JP2009230125A - 有機感光体及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、発光波長が350〜500nmの発光ダイオードの像露光に適性を有し、且つ300mm/秒以上の高速適性を有する、高感度で且つ高速時でもカブリの発生を伴わない有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成装置を提供することである。
【解決手段】導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層の感光層を有する有機感光体において、該導電性支持体の十点平均表面粗さ(Rz)が0.2μm以下であり、前記電荷発生層中に、平均長軸長さが500nm以下、平均アスペクト比が2.5〜5.0であり、アスペクト比の変動係数が16%以下の縮合多環顔料からなる粒子を含有し、且つ該有機感光体の下記で定義される量子効率Φが0.5以上であることを特徴とする有機感光体。 Φ=ΔQ/(n×e)
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いる新規なピランスロン系化合物を用いた有機感光体及び画像形成装置に関するものである。
近年、印刷分野やカラー印刷の分野において、電子写真方式の複写機やプリンターを使用される機会が増加している。該印刷分野やカラー印刷の分野においては、高画質のデジタルのモノクロ画像或いはカラー画像を求める傾向が強い。このような要求に対し、露光光源として短波長の露光光(短波レーザ光や短波発光ダイオード)を用い、高精細のデジタル画像を形成することが提案されている。しかしながら、該短波長の露光光を用い、露光のドット径を絞り、電子写真感光体上に細密の静電潜像を形成しても、最終的に得られる電子写真画像は、十分な高画質を達成し得ていないのが現状である。
その原因は、電子写真感光体の感光特性や現像剤のトナーの帯電特性等が細密なドット潜像の形成やトナー画像の形成に必要な特性を十分に備えていないことによる。
即ち、電子写真感光体としては、従来の短波露光光用に開発された有機感光体(以後、単に感光体とも云う)では、感度特性が劣り、短波長レーザ光を用いて露光のドット径を絞った像露光を行うと、ドット潜像が明瞭に形成されず、ドット画像の再現性が劣化しやすい。
従来、短波長露光光用感光体の電荷発生物質としては、アンスアンスロン系顔料やピランスロン系化合物がよく知られている(特許文献1)。しかし、該特許文献に記載されたアンスアンスロン系顔料等の多環キノン系顔料等は、単に、何ら特別の処理をされている記載はなく、単に市販の顔料を用いているものと思われるが、これらの市販の顔料をもちいた場合に得られる感度等の特性は、今後、開発が期待される短波長のレーザを用いた高速のプリンターや複写機では、十分な感度やカブリ特性、高速特性等が得られていない。
一方、感度を改良する為に、電荷発生物質を微粒化し、電荷発生物質の密度を高めた電荷発生層を形成することは、よく知られたことである。しかしながら、この微粒化の技術を短波長露光光用の感光体に適用すると、感度そのものは改善されるが、高速適性やカブリ特性が劣化しやすい。
一方、短波の露光光源としては、発光波長が350nm〜500nmの短波LED(短波発光ダイオード)は同じ短波の半導体レーザ光に比し、モアレが発生しにくい特性を有しているが、このようなメリットを生かした短波LED適性の有機感光体は、尚、十分に開発されていない。
特開2000−47408号公報
本発明は、上記問題点を解決するためになされた。本発明の目的は、発光波長が350〜500nmの発光ダイオードの像露光に適性を有し、且つ300mm/秒以上の高速適性を有する、高感度で且つ高速時でもカブリの発生を伴わない有機感光体(以下、単に感光体とも云う)を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成装置を提供することである。
我々は上記問題点について検討を重ねた結果、本発明の課題は、縮合多環顔料の電荷発生物質の顔料形状を俵状の形状に揃えることにより、電荷発生層中の顔料の分散性を改善でき、その結果、感度の改善のみならず、高速の画像形でもカブリの発生や画像欠陥の発生を防止できることを見出し、本願発明を達成した。
即ち、本願発明は以下のような構成を有する有機感光体により達成される。
1.導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層の感光層を有する有機感光体において、該導電性支持体の十点平均表面粗さ(Rz)が0.2μm以下であり、前記電荷発生層中に、平均長軸長さが500nm以下、平均アスペクト比が2.5〜5.0であり、アスペクト比の変動係数が16%以下の縮合多環顔料からなる粒子を含有し、且つ該有機感光体の下記で定義される量子効率Φが0.5以上であることを特徴とする有機感光体。
Φ=ΔQ/(n×e)
上記において、ΔQは、初期電場E=2.5×10[V・cm−1]の条件下、光照射後の電場Eが、単位時間(1秒)後に、該初期電場Eの2/3になるように光量設定された光を該有機感光体の表面に照射した際の減少電荷量[C]であり、nは、初期電場E=2.5×10[V・cm−1]の条件下、光照射後の電場Eが、単位時間(1秒)後に、該初期電場Eの2/3になるように光量設定された光を該有機感光体の表面に照射した際の単位面積(1cm)単位時間(1秒)あたりの入射フォトン数n[cm−2・s−1]である。
また、eは、電子1個が持っている電荷の大きさ、即ち、素電荷であって、1.6×10−19[C]である。
2.前記縮合多環顔料が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする前記1に記載の有機感光体。
Figure 2009230125
(一般式(1)中、nは1〜6の整数)
3.前記縮合多環顔料が電荷発生物質であることを特徴とする前記1又は前記2に記載の有機感光体。
4.前記1〜3の何れか1項に記載の有機感光体と、前記有機感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電手段により帯電された有機感光体に露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記有機感光体から転写媒体に転写する転写手段とを満えており、前記露光手段が350〜500nmの波長域に発光ピークを有する発光ダイオードを像露光光源として備えていることを特徴とする画像形成装置。
本願発明の有機感光体の構成要件;(A)導電性支持体の十点平均表面粗さ(Rz)が0.2μm以下、(B)電荷発生層中に、平均長軸長さが500nm以下、平均アスペクト比が2.5〜5.0であり、アスペクト比の変動係数が16%以下の縮合多環顔料からなる粒子を含有し、(C)量子効率Φが0.5以上の(A)〜(C)の要件を満たした有機感光体は、像露光光に短波長LEDを用いた電子写真方式の画像形成において、黒ポチやカブリ等の画像ノイズの発生を防止でき、ハーフトーンの階調性が良好な電子写真画像を得ることができる。
本発明の画像形成装置の機能が組み込まれた概略図である。 本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。 長軸長さ、短軸長さの説明図である。
本願発明の有機感光体は、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層の感光層を有する有機感光体であり、該導電性支持体の十点平均表面粗さ(Rz)が0.2μm以下であり、前記電荷発生層中に、平均長軸長さが500nm以下、平均アスペクト比が2.5〜5.0であり、アスペクト比の変動係数が16%以下の縮合多環顔料からなる粒子を含有し、且つ該有機感光体の量子効率が0.5以上であることを特徴とする。
先ず、縮合多環顔料からなる粒子の長軸長さ、短軸長さ及びアスペクト比の定義を説明する。
本発明に係る縮合多環顔料からなる粒子の長軸、短軸は、前記粒子を撮影した平面写真画像から得られる粒子の輪郭線から求める。
最初に、図3の長軸長さ、短軸長さの説明図で示すように、前記輪郭線と接する2本の平行線ではさんだ時、その平行線の間隔が最大となる2本の平行線を求める。この2本の平行線と粒子の輪郭線とが接する2つの接点を結んだ直線からなる線分を長軸と呼び、この線分の長さを「長軸長さ」と定義する。次いで、ここで得られた長軸の中心を通過し、かつ輪郭線と同一平面上に引いた垂線が粒子の輪郭線と交わる2つの交点を結んだ直線からなる線分を短軸と呼び、この線分の長さを「短軸長さ」と定義する。
本発明では、これら縮合多環顔料からなる粒子の長軸及び短軸は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により2000倍に顔料粒子の拡大写真を撮影し、スキャナーにより取り込んだ写真画像を自動画像処理解析装置LUZEX AP((株)ニレコ)ソフトウエアバージョン Ver.1.32を使用して写真画像の解析(凝集粒子はカットした)を行うことにより測定した。この際、1000個の顔料粒子の長軸、短軸を求め、長軸長さ、短軸長さを測定し、以下に定義する、平均長軸長さ、平均アスペクト比、アスペクト比の変動係数を算出した。
平均長軸長さの定義
本願発明に係わる平均長軸長さとは、上記1000個の顔料粒子の長軸長さの平均値である。
平均アスペクト比の定義
先ず、アスペクト比とは、顔料粒子の(長軸長さ/短軸長さ)の比である。
本願発明に係わる平均アスペクト比とは、上記1000個の顔料粒子のアスペクト比の平均である。
アスペクト比の変動係数の定義
本発明のアスペクト比の変動係数は下記式から算出される。
アスペクト比の変動係数=〔S/K〕×100
〔式中、Sは1000個の顔料粒子のアスペクト比の標準偏差を示し、Kは1000個の顔料粒子のアスペクト比の平均を示す。〕
又、本願発明の縮合多環顔料としては、多環キノン顔料やペリレン顔料等が挙げられるが、本願発明の縮合多環顔料としては、前記一般式(1)の化合物が好ましい。
次に、本願発明に係わる前記一般式(1)の化合物について記載する。
一般式(1)の化合物で、置換Brの数、nは1〜6個であり、これらBrの置換位置は下記一般式(2)のR〜R14の位置に置換可能である。
Figure 2009230125
しかしながら、Brの置換位置を正確に特定する手段は、確立されておらず、置換位置の正確な特定はできない。
又、前記一般式(1)の化合物は下記の合成例で示すように、置換Brの数、nが複数の混合体として得られ、これら混合体を電荷発生層の電荷発生物質(CGM)として使用することが好ましい。
以下に、本発明に係わる前記一般式(1)で表される化合物の合成例を記載する。
合成例1
CGM−1(n=1〜3の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素3.0gを滴下した。50℃にて3時間加熱撹拌し、室温まで冷却後、氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品6.8gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約440℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約440℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約440℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜380℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−1)2.4gを得た。
CGM−1のマススペクトル測定の結果、n=1〜3の混合物であり、n=1/n=2/n=3のピーク強度比は11/59/30であった。
合成例2
CGM−2(n=3〜5の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。70℃にて5時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.5gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約460℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約460℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約460℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜400℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−2)3.3gを得た。
マススペクトル測定の結果、n=3〜5の混合物であり、n=3/n=4/n=5のピーク強度比は16/67/17であった。
合成例3
CGM−3(n=3〜6の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。75℃にて6時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.7gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約480℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約480℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約480℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜420℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−3)3.0gを得た。
CGM−3のマススペクトル測定の結果、n=3〜6の混合物であり、n=3/n=4/n=5/n=6のピーク強度比は17/51/27/5であった。
アスペクト比の調整方法
本願発明に係わる平均アスペクト比及びアスペクト比の変動係数を本願発明の範囲に調整するには、比重の高い分散ビーズを用いて、多段分散を行うことが好ましい。ここで、多段分散とは、分散条件を変更した分散を組み合わせて行う分散方法を意味する。本願発明では、小粒径のジルコニアビーズを用いた多段分散が好ましい。
多段分散としては、例えば、1回目の分散をバインダーなしで行い、その後、1回目とは分散条件を変えた2回目の分散を行い、次ぎに、バインダーを添加して、追分散(3回目の分散)を行う等の多段分散を行う。分散組成としては、顔料の固形分を分散媒(溶媒+バインダー)等に対し、5〜15vol%で行うことが好ましい。又、多段分散を行う分散機としては、サンドミル、ボールミル、超音波分散等を用いることができる。
次に、本願発明に係わる量子効率について、以下に記載する。
本願発明に係わる量子効率Φは、以下のように定義される。
Φ=ΔQ/(n×e)
上記において、ΔQは、初期電場E=2.5×10[V・cm−1]の条件下、光照射後の電場Eが、単位時間(1秒)後に、該初期電場Eの2/3になるように光量設定された光を該有機感光体の表面に照射した際の減少電荷量[C]であり、nは、初期電場E=2.5×10[V・cm−1]の条件下、光照射後の電場Eが、単位時間(1秒)後に、該初期電場Eの2/3になるように光量設定された光を該有機感光体の表面に照射した際の単位面積(1cm)単位時間(1秒)あたりの入射フォトン数n[cm−2・s−1]である。
また、eは、電子1個が持っている電荷の大きさ、即ち、素電荷であって、1.6×10−19[C]である。
尚、入射フォトン数n[cm−2・s−1]は、以下のようにして求める。
有機感光体の表面に照射した単位面積(1cm)あたりの光量Wを、光パワー・メータQ8230(アドバンテスト社製)を用いて測定した。測定センサーは、Q82324Aを用いた。
次いで、入射光の波長λ[nm]より1フォトンあたりのエネルギーEλを下記式より求めた。
Eλ=hc/λ [J]
ここで、hはプランク定数(6.63×10−34[J・s])、cは光速(3.00×10[m・s−1]である。また、波長λは、LEDの場合は発光ピーク波長を用いた(後述する本願の実施例では発光ピーク波長が405nmのLEDを用いた)。
更に、下記式より単位面積(1cm)単位時間(1秒)あたりの入射フォトン数n[cm−2・s−1]を求めた。
=W/Eλ[cm−2・s−1
ΔQは、初期電場E=2.5×10[V・cm−1]の条件下、単位時間(1秒)後に、光照射後の電場Eが該初期電場Eの2/3になるように光量設定された光を該有機感光体の表面に照射した際の該有機感光体の表面電位の変化量の絶対値をΔVとし、該有機感光体の1cmの静電容量をCとしたとき、ΔQ=ΔV×Cで導き出される。
尚、上記静電容量Cは、以下のようにして測定する。
有機感光体(除く支持体)を2cm×2cmに切り取り、切り取り片の表面に金スパッタリングにより電極を作製し、LCRメーターとして、インピーダンスアナライザー4192A(横河ヒューレットパッカード社製)を用いて、切り取り片の静電容量を測定した。周波数1kHzのときの切り取り片の静電容量の測定値を電極の面積で除した値を有機感光体1cmあたりの静電容量Cとした。
本発明に係わる有機感光体は、該電荷発生層中に、平均長軸長さが500nm以下、平均アスペクト比が2.5〜5.0であり、アスペクト比の変動係数が16%以下の縮合多環顔料からなる粒子を含有させ、その上で、上記量子効率Φを0.5以上とすることが必要である。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明の有機感光体の層構成は、例えば、以下に示すような層構成が挙げられる;
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成;
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層した構成;
3)上記1)又は、2)の感光体の感光層上にさらに表面保護層を形成した構成。
感光体が上記いずれの構成を有する場合であってもよい。又、本発明の感光体はいずれの構成を有する場合であっても、導電性支持体上に感光層の形成に先だって、下引層(中間層)が形成されていてもよい。
電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
次に、有機感光体の層構成を上記1)の構成を中心にして記載する。
導電性支持体
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙やプラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。本発明の導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
本願発明に係わる導電性支持体は、該導電性支持体の十点平均表面粗さ(Rz)が0.2μm以下である。Rzが0.2μm以下の鏡面に加工することにより、導電性支持体上の薄い電荷発生層を支持体の凹凸で乱すことなく、電荷発生層中の電荷発生物質を均一な分散状態に保つことができ、短波LEDによる静電潜像を細密に形成することができる。
上記Rzが0.2μm以下の加工は、切削加工等の鏡面加工により形成することができる。
十点表面粗さRzの定義と測定法
本発明のRzはJISB0601−1982に記載の定義(基準長さ、評価長さも含めて)に準ずる。即ち、基準長の距離間で上位から5つの山頂の平均高さと、下位から5つの谷底の平均低さとの差である。
後述の実施例では、粗さRzを表面粗さ計(小坂研究所社製 Surfcorder SE−30H)で測定した。
上記SE−30Hの測定条件を下記に示す。
測定距離:基準長さの5倍
測定箇所の数:両端及び中心の3点(両端はそれぞれ、端部から5cmの位置)
縦及び横の測定倍率:縦倍率 5000倍、横倍率20倍
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明に用いられる中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
N型半導性粒子は数平均一次粒径が3〜200nmの範囲の微粒子を用いる。特に、5nm〜100nmが好ましい。数平均一次粒径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。数平均一次粒径が3nm未満のN型半導性粒子は中間層バインダー中での均一な分散ができにくく、凝集粒子を形成しやすく、該凝集粒子が電荷トラップとなって残電上昇が発生しやすい。一方、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は中間層の表面に大きな凹凸を作りやすく、これらの大きな凹凸を通してドット画像が劣化しやすい。又、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は分散液中で沈澱しやすく、凝集物が発生しやすく、その結果、ドット画像が劣化しやすい。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形及びアモルファス形等があるが、中でもルチル形酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料は、中間層を通過する電荷の整流性を高め、即ち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させ、残留電位の増大を防止すると共に、ドット画像の劣化を防止することができ、本発明のN型半導性粒子として最も好ましい。
N型半導性粒子はメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理されたものが好ましい。該メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の分子量は1000〜20000のものが表面処理効果が高く、その結果、N型半導性粒子の整流性分散性を高め、このN型半導性粒子を含有する中間層を用いることにより、黒ポチ発生が防止され、又、良好なドット画像の再現性に効果がある。
メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体とは−(HSi(CH)O)−の構造単位とこれ以外の構造単位(他のシロキサン単位のこと)の共重合体が好ましい。他のシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位及びジエチルシロキサン単位等が好ましく、特にジメチルシロキサンが好ましい。共重合体中のメチルハイドロジェンシロキサン単位の割合は10〜99モル%、好ましくは20〜90モル%である。
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいがランダム共重合体及びブロック共重合体が好ましい。又、共重合成分としてはメチルハイドロジェンシロキサン以外に、一成分でも二成分以上でもよい。
本発明に用いられる中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等のN型半導性粒子の他にバインダー樹脂、分散溶媒等から構成される。
N型半導性粒子の中間層中での比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で1.0〜2.0倍が好ましい。中間層中でこのような高密度で本発明のN型半導性粒子を用いることにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇やドット画像の劣化を効果的に防止でき、良好な有機感光体を形成することができる。又、このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、N型半導性粒子を100〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、前記した6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が知られているが、これ以外にも下記のような成分を有するポリアミドも好ましく用いることができる。
Figure 2009230125
上記ポリアミドN−1からN−5中の成分比はモル%で表示している。
又、ポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000〜80,000のポリアミドを用いると、中間層の膜厚の均一性が改善され、本発明の効果が十分に発揮される。
上記ポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル−デグサ(株)製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができる。
上記ポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明の中間層の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。中間層の膜厚が0.3〜10μmの範囲にあると、黒ポチ等が発生防止効果が増大し、ドット画像の再現性もより改善される。中間層の膜厚は0.5〜5μmがより好ましい。
又、上記中間層は実質的に絶縁層であることが好ましい。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×10Ω・cm以上である。本発明の中間層及び保護層の体積抵抗は1×10〜1015Ω・cmが好ましく、1×10〜1014Ω・cmがより好ましく、更に好ましくは、2×10〜1×1013Ω・cmである。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×10Ω・cm以上の中間層では、電荷ブロッキング性が増大し、黒ポチの発生の防止効果が増大し、有機感光体の電位保持性も改善され、本願発明の効果が更に増大する。
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
本発明の有機感光体には、前記一般式(1)で表される化合物を電荷発生物質として含有する。この電荷発生物質以外に、必要により、他の電荷発生物質を併用してもよい。併用する顔料としてはフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料等が挙げられる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてのバインダーを必要とする。バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
本発明では電荷輸送層は1層でも、複数層で構成してもよい。
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては、公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。中でも、400〜500nmの波長領域に吸収を有しない、下記一般式(3)のような電荷輸送物質が好ましい。
Figure 2009230125
(一般式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して、アルキル基又はアリール基を表し、RとRが一体となって、環構造を形成してもよい。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Ar〜Arは各々置換又は無置換のアリール基を表す。Ar〜Arはそれぞれ同一でも異なってもよい。又、ArとAr、ArとArが結合して環構造を形成してもよい。m、nは1〜4の整数を表す。)
前記一般式(3)の具体的な化合物例を下記に示す。
Figure 2009230125
Figure 2009230125
Figure 2009230125
合成例4(CTM−6)
Figure 2009230125
200mlの4頭コルベンに冷却管、温度計、窒素導入管を装着し、マグネチックスターラーをセットする。この系内を減圧し、完全に窒素置換を行う。このコルベンに(a)を8.1g、(b)を12.0g、KCOを16g、Cu粉を8.0g、ニトロベンゼンを40ml、順次投入し、撹拌をしながら、190℃30時間反応させた。その後、上記反応液を水蒸気蒸留で処理した後、これをヘキサン/トルエン(4/1)の展開溶媒を用いて、カラムクロマトグラフィにて、分離精製を行い目的物のCTM−6を12g得た。この目的物の確認は質量分析及びNMRで確認できた。
これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
電荷輸送層の合計膜厚は、10〜30μmが好ましい。該合計膜厚が10〜30μmの範囲内にあると、現像時の潜像電位を十分に獲得しやすく、画像濃度やドット再現性等もより改善される。また、電荷輸送層を複層で形成した場合、表面層となる電荷輸送層の膜厚は1.0〜8.0μmが好ましい。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の人体や生態系への影響がより小さい溶媒が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に有機感光体を製造するための塗布方法としては、スライドホッパー型塗布の他に、浸漬塗布、スプレー塗布等の塗布方法が用いられる。
上記塗布液供給型の塗布装置の中でもスライドホッパー型塗布装置を用いた塗布方法は、前記した低沸点溶媒を用いた分散液を塗布液として用いる場合に最も適しており、円筒状の感光体の場合は特開昭58−189061号公報等に詳細に記載されている円形スライドホッパー型塗布装置等を用いて塗布することが好ましい。
又、本発明に係わる感光体の表面層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。表面層は感光体の帯電時の活性ガス、例えばNOxやオゾン等で酸化されやすく、画像ボケが発生しやすいが、酸化防止剤を共存させることにより、画像ボケの発生を防止することが出来る。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に、本発明に係わる有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の構成図である。本発明の画像形成装置は、回転体であるドラム状の感光体1の周囲に、帯電装置2、画像書込み装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6を配置してある。また、画像形成装置の上部には、原稿読取装置7と自動原稿送り装置8がある。自動原稿送り装置8のトレイ上に載置された原稿は、1枚ずつ原稿読取装置7に搬送される。原稿読取装置7は搬送されてくる原稿に、第1ミラーユニット7aに搭載された光源によって光をあて、その反射光を第1ミラーユニット7a及び第2ミラーユニット7bからレンズユニット7cを介してCCD7d上に結像する。CCD7dは結ばれた像を電気的な信号に変換し、画像形成装置中の図示しない記憶装置に、電気的な信号等として記憶される。
画像形成装置は画像を一定量記憶したところで、帯電装置2によって感光体1の表面に一様に帯電を行う。そして、画像書込み装置3によって記憶装置に記憶されている電気的信号等に基づく露光走査を行って静電潜像を形成し、現像装置4により現像して感光体1の表面にトナー像を形成する。
一方、画像形成装置の中段に配置された給紙カセット9a,9b、下段に配置された大容量給紙カセット9c及び、側方に配置された手差し給紙トレイ9d等から給紙された転写材Pは、レジストローラ10を経由して転写位置へ送られる。転写位置において転写装置5により前記トナー像が転写材P上に転写され、引き続き定着装置11により加熱定着され、排紙ローラ12aにより排出される。ここで、転写材とは、最終的に得られるトナー画像の支持体を意味し、普通紙や透明支持体等のトナー画像の支持体を云う。
転写材Pの両面に画像形成を行う場合には、定着装置11により加熱定着された転写材Pを搬送路切替板12bにより通常の排紙通路から分岐し、反転搬送部12cにおいてスイッチバックして表裏反転した後、再び転写装置5上を通過して転写材Pの裏面に画像を形成し、定着装置11を経て、排紙ローラ12aにより装置外に排出される。一方、感光体1の画像処理後の表面は、クリーニング装置6により表面に残留している現像剤が除去され、次の画像形成に備える。
画像書込み装置3は、複数の発光ダイオード(LED)素子をアレイ状に並べたLEDアレイと、複数のレンズからなるレンズアレイとを有するLEDヘッド31を有している。レンズアレイのレンズと、LEDアレイのLED素子とは一対一で対応しており、LED素子から発せられた光はレンズを透過して感光体1に結像し、感光体1に静電潜像を形成するようになっている。LEDヘッド31内の各LED素子は光量が同一になるように、予め駆動電流又は発光時間を補正してある。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、350〜500nmの波長域に発光ピークを有する発光ダイオード(LED)を像露光光源として用いる。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜50μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、600dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしてはLEDを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体1上の静電潜像は現像装置4によって反転現像が行われ、感光体1の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像装置4に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
本発明の有機感光体上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。
より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
なお、トナーの体積平均粒径、即ち、上記50%体積粒径(Dv50)は2〜9μm、より好ましくは3〜7μmであることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
本発明に用いるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、亜鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
次に図2は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはプリンター)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたLEDビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(一次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
二次転写ローラ5bで、二次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、二次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写材ガイドを通って、中間転写体70のベルトに二次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラ5bに印加される。この二次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(二次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。なお、本実施例中の「部」及び「%」は、断らない限りそれぞれ質量部及び質量%を示す。
以下の分散は、分散機としてビーズミル(寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル、冷却水循環機構付き)を用いて回転するディスクやビーズ等により分散液にシェアを与えながら、循環式にて分散した。
<分散条件A>
1回目の分散
以下の材料より構成される組成物
顔料(合成例等のCGM) 6体積部
溶媒(2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(体積比)) 44体積部
を、下記分散条件にて分散した。
分散条件
ビーズ;φ0.3mmのZrOビーズ、充填率80%
ディスク周速;3m/sec
液温;10〜15℃
実分散時間(循環系の分散機で、正味の分散時間);180分間
2回目の分散
1回目の分散液に対し、以下の材料より構成される溶液を、メンブランフィルタ(日本ポール社製HDCII、100%定格濾過精度2.5μm)で濾過後に加えて、下記分散条件にて分散した。
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−S」(積水化学社製) 1体積部
溶媒(2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(体積比)) 19体積部
分散条件
ビーズ;φ0.3mmのZrOビーズ、充填率80%
ディスク周速;3m/sec
液温;10〜15℃
実分散時間;30分間
3回目の分散
2回目の分散で得られた分散液をいったん取り出し、ビーズを入れ替えた後、下記分散条件にて分散した。
分散条件
ビーズ;φ0.03mmのZrOビーズ、充填率80%
ディスク周速;5m/sec
液温;10〜15℃
実分散時間;30分間
上記1〜3回目の分散の組み合わせを分散条件Aとする。
<分散条件B>
分散条件Aのうち、1回目の分散の実分散時間を150分間とした他は同様である分散条件を、分散条件Bとする。
<分散条件C>
分散条件Aのうち、1回目の分散の実分散時間を120分間、3回目の分散を60分間とした他は同様である分散条件を、分散条件Cとする。
<分散条件D>
分散条件Aのうち、2回目の分散を15分間とした他は同様である分散条件を、分散条件Dとする。
<分散条件D’>
分散条件Aのうち、2回目の分散を60分間とした他は同様である分散条件を、分散条件D’とする。
<分散条件E>
分散条件Aのうち、3回目の分散を15分間とした他は同様である分散条件を、分散条件Eとする。
<分散条件F>
分散条件Aのうち、1回目の分散を60分間とした他は同様である分散条件を、分散条件Fとする。
下記表1に示したように、合成例1〜3のCGM−1〜3及び下記CGM−4に対して、上記分散条件A〜Fのいずれかの分散を行い、得られた分散液をガラス板上に塗布乾燥し、本発明に係わる平均長軸長さ、平均アスペクト比、アスペクト比の変動係数等の測定用の試料を作製し、これらの値を前記した測定方法で測定した。その結果を表1に示す。
CGM−4
下記構造の市販のジブロムアンスアンスロン顔料を用いた。
該ジブロムアンスアンスロン顔料5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約440℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約400℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料が置かれた位置を約400℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約150〜300℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−4)3.5gを得た。
Figure 2009230125
Figure 2009230125
感光体の作製
下記の様に感光体1を作製した。
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、十点表面粗さRz=0.12(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5μm、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部(1.00体積部)
N型半導性粒子:ルチル形酸化チタンA1(一次粒径35nm;メチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)を用い、酸化チタン全質量の5質量%の量で表面処理したもの) 3.5部(1.0体積部)
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)10部
上記成分を混合し、ビーズミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
上記導電性支持体上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚1.0μmの中間層を形成した。
〈電荷発生層:CGL〉
前記で得られた分散液1を電荷発生層塗布液として用い、この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層(CTL)〉
電荷輸送物質(CTM):前記CTM−1 225部
ポリカーボネート(Z300、三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(下記化合物:AO−1) 6部
THF/トルエン混合液(体積比3/1混合) 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚20.0μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
Figure 2009230125
感光体2〜12の作製
感光体1の作製において、アルミニウム支持体のRz及び電荷発生層塗布液を分散液1から表2のように、分散液2〜11に変更した以外は感光体1と同様にし、感光体1〜12を作製した。
量子効率測定試料の作製
上記1〜12の感光体とは別に、金スパッタリング電極膜上に各感光体と同じ、層構成の中間層、電荷発生層、電荷輸送層を積層した量子効率測定用感光体1〜12(2cm×2cm)を作製し、これらの感光体を用いて、前記した静電容量C等を測定した。
又、量子効率の測定に当たっては、光照射条件として、405nm発光ピーク波長のLED光を用いた。その他の条件は、前記した条件で量子効率を算出した。
評価
評価機としてコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製デジタル複合機bizhubPRO1050e改造機(像露光光源に405nmピーク波長のLEDを使用、露光ドット径30μmで、1200dpiの露光を行うように改造、プロセススピード:480mm/秒)を用い、該複合機に感光体1〜12を搭載し評価した。評価項目と評価基準を下記に示す。
画像ノイズの評価
常温常湿下(20℃、50%RH)で、感光体のA4紙の通紙耐久テストを行った。耐久テストは、プリント1枚ごとに1回停止する間欠モードとした。耐久初期と10000枚直後において、白色画像をそれぞれ5枚ずつ出力し、黒ポチ又はカブリの発生で評価を行った。
黒ポチの評価は、0.4mm以上の黒ポチ頻度(長径が0.4mm以上の黒ポチがA4紙当たり何個あるか)で判定した。
0.4mm以上の黒ポチ頻度が、3個/A4以下が良好、4個/A4以上10個/A4以下が実用上問題なし、11個/A4以上が実用上問題ありである。
階調性の評価
上記耐久テストの耐久初期に、白画像から黒ベタ画像まで15段の濃度段差を持つ階調チャートを印刷して、階調性を評価した。評価は階調段差の画像を十分な昼光条件下で目視評価し、有意性のある階調段差の合計段差数で評価した。
階調段差が、11段差以上で良好、7段〜10段で実用上問題なし、6段以下で実用上問題ありである。
Figure 2009230125
表2より、本願発明の有機感光体の構成要件;(A)導電性支持体の十点平均表面粗さ(Rz)が0.2μm以下、(B)電荷発生層中に、平均長軸長さが500nm以下、平均アスペクト比が2.5〜5.0であり、アスペクト比の変動係数が16%以下の縮合多環顔料からなる粒子を含有し、(C)量子効率Φが0.5以上の(A)〜(C)の要件を満たしている感光体2〜4、8〜10は、画像ノイズ及び階調性共、良好な評価結果を得ているのに対し、上記、(B)の要件を満たしていない感光体1、5、6では、画像ノイズの劣化がみられ、感光体7では、階調性が劣化している。又、上記(C)の要件を満たしていない感光体11では、階調性が劣化し、記(A)の条件を満たしていない感光体12では、画像ノイズが発生している。
1 感光体
2 帯電装置
3 画像書き込み装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
31 LEDヘッド

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層の感光層を有する有機感光体において、該導電性支持体の十点平均表面粗さ(Rz)が0.2μm以下であり、前記電荷発生層中に、平均長軸長さが500nm以下、平均アスペクト比が2.5〜5.0であり、アスペクト比の変動係数が16%以下の縮合多環顔料からなる粒子を含有し、且つ該有機感光体の下記で定義される量子効率Φが0.5以上であることを特徴とする有機感光体。
    Φ=ΔQ/(n×e)
    上記において、ΔQは、初期電場E=2.5×10[V・cm−1]の条件下、光照射後の電場Eが、単位時間(1秒)後に、該初期電場Eの2/3になるように光量設定された光を該有機感光体の表面に照射した際の減少電荷量[C]であり、nは、初期電場E=2.5×10[V・cm−1]の条件下、光照射後の電場Eが、単位時間(1秒)後に、該初期電場Eの2/3になるように光量設定された光を該有機感光体の表面に照射した際の単位面積(1cm)単位時間(1秒)あたりの入射フォトン数n[cm−2・s−1]である。
    また、eは、電子1個が持っている電荷の大きさ、即ち、素電荷であって、1.6×10−19[C]である。
  2. 前記縮合多環顔料が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
    Figure 2009230125
    (一般式(1)中、nは1〜6の整数)
  3. 前記縮合多環顔料が電荷発生物質であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機感光体。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の有機感光体と、前記有機感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電手段により帯電された有機感光体に露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記有機感光体から転写媒体に転写する転写手段とを満えており、前記露光手段が350〜500nmの波長域に発光ピークを有する発光ダイオードを像露光光源として備えていることを特徴とする画像形成装置。
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