JP2006310511A - 化合物半導体スイッチ回路装置 - Google Patents

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哲郎 浅野
Yuichi Kusaka
祐一 日下
Mikito Sakakibara
幹人 榊原
Hidetoshi Ishihara
秀俊 石原
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Abstract

【課題】スイッチMMICにおいて、第1ソース電極および第2ソース電極とドレイン配線または第1ドレイン電極および第2ドレイン電極とソース配線が近接している箇所において、高周波信号の漏れがあり、電気的特性が劣化する問題があった。
【解決手段】櫛状のゲート電極を1つの動作領域に2つ配置する。2つのゲート電極は互いの櫛歯をかみ合わせるように対向配置する。これらのゲート配線を第1ソース電極および第2ソース電極とドレイン配線間、または第1ドレイン電極および第2ドレイン電極とソース配線間に配置する。オフ側FETのゲート電極は高周波信号としてGND電位であるので、ドレイン−ソース間の高周波信号の漏れを防止できる。ゲート電極は共に櫛状であるので、レジスト除去液が隣接するゲート電極間に十分滲入するのでリフトオフが容易となる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、化合物半導体スイッチ回路装置に係り、特に高周波信号の漏れを抑制し、歪み特性の劣化を防止した化合物半導体スイッチ回路装置に関する。
携帯電話等の移動体用通信機器では、GHz帯のマイクロ波を使用している場合が多く、アンテナの切換回路や送受信の切換回路などに、これらの高周波信号を切り替えるためのスイッチ素子が用いられることが多い。その素子としては、高周波を扱うことからガリウム・砒素(GaAs)を用いた電界効果トランジスタ(以下FETという)を使用する事が多く、これに伴って前記スイッチ回路自体を集積化したモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)の開発が進められている。
図7は、従来の化合物半導体チップの一例として、FETを複数段接続した2つのスイッチング素子からなるスイッチMMICを示す。
化合物半導体基板に第1および第2スイッチング素子SW1、SW2となる2つのFET群を配置する。各FET群は3つのFETを直列に接続したものである。各FET群を構成する6つのゲート電極にはそれぞれ、第1コントロール抵抗CR1、第2コントロール抵抗CR2が接続されている。また共通入力端子INおよび出力端子OUT1およびOUT2に接続する電極パッドI、O1、O2と、制御端子Ctl1およびCtl2にそれぞれ接続する2つの電極パッドC1、およびC2、が基板の周辺に設けられている。
点線で示した第2層目の金属層による配線は各FETのゲート電極を形成するゲート金属層220であり、実線で示した第3層目の金属層による配線は各素子の接続およびパッドの形成を行う配線金属層230である。第1層目の金属層であり基板にオーミックに接触するオーミック金属層は各FETのソース電極、ドレイン電極等を形成するものであり、図7では、配線金属層と重なるために図示されていない。
第1スイッチング素子SW1のFET1−1は上側から伸びる櫛状の3本の配線金属層230が共通入力端子パッドIに接続されるソース電極215(あるいはドレイン電極)であり、この下にオーミック金属層で形成されるソース電極(あるいはドレイン電極)が設けられる。各ソース電極215は配線金属層230によるソース配線231によりそれぞれ接続されている。
また下側から伸びる櫛歯状の3本の配線金属層230がFET1−1のドレイン電極216(あるいはソース電極)であり、この下にオーミック金属層で形成されるドレイン電極(あるいはソース電極)が設けられる。各ドレイン電極216は配線金属層230によるドレイン配線232によりそれぞれ接続されている。
ソース電極215およびドレイン電極216は櫛歯をかみ合わせた形状に配置され、その間にゲート金属層220で形成されるゲート電極217が5本の櫛歯形状に配置されている。各ゲート電極217は、一点鎖線で示す動作領域300外でゲート配線221によってそれぞれ接続されている(例えば特願2004−371831号明細書参照。)。
上記のスイッチMMICにおいて、ソース電極とドレイン電極が近接する箇所において、これらの間に高周波アナログ信号(以下高周波信号)の漏れが発生し、これが原因となって電気的特性が劣化する問題があった。
具体的には、第1スイッチング素子SW1をオン側のスイッチング素子とした場合、高周波信号は、矢印の如く共通入力端子パッドIから各FETのチャネル層を通過し、第1出力端子パッドO1へ伝搬する。
オフ側のスイッチング素子となる第2スイッチング素子SW2においては高周波信号はFETのチャネル層中を通過しない。つまり、一点鎖線で示す動作領域300においては、近接するソース電極−ドレイン電極間で高周波信号が漏れることはない。また二点鎖線で囲んだX領域では、共通入力端子パッドIに最も近いためハイパワーの高周波信号にさらされている。しかしX領域においても、高周波信号の漏れは発生しない。
そのためオン側の共通入力端子IN−第1出力端子OUT1間の信号経路において、出力信号のリニアリティ特性は設計通りの値を確保できる。
しかし、FETを多段接続したハイパワースイッチ回路装置のソース電極およびドレイン電極が隣接し直接対向する箇所において、高周波信号のリークがFETのチャネル層外で発生することがわかった。
つまり、ソース電極−ドレイン電極が隣接し直接対向する実線のY領域において、ソース電極−ドレイン電極間(具体的にはソース電極215−ドレイン配線232間)で高周波信号の漏れが発生する。このため出力信号の歪みレベルは設計通りの値を確保できず、高調波レベルが高過ぎるという問題があった。
図8は、図7に示す従来のスイッチMMICの他のパターンである。図7のスイッチMMICでは、ゲート配線221がゲート電極217の櫛歯に対して共通入力端子パッドI側に配置され、ゲート電極217の櫛歯の先端が第1出力端子パッドO1および第2出力端子パッドO2側に配置される。
一方、図8のスイッチMMICでは、ゲート配線221がゲート電極217の櫛歯に対して第1出力端子パッドO1、第2出力端子パッドO2側に配置され、ゲート電極217の櫛歯の先端が共通入力端子パッドI側に配置される。他の構成要素は同様であるので説明は省略する。
この場合、共通入力端子パッドIに最も近いX’領域はハイパワーの高周波信号にさらされているのもかかわらずソース電極−ドレイン電極が隣接して直接対向しているため、このX’領域において大きな高周波信号の漏れが発生することが判った。具体的には、オン側の共通入力端子IN−第1出力端子OUT1間の信号経路において、Pin0.1dBが設計より数dB低い値しか確保できない。その上Y領域においてもソース電極215−ドレイン電極216間に高周波信号の漏れが発生し、歪特性も悪い問題があった。
本発明は上述した諸々の事情に鑑み成されたもので、化合物半導体基板の動作領域上に櫛状のソース電極、ゲート電極、ドレイン電極を設けたスイッチング素子と、前記スイッチング素子のソース電極またはドレイン電極に接続する第1RFポートと、前記スイッチング素子のドレイン電極またはソース電極に接続する第2RFポートと、前記スイッチング素子のゲート電極に接続する制御端子と、を具備し、1つの前記動作領域に複数の前記ゲート電極を設け、1つの前記ゲート電極と他の前記ゲート電極の櫛歯をそれぞれかみ合わせて対向配置することにより解決するものである。

本発明に依れば以下の効果が得られる。
第1に、1つの動作領域に2つの櫛状のゲート電極を設け、それぞれのゲート電極の櫛歯をかみ合わせるように対向配置する。そして、全てのソース電極の櫛歯の先端−ドレイン配線間および全てのドレイン電極の櫛歯の先端−ソース配線間にゲート配線が配置される。
これにより、ソース電極−ドレイン配線間およびドレイン電極−ソース配線間において、基板を介して流れる高周波電流をゲート配線により遮断できる。すなわち、スイッチMMICにおいて、ソース電極−ドレイン電極間の従来の高周波信号のリーク経路は全てゲート電極またはゲート配線で遮断できる。
オフ側FETにおいてゲート電極またはゲート配線は、高周波信号としてGND電位である。従って、オフ側FETの従来の高周波信号の全てのリーク経路において、ソース電極とドレイン電極の電位の間にGND電位が配置されたこととなる。つまりソース電極およびドレイン電極間の直接的な高周波信号の電界が、ソース電極およびドレイン電極間に高周波信号としてGND電位のゲート電極またはゲート配線を配置することにより、大幅に弱まるため、ソース電極−ドレイン電極間の高周波信号の漏れを防止できる。
高周波信号の漏れを防止するためには、リーク経路に対してゲート電極またはゲート配線が途切れることなく連続して配置されることが望ましい。しかしゲート電極は、ゲート金属層のリフトオフで形成するため、レジスト除去液の滲入が不十分であると正確なパターンが形成されない。
本実施形態では、1つのソース電極およびドレイン電極の先端に沿って、それぞれ2つの櫛状のゲート配線が配置される。これによりリークをほぼ完全に遮断できる。また各ゲート電極は櫛状のパターンであるため、各櫛歯の隙間からレジスト除去液がゲート電極間に滲入し、リフトオフも容易となる。
図1から図6を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、図1は、FETを複数段接続した4つのスイッチング素子からなるDPDT(Double Pole Double Throw)スイッチMMICの一例を示す回路図である。
DPDTは、CDMA携帯電話等に用いられるスイッチMMICであり、第1〜第4スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4、2つの第1RFポート(第1共通入力端子IN1、第2共通入力端子IN2)と2つの第2RFポート(第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2)を有する。第1および第2スイッチング素子SW1、SW2で構成されるSPDTスイッチと、第3および第4スイッチング素子SW3、SW4で構成される他のSPDTスイッチを、第2RFポートで互いに接続した構成である。
各スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4は、それぞれFETが3段直列に接続したFET群である。例えば第1スイッチング素子SW1は、FET1−1、FET1−2、FET1−3が直列接続する。第2スイッチング素子SW2は、FET2−1、FET2−2、FET2−3が直列接続する。第3スイッチング素子SW3は、FET3−1、FET3−2、FET3−3が、第4スイッチング素子SW4は、FET4−1、FET4−2、FET4−3がそれぞれ直列接続する。
第1スイッチング素子SW1の一端(FET1−3)のドレイン電極(またはソース電極)は、第3スイッチング素子SW3の一端(FET3−3)のドレイン電極(またはソース電極)と接続し、第2スイッチング素子SW2の一端(FET2−3)のドレイン電極(またはソース電極)は、第4スイッチング素子SW4の一端(FET4−3)のドレイン電極(またはソース電極)と接続する。
第1および第2スイッチング素子SW1、SW2の他端(FET1−1、FET2−1)のソース電極(またはドレイン電極)は第1共通入力端子IN1に接続し、第3および第4スイッチング素子SW3、SW4の他端(FET3−1、FET4−1)のソース電極(またはドレイン電極)は第2共通入力端子IN2に接続する。
また第1、第3スイッチング素子SW1、SW3に共通の第1出力端子OUT1、およびまた第2、第4スイッチング素子SW2、SW4に共通の第2出力端子OUT2を有する。尚、スイッチMMICにおいては、ソース電極およびドレイン電極は等価である。従って以下ソース電極およびドレイン電極はこれらを入れ替えても同様である。
また、第1スイッチング素子SW1と第4のスイッチング素子SW4のFETのゲート電極にはそれぞれコントロール抵抗CRが接続し、破線で示すロジック回路Lを介して制御端子Ctlに接続する。また第2スイッチング素子SW2および第3スイッチング素子SW3のゲート電極もそれぞれコントロール抵抗CRを介してロジック回路LのポイントCPに接続する。
コントロール抵抗CRは、交流接地となる制御端子Ctlの直流電位およびロジック回路LのポイントCPの直流電位に対して、ゲート電極を介して高周波信号が漏出することを防止する目的で配置されている。コントロール抵抗CRの抵抗値はそれぞれ5KΩ〜10KΩ程度である。
本実施形態のスイッチMMICはロジック回路Lを備える。ロジック回路Lはインバータ回路であり、構成は次のとおりである。
ソース電極がGND端子に接続されたエンハンスメント型(E型)FET(E−FET)のドレイン電極がポイントCPであり、ポイントCPに負荷抵抗Rlの一端が接続し、負荷抵抗Rlの他端が電源端子VDDに接続する。E−FETのゲート電極が入力抵抗Riを介して制御端子Ctlに接続する。
制御端子CtlとGND端子間およびポイントCPとGND端子間には、雑音吸収および発振防止のためそれぞれ容量Ciおよび容量Crが接続されている。また入力抵抗Riは静電破壊防止、雑音吸収および発振防止のために配置されている。
ロジック回路L(インバータ回路)の動作は次のとおりである。制御端子Ctlに印加されたロジック信号はインバータにより反転され、ポイントCPに制御信号の反転信号が発生する。すなわち制御端子Ctlが3VのときはポイントCPは0Vとなり、制御端子Ctlが0VのときはポイントCPは3Vとなる。
図1のDPDTスイッチMMICの回路動作は以下のとおりである。制御端子Ctlに3Vが印加されるとき、制御端子Ctlの信号がそのままゲート電極に入力される第1スイッチング素子SW1および第4スイッチング素子SW4が、オンとなる。これにより、第1共通入力端子IN1−第1出力端子OUT1間および第2共通入力端子IN2−第2出力端子OUT2間が導通状態となりそれぞれ信号経路が形成される。
一方ポイントCPの信号、すなわち反転信号0Vがゲート電極に入力される第2スイッチング素子SW2および第3スイッチング素子SW3は、オフとなる。従って、第1共通入力端子IN1−第2出力端子OUT2間および第2共通入力端子IN2−第1出力端子OUT1間が遮断される。制御端子Ctlに0Vが印加されるときはその逆の動作である。
このようなDPDTでは、第1RFポートと第2RFポートを入れ替えて使用することができる。その場合には共通入力端子から出力端子へ向かう高周波信号の経路が逆向きとなる。
図2は、上記のDPDTを化合物半導体基板の1チップに集積化した平面図である。回路を構成するそれぞれの素子のパターン配置は図1の回路図の配置とほぼ同様である。FETはMESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)、GaAs JFET(Junction FET)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)のいずれでも良いが、ここでは主にHEMTを用いて説明する。
HEMTの基板構造は、例えば半絶縁性GaAs基板上にバッファ層、電子供給層、チャネル(電子走行)層、キャップ層等を積層したものである。また、HEMTにおいては、バッファ層に達する絶縁化領域50で分離することにより、動作領域100、コントロール抵抗CR、負荷抵抗Rlや入力抵抗Riなどの不純物領域を形成する。
第1スイッチング素子SW1〜第4スイッチング素子SW4は、それぞれ3つのFETを直列接続したFET群である。各スイッチング素子SW1〜SW4のゲート電極にはそれぞれ、コントロール抵抗CRが接続されている。また第1共通入力端子IN1、第2共通入力端子IN2、第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2に接続する第1共通入力端子パッドI1、第2共通入力端子パッドI2、第1出力端子パッドO1、第2出力端子パッドO2が基板の周辺に設けられている。尚、破線で囲まれたロジック回路Lは、図1の如くE−FETや各端子に対応するパッドV、G、C、負荷抵抗Rl、入力抵抗Ri、容量Cr、Ciなどが配置される。ロジック回路Lの詳細については、ここでの説明は省略する。
各スイッチング素子は、同様の構成であるので、以下第1スイッチング素子SW1について説明する。
FET1−1、FET1−2、FET1−3はそれぞれ、第1層目の金属層であり基板にオーミックに接触するオーミック金属層(AuGe/Ni/Au)によって、第1ソース電極および第1ドレイン電極が形成される。尚、図2ではオーミック金属層は配線金属層30と重なるために図示されていない。
第2層目の金属層はゲート金属層(例えばPt/Mo)20であり、ゲート電極Gを形成する。ゲート電極Gは櫛状であり、ゲート電極Gの各櫛歯(以下ゲート電極17)がゲート配線21により接続されたものである。ゲート配線21もゲート金属層20により形成され、すなわちゲート電極17とゲート配線21は連続している。
第3層目の金属層は、配線金属層(Ti/Pt/Au)30であり、オーミック金属層に重畳し第2ソース電極Sおよび第2ドレイン電極Dを形成する。第2ソース電極Sは櫛状であり、第2ソース電極Sの各櫛歯(以下第2ソース電極15)がソース配線31により接続されたものである。ソース配線31も配線金属層30により形成され、すなわち第2ソース電極15とソース配線31は連続している。
第2ドレイン電極Dは櫛状であり、第2ドレイン電極Dの各櫛歯(以下第2ドレイン電極16)がドレイン配線32により接続されたものである。ドレイン配線32も配線金属層30により形成され、すなわち第2ドレイン電極16とドレイン配線32は連続している。配線金属層30は、パッドも形成する。
一点鎖線で示す動作領域100において、FET1−1は左側から伸びる3本の配線金属層30が第1共通入力端子パッドI1に接続される第2ソース電極15であり、この下にオーミック金属層で形成される第1ソース電極がある。また右側から伸びる3本の配線金属層30がFET1−1の第2ドレイン電極16であり、この下に第1ドレイン電極がある。この両電極は櫛歯をかみ合わせた形状に配置され、その間にゲート電極17が5本配置されている。
ここで、FET1−1の1つの動作領域100において、櫛状のゲート電極Gは2つ配置され、互いの櫛歯(ゲート電極17)をかみ合わせて対向配置される。すなわち、動作領域100の対向する2辺にそって2つのゲート配線21が配置される。1つのゲート電極Gは櫛歯の延在方向が第2ソース電極Sと同一であり、他方のゲート電極は櫛歯の延在方向が第2ドレイン電極Dと同一である。
FET1−2では、左側から延びる3本の第2ドレイン電極16は、FET1−1の第2ドレイン電極16と接続している。ここで、この電極は高周波信号の通過点に過ぎず一般には外部に導出する必要が無いためパッドは設けられていない。また、右側から延びる4本の第2ソース電極15は、FET1−3の第2ソース電極15に接続している。この電極も同様に高周波信号の通過点に過ぎず一般には外部に導出する必要が無いためパッドは設けられていない。この両電極の下にオーミック金属層がある。これらは櫛歯をかみ合わせた形状に配置され、その間にゲート電極17が6本の櫛状に配置されている。ここでも1つの動作領域100に2つのゲート電極Gが櫛歯をかみ合わせて対向配置される。
FETを多段に直列に接続したスイッチ回路装置はFET1段のスイッチ回路装置に比べ、FET群がOFFの時により大きな電圧振幅に耐えられるため高出力スイッチ回路装置となる。その際FETを直列に接続するときに接続部となるFETのソース電極またはドレイン電極は一般には外部に導出する必要が無いためパッドを設ける必要はない。
FET1−3は左側から伸びる3本の配線金属層30が第2ソース電極15であり、この下に第1ソース電極がある。また右側から伸びる櫛状の4本の配線金属層30が、第1出力端子パッドO1に接続する第2ドレイン電極16であり、この下に第1ドレイン電極がある。この両電極は櫛歯をかみ合わせた形状に配置され、その間にゲート電極17が6本配置されている。ゲート電極Gは2つ設けられ1つの動作領域100に櫛歯をかみ合わせて対向配置される。ゲート配線20は、コントロール抵抗CRを介して制御端子パッドCと接続する。
コントロール抵抗CRは、前述の如く絶縁化領域50により分離された不純物領域により構成され、本実施形態では高抵抗体とする。高抵抗体は、HEMT構造のキャップ層を除去し、下層の高シート抵抗値を有する半導体層のみを抵抗層としたものである。コントロール抵抗CRは高周波信号の漏れを防止するため、高い抵抗値にする必要があるが、高抵抗体で構成することにより、短い距離で抵抗値を高めることができる。一方負荷抵抗Rlや入力抵抗Riは精度の良い抵抗値を得るためHEMT構造のキャップ層を除去しない不純物領域より構成されている。
また、各パッドI1、I2、O1、O2周辺には、高周波信号の漏れを防ぎ、アイソレーション向上のため周辺不純物領域51が配置される。また、各パッド−各FET間、各パッド−ソース(ドレイン)配線間、抵抗−抵抗間にも同様に周辺不純物領域51が形成されている。
更に、第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2とロジック回路Lの間にも周辺不純物領域51を配置し、アイソレーションを向上させる。これらの周辺不純物領域51も絶縁化領域50により分離される。周辺不純物領域51は近接するパッドなどの金属層と直流的に接続するか、あるいはフローティング電位である。
尚、配線金属層は、1層目となる上記の配線金属層30と、ハッチングで示す2層目の配線金属層(Ti/Pt/Au)40がある。第2ソース電極S、第2ドレイン電極Dは1層目の配線金属30のみで形成されるが、各パッドは配線金属層30、40の2層を積層して形成される。また配線金属層30、40により、第1スイッチング素子SW1〜第4スイッチング素子SW4とロジック回路Lとを接続する所望のパターンの配線も形成される。
図3は、図2のa−a線断面図であり、一組のソース電極、ゲート電極、ドレイン電極を示す。
基板は、半絶縁性GaAs基板131上にノンドープのバッファ層132を積層し、バッファ層132上に、電子供給層となるn+型AlGaAs層133、チャネル(電子走行)層となるノンドープInGaAs層135、電子供給層となるn+型AlGaAs層133を積層したものである。電子供給層133とチャネル層135間には、スペーサ層134が配置される。
バッファ層132は、不純物が添加されていない高抵抗層であり、その膜厚は、数千Å程度である。電子供給層133上には、障壁層136となるノンドープのAlGaAs層を積層し、所定の耐圧とピンチオフ電圧を確保している。更にキャップ層となるn+型GaAs層137を最上層に積層している。キャップ層137には高濃度の不純物が添加されており、その不純物濃度は、1〜5×1018cm−3程度である。
電子供給層133、障壁層136、スペーサ層134は、チャネル層135よりバンドギャップが大きい材料が用いられる。また電子供給層133には、n型不純物(例えばSi)が2〜4×1018cm−3程度に添加されている。
HEMTの動作領域100は、バッファ層132に達する絶縁化領域50によって分離することにより形成される。HEMTのエピタキシャル構造はキャップ層137を含んでいる。キャップ層137の不純物濃度は1〜5×1018cm−3程度と高濃度であるため、キャップ層137の配置されている領域は機能的には高濃度の不純物領域といえる。
以下、HEMTの動作領域100とは、絶縁化領域50で分離され、HEMTの第1ソース電極13、第2ソース電極15、第1ドレイン電極14、第2ドレイン電極16およびゲート電極17が配置される領域の半導体層をいう。すなわち電子供給層133、チャネル(電子走行)層135、スペーサ層134、障壁層136、キャップ層137などのHEMTを構成する各半導体層をすべて含んだトータルとしての領域を動作領域100とする。
絶縁化領域50は、電気的に完全な絶縁ではなく、不純物(B+)をイオン注入することによりエピタキシャル層にキャリアトラップを設け、絶縁化した領域である。つまり、絶縁化領域50にもエピタキシャル層として不純物は存在しているが、絶縁化のための不純物(B+)注入により不活性化されている。尚、FETがGaAs MESFETの場合には、絶縁化領域50は、不純物領域が形成されない半絶縁基板の一部に相当する。
動作領域100では図のごとく、高濃度不純物が添加されたキャップ層137を除去することにより、ソース領域137sおよびドレイン領域137dを設ける。ソース領域137sおよびドレイン領域137dにはオーミック金属層10で形成される第1ソース電極13、第1ドレイン電極14が接続し、その上層には配線金属層30により第2ソース電極15、第2ドレイン電極16が形成される。
また、動作領域100の一部のキャップ層137をエッチングにより除去して、ノンドープAlGaAs層136を露出し、ゲート金属層20をショットキー接続させてゲート電極17を形成する。ここでの図示は省略するが、ゲート配線21も同様に所定のパターンでノンドープAlGaAs層136にゲート金属層20をショットキー接続させる。
図4は、図2の例えばFET1−1の動作領域100の拡大平面図である。
動作領域100上に第1ソース電極13、第1ドレイン電極14が配置され、それぞれソース領域およびドレイン領域(ここでは不図示)とコンタクトする。また、それらに重畳して第2ソース電極15、第2ドレイン電極16が配置される。第2ソース電極15、第2ドレイン電極16はそれぞれソース配線31、ドレイン配線32に接続する。
各ゲート電極17は均等な幅に形成され一端(先端)を動作領域100外に延在する。また1つのゲート電極17の他端は、他のゲート電極17の他端とゲート配線21により接続する。これにより各櫛歯(ゲート電極17)が束ねられた櫛状のゲート電極Gのパターンとなる。
1つの動作領域100上には2つゲート電極G(ゲート電極Ga、ゲート電極Gb)が設けられる。図4においては説明のためにゲート電極Ga、ゲート電極Gbとするが、これらは櫛歯の延在方向が異なるのみであり構造上の違いはない。1つのゲート電極Gaと他のゲート電極Gbはそれぞれの櫛歯(ゲート電極17a、17b)をかみ合わせて対向配置される。
ここでは、ゲート配線21a、21bは動作領域100外に配置され、ゲート電極17a、17bの先端、第1ソース電極13および第2ソース電極15の一端(先端)、第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16の一端(先端)もそれぞれ動作領域100外に配置される。
FET1−1において、第1ソース電極13および第2ソース電極15の一端(先端)はゲート配線21bの近傍に配置される。第2ソース電極15の他端は他の第2ソース電極15の他端とソース配線31により接続する。
また、第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16の一端(先端)は、ゲート配線21aの近傍に配置される。そして、第2ドレイン電極16の他端は他の第2ドレイン電極16の他端とドレイン配線32により接続する。
第2ソース電極15の延在方向は、ゲート電極17aの延在方向と同一であり、第2ドレイン電極16の延在方向は、ゲート電極17bの延在方向と同一である。
ゲート電極17aの他端同士を連結するゲート配線21aはソース配線31と隣接し、ソース配線31に沿って延在する。一方ゲート電極17bの他端同士を連結するゲート配線21bはドレイン配線32と隣接し、ドレイン配線32に沿って延在する。
少なくとも動作領域100の周辺において、ゲート配線21a、21bはそれぞれゲート電極17a、17bの延在方向に対して垂直に延在する。そしてゲート電極Ga、Gbは動作領域100を挟み、各ゲート電極17a、17bをかみ合わせるように対向する。
すなわち、ゲート電極17aの一端(先端)は当該ゲート電極17aが接続しないゲート配線21b近傍に配置され、ゲート電極17bの一端(先端)は当該ゲート電極17bが接続しないゲート配線21aの近傍に配置される。
ゲート配線21aは、第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16の一端(先端)に沿って配置され、ゲート電極21bは、第1ソース電極13および第2ソース電極15の一端(先端)に沿って配置される。すなわち、第1ソース電極13および第2ソース電極15の一端(先端)とドレイン配線32は近接し、その間にゲート配線21bが配置される。また第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16の一端(先端)とソース配線31は近接し、その間にゲート配線21aが配置される。
尚、FET1−2では第1ソース電極13、第2ソース電極15および第1ドレイン電極14、第2ドレイン電極16がFET1−1と逆になる。すなわち、FET1−2では、第1ソース電極13および第2ソース電極15の先端と、その先端に沿って近傍に延在するドレイン配線32との間にゲート配線21aが延在する。また第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16の先端と、その先端に沿って近傍に延在するソース配線31との間にゲート配線21bが延在する。FET1−3は、FET1−1と同様である。ここではFET1−1およびFET1−2のドレイン同士が接続されドレイン配線32を共通とし、FET1−2およびFET1−3のソース同士が接続されソース配線31を共通としている。
このように本実施形態では、1つの動作領域100に2つの櫛状のゲート電極Gを互いの櫛歯をかみ合わせるように対向配置する。
これにより、第1ソース電極13および第2ソース電極15とドレイン配線32、または第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16とソース配線31との間に、必ずゲート配線21(およびゲート電極17)が配置されるパターンが実現できる。
動作領域100において、高周波信号は図の矢印の経路で伝搬する。すなわちFETがオフのときFETのチャネル層を高周波信号が通過することはないが、従来はX領域またはY領域のうちゲート配線が無い領域において矢印の如く高周波信号のリーク経路がFETのチャネル層外に形成されていた。本実施形態では、配線金属層30で形成された第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間において、従来のいずれの高周波信号のリーク経路においても、第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間にゲート電極G(ゲート電極17またはゲート配線21)が配置されている。
これにより、第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間において基板を介して高周波電流が流れることを阻止することができ、高周波信号の漏れを防ぐことができる。
以下、図5および図6を参照して更に説明する。
図5は本実施形態を示す断面図である。図5(A)は図4のb−b線断面図であり、図5(B)は図4のc−c線断面図である。
図5(A)の如く第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16の先端およびソース配線31は、動作領域100外に配置される。そして絶縁化領域50(GaAs MESFETの場合は半絶縁性基板の一部)の上の第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16およびソース配線31は、高周波信号が通過する。
ここで、図5(A)において第2ソース電極Sおよび第2ドレイン電極Dの間に、ゲート電極Gが配置されない場合を考える。高周波信号は窒化膜60を介して、絶縁化領域50に伝わる。絶縁化領域50は窒化膜60同様誘電体として高周波信号を通す。つまり、この場合、第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間において高周波信号の漏れが発生する。
また、この状態では第2ソース電極S−第2ドレイン電極Dが直接対向配置されているため第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間で直接的な電界が存在している。このため高周波信号のリーク電流が流れることになる。本実施形態の場合FETを多段接続したスイッチング素子によるハイパワーのスイッチMMICのため高周波信号の振幅が大きく、高周波リーク電流の振幅も大きい。
さらに第2ドレイン電極16はその下層の第1ドレイン電極14に接続している。そして第1ドレイン電極14の先端は絶縁化領域50(GaAs MESFETの場合は半絶縁性基板の一部)とショットキー接続している。従ってソース配線31−第1ドレイン電極14間にも、ソース配線−第2ドレイン電極16間と同様に、大きな高周波リーク電流が流れる。
このため、従来(図7)のY領域の如く、ソース配線231と、第2ドレイン電極216の櫛歯の先端が、対向して配置されている場合に、高周波信号の漏れが発生してしまう。
また、図8のX’領域およびY領域についても同様である。すなわちX’領域では共通入力端子パッドIに最も近いためハイパワーの高周波信号にさらされているにもかかわらず、ソース配線231と、第2ドレイン電極216の櫛歯の先端が、対向して配置されているため大きな高周波リーク電流が発生する。さらにY領域においてもX’領域ほどハイパワーの高周波信号にはさらされていないが、X’領域と同様の構造となっているため多少のリークが発生し、高周波信号の漏れが大きくなってしまう。
本実施形態では図5(A)の如く、ソース配線31−第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16間にゲート配線21aが配置される。従って、ソース配線31−第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16間の高周波信号の漏れをゲート配線21aで遮断することができる。以下そのメカニズムについて説明する。
第1に、ゲート電極Gは5〜10KΩのコントロール抵抗CRを介して制御端子Ctlに接続されている。制御端子Ctlには制御信号が印加されるが、制御信号はDC信号であるため制御端子は高周波信号のGND電位となる。またゲート電極Gがロジック回路LのポイントCPに接続される場合も同様である。
オン側のFETにおいて、ゲート電極17は動作領域100表面に直接接してショットキ接合を形成している。つまりFETのチャネル層を流れる高周波電流の影響を受けてゲート電極17の電位は高周波振動している。しかしオフ側のFETにおいてはチャネル層には電流が流れておらず、従って動作領域100表面の電位はほとんど高周波振動していない。つまりゲート電極17は、オン側FETのように高周波振動することはなく、制御端子Ctlと同様ほとんど高周波信号のGND電位と見なすことができる。
従ってオフ側のFETのソース配線31−第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16間にゲート配線21aを配置することにより、平面パターンとしての配置がソース配線31−高周波信号としてのGND電位−第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16となる。
ゲート配線21aを配置しない場合、ソース配線31−第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16間に直接的な高周波信号の電界が存在するが、間に高周波信号としてのGND電位を挟むことでソース配線31−第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16間の直接的な電界が大幅に弱まる。従ってソース配線31−第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16間において基板を介して高周波電流が流れることを阻止することができ、高周波信号の漏れを防ぐことができる。特にFETを多段接続したハイパワースイッチMMICにおいては高周波信号の振幅が大きく、従ってソース配線31−第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16間に強い高周波信号の電界が発生するため、ゲート配線21aを配置しない場合は大きな高周波電流が流れる。本実施形態では多段接続のハイパワースイッチMMICであっても高周波信号の漏れを防止できる。
尚、同様に図5(B)の如くドレイン配線32−第1ソース電極13および第2ソース電極15間にもゲート配線配線21bが配置され、高周波信号の漏れを防止している。
すなわち本実施形態によれば、第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間における高周波信号のリークをゲート電極Gにより遮断できる。
第2に、動作領域100外の部分においてゲート配線21aは絶縁化領域50に直接接してショットキ接合を形成する。従って絶縁化領域50に漏れた高周波信号を直接吸収することができ、ソース配線31−第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16間の高周波信号の漏れをさらに大幅に防ぐことができる。ゲート配線21aは周辺不純物領域上に設けられていてもよい。この場合も同じ効果が得られる。
尚、従来構造のX領域において高周波信号の漏れが発生しなかった理由も、上記のメカニズムによるものである。本実施形態では、従来構造において高周波信号のリーク経路となっていたソース電極−ドレイン電極間の全てに、ゲート電極Gを配置することにより、高周波信号を遮断することができる。
また、図6の如く、ゲート電極G’を櫛状に設けず、1本のゲート電極G’を曲折させて第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間に延在するレイアウトを考える。
このレイアウトでは、第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間に必ずゲート電極G’が挟まれており、ゲート電極G’により第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間の高周波信号の漏れを防ぐことができる。
しかしこのレイアウトはゲート−ドレイン間、またはゲート−ソース間に外部より印加される静電気に極めて弱いという問題がある。その理由は、このようなゲート電極G’のパターンの場合、制御端子Ctlに印加された静電エネルギーがチャネル層上のゲート電極G’の始点ST(コントロール抵抗CRに最も近い部分)に集中するためである。従ってこのようなゲート電極G’は低い静電気電圧でゲート電極G’の始点ST部分が破壊するため、結果的にMMICとして静電破壊電圧が低く、信頼性上好ましくないレイアウトである。
一方、本実施形態では複数の櫛状のゲート電極17をゲート配線21によって束ねている。これにより、制御端子Ctlに印加された静電エネルギーを、ゲート配線21を介してFET全体に渡ってまんべんなく振り分けることができる。
このように、本実施形態によれば櫛状のゲート電極構造を維持できる。つまり信頼性を損なうことなく、第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間の高周波信号の漏れを防ぐことができる。
特に、本実施形態の如くDPDTの場合には、信号の入出力が逆となり第1RFポートおよび第2RFポートを入れ替えて使用する場合もある。本実施形態では高周波信号の伝搬が逆向きの経路になった場合であっても、第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間の何れの従来のリーク経路も完全に遮断することができる。すなわちいずれのRFポートの端子パッドが最も高周波信号の振幅が大きい入力端子パッドになったとしても高周波信号のリークを完全に防止することができるため、設計どおりのPin0.1dBと歪特性を得ることができる。
高周波信号の漏れを防止するためには、第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間のリーク経路に対してゲート電極Gが途切れることなく連続して配置されることが望ましい。しかしゲート電極Gは、ゲート金属層20のリフトオフで形成する。つまりリフトオフの際レジスト除去液を不要なゲート金属層20の下のレジストに滲入させ、レジストと共にゲート金属層を除去する。従って、レジスト除去液が十分滲入しない場合、正確なパターンが形成されない。
本実施形態では櫛状のゲート電極Gをかみ合わせて対向配置する。これによりゲート電極17のパターンをリフトオフで形成する場合、互い違いのパターンの隙間からレジスト除去液が隣接するゲート電極17間に滲入するため、容易にリフトオフできる。また、ゲート配線21を第2ソース電極S−第2ドレイン電極D間のリーク経路に配置することにより、第2ソース電極S−第2ドレイン電極Dの直線的なリークパスを一切遮断し、高周波信号の漏れを完全に防止することができる。
尚、図示は省略するが、FETがGaAs MESFETの場合には、ノンドープのGaAs基板に、イオン注入により不純物領域を形成すればよい。
例えば動作領域100は、イオン注入により形成したn型不純物領域であり、ソース領域137sおよびドレイン領域137dはイオン注入により形成したn+型不純物領域である。またアイソレーション向上のための周辺不純物領域51はソース領域137sおよびドレイン領域137dと同時にイオン注入により形成したn+型不純物領域であり、コントロール抵抗(高抵抗体)は動作領域100と同時にイオン注入により形成したn型不純物領域である。
またノンドープのGaAs基板に所定の不純物濃度を有するエピタキシャル層を積層し、絶縁化領域で分離することにより上記の不純物領域を形成してもよい。
さらにチャネル層上のソース電極およびドレイン電極において、第1ソース電極13および第2ソース電極15と第1ドレイン電極14および第2ドレイン電極16がそれぞれ重畳している場合を例に説明したが、チャネル層上に第2ソース電極、第2ドレイン電極は必ずしも無くてもよい。すなわちゲート配線近辺のパターン形状として第2ソース電極の先端部は無く第1ソース電極の一端のみ存在し第2ドレイン電極の先端部は無く第1ドレイン電極の一端のみ存在しても良い。
以上、ロジック回路を備えたDPDTスイッチMMICを例に説明したが、スイッチ回路装置の構成は上記の例に限らず、SP3T、SP4T、DP4T、DP7Tのように入力ポートおよび出力ポートが異なるスイッチ回路装置であってもよく、またロジック回路を備えていても備えていなくても良い。さらにオフ側出力端子に、高周波信号の漏れを防止するシャントFETを接続しても良い。


本発明を説明するための回路図である。 本発明を説明するための平面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための平面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための平面図である。 従来技術を説明するための平面図である。 従来技術を説明するための平面図である。
符号の説明
10 オーミック金属層
13 第1ソース電極
15 第2ソース電極
14 第1ドレイン電極
16 第2ドレイン電極
17 ゲート電極
20 ゲート金属層
21 ゲート配線
30 配線金属層
40 配線金属層
31 ソース配線
32 ドレイン配線
50 絶縁化領域
51 周辺不純物領域
60 窒化膜
100 動作領域
131 GaAs基板
132 バッファ層
133 電子供給層
134 スペーサ層
135 チャネル層
136 障壁層
137 キャップ層
137s ソース領域
137d ドレイン領域
215 ソース電極
216 ドレイン電極
217 ゲート電極
220 ゲート金属層
221 ゲート配線
230 配線金属層
231 ソース配線
232 ドレイン配線
260 窒化膜
300 動作領域
IN 共通入力端子
IN1 第1共通入力端子
IN2 第2共通入力端子
Ctl 制御端子
OUT1 第1出力端子
OUT2 第2出力端子
I 共通入力端子パッド
I1 第1共通入力端子パッド
I2 第2共通入力端子パッド
C 制御端子パッド
C1 第1制御端子パッド
C2 第2制御端子パッド
O1 第1出力端子パッド
O2 第2出力端子パッド
CR コントロール抵抗
SW1 第1スイッチング素子
SW2 第2スイッチング素子
SW3 第3スイッチング素子
SW4 第4スイッチング素子
CP ポイント

Claims (11)

  1. 化合物半導体基板の動作領域上に櫛状のソース電極、ゲート電極、ドレイン電極を設けたスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子のソース電極またはドレイン電極に接続する第1RFポートと、
    前記スイッチング素子のドレイン電極またはソース電極に接続する第2RFポートと、
    前記スイッチング素子のゲート電極に接続する制御端子と、を具備し、
    1つの前記動作領域に複数の前記ゲート電極を設け、1つの前記ゲート電極と他の前記ゲート電極の櫛歯をそれぞれかみ合わせて対向配置することを特徴とする化合物半導体スイッチ回路装置。
  2. 前記ソース電極および前記ドレイン電極はそれぞれの櫛歯の一端の近傍に前記ゲート電極の一部が配置されることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  3. 1つの前記ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の櫛歯の他端は、他の前記ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の櫛歯の他端とそれぞれゲート配線、ソース配線、ドレイン配線により接続されることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  4. 前記ゲート配線は前記ソース電極またはドレイン電極の櫛歯の一端と、前記ドレイン配線または前記ソース配線との間に配置されることを特徴とする請求項3に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  5. 前記スイッチング素子は、前記ソース電極、ゲート電極、ドレイン電極により構成されるFETを直列に多段接続してなることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  6. 前記ゲート電極の櫛歯は第1方向に延在し、前記ゲート配線は少なくとも一部が第2方向に延在することを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  7. 前記第2方向は、前記第1方向に対して垂直方向であることを特徴とする請求項6に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  8. 前記1つのゲート配線は、前記ドレイン電極の櫛歯の一端に沿って配置され、前記他のゲート配線は、前記ソース電極の櫛歯の一端に沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  9. 前記1つのゲート電極の櫛歯の一端は前記他のゲート電極のゲート配線近傍に配置されることを特徴とする請求項3に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  10. 前記ソース電極の櫛歯の延在方向は、前記1つのゲート電極の櫛歯の延在方向と同一であり、前記ドレイン電極の櫛歯の延在方向は、前記他のゲート電極の櫛歯の延在方向と同一であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  11. 前記第1RFポートおよび第2RFポート間に高周波アナログ信号が伝搬することを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
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