JP2011037339A - レーシングカート用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦安定性及びトラクションを向上しうる。
【解決手段】トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5で折り返されかつタイヤ赤道Cに対して80〜90度の角度で配列された有機繊維のカーカスコード6cを有する1枚のカーカスプライ6Aからなるカーカス6を具えたレーシングカート用タイヤ1である。カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に、有機繊維のバンドコード10をタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻き付けることにより形成されたバンドプライ7Aからなるバンド層7が設けられる。サイドウォール部3のカーカス6の両外側に、タイヤ半径方向内、外にのびるサイド補強コード層14が設けられる。サイド補強コード層14は、タイヤ周方向に対して25〜65度の角度で傾く補強コード15を有する2枚の補強プライ14A、14Bを補強コード15が互いに交差する向きに重ねて形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、操縦安定性及びトラクション性能を向上しうるレーシングカート用タイヤに関する。
図8(a)に示されるように、従来、レーシングカート用タイヤaとして、例えば2枚のカーカスプライb1、b2を、カーカスコード(図示省略)が互いに交差する向きに重ね合わされたバイアス構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなバイアス構造のタイヤaは、サイドウォール部dの横剛性が高く、旋回時でも優れたサイドグリップを発揮できる。他方、この種のバイアスタイヤは、カーカスbをタガ締めするベルト層等が設けられていないため、高速走行時において、トレッド部cが遠心力によって膨張変形しやすい。このようなトレッド部cの膨張変形は、トレッド接地幅を減少させ、トラクションを低下させるという問題があった。
そこで、近年では、図8(b)に示されるように、トレッド部cにベルト層fを設けたラジアル構造のレーシングカート用タイヤeが提案されている。前記ベルト層fは、カーカスbの外側かつトレッド部cの内部に有機繊維のベルトコード(図示省略)からなる2枚のベルトプライf1、f2を前記コードが互いに交差する向きに重ね合わせて形成されている。このようなレーシングカート用タイヤeは、トレッド部cの膨張変形を抑えてトレッド接地幅を確保でき、トラクションを高めうる。
特開2000−177338号公報
ところで、レーシングカートには、タイヤを路面に追従させるサスペンション機構が設けられていない。このため、旋回中には、タイヤの路面に対するキャンバー角(以下、このようなキャンバー角を「接地キャンバー角」という。)が大きくなる。従来、トレッド部cが変形し易いバイアス構造のレーシングカート用タイヤaは、旋回時において、トレッド部cを変形させて路面に追従することができた。
一方、ラジアル構造のレーシングカート用タイヤeは、トレッド部cの剛性が、バイアス構造に比して高いため、旋回時において、トレッド部cを路面に十分追従させることができず、操縦安定性が低下するという問題があった。また、サイドウォール部dの横剛性も小さく、サイドグリップにおいてもバイアスタイヤと比べて劣るものであった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、カーカスの外側にタイヤ周方向に対して5度以下の有機繊維のバンドコードを具えるバンド層を設けるとともに、サイドウォール部のカーカスの両外側に、タイヤ周方向に対して25〜65度の角度で傾く補強コードを有する2枚の補強プライを重ねてなる補強コード層を設けることを基本として、操縦安定性及びトラクションを高い次元で両立させ得るレーシングカート用タイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアで折り返されかつタイヤ赤道に対して80〜90度の角度で配列された有機繊維のカーカスコードを有する1枚のカーカスプライからなるカーカスを具えたレーシングカート用タイヤであって、前記カーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に、有機繊維のバンドコードをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻き付けることにより形成されたバンドプライからなるバンド層が設けられるとともに、前記サイドウォール部の前記カーカスの両外側に、タイヤ半径方向内、外にのびるサイド補強コード層が設けられ、かつ前記サイド補強コード層は、タイヤ周方向に対して25〜65度の角度で傾く補強コードを有する2枚の補強プライを前記補強コードが互いに交差する向きに重ねて形成されていることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、前記ビード部は、前記ビードコアから、タイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスゴムを具え、前記サイド補強コード層のタイヤ半径方向の内端は、前記ビードエーぺックスゴムのタイヤ半径方向の外端よりもタイヤ半径方向内側に位置する請求項1記載のレーシングカート用タイヤである。
また、請求項3記載の発明は、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ半径方向の高さは、タイヤ断面高さの30〜50%であり、前記サイド補強コード層のタイヤ半径方向の長さは、前記ビードエーペックスゴムの前記タイヤ半径方向の高さの70〜140%である請求項2に記載のレーシングカート用タイヤである。
また、請求項4記載の発明は、前記ビードエーペックスゴムは、100%モジュラスが10〜15MPa、かつ動的貯蔵弾性率E’が80〜130MPaである請求項2又は3に記載のレーシングカート用タイヤである。
また、請求項5記載の発明は、前記サイド補強コード層の補強コードがアラミド繊維からなる請求項1乃至4の何れかに記載のレーシングカート用タイヤである。
なお、本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法は、図示しないリムにリム組みし内圧100kPaを充填した無負荷の自然状態が示され、以下、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等はこの自然状態での値として定める。
なお、「100%モジュラス」は、JISK6251「加硫ゴムの引張試験方法」に記載の試験方法に準拠し、温度23℃において測定した100%伸張時のモジュラスである。
また、「動的貯蔵弾性率E’」は、岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータ「VES F−3型」を用いて、測定温度70℃、周波数10Hz、初期歪み10%、動的歪み2%で測定した値である。
本発明のレーシングカート用タイヤは、タイヤ赤道に対して80〜90度の角度で配列された有機繊維のカーカスコードを有する1枚のカーカスプライからなるカーカスと、カーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に、有機繊維のバンドコードをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻き付けることにより形成されたバンドプライからなるバンド層とを具え、ラジアルタイヤに特徴的な、いわゆるクロスプライのベルト層が設けられていない。このようなバンド層は、カーカスをタイヤ半径方向外側から拘束するため、遠心力によるトレッド部の膨張変形を抑え、高速直進走行時でも、トレッド接地形状を安定させ、十分なトラクションを発揮しうる。しかも、バンド層は、従来のクロスプライのベルト層に比べて、トレッド部の剛性を過度に高めることがない。従って、レーシングカート用タイヤは、接地キャンバー角が大きくなる旋回時において、トレッド部を変形させて路面に追従させることができ、操縦安定性を向上しうる。
さらに、本実施形態のレーシングカート用タイヤは、サイドウォール部のカーカスの両外側に、タイヤ半径方向内、外にのびるサイド補強コード層が設けられる。しかも、このサイド補強コード層は、タイヤ周方向に対して25〜45度の角度で傾く補強コードを有する2枚の補強プライを前記補強コードが互いに交差する向きに重ねて形成される。このようなサイド補強コード層は、バイアスタイヤの如くサイドウォール部の横剛性を高めて操縦安定性を向上しうる。
本発明のレーシングカート用タイヤの一形態を例示する断面図である。 図1のサイドウォール部及びビード部を拡大して示す断面図である。 図1の斜視図である。 サイドウォール部の構造を示す側面図である。 ベルト層と1枚のサイド補強コード層を有する比較例2のレーシングカート用タイヤを示す断面図である。 ベルト層と2枚のサイド補強コード層を有する比較例3のレーシングカート用タイヤを示す断面図である。 バンド層と1枚のサイド補強コード層を有する比較例4のレーシングカート用タイヤを示す断面図である。 (a)は従来のバイアス構造のレーシングカート用タイヤを示す断面図、(b)は、従来のラジアル構造のレーシングカート用タイヤを示す断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態のレーシングカート用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるバンド層7とを具える。
図1及び図3に示されるように、前記カーカス6は、有機繊維のカーカスコード6cをタイヤ赤道Cに対して80〜90度の角度θ1で配列したラジアル構造の1枚のカーカスプライ6Aにより構成される。カーカスコード6cとしては、例えば、アラミド、ポリエステル、ナイロン又はレーヨンなどを適宜選択でき、本実施形態ではアラミドが採用されている。
またカーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aに連なりかつビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する。
図2に拡大して示されるように、前記折返し部6bの外端6beのタイヤ半径方向の高さH3は、適宜定めることができるが、小さすぎると、ビード部4の曲げ剛性が低下するおそれがある。逆に、大きすぎると、折返し部6bの外端6beが走行中の歪が大きいサイドウォール部3側に位置し、外端6beを起点とする損傷が生じ易くなるおそれがある。このような観点により、折返し部6bの高さH3は、ビードベースラインBLからのタイヤ断面高さH(図1に示す)の、好ましくは25%以上、さらに好ましくは30%以上が望ましく、また、好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下が望ましい。
図1及び図3に示されるように、前記バンド層7は、有機繊維のバンドコード10をタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻回してなる1枚のバンドプライ7Aから形成される。本実施形態のバンドプライ7Aは、トレッド部2の略全巾に亘って配されるフルバンドプライとして示される。
バンドプライ7Aは、1本のバンドコード10又は複数本のバンドコード10の引き揃え体をトッピングゴム中に埋設した小巾の帯状プライが、タイヤ周方向に沿って螺旋状に巻回されることにより形成される。このようなバンドプライ7Aは、継ぎ目のないジョイントレス構造をなすため、タイヤのユニフォミティに優れ、かつカーカスをタイヤ半径方向外側から拘束しうる。また、バンドコード10としては、アラミド、ポリエステル、ナイロン又はレーヨンなどの有機繊維コードが採用できるが、本実施形態ではアラミド繊維が採用される。
図1及び図2に示されるように、前記ビード部4には、カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間で、ビードコア5のタイヤ半径方向の外面5oからタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスゴム8を具える。
本実施系形態のビードエーペックスゴム8は、100%モジュラスが10〜15MPa、かつ動的貯蔵弾性率E’が80〜130MPaの高弾性ゴムから形成される。このような高弾性のビードエーペックスゴム8によって、ビード部4の剛性を向上させ、タイヤの横剛性を高めうる。
なお、ビードエーペックスゴム8の100%モジュラスについては、10MPaを下回ると、ビード部4への補強効果が不十分となるおそれがある。逆に、100%モジュラスが15MPaを上回ると、隣接するサイドウォールゴム3Gとの剛性差が過度に大きくなり、走行中の歪によって損傷が生じるおそれがある。このような観点により、ビードエーペックスゴム8の100%モジュラスは、好ましくは10MPa以上が望ましく、また、好ましくは15MPa以下が望ましい。
また、ビードエーペックスゴム8の動的貯蔵弾性率E’についても、同様の観点により、好ましくは80MPa以上、さらに好ましくは85MPa以上が望ましく、また、好ましくは130MPa以下、さらに好ましくは120MPa以下が望ましい。
また、ビードエーペックスゴム8の外端8oのタイヤ半径方向の高さH2については、適宜設定することができるが、小さすぎると、サイドウォール部3の横剛性が低下し易く、逆に大きすぎると、サイドウォール部3の曲げ剛性が過度に高まり、トレッド部の接地性を悪化させるおそれがある。このような観点により、ビードエーペックスゴム8の高さH2は、タイヤ断面高さHの、好ましくは30%以上、さらに好ましくは35%以上が望ましく、また、好ましくは50%以下、さらに好ましくは45%以下が望ましい。
本実施形態のビードエーペックスゴム8は、タイヤ半径方向の外端8oが、折返し部6bの外端6beよりもタイヤ半径外側に配されている。これにより、サイドウォール部3に、大きな剛性段差が形成されるのを抑制しうる。
なお、ビードエーペックスゴム8の高さH2と、カーカス6の折返し部6bの高さH3との差(H2−H3)については、適宜設定できるが、小さすぎると、ビードエーペックスゴム8の外端8o付近に、上記剛性段差が形成され、損傷の起点になるおそれがある。このような観点により、前記高さの差(H2−H3)は、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは10mm以上が望ましい。
図1及び図3に示されるように、本実施形態のレーシングカート用タイヤ1には、各サイドウォール部3のカーカス6の外側に、タイヤ半径方向内、外にのびるサイド補強コード層14が設けられる。このサイド補強コード層14は、タイヤ周方向に対して傾斜して配列された補強コード15を有する内、外2枚の補強プライ14A、14Bから形成される。
内、外の補強プライ14A、14Bは、補強コード15をタイヤ周方向に対して傾斜して配列されたコード配列体の両面をトッピングゴムで被覆したシート状のものが用いられる。補強コード15としては、アラミド、ポリエステル、ナイロン、又はレーヨンなどの有機繊維コードを適宜選択することができるが、本実施形態では、アラミド繊維が採用される。
また、内、外の補強プライ14A、14Bは、補強コード15が互いに交差する向きに重ねられる。しかも、図4に示されるように、各プライ14A、14Bの補強コード15は、タイヤ周方向に対する角度θ2が25〜65度に設定され、タイヤ赤道Cに対して80〜90度の角度θ1で配列されたカーカスコード6cと互いに交差する。従って、サイド補強コード層14の補強コード15とカーカスコード6cとで、コードのトライアングル構造を形成し、バイアス構造の如く、サイドウォール部3の横剛性を高めることができる。
このように、本実施形態のレーシングカート用タイヤ1では、高速直進時のトレッド部2の膨張変形を抑えて、トラクションを発揮しうる。しかも、1枚のバンドプライ7Aからなるバンド層7は、従来のクロスプライのベルト層(図示省略)と比べて、トレッド部2の剛性を過度に高めることがない。従って、本発明のレーシングカート用タイヤ1は、接地キャンバー角が大きくなる旋回時においても、トレッド部2を路面に追従させることができ、操縦安定性が向上する。
さらに、本実施形態のレーシングカート用タイヤ1は、サイド補強コード層14によって、サイドウォール部3の横剛性が高められ、旋回時のサイドグリップを高め、操縦安定性をさらに向上しうる。なお、上記作用をより効果的に発揮させるに、補強コード15のタイヤ周方向に対する角度θ2は、好ましくは30度以上、さらに好ましくは40度以上が望ましく、好ましくは60度以下、さらに好ましくは50度以下が望ましい。
図2に示されるように、サイド補強コード層14のタイヤ半径方向の長さL1については、適宜設定することができるが、小さすぎると、サイドウォール部3の横剛性を十分に高めることができないおそれがある。逆に、前記長さL1が大きすぎると、タイヤの縦剛性を過度に高めてしまい、トレッド部2が路面に追従できないおそれがある。このような観点により、サイド補強コード層14の前記長さL1は、ビードエーペックスゴム8の高さH2の、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上が望ましく、また、好ましくは140%以下、さらに好ましくは130%以下が望ましい。なお、本実施形態のサイド補強コード層14の前記長さL1は、サイド補強コード層14のタイヤ半径方向の最内端14Iと、タイヤ半径方向の最外端14Oとのタイヤ半径方向の距離とする。
また、サイド補強コード層14の最外端14Oのタイヤ半径方向の高さH1についても、適宜設定することができるが、小さすぎると、サイドウォール部3の横剛性を十分に高めることができない。逆に、大きすぎると、サイドウォール部3及びバットレス部Bの剛性を過度に高めてしまうおそれがある。このような観点により、サイド補強コード層14の最外端14Oの前記高さH1は、タイヤ断面高さH(図1に示す)の、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上が望ましく、また、好ましくは85%以下、さらに好ましくは75%以下が望ましい。
サイド補強コード層14の最内端14Iのタイヤ半径方向の高さH4については、適宜設定することができるが、小さすぎると、サイドウォール部3及びビード部4の剛性を過度に高めるおそれがある。逆に、大きすぎると、サイドウォール部3の剛性を十分に高めることができない。このような観点により、サイド補強コード層14の最内端14Iの前記高さH4は、タイヤ断面高さHの、好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上が望ましく、また、好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下が望ましい。
また、サイド補強コード層14のタイヤ半径方向の最内端14Iは、ビードエーぺックスゴム8のタイヤ半径方向の外端8oよりもタイヤ半径方向内側、さらに好ましくは、折返し部6bの外端6beよりも内側に位置するのが好ましい。これにより、ビードエーペックスゴム8の外端8o、カーカスプライ6Aの折返し部6bの外端6be及びサイド補強コード層14のタイヤ半径方向の最内端14Iを、タイヤ半径方向で相互に位置ずれさせて設けることができ、サイドウォール部3に著しい剛性段差が形成されるのを抑制しうる。
なお、カーカスプライ6Aの折返し部6bの外端6beと、サイド補強コード層14の最内端14Iとのタイヤ半径方向の距離D3は、剛性段差の形成を抑制する観点により、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは10mm以上が望ましい。
また、サイド補強コード層14は、タイヤ半径方向の最内端14I及び最外端14Oにおいて、内、外の補強プライ14A、14Bをタイヤ半径方向に位置ずれさせて設けられるのが好ましい。本実施形態では、内の補強プライ14Aの内端14Aiが、外の補強プライ14Bの内端14Biよりもタイヤ半径方向外側に配されるとともに、内の補強プライ14Aの外端14Aoが、外の補強プライ14Bの外端14Boよりもタイヤ半径方向外側に配されている。これにより、サイド補強コード層14の最内端14I及び最外端14Oでの剛性変化を緩やかにし、操縦安定性を向上しうる。
なお、内の補強プライ14Aの外端14Aoと、外の補強プライ14Bの外端14Boとのタイヤ半径方向の距離D1や、内の補強プライ14Aの内端14Aiと、外の補強プライ14Bの内端14Biとのタイヤ半径方向の距離D4については、適宜設定することができるが、小さすぎると、サイドウォール部の剛性変化を十分に緩やかにできないおそれがある。逆に前記距離D1、D4が大きすぎると、内、外の補強プライ14A、14Bの重なり量が小さくなり、十分なサイド剛性が得られないおそれがある。このような観点により、前記距離D1及びD4は、好ましくは2mm以上、さらに好ましくは5mm以上が望ましく、また、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは8mm以下が望ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
タイヤサイズ11×7.10−5のスリックタイプのレーシングカート用タイヤを、表1の仕様に基づき試作し、それらの性能を比較した。
なお、比較例2、3は、図5及び図6に示される2枚のベルトプライを持ったラジアル構造のタイヤである。また、比較例4は、図7に示される1枚の補強プライのみからなるサイド補強コード層を有するタイヤである。
各レーシングカート用タイヤは、表1の記載の構成以外は、いずれも同一とした。各部の具体的な構成は次の通りである。
タイヤ断面高さH:75mm
カーカス
カーカスコード材料:アラミド
カーカスコード構成:1670(dtex/2)
カーカスコードの打ち込み本数であるエンズ:45(本/5cm)
バンド層
バンドコードのコード材料:アラミド繊維
バンドコードのコード構成:1670(dtex/3)
バンドコードの打ち込み本数であるエンズ:40(本/5cm)
サイド補強コード層
補強コードのコード材料:アラミド繊維
補強コードのコード構成:1670(dtex/2)
補強コードの打ち込み本数であるエンズ:35(本/5cm)
ベルト層
プライ数:2枚
ベルトコードのコード材料:アラミド繊維
ベルトコードのコード構成:
ベルトコードの打ち込み本数であるエンズ:35(本/5cm)
ベルトコードのタイヤ周方向に対する角度:20度
テストの方法は、次の通りである。
<操縦安定性>
各試供タイヤを排気量125ccのレーシングカートの全輪に装着し、サーキットコースを走行したときの旋回時のサイドグリップに関する特性を、ドライバーの官能評価により5点法で評価した。数値が大きいほど、操縦安定性に優れる。
<トラクション性能>
上記サーキット走行において、直進時の路面に対する駆動力の伝達度合いを、ドライバーの官能評価により5点法で評価した。数値が大きいほどトラクション性能に優れる。
<ラップタイム>
上記タイヤを上記条件で装着し、コース長716mのサーキットコースを10周走行し、2周目から10周目までのラップタイムの平均を測定した。
テストの結果などを表1に示す。
Figure 2011037339
Figure 2011037339
テストの結果、実施例のレーシングカート用タイヤは、操縦安定性及びトラクション性能を向上しうることが確認できた。
1 レーシングカート用タイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
7 バンド層
7A バンドプライ
14 サイド補強コード層
14A 補強プライ
14B 補強プライ
15 補強コード

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアで折り返されかつタイヤ赤道に対して80〜90度の角度で配列された有機繊維のカーカスコードを有する1枚のカーカスプライからなるカーカスを具えたレーシングカート用タイヤであって、
    前記カーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に、有機繊維のバンドコードをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻き付けることにより形成されたバンドプライからなるバンド層が設けられるとともに、
    前記サイドウォール部の前記カーカスの両外側に、タイヤ半径方向内、外にのびるサイド補強コード層が設けられ、かつ
    前記サイド補強コード層は、タイヤ周方向に対して25〜65度の角度で傾く補強コードを有する2枚を補強プライを前記補強コードが互いに交差する向きに重ねて形成されていることを特徴とするレーシングカート用タイヤ。
  2. 前記ビード部は、前記ビードコアから、タイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスゴムを具え、
    前記サイド補強コード層のタイヤ半径方向の内端は、前記ビードエーぺックスゴムのタイヤ半径方向の外端よりもタイヤ半径方向内側に位置する請求項1記載のレーシングカート用タイヤ。
  3. 前記ビードエーペックスゴムのタイヤ半径方向の高さは、タイヤ断面高さの30〜50%であり、
    前記サイド補強コード層のタイヤ半径方向の長さは、前記ビードエーペックスゴムの前記タイヤ半径方向の高さの70〜140%である請求項2に記載のレーシングカート用タイヤ。
  4. 前記ビードエーペックスゴムは、100%モジュラスが10〜15MPa、かつ動的貯蔵弾性率E’が80〜130MPaである請求項2又は3に記載のレーシングカート用タイヤ。
  5. 前記サイド補強コード層の補強コードがアラミド繊維からなる請求項1乃至4の何れかに記載のレーシングカート用タイヤ。
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