JP2009233703A - 連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレークアウトの発生防止に優れるスラブの連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】スラブの連続鋳造中に、鋳造条件から短辺バルジング量δを求め、予め設定した短辺バルジング量のしきい値δcと比較し、δ≧δcとなった場合に、δ<δcとなるように鋳造条件を変更する。鋳造条件から短辺バルジング量δを求める際、鋳造条件として、溶鋼成分等を用いてその値を計算機に伝送し、計算機にてオンラインで鋳造中のスラブ断面の伝熱凝固解析を行い、凝固シェル厚dを計算値として求め、その凝固シェル厚dから短辺バルジング量δを計算によって求める。または、鋳造条件として、溶鋼成分、溶鋼温度、鋳型における鋳片抜熱量、鋳片幅、鋳片厚、鋳造速度、二次冷却水量、二次冷却水温、二次冷却空気量を用いて、予め作成した短辺バルジング量δのデータベースから短辺バルジング量δを求める。
【選択図】図3

Description

本発明は、ブレークアウトの発生防止に優れるスラブの連続鋳造方法に関する。
連続鋳造によるスラブの製造においては、主に鋼種に応じて鋳造速度を調整(上限設定)し、表面や内部の割れが防止され、連鋳機内での凝固が完了する、適正な凝固を可能としている。
凝固シェルの成長は、1.成分や成分から求まるTSL(固相線温度),ZDT(延性消失温度),2.鋳造速度、3.鋳型、二次冷却帯での抜熱量、4.溶鋼温度などにより変化する。
凝固シェル成長が遅れ、シェルの厚みが薄くなるとシェルの変形が発生する。特に短辺バルジングが大きくなると内部割れを生じたり、溶鋼静圧に耐えられず、シェルが破断し、ブレークアウトに至ることがある。
シェル成長を確保するには速度を下げることが最も効果的だが、条件によっては下げすぎとなることがあり、生産性を阻害する。
また、特許文献1はモールド内の溶融金属の流動を適正化してモールド短辺におけるバルジングの発生を抑制した連続鋳造方法に関し、短辺バルジングの抑止方法として3孔ノズルによって短辺への溶鋼吐出量の衝突を低減する方法が提案されている。
特開2004−283850号公報
特許文献1の方法では、モールド短辺への向かう溶鋼流量を小さく抑えることができるために、凝固シェルの再溶解が抑制され凝固シェルの成長には有利であるが、凝固シェルの成長に影響を与える要因は鋳造速度、二次冷却速度等多くの要因があり十分ではない。
また、特許文献1の方法では、浸漬ノズルの開孔を3孔として下向きの吐出孔が設けられ、溶鋼流は鋳型の下方まで深く侵入し、侵入流に随伴して脱酸生成物を主体とする介在物も深く侵入するために介在物による欠陥が生じ品質上に大きな問題がある。
本発明は、連続鋳造中のストランド内で鋳片短辺の凝固シェル厚およびバルジング量を迅速かつ精度良く推定してブレークアウトの抑制を図ることを課題とする。
本発明の課題は以下の手段で達成可能である。
1.スラブの連続鋳造中に、鋳造条件から短辺バルジング量δを求め、予め設定した短辺バルジング量のしきい値δcと比較し、δ≧δcとなった場合に、δ<δcとなるように鋳造条件を変更することを特徴とするスラブの連続鋳造方法。
2.連続鋳造機に対して鋳込み方向に連続する複数のゾーンを設定すると共に、連続鋳造中のストランド内に所定長さの鋳込みが進行する毎に鋳込み方向に垂直な計算面を発生させ、該計算面が前記各ゾーンを通過し、次のゾーン入側境界に到達した時点で、該計算面が直前に通過したゾーンの平均冷却条件に基づいて該計算面内の2次元凝固計算を行い、その結果から凝固シェル厚を求めた後、短辺バルジング量δを求め、その2次元凝固計算から得られた該計算面内の温度分布を、前記次のゾーンを通過し、更に次のゾーン入側境界に到達した時点で行う前記凝固計算の初期値として与えて、順次前記計算面内の凝固計算を行うことにより、その結果から前記計算面毎に凝固シェル厚を求めた後、短辺バルジング量δをそれぞれ求め、予め各計算面毎に設定した短辺バルジング量の閾値δcと比較し、δ≧δcとなった場合には、δ<δcとなるように鋳造条件を変更することを特徴とする1に記載の連続鋳造方法。
3.鋳造条件から短辺バルジング量δを求める際、鋳造条件として、溶鋼成分、溶鋼温度、鋳型における鋳片抜熱量、鋳片幅、鋳片厚、鋳造速度、二次冷却水量、二次冷却水温、二次冷却空気量を用い、これらの値を計算機に伝送し、計算機にてオンラインで鋳造中のスラブ断面の伝熱凝固解析を行い、凝固シェル厚dを計算値として求め、その凝固シェル厚dから短辺バルジング量δを計算によって求めることを特徴とする1または2に記載のスラブの連続鋳造方法。
4.鋳造条件から短辺バルジング量δを求める際、鋳造条件として、溶鋼成分、溶鋼温度、鋳型における鋳片抜熱量、鋳片幅、鋳片厚、鋳造速度、二次冷却水量、二次冷却水温、二次冷却空気量を用い、これらの値を用いて、予め伝熱凝固解析にて求めておいた短辺バルジング量のデータベースから短辺バルジング量δを求めることを特徴とする1または2に記載のスラブの連続鋳造方法。
本発明によれば、以下の作用効果が得られ、生産性が向上し、産業上極めて有用である。
1.過大な短辺バルジングが抑止され、これに伴うブレークアウトの発生、クレーントングでの吊り下げ不可による搬送不可、内部割れの発生等のトラブルが減少する。
2.短辺バルジングを抑止するために、一律に鋳造速度を低下させることを回避できる。
本発明は、スラブの連続鋳造中に一定間隔ごとに発生させる鋳造方向と垂直な断面について、鋳造条件から短辺バルジング量δを求め、内部割れやブレークアウトを生じないように予め設定した短辺バルジング量のしきい値δcと比較し、δ≧δcとなった場合に、アラームを発するとともに、δ<δcとなるように鋳造条件を変更することを特徴とし、1.伝熱モデルから短辺バルジング量δを求める場合と2.予め、作成した短辺バルジング量に関するデータベースを利用する場合がある。以下、本発明を実施する手順を具体的に説明する。
本発明を適用する連続鋳造機の一例の概略構造を図1を用いて説明する。図示した垂直曲げ型連続鋳造機では、タンディッシュ1から浸漬ノズル2を介して水冷鋳型3内に注入された溶鋼4は、鋳型3内においてその表層が凝固し内部は溶融状態のまま、鋳片5として引き抜かれ、該鋳片5は、鋳型3の下から連続鋳造機の機端Eに至るまでの範囲(これを「二次冷却帯」という)において、図示しないスプレー冷却とサポートロール群6による接触冷却によって次第にその凝固シェルの厚みを増し、連続鋳造機機端Eを出る以前に全厚みに亘って凝固を完了するように制御が行われる。
その際、二次冷却帯では鋳片5はサポートロール群6によって保持されつつ、ピンチロール(サポートロール群6に含まれる)によって所定の鋳造速度にて引き抜かれる。
垂直曲げ型連続鋳造機にあっては、図示のように鋳型3の下に所定長さの垂直部が続いた後、曲げ部において所定の曲率にまで曲げられる。その後、鋳片5の移動方向が水平方向となる位置で矯正ロール(サポートロール群6に含まれる)によって曲げ延ばされて水平となり連続鋳造機機端Eへと導かれる。その後、連続鋳造機機端Eから機外へ出た鋳片5は、トーチカッタ7によって所定の長さに切断され、個々のスラブとされる。
本発明の実施においては、図1に併せて示したように、凝固シェル厚、バルジング量の計算を行うために、この二次冷却帯を鋳込み方向に複数のゾーン(以下計算ゾーン)11〜20に分割する。尚、図では二次冷却帯を10個の計算ゾーンに分割しているが、必ずしも10個である必要はない。
計算ゾーンは、通常二次冷却のスプレー条件(冷却条件)を管理するために設けてあるスプレーゾーン(冷却ゾーン)に一致させることが好ましい。各スプレーゾーン内ではスプレー条件が一定であるのでゾーン境界で行う、凝固シェル厚を求める計算精度が高まるからである。
以下、本発明における短辺バルジング量を求める計算手法の一例を説明する。説明では図1の連鋳機における鋳片を計算のために分割した図2と、計算手法のフローチャートを示す図3を用いる。
図2において鋳型3内とそれに続くストランド部分に1〜10の番号を付した範囲は、図1で鋳型3内と符号11〜20を付したゾーンで、以下これらの番号に合わせて第1ゾーン〜第10ゾーンと呼ぶ。
計算においては、まず、図中「計算断面発生」と示すように、まず鋳型内湯面に計算面(計算断面)を設定する。
その後、図示しないメジャーリングロール又はその他の測長手段による測定結果から鋳込みが所定長さ進行したと判定された時点で新たな計算面を同じく鋳型内湯面に設定する。同様の方法で新たな計算面を順次設定する。
計算面を設定する所定長さが短い場合、計算負荷が増大して計算結果をリアルタイムに操業条件に反映するのが困難となり、長い場合、凝固シェル厚の計算結果の更新頻度が長くなるために操業条件の変更が遅れ、最悪の場合はバルジングによるブレークアウトを引き起こす恐れがあるため、上記の所定長さとしては1〜5mの範囲を設定するのが好ましい。
計算面内は適当なメッシュに区切って各メッシュの交点に温度を計算する計算ポイントを設定しておく。計算ポイントの初期値としてはタンディッシュ内溶鋼温度の実測値から推測した鋳型内の溶鋼温度を与える。
計算面(断面)A〜Eは鋳込みの進行に従って前進し、前述のように設定した各ゾーンの境界に到達した際に計算面内の凝固シェル厚および短辺バルジング量計算を行う。
後述するように、通過してきたゾーン内の実績データ(平均値として)を設定し、通過している時の計算断面の温度履歴をステップ(JT)毎に計算し、また、シェル厚、バルジング量もそのステップに合わせ計算する。例えば、ステップ毎の計算周期は0.1秒周期で行うが、その周期は適宜設定することが可能である。
本発明では、まず、凝固シェル厚の計算を行う。計算は第1ゾーンと第2ゾーンの境界においては、初期値として前述した鋳型内溶鋼温度を用い、境界条件としては鋳型3及び第1ゾーンの冷却条件の平均値を用いて計算面の境界から外への抜熱速度を与える。
計算面に設定した前記各計算ポイントには鋳造中の溶鋼組成に応じた液相線温度、固相線温度、凝固潜熱、熱伝導度等の物性を与え、2次元の非定常伝熱の式を差分化することによって鋳型内湯面から第1ゾーン/第2ゾーン境界(第2ゾーン入側境界)に至る時間経過後の各計算ポイントの温度を数値計算する。
ここで、冷却条件の平均値は冷却水量と冷却水温を所定周期で測定し、これを上記の経過時間で平均化する。測定周期をあまりに短くすると測定データを多数格納するために計算機のメモリを費やし、計算速度が低下する。一方、あまりに長いと冷却条件の時間変化に十分に追随できず、凝固シェル厚の計算精度が低下する。好ましい測定周期は1秒から30秒程度である。
なお、ここで実行する2次元非定常の凝固計算には、従来公知の手法を適用できる。例えば、第94・95回、西山記念技術講座「鉄鋼生産プロセスにおける数値計算方法の適用」(昭和58年10月20日発行、(社)日本鉄鋼協会編)第178〜179頁に紹介されているSarjantらの解析手法が好ましく使用できる。
すなわち、鋳造方向に垂直な計算断面について、直行するx方向とy方向(通常は鋳片の短辺に平行な方向と、長辺に平行な方向)をとり、このx−y座標上の任意の点についての非定常の熱伝導方程式である(1)式を、差分法を用いて近似計算するのである。
Figure 2009233703
(ここで、C:比熱、ρ:密度、k:熱伝導率、T:温度、t:時間、x、y:座標) 上記(1)式においては熱伝導率k、比熱Cが温度Tの関数であるから、次に示す変換温度φおよびエンタルピーHを導入し、この(1)式を類似的に線形化する。すなわち、ある基準温度Tdにおける熱伝導率をkdとし、φを(2)式で定義する。
Figure 2009233703
これより、(3)式の関係が得られる。
Figure 2009233703
また、比熱C(T)は、(4)式で与えられるため、(3)式および(4)式を(1)式に代入すると、(5)式が得られる。
Figure 2009233703
(5)式を任意区間に分割した矩形要素の網目点について書き換えると下記の式を得る。
m,n,r+1=Hm,n,r+C1{Δx1φm-1,n,r+Δx2φm+1,n,r−(Δx1+Δx2)φm,n,r}+C2{Δy1φm,n-1,r+Δy2φm,n+1,r−(Δy1+Δy2)φm,n,r
(ここで、m:x方向の網目点の番号、n:y方向の網目点の番号、Δx1:m−1とmの距離、Δx2:mとm+1の距離、Δy1:n−1とnの距離、Δy2:nとn+1の距離、r:時間分割においてtの進行方向へとった番号
1=2kdΔt/{ρΔx1Δx2(Δx1+Δx2)}
2=2kdΔt/{ρΔy1Δy2(Δy1+Δy2)}
Δt:rとr+1の時間間隔)
したがって、初期条件により、t=0における全網目点での温度を設定し、周縁での境界条件を用い、上記の式により時間分割の1ステップごとに温度計算をすすめる。
このようにして第1ゾーン/第2ゾーン境界を通過した時点での計算面内の温度分布が得られると、これを第2ゾーンにおける当該計算面の初期値データとして格納し直し、当該計算面が第2ゾーン/第3ゾーンの境界(第3ゾーン入側境界)に到達した際に行う凝固計算の初期値として使用する。
この第3ゾーン入側境界での凝固計算に際しては、境界条件として、第2ゾーンでの冷却条件の平均値を用いて計算面の境界から外への抜熱速度を与える。計算面内の計算ポイントの温度分布の計算は、上述した第1ゾーン/第2ゾーン境界での計算方法と同様である。又、第2ゾーンでの冷却条件の平均化手法も同様である。
以下同様に、各計算面について、第(n−1)ゾーンと第nゾーンの境界での凝固計算結果を初期値として使用し、第nゾーンでの冷却条件の平均値を境界条件に使用することによって第nゾーンと第(n+1)ゾーンの境界における凝固計算を行い、計算面内の温度分布を推定する。このようにして計算面が最終ゾーン入側境界にきたときの計算面内の温度分布まで推定する。
ここで、図2に示した各計算断面(計算面)について図示の時点での処理の特徴を説明すると、計算断面Aに関しては、第2ゾーンを移動中であるため、第1ゾーン出側、即ち第2ゾーン入側境界到達時点の計算結果を次の計算の初期値としてホールドすると共に、第2ゾーンの冷却データを10秒周期で収集している。
計算断面Bに関しては、第4ゾーン/第5ゾーン境界に一致しているため、第3ゾーン出側における計算結果を初期値として第4ゾーン移動中に収集した冷却データを用いて凝固計算の解析中である。
計算断面C、Dに関しては、それぞれ第6、第8の各ゾーンを移動中であるため、前記計算断面Aの場合と同様に、1つ上流のゾーン出側の計算結果をホールドすると共に、移動中のゾーンの冷却データを収集している。
計算断面Eに関しては、第9ゾーンを移動中であるため、図示の時点では計算断面A、C、Dの場合と同様であるが、第10ゾーンが最終であるため、第10ゾーン入側境界に到達するとゾーン境界における最後の凝固計算(推定計算)が実行される。
図3は、前記伝熱凝固計算に基づき短辺バルジング量δを求める場合の手順を示すフローチャートで、スラブの鋳造中に、鋳造状態を特徴づける鋳造条件を計算機に伝送し、計算機にて伝熱モデルを用いてオンラインで鋳造中のスラブ断面の凝固解析を行い、計算断面の温度分布、その温度結果に基づき凝固シェル厚dを計算値として求め、その凝固シェル厚dから短辺バルジング量δを計算によって求める場合のフローチャートを示す。
まず、計算断面を作成し、初期設定値である(1)ロール配置、スプレノズル配置データを入力し、続いて、リアルタイムオンラインで伝熱凝固計算を行うため、1.溶鋼成分、2.溶鋼温度、3.鋳型における鋳片抜熱量、4.鋳片幅/鋳片厚、5.鋳造速度、6.二次冷却水量、7.二次冷却水量、8.二次冷却空気量の値を凝固計算モデルに入力し、更に、(2)熱物性データ、(3)温度データを読込みこむ。(S1)。但し、二次冷却空気量の入力は二次冷却にミストを使用する場合に必要となる。尚、S1のデータの入力順序は上記に限定されるものでなく入れ替わっても構わない。
図4は計算断面の発生から凝固計算モデルで凝固シェル厚(d)を求めるまでの手順を示し、計算断面はモールド直下で発生させ、鋳込み方向に一定ピッチでトラッキングする。一定ピッチ毎に当該計算断面における操業実績データを凝固解析(計算)モデルに投入して、凝固計算を行い、凝固シェル厚(d)を算出する。
凝固計算モデルでは計算断面における鋳造速度、2次冷却水量等の鋳造条件をオンラインデータとして取り込み、例えば、直接差分法により構築した非定常二次元の伝熱凝固解析から計算断面における温度分布を求め、溶鋼の成分組成から求めたZDT(延性消失温度)以下となる部分をシェル厚(d)とする。
ZDT(延性消失温度)は溶鋼の成分組成から例えば(6)式を用いて求める。液相線温度は例えば(7)式、固相線温度(Ts)は、例えば(8)式を用いて求める。
Figure 2009233703
Figure 2009233703
Figure 2009233703
得られたシェル厚(d)(S2)から短辺バルジング量(δ)を(9)式を用いて算出し(S3)、ブレークアウトなどのトラブルを発生した実績から求めた短辺バルジング量の閾値(δc)と比較する(S4)。
Figure 2009233703
シェル厚(d)から求めた短辺バルジング量(δ)が閾値(δc)以上となる場合は、アラームを発生し、鋳造速度を低下したり、2次冷却水量を増大してブレークアウトを防止するように鋳造条件を変更する(S5)。
閾値(δc)未満となる場合は、現在の鋳造条件で鋳造を行う。もしくは、鋳造速度をあげ閾値(δc)に近づける。(S6)。
本発明は、計算断面における鋳造条件から計算機を用いてリアルタイムで短辺バルジング量を算出することに替えて、予め、鋳造条件毎に凝固解析を行って求めておいた短辺バルジング量のデータベースを利用しても良い。
図5は短辺バルジング量のデータベースを利用して本発明を実施する手順を示し、鋳造開始時点から連続的に鋳造条件を短辺バルジング量データベースに入力し(S1),鋳造条件が合致する短辺バルジング量を決定する(S2)、(S3)。
短辺バルジング量データベースは、鋳造条件として溶鋼成分、溶鋼温度、鋳型のおける鋳片抜熱量、鋳片幅/鋳片厚、鋳造速度、二次冷却水量、二次冷却水温、二次冷却空気量の8条件を採用し、これらの値から短辺バルジング量が求まるように構成する。
決定された短辺バルジング量(δ)と閾値(δc)を比較し(S3)、閾値(δc)以上となる場合は、アラームを発生し、鋳造速度を低下したり、2次冷却水量を増大してブレークアウトを防止するように鋳造条件を変更する(S4)。閾値(δc)未満となる場合は、現在の鋳造条件で鋳造を行う。もしくは、鋳造速度をあげ閾値(δc)に近づける(S5)。
短辺バルジング量データベースを用いる場合は、鋳造中、常に短辺バルジング量を把握することが可能なため、計算断面をある間隔でトラッキングして、凝固計算モデルから短辺バルジング量を求める方法と比較すると事故発生防止に優れ、計算機負荷も小さい。
図1に示した垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、C:0.14〜0.25%、S:0.004〜0.010%、P:0.007〜0.021%を含有する溶鋼から、連続鋳造機で幅1200〜1800mm、厚み200〜260のスラブに連続鋳造した。
連続鋳造は、図3に示した手順により短辺バルジング量を監視する本発明法と、予め定めた鋳造条件で鋳造する従来法で実施した。本発明の実施に当たっては、連続鋳造機内をスプレー冷却のゾーン分けに従って図2に示すような10ゾーン(但し、第1ゾーンは鋳型とその直下のフットロール部)に分割し、計算面の発生頻度は鋳込み長さが3m増す毎に1つずつ発生させた。
計算面が鋳片の引抜きに同期して進行し、各ゾーンの境界に到った時点で、上流側のゾーン内での冷却条件の平均値に基づいて計算面外周の冷却条件を境界条件として設定し、計算面内の凝固計算を行った。尚、各ゾーン内の冷却条件の平均値は、二次冷却水の水量と水温を10秒周期で測定し、これを時間平均した値を使用して算出した。
このようにして第9ゾーン/第10ゾーン境界(最終ゾーン入側境界)まで計算面内の温度分布を計算した。表1に操業結果を示す。本発明によれば、短辺バルジング量をブレークアウトが発生しないように調節することが可能なため、トラブル発生回数が減少した。
Figure 2009233703
本発明の適用に好適な連続鋳造機の一例の構成を説明する図。 図1に示した連続鋳造機における短辺バルジング量を求めるために設定する計算断面を説明する図。 本発明例で、鋳造条件から短辺バルジング量δを求める場合の計算手法を説明するフローチャート。 図3に示すフローチャートにおいて凝固計算モデルから凝固シェル厚を求める手順を説明する図。 本発明例で、短辺バルジング量データベースから短辺バルジング量δを求める手順を説明するフローチャート。
符号の説明
1 タンディッシュ
2 浸漬ノズル
3 水冷鋳型
4 溶鋼
5 鋳片
6 サポートロール群
7 トーチカッタ
E 連続鋳造機機端

Claims (4)

  1. スラブの連続鋳造中に、鋳造条件から短辺バルジング量δを求め、予め設定した短辺バルジング量のしきい値δcと比較し、δ≧δcとなった場合に、δ<δcとなるように鋳造条件を変更することを特徴とするスラブの連続鋳造方法。
  2. 連続鋳造機に対して鋳込み方向に連続する複数のゾーンを設定すると共に、連続鋳造中のストランド内に所定長さの鋳込みが進行する毎に鋳込み方向に垂直な計算面を発生させ、該計算面が前記各ゾーンを通過し、次のゾーン入側境界に到達した時点で、該計算面が直前に通過したゾーンの平均冷却条件に基づいて該計算面内の2次元凝固計算を行い、その結果から凝固シェル厚を求めた後、短辺バルジング量δを求め、その2次元凝固計算から得られた該計算面内の温度分布を、前記次のゾーンを通過し、更に次のゾーン入側境界に到達した時点で行う前記凝固計算の初期値として与えて、順次前記計算面内の凝固計算を行うことにより、その結果から前記計算面毎に凝固シェル厚を求めた後、短辺バルジング量δをそれぞれ求め、予め各計算面毎に設定した短辺バルジング量の閾値δcと比較し、δ≧δcとなった場合には、δ<δcとなるように鋳造条件を変更することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造方法。
  3. 鋳造条件から短辺バルジング量δを求める際、鋳造条件として、溶鋼成分、溶鋼温度、鋳型における鋳片抜熱量、鋳片幅、鋳片厚、鋳造速度、二次冷却水量、二次冷却水温、二次冷却空気量を用い、これらの値を計算機に伝送し、計算機にてオンラインで鋳造中のスラブ断面の伝熱凝固解析を行い、凝固シェル厚dを計算値として求め、その凝固シェル厚dから短辺バルジング量δを計算によって求めることを特徴とする請求項1または2に記載のスラブの連続鋳造方法。
  4. 鋳造条件から短辺バルジング量δを求める際、鋳造条件として、溶鋼成分、溶鋼温度、鋳型における鋳片抜熱量、鋳片幅、鋳片厚、鋳造速度、二次冷却水量、二次冷却水温、二次冷却空気量を用い、これらの値を用いて、予め伝熱凝固解析にて求めておいた短辺バルジング量のデータベースから短辺バルジング量δを求めることを特徴とする請求項1または2に記載のスラブの連続鋳造方法。
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