JP2009231485A - 絶縁トランス - Google Patents
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Abstract
【課題】小型かつ簡易な構造によって1次側と2組の2次側間の絶縁性を向上させることができ、より一層の高電圧化に対しても、確実に要求される絶縁距離を確保することができる絶縁トランスを提供する。
【解決手段】第1のボビン1および2組の第2のボビン2に跨って配設された磁性材からなるコアを、第1のボビン1側に位置する第1のコア10と第2のボビン2側に位置する第2のコア11とに分割し、第1および第2のコア10、11の対向面間、並びに第1および第2のボビン1、2の軸線方向の対向面間に絶縁部材13を介装するとともに、1次および2次コイルの外周並びに第1および第2のコア10、11の外周を絶縁性を有する筒状の外周被覆部材12によって上記軸線方向に連続的に囲繞した。
【選択図】図3
【解決手段】第1のボビン1および2組の第2のボビン2に跨って配設された磁性材からなるコアを、第1のボビン1側に位置する第1のコア10と第2のボビン2側に位置する第2のコア11とに分割し、第1および第2のコア10、11の対向面間、並びに第1および第2のボビン1、2の軸線方向の対向面間に絶縁部材13を介装するとともに、1次および2次コイルの外周並びに第1および第2のコア10、11の外周を絶縁性を有する筒状の外周被覆部材12によって上記軸線方向に連続的に囲繞した。
【選択図】図3
Description
本発明は、1次側と2次側との間に高い絶縁性能が要求される高圧用の絶縁トランスに係り、特に1組の1次コイルと2組の2次コイルとを有する1入力2出力型の絶縁トランスに関するものである。
近年、パーソナルコンピュータや薄型テレビジョン等の表示装置として用いられている液晶ディスプレイ(以下、LCDと称す。)には、画面照射用の光源として複数本の冷陰極管が用いられている。そして、これらの冷陰極管の放電・点灯を行うために、インバータトランスが用いられている。
このインバータトランスは、1次コイルに発信回路において直流入力電圧から変換された交流電圧を入力し、これを2次コイルにおいて1000〜2000Vに昇圧して上記冷陰極管に出力するものである。
このような冷陰極管点灯用のインバータトランスにあっては、当該冷陰極管が多数本用いられているために、回路基板への実装上、その小型化を図るために、2本の上記冷陰極管を同時に、あるいは差動によって点灯させるための2組の2次コイルを備えたものが多用されている。
下記特許文献1は、従来のこの種のインバータトランスを示すもので、このインバータトランスは、2組のボビンに外周に、各々1次コイルと2次コイルとを巻回し、上記2組のボビン内に、各々I字状をなす第1のコアを挿入するとともに、これら2本の第1のコア間にH字状をなす第2のコアを配置し、一方の第1のコアと第2のコアとによって第1の磁路を形成し、他方の第1のコアと第2のコアとによって第2の磁路を形成したものであり、両磁路中の磁束の向きが、第2のコア内において互いに同一となるように、上記2組のボビンにおける1次コイルを互いに同一方向に巻回したものである。
ところで、上記インバータトランスにおいては、安全規格上の要請から、一般の低圧用トランスと比較して、上記1次コイルと2次コイルとの間に、一層長い絶縁距離(沿面距離)を確保して、相互間の絶縁性を担保することが要求されている。
そして、特に近年においては、1次コイルへの入力電圧も数百Vとなる高圧の絶縁トランスが開発されつつあり、このような絶縁トランスを用いた場合には、上記1次コイルおよび2次コイル間に要求される絶縁距離が一段と長いものとなる。
そして、特に近年においては、1次コイルへの入力電圧も数百Vとなる高圧の絶縁トランスが開発されつつあり、このような絶縁トランスを用いた場合には、上記1次コイルおよび2次コイル間に要求される絶縁距離が一段と長いものとなる。
ところが、上記従来のインバータトランスにおいては、1次コイルと2次コイルとの間の絶縁性を確保した場合においても、これらコイルの周囲に配設されて閉磁路を形成するコアが絶縁物ではないために、当該コアを介して所望の絶縁性能が得られなくなってしまうという問題点がある。
しかも、2本のI字状の第1のコアと1本のH字状の第2のコアとによって閉磁路を形成しているために、上記第1のコアと第2のコアとを、1次側と2次側とで分離しようとすると、絶縁部材を介装すべき箇所が多くなるとともに、当該絶縁部材の形状や構造が極めて複雑なものになるという問題点が生じる。
特開2005−311227号公報
このようなことから、1次コイルへ高電圧が入力される場合においても、全体として大型化を招くことなく、かつ1次側および2次側間に要求される絶縁性能を確保することができる高圧用の絶縁トランスの開発が強く要請されていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、小型かつ簡易な構造によって1次側と2組の2次側間の絶縁性を向上させることができ、より一層の高電圧化に対しても、確実に要求される絶縁距離を確保することができる絶縁トランスを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、2次コイルが巻回された2組の第2のボビンと、これら2組の第2のボビンの軸線方向の端部側に配設されて1次コイルが巻回された1組の第1のボビンとを有し、これら第1のボビンおよび2組の第2のボビンに跨って配設された磁性材からなるコアによって閉磁路が形成されてなる1入力2出力型の絶縁トランスにおいて、上記コアを、上記軸線方向に、上記第1のボビン側に位置する第1のコアと上記第2のボビン側に位置する第2のコアとに分割し、これら上記第1および第2のコアの対向面間、並びに上記第1および第2のボビンの上記軸線方向の対向面間に絶縁部材を介装するとともに、上記1次および2次コイルの外周並びに上記第1および第2のコアの外周を、絶縁性を有する筒状の外周被覆部材によって上記軸線方向に連続的に囲繞したことを特徴とするものである。
ここで、上記絶縁部材の厚さ寸法は、その軸線方向の厚さ寸法が第1および第2のコアにおける対向面間のギャップとなるが、当該ギャップは、第1および第2のコアの電気的絶縁性を達成したうえで、なおかつ所定の磁気的接続特性を確保する寸法に設定すればよい。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記絶縁部材が、上記外周被覆部材の内部に隔壁状に一体成形されていることを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記2組の第2のボビンは、互いの軸線を平行にして並列的に配置されるとともに、これら第2のボビンの上記軸線方向の一端部側に、上記第1のボビンがその軸線を第2のボビンの上記軸線方向に向けて配設されるとともに、上記第1のコアは、上記第1のボビンの外周に沿って上記軸線方向に延在する一対の外側コアと、これら外側コアの中間部に位置して上記第1のボビン内に挿入される内側コアとを有するE型に形成され、かつ上記第2のコアは、各々2組の上記第2のボビン内に挿入される一対の外側コアと、これら外側コアの中間部に位置して上記2組の第2のボビン間に配置される内側コアとを有するE型に形成されていることを特徴とするものである。
これに対して、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記2組の第2のボビンが、互いの軸線を平行にして並列的に配置されるとともに、これら第2のボビンの上記軸線方向の一端部側に、上記第1のボビンがその軸線を上記第2のボビンの上記軸線と直交する方向に向けて配設されるとともに、上記第1のコアは、上記第1のボビン内に挿入されるI型に形成され、かつ上記第2のコアは、各々2組の上記第2のボビン内に挿入されるU型に形成されていることを特徴とするものである。
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、上記外周被覆部材の少なくとも実装面となる下面を除く外周面には、周方向に環状をなす複数の凸部が上記軸線方向に間隔をおいて形成されていることを特徴とするものである。
請求項1〜5のいずれかに記載の絶縁トランスによれば、コアを、第1のボビン側に位置して1次側部品となる第1のコアと、2組の第2のボビン側に位置して2次側部品となる第2のコアとに分割し、これら第1のボビンおよび第1のコア(1次側部品)と、第2のボビンおよび第2のコア(2次側部品)との対向面間に絶縁部材を介装するとともに、1次コイルおよび2組の2次コイルの外周並びに上記第1のコアおよび第2のコアの外周を、絶縁性を有する筒状の外周被覆部材によって軸線方向に連続的に囲繞しているために、上記1次側部品と2次側部品との間に、上記外周被覆部材の軸線方向の長さ寸法に対応する絶縁距離を確保することができる。
しかも、2組の第2のボビンに対して、共通となる1組の第1のボビンを設ければよいために、全体の大型化を招くことなく、簡易な構造によって、1次コイルおよび第1のコアを含む1次側部品と、2組の2次コイルおよび第2のコアを含む2次側部品との間の絶縁性を向上させることができ、よって特に1次コイルに高電圧が入力される場合においても、確実に1次コイルと2次コイルとの間に要求される絶縁距離を確保することができる。
加えて、上記外周被覆部材の内部に、1次コイルと第1のコアおよび2組の2次コイルと第2のコアを収納しているために、当該外周被覆部材によって、第1のボビン、第2のボビン、第1および第2のコアの位置決め精度も向上させることができ、よって2組の2次コイルからの出力間において安定した特性を得ることが可能になる。
また、1次コイルあるいは2次コイルの外周が、全周にわたって外周被覆部材によって覆われているために、当該1次コイルや2次コイルを他の部材との干渉から保護することができる。このため、別途コイルの外周に保護テープ等を施工する必要が無く、かかる観点からも全体の構造や組立作業を一段と簡易化することが可能になる。
さらに、請求項2に記載の発明によれば、上記絶縁部材を外周被覆部材の内部に隔壁状に一体成形しているために、部品点数が少なくなり、かつ構造が一層簡易になるとともに、組立に際しても、外周被覆部材の一方の開口から第1のボビンに第1のコアを取り付けた1次側部品を挿入し、他方の開口から2組の第2のボビンに各々第2のコアを取り付けた2次側部品を挿入することにより完成させることができるために、当該作業の簡便化も図ることができる。
なお、第1のボビンと2組の第2のボビンとは、様々な配置形態を採用することができるが、請求項3または4に記載の発明のように、2組の第2のボビンを互いの軸線を平行にして並列的に配置し、これら第2のボビンの軸線方向の一端部側に、第1のボビンをその軸線が第2のボビンの軸線方向となるように配設したり、あるいはその軸線が上記第2のコアの軸線と直交するように配設したりすれば、極めてコンパクトな設計となり、よって回路基板上における実装面積をより小さくすることができる。
また、特に請求項4に記載の発明によれば、I型の第1のコアを第1のボビン内に挿入するとともに、U型の第2のコアを各々2組の第2のボビン内に挿入して、第2のコアの両端部を、各々第1のコアの両端部に臨ませることにより、環状の閉磁路を形成することができる。この結果、2組の第2のボビン間に、絶縁隔壁等を配置することが可能になり、よって両者間の電気的な干渉を確実に防止することが可能なる。
さらに、請求項5に記載の発明のように、上記外周被覆部材の外周面に環状の複数の凸部を軸線方向に間隔をおいて形成すれば、上記1次部品と2次部品との間の絶縁距離が、上記軸線方向の凹凸面に沿う長さ寸法になるために、単に外周被覆部材の軸線方向の長さ寸法を比較して、より長い(具体的には、凸部の数×凸部の高さ寸法×2の寸法分長い)絶縁距離を確保することが可能になる。したがって、一層の小型化を図ることができるとともに、上述した1次コイルについても高電圧が入力される場合に好適である。
(第1の実施形態)
図1〜図5は、本発明に係る絶縁トランスを、LCDのバックライトとなる冷陰極管の点灯用インバータトランスに適用した第1の実施形態を示すものであり、図6および図7は、その変形例を示すものである。
図1〜図7に示すインバータトランスにおいては、1次コイルが巻回される1組の第1のボビン1と、各々2次コイルが巻回される2組の第2のボビン2とに分割されている。
図1〜図5は、本発明に係る絶縁トランスを、LCDのバックライトとなる冷陰極管の点灯用インバータトランスに適用した第1の実施形態を示すものであり、図6および図7は、その変形例を示すものである。
図1〜図7に示すインバータトランスにおいては、1次コイルが巻回される1組の第1のボビン1と、各々2次コイルが巻回される2組の第2のボビン2とに分割されている。
第1のボビン1は、図4および図5に示すように、電気絶縁性を有する合成樹脂からなる角筒状の巻線部3の外周に1次コイル(図示を略す。)が巻回されるとともに、この巻線部3の軸線方向両端側に、それぞれ1次コイルの端部が接続される端子4が植設された略方形板状の端子装着部5が一体成形されたものであり、端子装着部5は、巻線部3が開口するように、その表面が巻線部の一内壁面と連続するように形成されている。
他方、各々の第2のボビン2も、同様に電気絶縁性を有する合成樹脂からなる角筒状の巻線部6の外周に2次コイル(図示を略す。)が巻回されるとともに、この巻線部6の軸線方向一端側に、2次コイルの端部が接続される端子7が植設された略方形板状の端子装着部8が一体成形されたものであり、この端子装着部8も、巻線部6が開口するように、その表面が巻線部6の一内壁面と連続するように形成されている。なお、各第2のボビン2における巻線部6の外周には、高圧の2次コイルにおける沿面放電を防止するための複数の仕切り板9が軸線方向に等間隔をおいて一体に形成されている。
これら2組の第2のボビン2は、端子装着部8を同方向に向けた状態で、互いの軸線を平行にして所定間隔をおいて配置されている。そして、これら第2のボビン2の他端部側に、第1のボビン1がその軸線を第2のボビン2の軸線と直交させて配置されている。
このようにして配置された第1のボビン1および2組の第2のボビン2には、第1および第2のコア10、11によって構成されて閉磁路を形成するコアが配置されている。ここで、第1のコア10は、I型のコアであり、両端部を端子装着部5に露出させて第1のボビン1の巻線部3内に挿入されている。他方、第2のコア11は、U型のコアであり、その2辺が各々第2のボビン2の巻線部6内に挿入されるとともに、先端部が第1のコア10の各端部に臨むように配置されている。
これにより、巻線部3に1次コイルが巻回された第1のボビン1と、第1のコア10とを有する1次側部品が構成されるとともに、巻線部6に2次コイルが巻回された2組の第2のボビン2と、第2のコア11とを有する2次側部品が構成されている。
そして、このようにして分割された1次側部品および2次側部品は、各々外周被覆部材12内に挿入されている。
この外周被覆部材12は、電気絶縁性を有する合成樹脂によって成形された扁平な角筒状の部材であり、その内法寸法が、第1のボビン1と第1のコア10および2組の第2のボビン2と第2のコア11が挿入可能となる大きさに形成されている。
この外周被覆部材12は、電気絶縁性を有する合成樹脂によって成形された扁平な角筒状の部材であり、その内法寸法が、第1のボビン1と第1のコア10および2組の第2のボビン2と第2のコア11が挿入可能となる大きさに形成されている。
また、この外周被覆部材12は、少なくとも第1のボビン1の1次コイルおよび第2のボビン2の2次コイルを軸線方向に連続して囲繞可能となる長さ寸法に形成されており、当該外周被覆部材12の一端開口側から、上記1次側部品が内部に挿入されるとともに、他端開口側から、上記2次側部品が内部に挿入されている。
そして、この外周被覆部材12の内部には、軸線方向の前後部を隔壁状に塞ぐ絶縁壁(絶縁部材)13が一体に成形されている。
この絶縁壁13は、一方の面に第1のボビン1の巻線部3から露出する第1のコア10の両端部が当接するとともに、他方の面に第2のボビン2の巻線部6から突出する第2のコア11の両端部が当接する位置に形成されている。
この絶縁壁13は、一方の面に第1のボビン1の巻線部3から露出する第1のコア10の両端部が当接するとともに、他方の面に第2のボビン2の巻線部6から突出する第2のコア11の両端部が当接する位置に形成されている。
そして、この絶縁壁13には、第2のコア11間において第1のボビン1における巻線部3の両端フランジ3aが挿入される凹部壁14が形成されている。そして、この凹部壁14の反対面側に、第2のボビン2における巻線部6の先端フランジ6aが当接されている。さらに、この凹部壁14の中央には、2組の第2のボビン2の巻線部6に各々巻回された2次コイル同士を隔離する隔壁15が一体に形成されている。
これにより、1次コイルが巻回された第1のボビン1と第1のコア10からなる上記1次側部品と、2次コイルが巻回された2組の第2のボビン2および第2のコア11からなる2次側部品は、絶縁壁13および凹部壁14によって電気的に仕切られた状態で、端子4、7のみを外部に突出させてぞれぞれの全体が外周被覆部材12内に収納されている。
また、図6および図7は、上記構成からなるインバータトランスの変形例を示すもので、上記第1の実施形態に示したものと相違する点は、外周被覆部材12の外周面の形状にある。
すなわち、このインバータトランスにおいては、外周被覆部材12の外周であって、実装面となる下面12aを除いた両側面および上面に、周方向に連続する複数の凸部16が軸線方向に等間隔をおいて一体に成形されている。これにより、外周被覆部材12の外周には、上記軸線方向に向けて複数の凹凸が形成されている。
すなわち、このインバータトランスにおいては、外周被覆部材12の外周であって、実装面となる下面12aを除いた両側面および上面に、周方向に連続する複数の凸部16が軸線方向に等間隔をおいて一体に成形されている。これにより、外周被覆部材12の外周には、上記軸線方向に向けて複数の凹凸が形成されている。
以上の構成からなる図1〜図7に示したインバータトランスにおいては、閉磁路を形成するコアを、第1のボビン1側に位置して1次側部品となるI型の第1のコア10と、2組の第2のボビン2側に位置して2次側部品となるU型の第2のコア11とに分割し、これら第1のボビン1および第1のコア10(1次側部品)と、第2のボビン2および第2のコア11(2次側部品)との対向面間に絶縁壁13を介装するとともに、1次コイルおよび2組の2次コイルの外周並びに第1のコア10および第2のコア11の外周を、絶縁性を有する筒状の外周被覆部材12によって軸線方向に連続的に囲繞しているために、上記1次側部品と2次側部品との間に、外周被覆部材12の軸線方向の長さ寸法に対応する絶縁距離を確保することができる。
しかも、2組の第2のボビン2を互いの軸線を平行にして並列的に配置し、これら第2のボビン2の軸線方向の一端部側に、共通となる1組の第1のボビン1をその軸線が第2のボビン2の軸線方向と直交するように配設しているために、極めてコンパクトな設計となり、よって回路基板上における実装面積をより小さくすることができる。
この結果、全体の大型化を招くことなく、簡易な構造によって、1次コイルおよび第1のコア10を含む1次側部品と、2組の2次コイルおよび第2のコア11を含む2次側部品との間の絶縁性を向上させることができ、よって特に1次コイルに高電圧が入力される場合においても、確実に1次コイルと2次コイルとの間に要求される絶縁距離を確保することができる。
さらに、外周被覆部材12の内部を仕切る絶縁壁13に、第1のボビン1の巻線部3が嵌り込む凹部壁14を形成すると共に、第2のボビン2の巻線部6間を仕切る隔壁15を形成しているために、この外周被覆部材12によって、第1のボビン1および2組の第2のボビン2の位置決め精度も向上させることができ、よって2組の2次コイルからの出力間において安定した特性を得ることができる。
また、外周被覆部材12の内部に、絶縁壁13、凹部壁14および隔壁15を一体成形しているために、部品点数が少なくなり、かつ構造が一層簡易になるとともに、組立に際しても、外周被覆部材12の一方の開口から第1のボビン1に第1のコア10を取り付けた1次側部品を挿入し、他方の開口から2組の第2のボビン2に第2のコア11を取り付けた2次側部品と挿入することにより完成させることができるために、当該作業の簡便化も図ることができる。
加えて、1次コイルあるいは2次コイルの外周が、全周にわたって外周被覆部材12によって覆われているために、当該1次コイルや2次コイルを他の部材との干渉から保護することができる。このため、別途コイルの外周に保護テープ等を施工する必要が無く、かかる観点からも全体の構造や組立作業を一段と簡易化することが可能になる。
さらに、図6および図7に示したインバータトランスのように、外周被覆部材12の外周面に周方向に延在する複数の凸部16を軸線方向に間隔をおいて形成すれば、上記1次部品と2次部品との間の絶縁距離が、上記軸線方向の凹凸面に沿う長さ寸法になるために、単に外周被覆部材の軸線方向の長さ寸法を比較して、凸部16の数×凸部16の高さ寸法×2の寸法分長い絶縁距離を確保することができる。したがって、一層の小型化を図ることができるとともに、上述した1次コイルに高電圧が入力される場合にも、容易に対応することができる。
(第2の実施形態)
図8〜図12は、本発明に係る絶縁トランスを、LCDのバックライトとなる冷陰極管の点灯用インバータトランスに適用した第2の実施形態を示すものであり、図13および図14は、その変形例を示すものである。
なお、これらの図において、第1の実施形態およびその変形例に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
図8〜図12は、本発明に係る絶縁トランスを、LCDのバックライトとなる冷陰極管の点灯用インバータトランスに適用した第2の実施形態を示すものであり、図13および図14は、その変形例を示すものである。
なお、これらの図において、第1の実施形態およびその変形例に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
このインバータトランスにおいては、2組の第2のボビン2の軸線方向の一端部側に、第1のボビン20が、その軸線を第2のボビン2の上記軸線方向と平行に、かつ第2のボビン2の上記軸線間の中央に位置させて配設されている。
この第1のボビン20は、図11および図12に示すように、電気絶縁性を有する合成樹脂からなる角筒状の巻線部21の外周に1次コイル(図示を略す。)が巻回されるとともに、この巻線部21の軸線方向一端部に、1次コイルの端部が接続される端子22が植設された略方形板状の端子装着部23が一体成形されたものである。
この第1のボビン20は、図11および図12に示すように、電気絶縁性を有する合成樹脂からなる角筒状の巻線部21の外周に1次コイル(図示を略す。)が巻回されるとともに、この巻線部21の軸線方向一端部に、1次コイルの端部が接続される端子22が植設された略方形板状の端子装着部23が一体成形されたものである。
この第1のボビン20も、巻線部21が開口するように端子装着部23の表面が巻線部21の一内壁面と連続するように形成されるとともに、巻線部21を第2のボビン2側に向けて配置されている。
そして、第1のボビン20および2組の第2のボビン2には、第1および第2のコア24、25によって構成されて閉磁路を形成するコアが配置されている。
そして、第1のボビン20および2組の第2のボビン2には、第1および第2のコア24、25によって構成されて閉磁路を形成するコアが配置されている。
ここで、第1のコア24は、第1のボビン1の外周に沿って上記軸線方向に延在する一対の外側コア24aと、これら外側コア24aの中間部に位置して巻線部21内に挿入される内側コア24bとを有するE型コアである。
他方、第2のコア25は、各々2組の第2のボビン2の巻線部6内に挿入される一対の外側コア25aと、これら外側コア25aの中間部に位置して2組の第2のボビン2の間に配置される内側コア25bとを有するE型のコアである。
他方、第2のコア25は、各々2組の第2のボビン2の巻線部6内に挿入される一対の外側コア25aと、これら外側コア25aの中間部に位置して2組の第2のボビン2の間に配置される内側コア25bとを有するE型のコアである。
なお、第1のコア24の外側コア24aおよび内側コア24bは、それぞれ第1のボビン1の巻線部3の軸線方向の長さ寸法とほぼ等しい長さ寸法に形成され、かつ第2のコア25の外側コア25aおよび内側コア25bは、第2のボビン2の巻線部6の軸線方向の長さ寸法とほぼ等しい長さ寸法に形成されている。
これにより、1次コイルが巻回された第1のボビン20と、第1のコア24とを有する1次側部品が構成されるとともに、2次コイルが巻回された2組の第2のボビン2と、第2のコア25とを有する2次側部品が構成されている。
そして、これら1次側部品および2次側部品は、それぞれ外周被覆部材26内に挿入されている。
そして、これら1次側部品および2次側部品は、それぞれ外周被覆部材26内に挿入されている。
この外周被覆部材26も、電気絶縁性を有する合成樹脂によって成形された扁平な角筒状の部材であり、その内部には、軸線方向の中央部を隔壁状に塞ぐことにより、上記1次側部品と2次側部品とを電気的に仕切る絶縁壁(絶縁部材)27が一体に成形されている。
この絶縁壁27は、一方の面に第1のボビン1の巻線部3の先端フランジ3aと、第1のコア24の先端面が当接するとともに、他方の面に第2のボビン20の巻線部6の先端フランジ6aと、第2のコア25の先端面が当接する位置に形成されている。
そしてさらに、この絶縁壁27の1次部品が挿入される側には、第1のボビン20の巻線部21と第1のコア24の外側コア24aとの間を仕切る隔壁28が一体に形成されている。また、当該絶縁壁27の2次部品が挿入される側には、各第2のボビン2の巻線部6と第2のコア25の内側コア25bとの間を仕切る隔壁29が一体に形成されている。
また、図13および図14は、上記構成からなるインバータトランスの変形例を示すもので、上記第2の実施形態に示したものと相違する点は、外周被覆部材26の外周面であって、実装面となる下面26aを除いた両側面および上面に、周方向に連続する複数の凸部30を軸線方向に等間隔をおいて一体に成形したことにある。これにより、外周被覆部材26の外周には、上記軸線方向に向けて複数の凹凸が形成されている。
以上の構成からなるインバータトランスにおいても、閉磁路を形成するコアを、第1のボビン20側に位置して1次側部品となるE型の第1のコア24と、2組の第2のボビン2側に位置して2次側部品となるE型の第2のコア25とに分割し、これら第1のボビン20および第1のコア24(1次側部品)と、第2のボビン2および第2のコア25(2次側部品)との対向面間に絶縁壁27を介装するとともに、1次コイルおよび2組の2次コイルの外周並びに第1のコア24および第2のコア25の外周を、絶縁性を有する筒状の外周被覆部材26によって軸線方向に連続的に囲繞しているために、第1の実施形態およびその変形例に示したものと同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施形態のインバータトランスにおいては、外周被覆部材26内の中間部を仕切る絶縁壁27に、第1のボビン20の巻線部21と第1のコア24の外側コア24aとの間を仕切る隔壁28と、各第2のボビン2の巻線部6と第2のコア25の内側コア25bとの間を仕切る隔壁29とを一体に形成しているために、外周被覆部材26によって、第1のボビン20および第1のコア24、並びに2組の第2のボビン2および第2のコア25を、容易かつ極めて高い精度で位置決めすることができ、よって一層2組の2次コイルからの出力間において安定した特性を得ることができる。
1、20 第1のボビン
2 第2のボビン
3、21 1次コイルの巻線部
6 2次コイルの巻線部
10、24 第1のコア
11、25 第2のコア
12、26 外周被覆部材
12a、26a 下面
13、27 絶縁壁(絶縁部材)
16、30 凸部
24a、25a 外側コア
24b、25b 内側コア
2 第2のボビン
3、21 1次コイルの巻線部
6 2次コイルの巻線部
10、24 第1のコア
11、25 第2のコア
12、26 外周被覆部材
12a、26a 下面
13、27 絶縁壁(絶縁部材)
16、30 凸部
24a、25a 外側コア
24b、25b 内側コア
Claims (5)
- 2次コイルが巻回された2組の第2のボビンと、これら2組の第2のボビンの軸線方向の端部側に配設されて1次コイルが巻回された1組の第1のボビンとを有し、これら第1のボビンおよび2組の第2のボビンに跨って配設された磁性材からなるコアによって閉磁路が形成されてなる1入力2出力型の絶縁トランスにおいて、
上記コアを、上記軸線方向に、上記第1のボビン側に位置する第1のコアと上記第2のボビン側に位置する第2のコアとに分割し、これら上記第1および第2のコアの対向面間、並びに上記第1および第2のボビンの上記軸線方向の対向面間に絶縁部材を介装するとともに、上記1次および2次コイルの外周並びに上記第1および第2のコアの外周を、絶縁性を有する筒状の外周被覆部材によって上記軸線方向に連続的に囲繞したことを特徴とする絶縁トランス。 - 上記絶縁部材は、上記外周被覆部材の内部に隔壁状に一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の絶縁トランス。
- 上記2組の第2のボビンは、互いの軸線を平行にして並列的に配置されるとともに、これら第2のボビンの上記軸線方向の一端部側に、上記第1のボビンがその軸線を第2のボビンの上記軸線方向に向けて配設されるとともに、
上記第1のコアは、上記第1のボビンの外周に沿って上記軸線方向に延在する一対の外側コアと、これら外側コアの中間部に位置して上記第1のボビン内に挿入される内側コアとを有するE型に形成され、かつ上記第2のコアは、各々2組の上記第2のボビン内に挿入される一対の外側コアと、これら外側コアの中間部に位置して上記2組の第2のボビン間に配置される内側コアとを有するE型に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁トランス。 - 上記2組の第2のボビンは、互いの軸線を平行にして並列的に配置されるとともに、これら第2のボビンの上記軸線方向の一端部側に、上記第1のボビンがその軸線を上記第2のボビンの上記軸線と直交する方向に向けて配設されるとともに、
上記第1のコアは、上記第1のボビン内に挿入されるI型に形成され、かつ上記第2のコアは、各々2組の上記第2のボビン内に挿入されるU型に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁トランス。 - 上記外周被覆部材の少なくとも実装面となる下面を除く外周面には、周方向に環状をなす複数の凸部が上記軸線方向に間隔をおいて形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の絶縁トランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008074138A JP2009231485A (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 絶縁トランス |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008074138A JP2009231485A (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 絶縁トランス |
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JP2009231485A true JP2009231485A (ja) | 2009-10-08 |
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ID=41246568
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JP2008074138A Pending JP2009231485A (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 絶縁トランス |
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JP (1) | JP2009231485A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014192281A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Nec Commun Syst Ltd | トランスおよびその製造方法 |
-
2008
- 2008-03-21 JP JP2008074138A patent/JP2009231485A/ja active Pending
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