JP2010172930A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、鋳造速度と湯面レベルの変更を伴った中炭素鋼の連続鋳造方法に関する。
この種の技術として、特許文献1には、所謂凝固遅れを検知したときは鋳造速度を減速させ、これにより、所謂縦割れ起因の鋳型直下型ブレークアウトを防止する技術が開示されている。同様に、特許文献2には、鋳型広面の熱流束を監視することで縦割れを検知すること、また、縦割れを検知したら鋳造速度を減速させることが開示されている。
しかし、上記特許文献1及び2の技術では、鋳型直下型ブレークアウトを一応は防止できるが、鋳型直下型ブレークアウトの原因に対する根本的な対策は何ら講じられていない。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、中炭素鋼を高速鋳造するに際し、生産性を考慮しつつ、鋳型内で凝固シェルに縦割れが発生しても鋳型直下型ブレークアウトを回避できると共に、同一発生原因による以降の縦割れ再発を防止する技術を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、本願発明の発明者は、鋭意研究の末、上記の課題を解決するには、鋳型内で凝固シェルに縦割れが発生したら鋳造速度を一旦減速させると共に、湯面レベルを変更してから増速させる一連の操業が有効であることを見出し、以下の発明を完成させた。
即ち、本願発明の観点によれば、中炭素鋼の連続鋳造は、以下のような方法で行われる。即ち、炭素含有量C[wt%]が0.07〜0.18である中炭素鋼を、鋳造速度Vc[m/min]を0.8〜2.4として連続鋳造するに際し、鋳型内における凝固シェルの縦割れ発生の有無を監視する。鋳型内で凝固シェルに縦割れが発生したことを検知したら、検知した時点から下記式(1)を満たす減速時間Δt[sec]が経過するまでに、下記式(2)を満たす減速加速度Ac[m/min2]で、鋳造速度Vc[m/min]を下記式(3)を満たすように減速する。この減速後、湯面レベルを、下記式(4)を満たす湯面レベル変更速度Vm[m/min]で、下記式(5)を満たす湯面レベル変更量Δm[mm]だけ、下向きに変更する。この変更後、鋳造速度Vc[m/min]を増速する。ただし、下記式(1)において、鋳造速度Vc1[m/min]は上記減速前の鋳造速度Vc[m/min]を意味し、鋳造速度Vc2[m/min]は上記減速後の鋳造速度Vc[m/min]を意味する。下記式(2)〜(4)において下向きを正とする。
以上の方法によれば、鋳型内で凝固シェルに縦割れが発生しても、この凝固シェルの鋳型内滞在時間が延長されるので、縦割れした箇所の健全な凝固シェル形成が促され、もって、鋳型直下型ブレークアウトを回避することができる。また、上記減速後、湯面レベルを下げてから鋳造速度を増速することとしているので、生産性を考慮しつつ、メニスカス近傍に存在する縦割れの発生原因を回避でき、もって、同一発生原因による以降の縦割れ再発を防止できる。
周知の通り、連続鋳造設備の鋳造経路に着目すると、湾曲型連続鋳造設備と垂直曲げ型連続鋳造設備なるものがある。前者は、鋳型から鋳造経路に沿って、円弧経路部と矯正経路部、水平経路部を有するものであり、後者は、上記円弧経路部の上流に垂直経路部を設け、溶鋼中の介在物浮上を図ったものである。また、連続鋳造設備の鋳造する鋳片の断面形状に着目すると、断面形状のアスペクト比が2以上であるスラブと2以下のブルーム、更に、断面形状が正方形であるビレットなるものがある。本願発明の適用対象は、上記の通りに列記したすべての連続鋳造設備であり、以下、本明細書では、一例として、本願発明をスラブ向けの垂直曲げ型連続鋳造設備に適用した例を説明する。
以下、図1〜3に基づいて、連続鋳造設備100とその鋳型、及び浸漬ノズルを概説する。
連続鋳造設備100は、注湯される溶鋼を冷却して所定形状のシェルを形成するための鋳型1と、図略のタンディッシュに保持される溶鋼を鋳型1へ所定流量で滑らかに注湯するための浸漬ノズル2と、鋳型1の直下から鋳造経路Qに沿って複数で並設されるロール対3と、を備える。鋳型1の構成は図2に基づいて、浸漬ノズル2の構成は図3に基づいて後で詳細に説明する。本実施形態において前記の鋳造経路Qは、略鉛直方向に延びる垂直経路部と、この垂直経路部に接続され、円弧状に延びる円弧経路部と、更にその下流側に設けられ、水平方向に延びる水平経路部と、前記の円弧経路部及び水平経路部とを滑らかに接続するための矯正経路部と、から成る。
前記のロール対3の夫々は、鋳造対象としての鋳片を、両広面でもって挟持する一対のロール3a・3aから構成される。この一対のロール3a・3aのロール面間の最短距離としてのロールギャップ[mm]は適宜の手段により調節可能に構成される。
また、前記の鋳造経路Qの前半には、鋳型1内で形成され、該鋳型1から引き抜かれる凝固シェルに対して所定の流量で冷却水を噴霧する冷却スプレー4が適宜に設けられる。一般に、前記の鋳型1が1次冷却帯と称されるのに対して、この意味で、冷却スプレー4が配される経路部は2次冷却帯と称される。
鋳型1から引き抜かれ、鋳造経路Qに沿って搬送されるシェルは、自然放熱や、上記冷却スプレー4などにより更に冷却されて収縮する。従って、上記のロール対3のロールギャップ[mm]は、一般に、鋳造経路Qの下流側へ進むに連れて緩やかに狭くなるように設定される。
以上の構成で、スラブの連続鋳造を開始するには、鋳型1へ溶鋼を注湯する前に予め図略のダミーバーを前記の鋳造経路Q内に挿入しておき、浸漬ノズル2を介して鋳型1へ溶鋼を注湯し始めると共に上記ダミーバーを下流側へ引き抜く。この鋳型1への溶鋼の注湯量と、ダミーバーの引き抜き速度と、は、鋳造速度が所定の鋳造速度に至るまでの間、漸増させる。そして、このダミーバーは、所定のメニスカス距離に到達したときに、適宜の手段により回収する。これで、スラブが連続的に鋳造されるようになる。
次に、上記の連続鋳造設備100の一般的な操業条件を簡単に紹介する。以下は、例示である。
・鋳型幅W[mm]は、800〜2100とする。
・鋳型厚みD[mm]は、230〜280とする。
・鋳型高さH[mm]は、800〜1000とする。
・鋳造速度Vc[m/min]は、0.8〜3.0とする。
・溶鋼過熱度ΔT[℃]は、0〜40とする。
・比水量Wt[L/kgSteel]は、0.15〜3とする。
・鋳型内電磁攪拌強度M−EMS[gauss]は、0〜1000とする。
・溶鋼成分は、当事者間の協定に基づく。代表的な成分は、CやSi、Mnである。これに、CrやCuなどが適宜に添加される。その他の不可避の不純物を含む。
・鋳型幅W[mm]は、800〜2100とする。
・鋳型厚みD[mm]は、230〜280とする。
・鋳型高さH[mm]は、800〜1000とする。
・鋳造速度Vc[m/min]は、0.8〜3.0とする。
・溶鋼過熱度ΔT[℃]は、0〜40とする。
・比水量Wt[L/kgSteel]は、0.15〜3とする。
・鋳型内電磁攪拌強度M−EMS[gauss]は、0〜1000とする。
・溶鋼成分は、当事者間の協定に基づく。代表的な成分は、CやSi、Mnである。これに、CrやCuなどが適宜に添加される。その他の不可避の不純物を含む。
ここで、各用語を簡単に説明する。
・鋳型幅W[mm]及び鋳型厚みD[mm]は、図2に示されるように、鋳型1の上端で特定される。
・鋳造速度Vc[m/min]は、鋳片の引抜速度であって、前記複数のロール対3のうち最上流に配されるロール対3のピンチロール3bの周速度で特定される。
・溶鋼過熱度ΔT[℃]は、鋳型1内へ注湯される溶鋼の温度の指標である。
・比水量Wt[L/kgSteel]は、鋼1kgに対して用いられる冷却水の容積を意味する。
・鋳型内電磁攪拌強度M−EMS[gauss]は、鋳型1内の溶鋼を攪拌するために作用される磁場の強度の指標である。この鋳型内電磁攪拌強度の測定方法は、本明細書の末尾に記載する。
・鋳型幅W[mm]及び鋳型厚みD[mm]は、図2に示されるように、鋳型1の上端で特定される。
・鋳造速度Vc[m/min]は、鋳片の引抜速度であって、前記複数のロール対3のうち最上流に配されるロール対3のピンチロール3bの周速度で特定される。
・溶鋼過熱度ΔT[℃]は、鋳型1内へ注湯される溶鋼の温度の指標である。
・比水量Wt[L/kgSteel]は、鋼1kgに対して用いられる冷却水の容積を意味する。
・鋳型内電磁攪拌強度M−EMS[gauss]は、鋳型1内の溶鋼を攪拌するために作用される磁場の強度の指標である。この鋳型内電磁攪拌強度の測定方法は、本明細書の末尾に記載する。
<鋳型1>
次に、図2を参照しつつ鋳型1の構造を説明する。図2(a)に示されるように本実施形態に係る鋳型1は、鋳造される鋳片が断面矩形であってアスペクト比が2以上となる所謂スラブ向けに構成される。この鋳型1は、一対で対向し、鋳型広面1aを構成する広面鋳型5と、広面鋳型5の間に配され、一対で対向し、鋳型狭面1bを構成する狭面鋳型6と、これら広面鋳型5及び狭面鋳型6を支持する図示しない鋳型フレームと、を主たる構成として備える。各広面鋳型5は、溶鋼側の広面鋳型銅板5aと、この広面鋳型銅板5aの背面に密着して、広面鋳型銅板5aとの間で図示しない冷却水流路(スリット)を形成する広面鋳型バックプレート5b(SUSジャケット)と、から構成される。同様に、各狭面鋳型6は、溶鋼側の狭面鋳型銅板6aと、この狭面鋳型銅板6aの背面に密着して、狭面鋳型銅板6aとの間で図示しない冷却水流路(スリット)を形成する狭面鋳型バックプレート6b(SUSジャケット)と、から構成される。狭面鋳型バックプレート6bの上端と下端には鋳型フレームに支持される図示しない油圧シリンダのロッドが夫々接続され、この構成で、上記ロッドを鋳型幅方向に適宜に進退させることで、両狭面鋳型銅板6aの上端を用いて図3(a)に示すように特定できる鋳型幅W[mm]と、両狭面鋳型銅板6aの間の距離を下方へ向かって狭くすることで達成される所謂狭面テーパのテーパ角と、を自在に増減できるようになっている。
次に、図2を参照しつつ鋳型1の構造を説明する。図2(a)に示されるように本実施形態に係る鋳型1は、鋳造される鋳片が断面矩形であってアスペクト比が2以上となる所謂スラブ向けに構成される。この鋳型1は、一対で対向し、鋳型広面1aを構成する広面鋳型5と、広面鋳型5の間に配され、一対で対向し、鋳型狭面1bを構成する狭面鋳型6と、これら広面鋳型5及び狭面鋳型6を支持する図示しない鋳型フレームと、を主たる構成として備える。各広面鋳型5は、溶鋼側の広面鋳型銅板5aと、この広面鋳型銅板5aの背面に密着して、広面鋳型銅板5aとの間で図示しない冷却水流路(スリット)を形成する広面鋳型バックプレート5b(SUSジャケット)と、から構成される。同様に、各狭面鋳型6は、溶鋼側の狭面鋳型銅板6aと、この狭面鋳型銅板6aの背面に密着して、狭面鋳型銅板6aとの間で図示しない冷却水流路(スリット)を形成する狭面鋳型バックプレート6b(SUSジャケット)と、から構成される。狭面鋳型バックプレート6bの上端と下端には鋳型フレームに支持される図示しない油圧シリンダのロッドが夫々接続され、この構成で、上記ロッドを鋳型幅方向に適宜に進退させることで、両狭面鋳型銅板6aの上端を用いて図3(a)に示すように特定できる鋳型幅W[mm]と、両狭面鋳型銅板6aの間の距離を下方へ向かって狭くすることで達成される所謂狭面テーパのテーパ角と、を自在に増減できるようになっている。
<浸漬ノズル2>
次に、図3を参照しつつ浸漬ノズル2の構造を説明する。図3(a)に示されるように、本実施形態において用いられる浸漬ノズル2は、有底円筒形状であって、一対の対向する溶鋼吐出孔7が内底8よりも若干上方に形成される2孔式とされる。図3(b)に示されるように、この一対の溶鋼吐出孔7は、溶鋼吐出孔7からの溶鋼吐出流の下向き角度θ[deg.]が水平を基準として15〜45に設定されるように、内周から外周へ向かって斜め下向きに形成される。この下向き角度θ[deg.]は、詳しくは、本実施形態において、浸漬ノズル2の垂直断面で特定される溶鋼吐出孔7の下端線7a(下端の輪郭)と水平との間の角度と一致する。そして、この下端線7aと、浸漬ノズル2の軸心2aと、の交点を仮想交点Pとして定義する。
次に、図3を参照しつつ浸漬ノズル2の構造を説明する。図3(a)に示されるように、本実施形態において用いられる浸漬ノズル2は、有底円筒形状であって、一対の対向する溶鋼吐出孔7が内底8よりも若干上方に形成される2孔式とされる。図3(b)に示されるように、この一対の溶鋼吐出孔7は、溶鋼吐出孔7からの溶鋼吐出流の下向き角度θ[deg.]が水平を基準として15〜45に設定されるように、内周から外周へ向かって斜め下向きに形成される。この下向き角度θ[deg.]は、詳しくは、本実施形態において、浸漬ノズル2の垂直断面で特定される溶鋼吐出孔7の下端線7a(下端の輪郭)と水平との間の角度と一致する。そして、この下端線7aと、浸漬ノズル2の軸心2aと、の交点を仮想交点Pとして定義する。
上記の浸漬ノズル2は、図2に示されるように、一対の溶鋼吐出孔7が鋳型狭面1bに対して夫々対向するように鋳型1内に垂直にセットされる。換言すれば、浸漬ノズル2は、一対の溶鋼吐出孔7から吐出された溶鋼の流れが鋳型狭面1bに対して平面視で垂直に向かうように鋳型1内に垂直にセットされる。この状態で、浸漬ノズル2から鋳型1内へ溶鋼を注湯すると、浸漬ノズル2からの溶鋼流は先ず斜め下向きとなり、やがて鋳型狭面1bに衝突すると、上下方向に分岐し、もって、溶鋼の上昇流Qと下降流Rが形成される。このうち上昇流Qは、メニスカス近傍の溶鋼に対して熱を供給し、表面が凝固してしまう所謂皮張りを防ぐ役割を担っている。
次に、本実施形態に係る連続鋳造設備100の更に具体的な構成を説明する。即ち、本実施形態では鋳型1内における凝固シェルの縦割れ発生の有無を監視すべく、図1で略示の通り、例えば特開2008−073748号公報のように、上記の鋳型1には複数の熱電対9が埋設されると共に、鋳型1内に形成される前述の冷却水流路内を流動する冷却水の出側温度を測定するための冷却水温度計10が設けられる。上記の熱電対9は、図2(a)及び(b)に示されるように、広面鋳型5の広面鋳型銅板5a内であって、鋳型高さ方向では少なくともメニスカスから下方へ0〜200mm(好ましくは20〜60mm、更に好ましくは40mm)の範囲内に、鋳型幅方向では所定の間隔で広範囲に、埋設される。各熱電対9及び冷却水温度計10は、図1及び図4に示される連続鋳造設備100の制御装置101に接続され、もって、制御装置101は、熱電対9や冷却水温度計10の出力値を取得できるようになっている。
また、図1に示すように、前述のピンチロール3bには、ピンチロール3bを回転させる駆動源としてのピンチロールモータ11が設けられ、このピンチロールモータ11も制御装置101に接続される。この構成で、制御装置101は、ピンチロールモータ11を介してピンチロール3bの回転数を適宜に制御することで鋳造速度Vc[m/min]を自在に制御できるようになっている。
また、図3において二点鎖線で略示するように、浸漬ノズル2の上端には、浸漬ノズル2から鋳型1内への溶鋼の吐出流量を制御するためのスライドプレート12が設けられ、このスライドプレート12にはスライドプレート12の開度を制御するためのスライドプレートアクチュエータ13が設けられる。そして、スライドプレートアクチュエータ13は同様に制御装置101に接続され、もって、制御装置101は、スライドプレートアクチュエータ13を介してスライドプレート12の開度を適宜に制御することにより、浸漬ノズル2から鋳型1内への溶鋼の吐出流量を自在に制御できるようになっている。
また、図2(b)に示すように、鋳型1には湯面レベル(鋳型1内におけるメニスカスの高さ位置)を測定するための渦流式レベル計14が設けられる。この渦流式レベル計14も同様に制御装置101に接続され、もって、制御装置101は、渦流式レベル計14によって測定される湯面レベルを取得できるようになっている。
次に、図4を参照しつつ、制御装置101の構成を説明する。即ち、制御装置101は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラム及び制御プログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するためのRAM(Random Access Memory)と、を備える。そして、ROMに記憶された上記制御プログラムがCPUに読み込まれCPU上で実行されることで、制御プログラムは、CPUなどのハードウェアを、縦割れ検知部102、鋳造速度減速部103、湯面レベル変更部104、鋳造速度増速部105、として機能させるようになっている。
上記の縦割れ検知部102は、鋳型内における凝固シェルの縦割れ発生の有無を監視し検知するものである。具体的には、多数の熱電対9と冷却水温度計10の出力値(出力電圧)を取得し、この出力値に基づいて鋳型1の鋳型広面1aの熱流束を算出し、算出した熱流束に基づいて縦割れ発生の有無を判定する。なお、熱流束の算出方法は、本明細書の末尾に記載する。算出した熱流束に基づいて縦割れ発生の有無を判定する方法については、必要であれば特開2008−073748号公報を適宜に参照されたい。上記の鋳造速度減速部103は、縦割れ検知部102が鋳型内で凝固シェルに縦割れが発生したことを検知したら、鋳造速度Vc[m/min]を特別な条件下で減速させるものである。上記の湯面レベル変更部104は、鋳造速度減速部103による鋳造速度Vc[m/min]の減速後、湯面レベルを特別な条件下で下向きに変更するものである。上記の鋳造速度増速部105は、湯面レベル変更部104による湯面レベルの変更後、鋳造速度Vc[m/min]を増速させるものである。
次に、図5に基づいて、制御装置101の制御フローを説明する。先ず、鋼種は炭素含有量C[wt%]を0.07〜0.18とする中炭素鋼とし、鋳造速度Vc[m/min]を0.8〜2.4とする、縦割れが特段に発生し易い条件で連続鋳造を開始したら(S300)、縦割れ検知部102は、多数の熱電対9と冷却水温度計10の出力値を取得し(S310)、この出力値に基づいて鋳型1の鋳型広面1aの熱流束を算出し(S320)、算出した熱流束に基づいて縦割れ発生の有無を判定する(S330)。この結果、鋳型内で凝固シェルに縦割れ発生無しと判定された場合(S340:NO)は、再び、S310へと戻る。一方、鋳型内で凝固シェルに縦割れ発生有りと判定された場合(S340:YES)は、鋳造速度減速部103は、縦割れ検知部102が縦割れ発生を検知した時点から下記式(1)を満たす減速時間Δt[sec]が経過するまでに、下記式(2)を満たす減速加速度Ac[m/min2]で、鋳造速度Vc[m/min]を下記式(3)を満たすように減速する(S350)。具体的には、鋳造速度減速部103は、上記の特別な条件を満足するように、図4に示されるピンチロールモータ11の回転数を下げると共に、スライドプレートアクチュエータ13を制御してスライドプレート12の開度を若干下げる。ただし、下記式(1)において、鋳造速度Vc1[m/min]は上記減速前の鋳造速度Vc[m/min]を意味し、鋳造速度Vc2[m/min]は上記減速後の鋳造速度Vc[m/min]を意味する。各式において下向きを正とする。また、減速後の鋳造速度Vc[m/min]は、下記式(3)の範囲内で、連続鋳造設備100のオペレータが予め設定しておく。
次に、湯面レベル変更部104は、鋳造速度減速部103による鋳造速度Vc[m/min]の減速後、湯面レベルを、下記式(4)を満たす湯面レベル変更速度Vm[m/min]で、下記式(5)を満たす湯面レベル変更量Δm[mm]だけ、下向きに変更する(S360)。各式において下向きを正とする。具体的には、湯面レベル変更部104は、渦流式レベル計14によって測定された湯面レベルを取得しつつ、この湯面レベルをフィードバックしつつ、上記の特別な条件を満足するように、図4に示されるスライドプレートアクチュエータ13を制御してスライドプレート12の開度を一旦下げて、一定時間経過後、この開度を元に戻す。
次に、鋳造速度増速部105は、湯面レベル変更部104による湯面レベルの変更後、鋳造速度Vc[m/min]を増速する。好ましくは、生産性の観点から、鋳造速度減速部103による減速前の鋳造速度Vc[m/min]に至るまで、鋳造速度増速部105は鋳造速度Vc[m/min]を増速する。具体的には、鋳造速度増速部105は、鋳造速度減速部103と同様に、図4に示されるピンチロールモータ11の回転数を上げると共に、スライドプレートアクチュエータ13を制御してスライドプレート12の開度を若干上げる。
<効果確認試験>
以下、本実施形態に係る中炭素鋼の連続鋳造方法の技術的効果を確認するための試験に関して説明する。上述した各数値範囲などは、下記の確認試験により合理的に裏付けられている。
以下、本実施形態に係る中炭素鋼の連続鋳造方法の技術的効果を確認するための試験に関して説明する。上述した各数値範囲などは、下記の確認試験により合理的に裏付けられている。
(1.指標)
本試験において「湯漏れ」とは、(1)鋳造され、ガス切断機で切断された鋼片の両広面を、ホットスカーフ前に冷間目視で観察して確認できる軽度のブレークアウトであって、溶鋼が凝固シェルから若干滲み出したような形跡、又は(2)操業の継続に支障が出る程の重度のブレークアウトが発生した事実、の(1)及び(2)の何れか一方を意味する。
本試験において「湯漏れ」とは、(1)鋳造され、ガス切断機で切断された鋼片の両広面を、ホットスカーフ前に冷間目視で観察して確認できる軽度のブレークアウトであって、溶鋼が凝固シェルから若干滲み出したような形跡、又は(2)操業の継続に支障が出る程の重度のブレークアウトが発生した事実、の(1)及び(2)の何れか一方を意味する。
(2.共通試験方法)
(2.1.縦割れ検知方法)
熱電対9は、鋳型1内であって、メニスカスから下方へ40mmとなる高さ位置であって、鋳型幅方向に20mmピッチで、鋳型幅中央を中心として800mm幅の広い範囲に埋設した(合計41箇所)。縦割れ検知部102は、この41箇所の熱電対9と冷却水温度計10の出力値を1秒間隔で取得するものとし、上記の熱電対9と対面する位置において鋳型1の鋳型広面1aを垂直に通過する熱流束q1[MW/m2]を夫々、算出した上で鋳型幅方向に隣り合う6つの熱流束q1[MW/m2]データの標準偏差σ[MW/m2]を求めるものとする。この結果、縦割れ検知部102は、標準偏差σ[MW/m2]を1秒ごとに36個(41−5=36)、算出することとなる。そして、縦割れ検知部102は、算出した36個の標準偏差σ[MW/m2]のうち最も大きな標準偏差σ[MW/m2]を最大標準偏差σmax[MW/m2]として特定し、この最大標準偏差σmax[MW/m2]を0.4と比較することとした。なお、縦割れが発生すると最大標準偏差σmax[MW/m2]が0.4を上回るとされる(特開2008−073748号公報参照。)。
(2.2.縦割れ治癒の確認と、縦割れ再発について)
原則として図5に示される制御フローを実行し、縦割れ検知部102による縦割れ検知時に鋳型1内に存在していた凝固シェルに対応する鋳片に上記の湯漏れがないか確認した。このとき、縦割れ検知部102によって特定された縦割れ発生箇所に着目した。そして、この縦割れ発生箇所で湯漏れが視認できたか否かを記録用紙に記録した。また、鋳造速度増速部105による鋳造速度Vc[m/min]の増速は、鋳造速度Vc[m/min]を鋳造速度減速部103による鋳造速度Vc[m/min]の減速前の状態へと復帰させるものとした。即ち、上記式(1)の変数Vc1とVc2を用いて言えば、鋳造速度増
速部105は、鋳造速度Vc[m/min]をVc2からVc1へと至るように増速するものとした。そして、この増速後、少なくとも2チャージ分、連続鋳造を実施し、上記の縦割れ検知部102が上記の縦割れと同じ鋳型幅方向位置で縦割れを再び検知したか否かを記録用紙に記録した。
(2.1.縦割れ検知方法)
熱電対9は、鋳型1内であって、メニスカスから下方へ40mmとなる高さ位置であって、鋳型幅方向に20mmピッチで、鋳型幅中央を中心として800mm幅の広い範囲に埋設した(合計41箇所)。縦割れ検知部102は、この41箇所の熱電対9と冷却水温度計10の出力値を1秒間隔で取得するものとし、上記の熱電対9と対面する位置において鋳型1の鋳型広面1aを垂直に通過する熱流束q1[MW/m2]を夫々、算出した上で鋳型幅方向に隣り合う6つの熱流束q1[MW/m2]データの標準偏差σ[MW/m2]を求めるものとする。この結果、縦割れ検知部102は、標準偏差σ[MW/m2]を1秒ごとに36個(41−5=36)、算出することとなる。そして、縦割れ検知部102は、算出した36個の標準偏差σ[MW/m2]のうち最も大きな標準偏差σ[MW/m2]を最大標準偏差σmax[MW/m2]として特定し、この最大標準偏差σmax[MW/m2]を0.4と比較することとした。なお、縦割れが発生すると最大標準偏差σmax[MW/m2]が0.4を上回るとされる(特開2008−073748号公報参照。)。
(2.2.縦割れ治癒の確認と、縦割れ再発について)
原則として図5に示される制御フローを実行し、縦割れ検知部102による縦割れ検知時に鋳型1内に存在していた凝固シェルに対応する鋳片に上記の湯漏れがないか確認した。このとき、縦割れ検知部102によって特定された縦割れ発生箇所に着目した。そして、この縦割れ発生箇所で湯漏れが視認できたか否かを記録用紙に記録した。また、鋳造速度増速部105による鋳造速度Vc[m/min]の増速は、鋳造速度Vc[m/min]を鋳造速度減速部103による鋳造速度Vc[m/min]の減速前の状態へと復帰させるものとした。即ち、上記式(1)の変数Vc1とVc2を用いて言えば、鋳造速度増
速部105は、鋳造速度Vc[m/min]をVc2からVc1へと至るように増速するものとした。そして、この増速後、少なくとも2チャージ分、連続鋳造を実施し、上記の縦割れ検知部102が上記の縦割れと同じ鋳型幅方向位置で縦割れを再び検知したか否かを記録用紙に記録した。
(3.共通試験条件)
各試験で共通する試験条件は以下の通りである。
・鋳型高さH[mm]:900
・湯面レベル変更部104による湯面レベル変更前における湯面レベル:鋳型1の上端から下方へ100〜150mm
・使用するモールドパウダーの組成、特性:下記表1の通り。なお、下記表1において「C/S」とあるのはモールドパウダーの塩基度「T−CaO/SiO2」を示し、このうち「CaO」は、CaO又はCaF2のかたちで添加されたCaのすべてをCaOとして換算したものである。また、「η」はモールドパウダーの粘度であり、「Ts」は同じく凝固温度である。上記の粘度及び凝固温度は振動片粘度計測装置を用いて以下のように測定した。即ち、モールドパウダを凝固温度以上に加熱し、冷却速度を3〜5℃/minとして連続的に徐冷する。そして、温度依存する粘度が急激に上がる温度を凝固温度とする。即ち、logη−1/Ts曲線の変曲点におけるTs値を凝固温度とする。また、溶融モールドパウダーの温度が1300℃となったときの粘度を代表として採用した。
・鋼種:下記表2の通りである。
・減速加速度Ac[m/min2]:減速開始時点から減速終了時点に至るまで一定とした。
・取鍋容量:250ton
各試験で共通する試験条件は以下の通りである。
・鋳型高さH[mm]:900
・湯面レベル変更部104による湯面レベル変更前における湯面レベル:鋳型1の上端から下方へ100〜150mm
・使用するモールドパウダーの組成、特性:下記表1の通り。なお、下記表1において「C/S」とあるのはモールドパウダーの塩基度「T−CaO/SiO2」を示し、このうち「CaO」は、CaO又はCaF2のかたちで添加されたCaのすべてをCaOとして換算したものである。また、「η」はモールドパウダーの粘度であり、「Ts」は同じく凝固温度である。上記の粘度及び凝固温度は振動片粘度計測装置を用いて以下のように測定した。即ち、モールドパウダを凝固温度以上に加熱し、冷却速度を3〜5℃/minとして連続的に徐冷する。そして、温度依存する粘度が急激に上がる温度を凝固温度とする。即ち、logη−1/Ts曲線の変曲点におけるTs値を凝固温度とする。また、溶融モールドパウダーの温度が1300℃となったときの粘度を代表として採用した。
・鋼種:下記表2の通りである。
・減速加速度Ac[m/min2]:減速開始時点から減速終了時点に至るまで一定とした。
・取鍋容量:250ton
(4.個別試験条件及び結果)
下記表3に、個別の試験条件と、その結果を示す。試験No.1〜31が実施例であり、試験No.32〜50が比較例である。列タイトル「モールドパウダー」は、上記表1を参照されたい。列タイトル「鋳型振動 振幅」とあるのは、公知の鋳型振動装置による鋳型の鉛直方向の振動の振幅である。同様に、列タイトル「鋳型振動 振動数」とあるのは、公知の鋳型振動装置による鋳型の鉛直方向の振動の振動数である。列タイトル「θ」は、図3(b)を参照されたい。列タイトル「鋼種」は、上記表2を参照されたい。列タイトル「異常時σmax」とあるのは、縦割れ検知部102が鋳型内における凝固シェルの縦割れ発生を検知したときにおける前述の最大標準偏差σmax[MW/m2]を意味する。列タイトル「Δt<10/(Vc1+Vc2)?」の列には、この不等式が成立した場合は「○」を記入し、不成立の場合は「×」を記入した。また、上記表3における各試験においては、減速加速度Ac[m/min2]は減速開始時点から減速終了時点に至るまで一定としたので、列タイトル「Ac」には、(60×(Vc2−Vc1)÷Δt)で求まる値を記入した。列タイトル「Vc3」とあるのは、鋳造速度増速部105による鋳造速度Vc[m/min]の増速後における鋳造速度Vc[m/min]を意味する。列タイトル「湯漏れ」の列には、上の(2.2)で記録した湯漏れの有無を記載した。列タイトル「割れ再発」の列には、同様に、上の(2.2)で記録した縦割れの再発の有無を記載した。ただし、列タイトル「湯漏れ」の列において、「−」とあるのは、他の重大な問題により正常な連続鋳造を続けられなかった場合を意味し、この重大な問題は、備考欄にその種別を記載した。列タイトル「総合評価」の列には、縦割れ治癒を治癒することができ(湯漏れ評価が「無し」)、かつ、縦割れの再発を防止できた(割れ再発評価が「無し」)場合に「○」と記載し、それ以外のすべての場合に「×」と記載した。列タイトル「湯漏れ」の列が「有り」又は「−」の場合は、「割れ再発」については評価しなかった。備考欄において「皮張り」とあるのはメニスカスで溶鋼が凝固した現象を意味し、「焼き付き発生」とあるのは鋳型1の内壁面に対する凝固シェルの焼き付きを意味する。なお、この場合における焼き付きの原因は、皮張りによってモールドパウダーの適切な流動が阻害され、この結果、凝固シェルが鋳型1の内壁面に対して直接的に接触したことである。また、「縦割れ多数発生」とあるのは上記の連続鋳造方法を適用しようとしたら逆に縦割れが多数、発生してしまったことを意味する。ここで言う「縦割れ」とは、鋼片の反基準面(連続鋳造設備の鋳造経路の水平領域において上側となる面を意味する。)を冷間目視で観察して識別する、鋳造方向に5[mm]以上の長さを有する割れを意味する。また、「ノロカミ多数発生」とあるのは上記の連続鋳造方法を適用しようとしたらノロカミが多数、発生してしまったことを意味する。ここで言う「ノロカミ」とは、鋼片の外周面(ただし、切断面を除く。)を冷間目視で観察することで、鋼片の外周面にモールドパウダーが噛み込まれたかたちとして視認し得る外接円直径1mm程度以上の疵を意味する。
下記表3に、個別の試験条件と、その結果を示す。試験No.1〜31が実施例であり、試験No.32〜50が比較例である。列タイトル「モールドパウダー」は、上記表1を参照されたい。列タイトル「鋳型振動 振幅」とあるのは、公知の鋳型振動装置による鋳型の鉛直方向の振動の振幅である。同様に、列タイトル「鋳型振動 振動数」とあるのは、公知の鋳型振動装置による鋳型の鉛直方向の振動の振動数である。列タイトル「θ」は、図3(b)を参照されたい。列タイトル「鋼種」は、上記表2を参照されたい。列タイトル「異常時σmax」とあるのは、縦割れ検知部102が鋳型内における凝固シェルの縦割れ発生を検知したときにおける前述の最大標準偏差σmax[MW/m2]を意味する。列タイトル「Δt<10/(Vc1+Vc2)?」の列には、この不等式が成立した場合は「○」を記入し、不成立の場合は「×」を記入した。また、上記表3における各試験においては、減速加速度Ac[m/min2]は減速開始時点から減速終了時点に至るまで一定としたので、列タイトル「Ac」には、(60×(Vc2−Vc1)÷Δt)で求まる値を記入した。列タイトル「Vc3」とあるのは、鋳造速度増速部105による鋳造速度Vc[m/min]の増速後における鋳造速度Vc[m/min]を意味する。列タイトル「湯漏れ」の列には、上の(2.2)で記録した湯漏れの有無を記載した。列タイトル「割れ再発」の列には、同様に、上の(2.2)で記録した縦割れの再発の有無を記載した。ただし、列タイトル「湯漏れ」の列において、「−」とあるのは、他の重大な問題により正常な連続鋳造を続けられなかった場合を意味し、この重大な問題は、備考欄にその種別を記載した。列タイトル「総合評価」の列には、縦割れ治癒を治癒することができ(湯漏れ評価が「無し」)、かつ、縦割れの再発を防止できた(割れ再発評価が「無し」)場合に「○」と記載し、それ以外のすべての場合に「×」と記載した。列タイトル「湯漏れ」の列が「有り」又は「−」の場合は、「割れ再発」については評価しなかった。備考欄において「皮張り」とあるのはメニスカスで溶鋼が凝固した現象を意味し、「焼き付き発生」とあるのは鋳型1の内壁面に対する凝固シェルの焼き付きを意味する。なお、この場合における焼き付きの原因は、皮張りによってモールドパウダーの適切な流動が阻害され、この結果、凝固シェルが鋳型1の内壁面に対して直接的に接触したことである。また、「縦割れ多数発生」とあるのは上記の連続鋳造方法を適用しようとしたら逆に縦割れが多数、発生してしまったことを意味する。ここで言う「縦割れ」とは、鋼片の反基準面(連続鋳造設備の鋳造経路の水平領域において上側となる面を意味する。)を冷間目視で観察して識別する、鋳造方向に5[mm]以上の長さを有する割れを意味する。また、「ノロカミ多数発生」とあるのは上記の連続鋳造方法を適用しようとしたらノロカミが多数、発生してしまったことを意味する。ここで言う「ノロカミ」とは、鋼片の外周面(ただし、切断面を除く。)を冷間目視で観察することで、鋼片の外周面にモールドパウダーが噛み込まれたかたちとして視認し得る外接円直径1mm程度以上の疵を意味する。
(5.試験結果の考察)
(5.1.全体的な考察)
以上説明したように上記実施形態において、中炭素鋼の連続鋳造は、以下のような方法で行われる。即ち、炭素含有量C[wt%]が0.07〜0.18である中炭素鋼を、鋳造速度Vc[m/min]を0.8〜2.4として連続鋳造するに際し、鋳型内における凝固シェルの縦割れ発生の有無を監視する。鋳型内で凝固シェルに縦割れが発生したことを検知したら、検知した時点から下記式(1)を満たす減速時間Δt[sec]が経過するまでに、下記式(2)を満たす減速加速度Ac[m/min2]で、鋳造速度Vc[m/min]を下記式(3)を満たすように減速する。この減速後、湯面レベルを、下記式(4)を満たす湯面レベル変更速度Vm[m/min]で、下記式(5)を満たす湯面レベル変更量Δm[mm]だけ、下向きに変更する。この変更後、鋳造速度Vc[m/min]を増速する。ただし、下記式(1)において、鋳造速度Vc1[m/min]は上記減速前の鋳造速度Vc[m/min]を意味し、鋳造速度Vc2[m/min]は上記減速後の鋳造速度Vc[m/min]を意味する。各式において下向きを正とする。
(5.1.全体的な考察)
以上説明したように上記実施形態において、中炭素鋼の連続鋳造は、以下のような方法で行われる。即ち、炭素含有量C[wt%]が0.07〜0.18である中炭素鋼を、鋳造速度Vc[m/min]を0.8〜2.4として連続鋳造するに際し、鋳型内における凝固シェルの縦割れ発生の有無を監視する。鋳型内で凝固シェルに縦割れが発生したことを検知したら、検知した時点から下記式(1)を満たす減速時間Δt[sec]が経過するまでに、下記式(2)を満たす減速加速度Ac[m/min2]で、鋳造速度Vc[m/min]を下記式(3)を満たすように減速する。この減速後、湯面レベルを、下記式(4)を満たす湯面レベル変更速度Vm[m/min]で、下記式(5)を満たす湯面レベル変更量Δm[mm]だけ、下向きに変更する。この変更後、鋳造速度Vc[m/min]を増速する。ただし、下記式(1)において、鋳造速度Vc1[m/min]は上記減速前の鋳造速度Vc[m/min]を意味し、鋳造速度Vc2[m/min]は上記減速後の鋳造速度Vc[m/min]を意味する。各式において下向きを正とする。
以上の方法によれば、上記表3の通り、鋳型内で凝固シェルに縦割れが発生しても、鋳型直下型ブレークアウトを回避することができる。また、生産性を考慮しつつ、同一発生原因による以降の縦割れ再発を防止できる。
(5.2.個々の考察)
(5.2.1.鋳造速度Vc[m/min]の減速)
縦割れを検知したら、鋳造速度Vc[m/min]を減速させることで、縦割れが発生した箇所の、鋳型内における滞在時間が延長され、この縦割れ発生箇所の後方(溶鋼側)へのシェル発達が促される。縦割れ発生箇所の後方に健全なシェル(即ち、十分な厚みのシェル)が発達することで、この縦割れ発生箇所が鋳型下端を抜け出ても、湯漏れを起こさせない。ただし、試験No.33、35、37のように、この減速後の鋳造速度Vc[m/min]が0.7よりも大きいとシェル発達をさせるのに十分な時間を確保できない。一方、試験No.32、34、36のように、減速後の鋳造速度Vc[m/min]が0.3よりも小さいと浸漬ノズル2から鋳型1内への溶鋼の吐出流量が過小となり、メニスカスへの熱の供給が不足し、この結果、所謂皮張りや、メニスカス上に投入されたモールドパウダーの適切な滓化及び鋳型−凝固シェル間への流入が阻害されて、鋳型1の内壁面に対する凝固シェルの焼き付きが発生してしまう。
(5.2.1.鋳造速度Vc[m/min]の減速)
縦割れを検知したら、鋳造速度Vc[m/min]を減速させることで、縦割れが発生した箇所の、鋳型内における滞在時間が延長され、この縦割れ発生箇所の後方(溶鋼側)へのシェル発達が促される。縦割れ発生箇所の後方に健全なシェル(即ち、十分な厚みのシェル)が発達することで、この縦割れ発生箇所が鋳型下端を抜け出ても、湯漏れを起こさせない。ただし、試験No.33、35、37のように、この減速後の鋳造速度Vc[m/min]が0.7よりも大きいとシェル発達をさせるのに十分な時間を確保できない。一方、試験No.32、34、36のように、減速後の鋳造速度Vc[m/min]が0.3よりも小さいと浸漬ノズル2から鋳型1内への溶鋼の吐出流量が過小となり、メニスカスへの熱の供給が不足し、この結果、所謂皮張りや、メニスカス上に投入されたモールドパウダーの適切な滓化及び鋳型−凝固シェル間への流入が阻害されて、鋳型1の内壁面に対する凝固シェルの焼き付きが発生してしまう。
なお、縦割れ検知部102が縦割れの発生を検知したら、好ましくは、直ちに鋳造速度減速部103が鋳造速度Vc[m/min]の減速を開始するのがよい。
また、試験No.39、41〜43のように、速やかに上記減速を完了させないと、結局のところ、縦割れ発生箇所の鋳型内における滞在時間が確保できず、上記の湯漏れを防止できない。
また、上記の説明によれば、湯漏れ防止の観点からは、鋳造速度Vc[m/min]は急激に減速させた方がいいことが判る。しかし、鋳造速度Vc[m/min]の急激な変化は、鋳型1内の溶鋼流動に大きな変化をもたらし、この結果、メニスカスの波立ちを招く虞がある。メニスカスが波立つと、メニスカス上のモールドパウダーが溶鋼内に巻き込まれたり、滓化し切れていない非溶融状態のモールドパウダーが凝固シェルと鋳型との間に噛み込まれたり、溶融モールドパウダーの適切な流入が阻害されたりして、新たな縦割れやノロカミを引き起こす不具合を誘発する。参考までに、試験No.38、40、44の備考欄を参照されたい。
(5.2.2.湯面レベルの変更)
試験No.48〜50に示されるように、湯面レベル変更速度Vm[m/min]が過大であると、湯漏れは治癒できたが、ノロカミが発生した。また、別の部位に縦割れが発生する場合も認められた。これは、以下の理由によるものと考えられる。即ち、湯面レベル変更速度Vm[m/min]が過大であると、鋳型1内の溶鋼流動に大きな変化をもたらし、この結果、メニスカスの波立ちを招く虞がある。メニスカスが波立つと、メニスカス上のモールドパウダーが溶鋼内に巻き込まれたり、滓化し切れていない非溶融状態のモールドパウダーが凝固シェルと鋳型との間に噛み込まれたり、溶融モールドパウダーの適切な流入が阻害されたりして、新たな縦割れやノロカミを引き起こす不具合を誘発するからである。なお、メニスカスの波立ち防止の観点から、湯面レベル変更速度Vm[m/min]は一定であることが好ましい。
試験No.48〜50に示されるように、湯面レベル変更速度Vm[m/min]が過大であると、湯漏れは治癒できたが、ノロカミが発生した。また、別の部位に縦割れが発生する場合も認められた。これは、以下の理由によるものと考えられる。即ち、湯面レベル変更速度Vm[m/min]が過大であると、鋳型1内の溶鋼流動に大きな変化をもたらし、この結果、メニスカスの波立ちを招く虞がある。メニスカスが波立つと、メニスカス上のモールドパウダーが溶鋼内に巻き込まれたり、滓化し切れていない非溶融状態のモールドパウダーが凝固シェルと鋳型との間に噛み込まれたり、溶融モールドパウダーの適切な流入が阻害されたりして、新たな縦割れやノロカミを引き起こす不具合を誘発するからである。なお、メニスカスの波立ち防止の観点から、湯面レベル変更速度Vm[m/min]は一定であることが好ましい。
また、試験No.45〜47に示されるように、湯面レベル変更量Δm[mm]が20未満だと、湯漏れは治癒できたが、同一発生原因による以降の縦割れ再発を防止することはできなかった。これは、縦割れの発生原因がメニスカス近傍に固定して存在している場合と考えられ、この固定して存在する発生原因の代表例としては、鋳型銅板のキズ、モールドパウダーの焼結層の堆積などによって成長し形成された所謂スラグベアなどが挙げられる。なお、これらの固定して存在する発生原因は、同定して除去することが操業中では事実上不可能だが、湯面レベルを下げることでこの発生原因を回避できるという知見を日々の操業を通じて得たのである。
(5.3.その他の考察)
以上の説明においては、凝固シェルの縦割れに着目したものであるが、この縦割れと非常に似た欠陥として所謂ディプレッション(凹み)というものがある。これは、凝固シェルの外面に何らかの原因で形成された凹みを意味する。このディプレッションは、縦割れと区別して検知することができないし、縦割れと同様に湯漏れの原因となる。本明細書では縦割れについてのみ言及したが、本明細書における「縦割れ」とは原則として「縦割れ又はディプレッション」を意味するものとする。ただし、例外として、上記表3の備考欄における「縦割れ」は、「縦割れ又はディプレッション」ではなく、「縦割れ」のみを意味する。
以上の説明においては、凝固シェルの縦割れに着目したものであるが、この縦割れと非常に似た欠陥として所謂ディプレッション(凹み)というものがある。これは、凝固シェルの外面に何らかの原因で形成された凹みを意味する。このディプレッションは、縦割れと区別して検知することができないし、縦割れと同様に湯漏れの原因となる。本明細書では縦割れについてのみ言及したが、本明細書における「縦割れ」とは原則として「縦割れ又はディプレッション」を意味するものとする。ただし、例外として、上記表3の備考欄における「縦割れ」は、「縦割れ又はディプレッション」ではなく、「縦割れ」のみを意味する。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態は以下のように変更して実施することができる。
即ち、例えば、上記実施形態において、湯面レベル変更量Δm[mm]の下限は、上記式(5)に示されるように20としたが、好ましくは30とするとよい。
また、上記実施形態では、連続鋳造設備100のオペレータが操作することなく制御装置101が単独で上記実施形態に係る連続鋳造方法を実施できるように構成したが、これに代えて、例えば、縦割れ検知部102は、縦割れを検知したら音や光などでオペレータに警告するようにしてもよい。
以下、参考資料である。
<参考1:熱流束の算出方法>
以下、図6及び図7に基づいて、上記の各鋳型広面1aの熱流束q1[MW/m2]の算出方法を具体的に説明する。熱電対9の出力値、冷却水温度計10の出力値、鋳型銅板厚み、銅熱伝導度、鋳型背面とスリットを流れる冷却水との界面熱伝達係数(スリットを通過する水の流速から算出)から、スリットの形状を考慮して、コンピュータを用い、二次元の差分法で熱流束q1[MW/m2]を算出する。差分法の詳細を下記に示す。鋳型銅板の形状は図6のように反復する形状である。反復形状なので図6の太線で示す領域のみを考えればよい。鋳型銅板表層側から入熱し(q1)、鋳型銅板背面側から抜熱する。銅板を1[mm]ピッチでメッシュ分割して要素を作成し、図7に示すように要素の中心を通過する熱量の収支を計算する。計算の初期条件としてある熱流束を与え、熱電対実測温度T(i,j)と熱電対位置にあたる要素の計算温度T(i,j)とを比較し、その差が1%以下になるまで収束計算を行う。収束したときのq1の値を熱流束値とする。鋳型背面〜冷却水間熱伝達係数h1、鋳型背面〜SUSジャケット間熱伝達係数h2は同一とした。また、鋳型背面〜冷却水間熱伝達係数h1はスリットを流れる冷却水の流速から求めた。
・図6中、h1は鋳型冷却水孔部熱伝達係数を、q1は鋳片〜鋳型間熱流束を示す。銅熱伝導度λは0.849[cal/cm/sec/deg]と、鋳型背面〜冷却水間熱伝達係数h1は0.369[cal/cm/sec/deg]とする(日立造船技報、第34巻、第2号(1973))。鋳型冷却水温Twは鋳型出側水温測定値とする。
・計算式
境界条件(スリット側の鋳型銅板界面)は、下記式(6)のように熱伝達係数で規定する。境界条件(鋳片側の鋳型銅板界面)は、下記式(7)のように熱流束で規定する。銅板内部は、下記式(8)の通りとする。そして、式(6)〜(8)の各式を各要素について立て、温度T(I,J)の収支計算を実施する。なお、各式中、Δxは図6の奥行き(紙面厚み方向)のことを指す(例えば、1mm)。
・図6中、h1は鋳型冷却水孔部熱伝達係数を、q1は鋳片〜鋳型間熱流束を示す。銅熱伝導度λは0.849[cal/cm/sec/deg]と、鋳型背面〜冷却水間熱伝達係数h1は0.369[cal/cm/sec/deg]とする(日立造船技報、第34巻、第2号(1973))。鋳型冷却水温Twは鋳型出側水温測定値とする。
・計算式
境界条件(スリット側の鋳型銅板界面)は、下記式(6)のように熱伝達係数で規定する。境界条件(鋳片側の鋳型銅板界面)は、下記式(7)のように熱流束で規定する。銅板内部は、下記式(8)の通りとする。そして、式(6)〜(8)の各式を各要素について立て、温度T(I,J)の収支計算を実施する。なお、各式中、Δxは図6の奥行き(紙面厚み方向)のことを指す(例えば、1mm)。
なお、上記の熱流束q[MW/m2]の測定ないし算出の方法に代えて、公知の種々の方法を採用することもできる。即ち、例えば、(i)熱流束計を用いる方法や、(ii)一対の熱電対を銅板11に鋳型幅方向に埋設し、測定結果たる温度対に基づいて熱流束を求める方法、を採用してもよい。本実施形態の上記方法を採用すれば、鋳型内に埋設する必要となる熱電対の数が極めて少なくて済むので、熱電対の管理の面で大きなアドバンテージがある。勿論、その他の公知の計算的乃至解析的手法も適用可能であって、その選択は操業条件や設備環境などに応じて適宜に選択されよう。
<参考2:鋳型内電磁攪拌強度M−EMS[gauss]の測定方法>
(1)『測定時刻』は、任意である。
(2)『測定地点』は、以下の通りとする。即ち、「水平位置」は、(i)鋳型幅方向においては中央とし、(ii)鋳型厚み方向においては鋳型内壁面から中心へ向かって15[mm]とし、(iii)鋳型高さ方向においては鋳型に埋設される電磁コイルのコイル中心と揃えるものとする。
(3)『測定器具』は、適宜のガウスメータを用いる。
(4)上記の『測定時刻』及び『測定地点』、『測定器具』に準じて複数回測定する。そして上述した鋳型内電磁攪拌強度M−EMS[gauss]は、上記複数の測定値を平均化して求めることとする。
(5)なお、種々の観点から、上記鋳型内電磁攪拌強度M−EMS[gauss]は0〜1000が好ましいとされ、鋳型内の溶鋼に作用される磁場の周波数[Hz]は1〜5が好ましいとされ、一般に、この磁場の周波数[Hz]として2が採用される。
(1)『測定時刻』は、任意である。
(2)『測定地点』は、以下の通りとする。即ち、「水平位置」は、(i)鋳型幅方向においては中央とし、(ii)鋳型厚み方向においては鋳型内壁面から中心へ向かって15[mm]とし、(iii)鋳型高さ方向においては鋳型に埋設される電磁コイルのコイル中心と揃えるものとする。
(3)『測定器具』は、適宜のガウスメータを用いる。
(4)上記の『測定時刻』及び『測定地点』、『測定器具』に準じて複数回測定する。そして上述した鋳型内電磁攪拌強度M−EMS[gauss]は、上記複数の測定値を平均化して求めることとする。
(5)なお、種々の観点から、上記鋳型内電磁攪拌強度M−EMS[gauss]は0〜1000が好ましいとされ、鋳型内の溶鋼に作用される磁場の周波数[Hz]は1〜5が好ましいとされ、一般に、この磁場の周波数[Hz]として2が採用される。
1 鋳型
2 浸漬ノズル
100 連続鋳造設備
101 制御装置
2 浸漬ノズル
100 連続鋳造設備
101 制御装置
Claims (1)
- 炭素含有量C[wt%]が0.07〜0.18である中炭素鋼を、鋳造速度Vc[m/min]を0.8〜2.4として連続鋳造するに際し、
鋳型内における凝固シェルの縦割れ発生の有無を監視し、
鋳型内で凝固シェルに縦割れが発生したことを検知したら、検知した時点から下記式(1)を満たす減速時間Δt[sec]が経過するまでに、下記式(2)を満たす減速加速度Ac[m/min2]で、鋳造速度Vc[m/min]を下記式(3)を満たすように減速し、
この減速後、湯面レベルを、下記式(4)を満たす湯面レベル変更速度Vm[m/min]で、下記式(5)を満たす湯面レベル変更量Δm[mm]だけ、下向きに変更し、
この変更後、鋳造速度Vc[m/min]を増速する、
ことを特徴とする、鋳造速度と湯面レベルの変更を伴った中炭素鋼の連続鋳造方法。
ただし、下記式(1)において、鋳造速度Vc1[m/min]は上記減速前の鋳造速度Vc[m/min]を意味し、鋳造速度Vc2[m/min]は上記減速後の鋳造速度Vc[m/min]を意味する。下記式(2)〜(4)において下向きを正とする。
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-
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