JP2009235612A - 編織物 - Google Patents
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Abstract
【課題】多葉形断面のポリアミド系繊維と三角または扇形断面のポリエステル系繊維からなる編織物の表面において、ポリエステル系繊維の単繊維繊度より大きい単繊維繊度のポリアミド系繊維が表面に露出している編織物であって、一般衣料用途では、肌触りがサラッとして、風合いがソフトで表面が滑らかな編織物となり、ワイピング、研磨、ラビングなどの用途では拭き取り性、研磨性、ラビング性などに優れた編織物を提供する。
【解決手段】単繊維繊度が0.1〜3デシテックスの多葉形断面のポリアミド系繊維と単繊維繊度が0.01〜1.0デシテックスの三角または扇形断面のポリエステル系繊維とからなる編織物であって、該編織物表面において、ポリアミド系繊維が表面に露出していることを特徴とする編織物。
【選択図】図1
【解決手段】単繊維繊度が0.1〜3デシテックスの多葉形断面のポリアミド系繊維と単繊維繊度が0.01〜1.0デシテックスの三角または扇形断面のポリエステル系繊維とからなる編織物であって、該編織物表面において、ポリアミド系繊維が表面に露出していることを特徴とする編織物。
【選択図】図1
Description
本発明は、一般衣料、ワイピング、研磨、ラビングなど幅広い用途に適用され、風合いがソフトで表面が極めて滑らかな編織物であり、かつ、着心地性、拭き取り性、研磨性、ラビング性などに優れたポリアミド系繊維とポリエステル系繊維とからなる編織物(織物または編物を含めて、以下、「編織物」ということがある)に関する。
従来、ポリアミド系繊維とポリエステル系繊維から構成された編織物は一般衣料、ワイピング編織物、研磨編織物、ラビング編織物などで提案されている。
すなわち、例えば、複合繊維編織物をベンジルアルコールなどの液体を使用し、分割剥離して編織物を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、複合繊維編織物を100℃のアルカリ液を使って減量してから、シュウ酸、イソプロピルアルコール及び水の混合液で剥離分割して編織物を製造する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、朱子織りからなる織物であって、細繊度単糸が外側を覆う多数のループからなる織物(例えば、特許文献3参照)も提案されている。
しかしながら、ベンジルアルコールなどによって得られた編織物は編織物中層部において未分割部が内在し、密度が緻密になりすぎるため、硬い風合いとなり、かつ、編織物内部に残存したベンジルアルコール成分がワイピング性能を阻害するなどの問題があった。
さらに、編織物表面において、細繊度単糸のポリエステル繊維が表面を覆っているため、衣料展開においては、表面は硬い風合いになる。また、ワイピング、研磨、ラビングなどにおいては表面タッチが粗硬であり、非拭き面に対し密着し難く、拭き残しなどの問題などがあり、組織を朱子織りにしても同様の問題があった。また、アルカリ減量後、シュウ酸、イソプロピルアルコールなどによる割繊で得られた編織物についても未割繊部の残存などの問題があり、十分な拭き取り性能を得ることができなかった。
特開昭50−4320号公報
特開平7−3638号公報
特開平11−114793号公報
さらに、編織物表面において、細繊度単糸のポリエステル繊維が表面を覆っているため、衣料展開においては、表面は硬い風合いになる。また、ワイピング、研磨、ラビングなどにおいては表面タッチが粗硬であり、非拭き面に対し密着し難く、拭き残しなどの問題などがあり、組織を朱子織りにしても同様の問題があった。また、アルカリ減量後、シュウ酸、イソプロピルアルコールなどによる割繊で得られた編織物についても未割繊部の残存などの問題があり、十分な拭き取り性能を得ることができなかった。
本発明の課題は、上記の従来の問題点を解決しようとするものである。
すなわち、多葉形断面のポリアミド系繊維と三角または扇形断面のポリエステル系繊維からなる編織物の表面において、ポリエステル系繊維の単繊維繊度より大きい単繊維繊度のポリアミド系繊維が表面に露出している編織物であって、一般衣料用途では、肌触りがサラッとして、風合いがソフトで表面が滑らかな編織物となり、ワイピング、研磨、ラビングなどの用途では拭き取り性、研磨性、ラビング性などに優れた編織物を提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)単繊維繊度が0.1〜3デシテックスの多葉形断面のポリアミド系繊維と単繊維繊度が0.01〜1.0デシテックスの三角または扇形断面のポリエステル系繊維とからなる編織物であって、該編織物表面において、ポリアミド系繊維が表面に露出していることを特徴とする編織物。
(1)単繊維繊度が0.1〜3デシテックスの多葉形断面のポリアミド系繊維と単繊維繊度が0.01〜1.0デシテックスの三角または扇形断面のポリエステル系繊維とからなる編織物であって、該編織物表面において、ポリアミド系繊維が表面に露出していることを特徴とする編織物。
(2)前記単繊維がポリアミド系繊維とポリエステル系繊維とが剥離分割型複合繊維であって、ポリアミド系繊維を中心にポリエステル系繊維が取り巻くように構成されていることを特徴とする前記(1)に記載の編織物。
(3)該編織物表面250倍のSEM観察写真において、ポリアミド系繊維とポリエステル系繊維が占める総面積重量に対し、ポリアミド系繊維が占める割合が10〜80%であることを特徴とする前記(1)〜(2)のいずれかに記載の編織物。
(4)割繊前の前記複合繊維のポリアミド系繊維とポリエステル系繊維との複合比率が、ポリアミド系繊維が10〜60重量%、ポリエステル系繊維が90〜40重量%であることを特徴とする前記(2)〜(3)のいずれかに記載の編織物。
(5)前記複合繊維が、生糸、または、熱ピン仮撚、エアー交絡、多軸ツイスター仮撚、撚糸から得られる少なくとも一つから選ばれた繊維であることを特徴とする前記(2)〜(4)のいずれかに記載の編織物。
(6)前記編織物の編織物組織が、平織り、綾織り、朱子織り、二重織り、丸編み、緯編、経編の少なくとも一つから選ばれた編織物であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の編織物。
(7)前記編織物の保水率が200重量%〜1,000重量%であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の編織物。
(8)前記編織物のKESで測定される曲げ硬さがタテ、ヨコとも0.005g/cm2/cm〜0.1g/cm2/cmであることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の編織物。
本発明によれば、一般衣料、ワイピング、研磨、ラビングなど幅広い用途に適用され、肌触りがサラッとしており、風合いがソフトで表面が滑らかな衣料用編織物であり、もしくは、拭き取り性、研磨性、ラビング性などに優れた編織物とすることができる。
以下、さらに詳しく本発明について説明する。
本発明は、単繊維繊度が0.1〜3デシテックスの多葉形断面のポリアミド系繊維と単繊維繊度が0.01〜1.0デシテックスの三角または扇形断面のポリエステル系繊維とからなる編織物であって、該編織物表面において、ポリアミド系繊維が表面に露出していることを特徴とする編織物に関する。
ポリアミド系繊維としては、例えばナイロン4、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610およびこれらの変性ポリアミド系繊維が好適である。ポリエステル系繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびこれらの変性ポリエステル系繊維が好適である。
ポリアミド系繊維の単繊維繊度は、0.1デシテックス〜3デシテックスであり、好ましくは0.2〜2.5デシテックスであり、より好ましくは0.3〜2デシテックスである。0.1デシテックスを下回る場合には単繊維繊度が細すぎるため、得られた編織物は腰がなく“たらたら”の風合いの編織物となる場合がある。また、3デシテックスを上回る場合には太すぎるため硬い風合いになる。
ポリエステル系繊維の単繊維繊度は0.01デシテックス〜1.0デシテックスであり、好ましくは0.05〜0.9デシテックスであり、より好ましくは0.1デシテックス〜0.8デシテックスである。0.01デシテックスを下回る場合には単繊維繊度が細すぎるため、衣料展開においては、手にまとわりつく問題があり、拭き取り性も繊維のハリ、腰が不足するため、拭けない問題がある。また、1.0デシテックスを上回る場合には太すぎるため、硬い風合いのものになる。
ポリアミド系繊維とポリエステル系繊維は、剥離分割型の複合繊維が好ましく、単繊維断面において、多葉形断面のポリアミド系繊維の周りを三角または扇形断面のポリエステル系繊維が取り巻く形で配列された複合繊維がより好ましい。
図1は本発明に好適な分割処理後の単繊維断面の模式図であり、図1の(a)〜(d)はポリアミド系繊維の単繊維断面形状であり、図1の(e)、(f)はポリエステル系繊維の分割処理後の単繊維断面形状を示す。また、図2は、本発明に適さない単繊維断面の模式図である。
図1は本発明に好適な分割処理後の単繊維断面の模式図であり、図1の(a)〜(d)はポリアミド系繊維の単繊維断面形状であり、図1の(e)、(f)はポリエステル系繊維の分割処理後の単繊維断面形状を示す。また、図2は、本発明に適さない単繊維断面の模式図である。
ポリアミド系繊維の多葉形断面形状は3〜10葉の形状であり、好ましくは4〜8葉であり、1葉の形状は中心部から外周に向かって次第に細くなり、かつ、先端は尖っていることが衣料用展開に関しては人体にサラットしたさわやかな感触を与え、ワイピング、研磨、ラビングなどに関しては尖った先端が被拭き取り面の比較的付着度合いの低い汚れ、例えば、ホコリ、ゴミなどの浮遊汚れを掻き取る点で重要である。
一方、ポリエステル系繊維は三角または扇形断面の形状が好ましい。三角または扇形断面形状は衣料展開においては、エッジ部が肌面に触れてドライ感を与え、ワイピング、研磨、ラビングなどにおいてはエッジ部が被拭き取り面の比較的付着度合いの強い汚れ、例えば油膜、皮脂汚れなど汚れを掻き取る点で重要である。すなわち、ポリアミド系繊維のしなやかでソフトな感触とポリエステル系繊維の強くて硬い感触とが調和して衣料展開においては、肌触りがサラッとしており、風合いがソフトで表面が滑らかな編織物になるのであり、ワイピング、研磨、ラビングなどに関しては浮遊した汚れやこびりついた汚れの両方を拭き残すことがない優れた編織物となるのである。
該効果は、多葉形断面のポリアミド系繊維が表面に露出することによって初めて得られるのであり、露出の程度は250倍のSEM観察写真において、ポリアミド系繊維とポリエステル系繊維とが占める総面積重量に対しポリアミド系繊維が占める割合が10〜80%であることが好ましい。さらに好ましくは15〜75%であり、より好ましくは20〜70%である。10%を下回る場合、ポリエステル系繊維の硬い風合いのみが表面に露出し、拭き取りにおいても、浮遊した汚れなどを拭きの残すことになる。80%を上回る場合には表面が柔らか過ぎるため、拭き取りにおいてはこびりついた汚れを拭き残すことになり、好ましくない。
編織物において、割繊前の複合単繊維のポリアミド系繊維とポリエステル系繊維の比率は20〜80重量%:80〜20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは25〜75重量%:75〜25重量%、より好ましくは30〜70重量%:70〜30重量%である。20〜80重量%:80〜20重量%を外れた場合、例えば15重量%:85重量%の場合はポリエステル系繊維リッチのため、硬い風合いとなる傾向がある。一方、85重量%:15重量%の場合はナイロンリッチになり、風合いはソフト傾向になるが、サラットした表面感は得難くなる。
本発明においては、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維とともに、綿、絹などの天然繊維を併用しても良い。例えば、剥離分割型複合繊維に対し、50重量%以下の割合で混繊、交織、交編などして用いることができ、一般衣料用途において、天然繊維特有の肌に優しい感触が得られる点で好ましい。
前記複合繊維糸は、生糸、または、熱ピン仮撚、エアー交絡、多軸ツイスター仮撚、撚糸から得られる少なくとも一つから選ばれた繊維であることが好ましい。より好ましくは、生糸、または、熱ピン仮撚などの加工糸が多葉形断面のポリアミド系繊維を露出させ、表面の平滑性を得る点で好ましい。
本発明の編織物を得る方法はポリアミド系繊維が表面に露出できる方法であれば、特に限定されないが、高圧下でアルカル減量割繊する方法が好ましい。高圧下でアルカル減量割繊する方法としては、例えば、液流染色機、気流染色機、タンブラー型染色機、ワッシャー型染色機などが挙げられるが、液流染色機が好ましく用いられる。該方法を用いることにより、ポリエステル系繊維がアルカリ液によって減量され、ポリアミド系繊維とポリエステル系繊維の境界に隙間が生じ割繊される。その後、ポリアミド系繊維は膨潤し、ポリエステル系繊維の表面に露出するのである。
本発明の編織物は、ソフトで表面がなめらかで肌に優しく、さらにはふきとり性等に優れることから、一般衣料としては、例えば肌着、ソックスなど、さらには夏物衣料などとして用いることができ、消費材としては、例えばワイピング、研磨、ラビングなどに好適に用いられる。
編織物の保水率は200〜1,000重量%であることが好ましく、さらに好ましくは210〜900重量%、より好ましくは220〜800重量%である。保水率は、布帛内に生成した空隙率を見るパラメータの1つであり、200重量%未満では空隙が不足し硬い風合いのものとなる場合がある。また1,000重量%を上回る場合には、“ふかつき”感が出て一般的に嫌われる傾向がある。
KESで測定される曲げ硬さは、タテ、ヨコとも0.001〜0.1g/cm2/cmであることが好ましく、さらに好ましくは0.002〜0.09g/cm2/cmであり、より好ましくは0.003〜0.008g/cm2/cmである。0.001を下回る場合には柔らかすぎるため手にまとわりついて扱い難い布帛となり、0.1g/cm2/cmを上回る場合は逆に硬い風合いとなるため、衣料用ではごわごわした感じがある。ワイピング、研磨、ラビング用途では風合いが硬いため、例えば、湾曲凹部に馴染まず拭き取り性が劣るものとなる。
布帛の組織は織物の場合は平織り、ツイル、サテン、二重織りなど、およびこれらの変則組織などが挙げられるが、平織り、ツイル、二重織りなどが安定した構造が得られる点で好適である。一方、編物では丸編み、タテ編み、デンビー編みなど、およびこれらの変形組織などが挙げられるが生産性が高く、単純な丸編みが好適である。
本発明の編織物は、ソフトで表面がなめらかで肌に優しく、さらにはふきとり性等に優れることから、一般衣料としては、例えば肌着、ソックスなど、さらには夏物衣料などとして用いることができ、消費材としては、例えばワイピング、研磨、ラビングなどに好適に用いられる。
以下実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の%とは、断らない限り重量%である。また実施例中での品質評価は次の方法に従った。
(1)保水率(%)
試料(10cm×20cm)の重量を計った後、2分間水中に完全に浸す。次に濡れた試料を引き上げて1分間ドリップ後、重量を計り、浸漬前後の重量差を次の式で求めた。
(1)保水率(%)
試料(10cm×20cm)の重量を計った後、2分間水中に完全に浸す。次に濡れた試料を引き上げて1分間ドリップ後、重量を計り、浸漬前後の重量差を次の式で求めた。
保水率(%)=100×(A−B)/B
A:浸漬後、取り上げた試料の重量
B:浸漬前の試料の重量
判定は、以下のとおりとした。
A:浸漬後、取り上げた試料の重量
B:浸漬前の試料の重量
判定は、以下のとおりとした。
○:200%以上1,000wt%以下の範囲のもの
×:上記範囲を外れるもの
(2)曲げ硬さ測定方法
カトーテック(株)製のKES−FB2を用いて、20cm×20cmの編織物を有効試料長20cm×1cmで把持し、最大曲率±2.5cm−1の条件下で曲げたときの、曲率が±0.5と±1.5cm−1の単位幅当たりの曲げモーメント(gf・cm/cm)を曲率(1cm―1)で除した値(gfcm2/cm)とした。測定は編織物のタテ方向とヨコ方向について測定した。
×:上記範囲を外れるもの
(2)曲げ硬さ測定方法
カトーテック(株)製のKES−FB2を用いて、20cm×20cmの編織物を有効試料長20cm×1cmで把持し、最大曲率±2.5cm−1の条件下で曲げたときの、曲率が±0.5と±1.5cm−1の単位幅当たりの曲げモーメント(gf・cm/cm)を曲率(1cm―1)で除した値(gfcm2/cm)とした。測定は編織物のタテ方向とヨコ方向について測定した。
判定は、以下のとおりとした。
○:0.005(g/cm2/cm)以上0.1 (g/cm2/cm)以下のもの
×:上記範囲を外れるもの
(3)拭き取り性
シリコーンオイルSH200(東レ・ダウコーニング・シリコン(株)製)を注射針で約5mgガラス板上に落とし、直径45mm重さ1kgの円柱状荷重の一端面に、厚さ1mm相当の織物を介して固定された試料(ワイピングクロス)を、ガラス板上に乗せ、10cm/min の速度で移動し、シリコーンを拭き取った。次に乾式複写機用トナーをガラス板上に振りかけ、そのトナーを圧縮空気(1kg/cm2 )で吹き飛ばした。ガラス板表面に、セロテープ(積水化学工業(株)製、登録商標)を貼りつけて、ガラス板上の残留トナーを剥ぎ取り、セロテープに付着したトナーの程度を判定した。
×:上記範囲を外れるもの
(3)拭き取り性
シリコーンオイルSH200(東レ・ダウコーニング・シリコン(株)製)を注射針で約5mgガラス板上に落とし、直径45mm重さ1kgの円柱状荷重の一端面に、厚さ1mm相当の織物を介して固定された試料(ワイピングクロス)を、ガラス板上に乗せ、10cm/min の速度で移動し、シリコーンを拭き取った。次に乾式複写機用トナーをガラス板上に振りかけ、そのトナーを圧縮空気(1kg/cm2 )で吹き飛ばした。ガラス板表面に、セロテープ(積水化学工業(株)製、登録商標)を貼りつけて、ガラス板上の残留トナーを剥ぎ取り、セロテープに付着したトナーの程度を判定した。
トナーがまったく付着していないもの(ガラス板のシリコーンを完全に拭き取ったもの)を5級、トナーが極めて多量に残るものを1級として、5段階で肉眼判定した。
判定は、以下のとおりとした。
○:3〜5級
×:1〜2級
(4)編織物のポリアミド系繊維が占める割合の測定方法
(株)キーエンス製のリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−7800を使って編織物の表面を250倍に拡大して写真撮影する。次に撮影された写真に写っているポリアミド系繊維とポリエステル系繊維とをハサミを使って切り分け、それぞれの重さの合計を研精工業(株)製の電磁式はかりHR−202iを用いて測定し以下の式で求めた。
×:1〜2級
(4)編織物のポリアミド系繊維が占める割合の測定方法
(株)キーエンス製のリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−7800を使って編織物の表面を250倍に拡大して写真撮影する。次に撮影された写真に写っているポリアミド系繊維とポリエステル系繊維とをハサミを使って切り分け、それぞれの重さの合計を研精工業(株)製の電磁式はかりHR−202iを用いて測定し以下の式で求めた。
C(%)=100×(A−B)/A+B
C(%):ポリアミド系繊維の露出率
A(g):ポリエステル系繊維の総重量
B(g):ポリアミド系繊維の総重量
判定は、以下のとおりとした。
C(%):ポリアミド系繊維の露出率
A(g):ポリエステル系繊維の総重量
B(g):ポリアミド系繊維の総重量
判定は、以下のとおりとした。
○:10〜80%
×:上記範囲を外れるもの
(実施例1)
トータル繊度が56デシテックス、18フィラメントの剥離分割型複合マルチフィラメント糸条(単糸繊維の断面形状は、中心がポリアミド成分1個の8葉形で、それを取り巻く形で扇形断面のポリエステル成分が8個配された剥離分割型の複合繊維糸であって、剥離後のポリアミド繊維の単糸繊度が0.93デシテックス、ポリエステル繊維の単糸繊度が0.27デシテックスの剥離分割型繊維)のピン仮撚加工した仮撚加工糸を緯糸に用い、経糸として56デシテックス、18フィラメントのポリエステルの高収縮糸を用い、5枚バックサテン組織の織物とした。得られた織物をアルカリ液中で120℃×90分間処理した。得られた織物のポリアミド繊維が露出している割合は51%であり、保水率は260%、曲げ硬さはタテ方向が0.0363g/cm2/cm、ヨコ方向が0.0087g/cm2/cm、拭き取り性はタテ、ヨコとも3〜4級であり、ソフトな風合いで、表面タッチは極めて滑らかで衣料用、ワイピング、研磨、ラビング用などに好適な布帛であった。結果を表1に示す。
×:上記範囲を外れるもの
(実施例1)
トータル繊度が56デシテックス、18フィラメントの剥離分割型複合マルチフィラメント糸条(単糸繊維の断面形状は、中心がポリアミド成分1個の8葉形で、それを取り巻く形で扇形断面のポリエステル成分が8個配された剥離分割型の複合繊維糸であって、剥離後のポリアミド繊維の単糸繊度が0.93デシテックス、ポリエステル繊維の単糸繊度が0.27デシテックスの剥離分割型繊維)のピン仮撚加工した仮撚加工糸を緯糸に用い、経糸として56デシテックス、18フィラメントのポリエステルの高収縮糸を用い、5枚バックサテン組織の織物とした。得られた織物をアルカリ液中で120℃×90分間処理した。得られた織物のポリアミド繊維が露出している割合は51%であり、保水率は260%、曲げ硬さはタテ方向が0.0363g/cm2/cm、ヨコ方向が0.0087g/cm2/cm、拭き取り性はタテ、ヨコとも3〜4級であり、ソフトな風合いで、表面タッチは極めて滑らかで衣料用、ワイピング、研磨、ラビング用などに好適な布帛であった。結果を表1に示す。
(実施例2)
複合繊維糸を生糸とし、織り組織を1/4のバックツイルとする以外は実施例1と同様の方法で編織物を得た。
複合繊維糸を生糸とし、織り組織を1/4のバックツイルとする以外は実施例1と同様の方法で編織物を得た。
得られた織物のポリアミド繊維が露出している割合は37%であり、保水率は266%、曲げ硬さはタテ方向が0.0362g/cm2/cm、ヨコ方向が0.0102g/cm2/cm、拭き取り性はタテ、ヨコとも3〜4級であり、ソフトな風合いの織物であり、表面タッチは極めて滑らかで衣料用、ワイピング、研磨、ラビング用などに好適な布帛であった。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1の緯糸のみを用い40ゲージの丸編み機でスムースニットを作成する以外は実施例1と同様の方法で編物を得た。得られた編物のポリアミド繊維が露出している割合は43%であり、保水率は320%、曲げ硬さはタテ方向が0.0362g/cm2/cm、ヨコ方向が0.0091g/cm2/cm、拭き取り性はタテ、ヨコとも3〜4級であり、ソフトな風合いの編物であり、表面タッチは極めて滑らかで衣料用、ワイピング、研磨、ラビング用などに好適な布帛であった。結果を表1に示す。
実施例1の緯糸のみを用い40ゲージの丸編み機でスムースニットを作成する以外は実施例1と同様の方法で編物を得た。得られた編物のポリアミド繊維が露出している割合は43%であり、保水率は320%、曲げ硬さはタテ方向が0.0362g/cm2/cm、ヨコ方向が0.0091g/cm2/cm、拭き取り性はタテ、ヨコとも3〜4級であり、ソフトな風合いの編物であり、表面タッチは極めて滑らかで衣料用、ワイピング、研磨、ラビング用などに好適な布帛であった。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1の緯糸のみを用い組織を平二重織り組織とする以外は実施例1と同様の方法で処理した。
実施例1の緯糸のみを用い組織を平二重織り組織とする以外は実施例1と同様の方法で処理した。
得られた織物のポリアミド繊維が露出している割合は38%であり、ポリエステル繊維の保水率は480%、曲げ硬さはタテ方向が0.0312g/cm2/cm、ヨコ方向が0.0086g/cm2/cm、拭き取り性はタテ、ヨコとも3〜4級であり、ソフトな風合いの織物であり、表面タッチは極めて滑らかで衣料用、ワイピング、研磨、ラビング用などに好適な布帛であった。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例3と同様の編物を用い、ベンジルアルコール100g/lの液中で95℃で30分間処理し、一般の酸性染料で染色した。得られた編物のポリアミド繊維が露出している割合は0%であり、保水率は142%、曲げ硬さはタテ0.1574、ヨコ0.0554g/cm2/cm、拭き取り性はタテ、ヨコとも1〜2級であり、染色ムラがあり、風合いが粗硬で衣料やワイピング、研磨、ラビングなどに不向きであった。結果を表1に示す。
実施例3と同様の編物を用い、ベンジルアルコール100g/lの液中で95℃で30分間処理し、一般の酸性染料で染色した。得られた編物のポリアミド繊維が露出している割合は0%であり、保水率は142%、曲げ硬さはタテ0.1574、ヨコ0.0554g/cm2/cm、拭き取り性はタテ、ヨコとも1〜2級であり、染色ムラがあり、風合いが粗硬で衣料やワイピング、研磨、ラビングなどに不向きであった。結果を表1に示す。
(比較例2)
1%水酸化ナトリウム水溶液の処理温度を、100℃で60分とする以外は実施例1と同様の処理を行った。
1%水酸化ナトリウム水溶液の処理温度を、100℃で60分とする以外は実施例1と同様の処理を行った。
得られた織物のポリアミド繊維が露出している割合は5%であり、保水率は163.2%、曲げ硬さはタテ0.1093、ヨコ0.0257g/cm2/cm、拭き取り性はタテ、ヨコとも1〜級であり風合いはかなり柔らかいが衣料用としては不十分であり、拭き取り性も1〜2級と不十分であった。結果を表1に示す
(a)〜(d):ポリアミド系繊維の単繊維断面形状
(e)、(f):ポリエステル系繊維の単繊維断面形状
(g)〜(j):ポリアミド系繊維またはポリエステル系繊維の単繊維断面形状
(e)、(f):ポリエステル系繊維の単繊維断面形状
(g)〜(j):ポリアミド系繊維またはポリエステル系繊維の単繊維断面形状
Claims (8)
- 単繊維繊度が0.1〜3デシテックスの多葉形断面のポリアミド系繊維と単繊維繊度が0.01〜1.0デシテックスの三角または扇形断面のポリエステル系繊維とからなる編織物であって、該編織物表面において、ポリアミド系繊維が表面に露出していることを特徴とする編織物。
- 前記単繊維がポリアミド系繊維とポリエステル系繊維とが剥離分割型複合繊維であって、ポリアミド系繊維を中心にポリエステル系繊維が取り巻くように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の編織物。
- 前記編織物表面250倍のSEM観察写真において、ポリアミド系繊維とポリエステル系繊維が占める総面積重量に対し、ポリアミド系繊維が占める割合が10〜80%であることを特徴とする請求項1または2に記載の編織物。
- 割繊前の前記複合繊維のポリアミド系繊維とポリエステル系繊維との複合比率がポリアミド系繊維が10〜60重量%、ポリエステル系繊維が90〜40重量%であることを特徴とする請求項2または3に記載の編織物。
- 前記複合繊維が、生糸、または、熱ピン仮撚、エアー交絡、多軸ツイスター仮撚、撚糸から得られる少なくとも一つから選ばれた繊維であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の編織物。
- 前記編織物の編織物組織が、平織り、綾織り、朱子織り、二重織り、丸編み、緯編、経編の少なくとも一つから選ばれた編織物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の編織物。
- 前記編織物の保水率が200重量%〜1,000重量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の編織物。
- 前記編織物のKESで測定される曲げ硬さがタテ、ヨコとも0.005g/cm2/cm〜0.1g/cm2/cmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の編織物。
Priority Applications (1)
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JP2008082759A JP2009235612A (ja) | 2008-03-27 | 2008-03-27 | 編織物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014227622A (ja) * | 2013-05-22 | 2014-12-08 | 東レ株式会社 | ポリエステル糸含有織物の製造方法および織物ワイパ |
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2008
- 2008-03-27 JP JP2008082759A patent/JP2009235612A/ja active Pending
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