JPH1174135A - 高圧トランス - Google Patents

高圧トランス

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JPH1174135A
JPH1174135A JP9244748A JP24474897A JPH1174135A JP H1174135 A JPH1174135 A JP H1174135A JP 9244748 A JP9244748 A JP 9244748A JP 24474897 A JP24474897 A JP 24474897A JP H1174135 A JPH1174135 A JP H1174135A
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JP
Japan
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voltage transformer
case
magnetic core
secondary coil
coil
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JP9244748A
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Inventor
Tadashi Kotani
忠 小谷
Masao Ishiwaki
將男 石脇
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Hitachi Ferrite Electronics Ltd
Original Assignee
Hitachi Ferrite Electronics Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高圧トランスの高圧側コイルの絶縁性の向上
を図る。 【構成】 リング状の磁心3は、その外装を絶縁樹脂か
らなる第1のケース4に覆われ、磁心3を収納した前記
ケース4の外装には、2次側コイル2が単層整列巻さ
れ、さらに、前記2次側コイル2は、第2のケース5に
より覆われ、該ケース5の外装には1次側コイル1が巻
回して構成する高圧トランスである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高電圧を必要とす
る冷陰極ランプあるいはメタルハライドランプ等の点灯
に用いられる高圧トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高圧の点灯として一般に知られて
いるのは、パソコンあるいはワープロ等の液晶表示の裏
側に取り付けられている冷陰極ランプがあり、高圧トラ
ンスを使用して数十Vの電圧を数kVに昇圧して冷陰極
ランプを点灯させ、液晶を明るく表示させていた。図1
1が前記高圧トランスの断面図を示したものである。両
端にフランジ56の施された中空穴55を有すボビン5
4は、前記フランジ56間には、低電圧側の1次側コイ
ル51と高圧側の2次側コイル52が巻回され、1次側
コイル51と2次側コイル52間には絶縁壁57aが設
けられ、さらに2次側コイル52は絶縁壁57bにより
分割巻されている。そして、ボビン54の中空穴55に
フェライトからなるコア53を組み込んで高圧トランス
を構成している。
【0003】また近年では、自動車のヘッドライトとし
てメタルハライドランプなる高圧放電灯が登場してい
る。この高圧放電灯は、従来のヘッドライト用ハロゲン
ランプに比べ輝度が高く、明るく照らすことができる
が、点灯始動時の電圧が20kV以上の高電圧を必要と
する。前記高圧放電灯に用いられる高圧トランスとして
は、図12に示す特開平8−130127号公報に開示
された高圧トランスがある。この高圧トランスは、スプ
ール64内に円柱形状のコア63が収納され、2次側コ
イル62が巻かれている。これらをケース65内に収納
し充填樹脂により一体化し、ホルダー状の1次側コイル
61は、ケース65に一体化されたスプール64に巻回
された2次側コイル62およびコア63を覆うように上
方より取り付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の高圧トランスは、いずれも2次側コイルが分割巻され
層間電圧を低く抑えているものの、高圧側である2次側
コイルの電圧が例えば25KVといったように高くなる
と、それぞれの分割巻線内のコイル電位差が非常に高く
なり、信頼性に欠けるという問題点があった。また、2
次側コイルの分割数を増すことにより分割巻線内のコイ
ル電位差を低くすることはできるが、高圧トランスとし
てのサイズが大きくなるという問題点があった。
【0005】また、図12において、トランスとしての
磁心は円柱形状のコアのみで構成されているため、開磁
路での動作となる。この開磁路構造のため、必要な電圧
を発生させるためにはコイルの巻回数を増加させる、ま
たはコアサイズを大きくしないと必要とする特性を得る
ことができず、どうしても重量および取付面積が大きく
なるという問題点があった。さらに、自動車へのトラン
ス搭載方法は、他素子と一緒にユニットとして組み込ま
れるものであり、前記トランスは開磁路の磁心により構
成されているため、漏れ磁束によってユニット内の他素
子に影響を及ぼすものであった。
【0006】本発明は、以上のことを考慮し小型、軽量
で高電圧に対する信頼性を向上させた高圧トランスの提
供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性材料から
なる磁心と1次側コイルおよび2次側コイルとからなる
高圧トランスにおいて、磁心は金属系磁性材料の閉磁路
磁心であって、該磁心は絶縁物に覆われ、該絶縁物の外
装を2次側コイルが巻回し、さらに、前記2次側コイル
は磁心と共に再度絶縁物に覆われ、その外装に1次側コ
イルを巻回してなる高圧トランスである。
【0008】本発明は、上記絶縁物が、絶縁樹脂からな
るケース、絶縁テープあるいは絶縁樹脂によるコーティ
ングである高圧トランスである。
【0009】また本発明は、金属系材料磁性からなる磁
心は、微細結晶合金および非晶質合金を材料とし、薄帯
を巻回してなる巻磁心および積層してなる積層磁心、粉
体を成形してなるダストコアである高圧トランスであ
る。また本発明は、金属系材料磁性からなる磁心は、F
e−Al−Ni合金、Mo−P合金、純鉄、Fe−Si
合金を材料とし、薄帯を巻回してなる巻磁心および積層
してなる積層磁心、粉体を成形してなるダストコアであ
る高圧トランスである。また本発明は、磁心が、トロイ
ダル形、略楕円、枠形の高圧トランスである。
【0010】また本発明は、2次側コイルは2つの巻線
からなり、磁心の対称位置にそれぞれ巻回し、前記2つ
の巻線の巻回方向がそれぞれ逆向きであって、かつ、そ
れぞれの巻線の巻始め、巻終わりを接続してトランスの
2次側コイルとなる高圧トランスである。また本発明
は、2次側コイルが、単層整列で巻線が施されている高
圧トランスである。
【0011】また本発明は、1次側コイルが、平角線、
絶縁被覆を有する電線および同軸構造の電線を用いた高
圧トランスである。
【0012】また本発明は、金属系磁性材料を用いた閉
磁路のリング状磁心は、第1のケースに収納され、該第
1のケース外装には、整列巻された対称位置関係の2つ
の巻線からなる2次側コイルが巻回し、該2次側コイル
は、磁心を収納した第1のケースと共に第2のケースに
収納され、第2のケース外装には、平角線および絶縁電
線、同軸構造の電線を用いた1次側コイルが巻回し、さ
らに、該1次側コイル全体を包み込む第3のケースある
いは樹脂によって、トランス全体を絶縁する高圧トラン
スである。
【0013】また本発明は、ケース内に、絶縁あるいは
固定のための絶縁性樹脂がそれぞれ封入され、前記ケー
ス内に封入する樹脂は、ケース毎に異なる材質を封入す
る高圧トランスである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図を用い
て説明にする。図1は、本発明の高圧トランスの断面図
である。リング状の磁心3は、その外装を絶縁樹脂から
なる第1のケース4に覆われ、磁心3を収納した前記ケ
ース4の外装には、2次側コイル2が単層整列巻され、
さらに、前記2次側コイル2は、第2のケース5により
覆われ、該ケース5の外装には1次側コイル1が巻回す
るものである。
【0015】一般に高圧トランスは、高電圧側である2
次側コイル2に数kV以上の電圧が発生するため、必ず
前記2次側コイル2に対して他の導電部を絶縁する必要
があり、本発明では図1に示したケース4とケース5に
よって絶縁を図るものである。磁心3をケース4で覆う
ことで、磁心3を収納したケース4の外装に巻回する2
次側コイル2に対して絶縁をとる。また、1次側コイル
1は、2次側コイル2の外方に巻回し、2次側コイル2
を覆うケース5で、該ケース5に巻回する1次側コイル
1を絶縁する。
【0016】すなわち、磁心3と2次側コイル2、2次
側コイル2と1次側コイル1の各間に絶縁物を介在させ
ることにより、高電圧の2次側コイル2の絶縁を図った
ものである。図1のケース4、5は、磁心3および2次
側コイル2を密閉に近い状態で収納する構造である。他
の方法としては、絶縁テープを磁心に巻回してそれぞれ
の全体を覆う方法、あるいは、コーティングによりそれ
ぞれの全体を覆う方法があり、これらは、サンプルおよ
び少量生産に適した高圧トランスである。
【0017】従来の高圧トランスの磁心材料としては、
Mn系フェライトあるいはNi系フェライトを使用して
いたが、本発明の高圧トランスの磁心は、金属系の磁性
材料を用いるものである。この金属系磁性材料は、従来
のフェライト材料に比べ、飽和磁束密度が2倍〜4倍程
度あり、透磁率が高く、高圧トランスとしての小型化を
可能とし、しかも、温度に対する特性変化は小さいため
信頼性を向上させるものである。
【0018】また、高圧トランスの中には、ランプ点灯
時に必要な高電圧を得、ランプ点灯後は、前記高圧トラ
ンスを流れる直流電流に対してインダクタンスを発生さ
せる直流重畳特性を有す高圧トランスもある。従来のフ
ェライトを使用した高圧トランスでは、Mn系フェライ
トで最大飽和磁束密度が500mT程度であり、そのた
め磁路の一部にギャップを設け、直流電流に対する飽和
を抑制したが、従来のギャップ付磁心では、ギャップ部
分より漏れ磁束が発生し、周りの各種素子に影響を与え
ていた。本発明の高圧トランスは、金属系磁性材料から
なるダストコアを用いて漏れ磁束を低減する。前記ダス
トコアは、磁心全体に分散したギャップが存在するた
め、直流電流に対して十分なインダクタンスを発生する
ことができ、分散ギャップによりコア外部への漏れ磁束
を少なくすることができる。
【0019】また、磁心の形状としては、トロイダルコ
アは漏れ磁束の小さい形状であって、略楕円および枠形
状は、略直線の磁心部分を有するため、自動巻線化が可
能な形状である。
【0020】また、高圧側である2次側コイル2を単層
整列で巻回することで、隣り合う巻線の電位差を最小限
とすることができ、さらに、コイルの巻始めと巻終わり
が明確であるため、前記コイルの端子間絶縁距離を容易
にとることができる。
【0021】また、2次側コイルは、図2に示すよう
に、磁心を内蔵するケース4の対称位置にコイル6とコ
イル7が巻回し、それぞれのコイル6、7は、巻回方向
が逆向きであって、前記それぞれの巻始め6a、7aお
よび巻終わり6b、7bを接続して2次側コイルを形成
する。前記コイル6、7を並列で接続しているので、巻
始め6a、7aあるいは巻終わり6b、7bを起点とし
て、電圧が昇圧あるいは降下するものであって、2次側
コイルの巻始め6a、7aと巻終わり6b、7bをほぼ
180度の位置関係とすることができ、2次側コイルに
おける最大電位差の発生する前記巻始めと巻終わりの距
離を大幅に広げることができる。また、2次側コイル
は、2つのコイル6、7の並列接続で構成するので、そ
れぞれのコイルの線径を小さくでき、巻枠に対するコイ
ル巻回数を増すことができる。なお、図中ではわかりや
すくするため、巻線の巻始めおよび巻終わり同士を接続
したが、実際は、他の導体あるいは端子を用いて接続し
たり、取付回路のパターンによって接続するものであ
る。
【0022】1次側コイルは、2次側コイルに比べ大き
な電流が流れるため、コイルの断面積が大きくなるが、
平角銅線を用いれば、外方に飛び出すことなく巻線でき
るため、高圧トランスとしてサイズが小型化となる。ま
た、1次側コイルは、本発明の高圧トランスの最も外寄
りのため、絶縁チューブを有す電線を用いることによ
り、高圧トランスとしての絶縁性を向上させるものであ
る。また、同軸ケーブルタイプの電線を用いることによ
り、高圧トランスとしての結合を向上させる。
【0023】また、本発明の高圧トランスのそれぞれの
ケース内に樹脂を充填させることにより、ケース内の磁
心あるいはコイル等を固定することができ、しかも、磁
心およびコイルの放熱性を向上させることができる。さ
らに、ケースの勘合部に発生する隙間を前記充填樹脂に
より埋めることができ、絶縁性を向上させるものであ
る。
【0024】また、磁心に用いる材料が応力に弱い場
合、応力による特性劣化を抑えるため、磁心のケース内
には、シリコーン等の柔らかい樹脂を充填し、2次側コ
イルを収納するケースには、エポキシ樹脂等の堅い樹脂
を充填することにより、高圧トランスとしての強度を
得、磁心の特性劣化を防ぐことができる。
【0025】図3から図6を用いて、本発明の高圧トラ
ンスの製造方法を示す。磁心3は、微細結晶合金薄帯を
巻回してなる巻磁心である。この磁心3は、上下方向に
位置する2分割構造のケース4a、4bに組み込んで絶
縁をとる。この磁心3に用いた微細結晶合金薄帯は、熱
処理により所定の磁気特性を得たものであって、非晶質
合金薄帯を用いた磁心についても同様である。前記微細
結晶合金薄帯からなる磁心3は、透磁率が10000以
上、飽和磁束密度1T以上で、しかも低損失の優れた特
性を有す磁心である。
【0026】また、前記微細結晶合金薄帯からなる磁心
3は、強度が弱いためケース4a、4b内での可動防止
と応力による特性劣化防止のため、シリコーン樹脂を用
いて磁心の一部あるいは全体を固定した。また、図3の
ケース勘合部の絶縁距離は、ケース肉厚でとるものであ
るが、他にケース勘合部の外周及び内周に絶縁テープを
巻き付けたり、取り扱いが容易なシリコーン樹脂をケー
ス内で磁心を包み込むように充填して絶縁距離をとる方
法もある。
【0027】図3によって作製した磁心3を内蔵するケ
ース4に高圧側の2次側コイル2を巻回したのが、図4
である。2次側コイル2は、UEW線を用い単層整列で
巻回し、巻始めおよび巻終わりに絶縁のための端子間距
離を設けた。また、図中の上下に位置するのは、前記2
次側コイル2の外装を絶縁するためのケース5a、5b
である。この2次側コイル2は、1層の整列巻としてい
るので、隣り合う巻線の電位差は、2次側電圧÷2次側
コイル巻回数となり、巻線同士の電位差を最小とするこ
とができた。たとえば、20kVの2次側出力電圧で、
2次側のコイル巻回数が80ターンであれば、隣り合う
巻線の電位差は、250Vとなり、UEW線でも絶縁可
能な電圧である。
【0028】図4の一方のケース5aの平坦面には、2
次側コイル2のリード引き出し用穴8を有する。また、
図において、2次側コイル2の巻始めと巻終わりは、空
間のみで端子間距離をとっているが、図5に示す凸状の
仕切9を設けることにより、前記端子間距離を小さくす
ることができ、コイル巻枠を広げることができる。ま
た、2次側コイル2を収納するケース5a、5bに、前
記ケース4の凸状仕切9を勘合する溝等を設けることに
より、ケース5a、5b内で2次側コイル2とケース4
を安定固定させることができる。
【0029】図6は、本発明の高圧トランスの完成図で
ある。図3および図4によって作製した磁心3および2
次側コイル2を内蔵したケース5の外装に1次側コイル
1を巻回して高圧トランスは完成となる。前記1次側コ
イル1は、チューブ電線を用い、高圧トランスとしての
絶縁性を上げ、かつ、ケース5内の2次側コイル2に対
しても絶縁性を向上させた。また、1次側コイル1は、
巻線が少なくてもケース5に対しスペース巻とすること
で、1次側コイル1による漏れ磁束を最小限に抑えるこ
とができる。また、この1次側コイル1にUEW線ある
いはPEW線等の絶縁皮膜タイプを用いる場合、更に前
記1次側コイル1を収納するケースを取り付たり、外装
絶縁コートをすることにより、高圧トランスの絶縁を強
化することができる。
【0030】試作における本発明の高圧トランスの仕様
と性能を以下に示します。Fe基微細結晶合金薄帯の8
mm幅、18μmを用いて、外径44mm、内径28m
m、高さ8mmの巻磁心を作製し、所定の特性を得る熱
処理をおこない、高圧トランスの磁心とした。この磁心
の外装は、図3に示した形態をとり、PBT樹脂製のケ
ースに収納して磁心全体を包み込み、外界と遮断した。
2次側コイルは、図2に示す形態をとり、前記磁心を収
納したケースの対称位置関係に0.18mmφのUEW
を140ターン単層整列に巻回方向がそれぞれ逆になる
巻回し、前記コイルの巻始めおよび巻終わり同士を接続
して2次側コイルとなる。
【0031】前記2次側コイルの外装絶縁は、PBT樹
脂からなる図4に示したケース5a、5bでおこなっ
た。この時、ケース対向部の隙間による絶縁距離を稼ぐ
ために、ケース内にシリコーン樹脂を全体に充填して、
前記ケース対向部の隙間を埋めるとともに2次側コイル
より発生する熱の放熱性を良くすることができた。ま
た、1次側コイルは、高圧トランスとしての寸法を抑え
るために5mm幅、0.05mmtのポリエステルコー
トされた平角銅線を2ターン巻回して本発明の高圧トラ
ンスの完成となった。なお、前記1次側コイルは巻回に
よる漏洩磁束を極力抑えるためにスペース巻とした。
【0032】上記試作による高圧トランスの性能として
は、容積は、47mm×47mm、高さ12mmの薄型
とすることができ、特性は、入力電圧400V(1次
側)として、2次側で25kVの出力電圧を得ることが
でき、また、2次側コイルの無負荷時のインダクタンス
が125mHの高インダクタンスを発生することのでき
る優れた高圧トランスを作製できた。また、2次側コイ
ルの隣り合う巻線の電位差を、約142Vと小さくする
ことができた。
【0033】図7は、本発明の高圧トランスに用いる磁
心およびコイルを収納するケースの部分断面図であり、
ケースの内部と外部の絶縁は、ケース勘合部の空間距離
と沿面距離によって決まるもので、空間距離は図7に示
すケース肉厚Bによって決まるものであるが、沿面距離
は、ケース勘合部における凸凹数を増したり、垂直方向
の勘合寸法Aを長くすることにより、ケース肉厚Bが薄
くても数十kVの電圧に対して十分な絶縁距離をとるこ
とができ、本発明の高圧トランスに用いるケースを小型
化できた。
【0034】図8、図9、図10は、本発明の高圧トラ
ンスに用いる磁心を示したものである。高飽和磁束密
度、高透磁率、良好な温度特性を有する微細結晶合金薄
帯および非晶質合金薄帯を本発明に用いる場合、リング
状に巻回してなる巻磁心、図8の略楕円状の巻磁心ある
いは図9に示す積層した枠型とすることができる。特に
図8および図9の形状は、巻枠に直線部を有すので自動
化の巻線が可能である。
【0035】また、直流重畳特性を必要とする高圧トラ
ンスの磁心としては、金属系磁性材料を粉末状にして成
形した図10に示すダストコアがある。ダストコアは、
図8および図9に示した楕円形状、枠型形状も容易に作
製でき、ダストコアの材料としては、Fe−Al−Ni
合金、Mo−P合金、純鉄、Fe−Si合金等があり、
また上記に説明した、微細結晶合金および非晶質合金も
粉体とすることで、容易にダストコアとなる。
【0036】また、微細結晶合金および非晶質合金は、
磁気特性を得る熱処理方法によっては、前記ダストコア
と同じ特性を得ることができ、磁性薄帯からなる巻磁心
を用いて、直流重畳特性に有す高圧トランスの作製は容
易である。
【0037】
【発明の効果】本発明の高圧トランスは、磁心およびコ
イル毎で樹脂によって、ほぼ密封状態での絶縁を可能と
し、信頼性を向上させた。また、磁心を金属系磁性材料
を用いたことにより、従来に比べ小型化を可能とし、か
つ、漏れ磁束の少ない直流重畳特性を有する高圧トラン
スを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧トランスの断面図
【図2】本発明の高圧トランスの別の2次側コイル仕様
【図3】本発明の高圧トランスの磁心組み込み図
【図4】本発明の高圧トランスのコイル組み込み図
【図5】本発明の高圧トランスの別の磁心収納ケースの
外観図
【図6】本発明の高圧トランスの完成図
【図7】本発明の高圧トランスに用いるケース部分断面
【図8】本発明の高圧トランスに用いる別の磁心形状
【図9】本発明の高圧トランスに用いる別の磁心形状
【図10】本発明の高圧トランスに用いる別の磁心形状
【図11】従来の高圧トランスの断面図
【図12】別の従来例の高圧トランスの分解斜視図
【符号の説明】 1 1次側コイル 2 2次側コイル 3 磁心 4 ケース 5 ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01F 38/08 H01F 31/06 501A 501G

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材料からなる磁心と1次側コイルお
    よび2次側コイルとからなる高圧トランスにおいて、磁
    心は金属系磁性材料の閉磁路磁心であって、該磁心は絶
    縁物に覆われ、該絶縁物の外装に2次側コイルが巻回
    し、さらに、前記2次側コイルは磁心と共に再度絶縁物
    に覆われ、その外装に1次側コイルを巻回してなること
    を特徴とする高圧トランス。
  2. 【請求項2】 絶縁物は、絶縁樹脂からなるケースであ
    ることを特徴とする請求項1記載の高圧トランス。
  3. 【請求項3】 絶縁物は、絶縁テープあるいは絶縁樹脂
    によるコーティングであることを特徴とする請求項1記
    載の高圧トランス。
  4. 【請求項4】 金属系磁性材料からなる磁心は、微細結
    晶合金および非晶質合金を材料とし、薄帯を巻回してな
    る巻磁心および積層してなる積層磁心、粉体を成形して
    なるダストコアであることを特徴とする請求項1記載の
    高圧トランス。
  5. 【請求項5】 金属系磁性材料からなる磁心は、Fe−
    Al−Ni合金、Mo−P合金、純鉄、Fe−Si合金
    を材料とし、薄帯を巻回してなる巻磁心および積層して
    なる積層磁心、粉体を成形してなるダストコアであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の高圧トランス。
  6. 【請求項6】 磁心は、トロイダル形、略楕円形、枠形
    であることを特徴とする請求項1、4、5記載の高圧ト
    ランス。
  7. 【請求項7】 2次側コイルは2つの巻線からなり、磁
    心の対称位置にそれぞれ巻回し、前記2つの巻線の巻回
    方向がそれぞれ逆向きであって、かつ、それぞれの巻線
    の巻始め、巻終わりを接続してトランスの2次側コイル
    となることを特徴とする請求項1記載の高圧トランス。
  8. 【請求項8】 2次側コイルは、単層整列で巻線が施さ
    れていることを特徴とする請求項1、7記載の高圧トラ
    ンス。
  9. 【請求項9】 1次側コイルは、平角線、絶縁被覆を有
    する電線および同軸構造の電線を用いることを特徴とす
    る請求項1記載の高圧トランス。
  10. 【請求項10】 金属系磁性材料を用いた閉磁路のリン
    グ状磁心は、第1のケースに収納され、該第1のケース
    外装には、整列巻された対称位置関係の2つの巻線から
    なる2次側コイルが巻回し、該2次側コイルは、磁心を
    収納した第1のケースと共に第2のケースに収納され、
    第2のケース外装には、平角線および絶縁電線、同軸構
    造の電線を用いた1次側コイルが巻回し、さらに、該1
    次側コイル全体を包み込む第3のケースあるいは樹脂に
    よって、トランス全体を絶縁することを特徴とする高圧
    トランス。
  11. 【請求項11】 ケース内には、絶縁あるいは固定のた
    めの絶縁性樹脂がそれぞれ封入されていることを特徴と
    する請求項2、10記載の高圧トランス。
  12. 【請求項12】 ケース内に封入する樹脂は、ケース毎
    に異なる材質を封入することを特徴とする請求項11記
    載の高圧トランス。
JP9244748A 1997-08-27 1997-08-27 高圧トランス Pending JPH1174135A (ja)

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JP9244748A JPH1174135A (ja) 1997-08-27 1997-08-27 高圧トランス

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