JP2009231582A - 化合物半導体スイッチ回路装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチMMICのスイッチング素子を構成するFETに櫛状パターンのゲート電極を採用した場合、線形性には優れるが、高調波歪み特性が良好でなく、特にハイパワー用途に適用するには限界があった。
【解決手段】櫛状パターンのゲート電極を有する第1FETと、曲折パターンのゲート電極を有する第2FETを組み合わせて多段接続し、スイッチング素子を構成する。櫛状パターンのゲート電極のFET(第1FET)は線形性に優れ、曲折パターンのゲート電極のFET(第2FET)は高調波歪み特性に優れている。これらを適宜組み合わせて直列接続することにより、線形性と高調波歪み特性がいずれも良好なスイッチMMICを提供できる。特にSPnTスイッチMMICの共通入力端子に最も近いFETを第1FETにすると好適である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、化合物半導体スイッチ回路装置に係り、特に高調波歪みの少ない化合物半導体スイッチ回路装置に関する。
携帯電話等の移動体用通信機器では、GHz帯のマイクロ波を使用している場合が多く、アンテナの切換回路や送受信の切換回路などに、これらの高周波信号を切り替えるためのスイッチング素子が用いられることが多い。その素子としては、高周波を扱うことからガリウム・砒素(GaAs)を用いた電界効果トランジスタ(以下FETという)を使用する事が多く、これに伴って前記スイッチ回路自体を集積化したモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)の開発が進められている(例えば特許文献1参照。)。
図6は、従来の化合物半導体チップの一例として、FETを複数段接続した2つのスイッチング素子からなるスイッチMMICを示す。
化合物半導体基板に第1および第2スイッチング素子SW1、SW2となる2つのFET群を配置する。各FET群は3つのFETを直列に多段接続したものである。各FET群のゲート電極にはそれぞれ、コントロール抵抗CR1、コントロール抵抗CR2が接続されている。また共通入力端子IN、および出力端子OUT1、OUT2に接続する電極パッドI、O1、O2と、制御端子Ctl1およびCtl2にそれぞれ接続する2つの電極パッドC1およびC2が基板の周辺に設けられている。
第2層目の金属層による配線は各FETのゲート電極を形成するゲート金属層220であり、第3層目の金属層による配線は各素子の接続およびパッドの形成を行うパッド金属層230である。第1層目の金属層であるオーミック金属層は各FETのソース電極、ドレイン電極等を形成するものであり、図6では、パッド金属層と重なるために図示されていない。
第1スイッチング素子SW1のFET1−1〜FET1−3、および第2スイッチング素子SW2のFET2−1〜FET2−3は全て同様の構成である。例えば、FET1−1は上側から伸びる櫛状のパッド金属層230が共通入力端子パッドIに接続されるソース電極235(あるいはドレイン電極)であり、この下にオーミック金属層で形成されるソース電極(あるいはドレイン電極)が設けられる。
また下側から伸びる櫛状のパッド金属層230がFET1−1のドレイン電極236(あるいはソース電極)であり、この下にオーミック金属層で形成されるドレイン電極(あるいはソース電極)が設けられる。
ソース電極235およびドレイン電極236は点線で示すチャネル領域252上で櫛歯をかみ合わせた形状に配置され、その間にゲート金属層220で形成される櫛状のゲート電極221が配置されている。
特開2005−340550号公報(第21頁 第10図)
移動体通信では、隣接周波数の干渉は避けられない。上記のMMICにも基本周波数を入力すると2倍、3倍・・・の周波数成分が出力される。この成分がそれぞれ、2次高調波、3次高調波であり、受信感度を悪化させる不必要な信号である。つまり、高調波歪み特性は、ハイパワースイッチにおいては重要な要因である。
図6の如くゲート電極221を櫛状パターンにしたFETは線形性に優れているが、その反面、高調波ひずみ特性が良好ではないことが知られている。これは、特にハイパワー用途の場合、オフ側となるスイッチング素子において高周波信号が漏れるためであり、その理由として以下のことが考えられる。
例えば、第1スイッチング素子SW1がオフ側で第2スイッチング素子SW2がオン側の場合、入力端子パッドIに連続するソース電極235はオン側とオフ側のスイッチング素子とで共通であり、入力端子パッドIに最も近いオフ側のFET(FET1−1)のソース電極235にも高周波信号が伝播する。このとき、オフ側の丸印の領域では櫛歯を束ねるゲート電極221の下方において、基板251に広がる空乏層によって、基板251を介して伝播する高周波信号を遮断することができる。
これに対して、オフ側のFETの破線丸印で示した櫛歯の先端部分では、矢印で示した信号の伝播方向において近接するソース電極235とドレイン電極236間に、ゲート電極221が配置されない。従ってオフ時にGaAs基板251内に空乏層が広がらず、高周波信号を遮断することができない。
更に、交差部CP’では、ソース電極235(またはドレイン電極236)は、その下方のゲート電極221と、窒化膜を介して交差して延在している(後に詳述する)。つまり、ゲート電極221下方では空乏層によって基板を介して漏れる高周波信号は遮断できるが、基板の表面においてはソース電極235(またはドレイン電極236)を通過する高周波信号が窒化膜を介してゲート電極221に漏れ、これによっても2次高調波が悪化すると考えられる。
交差部CP’の面積を決定するゲート電極幅を変化させて2次高調波レベルを測定した結果によれば、ゲート電極221の幅が小さい方が2次高調波レベルが改善される。つまり、スイッチMMIC全体として交差部CP’の面積を低減し、寄生容量を低下させることによって、2次高調波レベルを改善できる。
しかしゲート電極幅が低減するとオフ時に基板251に広がる空乏層幅も狭くなるため、基板251内の信号の遮断効果も低減してしまう。
このように、従来の櫛状パターンのゲート電極構造ではパワー特性(高い最大入力電力を得られる特性)と高調波歪み特性を両立させるには限界があった。
本発明は上述した諸々の事情に鑑み成されたもので、化合物半導体基板と、該化合物半導体基板に複数設けられ、それぞれFETを直列に多段接続したスイッチング素子と、前記化合物半導体基板に設けられ、それぞれの前記スイッチング素子の一端のFETのソース電極またはドレイン電極が共通で接続する入力端子パッドと、前記化合物半導体基板に設けられ、それぞれの前記スイッチング素子の他端のFETのドレイン電極またはソース電極が接続する複数の出力端子パッドと、前記化合物半導体基板に設けられ、それぞれの前記スイッチング素子のゲート電極が接続する複数の制御端子パッドと、を有する化合物半導体スイッチ回路装置であって、前記FETは、前記ソース電極または前記ドレイン電極と前記ゲート電極の一部とが交差する第1FETと、前記ソース電極及び前記ドレイン電極と前記ゲート電極とが交差しない第2FETを含み、前記スイッチング素子は前記一端に前記第1FETが配置されることを特徴とすることにより、解決するものである。
本発明に依れば、ゲート電極が櫛状パターンを有するFET(第1FET)と曲折パターンを有するFET(第2FET)とを多段接続したFET群でスイッチング素子を構成することにより、オフ側のスイッチング素子において従来より少ない段数(多段接続数)で、線形性と高調波歪み特性が共に良好なスイッチ回路装置を実現できる。
特に、共通入力端子パッドに近いFETのゲート電極を櫛状パターンとすることにより、中電力および大電力入力時にも線形性に優れ、且つ高調波歪みの少ないスイッチ回路装置を提供できる。
また、FETの多段接続数の減少によりチップサイズを小さくすることができ、コストの低減および小型化パッケージへの搭載が可能となる。
更に、線形性と高調波歪み特性は、第1FETと第2FETの接続数、および直列接続の配置により所望の特性を適宜選択できる利点を有する。
図1から図5を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施形態の化合物半導体スイッチ回路装置は、化合物半導体基板と、スイッチング素子と、入力端子パッドと、出力端子パッドと、制御端子パッドと、から構成され、スイッチング素子は、それぞれ異なるパターンのゲート電極を有する第1FETおよび第2FETが多段接続されたFET群である。
本実施形態では化合物半導体スイッチ回路装置として、FETを3段に直列接続した2つのスイッチング素子からなるSPDT(Single Pole Double Throw)スイッチMMIC(monolithic microwave integrated circuits)(以下スイッチMMIC)を例に説明する。
図1は、スイッチMMICの一例を示す回路図である。
スイッチMMICは、第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2と、共通入力端子IN、第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2、第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2を有する。
第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2は、それぞれ3つ(3段)のFETが直列接続したFET群である。すなわち第1スイッチング素子SW1は、FET1−1、FET1−2、FET1−3のソースS及びドレインDが直列接続し、第2スイッチング素子SW2は、FET2−1、FET2−2、FET2−3のソースS及びドレインDが直列接続する。
尚、スイッチMMICにおいては、ソースSおよびドレインDは等価である。従って以下の説明におけるソースS(ソース電極)およびドレインD(ドレイン電極)は、これらを入れ替えても同様である。
第1スイッチング素子SW1の一端のFET(FET1−1)および第2スイッチング素子SW2の一端のFET(FET2−1)のソースSは、共通の入力端子(共通入力端子)INに接続し、第1スイッチング素子SW1の他端のFET(FET1−3)および第2スイッチング素子SW2の他端のFET(FET2−3)のドレインDは、それぞれ、第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2に接続する。
また、第1スイッチング素子SW1の3つのFETのゲートはコントロール抵抗CR1を介して第1制御端子Ctl1に接続する。また第2スイッチング素子SW2の3つのFETのゲートも他のコントロール抵抗CR2を介して第2制御端子Ctl2に接続する。
コントロール抵抗CR1、CR2は、交流接地となる第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2の直流電位に対して、ゲートを介して高周波信号が漏出することを防止する目的で配置されている。コントロール抵抗CR1、CR2の抵抗値はそれぞれ5KΩ〜20KΩ程度である。
図1のSPDTスイッチMMICの回路動作は以下のとおりである。
第1制御端子Ctl1と第2制御端子Ctl2に印加される制御信号は相補信号であり、Hレベルの信号が印加された側のFET群(スイッチング素子)がオンして、共通入力端子INに印加された入力信号を第1出力端子OUT1または第2出力端子OUT2に伝達するようになっている。
すなわち、第1制御端子Ctl1に例えば3V、第2制御端子Ctl2に0Vのバイアス信号を印加することにより共通入力端子IN−第1出力端子OUT1間に信号を通過させ、第1制御端子Ctl1に0V、第2制御端子Ctl2に3Vのバイアス信号を印加することにより共通入力端子IN−第2出力端子OUT2間に信号を通過させる。
図2は、上記のスイッチMMICを化合物半導体基板の1チップに集積化した平面図である。
スイッチMMICは、化合物半導体基板11にスイッチを行う第1スイッチング素子SW1、第2スイッチング素子SW2を配置する。第1スイッチング素子SW1はFET1−1、FET1−2、FET1−3のソース電極およびドレイン電極を直列に接続したFET群である。また第2スイッチング素子SW2は、FET2−1、FET2−2、FET2−3のソース電極およびドレイン電極を直列に接続したFET群である。
また共通入力端子IN、第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2、第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2にそれぞれ対応する共通入力端子パッドI、第1出力端子パッドO1、第2出力端子パッドO2、第1制御端子パッドC1、第2制御端子パッドC2が基板の周辺に設けられている。
第1および第2スイッチング素子SW1、SW2を構成する6つのFETのゲート電極にはそれぞれ、不純物領域からなるコントロール抵抗CR1、CR2が接続する。第1スイッチング素子SW1のコントロール抵抗CR1は第1制御端子パッドC1に接続し、第2スイッチング素子SW2のコントロール抵抗CR2は第2制御端子パッドC2に接続する。
基板11にオーミックに接続する第1層目の金属層はオーミック金属層(AuGe/Ni/Au)であり、各FETのソース電極、ドレイン電極および各抵抗両端の取り出し電極を形成する。尚オーミック金属層は、図2では、パッド金属層(Ti/Pt/Au)30と重なるために図示されていない。第2層目金属層は各FETのゲート電極21a、21bを形成するゲート金属層(例えばPt/Mo)20であり、第3層目の金属層は各FETの接続およびパッドの形成を行うパッド金属層30である。
第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2はチップの中心線に対して対称に配置されており、構成は同様であるので、以下第1スイッチング素子SW1について説明する。
スイッチMMICの動作領域12は、ここでは、不純物領域であるチャネル領域12cとチャネル領域表面に設けられた高濃度不純物領域のソース領域およびドレイン領域(不図示)が配置される。動作領域12はチャネル領域12cと同じ範囲の領域である。ソース領域およびドレイン領域には短冊状のソース電極およびドレイン電極(不図示)が接続する。
FET1−1は上側から伸びる櫛状の3本のパッド金属層30により、共通入力端子パッドIに接続されるソース電極35が形成され、この下にオーミック金属層で形成される短冊状のソース電極が配置される。また下側から伸びる櫛状の3本のパッド金属層30によりFET1−1のドレイン電極36が形成され、この下にオーミック金属層で形成される短冊状のドレイン電極が配置され、両電極は櫛歯をかみ合わせた形状に配置される。
櫛状のソース電極35およびドレイン電極36の間には、ゲート金属層20で形成された櫛状パターンのゲート電極21aがチャネル領域とショットキー接合を形成している。櫛状パターンのゲート電極21aは、ソース電極35の櫛歯の延在方向(第1方向)に沿って延在する櫛歯部211aと、複数の櫛歯部211aの一端を束ねて第1方向と交差する方向(第2方向)に延在する配線部212aとからなる。ゲート電極21aは動作領域12外でコントロール抵抗CR1の取り出し電極に接続する。
FET1−2は上側から伸びる櫛状の3本のパッド金属層30によりソース電極35が形成され、この下にオーミック金属層で形成される短冊状のソース電極が配置される。ソース電極35はFET1−1のドレイン電極36と接続する。また下側から伸びる櫛状の3本のパッド金属層30によりドレイン電極36が形成され、この下にオーミック金属層で形成される短冊状のドレイン電極が配置される。
両電極は櫛歯をかみ合わせた形状に配置され、その間にゲート金属層20で形成された曲折パターンのゲート電極21bが配置されている。曲折パターンのゲート電極21bは、ソース電極35の櫛歯の延在方向に沿った第1方向及び、櫛歯の延在方向に交差する第2方向に延在する。つまり、1本のゲート電極21bの一端がコントロール抵抗CR1に接続し、他端まで連続して延在するいわゆるメアンダ形状となっている。
FET1−3は上側から伸びる櫛状の3本のパッド金属層30により、FET1−2のドレイン電極36と接続するソース電極35が形成され、この下にオーミック金属層で形成される短冊状のソース電極が配置される。また下側から伸びる櫛状の3本のパッド金属層30により第1出力端子パッドO1に接続するドレイン電極36が形成される。ドレイン電極36の下にはオーミック金属層で形成される短冊状のドレイン電極が配置され、両電極は櫛歯をかみ合わせた形状に配置される。
櫛状のソース電極35およびドレイン電極36の間には、ゲート金属層20で形成された曲折パターンのゲート電極21bが配置されている。曲折パターンのゲート電極21bは、FET1−2と同様である。
本実施形態では、SPDTスイッチMMICを構成するそれぞれのスイッチング素子(例えば第1スイッチング素子SW1)は複数(例えば3段)のFETを直列接続したFET群である。そして、FET群は、異なるパターンのゲート電極21a、21bを有するFETを組み合わせて構成される。
具体的には、FET1−1としてゲート電極21aが櫛状パターンの第1FETを配置し、FET1−2およびFET1−3としてゲート電極21bが曲折パターン(メアンダパターン)の第2FETを配置している。
第1FETは、入力電力に対して挿入損失の劣化が少なく、すなわち線形性が良い反面、オフ側で使用する場合に高周波信号が漏れ易く、高調波歪み特性が良好ではない。
図3および図4を参照して説明する。図3及び図4は、例えば第2スイッチング素子SW2がオン側で高周波信号が入力端子INから出力端子OUT2に伝播する場合に、オフ側となる第1スイッチング素子SW1の1つのFET(FET1−1)の一部を抜粋した図である。図3が平面図、図4(A)、(B)、(C)がそれぞれ図3のa−a線、b−b線、c−c線の断面図である。
尚、FETはMESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)、GaAs JFET(Junction FET)、HEMT(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)のいずれでも良いが、ここでは主にHEMTに用いられる基板構造の場合を例に説明する。
図3を参照して、例えば、第1スイッチング素子SW1がオン側で第2スイッチング素子SW2がオフ側の場合、入力端子パッドIに連続するソース電極35はオン側とオフ側のスイッチング素子で共通であり、入力端子パッドIに最も近いFET(FET1−1)のソース電極35には矢印の如く高周波信号が伝播する。
図4(A)を参照して、HEMTの基板11は、半絶縁性GaAs基板111上にノンドープのバッファ層112と、n+型の電子供給層(例えばAlGaAs層)113、スペーサ層114、チャネル(電子走行)層(例えばノンドープInGaAs層)115、スペーサ層116、n+型の電子供給層(例えばAlGaAs層)117、障壁層(例えばノンドープAlGaAs層)118、高濃度のn型のキャップ層(例えばGaAs層)119を順次積層してなる。
障壁層118は所定の耐圧とピンチオフ電圧を確保し、キャップ層119には、ソース電極15、ドレイン電極16、または抵抗の取出し電極等の金属層が接続し、これにより、オーミック性を向上させている。
HEMTでは、基板11に不純物(例えばボロン:B)を高濃度に注入した絶縁化領域100を所望のパターンで設けることにより、n+型キャップ層119またはそれより下層のn型の基板11を互いに分離して、これらを不純物領域としている。
例えば、図2では点線で囲まれた内側にn+型のキャップ層119またはn型の障壁層118が残存するように、それ以外の領域に絶縁化領域100を形成している。これにより、キャップ層119が残存した領域は、例えば高濃度のn型(n+型)のソース領域、ドレイン領域となり、あるいはまた各電極パッド周辺や第1スイッチング素子SWと第2スイッチング素子SW2間の高濃度(n+型)の不純物領域となる。各電極パッド周辺や、スイッチング素子間の高濃度の不純物領域はアイソレーション向上のために配置される。
また、ゲート電極21a、21bが配置されるチャネル領域12cでは、キャップ層119も除去され、n型の障壁層118が露出した比較的低濃度のn型不純物領域となっている。
FET(FET1−1)のソース電極35に矢印の如く高周波信号が伝播した場合、丸印で示したゲート電極21aの配線部212aの下方では基板11内に十分な空乏層80が広がる。これにより、基板11を介して伝播する高周波信号を遮断することができる(図4(A))。
これに対して、破線丸印で示した櫛歯の先端部分では、信号の伝播方向(矢印)において近接するソース電極35とドレイン電極36間には、ゲート電極21aが配置されない(図4(B))。従ってオフ時にGaAs基板11内に空乏層が広がらず、これだけでは高周波信号を遮断することができない。
また絶縁化領域100は、イオン注入にて形成しているため不純物濃度勾配があり、特にHEMTではダブルへテロ構造のため、完全にチャネルを絶縁できない。
更に、図4(C)の如く、交差部CPでは、ソース電極35(またはドレイン電極36)が、チャネル領域12c上に設けられた1層目のソース電極15(またはドレイン電極)と接続すべく、配線部212a上に窒化膜60を介して延在している。つまり、配線部212a下方では基板11に広がる空乏層80によって、基板11を介して漏れる高周波信号は遮断できるが、基板11の表面で、ソース電極35(またはドレイン電極36)を通過する高周波信号が窒化膜60を介して配線部212aに漏れ、これによっても2次高調波が悪化すると考えられる。
既述の如く、交差部CPの面積を決定する配線部212aのゲート電極幅dg幅が小さい方が2次高調波レベルが改善される。つまり、スイッチMMIC全体として交差部CPの面積を低減し、寄生容量を低下させることによって、2次高調波レベルを改善できる。
しかしゲート電極幅dgが低減するとオフ時に基板11に広がる空乏層80幅も狭くなるため、基板111内の信号の遮断効果も低減してしまう。
一方、第2FETでは、ソース電極35およびドレイン電極36にゲート電極21bとの交差部が存在しない(図2参照)。このため、オフ側で使用する場合に高周波信号が漏れにくく、高調波歪み特性が良好である。
また、曲折したパターンによって、チャネル領域12c内のいずれの領域においてもソース電極35とドレイン電極36間にはゲート電極21bが配置されている。従って、図4(A)の断面図と同様にオフ時には基板11に空乏層80が十分に広がり、基板11を介して漏れる高周波信号を防止できる。
そこで、本実施形態では、これら第1FETおよび第2FETを組み合わせて多段接続し、スイッチング素子を構成することにより、線形性と高調波歪み特性のいずれも良好なスイッチング素子を提供できる。
これにより、多段接続数を低減して最大入力電力を向上させることができるため、チップサイズを小型化でき、コスト低減および小型パッケージへの搭載が可能になる。
図2では、スイッチング素子の1段目(FET1−1)に櫛状パターンの第1FETを採用し、2段目(FET1−2)および3段目(FET1−3)に曲折パターンの第2FETを採用した場合を例に示した。しかし第1FETおよび第2FETの組み合わせや接続順は図示したものに限らない。
線形性と高調波歪み特性は、第1FETおよび第2FETの組み合わせによって適宜選択が可能であるので、線形性をより高めるには第1FETの接続数を多くし、高調波歪み特性を良好にするには第2FETの接続数を増加させればよい。
但し、共通入力端子パッドIに近いFETには、櫛状パターンの第1FETを配置することが望ましい。これは記述の如く高周波信号の伝播経路に対して直交する方向に伸びるゲート電極21aの配線部212aによって、基板11に空乏層80を広げ、高周波信号の漏れを防止できるからである(図4(A)参照)。
このように、少なくとも共通入力端子パッドIに最も近い1段目のFETに第1FETを配置し、それより下段のFETには第1FETがある場合、共通入力端子パッドIに近いほうに第1FETを配置する。
図5には、これらの組み合わせの一例を示す。尚、図5は例えば第1スイッチング素子SW1の第1FET51、第2FET52接続例を示すものであり、ゲート電極21a、21bのパターンの概略を示す平面図である。
例えば図5(A)は、第1スイッチング素子SW1のFETの多段接続数が3段の場合で、共通入力端子IN側の1段目および2段目に第1FET51を接続し、3段目に第2FET52を接続した場合である。
尚、配線部212aはその幅dg1が広い方が、オフ時に基板内に十分な空乏層を広げることができる。従って、本実施形態では、ゲート電極21aの配線部212aはその幅dg1を例えば3〜5μm程度とし、櫛歯部211aの幅dg2は0.4μm程度とする。曲折パターンのゲート電極21bの幅dg3も0.4μm程度である。
配線部212aの幅dg1が広すぎると、基板表面においてソース電極35およびドレイン電極36との交差部CPの面積も大きくなり、ゲート電極21aと、これと交差するソース電極35およびドレイン電極36間の窒化膜(図4(C)参照)を介してゲート電極21aに漏れる信号も発生する。
しかし、本実施形態では、櫛状パターンの第1FET51の下段に、高周波信号の漏れにくい曲折パターンの第2FET52を配置するため、例えば第1出力端子OUT1に漏れる高周波信号を防止することができる。
また、図5(B)は、多段接続数が2段の場合であり、1段目が第1FET51であり、2段目が第2FET52である。
更に図5(C)は、多段接続数が3段の場合であり、1段目と3段目に第1FET51を接続し、2段目に第2FET52を接続した場合である。この場合は図5(A)と比較して、線形性に劣るため図5(A)の方が望ましい。
尚多段接続数は、4段以上であっても同様に実施できる。更に、SPDTスイッチMMICの場合を例に説明したが、スイッチング素子の数が3、4・・nのSP3T、SP4T・・SPnTのMMICであっても、同様に実施でき、同様の効果が得られる。
また本実施形態では、HEMTに採用される基板11を例に説明したが、各半導体層は上記の例に限らない。さらにGaAs基板にn型不純物の注入などによって不純物領域を設けた化合物半導体基板であっても同様に実施できる。
更に、第1FETの櫛歯部はその先端が、隣り合うソース電極またはドレイン電極方向に曲折していてもよい。
本発明を説明するための回路図である。 本発明を説明するための平面図である。 本発明を説明するための平面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための平面図である。 従来技術を説明する平面図である。
符号の説明
11 化合物半導体基板
12 動作領域
12c チャネル領域
20 ゲート金属層
21 ゲート電極
21a ゲート電極(櫛状パターン)
211a 櫛歯部
212a 配線部
21b ゲート電極(曲折パターン)
30 パッド金属層
35 ソース電極
36 ドレイン電極
51 第1FET
52 第2FET
220 ゲート金属層
221 ゲート電極
230 パッド金属層
235 ソース電極
236 ドレイン電極
251 基板
252 動作領域
IN 共通入力端子
Ctl1 第1制御端子
Ctl2 第2制御端子
OUT1 第1出力端子
OUT2 第2出力端子
I 共通入力端子パッド
C1 第1制御端子パッド
C2 第2制御端子パッド
O1 第1出力端子パッド
O2 第2出力端子パッド
CR1、CR2 コントロール抵抗
SW1 第1スイッチング素子
SW2 第2スイッチング素子
CP、CP’ 交差部
G ゲート
S ソース
D ドレイン

Claims (6)

  1. 化合物半導体基板と、
    該化合物半導体基板に複数設けられ、それぞれFETを直列に多段接続したスイッチング素子と、
    前記化合物半導体基板に設けられ、それぞれの前記スイッチング素子の一端のFETのソース電極またはドレイン電極が共通で接続する入力端子パッドと、
    前記化合物半導体基板に設けられ、それぞれの前記スイッチング素子の他端のFETのドレイン電極またはソース電極が接続する複数の出力端子パッドと、
    前記化合物半導体基板に設けられ、それぞれの前記スイッチング素子のゲート電極が接続する複数の制御端子パッドと、を有する化合物半導体スイッチ回路装置であって、
    前記FETは、前記ソース電極または前記ドレイン電極と前記ゲート電極の一部とが交差する第1FETと、前記ソース電極及び前記ドレイン電極と前記ゲート電極とが交差しない第2FETを含み、
    前記スイッチング素子は前記一端に前記第1FETが配置されることを特徴とする化合物半導体スイッチ回路装置。
  2. 前記第1FETを複数段連続して接続することを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  3. 前記第1FETの前記ゲート電極は第1方向に延在する櫛歯部と該櫛歯部の一端を束ねて第2方向に延在する配線部とからなる櫛状パターンであることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  4. 前記第2FETの前記ゲート電極は第1方向及び第2方向に連続して延在する曲折パターンであることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  5. 前記ソース電極および前記ドレイン電極は、第1方向に延在する櫛歯部を有する櫛状パターンであり、前記第1方向に延在する前記ゲート電極に沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  6. 前記入力端子パッドと前記出力端子パッド間に高周波アナログ信号が伝搬することを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
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