JP2009234152A - 離型用多層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】金型や成形材料との剥離性に優れ、しかも、金型に対する追従性や水蒸気のバリア性を向上させることのできる離型用多層フィルムを提供する。
【解決手段】モールド金型にモールド樹脂を充填して成形品を成形する場合に、モールド金型とモールド樹脂との間に介在されるフィルムであって、モールド樹脂に接触するA層1と、このA層1に対向するB層2と、これらA層1とB層2との間に介在して接着するC層3とを多層構造に備え、A層1を、熱可塑性のフッ素樹脂を用いて成形し、B層2を、芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物により成形し、C層3を、熱可塑性のフッ素樹脂とB層2用の樹脂組成物とを混合した樹脂組成物により成形する。
【選択図】図1
【解決手段】モールド金型にモールド樹脂を充填して成形品を成形する場合に、モールド金型とモールド樹脂との間に介在されるフィルムであって、モールド樹脂に接触するA層1と、このA層1に対向するB層2と、これらA層1とB層2との間に介在して接着するC層3とを多層構造に備え、A層1を、熱可塑性のフッ素樹脂を用いて成形し、B層2を、芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物により成形し、C層3を、熱可塑性のフッ素樹脂とB層2用の樹脂組成物とを混合した樹脂組成物により成形する。
【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂モールド成形やプリント配線板の製造時に用いられる離型用多層フィルムに関するものである。
従来、樹脂モールド成形装置を用いてモールド樹脂を成形加工する場合には、離型性を確保するため、図示しないモールド金型とモールド樹脂との間に離型用フィルムを介在し、この離型用フィルムによりモールド金型と成形された成形品とを離型する方法が実用化されている(特許文献1参照)。この離型用フィルムには、例えば熱可塑性フッ素樹脂のETFEやFEPからなる単層のフィルムが使用されている(特許文献2参照)。
しかしながら、係る離型用フィルムは、モールド金型やモールド樹脂との剥離性に優れるものの、硬く伸びにくく、モールド金型に対する追従性が不十分なので、モールド金型の形状がモールド樹脂に十分に転写されず、その結果、成形不良が生じてしまうという問題がある。
係る問題を解消するため、従来においては、離型用フィルムとして、結晶成分にブチレンテレフタレートを含む結晶性芳香族ポリエステル含有の樹脂組成物からなるフィルムを使用する方法が提案されている(特許文献3参照)。
特開平08‐142105号公報
特開2001‐310336号公報
特開2007‐224311号公報
係る問題を解消するため、従来においては、離型用フィルムとして、結晶成分にブチレンテレフタレートを含む結晶性芳香族ポリエステル含有の樹脂組成物からなるフィルムを使用する方法が提案されている(特許文献3参照)。
しかし、離型用フィルムとして、ブチレンテレフタレートを含む結晶性芳香族ポリエステル含有の樹脂組成物からなるフィルムを使用する場合には、軟質で伸びやすいので、モールド金型に対する追従性の向上が期待できるものの、モールド金型やモールド樹脂との剥離性に欠けるという問題が新たに生じることとなる。さらに、水蒸気の透過率が高いので、モールド樹脂から発生した水蒸気が離型用フィルムを透過してしまい、金型の汚染を招くおそれがある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、金型や成形材料との剥離性に優れ、しかも、金型に対する追従性や水蒸気のバリア性を向上させることのできる離型用多層フィルムを提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、金型に樹脂含有の成形材料を充填して成形品を成形する場合に、金型と成形材料との間に介在されるものであって、
成形材料に接触する第一層と、この第一層に対向する第二層と、これら第一層と第二層との間に介在する第三層とを含み、
第一層を、熱可塑性のフッ素樹脂を用いて成形し、第二層を、芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物により成形し、第三層を、熱可塑性のフッ素樹脂と第二層用の樹脂組成物とを混合した樹脂組成物により成形したことを特徴としている。
成形材料に接触する第一層と、この第一層に対向する第二層と、これら第一層と第二層との間に介在する第三層とを含み、
第一層を、熱可塑性のフッ素樹脂を用いて成形し、第二層を、芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物により成形し、第三層を、熱可塑性のフッ素樹脂と第二層用の樹脂組成物とを混合した樹脂組成物により成形したことを特徴としている。
なお、第一層に対向しない第二層の非対向面に、別の第三層を積層接着することができる。
また、第一層の厚さを5〜50μmとするとともに、第二層の厚さを10〜200μmとし、第三層の厚さを5〜30μmの範囲とすることができる。
また、第三層のフッ素樹脂の混合量を、全樹脂組成物の70〜90wt%の範囲とすることができる。
また、第一層の厚さを5〜50μmとするとともに、第二層の厚さを10〜200μmとし、第三層の厚さを5〜30μmの範囲とすることができる。
また、第三層のフッ素樹脂の混合量を、全樹脂組成物の70〜90wt%の範囲とすることができる。
ここで、特許請求の範囲における第三層は、第一層と第二層との間に位置してこれらを接着したり、第二層に接着するが、この場合の接着には、少なくとも固定、粘着、融着等の類似の技術が適宜含まれる。
本発明によれば、離型用多層フィルムを単層とするのではなく、少なくとも優れた水蒸気バリア性と離型性とを有する第一層、優れた離型性を有する第二層、及び優れた動的粘弾性挙動を有する第三層から多層構造に形成するので、金型に対する追従性を向上させることができ、金型の形状を樹脂を含む成形材料に適切に転写し、成形不良の発生を低減することができる。また、金型や成形材料との剥離性を向上させ、しかも、成形材料から発生した水蒸気が離型用多層フィルムを透過したり、金型の汚染を招くのを抑制することができる。
本発明によれば、金型や成形材料との剥離性に優れ、しかも、金型に対する追従性や水蒸気のバリア性を向上させることができるという効果がある。また、第一層と第二層とを第三層により接着することができるので、第一層の硬さと第二層の柔軟性とが好適にバランスし、しかも、優れた粘弾性を有する離型用多層フィルムを得ることができる。
以下、図面を参照して本発明に係る離型用多層フィルムの好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における離型用多層フィルムは、図1に示すように、モールド金型にモールド樹脂を充填して成形品を成形する場合に、モールド金型とモールド樹脂との間に介在されるフィルムであり、水蒸気バリア性と離型性とを有してモールド樹脂に接触するA層1と、離型性を有し、A層1に対向してモールド金型に接触するB層2と、動的粘弾性挙動を有し、A層1とB層2との間に介在して接着するC層3とを多層構造に備え、A層1を、熱可塑性のフッ素樹脂を用いて成形し、B層2を、芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物により成形するとともに、C層3を、熱可塑性のフッ素樹脂とB層2用の樹脂組成物とを混合してなる樹脂組成物により成形するようにしている。
A層1の熱可塑性のフッ素樹脂は、水蒸気バリア性と離型性とを有する熱可塑性のテトラフルオロエチレン系共重合体である。このテトラフルオロエチレン系共重合体としては、テトラフルオロエチレンやテトラフルオロエチレンと共重合可能なコモノマーとの共重合体があげられる。
テトラフルオロエチレン系共重合体の具体例としては、エチレン‐テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン‐パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン‐ビニリデンフロライド共重合体、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン‐ビニリデンフロライド共重合体等があげられる。
これらテトラフルオロエチレン系共重合体の融点は、離型用多層フィルムの耐熱性の点から160℃以上、好ましくは165℃以上、より好ましくは170℃以上、さらに好ましくは180℃以上が良い。これは、融点が160℃未満の場合には、離型用多層フィルムが樹脂モールドの成形時に溶融してしまうからである。
テトラフルオロエチレンと共重合可能なコモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン類、CF2=CH2、CF2=CFCI等のフルオロエチレン類、CF2=CFCF3、CF2=CHCF3等のフルオロプロピレン類、CF3CF2CF2CF2CH=CH2、CF3CF2CF2CF2CF=CH2等のパーフルオロアルキル基の炭素数が4〜12のパーフルオロアルキルエチレン類、R´(OCFXCF2)mOCF=CF2(式中、R´は炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基、mは0〜5の整数である)等のパーフルオロビニルエーテル基等があげられる。これらのコモノマーは、単独又は2種以上の組み合わせで用いられる。
B層2の芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物は、ポリエステル・ポリエーテル共重合体を必須成分とする組成物であり、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、低分子量脂肪族ジオール及び高分子量ジオールとを用いてエステル化反応させた後、重縮合反応により製造される。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、ナフタレン‐2,6‐ジカルボン酸、ナフタレン‐2,7‐ジカルボン酸等があげられ、これらのエステル形成性誘導体としては、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、オルトフタル酸ジメチル等があげられる。これらは単独又は2種以上の組み合わせで用いられるが、特にはテレフタル酸及び又はそのエステル形成性誘導体が好ましい。
低分子量脂肪族ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,4‐ブタンジオール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等があげられ、これらは単独又は2種以上の組み合わせで用いられる。この低分子量脂肪族ジオールは、1,4‐ブタンジオールが最適である。
高分子量ジオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等があげられ、これらは単独又は2種以上の組み合わせで用いられる。この高分子量ジオールとしては、ポリテトラメチレングリコールが最適である。
上記構成成分からなるポリエステル・ポリエーテル共重合体の具体例としては、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール共重合体、テレフタル酸ブタンジオールポリプロピレングリコール共重合体等があげられる。これらの樹脂組成物は、ポリエーテル骨格を主鎖中に含まない結晶性芳香族ポリエステルからなる結晶相と、ポリエーテル骨格を主鎖中に有するポリステルからなる非晶相を有することにより、高融点でありながら、柔軟性を有するという特徴を有する。
ポリエステル・ポリエーテル共重合体の融点は、離型用多層フィルムの耐熱性の点から160℃以上、好ましくは165℃以上、より好ましくは170℃以上、さらに好ましくは180℃以上が良い。これは、融点が160℃未満の場合には、離型用多層フィルムが樹脂モールドの成形時に溶融してしまうからである。
C層3は熱可塑性のフッ素樹脂とB層2用の樹脂組成物とを混合した樹脂組成物により成形されるが、フッ素樹脂の混合量は、全樹脂組成物の70〜90wt%の範囲が良い。これは、混合量が全樹脂組成物の70wt%未満の場合には、A層1との接着性が不十分になり、層間剥離の発生を招くという理由に基づく。逆に、混合量が全樹脂組成物の90wt%を超える場合には、B層2との接着性が不十分になり、層間剥離を招くという理由に基づく。
また、C層3の熱可塑性のフッ素樹脂の混合量を全樹脂組成物の70〜90wt%の範囲とすれば、動的粘弾性測定における180℃のtanδが、A層1、及びB層2単独のtanδが0.07以下であるのに対し、0.07を上回り、優れた粘弾性の離型用多層フィルムを得ることができる(この点については後述する)。これは、A層1とB層2とがC層3により接着されることで、A層1の硬さとB層2の柔軟性とが好適にバランスし、しかも、C層3で混合した2種類の樹脂が海島構造のミクロ相分離構造となり、動的粘弾性挙動が樹脂固有の挙動から変化するために起こるものと推定される。
A層1、B層2、C層3の厚さであるが、A層1の厚さは、5〜50μm、好ましくは5〜40μm、より好ましくは5〜30μmの範囲が良い。これは、A層1の厚さが5μm未満の場合には、樹脂モールド成形に使用した場合、モールド樹脂の圧力でA層1が裂け、モールド樹脂がC層3と接触してしまい、離型性が得られないという理由に基づく。逆に、A層1の厚さが50μmを超える場合には、硬く伸びにくくなり、モールド金型に対する追従性が悪化し、モールド金型の形状がモールド樹脂に十分に転写されず、成形不良が生じてしまうという理由に基づく。
B層2の厚さは、10〜200μm、好ましくは10〜150μm、より好ましくは10〜100μmの範囲が良い。これは、B層2の厚さが10μm未満の場合には、A層1の硬さとB層2の柔軟性とが適切にバランスせず、モールド金型に対する追従性が悪化するからである。逆に、B層2の厚さが200μmを超える場合には、柔軟性が増すものの、モールド金型からモールド樹脂への熱伝導が阻害され、成形品の表面にヒケ等が発生して歩留まりの低下を招くからである。
C層3の厚さは、5〜30μm、好ましくは5〜25μm、より好ましくは5〜20μmの範囲が良い。これは、C層3の厚さが5μm未満の場合には、C層3による動的粘弾性挙動の付与効果が得られなくなるからである。逆に、C層3の厚さが30μmを超える場合には、C層3におけるフッ素樹脂の含有量が増大し、硬く伸びにくくなるからである。
本実施形態における離型用多層フィルムの厚さは、15〜250μmの範囲が好ましい。これは、離型用多層フィルムの厚さが15μm未満の場合には、A層1、B層2、C層3の機能が発揮されず、離型用の用途に適さなくなるという理由に基づく。逆に、離型用多層フィルムの厚さが250μmを超える場合には、厚くなりすぎてモールド金型からモールド樹脂への熱伝導が阻害され、成形品の表面にヒケ等が発生して歩留まりの低下を招くという理由に基づく。
本実施形態における離型用多層フィルムの製造に際しては、多層インフレーション法あるいは多層Tダイ法が採用される。例えば、離型用多層フィルムを多層Tダイ法により製造する場合には、A層1、B層2、C層3用の押出機を用意して各層を形成する樹脂組成物をそれぞれ溶融し、溶融した各樹脂をTダイスからそれぞれ所定の層の厚さが得られるよう200〜300℃で共押出し、溶融したフィルムを引取機で冷却するとともに、巻取機に所定の厚さに巻き取れば良い。
上記によれば、離型用多層フィルムを単層とするのではなく、優れた水蒸気バリア性と離型性とを有するA層1、優れた離型性を有するB層2、優れた動的粘弾性挙動を有するC層3から3層の多層構造に形成するので、モールド金型に対する追従性を向上させることができ、モールド金型の形状をモールド樹脂に十分に転写し、成形不良の発生を防止することができる。また、モールド金型やモールド樹脂との剥離性を向上させ、しかも、モールド樹脂から発生した水蒸気が離型用フィルムを透過したり、金型の汚染を招くのを有効に抑制防止することができる。
次に、図2は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、A層1に対向しないB層2の非対向面に別のC層3を積層接着し、この別のC層3をB層2の代わりにモールド金型に接触させるようにしている。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、4層の多層構造に形成することができるので、離型用多層フィルムの種類の多様化を図ることができるのは明らかである。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、4層の多層構造に形成することができるので、離型用多層フィルムの種類の多様化を図ることができるのは明らかである。
なお、上記実施形態のA層1、B層2、C層3は溶融により一体形成しても良いが、何らこれに限定されるものではなく、例えば別々に製造したA層1とB層2とをC層3により接着しても良い。
以下、本発明に係る離型用多層フィルムの実施例を比較例と共に説明するが、本発明に係る離型用多層フィルムは以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例
表1に示す構成で実施例1〜3の離型用多層フィルムをそれぞれ製造し、この離型用多層フィルムの離型性、金型に対する追従性、水蒸気バリア性、実使用性を測定してその結果を表1にまとめた。
実施例
表1に示す構成で実施例1〜3の離型用多層フィルムをそれぞれ製造し、この離型用多層フィルムの離型性、金型に対する追従性、水蒸気バリア性、実使用性を測定してその結果を表1にまとめた。
表1において、離型用多層フィルムのA層を形成するA−1は融点が225℃のテトラフルオロエチレン系共重合体〔住友スリーエム社製:商品名ダイオニンTHV815G〕、A−2は融点が155℃のテトラフルオロエチレン系共重合体〔住友スリーエム社製:商品名ダイオニンTHV415G〕である。
また、B層を形成するB−1は融点が219℃のポリエステル・ポリエーテル共重合体〔東レ・デュポン社製:商品名ハイトレル7277〕、B−2は融点が154℃のポリエステル・ポリエーテル共重合体〔東レ・デュポン社製:商品名ハイトレルG3548L〕である。
また、C層を形成するC−1はダイオニンTHV815G:ハイトレル7277=75:25の混合物、C−2はダイオニンTHV815G:ハイトレル7277=85:15の混合物、C−3はダイオニンTHV815G:ハイトレル7277=65:35の混合物、C−4はダイオニンTHV815G:ハイトレル7277=95:5の混合物である。
・離型性
離型性については、離型用多層フィルムとモールド樹脂との剥離性により評価した。具体的には、離型用多層フィルムのA層上(但し、後述する比較例1、2の場合には、離型用フィルム上)にモールド樹脂としてエポキシ樹脂〔信越化学工業社製:商品名KMC−3580〕を置き、これらを、内面がハードクロムメッキされた2枚の平板金型に挟持させて熱プレス成形し、成形した積層品の離型用多層フィルムとモールド樹脂との剥離性により評価した。
離型性については、離型用多層フィルムとモールド樹脂との剥離性により評価した。具体的には、離型用多層フィルムのA層上(但し、後述する比較例1、2の場合には、離型用フィルム上)にモールド樹脂としてエポキシ樹脂〔信越化学工業社製:商品名KMC−3580〕を置き、これらを、内面がハードクロムメッキされた2枚の平板金型に挟持させて熱プレス成形し、成形した積層品の離型用多層フィルムとモールド樹脂との剥離性により評価した。
熱プレス成形は、温度180℃、圧力50kg/cm2、5分間の条件で実施した。また、剥離性の評価は、固化したモールド樹脂が離型用多層フィルム上に残ることなく剥離できた場合は「○」、固化したモールド樹脂が離型用多層フィルム上に残存した場合は「×」とした。
・金型への追従性
金型への追従性については、一般的に樹脂モールド成形が160〜180℃の範囲で行われることから、動的粘弾性測定における温度180℃でのtanδにより評価した。ここで、tanδは、動的粘弾性測定における貯蔵弾性率E´と損失弾性率E´´との比E´´/E´である。
金型への追従性については、一般的に樹脂モールド成形が160〜180℃の範囲で行われることから、動的粘弾性測定における温度180℃でのtanδにより評価した。ここで、tanδは、動的粘弾性測定における貯蔵弾性率E´と損失弾性率E´´との比E´´/E´である。
具体的には、レオメトリックス社製SOLIDS ANALYZER RSAII〔商品名〕を使用し、周波数1Hz、昇温速度5℃/min、歪み0.1%の条件下で測定された温度180℃におけるtanδであり、貯蔵弾性率E´が5.0×106MPa以上の場合に0.07〜0.20が好ましく、より好ましくは0.07〜0.15が良い。これは、tanδが0.07未満の場合には、離型用多層フィルムの弾性変形の割合が強くなりすぎ、金型に対する追従性が不十分になるからである。逆に、tanδが0.20を超える場合には、金型に対する追従性が十分ではあるものの、塑性変形の割合が強くなりすぎ、離型用多層フィルムに弛みや皺が発生するので、これらが成形品の表面に転写されて成形不良の発生を招くからである。
貯蔵弾性率E´は、5.0×106MPa以上であることを要する。これは、貯蔵弾性率E´が5.0×106MPa未満の場合には、使用時にモールド樹脂の圧力により離型用多層フィルムが破れ、耐熱性が不足するからである。
・水蒸気バリア性
水蒸気バリア性については、水蒸気透過率により評価した。この水蒸気透過率は、JIS Z0208で測定した値であり、100g/m2・24h以下が好ましく、より好ましくは80g/m2・24h以下、さらに好ましくは60g/m2・24h以下が良い。これは、水蒸気透過率が100g/m2・24hを超える場合には、水蒸気のバリア性が不十分になり、モールド樹脂から発生した水蒸気がフィルムを透過して金型の汚染を招くおそれがあるからである。
水蒸気バリア性については、水蒸気透過率により評価した。この水蒸気透過率は、JIS Z0208で測定した値であり、100g/m2・24h以下が好ましく、より好ましくは80g/m2・24h以下、さらに好ましくは60g/m2・24h以下が良い。これは、水蒸気透過率が100g/m2・24hを超える場合には、水蒸気のバリア性が不十分になり、モールド樹脂から発生した水蒸気がフィルムを透過して金型の汚染を招くおそれがあるからである。
・実使用性
実使用性については、モールディング装置で樹脂モールド成形することにより確認・評価した。具体的には、モールディング装置として、アピックヤマダ社製のモールディング装置〔商品名G−LINE manual press〕を用いるとともに、樹脂モールドのモールド樹脂として、エポキシ樹脂〔信越化学工業社製:商品名KMC−3580〕を用い、実使用性を目視により確認した。
実使用性については、モールディング装置で樹脂モールド成形することにより確認・評価した。具体的には、モールディング装置として、アピックヤマダ社製のモールディング装置〔商品名G−LINE manual press〕を用いるとともに、樹脂モールドのモールド樹脂として、エポキシ樹脂〔信越化学工業社製:商品名KMC−3580〕を用い、実使用性を目視により確認した。
実使用性の評価は、成形品に成形不良がなく、離型用多層フィルムに溶融、破れ、層間剥離、モールド樹脂の残りがなく、モールド金型に汚れがない場合を「○」とし、いずれかに不具合があった場合を「×」とした。
比較例
表1に示す構成で比較例1〜10の離型用フィルムをそれぞれ製造し、この離型用フィルムの離型性、金型に対する追従性、水蒸気バリア性を計測してその結果を表2、表3にまとめた。同表において、離型用フィルムの構成は表1と同様である。その他は、実施例と同様とした。
表1に示す構成で比較例1〜10の離型用フィルムをそれぞれ製造し、この離型用フィルムの離型性、金型に対する追従性、水蒸気バリア性を計測してその結果を表2、表3にまとめた。同表において、離型用フィルムの構成は表1と同様である。その他は、実施例と同様とした。
表1から明らかなように、実施例1〜3の離型用多層フィルムは、優れた離型性、金型に対する追従性、水蒸気バリア性、実使用性を得ることができた。これに対し、比較例1〜10の離型用フィルムは、表2や表3から明らかなように、離型性、金型に対する追従性、水蒸気バリア性、実使用性が不十分であり、好適な結果を得ることができなかった。
1 A層(第一層)
2 B層(第二層)
3 C層(第三層)
2 B層(第二層)
3 C層(第三層)
Claims (2)
- 金型に樹脂含有の成形材料を充填して成形品を成形する場合に、金型と成形材料との間に介在される離型用多層フィルムであって、
成形材料に接触する第一層と、この第一層に対向する第二層と、これら第一層と第二層との間に介在する第三層とを含み、
第一層を、熱可塑性のフッ素樹脂を用いて成形し、第二層を、芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物により成形し、第三層を、熱可塑性のフッ素樹脂と第二層用の樹脂組成物とを混合した樹脂組成物により成形したことを特徴とする離型用多層フィルム。 - 第一層に対向しない第二層の非対向面に、別の第三層を積層接着した請求項1記載の離型用多層フィルム。
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---|---|---|---|---|
JP2011201035A (ja) * | 2010-03-24 | 2011-10-13 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 離型用フィルム |
JP2011201034A (ja) * | 2010-03-24 | 2011-10-13 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 離型用フィルム |
CN114393904A (zh) * | 2022-01-20 | 2022-04-26 | 宁波勤邦新材料科技有限公司 | 一种多层陶瓷电容器用离型膜的基膜 |
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2008
- 2008-03-28 JP JP2008085542A patent/JP2009234152A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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