JP2011171425A - コイル用コア体 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化を実現しつつ必要な沿面距離を確保して絶縁特性を高めるようにしたコイル用コア体を得る。
【解決手段】コア4A,4Bを2つのカバー11,12の組み合わせによる絶縁カバー10A,10Bで覆ってなるコイル用コア体2において、一方のカバー12の少なくとも一部の壁12d、12fが2重の壁構造に設けられ、他方のカバー12の少なくとも一部の壁11dが該一方の壁の2重の壁構造の間に挿入されて、内部に収納されたコアと外部との沿面距離が両カバーの組み合わせにより構成される多重壁の折り返し壁構造を経て設定される絶縁特性を有してなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、各種電子・電気機器等に用いられる小型のコイルなどのさらなる小型化を図る際に、巻線とコアとの間に要求される沿面距離および空間距離を確保するようにした構造のコイル用コア体に関する。
一般にコイルにおいては、巻線とコアとの相互間の絶縁性を確保するために種々の絶縁構造が採用されている。
例えば、トロイダルコアを上下の絶縁カバーを組み合わせて覆い、この絶縁カバーの外周に巻線を巻回するように構成して、巻線とコア間の絶縁性を簡易な組み立てによって高めるようにした構造が知られている(下記特許文献1参照)。
特開昭59−152610号公報
ところで、液晶テレビ等の液晶表示装置に使用されるバックライトには、コスト削減および効率改善のために、インバータ回路の入力電圧を、一次電源として家庭用電源を用いる方式が採用されるようになっている。それに伴い、インバータトランスにおいては一次巻線に加わる電圧が高くなり、コアとの間に必要とされる絶縁距離(沿面距離および空間距離)が長くなっている。
しかし、上記特許文献1の絶縁カバー構造では、上下のカバーの壁が単に重なり合った構造に構成されることで、要求される絶縁特性を確保するための沿面距離が十分に得られていないため、絶縁破壊による損傷が発生するおそれがある。
例えば、上記の一次電源として家庭用電源を使用する場合に、問題となるのが、諸国によって規格が異なる一方、小型化が進む電子機器、ノートパソコン等おいて使用されるトランスに対する小型化の要求が厳しくなっており、このような要求に応えるためには、トランスの低背化および小型化と上記の沿面距離、空間距離を長く取ることにより絶縁特性を確保することが困難となっている状況である。
つまり、トランス設計を行う場合、規格から算出された沿面距離と空間距離を一次と二次の導電部間で確保しなければならない。この導電部は、トランスでは、コア、巻線、端子などがあり、コアは電気的に接続されていないので、沿面距離や空間距離を計算する場合は、コアを介した一次側端子と二次側端子距離がその距離となる。以上の点を踏まえて設計すると、従来構造では、背が高く、大型化になってしまう問題を有する。
この問題は、一次電源に用いられるノーマルモードチョークコイルやコモンモードチョークコイルも同様である。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、小型化を実現しつつ必要な沿面距離を確保して絶縁特性を高めるようにしたコイル用コア体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明に係るコイル用コア体は、コアを絶縁カバーで覆ってなるコイル用コア体において、前記絶縁カバーは、2つのカバーの組み合わせによって内部に前記コアを収納するものであり、一方のカバーの少なくとも一部の壁が2重の壁構造に設けられ、他方のカバーの少なくとも一部の壁が該一方の壁の2重の壁構造の間に挿入されるものであり、内部に収納されたコアと外部との沿面距離が両カバーの組み合わせにより構成される多重壁の折り返し壁構造を経て設定される絶縁特性を有することを特徴とするものである。
本発明において、前記コア体の少なくとも一部の外周には巻線が巻回されるものであり、前記絶縁カバーの多重壁の折り返し構造は、該巻線の巻回部近傍に設けることが好ましい。
また、本発明に係るコイル用コア体は、特にインバータトランスに使用するのが好適である。
本発明に係るコイル用コア体においては、絶縁カバーは2つのカバーの組み合わせによって内部にコアを収納するものであり、一方のカバーの少なくとも一部の壁が2重の壁構造に設けられ、他方のカバーの少なくとも一部の壁が該一方の壁の2重の壁構造の間に挿入されて、内部に収納されたコアと外部との沿面距離が両カバーの組み合わせにより構成される多重壁の折り返し壁構造を経て設定される絶縁特性を有する。
このため、コアの外周面が巻線または端子に対して長い沿面距離と空間距離を確保した絶縁状態で覆われ、巻線に作用する1次電圧が高められた場合にも要求規格を達成でき、優れた絶縁性能を確保することができる。さらに、この沿面距離と空間距離を確保するための構造がコア体またはトランスの全体形状を大きくすることなく得られ、特に低背化や小型化が要求されているインバータトランスを好適に実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係るコイル用コア体を備えたインバータトランスの全体斜視図である。 図1の平面図である。 片側の上カバーおよび下カバー並びに片側のコアを除去した状態における図2の右側面図である。 図1の例におけるベース部材の斜視図である。 図1の例における両側のコアを組み合わせた状態の斜視図である。 図1の例における片側の上カバーを示す斜視図である。 図1の例における片側の下カバーを示す斜視図である。 図2の7−7断面に沿い絶縁カバーの壁面を略記した中央縦断面における巻線とコアの間および端子とコアの間の沿面距離を鎖線で示す説明図である。 図2の8−8断面に沿い絶縁カバーの壁面を略記した横断面における巻線とコアの間の沿面距離を鎖線で示す説明図である。 図3の9−9断面に沿い絶縁カバーの壁面を略記した水平断面における巻線とコアの間の沿面距離を鎖線で示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るトロイダルコイル用のコア体を上カバーを分離した状態で示す断面斜視図である。 図10のコイル用コア体に巻線を巻回してなるトロイダルコイルの概略構成を示す平面図である。
以下、本発明に係るコイル用コア体およびこれを備えたコイルの実施形態について、添付した各図面を参照しつつ詳細に説明する。図1〜図9は本発明の第1の実施形態に係るコア体を有するインバータトランスの例を示し、図10〜図11は本発明の第2の実施形態に係るコア体を有するトロイダルコイルの例を示している。
<第1の実施形態>
図1に示す、本実施形態のコア体を有するインバータトランスの全体的な構成について説明する。このインバータトランス1は、例えば、ノートパソコン、液晶テレビ等に使用される各種表示パネルのバックライト用の冷陰極放電ランプ(CCFL)を放電、点灯させるDC/ACインバータ回路において使用されるものである。
インバータトランス1は、図5に示す左右1対のE型のコア4A,4Bが、左右1対の絶縁カバー10A,10Bで覆われてなるコア体2と、外周に1次巻線5および2次巻線6が巻回されて、上記コア体2の中央部に組み付けられるベース部材3(トランス用ボビン)とで構成されている。
上記コア体2における左右1対のコア4A,4Bは、マンガン系のフェライトコアからなり、図5に示すように、それぞれ基部41と、該基部41の両端部にそれぞれ配された外脚部42,42と、該基部41の中央部に配された中脚部43とを備えたE字型のものであり、左右のコア4A,4Bにおける各々の中脚部43が、図4に示すような、ベース部材3の内部(詳しくは、後述の貫通孔31a内)に挿通され、その先端部同士が互いに突き合わされるようになっている。また、各々の外脚部42,42は、ベース部材3の外側部において、互いの先端部同士が突き合せられるようになっている。
上記基部41、外脚部42,42および中脚部43は、図5における底面が同一面となり、後述のベース部材3のベース面上に後述の下カバー12を介して載置され、上面は中脚部43の高さが基部41および外脚部42,42の高さより低く形成されている。
上記コア体2の各絶縁カバー10A,10Bは左右で同一形状であり、それぞれ上下一対の上カバー11,11と下カバー12,12との組み合わせにより内部にコア4A,4Bを収納するように形成されている。詳細構造は後述する。
上記ベース部材3は、図4に示すように、プラスチック等の絶縁性を有する材料で形成された中央の筒状基部31(ボビン部)、1次側端子50(6本)が外向きに取り付けられる一端側の1次側端子台32、および2次側端子60(2本)および絡げ端子61(2本)が外向きに取り付けられる他端側の2次側端子台33が一体に形成されてなる。
上記筒状基部31は、上記コア4A,4Bの各中脚部43が挿通される貫通孔31aを有する略角筒状に形成されるとともに、1次側端子50に近い端部の外周部に1次巻線5が巻回される第1巻回部35と、2次側端子60に近い端部の外周部に2次巻線6が巻回される第2巻回部36とを備えてなる。
また、この筒状基部31は、その両端部を含む外周に平行に多数のフランジ状の鍔部を備えている。この鍔部は、前記第1巻回部35の両端部および内部に1つの仕切部が、第2巻回部36の両端部および内部に4つの仕切部が配設され、さらに、第1巻回部35と第2巻回部36の間の中間部37に狭い間隔で4つの仕切部が配設されている。そして、上記鍔部により第1巻回部35は2つの巻回領域に分割され、第2巻回部36は4つの巻回領域に分割され、それぞれ1次巻線5および2次巻線6が順次架け渡されながら巻回されるようになっている。なお、上記2次巻線6は、その最も低圧側部分が1次巻線5に近い巻回領域に巻回され、最も高圧側部分が離れた巻回領域に巻回されるようになっている。各巻回領域に巻回される巻線量は、各巻回領域内における電位差が所定値以内(例えば略300V以内)となるように設定されている。
上記1次側端子台32および2次側端子台33の裏面には、1次巻線5および2次巻線6の端部を、それぞれ1次側端子50または2次側端子60のいずれかに導くための配線溝32a(1次側端子台32についてのみ図示し、2次側端子台33は図示省略)が形成されている。
次に、本実施形態のコア体2およびこれを備えたインバータトランス1の特徴的構成について説明する。
コア体2は、コア4A,4Bの外周に上下から絶縁カバー10A,10Bを装着して、沿面距離および空間距離の大きい絶縁構造を確保してなる構成を有する。
図6Aは絶縁カバー10A,10Bの上カバー11の斜視図、図6Bは下カバー12の斜視図であり、この上カバー11と下カバー12の組み合わせにより側壁が重なり合って、外側の壁は2枚の壁構造であり、内側の壁は3枚の壁構造となっている。
図6Aに示すように、上カバー11は全体が1枚壁構造であり、コア4A,4Bの底面を除く上面および側面を覆う平面から見て略E字形状に設けられている。つまり、コア4A,4Bの基部41および外脚部42,42の上面を覆う平面コ字状の外上壁11aと、中脚部43の上面を覆う中央の中上壁11bと、上記外上壁11aの外側縁から下方に屈曲して上下方向に連接された外側壁11cと、上記外上壁11aの内側縁から下方に屈曲して上下方向に連接された内側壁11dと、上記中上壁11bの両側端から下方に屈曲して上下方向に連接された中側壁11eとで構成されている。なお、中側壁11eの高さは、外側壁11cおよび内側壁11dの高さより低く形成され、中上壁11bが低い位置で中脚部43の上面に沿うように形成されている。
一方、図6Bに示すように、下カバー12は底側および外側が1枚壁構造で、内側が2重壁(2枚壁)構造であり、コア4A,4Bの上面を除く底面および側面を覆う平面から見て略E字形状に設けられている。つまり、コア4A,4Bの基部41および外脚部42,42の底面を覆う平面コ字状の外底壁12aと、中脚部43の底面を覆う中央の中底壁12bと、上記外底壁12aの外側縁から上方に屈曲して上下方向に連接された外側壁12cと、上記外底壁12aの内側縁から上方に屈曲して上下方向に連接された内側壁12dと、上記中底壁12bの両側端から上方に屈曲して上下方向に連接された中側壁12eと、さらに、上記内側壁12dおよび中側壁12eと平行に配置された第2内側壁12fおよび第2中側壁12gとで構成されている。
中側壁12eおよび第2中側壁12gの高さは、外側壁12c、内側壁12dおよび第2内側壁12fの高さより低く形成され、また、第2内側壁12fおよび第2中側壁12gは、上記外底壁12aおよび中底壁12bの内周縁が延長されてその端縁に連接され、内側壁12dおよび中側壁12eとの間にも外底壁12aおよび中底壁12bが形成されている。
上記上カバー11および下カバー12の軸方向(図2におけるベース部材3の長手方向)の長さ寸法は、コア4A,4Bの軸方向の長さ寸法より短く形成され、コア4A,4Bの外脚部42,42および中脚部43の先端部は、上カバー11および下カバー12より若干突出するようになっている。これにより、両側のコア4A,4Bの外脚部42,42および中脚部43の先端部が所定の突合せ状態(ギャップが形成される場合を含む)となる前に、上カバー11および下カバー12の先端が互いに当接して組み付けが阻害されることなく、両コア4A,4Bによる閉磁路が構成される。
上記構造の上カバー11と下カバー12とを組み合わせた状態は、図3に示すように、上カバー11の内周側の内側壁11dおよび中側壁11eは、下カバー12の2重壁部分、つまり、内側壁12dと第2内側壁12fとの間および中側壁12eと第2中側壁12gとの間に挿入され、3重の折り返し構造となっている。一方、上カバー11の外周側の外側壁11cは、下カバー12の外側壁12cの内側に位置するように上下蓋合わせ構造となり、内部に形成される空間にコア4A,4Bが収納され、このコア4A,4Bと絶縁カバー10A,10Bとによるコア体2が構成される。
上記コア体2をベース部材3に組み付けるインバータトランス1の作製を説明する。上記のように各コア4A,4Bにそれぞれ絶縁カバー10A,10Bを装着した左右に分離したコア体2,2を用意する。また、筒状基部31の外周における第1巻回部35に1次巻線5を巻回し、第2巻回部36に2次巻線6を巻回し、各線の端部を両端部の1次側端子50または2次側端子60に接続してなるベース部材3を用意する。
そして、このベース部材3の筒状基部31の貫通孔31aの内部に両側の開口部より、各コア体2,2の上カバー11および下カバー12によって覆われた各中脚部43、43をそれぞれ挿入し、この中脚部43,43および筒状基部31の外側に位置する両側の外脚部42,42の対向する先端部をそれぞれ突き合わせて組み付ける。この組付状態においては、ベース部材3の1次側端子50、2次側端子60および絡げ端子61が絶縁カバー10A,10Bの端部より突出する。また、必要に応じてベース部材3の筒状基部31の内部に絶縁性の樹脂剤を充填し、コア4A,4B、上カバー11、下カバー12および筒状基部31を相互に接着固定してもよい。
なお、製品となったインバータトランス1においては、ベース部材3の両側における外脚部42,42の突合せ状態(ギャップが形成される場合を含む)を、絶縁カバー10A,10Bの隙間より目視する検査を行ってもよい。
本実施形態に係るインバータトランス1の絶縁特性として、1次巻線5とコア4Bとの間の沿面距離(2次巻線6とコア4Aとの間も同様)および1次側端子50とコア4Bとの間の沿面距離(2次側端子60とコア4Aとの間も同様)を、図7〜図9に基づいて説明する。この図7〜図9においては絶縁カバー10A,10Bにおける上カバー11、下カバー12の壁部は厚みの断面表示を簡略化し、太線で示している。
1次巻線5(外周端部位置:a点)とコア4Bとの間の沿面距離は、図7のコア4Bの中脚部43の縦断面を示す図に、中脚部43の先端位置(上面側:b点)に対するものを、および基部41の後端下部(d点)に対するものを示し、図8の横断面を示す図に、中脚部43の上部角部(e点)に対するものを、および外脚部42の内側上角部(f点)並びに外側下角部(g点)に対するものを示し、図9の平断面を示す図に、外脚部42の内側先端部(h点)に対するものを示している。さらに、図7には、1次側端子50(基端位置:j点)と中脚部43の先端位置(下面側:c点)に対するものを、および基部41の後端下部(d点)に対するものを示している。
まず、1次巻線5の外周端の上部位置(a点)とコア4Bの中脚部43の先端位置(b点)との沿面距離は、筒状基部31の端部鍔部35aを越えて下方に、上カバー11における中脚部43の上面を覆う中上壁11bの上面および貫通孔31aの内面に沿って前方に、中上壁11bの先端を越えて中脚部43の先端に至る距離であり、上カバー11の中上壁11bの設置により長く設定されている(図7参照)。
次に、1次巻線5の外周端の上部位置(a点)とコア4Bの基部41の後端下部(d点)との沿面距離は、筒状基部31の端部鍔部35aを越えて後方に、上カバー11における基部41の上面を覆う外上壁11aの上面を外側に越え、その外側壁11cの外面を下方に沿って下端部を越えて、基部41の後端下部に至る距離であり、上カバー11の外上壁11aおよび外側壁11cの設置により長く設定されている(図7参照)。
また、1次巻線5の外周端の上部位置(a点)とコア4Bの中脚部43の上部角部(e点)との沿面距離は、筒状基部31の端部鍔部35aを越え、上カバー11における中脚部43の側面を覆う中側壁11eの外面を下方に沿って下端部を越えて、内側の下カバー12における中側壁12eの外面を上方に沿って上端部を越えて、中脚部43の上端に至る距離である。この沿面距離は、最短距離を示したもので、1次巻線5の外周端のa点位置が他の側方位置および底部位置の場合には、下カバー12の第2中側壁12gの外面を上方に沿って上端部を越える距離だけ沿面距離が長くなり、さらにa点位置が底部位置の場合には、1次側端子台32によっても沿面距離が長くなり、上カバー11および下カバー12の中側壁11e、中側壁12e、第2中側壁12gによる3重の壁構造の設置により長く設定されている(図8参照)。
また、1次巻線5の外周端の下部位置(a点)とコア4Bの外脚部42の内側上角部(f点)との沿面距離は、筒状基部31の端部鍔部を越え、下カバー12の第2内側壁12fを外側にさらに上方に沿って、外脚部42の内側面を覆う3重の壁構造(第2内側壁12f、内側壁11d、内側壁12d)に沿って上下に折り返して、内側壁12dの上端部を越えて、外脚部42の上端に至る距離である。なお、a点が高い位置の場合には上記沿面距離は短くなるが、上カバー11の内側壁11dおよび下カバー12の内側壁12d、第2内側壁12fによる3重の壁構造の設置により長く設定されている(図8参照)。
また、1次巻線5の外周端の下部位置(a点)とコア4Bの外脚部42の外側下角部(g点)との沿面距離は、筒状基部31の端部鍔部を越え、下カバー12の第2内側壁12fを外側にさらに外底壁12aの底面を外側に、外側壁12cを上方に沿って上端を越え、上カバー11の外側壁11cとの間を下方に沿って、外側壁11cの下端を越えて、外脚部42の下端に至る距離であり、上カバー11の外側壁11cおよび下カバー12の外側壁12cの設置により長く設定されている(図8参照)。
また、1次巻線5の外周端の側部位置(a点)とコア4Bの外脚部42の内側先端部(h点)との沿面距離は、筒状基部31の端部鍔部を越え、下カバー12の第2内側壁12fを外側にさらに外脚部42の先端側に前方へ沿って、その第2内側壁12fの先端を越えて、外脚部42の先端に至る距離である。
一方、1次側端子50の基端位置(j点)とコア4Bの中脚部43の先端部(c点)との沿面距離は、ベース部材3の1次側端子台32の上面に沿って、下カバー12における中脚部43の底面を覆う中底壁12bの下面および貫通孔31aの内面に沿って中底壁12bの先端を越えて、中脚部43の先端に至る距離であり、下カバー12の中底壁12bの設置により長く設定されている(図7参照)。
また、1次側端子50の基端位置(j点)とコア4Bの基部41の後端下部(d点)との沿面距離は、ベース部材3の1次側端子台32の上面に沿って、下カバー12における中脚部43の外面を覆う外側壁12cを上方に沿って上端を内側に越え、上カバー11の外側壁11cとの間を下方に沿って下端部を越えて、基部41の後端下部に至る距離であり、上カバー11の外側壁11cおよび下カバー12の外側壁12cの設置により長く設定されている(図7参照)。
なお、図2に示すように、両側のコア4A,4Bの先端が当接する中央部分については絶縁カバー10A,10Bに隙間が構成され、不連続となって中央部分の絶縁特性が低下しているが、本実施形態におけるベース部材3の筒状基部31においては、一端部の第1巻回部35に1次巻線5が巻回され、他端部の第2巻回部36に2次巻線6が巻回され、中間部37には巻線が巻回されていないことで、この中央部分に作用する電圧が低く、要求される絶縁特性が低いことより問題が生じないものである。
一方、上記実施の形態においては、下カバー12の2重の壁構造に対して、その間に挿入する上カバー11の壁は、その先端部が2重壁の間の底部近傍に達する程度に、高さ方向の重なり程度が大きく設定されているが、必要とされる沿面距離に応じて重なり程度を適宜設計変更することが可能であるが、50%以上重ね合わせることが好ましい。
上記のような第1の実施形態のコア体2によれば、上カバー11および下カバー12の多重壁構造による絶縁カバー10A,10Bによってコア4A,4Bの外周面が、1次巻線5および2次巻線6または1次端子50および2次端子60に対して長い沿面距離を確保して絶縁状態で覆われ、1次電圧が高められた場合にも要求規格を達成でき、短絡状態が発生することなく所望の特性のトランスを構成することが可能となるとともに、小型化が実現できるものである。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係るトロイダルコイル100の概略全体平面図を図11に示し、このトロイダルコイル100におけるコア体102の上カバーを分離した状態の断面斜視図を図10に示している。
本例のトロイダルコイル100は、例えば断面矩形状のリング体で閉磁路を構成するトロイダルコア104が、上カバー111と下カバー112とによる絶縁カバー110で覆われてなるコイル用コア体102を備え、該コア体102に第一の巻線105および第二の巻線106が巻回されて構成されている。なお、この第一の巻線105および第二の巻線106は、図11においては簡略的に示しており、それぞれ巻線を中心孔から外周に通してコア104の回りに巻回してなり、実際には全周に亘って第一の巻線105と第二の巻線106とが重ね巻きされるなど、公知の所定の形態に巻回されるものであり、その端子構造等の詳細は省略している。
上記コア体102の絶縁カバー110は、上記コア104と同様にリング状に形成され、上下一対の上カバー111と下カバー112との組み合わせにより内部にコア104を収納するように形成されている。
コア体102は、コア104の外周に上下から上カバー111および下カバー112を組み合わせて絶縁カバー110を装着し、沿面距離および空間距離の大きい絶縁構造を確保してなる構成としたものであり、この上カバー111と下カバー112の組み合わせにより側壁が重なり合って、外側および内周の壁は3枚の壁構造となっている。
図10に示すように、上カバー111は全体が1枚壁構造であり、コア104の底面を除く上面および側面を覆う平面から見てリング形状に設けられている。つまり、コア104の上面を覆う平面リング状の上壁111aと、この上壁111aの外側縁から下方に屈曲して上下方向に連接された外側壁111bと、上壁111aの内側縁から下方に屈曲して上下方向に連接された内側壁111cとで構成されている。
一方、下カバー112は底側が1枚壁構造で、外周側および内周側が2重壁(2枚壁)構造であり、コア104の上面を除く底面および側面を覆う平面から見てリング形状に設けられている。つまり、コア104の底面を覆う平面リング状の底壁112aと、この底壁112aの外側縁から上方に屈曲して上下方向に連接された外側壁112bと、底壁112aの内側縁から上方に屈曲して上下方向に連接された内側壁112cと、さらに、上記外側壁112bおよび内側壁112cと平行に配置された第2外側壁112dおよび第2内側壁112eとで構成されている。
なお、第2外側壁112dおよび第2内側壁112eは、上記底壁112aの外周縁および内周縁が延長されてその端縁に連接され、外側壁112bおよび内側壁112cとの間にも底壁112aが形成されている。
上記構造の上カバー111と下カバー112とを組み合わせた状態では、上カバー111の外周側の外側壁111bおよび内周側の内側壁111cは、下カバー112の2重壁部分、つまり、外側壁112bと第2外側壁112dとの間および内側壁112cと第2内側壁112eとの間に挿入されるように上下蓋合わせ構造となり、内部に形成される空間にコア104が収納され、このコア104と絶縁カバー110とによるコア体102が構成される。
本実施形態に係るコア体102の絶縁特性として、第一の巻線105および第二の巻線106とコア104との間の沿面距離は、絶縁カバー110の外周部および内周部の上カバー111および下カバー112の3重の壁構造により、その壁面の間を上下に折り返す距離だけ沿面距離が長く設定されている。
以上、本発明に係るコイル用コア体およびこれを備えたインバータトランスおよびトロイダルコイルの実施形態を説明したが、本発明は上述の態様に限定されるものではなく、種々に態様を変更することが可能である。
例えば、上述の実施形態のコア体2,102では、下カバー12,112の側壁を2重壁構造としているが、上カバー11,111の側壁を2重壁構造とし、その間に下カバーの壁が挿入されるように構成してもよい。さらに、上カバーおよび下カバーの両方に2重壁構造を設け、さらに多重壁構造として沿面距離が長くなるように構成することが可能である。
また、上記の第2の実施形態において、トロイダルコア104に絶縁カバー110で覆ったコア体102に巻線を一つだけ巻き、ノーマルモードチョークコイルとして構成してもよい。
また、上述の実施形態では、E字型およびリング型のコアを用いているが、I字型やT字型、U字型等のコアを適宜組み合わせて用いてもよい。
1 インバータトランス
2 コア体
3 ベース部材
4A,4B コア
5 1次巻線
6 2次巻線
10A,10B 絶縁カバー
11 上カバー
11a 外上壁
11b 中上壁
11c 外側壁
11d 内側壁
11e 中側壁
12 下カバー
12a 外底壁
12b 中底壁
12c 外側壁
12d 内側壁
12e 中側壁
12f 第2内側壁
12g 第2中側壁
31 筒状基部
31a 貫通孔
32 1次側端子台
32a 配線溝
33 2次側端子台
35 第1巻回部
36 第2巻回部
37 中間部
41 基部
42 外脚部
43 中脚部
50 1次側端子
60 2次側端子
61 絡げ端子
100 トロイダルコイル
102 コア体
104 コア
104 トロイダルコア
105 第一の巻線
106 第二の巻線
110 絶縁カバー
111 上カバー
111a 上壁
111b 外側壁
111c 内側壁
112 下カバー
112a 底壁
112b 外側壁
112c 内側壁
112d 第2外側壁
112e 第2内側壁

Claims (3)

  1. コアを絶縁カバーで覆ってなるコイル用コア体において、
    前記絶縁カバーは、2つのカバーの組み合わせによって内部に前記コアを収納するものであり、一方のカバーの少なくとも一部の壁が2重の壁構造に設けられ、他方のカバーの少なくとも一部の壁が該一方の壁の2重の壁構造の間に挿入されるものであり、内部に収納されたコアと外部との沿面距離が両カバーの組み合わせにより構成される多重壁の折り返し壁構造を経て設定される絶縁特性を有することを特徴とするコイル用コア体。
  2. 前記コア体の少なくとも一部の外周には巻線が巻回されるものであり、前記絶縁カバーの多重壁の折り返し構造は、該巻線の巻回部近傍に設けられていることを特徴とする請求項1記載のコイル用コア体。
  3. 前記コア体をインバータトランスに使用することを特徴とする請求項1または2に記載のコイル用コア体。
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JP2013065754A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Toyota Motor Corp リアクトル装置
CN103366937A (zh) * 2013-07-30 2013-10-23 河北申科电子股份有限公司 一种微型电磁式电压互感器
KR101499720B1 (ko) * 2013-08-30 2015-03-06 삼성전기주식회사 초크코일 및 이를 구비한 전원 공급 장치

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