JP2011069854A - 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、短波長レーザ光に対し、高感度で、且つ高密度の静電潜像を形成でき、且つ膜剥がれ等の発生しない有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することである。
【解決手段】導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した有機感光体において、前記中間層が無機微粒子とポリアミドイミド樹脂を含有し、前記電荷発生層が縮合多環系化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
【選択図】なし
【解決手段】導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した有機感光体において、前記中間層が無機微粒子とポリアミドイミド樹脂を含有し、前記電荷発生層が縮合多環系化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
【選択図】なし
Description
本発明は、高耐久性を有し、かつ長期間にわたり高画質化を実現した電子写真用の有機感光体に関する。また、該有機感光体を使用した画像形成装置及び画像形成装置用のプロセスカートリッジに関する。
近年、印刷分野やカラー印刷の分野において、電子写真方式の複写機やプリンタを使用される機会が増加している。該印刷分野やカラー印刷の分野においては、高画質のデジタルのモノクロ画像或いはカラー画像を求める傾向が強い。このような要求に対し、露光光源として短波長のレーザ光を用い、高精細のデジタル画像を形成することが提案されている(特許文献1)。しかしながら、該短波長レーザ光を用い、露光のドット径を絞り、電子写真感光体上に細密の静電潜像を形成しても、最終的に得られる電子写真画像は、十分な高画質を達成し得ていないのが現状である。その原因の1つは、従来の長波長用に開発された電子写真感光体を用いた場合は、短波長レーザ光では、感度等の電子写真特性が十分に満たされないことが挙げられる。
このような観点から、短波長レーザ光に対応した電子写真感光体の開発技術が提案され、そのような技術の中で、導電性支持体上に下引き層と電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した有機委感光体において、電荷発生層の電荷発生物質として、縮合多環系顔料を電荷発生物質として使用する有機感光体が提案されている(特許文献2)。
しかし、短波長光レーザを用いて、所望の感度や電位特性を満たすためには、電荷発生層の電荷発生物質のみの改善のみでは、尚、十分な特性が得られない。というのは、電荷発生層の電荷発生物質の改善と共に、電荷発生層中のバインダーに対する顔料比をかなり高めにし、電荷発生層中でのレーザ光の顔料による吸収を高めることが必要である。
従来、電荷発生層のバインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂が好ましく用いられてきた。該ポリビニルブチラール樹脂は、酢酸−(t)ブチル等の非ハロゲン溶媒等に溶解性が良好であり、フタロシアニン顔料等の分散バインダーとして用いた場合、良好な特性を示すことができる。しかしながら、ポリビニルブチラール樹脂を縮合多環系顔料の分散バインダーとして用いて、バインダー中の顔料比を低くすると、繰り返しによる残留電位の上昇や、中間層や電荷輸送層との接着性の劣化を引き起こし、膜はがれを発生すると云った問題が発生していた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされた。即ち、短波長レーザ光に対し、高感度で、且つ高密度の静電潜像を形成でき、且つ膜剥がれ等の発生しない有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記のような課題を達成するためには、有機感光体中の電荷発生層に、縮合多環系顔料の電荷発生物質を用いると共に、中間層にポリアミドイミド樹脂を含有させることが有効であることを見出し、本願発明を完成した。
即ち、本願発明は、以下のような構成を有する有機感光体を用いることにより達成される。
1.導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した有機感光体において、前記中間層が無機微粒子とポリアミドイミド樹脂を含有し、前記電荷発生層が縮合多環系化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
2.前記無機微粒子が酸化チタンであることを特徴とする前記1に記載の有機感光体。
3.前記縮合多環系化合物が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする前記1又は2に記載の有機感光体。
(一般式(1)中、nは1〜6の整数)
4.前記一般式(1)の化合物がnの異なる2種以上の化合物の混合体であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
4.前記一般式(1)の化合物がnの異なる2種以上の化合物の混合体であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
5.前記電荷輸送層が下記一般式(4)で表される化合物を含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体。
(一般式(4)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル基又はアリール基を表し、R1とR2が一体となって、環構造を形成してもよい。R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Ar1〜Ar4は各々置換又は無置換のアリール基を表す。Ar1〜Ar4はそれぞれ同一でも異なってもよい。又、Ar1とAr2、Ar3とAr4が結合して環構造を形成してもよい。m、nは0〜4の整数を表す。)
6.有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、該有機感光体が前記1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体であることを特徴とする画像形成装置。
6.有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、該有機感光体が前記1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体であることを特徴とする画像形成装置。
7.前記6に記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが、少なくとも前記1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体と帯電手段、像露光手段、現像手段の少なくとも1つを一体として有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に構成されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本願発明の有機感光体を用いることにより、短波長レーザ光による像露光に対し、感度や残留電位等の繰り返し電位特性が改善され、且つ膜付き特性も改善された有機感光体を提供することができる。
本願発明の有機感光体は、導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した有機感光体において、前記中間層が無機微粒子とポリアミドイミド樹脂を含有し、前記電荷発生層が縮合多環系化合物を含有することを特徴とする。
本発明者らは、膜付き特性を満たしつつ、環境変動に対して電位安定性が高く、繰り返し電位安定性の良い有機感光体の設計において、電位安定性を損なわない範囲で、できるだけ電荷発生層中の顔料比を下げ、且つより微粒化することで実現できるものと考えた。
しかし、充分な効果が得られなかったので、電荷発生層が接着しやすい中間層を設置することが必要と考えた。接着しやすいとは樹脂双方の親和性が良いことがひとつ挙げられるが、本願発明の有機感光体のように積層する感光体においては、親和性が良すぎると、積層する以前に相溶してしまい、著しい性能低下を引き起こす。このため、中間層は基材との接着を満たしつつ、電荷発生層塗布液には溶解しづらいことが求められる。また、電位安定性の点から用いる樹脂の湿度依存性が小さいことが求められる。このような制約があるなかで、本発明者らはアルコール溶剤に可溶で湿度依存性が小さく、基材との接着もよく、電荷発生層塗布液とも相溶しづらいポリアミドイミド樹脂を見出した。
本願発明の有機感光体が上記構成を有することにより、短波長レーザ光による像露光に対し、感度や残留電位等の繰り返し電位特性が改善され、且つ膜付き特性も改善された有機感光体を提供することができる。
以下、本願発明の有機感光体の構成について記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明の有機感光体の感光層の構成は、導電性支持体上に、少なくとも中間層、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層した構成を有しする。
導電性支持体
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。本発明の導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設ける。
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設ける。
本発明に用いられる中間層には、無機微粒子とポリアミドイミド樹脂を含有する。
前記ポリアミドイミド樹脂は中間層のバインダー樹脂として用いられる。
該ポリアミドイミド樹脂とは、ポリイミドの主鎖中にアミド結合を導入したポリマーとして知られているが、本願発明に用いられるポリアミドイミド樹脂としては、有機溶媒に可溶であるものが好ましく、特にアルコール系溶剤に可溶であるものが好ましい。
このような、ポリアミドイミド樹脂は、酸成分とイソシアネート(アミン)とから、イソシアネート法あるいは酸クロリド法などの通常の方法で、アミド系溶剤などの高沸点極性溶剤中で合成される。
ポリアミドイミド樹脂の合成に用いられる酸成分として、以下に示す多価カルボン酸、酸クロリドあるいは酸無水物が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。酸無水物としてはトリメリット酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、1,4ブタンジオールビスアンヒドロトリメリテート、ヘキサメチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリプロピレングリコールビスアンヒドロトミメリテートなどのアルキレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’ジフェニルテトラカルボン酸無水物、4,4’オキシジフタル酸無水物などが挙げられる。
また、多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’ビフェニルジカルボン酸、4,4’ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、3,3’,4,4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3,’,4,4’ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’ビフェニルテトラカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸、1,4シクロヘキサンジカルボン酸、1,2シクロヘキサンジカルボン酸等が、酸クロリドとしては前記多価カルボン酸の酸クロリドが挙げられる。
また、イソシアネート成分としては、ジシクロヘキシルメタン4,4’ジイソシアネート、1,3ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4トリレンジイソシアネート、2,6トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’ジイソシアネート、3,3’ジメチルジフェニルメタン4,4’ジイソシアネート、3,3’ジエチルジフェニルメタン4,4’ジイソシアネート、3,3’ジクロロジフェニルメタン4,4’ジイソシアネート、3,3’ジクロロジフェニル4,4’ジイソシアネート、4,4’ジイソシアネート3,3’ジメチルビフェニル、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
またアミン成分としては、4,4’ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,3シクロヘキサンビス(メチルアミン)、オルトクロロパラフェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルエーテル、3,4’ジアミノジフェニルエーテル、4,4’ジアミノジフェニルメタン、3,4’ジアミノジフェニルメタン、4,4’ジアミノジフェニルスルホン、3,4’ジアミノジフェニルスルホン、4,4’ジアミノベンゾフェノン、3,4’ジアミノベンゾフェノン、2,2’ビス(アミノフェニル)プロパン、2,4トリレンジアミン、2,6トリレンジアミン、p−キシレリンジアミン、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン等が挙げられる。
これらの酸成分とイソシアネート(アミン)成分は、各々一種または二種以上の混合物として用いることができるが、酸成分としては、トリメリット酸とシクロヘキサンジカルボン酸の混合物が好ましく、シクロヘキサンジカルボン酸の含有量が20モル%以上が特に好ましい。シクロヘキサンジカルボン酸のモル%が20以下になると、溶解性が低下し、アルコールにジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nメチル2ピロリドンなどのアミド系溶剤やγブチロラクトンのような高沸点溶剤を併用しないと溶解しなくなるからである。
また、イソシアネート(アミン)成分としては、ジシクロヘキシルメタン4,4’ジイソシアネート(ジアミン)とイソホロンジイソシアネート(ジアミン)の単独または混合物が、光線透過率、耐熱性、溶解性の関係から特に好ましい。
本発明に関わるポリアミドイミド樹脂の合成に使用される溶剤は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nメチル2ピロリドン、ジメチル尿素、ジメチルスルホキシド、γブチロラクトン、ジメチルイミダゾリジノン等の高沸点極性溶剤の単独または混合溶剤を用いることができるが、副反応が少なく、合成されたポリアミドイミドの透明性の点からγブチロラクトンとジメチルイミダゾリジノンの単独または混合溶剤が好ましい。
本発明に関わるポリアミドイミド樹脂は、上記溶剤中、50〜230℃、好ましくは80〜200℃で攪拌することにより合成されるが、反応を促進するためにトリエチルアミン、ルチジン、ピコリン、ウンデセン、トリエチレンジアミン等のアミン類、リチウムメチラート、ナトリウムメチラート、カリウムブトキサイド、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属化合物、或はコバルト、チタニウム、スズ、亜鉛などの金属、半金属化合物等の触媒の存在下に行ってもよい。
このようにして合成されたポリアミドイミドと高沸点極性溶剤からなる反応溶液(樹脂組成物)をポリアミドイミドの非溶剤で、高沸点極性溶剤とは混和する溶剤(凝固浴)中に投入して再沈澱させる。
樹脂組成物から効果的に高沸点極性溶剤を溶出させるため、及び溶出速度を調節させるために、エチレングリコール、トリエチレングリコール等のアルコール系溶剤、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶剤等を樹脂組成物及び凝固浴に加えてもよい。
更に、樹脂組成物のポリマー濃度を低くするとか、凝固浴の温度を高くすることで、高沸点極性溶剤の溶出を更に速めることができる。尚、凝固浴は水が最も好ましい。
樹脂組成物を凝固浴に投入する方法は特に限定されないが、連続的に効率よく製造するには、細孔ノズルから吐出させるのが好ましい。
再沈澱したポリマーは濾過し、遠心分離などで脱水した後、乾燥される。乾燥は熱風乾燥や真空乾燥などの通常の方法で行うことができる。
再溶解に用いられる主たる溶剤はアルコールである。アルコールに特に制限はなく、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール等の一価の脂肪族アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール等が挙げられる。
更に、アルコール以外の溶剤を混合して用いることができる。アルコール以外の溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、セロソルブアセテート、γブチロラクトン等のエステル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソ等の炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン、1,4ジオキサン、ジグライム等のエーテル系溶剤などが挙げられる。
以下に、本発明に関わるポリアミドイミド樹脂の合成例を記載する。
合成例−1
PAI−1
反応容器にトリメリット酸無水物0.25モル,シクロヘキサンジカルボン酸0.25モル,イソホロンジイソシアネート0.5モルをγブチロラクトン158gと共に仕込み、攪拌しながら100℃で2時間反応させた後、更に、180℃で6時間反応を継続した後、Nメチル2ピロリドンを加えてポリマー濃度を20%に希釈しながら室温まで冷却した。この溶液を、約2リットルの水中に攪拌しながら徐々に加えてポリマーを析出させ、更に、新鮮な約50℃の水中で攪拌しながら1時間洗浄した後、濾過して、60℃で10時間乾燥し、ポリアミドイミド粉末を得た。
PAI−1
反応容器にトリメリット酸無水物0.25モル,シクロヘキサンジカルボン酸0.25モル,イソホロンジイソシアネート0.5モルをγブチロラクトン158gと共に仕込み、攪拌しながら100℃で2時間反応させた後、更に、180℃で6時間反応を継続した後、Nメチル2ピロリドンを加えてポリマー濃度を20%に希釈しながら室温まで冷却した。この溶液を、約2リットルの水中に攪拌しながら徐々に加えてポリマーを析出させ、更に、新鮮な約50℃の水中で攪拌しながら1時間洗浄した後、濾過して、60℃で10時間乾燥し、ポリアミドイミド粉末を得た。
合成例−2
PAI−2
反応容器にトリメリット酸無水物0.1モル、シクロヘキサンジカルボン酸0.4モル、イソホロンジイソシアネート0.5モル、ナトリウムメトキサイド0.01モルをγブチロラクトン153gと共に仕込み、合成例1と同じ方法で重合、希釈、再沈澱、乾燥し、ポリアミドイミド粉末を得た。
PAI−2
反応容器にトリメリット酸無水物0.1モル、シクロヘキサンジカルボン酸0.4モル、イソホロンジイソシアネート0.5モル、ナトリウムメトキサイド0.01モルをγブチロラクトン153gと共に仕込み、合成例1と同じ方法で重合、希釈、再沈澱、乾燥し、ポリアミドイミド粉末を得た。
合成例−3
PAI−3
反応容器にトリメリット酸無水物0.4モル、シクロヘキサンジカルボン酸0.1モル、イソホロンジイソシアネート0.5モル、ナトリウムメトキサイド0.01モルをγブチロラクトン162gと共に仕込み、合成例1と同じ方法で重合、希釈、再沈澱、乾燥し、ポリアミドイミド粉末を得た。
PAI−3
反応容器にトリメリット酸無水物0.4モル、シクロヘキサンジカルボン酸0.1モル、イソホロンジイソシアネート0.5モル、ナトリウムメトキサイド0.01モルをγブチロラクトン162gと共に仕込み、合成例1と同じ方法で重合、希釈、再沈澱、乾燥し、ポリアミドイミド粉末を得た。
合成例−4
PAI−4
反応容器にトリメリット酸無水物0.25モル、シクロヘキサンジカルボン酸0.25モル、イソホロンジイソシアネート0.4モル、ジシクロヘキシルメタン4,4’ジイソシアネート0.1モル、ナトリウムメトキサイド0.01モルをジメチルイミダゾリジノン170gと共に仕込み、攪拌しながら100℃で2時間、更に210℃で5時間反応させた後、合成例1と同じ方法で希釈、再沈澱、乾燥し、ポリアミドイミド粉末を得た。
PAI−4
反応容器にトリメリット酸無水物0.25モル、シクロヘキサンジカルボン酸0.25モル、イソホロンジイソシアネート0.4モル、ジシクロヘキシルメタン4,4’ジイソシアネート0.1モル、ナトリウムメトキサイド0.01モルをジメチルイミダゾリジノン170gと共に仕込み、攪拌しながら100℃で2時間、更に210℃で5時間反応させた後、合成例1と同じ方法で希釈、再沈澱、乾燥し、ポリアミドイミド粉末を得た。
又、上記ポリアミドイミド樹脂と共に、溶媒可溶性のポリアミド樹脂を併用してもよい。例えば、共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂等を併用してもよい。
本願発明に係わる中間層には無機微粒子を含有する。
該無機微粒子としては、金属酸化物が好ましい。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。特に、n型半導体の特性を有する酸化チタンが好ましい。
中間層の無機微粒子の粒径は、数平均一次粒径が3.0〜200nmの範囲が好ましい。特に、5nm〜100nmが好ましい。数平均一次粒径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
無機微粒子はシランカップリング剤や下式で表される反応性有機ケイ素化合物で表面処理したものが好ましい。
(R)n−Si−(X)4−n
(上式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
上式で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフルオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
(上式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
上式で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフルオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、上式で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、上式で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、上式で表される有機ケイ素化合物を2種以上用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
本発明に用いられる中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等の無機微粒子、バインダー樹脂の他に、分散溶媒等から構成される。
このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、無機微粒子を100〜200体積部を用いることが好ましい。
前記ポリアミドイミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明の中間層の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。中間層の膜厚が0.5μm未満では、黒ポチ等が発生しやすく、ドット画像の劣化を起こしやすい。10μmを超えると、残留電位の上昇が発生しやすく、ドット画像が劣化しやすい。中間層の膜厚は0.5〜5μmがより好ましい。
電荷発生層
本願発明に係わる電荷発生層の電荷発生物質としては、縮合多環化合物を用いる。中でも、ハロゲン置換縮合多環顔料が好ましい。
本願発明に係わる電荷発生層の電荷発生物質としては、縮合多環化合物を用いる。中でも、ハロゲン置換縮合多環顔料が好ましい。
該ハロゲン置換縮合多環顔料としては、ジブロムアンスアンスロン等の縮合多環キニン顔料等がよく知られているが、本願発明では、短波長光源の波長が350〜500nmの範囲内の半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光に十分な感度を有する、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
(一般式(1)中、nは1〜6の整数)
一般式(1)の化合物で、置換Brの数、nは1〜6個であり、これらBrの置換位置は下記一般式(3)のR1〜R14の位置に置換可能である。
一般式(1)の化合物で、置換Brの数、nは1〜6個であり、これらBrの置換位置は下記一般式(3)のR1〜R14の位置に置換可能である。
しかしながら、Brの置換位置を正確に特定する手段は、確立されておらず、置換位置の正確な特定は困難である。
又、前記一般式(1)の化合物は下記の合成例で示すように、置換Brの数、nが複数の混合体として得られ、これら混合体を電荷発生層の電荷発生物質として使用することが好ましい。
以下に、本発明に係わる前記一般式(1)で表される化合物の合成例を記載する。
合成例1
CGM−1(n=1〜3の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素3.0gを滴下した。50℃にて3時間加熱撹拌し、室温まで冷却後、氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品6.8gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約440℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約440℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約440℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜380℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−1)2.4gを得た。
CGM−1(n=1〜3の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素3.0gを滴下した。50℃にて3時間加熱撹拌し、室温まで冷却後、氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品6.8gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約440℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約440℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約440℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜380℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−1)2.4gを得た。
CGM−1のマススペクトル測定の結果、n=1〜3の混合物であり、n=1/n=2/n=3のピーク強度比は11/59/30であった。
合成例2
CGM−2(n=3〜5の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。70℃にて5時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.5gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約460℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約460℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約460℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜400℃の間の領域に凝縮した昇華物3.3gを得た。
CGM−2(n=3〜5の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。70℃にて5時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.5gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約460℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約460℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約460℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜400℃の間の領域に凝縮した昇華物3.3gを得た。
マススペクトル測定の結果、n=3〜5の混合物であり、n=3/n=4/n=5のピーク強度比は16/67/17であった。
合成例3
CGM−3(n=3〜6の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。75℃にて6時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.7gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約480℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約480℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約480℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜420℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−3)3.0gを得た。
CGM−3(n=3〜6の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。75℃にて6時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.7gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約480℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約480℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約480℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜420℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−3)3.0gを得た。
CGM−3のマススペクトル測定の結果、n=3〜6の混合物であり、n=3/n=4/n=5/n=6のピーク強度比は17/51/27/5であった。
本願発明に係わるハロゲン置換縮合多環顔料で、上記一般式(1)以外の電荷発生物質としては、下記に例示するような化合物が挙げられる。
本発明の有機感光体には、電荷発生物質として上記のように、ハロゲン置換縮合多環顔料を用いる。特に、前記した一般式(1)のピランスロン系化合物を電荷発生物質を用いることが好ましい。このハロゲン置換縮合多環系顔料の電荷発生物質以外に、必要により、他の電荷発生物質を併用してもよいが、併用の場合でも、少なくとも50質量%以上はハロゲン含有縮合多環系顔料を用いことが好ましい。
本願発明は電荷発生層のバインダー樹脂としては、ポリビニルブチラールやシロキサン変性ポリビニルブチラール等の公知のバインダー樹脂を用いることができるが、本願発明の電荷発生層のバインダー樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体が好ましい。
該塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体は、下記一般式(2)で表される。
上記塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体は、電荷発生層の塗布溶媒への溶媒溶解性、電荷発生層物質、即ち、ハロゲン含有縮合多環顔料の分散性、膜付き等の改善効果の顕在性とうの観点から、以下のようなモル%が好ましい。
即ち、n1は、50〜97モル%の範囲であることが好ましく、特に、70〜95モル%の範囲であることがより好ましい。
n2は1〜30モル%の範囲であることが好ましく、特に1〜20モル%の範囲であることがより好ましい。
n3は1〜25モル%が好ましい。
又、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体の分子量は1万〜5万の範囲が好ましい。
該塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体は、懸濁重合によって作製することが可能である。まず、重合器内に水と分散剤と重合開始剤を仕込み、脱気した後、塩化ビニルと酢酸ビニルを圧入し懸濁重合を行うか、塩化ビニルの一部と酢酸ビニルを圧入して反応をスタートさせ、残りの塩化ビニルを反応中に圧入しながら懸濁重合を行い、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を得る。次に、有機溶媒に溶解したこの塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体にアルカリあるいは塩酸等の酸を触媒として加えてけん化反応を行うことで塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体を得ることが出来る。また、該共塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール重合体で、単量比を変えたものは、市販品を使用してもよい。本願発明では、電荷発生層のバインダー樹脂としては、前記塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体を用いるが、該塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体と他のバインダー樹脂、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等を併用してもよい。
但し、該バインダー樹脂の併用の場合、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体の比率を、全バインダー樹脂の50質量%以上とすることが好ましい。
バインダー樹脂と電荷発生物質の顔料との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し、顔料100〜500質量部が好ましく、100〜300質量部が特に好ましい。又、電荷発生層の膜厚は0.2μm〜2μmが好ましい。
電荷発生層の分散塗布溶媒としては、ケトン系溶媒、或いはエステル系溶媒が好ましい。例えば、2−ブタノン、シクロヘキサン、アセトン等或いは酢酸エチル等が好ましく、これら溶媒を混合して用いてもよい。
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により無機微粒子や酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により無機微粒子や酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては、公知の電荷発生物質を用いることができるが、本願発明では、短波長のレーザ光等に対し、透過性のよい電荷輸送物質を用いることが好ましい。短波長のレーザ光等に対し、透過性のよい電荷輸送物質として、下記一般式(4)の電荷輸送物質を用いることが好ましい。該電荷輸送物質は、400〜500nmの波長領域に吸収を有しないので、400〜500nmの波長領域の像露光の露光光を遮ることなく電荷発生層に到達させ、又、電荷輸送層中で、光露光による電荷トラップの発生もなく、電荷発生層からの正孔キャリアを効率よく感光体の表面まで輸送することができる。
(一般式(4)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル基又はアリール基を表し、R1とR2が一体となって、環構造を形成してもよい。R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Ar1〜Ar4は各々置換又は無置換のアリール基を表す。Ar1〜Ar4はそれぞれ同一でも異なってもよい。又、Ar1とAr2、Ar3とAr4が結合して環構造を形成してもよい。m、nは0〜4の整数を表す。)
前記一般式(4)の電荷輸送物質の具体例としては、下記のような化合物例が挙げられる。
前記一般式(4)の電荷輸送物質の具体例としては、下記のような化合物例が挙げられる。
前記一般式(4)の化合物例の一つについて、下記に合成例を記載する。
200ml4頭コルベンに冷却管、温度計、窒素導入管を装着し、マグネチックスターラーをセットする。この系内を減圧し、完全に窒素置換を行う。このコルベンに(a)を8.1g、(b)を12.0g、K2CO3を16g、Cu粉を8.0g、ニトロベンゼンを40ml、順次投入し、撹拌をしながら、190℃30時間反応させた。その後、上記反応液を水蒸気蒸留で処理した後、これをヘキサン/トルエン(4/1)の展開溶媒を用いて、カラムクロマトグラフィにて、分離精製を行い目的物のCTM−6を12g得た。この目的物の確認は質量分析及びNMRで確認できた。
これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
電荷輸送層の合計膜厚は、10〜35μmが好ましい。該合計膜厚が10μm未満では、現像時の潜像電位を十分に獲得しにくく、画像濃度の低下やドット再現性の劣化が発生しやすく、又、35μmを超えると、電荷キャリアの拡散(電荷発生層で発生した電荷キャリアの拡散)が大きくなり、ドット再現性が劣化しやすい。また、電荷輸送層を複層で形成した場合、表面層となる電荷輸送層の膜厚は1.0〜8.0μmが好ましい。
電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の地球環境に優しい溶媒が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
本願発明の有機感光体には、電荷輸送層の上に、必要により、保護層を設置してもよい。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、スライドホッパー型塗布装置の他に、浸漬塗布、スプレー塗布等の塗布加工法が用いられる。
上記塗布液供給型の塗布装置の中でもスライドホッパー型塗布装置を用いた塗布加方法は、前記した低沸点溶媒を用いた分散液を塗布液として用いる場合に最も適しており、円筒状の感光体の場合は特開昭58−189061号公報等に詳細に記載されている円形スライドホッパー型塗布装置等を用いて塗布することが好ましい。
又、本発明に係わる感光体の表面層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。表面層は感光体の帯電時の活性ガス、例えばNOxやオゾン等で酸化されやすく、画像ボケが発生しやすいが、酸化防止剤を共存させることにより、画像ボケの発生を防止することが出来る。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
次に、本発明に係わる有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写材搬送手段としての転写材搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光除電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いる。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜50μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、600dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
〈トナー〉
本発明の有機感光体上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
本発明の有機感光体上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
なお、トナーの体積平均粒径、即ち、上記50%体積粒径(Dv50)は2〜9μm、より好ましくは3〜7μmであることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
〈現像剤〉
本発明に係わるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
本発明に係わるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
転写材搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写材Pが収納された転写材収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写材Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写材Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写材Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25、爪分離手段250等によって、転写材P上に転写され、該転写材Pも感光体から分離され、その後、転写材Pは転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送され、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写材Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写材Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写材の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写材案内部177が開放され、転写材Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写材Pは下方に搬送され、転写材反転部179によりスイッチバックさせられ、転写材Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写材Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写材Pを再給紙し、転写材Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写材Pを搬送し、転写材Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図3は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写材ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。なお、文中の「部」は質量部を表す。
感光体1の作製
下記手順により、感光体1を作製した。
下記手順により、感光体1を作製した。
先ず、円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、10点表面粗さRz=0.6(μm)の導電性支持体を用意した。
中間層の作製
バインダー樹脂:前記ポリアミドイミド樹脂(PAI−1) 5部
酸化亜鉛:メチルトリメトキシシランで表面処理された数平均一次粒径50nmの酸化亜鉛 20部
エタノール/トルエン(体積比2/1)混合液 50部
上記組成をサンドミルを用いて12時間分散を行って分散液を作製した。本分散液を上記組成の分散液と同じ溶媒であるエタノール−トルエン混合溶媒で2倍に希釈し、日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルタを用いてろ過処理を行い中間層塗布液を作製した。
バインダー樹脂:前記ポリアミドイミド樹脂(PAI−1) 5部
酸化亜鉛:メチルトリメトキシシランで表面処理された数平均一次粒径50nmの酸化亜鉛 20部
エタノール/トルエン(体積比2/1)混合液 50部
上記組成をサンドミルを用いて12時間分散を行って分散液を作製した。本分散液を上記組成の分散液と同じ溶媒であるエタノール−トルエン混合溶媒で2倍に希釈し、日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルタを用いてろ過処理を行い中間層塗布液を作製した。
上記塗布液を前記支持体上に乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布して中間層を形成した。
電荷発生層の作製
電荷発生物質(CGM):前記CGM−7の化合物 3部
バインダー樹脂:塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂(n1:n2:n3(モル%)=82:6:12) 1部
2−ブタノン/シクロヘキサノン(体積比4/1)混合液 70部
上記組成物を混合し、電荷発生物質の平均粒子径が100nmから300nmとなるようにサンドミルを用いて15時間分散処理を行い、電荷発生層塗布液を作製した。この塗布液を前記中間層上に乾燥膜厚0.5μmとなる様に浸漬塗布法で塗布して電荷発生層を形成した。
電荷発生物質(CGM):前記CGM−7の化合物 3部
バインダー樹脂:塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂(n1:n2:n3(モル%)=82:6:12) 1部
2−ブタノン/シクロヘキサノン(体積比4/1)混合液 70部
上記組成物を混合し、電荷発生物質の平均粒子径が100nmから300nmとなるようにサンドミルを用いて15時間分散処理を行い、電荷発生層塗布液を作製した。この塗布液を前記中間層上に乾燥膜厚0.5μmとなる様に浸漬塗布法で塗布して電荷発生層を形成した。
電荷輸送層の作製
電荷輸送物質(例示化合物(CTM−1)) 2部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 2.7部
紫外線吸収剤(TinuvinP(チバ・ジャパン社製)) 0.1部
酸化防止剤(Irganox1010(チバ・ジャパン社製)) 0.1部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比4/1)混合液 30部
シリコーンオイル(KF−96(信越シリコーン(株)製)) 0.005部
上記組成物を混合、撹拌して電荷輸送層塗布液を作製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に乾燥膜厚23μmとなる様に浸漬塗布法で塗布後、120℃で70分間の乾燥処理を行って電荷輸送層を形成した。この様にして、感光体1を作製した。
電荷輸送物質(例示化合物(CTM−1)) 2部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 2.7部
紫外線吸収剤(TinuvinP(チバ・ジャパン社製)) 0.1部
酸化防止剤(Irganox1010(チバ・ジャパン社製)) 0.1部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比4/1)混合液 30部
シリコーンオイル(KF−96(信越シリコーン(株)製)) 0.005部
上記組成物を混合、撹拌して電荷輸送層塗布液を作製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に乾燥膜厚23μmとなる様に浸漬塗布法で塗布後、120℃で70分間の乾燥処理を行って電荷輸送層を形成した。この様にして、感光体1を作製した。
感光体2〜5の作製
感光体1の作製において、中間層のバインダー、無機微粒子、電荷発生層の電荷発生物質(CGM)、電荷輸送層の電荷輸送物質(CTM)等を表1のように、変更した以外は同様にして感光体2〜5を作製した。
感光体1の作製において、中間層のバインダー、無機微粒子、電荷発生層の電荷発生物質(CGM)、電荷輸送層の電荷輸送物質(CTM)等を表1のように、変更した以外は同様にして感光体2〜5を作製した。
感光体6の作製
感光体3の作製において、電荷発生層の電荷発生物質をチタニルフタロシアニン顔料に変更した以外は同様にして感光体6を作製した。
感光体3の作製において、電荷発生層の電荷発生物質をチタニルフタロシアニン顔料に変更した以外は同様にして感光体6を作製した。
感光体7の作製
感光体3の作製において、中間層の組成を下記のように変更した以外は同様にして感光体7を作製した。
感光体3の作製において、中間層の組成を下記のように変更した以外は同様にして感光体7を作製した。
中間層の作製
バインダー樹脂:アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL(大日本インキ化学工業社製) 10部
酸化チタン:メチルトリメトキシシランで表面処理された数平均一次粒径50nmの酸化チタン 30部
溶媒:メチルエチルケトン 50部
上記組成をサンドミルを用いて12時間分散を行って分散液を作製した。本分散液を上記組成の分散液と同じ溶媒で2倍に希釈し、日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルタを用いてろ過処理を行い中間層塗布液を作製した。
バインダー樹脂:アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL(大日本インキ化学工業社製) 10部
酸化チタン:メチルトリメトキシシランで表面処理された数平均一次粒径50nmの酸化チタン 30部
溶媒:メチルエチルケトン 50部
上記組成をサンドミルを用いて12時間分散を行って分散液を作製した。本分散液を上記組成の分散液と同じ溶媒で2倍に希釈し、日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルタを用いてろ過処理を行い中間層塗布液を作製した。
上記塗布液を前記支持体上に乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布して中間層を形成した。
感光体8の作製
感光体3の作製において、中間層の組成を下記のように変更した以外は同様にして感光体8を作製した。
感光体3の作製において、中間層の組成を下記のように変更した以外は同様にして感光体8を作製した。
中間層の作製
バインダー樹脂:ポリアミド樹脂X1010(ダイセルデグサ株式会社製)
10部
酸化チタン:メチルトリメトキシシランで表面処理された数平均一次粒径50nmの酸化チタン 30部
エタノール 20部
上記組成をサンドミルを用いて12時間分散を行って分散液を作製した。本分散液を上記組成の分散液と同じ溶媒で2倍に希釈し、日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルタを用いてろ過処理を行い中間層塗布液を作製した。
バインダー樹脂:ポリアミド樹脂X1010(ダイセルデグサ株式会社製)
10部
酸化チタン:メチルトリメトキシシランで表面処理された数平均一次粒径50nmの酸化チタン 30部
エタノール 20部
上記組成をサンドミルを用いて12時間分散を行って分散液を作製した。本分散液を上記組成の分散液と同じ溶媒で2倍に希釈し、日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルタを用いてろ過処理を行い中間層塗布液を作製した。
上記塗布液を前記支持体上に乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布して中間層を形成した。
感光体9の作製
感光体3の作製において、中間層の組成から酸化チタンを除去した以外は同様にして感光体9を作製した。
感光体3の作製において、中間層の組成から酸化チタンを除去した以外は同様にして感光体9を作製した。
表1中、酸化チタン1、2、3は下記の酸化チタンを表す。
酸化チタン1はメチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された数平均一次粒径30μmの酸化チタン。
酸化チタン2はメチルトリメトキシシランで表面処理された数平均一次粒径10μmの酸化チタン。
酸化チタン3はメチルトリメトキシシランで表面処理された数平均一次粒径100μmの酸化チタン。
評価
基本的に図2の構成を有する市販のプリンター「フルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザを使用、ビーム径30μmで、1200dpiの露光を行うプロセス条件に改造した。)に感光体を搭載した。
基本的に図2の構成を有する市販のプリンター「フルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザを使用、ビーム径30μmで、1200dpiの露光を行うプロセス条件に改造した。)に感光体を搭載した。
尚、上記フルカラー複合機は画像形成ユニットを4組有しているので、それぞれの画像形成ユニットの感光体を同一種類の感光体(例えば、感光体1の場合は、4本の感光体1を用意して)で統一して、評価を行った。各評価は、30℃80%RHの条件で、YMCBk各色印字率2.5%のA4画像を中性紙のA4紙に50万枚の画出し耐刷試験を行い、その後、下記の個別の環境条件下で評価した。
(電位の環境変動特性の評価)
露光前電位(Vd)及び露光後電位(Vl)をそれぞれ−700V、−100V付近に設定し、VdとVlの温湿度変化の大きさを評価した。
露光前電位(Vd)及び露光後電位(Vl)をそれぞれ−700V、−100V付近に設定し、VdとVlの温湿度変化の大きさを評価した。
即ち、30℃、80%RH環境下でのVdとVlと、10℃、20%RH環境下でのVdとVlの各々の変動差ΔVd、ΔVlを絶対値で評価した。変動差が小さい方が好ましい。
(接着性の評価)
接着性評価はJISK 5400に基づき、碁盤目テープ法により行った。特に指定のない項目についてはJISの規定に従う。
接着性評価はJISK 5400に基づき、碁盤目テープ法により行った。特に指定のない項目についてはJISの規定に従う。
測定手順を次に示す。
1.実施例で作製した電子写真感光体を固定し、感光体の中央1カ所にカッターナイフにより試料の製品規格に規定するすきま間隔のカッターガイドなどを用いて碁盤目上の切り傷を付ける。
切り傷の間隔は1mmでます目の数は100を基準とする。樹脂層と感光層の界面以外の界面部分で剥離された碁盤目については測定対象外とするが、半数以上の碁盤目が対象外となった場合には切り傷のます目間隔を1mm単位で順次広げていき測定可能なます目間隔で測定する。
2.切り傷を付けるときのカッターナイフは常に新しいものを用い、塗面に対して35〜45度の範囲の一定の角度に保つようにする。
3.切り傷は、塗膜を貫通して導電性支持体に届くように、切り傷1本につき約0.5秒間かけて等速で引く。
4.碁盤目の上に接着部分の長さが約50mmになるようにセロハン粘着テープを貼りつけ、消しゴムでこすって塗膜にテープを完全に付着させる。
5.テープを付着させてから1〜2分後に、テープの一方の端を持って塗面に直角に保ち、瞬間的に引き剥がす。
6.塗面とテープを観察し、感光層と樹脂層の界面で剥離された碁盤目数を求め、剥がれ面積の割合を算出する。接着性試験は上記感光体をJIS記載の方法により碁盤目試験を行い、100個のうち残留した碁盤目の数をカウントした。残存率を下記式より算出し、評価した。
残存率(%)=剥れなかった数(マス)/全体の数(100マス)
なお、評価は下記の基準で行い、◎、○、△を合格とし、×は不合格(実用性に欠ける)とした。
なお、評価は下記の基準で行い、◎、○、△を合格とし、×は不合格(実用性に欠ける)とした。
◎:90%<残存率(%)≦100%
○:75%<残存率(%)≦90%
△:60%<残存率(%)≦75%
×:残存率(%)が60%以下
以上の結果を表2に示す。
○:75%<残存率(%)≦90%
△:60%<残存率(%)≦75%
×:残存率(%)が60%以下
以上の結果を表2に示す。
表2の結果より、本発明の構成を有する有機感光体の感光体1〜5は、感光層の接着性が向上し、環境の違いによる電位安定性も十分に満足するのに対し、比較例の感光体6〜9では接着性の劣化や電位安定性が十分ではない。
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
Claims (7)
- 導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した有機感光体において、前記中間層が無機微粒子とポリアミドイミド樹脂を含有し、前記電荷発生層が縮合多環系化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
- 前記無機微粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
- 前記一般式(1)の化合物がnの異なる2種以上の化合物の混合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
- 有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、該有機感光体が請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項6に記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが、少なくとも請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体と帯電手段、像露光手段、現像手段の少なくとも1つを一体として有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に構成されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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2009
- 2009-09-24 JP JP2009218584A patent/JP2011069854A/ja active Pending
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