を介してリンクレバー33も図21において時計回りに揺動することになる。
この状態からインサイドドアハンドルIDHの開扉操作力を除去すると、図2及び図18に示すように、リンクレバー33のラチェット駆動部33dが装着孔33bの鉛直上方に配置されるため、ラチェット駆動部33dがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになり、ロック機構30がアンロック状態となる。この状態においては、アウトサイドドアハンドルODHを開扉操作し、オープンレバー11の回転動作によってリンクレバー33のリンク本体33aが上動すれば、ラチェット駆動部33dがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接してこれを上動させることになる。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にもこれが解除されるため、車両本体Bに対してドアDを開成移動させることができるようになる。つまり、チャイルドロック機構40の伝達状態/非伝達状態に関わらず、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってロック状態にあるロック機構30をアンロック状態に切り替えることができることになるため、その後アウトサイドドアハンドルODHを開扉操作することにより、ラッチ機構20のラッチ状態を解除することができる。
上記のようにロック機構30及びチャイルドロック機構40を備えたドアロック装置では、通常の使用時において電動モータ35を駆動すれば、ロック機構30をロック状態とアンロック状態とに容易に切り替えることができる。
一方、電動モータ35に不具合が発生したり、図示せぬバッテリの充電電圧が低下する等して電動モータ35が駆動しない場合には、ドアDを開成した状態から手動操作部42dを、図12に示す「チャイルドロックOFF」の位置から、復帰バネ45の弾性復元力に抗して車両前方側に移動させ、「エマージェンシON」の位置に移動すれば良い。すなわち、このように手動操作部42dを操作すると、チャイルドレバー42が図1及び図17において車両前方側に向けて移動することになる。このようにチャイルドレバー42を移動すると、エマージェンシロック部42jにコネクトレバー軸43を配置させることになる。このとき、ロック操作部42eを介してリンクレバー33が揺動し、ロック機構30が図3及び図19に示すロック状態に切り替えられることになる。また、前述した復帰バネ45の作用によってチャイルドレバー42が移動することになるが、一旦ロック状態となったロック機構30は、継続してロック状態を維持することになり、車両の防盗性を確保することができる。従って、室内のロック操作部材を省略した場合に上述した状態が発生したとしても、車両の防盗性を確保することができる。
この場合、チャイルドレバー42は、ドアDを閉めた場合に塞がれる位置に設けてある。従って、仮に悪意のあるものがウィンドウガラスを破ったとしても、チャイルドレバー42の手動操作部42dを移動することが困難となる。しかも、チャイルドレバー42の手動操作部42dの移動域から退避可能に配設され、退避した場合にのみチャイルドレバー42の手動操作部42dが第3位置に移動することを許容するエマージェンシカバー60を設けたため、エマージェンシカバー60を取り外さない限り、手動操作部42dが第3位置に移動することができない。従って、手動操作部42dを第1位置から第2位置に操作する間に、誤って第3位置に操作する虞れがない。
また、電動モータ35の駆動に関わらず、ドアDを開成した状態から手動操作部42dを、図1及び図17に示す第2位置と、図2及び図18に示す第1位置との間で、車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに円弧を描くように揺動することにより、チャイルドロック機構40を伝達状態と非伝達状態とに切り替えることができる。
なお、チャイルドロック機構40の伝達状態から非伝達状態への移行は、必ずしも手動操作部42dを操作することに限らず、図1に示す状態から、通常の使用時において電動モータ53を駆動してもよい。電動モータ53を駆動すると、出力軸53a及びウォーム54を介して、パワーチャイルドレバー52がウォーム54の延在方向に沿って車両前方に移動することになる。パワーチャイルドレバー52が車両前方に移動すると、パワーチャイルドピン51を介して、チャイルドレバー42が第1位置に配置され、チャイルドロック機構40が非伝達状態となる。
なお、上述した実施の形態では、略L字状に設けた本体ケース10の操作孔10aによりチャイルドレバー42における手動操作部42dの位置を規定したが、手動操作部42dの位置は必ずしもL字状に規定されるものではなく、その他の形状でも良い。例えば、円弧状や直線状に設けた操作孔でも良い。それに加えて、上述した実施の形態では、チャイルドレバー42の手動操作部42dを第1位置から第2位置に移動した場合に、チャイルドロック機構40を非伝達状態から伝達状態に切り替えるように構成したが、手動操作部42dを第1位置から第2位置に移動した場合に、チャイルドロック機構40を伝達状態から非伝達状態に切り替えるように構成しても良い。
また、上述した実施の形態では、パネルDPの操作開口DPOを全て覆うエマージェンシカバー60を例示しているが、操作開口DPOの一部のみを覆うように構成しても良い。さらに、上述した実施の形態では、操作スリット60cを有したエマージェンシカバー60を例示しているが、操作スリット60cを設けなくても良い。例えば、図23の変形例1に示すように、チャイルドレバーの手動操作部142dの第1位置と第2位置との間となる部分の操作開口DPOのみを覆うようなエマージェンシカバー160でも同様の作用効果を奏することができる。また、図24の変形例2に示すように、チャイルドレバーの手動操作部242dの第3位置となる部分の操作開口DPOのみを覆うようなエマージェンシカバー260でも同様の作用効果を奏することができる。なお、この変形例1及び変形例2においても、エマージェンシカバー160,260が操作開口DPOに着脱可能に配設されるのは実施の形態と同じである。従って、エマージェンシカバー160,260をパネルDPの操作開口DPOから操作部160b,260bを介して手指等で取り外すと、操作開口DPOが開放されることになり、チャイルドレバーの手動操作部142d,242dを第3位置に移動することが可能になる。
さらに、上述した実施の形態、変形例1及び変形例2では、パネルDPの操作開口DPOに着脱可能に配設したエマージェンシカバーを例示しているが、必ずしも着脱可能に配設しなくても良い。例えば、操作開口DPOに対して移動可能に配設し、移動した場合にのみチャイルドレバーの手動操作部が第3位置に移動することを許容するようにしたエマージェンシカバーであっても良い。
以上のように、本発明にかかるドアロック装置は、四輪自動車等の車両に適用するドアロック装置に有用であり、特に、非常時の防盗性に配慮したドアロック装置に適している。
本発明の実施の形態であるドアロック装置を示した概念図である。 図1に示したドアロック装置においてチャイルドロック機構を非伝達状態とした場合の概念図である。 図1に示したドアロック装置において切替操作レバーの手動操作部を第3位置に移動させた場合の概念図である。 図3に示す状態から切替操作レバーにおける手動操作部の操作力を除去した状態を示す概念図である。 図1に示したドアロック装置を適用する車両の要部断面平面図である。 図1に示したドアロック装置に適用するラッチ機構の概念図である。 図1に示したドアロック装置に適用するインサイドハンドルレバーの概念図である。 図7−1に示したインサイドハンドルレバーのC矢視図である。 図1に示したドアロック装置に適用するコネクトレバーの概念図である。 図1に示したドアロック装置に適用するチャイルドレバーの概念図である。 図9−1に示したチャイルドレバーのD矢視図である。 図1に示したドアロック装置に適用するチャイルドピンの概念図である。 図10−1に示したチャイルドピンのE矢視図である。 図1におけるA−A線断面図である。 図1におけるB−B線断面図である。 図1に示したドアロック装置に適用する移動規制部材を示す概念図である。 図1に示したドアロック装置においてロック機構をロック状態とした場合の概念図である。 図4に示す状態においてインサイドドアハンドルを開扉操作した状態を示す概念図である。 図14に示す状態からインサイドドアハンドルの操作力を除去した状態を示す概念図である。 図15に示す状態においてインサイドドアハンドルを開扉操作した状態を示す概念図である。 図1に示したドアロック装置の要部拡大概念図である。 図2に示したドアロック装置の要部拡大概念図である。 図3に示したドアロック装置の要部拡大概念図である。 図4に示したドアロック装置の要部拡大概念図である。 図1に示したドアロック装置においてチャイルドロック機構を非伝達状態とし、かつ、ロック機構をロック状態とした場合の概念図である。 図21に示す状態においてインサイドドアハンドルを開扉操作した状態を示す概念図である。 図1に示したドアロック装置に適用する移動規制部材の変形例1を示す概念図である。 図1に示したドアロック装置に適用する移動規制部材の変形例2を示す概念図である。
符号の説明
10 本体ケース
10a 操作孔
10b チャイルドレバー軸
10c 復帰バネ軸
26 ラチェットレバー
26a 当接部
30 ロック機構
31 ウォームホイール
32 セクタレバー
32a 連結ピン
32b 間欠ドリブンギア
32c インサイドハンドルレバー当接部
33 リンクレバー
33a リンク本体
33b 装着孔
33c パニックレバー当接部
33d ラチェット駆動部
33f ロックレバー部
33g 操作当接面
34 ホイール軸
35 電動モータ
35a 出力軸
36 ウォーム
37 間欠ギアホイール
38 セクタレバー軸
39 パニックレバー
39a パニックレバー軸
39b 連結用溝孔
39c パニックスプリング
40 チャイルドロック機構
41 コネクトレバー
41a 収容端部
41b 伝達端部
41c ピン収容孔
41d コネクトレバー軸孔
42 チャイルドレバー
42a スライド溝
42b チャイルドピン支承溝
42c チャイルドレバー軸溝
42d 手動操作部
42e ロック操作部
42f 復帰バネ当接部
42g パワーチャイルド溝
42h アンロック部
42i チャイルドロック部
42j エマージェンシロック部
43 コネクトレバー軸
45 復帰バネ
46 チャイルドピン
46a ベース部
46b 装着ピン
46c 伝達ピン
46d ストッパ部
46e 装着溝部
60 エマージェンシカバー
60a 栓状部
60b 操作部
60c 操作スリット
60d 装着溝
B 車両本体
D ドア
DP パネル
DPO 操作開口
IDH インサイドドアハンドル
ODH アウトサイドドアハンドル
S ストライカ

Claims (1)

  1. 車両本体に対してドアが閉位置に配置された場合にラッチ状態となってドアの開方向への移動を規制するラッチ機構と、ドアハンドルから前記ラッチ機構に至るまでの間に介在し、アンロック状態においてドアハンドルが開扉操作された場合にこれをラッチ機構に伝達することによりラッチ状態を解除してドアの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはドアハンドルが開扉操作された場合にもラッチ機構のラッチ状態を維持するロック機構と、前記ロック機構をロック状態とアンロック状態とに切り替えるロックアクチュエータとを備えたドアロック装置において、
    室内に配設したインサイドドアハンドルと前記ラッチ機構との間に介在し、インサイドドアハンドルの開扉操作を前記ラッチ機構に伝達する伝達状態と、インサイドドアハンドルの開扉操作を前記ラッチ機構に伝達しない非伝達状態とに切り替え可能に構成したチャイルドロック機構と、
    手動操作部が互いに異なる第1位置と第2位置と第3位置とにそれぞれ移動可能であり、ドアを開成した状態において操作可能、かつドアを閉位置に配置した場合に操作不能となる位置に前記手動操作部を配設し、前記手動操作部を第1位置に移動した場合に前記チャイルドロック機構を非伝達状態にする一方、前記手動操作部を第2位置に移動した場合に前記チャイルドロック機構を伝達状態にする切替操作レバーと、
    前記切替操作レバーの手動操作部を第3位置に移動させた場合に動作し、前記ロック機構をロック状態に切り替えるロックレバーと、
    前記切換操作レバーの手動操作部の移動域から退避可能に配設され、退避した場合にのみ前記切換操作レバーの手動操作部が第3位置に移動することを許容する移動規制部材と
    を備えたことを特徴とするドアロック装置。
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