JP2009234297A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトセパレーションとベルト耐カット性を両立させて、タイヤの耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】複数層のベルト7を具え、ベルト7は、カーカスの直上に配置されたタイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びるコードからなる二層の傾斜ベルト層10、傾斜ベルト層10のタイヤ径方向外側に配置され、傾斜ベルト層10幅よりもその幅が大きく、傾斜ベルト層10を構成するコードよりもタイヤ赤道面CLに対して大きな角度で傾斜して延びるコードからなる二層の大傾斜ベルト層9、及び大傾斜ベルト層9のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びるコードからなる二層以上の保護ベルト層8を含み、ベルト7は、隣り合う層間でコードがタイヤ赤道面CLを挟んで交差してなる空気入りタイヤ1である。傾斜ベルト層10のコード径は、大傾斜ベルト層9のコード径の65〜95%の範囲内にある。
【選択図】図1

Description

この発明は、一対のビードコアに係留した、トロイド状のカーカスのクラウン部の外周上に、複数層のベルトを具え、かかるベルトは、カーカスの直上に配置されたタイヤ赤道面に対して傾斜して延びるゴム被覆したスチールコードからなる二層の傾斜ベルト層、傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離よりもそのタイヤ幅方向距離が大きく、傾斜ベルト層を構成するコードよりもタイヤ赤道面に対して大きな角度で傾斜して延びるゴム被覆したスチールコードからなる二層の大傾斜ベルト層、及び大傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるゴム被覆したスチールコードからなる二層以上の保護ベルト層を含み、かかるベルトは、隣り合う層間でコードがタイヤ赤道面を挟んで交差してなる空気入りタイヤに関するものであり、かかる空気入りタイヤのベルトの耐久性の向上を図る。
空気入りタイヤ、特にはトラックやバス、建設車両等の重荷重車両に適用される空気入りタイヤは、相当の重量を支える必要があり、高い負荷荷重を負担するために複数層のベルトを具える。
例えば、特許文献1〜2に記載の空気入りタイヤでは、ベルトは、カーカスの直上に配置されたタイヤ赤道面に対して傾斜して延びるゴム被覆したスチールコードからなる二層の傾斜ベルト層、傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離よりもタイヤ幅方向距離が大きく、傾斜ベルト層を構成するコードよりもタイヤ赤道面に対して大きな角度で傾斜して延びるゴム被覆したスチールコードからなる二層の大傾斜ベルト層、及び大傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるゴム被覆した高伸長性のスチールコードからなる二層以上の保護ベルト層を含む。傾斜ベルト層は、スチールコードの傾斜角度が小さいことから、タイヤ周方向への張力を負担することができ、タイヤ負荷転動時などにトレッド部の径成長を抑制して、タイヤ形状を維持している。また、大傾斜ベルト層は、傾斜ベルト層よりもタイヤ赤道面に対して傾斜したコードにより構成されている。更に、保護ベルト層は、伸長し易い特性を有するコードを使用していることで、タイヤ負荷転動時に石などの突起物を踏み付けた際に、保護ベルト層が突起物からの入力による変形に追従して変形しつつも、かかる変形に抗する応力を充分に確保することができるので、大傾斜ベルト層の過剰な変形が抑制され、過剰な変形に起因した大傾斜ベルト層のコードの破断・損傷を防止してタイヤの耐久性が向上している。また、一般に、ベルト層を構成するコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角度が小さければ小さいほど、そしてベルト層のタイヤ幅方向距離が大きければ大きいほど、タイヤ負荷転動時の剪断歪みが大きくなるので、特に歪みが集中するベルトのタイヤ幅方向端とその近傍にあるゴムとがセパレーションが発生し易くなり、タイヤの耐久性が低下する。また、積層構造となっているベルトは、一部又は全ての隣り合う層間にてコードがタイヤ赤道面を挟んで交差しており、そのことから、石などの突起物を踏み付けた際の入力(以下、カット入力とする)によるベルトの破壊を抑制し、耐カット性が向上している。
特開2001−301420号公報 特開2002−362109号公報
特許文献1〜2に記載の空気入りタイヤは、複数層のベルト層を配置することで、タイヤの耐久性を向上させているものの、ベルトのタイヤ幅方向端とその近傍にあるゴムとのセパレーションの抑制と、ベルトの耐カット性の向上とを両立させて、タイヤの耐久性を一層向上させることが希求されている。
それゆえ、この発明は、ベルトのタイヤ幅方向端とその近傍にあるゴムとのセパレーションの抑制と、ベルトの耐カット性の向上とを両立させることで、タイヤの耐久性を一層向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、この発明の空気入りタイヤは、一対のビードコアに係留した、トロイド状のカーカスのクラウン部の外周上に、複数層のベルトを具え、かかるベルトは、カーカスの直上に配置されたタイヤ赤道面に対して傾斜して延びるゴム被覆したスチールコードからなる二層の傾斜ベルト層、傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離よりもそのタイヤ幅方向距離が小さく、傾斜ベルト層を構成するコードよりもタイヤ赤道面に対して大きな角度で傾斜して延びるゴム被覆したスチールコードからなる二層の大傾斜ベルト層、及び大傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるゴム被覆したスチールコードからなる二層以上の保護ベルト層を含み、ベルトは、隣り合う層間でコードがタイヤ赤道面を挟んで交差してなり、かかる傾斜ベルト層のコード径は、大傾斜ベルト層のコード径の65〜95%の範囲内にあることを特徴とする。なお、傾斜ベルト層のコード径は、大傾斜ベルト層のコード径の70〜85%の範囲内にあることがより好ましい。かかる構成では、傾斜ベルト層のコード径が、大傾斜ベルト層のコード径の65%以上の大きさであり、従来の傾斜ベルト層のコード径よりも大きくなることから、傾斜ベルト層の剛性を有効に確保して、石等により路面からの入力があっても、コードの破断・損傷が抑制され、傾斜ベルト層の耐久性を向上させることができる。また、傾斜ベルト層のコード径が、大傾斜ベルト層のコード径の95%以下であることから、傾斜ベルト層のコード径が大きくなり過ぎないので、コード径が大きくなり過ぎることによる傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端とその近傍にあるゴムとのセパレーションを抑制することができる。これらのことから、ベルトのタイヤ幅方向端とその近傍にあるゴムとのセパレーションの抑制と、ベルトの耐久性の向上とを両立させて、タイヤの耐久性を一層向上することが可能となる。なお、ここでいう「傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離」とは、傾斜ベルト層の両タイヤ幅方向端間をタイヤ幅方向に沿って計測した距離をいうものとし、「大傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離」とは、大傾斜ベルト層の両タイヤ幅方向端間をタイヤ幅方向に沿って計測した距離をいうものとする。
また、傾斜ベルト層のトリートの破断強度は、大傾斜ベルト層のトリートの破断強度の60〜110%の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは60〜90%の範囲内である。なお、ここでいう「破断強度」とは、トリート面内コードの延在方向に対し垂直方向にて50mmの範囲内にあるコードの打ち込み本数(打ち込み密度)に、加硫成型後に、一本のコードをコードの軸線方向に引っ張って破断させる際に必要な張力(引張強度)を乗じた数値で表されるものをいう。
更に、傾斜ベルト層を構成するコードは、タイヤ赤道面に対し、4〜10°の範囲内で傾斜してなることが好ましく、より好ましくは4〜7°の範囲内で傾斜してなる。
更にまた、傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離は、タイヤ断面幅の25〜45%の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは30〜40%の範囲内である。
加えて、大傾斜ベルト層を構成するコードは、タイヤ赤道面に対し、18〜35°の範囲内で傾斜してなることが好ましい。
加えてまた、大傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離は、タイヤ断面幅の55〜72%の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは60〜72%の範囲内である。
この発明によれば、ベルトのタイヤ幅方向端とその近傍にあるゴムとのセパレーションの抑制と、ベルトの耐カット性の向上とを両立させることで、タイヤの耐久性を一層向上させた空気入りタイヤの提供が可能となる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明に従う代表的な空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という。)の一部破断斜視図であり、図2は、図1に示すタイヤのトレッド半部の部分断面図である。図3は、この発明に従うその他の空気入りタイヤのトレッド半部の部分断面図である。
図1及び2に示すタイヤ1は、ビードコア2を埋設した一対のビード部3、かかるビード部3からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部4、及び両サイドウォール部4、4間にまたがって延びるトレッド部5を有する。また、このタイヤ1は、ビードコア2に係留したトロイド状のスチールカーカス6、かかるスチールカーカス6のクラウン部のタイヤ径方向外側に配置されたベルト7を具える。
この発明のタイヤは、複数層からなるベルト7を具え、かかるベルト7は、タイヤ径方向外側から順に、二層の保護ベルト層8、二層の大傾斜ベルト層9及び二層の傾斜ベルト層10を積層配置して構成されている。保護ベルト層8は、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びるゴム被覆した高伸長スチールコードからなる。高伸長スチールコードとは、高い伸び性を有し、破断までの伸びが全伸度の5〜8%以上のスチールコードをいう。大傾斜ベルト層9は、保護ベルト層8のタイヤ径方向内側に配置され、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びるゴム被覆した高張力スチールコードからなる。高張力スチールコードとは、例えば、機械的強度である引張り強さが1200N/mmのスチールコードをいう。傾斜ベルト層10は、大傾斜ベルト層9のタイヤ径方向内側に配置され、そのタイヤ幅方向距離W1が大傾斜ベルト層9のタイヤ幅方向距離W2よりも小さく、傾斜ベルト層10を構成するコードよりもタイヤ赤道面CLに対して小さな角度で傾斜して延びるゴム被覆した高張力スチールコードからなる。上述したように、保護ベルト層8は、突起等を踏み付けた際の路面からの入力による大傾斜ベルト層9の過剰な変形を抑制して、変形に起因した大傾斜ベルト層9のコードの破断・損傷を防止し、タイヤ1の耐久性を向上させる。また、大傾斜ベルト層9は、タイヤ負荷転動時に石などの突起物を踏み付けた際の路面からの入力に抗することから、かかる入力によるタイヤ1の破壊を抑制し、タイヤ1の耐久性を向上させる。更に、保護ベルト層8は、高伸長スチールコードを使用することにより、タイヤ負荷転動時に石など突起物を踏んだ際の大傾斜ベルト層9の変形を抑制し、大傾斜ベルト8の破断・損傷を防止して、ベルト7の耐久性を向上させる。更にまた、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向距離W1を、大傾斜ベルト層9のタイヤ幅方向距離W2よりも小さくして、タイヤ負荷転動時に発生する剪断歪みを小さくすることで、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向端11とその近傍にあるゴムとのセパレーションを抑制して、タイヤ1の耐久性を向上させる。また、積層構造となっているベルト7は、隣り合う層間にてコードがタイヤ赤道面CLを挟んで交差しており、そのことから、石などの突起物を踏み付けた際の種々の方向からの入力によるタイヤ1の破壊を抑制して、タイヤ1の耐久性が向上する。なお、保護ベルト層8の層数は、所望される性能に応じて、更に増やすことができ、例えば、図3に示すように、三層とすることができる。
また、この発明のタイヤ1において、傾斜ベルト層10のコード径は、大傾斜ベルト層9のコード径の65〜95%の範囲内にある。傾斜ベルト層10のコード径は、大傾斜ベルト層9のコード径の70〜90%の範囲内にあることがより好ましい。なぜなら、傾斜ベルト層10のコード径が、大傾斜ベルト層9のコード径の65%未満の大きさとなる場合には、傾斜ベルト層10の剛性が不足して、石等により路面からの入力により、コードが破断・損傷し易くなり、傾斜ベルト層10の耐久性が低下するからである。一方、傾斜ベルト層10のコード径が、大傾斜ベルト層9のコード径の95%を超える場合には、傾斜ベルト層10のコード径が大きくなり過ぎて、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向端11とその近傍にあるゴムとのセパレーションが発生し易くなるからである。これらのことから、傾斜ベルト層10のコード径を、大傾斜ベルト層9のコード径の65〜95%の範囲内に設定することにより、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向端11とその近傍にあるゴムとのセパレーションの抑制と、傾斜ベルト層10の耐久性の向上とを両立させて、タイヤ1の耐久性を一層向上させることが可能となる。
また、傾斜ベルト層10のトリートの破断強度は、大傾斜ベルト層9のトリートの破断強度の60〜110%の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは60〜90%の範囲内である。なぜなら、傾斜ベルト層10のトリートの破断強度が大傾斜ベルト層9のトリートの破断強度の60%未満の場合には、タイヤ負荷転動時に石等の突起物を踏み付けた際に、突起物からの入力により大傾斜ベルト層9のコードが破断・損傷しなくとも、傾斜ベルト層10のトリートの破断強度が不足することから、傾斜ベルト層10のコードが破断・損傷する可能性があるからである。一方、傾斜ベルト層10のトリートの破断強度が大傾斜ベルト層9のトリートの破断強度の110%を超える場合には、傾斜ベルト層10のトリートの破断強度が大きくなり過ぎることから、タイヤ負荷転動時の突起物からの入力による傾斜ベルト層10のコードの破断・損傷は有効に抑制することができるが、傾斜ベルト層10が剪断変形する際に傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向端11に応力が過剰に集中するので、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向端11とその近傍にあるゴムとのセパレーションが発生して、タイヤの耐久性が低下する可能性があるからである。
更に、傾斜ベルト層10を構成するコードは、タイヤ赤道面CLに対し、4〜10°の範囲内で傾斜してなることが好ましく、より好ましくは4〜7°の範囲内で傾斜してなる。なぜなら、傾斜ベルト層10を構成するコードが、タイヤ赤道面CLに対して4°未満で傾斜している場合には、コードのタイヤ赤道面CLに対する傾斜角度が小さくなり過ぎることから、傾斜ベルト層はタイヤ周方向への張力を充分に負担し、トレッド部5の径成長を抑制して、タイヤ形状を維持することはできるが、タイヤ負荷転動時の剪断歪みが大きくなり過ぎて、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向端11に応力が過剰に集中するので、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向端11とその近傍にあるゴムとのセパレーションが発生して、タイヤ1の耐久性が低下する可能性があるからである。一方、傾斜ベルト層10を構成するコードが、タイヤ赤道面CLに対して10°を超えて傾斜している場合には、コードのタイヤ赤道面CLに対する傾斜角度が大きくなり過ぎることから、傾斜ベルト層10は、タイヤ周方向への張力を充分に負担することができずに、トレッド部5が過剰に径成長して、タイヤ形状を維持することができない可能性があるからである。
更にまた、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向距離W1は、タイヤ断面幅W3の25〜45%の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは30〜40%の範囲内にある。なぜなら、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向距離W1が、タイヤ断面幅W3の25%未満の場合には、傾斜ベルト層10が配設されている領域が小さくなり過ぎて、タイヤ周方向への張力を負担できる範囲が限定され過ぎることから、トレッド部5の径成長を抑制することができないトレッド部領域が大きくなり過ぎて、タイヤ形状を維持することができない可能性があるからである。一方、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向距離W1が、タイヤ断面幅W3の45%を超える場合には、タイヤ負荷転動時の傾斜ベルト層10の剪断歪みが大きくなり過ぎて、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向端11に応力が過剰に集中するので、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向端11とその近傍のゴムとの剥離が発生して、タイヤの耐久性が低下する可能性があるからである。
加えて、大傾斜ベルト層9を構成するコードは、タイヤ赤道面CLに対し、18〜35°の範囲内で傾斜してなることが好ましい。なぜなら、大傾斜ベルト層9を構成するコードが、タイヤ赤道面CLに対して18°未満で傾斜している場合には、コードのタイヤ赤道面CLに対する傾斜角度が小さくなり過ぎることから、タイヤ負荷転動時の応力負担が傾斜ベルト層10に移り、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向端11に応力が過剰に集中することにより、その近傍にあるゴムとの剥離が発生し、タイヤ1の耐久性が低下する可能性があるからである。一方、大傾斜ベルト層を構成するコードは、タイヤ赤道面CLに対し、35°を超えて傾斜している場合には、タイヤ負荷転動時の応力負担が傾斜ベルト層10に移り、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向端11に応力が過剰に集中することにより、その近傍にあるゴムとの剥離が発生し、タイヤ1の耐久性が低下する可能性があるからである。
加えてまた、大傾斜ベルト層9のタイヤ幅方向距離W2は、タイヤ断面幅W3の55〜72%の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは60〜72%の範囲内である。なぜなら、大傾斜ベルト層9のタイヤ幅方向距離W2が、タイヤ断面幅W3の55%未満の場合には、大傾斜ベルト層9の配設範囲が小さくなり過ぎることから、タイヤ負荷転動時の応力負担が傾斜ベルト層10に移り、傾斜ベルト層10のタイヤ幅方向端11に応力が過剰に集中することにより、その近傍にあるゴムとの剥離が発生し、タイヤ1の耐久性が低下する可能性があるからである。一方、大傾斜ベルト層9のタイヤ幅方向距離W2が、タイヤ断面幅W3の72%を超える場合には、タイヤ負荷転動時に石などの突起物を踏み付けた際の突起物からの入力に対し有効に抗することができるが、大傾斜ベルト層9の剪断歪みが大きくなり過ぎて、その近傍にあるゴムとの剥離が発生して、タイヤ1の耐久性が低下する可能性があるからである。
なお、上述したところはこの発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を交互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、図示の例では、各種ベルト層を構成しているコードは直線状に延びるコードを使用しているが、それらを波状やジグザグ状に延びるコードとすることができる。
次に、従来のベルトを具えるタイヤ(従来例タイヤ1〜2)及びこの発明に従うベルトを具えるタイヤ(実施例タイヤ1〜6)を、タイヤサイズ53/80R63の重荷重用タイヤとして、夫々試作し、性能評価を行ったので、以下に説明する。
実施例タイヤ1〜6は、二層の傾斜ベルト層、傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離よりもそのタイヤ幅方向距離が大きい二層の大傾斜ベルト層、及び二層の保護ベルト層からなるベルトを具え、かかるベルトは、隣り合う層間でコードがタイヤ赤道面を挟んで交差している。また、傾斜ベルト層のコード径は、大傾斜ベルト層のコード径の65〜95%の範囲内にある。従来例タイヤ1〜2は、傾斜ベルト層のコード径が、大傾斜ベルト層のコード径の65〜95%の範囲内に無いこと以外は、実施例タイヤと基本的に同一の構成を具える。これらタイヤの諸元を表1に示す。なお、コード径、コードの引張強度(A)、コードの打ち込み密度(B)、及び(A)と(B)との積から求められるトリートの破断強度は、大傾斜ベルト層におけるそれらを指数化し夫々を100に換算し、傾斜ベルト層におけるそれらと比較した相対値にて夫々示している。
Figure 2009234297
これら各供試タイヤをサイズ36.00×5.0のリムに取付けてタイヤ車輪とし、タイヤの耐久性に関する以下の各種評価に供した。
平坦な路面における直進走行時の傾斜ベルト層の耐久性は、空気圧:900kPa(相対圧)を適用したそれらタイヤ車輪を、ドラム径が7mのドラム試験機上に配置して、The Tire And Rim Association, Inc.(TRA)の“Year Book”に基づく150%荷重:1223.8kNを負荷した条件下で、走行速度:8km/hに対応する回転速度でタイヤ車輪を回転させて、撮影機器により傾斜ベルト層とその近傍にあるゴムとのセパレーションに起因したトレッド部形状の変化が発生するかどうかを240時間にわたり調べることで評価した。なお、240時間経過時にトレッド部形状に変化が発生していない場合を100として指数化し、その他のタイヤにて240時間未満で変化する場合の変化までの時間を相対値として算出して評価した。なお、100を上限として数値が大きいほど耐久性に優れることを表し、数値が85以上(204時間以上に相当する)のタイヤは、平坦な路面における耐久性を充分に向上させており、市場性があると判定した。かかる数値は90以上であることが更に好ましい。その結果は表2に示す。
凹凸のある路面における直進走行時の傾斜ベルト層の耐久性(耐カット性)は、空気圧:900kPa(相対圧)を適用したそれらタイヤ車輪を、ドラム上に半径20cmの半円状突起部を一箇所有し、ドラム径が7mのドラム試験機上にタイヤの路面接地域全体が当接するよう配置して、TRAの“YEAR BOOK”に基づく100%荷重:815.9kNを負荷した条件下で、走行速度:8km/hに対応する回転速度でタイヤ車輪を回転させて、撮影機器により傾斜ベルト層の破断(カット)に起因したトレッド部形状の変化が発生するかどうかを240時間にわたり調べることで評価した。なお、240時間経過時にトレッド部形状に変化が発生していない場合を100として指数化し、その他のタイヤにて240時間未満で変化する場合の変化までの時間を相対値として算出して評価した。なお、100を上限として数値が大きいほど耐久性に優れることを表し、数値が85以上(204時間以上に相当する)のタイヤは、凹凸のある路面における直進走行時の耐久性を充分に向上させており、市場性があると判定した。かかる数値は90以上であることが更に好ましい。その結果は表2に示す。
Figure 2009234297
表2の結果から明らかなように、従来例タイヤ1〜2は、平坦な路面における傾斜ベルト層の耐久性と凹凸のある路面における傾斜ベルト層の耐久性のいずれか一方のみが向上しているのに対し、実施例タイヤ1〜6は、平坦な路面における傾斜ベルト層の耐久性と凹凸のある路面における傾斜ベルト層の耐久性がともに有効に向上しており、タイヤの耐久性が向上していた。特に、実施例タイヤ3〜5において両耐久性が向上していた。
以上のことから明らかなように、ベルトのタイヤ幅方向端とその近傍にあるゴムとのセパレーションの抑制と、ベルトの耐カット性の向上とを両立させることで、タイヤの耐久性を一層向上させた空気入りタイヤを提供することが可能となった。
この発明に従う代表的なタイヤの一部破断斜視図である。 図1に示すタイヤのトレッド半部の一部を示す断面図である。 この発明に従うその他のタイヤのトレッド半部の一部を示す断面図である。
符号の説明
1 タイヤ
2 ビードコア
3 ビード部
4 サイドウォール部
5 トレッド部
6 スチールカーカス
7 ベルト
8 保護ベルト層
9 大傾斜ベルト層
10 傾斜ベルト層
11 傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端
CL タイヤ赤道面
W1 傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離
W2 大傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離
W3 タイヤ断面幅

Claims (6)

  1. 一対のビードコアに係留した、トロイド状のカーカスのクラウン部の外周上に、複数層のベルトを具え、該ベルトは、該カーカスの直上に配置されたタイヤ赤道面に対して傾斜して延びるゴム被覆したスチールコードからなる二層の傾斜ベルト層、該傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、該傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離よりもそのタイヤ幅方向距離が大きく、該傾斜ベルト層を構成するコードよりもタイヤ赤道面に対して大きな角度で傾斜して延びるゴム被覆したスチールコードからなる二層の大傾斜ベルト層、及び該大傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるゴム被覆したスチールコードからなる二層以上の保護ベルト層を含み、該ベルトは、隣り合う層間でコードがタイヤ赤道面を挟んで交差してなる空気入りタイヤにおいて、
    前記傾斜ベルト層のコード径は、前記大傾斜ベルト層のコード径の65〜95%の範囲内にある空気入りタイヤ。
  2. 前記傾斜ベルト層のトリートの破断強度は、前記大傾斜ベルト層のトリートの破断強度の60〜110%の範囲内にある、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記傾斜ベルト層を構成するコードは、タイヤ赤道面に対し、4〜10°の範囲内で傾斜してなる、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離は、タイヤ断面幅の25〜45%の範囲内にある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記大傾斜ベルト層を構成するコードは、タイヤ赤道面に対し、18〜35°の範囲内で傾斜してなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記大傾斜ベルト層のタイヤ幅方向距離は、タイヤ断面幅の55〜72%の範囲内にある、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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