JP2011164254A - 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、縮合多環顔料の塗布液で発生しやすいチキソトロピー、及びその結果発生する塗布液中での顔料微粒子の凝集、塗布後の電荷発生層の画像むら等の課題を解決し、該電荷発生層を用いて、短波長レーザー露光に対して良好な感度特性を示し、ドット再現性に優れた有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することである。
【解決手段】導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する有機感光体において、該電荷発生層中に、平均長軸長さが25〜150nm、平均短軸長さが10〜50nmの縮合多環顔料を含有することを特徴とする有機感光体。
【選択図】なし
【解決手段】導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する有機感光体において、該電荷発生層中に、平均長軸長さが25〜150nm、平均短軸長さが10〜50nmの縮合多環顔料を含有することを特徴とする有機感光体。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真方式の画像形成に用いる新規な化合物を用いた有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
近年、印刷分野やカラー印刷の分野において、電子写真方式の複写機やプリンターを使用される機会が増加している。該印刷分野やカラー印刷の分野においては、高画質のデジタルのモノクロ画像或いはカラー画像を求める傾向が強い。このような要求に対し、露光光源として短波長のレーザ光を用い、高精細のデジタル画像を形成することが提案されている。しかしながら、該短波長レーザ光を用い、露光のドット径を絞り、電子写真感光体上に細密の静電潜像を形成しても、最終的に得られる電子写真画像は、十分な高画質を達成し得ていないのが現状である。
その原因は、電子写真感光体の感光特性や現像剤のトナーの帯電特性等が細密なドット潜像の形成やトナー画像の形成に必要な特性を十分に備えていないことによる。
即ち、電子写真感光体としては、従来の長波長レーザ用に開発された有機感光体(以後、単に感光体とも云う)では、感度特性が劣り、短波長レーザ光を用いて露光のドット径を絞った像露光を行うと、ドット潜像が明瞭に形成されず、ドット画像の再現性が劣化しやすい。
従来、短波長レーザ用感光体の電荷発生物質としては、アンスアンスロン系顔料やピランスロン系化合物がよく知られている(特許文献1)。しかし、該特許文献1に記載されたアンスアンスロン系顔料等の縮合多環顔料等は、単に、何ら特別の処理をされている記載はなく、単に市販の顔料を用いているものと思われるが、これらの市販の顔料を用いた場合に得られる感度等の特性は、今後、開発が期待される短波長のレーザを用いた高速のプリンターや複写機では、十分な感度や高速性が得られていない。
そこで、上記縮合多環顔料の顔料を微粒化して、短波長レーザーに対する感度等を改善する技術が開発されている。その中の1つに、平均長軸長さや、平均アスペクト比を規定した針状微粒子の縮合多環顔料が短波長レーザー光に対し、高感度で優れた電子写真特性が得られるとされている(特許文献2)。
しかしながら、該特許文献2には、微粒化のレベルが、平均長軸長さで500nm以下と上限規定であり、実施例においても、下限が200nm迄の微粒化である。この範囲の針状微粒子の分散液はチキソトロピー現象が発生しやすく、分散液中で針状微粒子の再凝集が発生しやすく、該分散液で塗布した電荷発生層は塗布むらが発生して、その結果得られた感光体はハーフトーン画像に画像むらを発生するといった課題が発生している。
本願発明の目的は、縮合多環顔料の塗布液で発生しやすいチキソトロピー、及びその結果発生する塗布液中での顔料微粒子の凝集、塗布後の電荷発生層の画像むら等の課題を解決し、該電荷発生層を用いて、短波長レーザー露光に対して良好な感度特性を示し、ドット再現性に優れた有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することである。
我々は上記問題点について検討を重ねた結果、本発明の課題は、縮合多環顔料の針状形状の長軸長さを更に小さくすることにより、針状形状で発生しやすい分散液のチキソトロピー性を抑制することが出来ることを見出し、本願発明を達成した。
即ち、本願発明は以下のような構成を有することにより達成される。
1.導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する有機感光体において、該電荷発生層中に、平均長軸長さが25〜150nm、平均短軸長さが10〜50nmの縮合多環顔料を含有することを特徴とする有機感光体。
2.前記平均長軸長さの2倍以上の縮合多環顔料の含有量が縮合多環顔料全体の20%以下であることを特徴とする前記1に記載の有機感光体。
3.前記縮合多環顔料が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする前記1又は2に記載の有機感光体。
(一般式(1)中、nは1〜6の整数)
4.前記電荷発生層が、少なくとも前記縮合多環顔料の電荷発生物質とバインダー樹脂を含有し、該バインダー樹脂が塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合重合体であることを特徴とする前記3に記載の有機感光体。
4.前記電荷発生層が、少なくとも前記縮合多環顔料の電荷発生物質とバインダー樹脂を含有し、該バインダー樹脂が塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合重合体であることを特徴とする前記3に記載の有機感光体。
5.前記塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合重合体のビニルアルコール成分が2〜25モル%であることを特徴とする前記4に記載の有機感光体。
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体と、前記有機感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電手段により帯電された有機感光体に露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記有機感光体から転写媒体に転写する転写手段とを備えており、前記露光手段が350〜500nmの波長域の単色光を露光光源として備えていることを特徴とする画像形成装置。
7.前記6に記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが、少なくとも前記1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体と帯電手段、像露光手段、現像手段の少なくとも1つを一体として有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に構成されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本願発明の有機感光体の構成を有することにより、電荷発生層塗布液のチキソトロピー現象の発生もなく、塗布液安定性が良好であり、その結果、画像むらの発生もなく、優れた感度特性を有し、405nmの短波長レーザ光を用いて形成された高精細の電子写真画像の作製が可能となった。
先ず、縮合多環顔料の長軸長さ、短軸長さの定義を説明する。
本発明に係る縮合多環顔料の長軸、短軸は、前記縮合多環顔料の粒子を撮影した平面写真画像から得られる粒子の輪郭線から求める。
最初に、上記輪郭線を該輪郭線と接する2本の平行線ではさんだ時、その平行線の間隔が最大となる2本の平行線を求める。この2本の平行線と粒子の輪郭線とが接する2つの接点を結んだ直線からなる線分を長軸と呼び、この線分の長さを「長軸長さ」と定義する。次いで、ここで得られた長軸の中心を通過し、かつ輪郭線と同一平面上に引いた垂線が粒子の輪郭線と交わる2つの交点を結んだ直線からなる線分を短軸と呼び、この線分の長さを「短軸長さ」と定義する。
本発明では、これら縮合多環顔料の長軸及び短軸は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により2000倍に顔料粒子の拡大写真を撮影し、スキャナーにより取り込んだ顔料粒子の長軸、短軸を求め、長軸長さ、短軸長さを測定し、以下に定義する、平均長軸長さ、平均短軸長さ等を算出した。
平均長軸長さの定義
本願発明に係わる平均長軸長さとは、上記1000個の顔料粒子の長軸長さの平均値である。
本願発明に係わる平均長軸長さとは、上記1000個の顔料粒子の長軸長さの平均値である。
平均短軸長さの定義
本願発明に係わる平均短軸長さとは、上記1000個の顔料粒子の短軸長さの平均値である。
本願発明に係わる平均短軸長さとは、上記1000個の顔料粒子の短軸長さの平均値である。
又、平均長軸長さの2倍以上の長軸長さの縮合多環顔料の割合(%)も、上記1000個の顔料粒子の長軸長さの中から、平均長軸長さの2倍以上の長軸長さの顔料粒子をカウントして、1000個中の割合として算出する。
又、本願発明の縮合多環顔料としては、多環キノン顔料やペリレン顔料等が挙げられるが、本願発明の縮合多環顔料としては、前記一般式(1)の化合物が好ましい。以下に、該一般式(1)の化合物の合成例を記載する。
次に、本願発明に係わる前記一般式(1)の化合物について記載する。
一般式(1)の化合物で、置換Brの数、nは1〜6個であり、これらBrの置換位置は下記一般式(2)のR1〜R14の位置に置換可能である。
しかしながら、Brの置換位置を正確に特定する手段は、確立されておらず、置換位置の正確な特定はできない。
又、前記一般式(1)の化合物は下記の合成例で示すように、置換Brの数、nが複数の混合体として得られ、これら混合体を電荷発生層の電荷発生物質(CGM)として使用することが好ましい。
以下に、本発明に係わる前記一般式(1)で表される化合物の合成例を記載する。
合成例1
CGM−1(n=1〜3の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素3.0gを滴下した。50℃にて3時間加熱撹拌し、室温まで冷却後、氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品6.8gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約440℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約440℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約440℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜380℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−1)2.4gを得た。
CGM−1(n=1〜3の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素3.0gを滴下した。50℃にて3時間加熱撹拌し、室温まで冷却後、氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品6.8gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約440℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約440℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約440℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜380℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−1)2.4gを得た。
CGM−1のマススペクトル測定の結果、n=1〜3の混合物であり、n=1/n=2/n=3のピーク強度比は11/59/30であった。
合成例2
CGM−2(n=3〜5の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。70℃にて5時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.5gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約460℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約460℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約460℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜400℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−2)3.3gを得た。
CGM−2(n=3〜5の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。70℃にて5時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.5gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約460℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約460℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約460℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜400℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−2)3.3gを得た。
マススペクトル測定の結果、n=3〜5の混合物であり、n=3/n=4/n=5のピーク強度比は16/67/17であった。
合成例3
CGM−3(n=3〜6の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。75℃にて6時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.7gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約480℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約480℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約480℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜420℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−3)3.0gを得た。
CGM−3(n=3〜6の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。75℃にて6時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.7gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約480℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約480℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約480℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜420℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−3)3.0gを得た。
CGM−3のマススペクトル測定の結果、n=3〜6の混合物であり、n=3/n=4/n=5/n=6のピーク強度比は17/51/27/5であった。
本願発明に係わる縮合多環顔料で、上記一般式(1)以外の電荷発生物質としては、下記に例示するような化合物が挙げられる。
電荷発生層
本願発明に係わる電荷発生層は、平均長軸長さが25〜150nm、平均短軸長さが10〜50nmの縮合多環顔料を電荷発生物質(CGM)として含有する。この電荷発生物質以外に、必要により、他の電荷発生物質を併用してもよい。
本願発明に係わる電荷発生層は、平均長軸長さが25〜150nm、平均短軸長さが10〜50nmの縮合多環顔料を電荷発生物質(CGM)として含有する。この電荷発生物質以外に、必要により、他の電荷発生物質を併用してもよい。
電荷発生層にはCGMの分散媒としてのバインダーを必要とする。バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としては下記一般式(4)で表される塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合重合体が挙げられる。
一般式(4)において、lは、60〜97モル%の範囲であることが好ましく、特に、70〜95モル%の範囲であることがより好ましい。
mは0〜30モル%の範囲であることが好ましく、特に1〜20モル%の範囲であることがより好ましい。
nは1〜25モル%が好ましい。
又、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体の分子量は1万〜5万の範囲が好ましい。
上記塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体で、単量比を変えたものは、市販品を使用することができる。
本願発明では、電荷発生層のバインダー樹脂として、前記塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体を用いることが好ましいが、該共重合体以外に、電荷発生層の全バインダー樹脂の50質量%以下で、ポリビニルブチラールやシリコーン変性ブチラール樹脂等の他のバインダー樹脂を併用してもよい。
バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
縮合多環顔料を平均長軸長さが25〜150nm、平均短軸長さが10〜50nmに調整するには、電荷発生層の塗布液を以下のような分散条件で分散することが好ましい。
即ち、該分散条件としては、下記のような条件1〜4が整うことが好ましい。
条件1.電荷発生層のバインダーに塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合重合体を用いること、
条件2.バインダー(BA)と縮合多環顔料(P)との比(BA:P)が、100:100〜800質量部が好ましく、更に、100:100〜500質量部が特に好ましい。
条件3.電荷発生層の分散塗布溶媒として、ケトン系溶媒が好ましい。例えば、2−ブタノン、シクロヘキサノン、アセトン、メチルイソブチルケトン等が好ましい。また、これら溶媒にエステル系溶媒、或いはエーテル系溶媒を混合して用いてもよい。例えば、酢酸エチル、酢酸t−ブチル等或いはテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。
条件4.分散方法
分散方法としては、例えば、超音波分散、ボールミル分散やビーズミル分散等が挙げられるが、特に、分散ビーズを用いたビーズミル分散が好ましい。
条件1.電荷発生層のバインダーに塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合重合体を用いること、
条件2.バインダー(BA)と縮合多環顔料(P)との比(BA:P)が、100:100〜800質量部が好ましく、更に、100:100〜500質量部が特に好ましい。
条件3.電荷発生層の分散塗布溶媒として、ケトン系溶媒が好ましい。例えば、2−ブタノン、シクロヘキサノン、アセトン、メチルイソブチルケトン等が好ましい。また、これら溶媒にエステル系溶媒、或いはエーテル系溶媒を混合して用いてもよい。例えば、酢酸エチル、酢酸t−ブチル等或いはテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。
条件4.分散方法
分散方法としては、例えば、超音波分散、ボールミル分散やビーズミル分散等が挙げられるが、特に、分散ビーズを用いたビーズミル分散が好ましい。
ビーズミル分散の好ましい条件
ビーズの種類:直径0.2〜0.8mmのガラスビーズ
分散容器中のビーズの充填率(分散容器中に占めるビーズの見かけの体積%):70〜90%
分散容器中の分散ディスク回転数:600〜1500rpm
分散時間:10〜70時間
本願発明に係わる電荷発生層塗布液のチキソトロピー現象とは、図5のチキソトロピー現象の概念図に示すように、ずり速度を往復させると流動曲線(ずり速度−粘度曲線)がヒステリシスを示す現象をさす。
ビーズの種類:直径0.2〜0.8mmのガラスビーズ
分散容器中のビーズの充填率(分散容器中に占めるビーズの見かけの体積%):70〜90%
分散容器中の分散ディスク回転数:600〜1500rpm
分散時間:10〜70時間
本願発明に係わる電荷発生層塗布液のチキソトロピー現象とは、図5のチキソトロピー現象の概念図に示すように、ずり速度を往復させると流動曲線(ずり速度−粘度曲線)がヒステリシスを示す現象をさす。
しかしながら、上記流動曲線の非ニュートン流動性が増加すると、顔料分散系の電荷発生層塗布液では、殆どの場合ヒステリシス現象を発生するので、本願発明では、後述の実施例で記載するチキソトロピー係数を用いて、本願発明に係わるチキソトロピー現象を評価した。
本発明に係わる有機感光体は、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する有機感光体であり、該電荷発生層中に、平均長軸長さが25〜150nm、平均短軸長さが10〜50nmの縮合多環顔料を含有することを特徴とするが、これらの構成を有する有機感光体の構成について以下に記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明の有機感光体の層構成は、例えば、以下に示すような層構成が挙げられる;
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成;
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層した構成;
3)上記1)又は、2)の感光体の感光層上にさらに表面保護層を形成した構成。
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成;
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層した構成;
3)上記1)又は、2)の感光体の感光層上にさらに表面保護層を形成した構成。
感光体が上記いずれの構成を有する場合であってもよい。又、本発明の感光体はいずれの構成を有する場合であっても、導電性支持体上に感光層の形成に先だって、下引層(中間層)が形成されていてもよい。
電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
次に、有機感光体の層構成を上記1)の構成を中心にして記載する。
導電性支持体
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙やプラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ω・cm以下が好ましい。本発明の導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明に用いられる中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
N型半導性粒子は数平均一次粒径が3.0〜200nmの範囲の微粒子を用いる。特に、5nm〜100nmが好ましい。数平均一次粒径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。数平均一次粒径が3.0nm未満のN型半導性粒子は中間層バインダー中での均一な分散ができにくく、凝集粒子を形成しやすく、該凝集粒子が電荷トラップとなって残電上昇が発生しやすい。一方、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は中間層の表面に大きな凹凸を作りやすく、これらの大きな凹凸を通してドット画像が劣化しやすい。又、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は分散液中で沈澱しやすく、凝集物が発生しやすく、その結果、ドット画像が劣化しやすい。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形及びアモルファス形等があるが、中でもルチル形酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料は、中間層を通過する電荷の整流性を高め、即ち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させ、残留電位の増大を防止すると共に、ドット画像の劣化を防止することができ、本発明のN型半導性粒子として最も好ましい。
N型半導性粒子はメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理されたものが好ましい。該メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の分子量は1000〜20000のものが表面処理効果が高く、その結果、N型半導性粒子の整流性分散性を高め、このN型半導性粒子を含有する中間層を用いることにより、黒ポチ発生が防止され、又、良好なドット画像の再現性に効果がある。
メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体とは−(HSi(CH3)O)−の構造単位とこれ以外の構造単位(他のシロキサン単位のこと)の共重合体が好ましい。他のシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位及びジエチルシロキサン単位等が好ましく、特にジメチルシロキサンが好ましい。共重合体中のメチルハイドロジェンシロキサン単位の割合は10〜99モル%、好ましくは20〜90モル%である。
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいがランダム共重合体及びブロック共重合体が好ましい。又、共重合成分としてはメチルハイドロジェンシロキサン以外に、一成分でも二成分以上でもよい。
本発明に用いられる中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等のN型半導性粒子の他にバインダー樹脂、分散溶媒等から構成される。
N型半導性粒子の中間層中での比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で1.0〜2.0倍が好ましい。中間層中でこのような高密度で本発明のN型半導性粒子を用いることにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇やドット画像の劣化を効果的に防止でき、良好な有機感光体を形成することができる。又、このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、N型半導性粒子を100〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、前記した6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が知られているが、これ以外にも下記のような成分を有するポリアミドも好ましく用いることができる。
上記ポリアミドN−1からN−5中の成分比はモル%で表示している。
又、ポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、黒ポチの発生やドット画像の劣化を起こしやすい。
上記ポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル−デグサ(株)製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができるが、以下に合成例の一例を挙げる。
上記ポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明の中間層の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。中間層の膜厚が0.5μm未満では、黒ポチ等が発生しやすく、ドット画像の劣化を起こしやすい。10μmを超えると、残留電位の上昇が発生しやすく、ドット画像が劣化しやすい。中間層の膜厚は0.5〜5μmがより好ましい。
又、上記中間層は実質的に絶縁層であることが好ましい。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×108Ω・cm以上である。本発明の中間層及び保護層の体積抵抗は1×108〜1015Ω・cmが好ましく、1×109〜1014Ω・cmがより好ましく、更に好ましくは、2×109〜1×1013Ω・cmである。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108Ω・cm未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、有機感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108Ω・cm未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、有機感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
前記した電荷発生層の構成を用いる。
前記した電荷発生層の構成を用いる。
電荷輸送層
本発明では電荷輸送層は1層でも、複数層で構成してもよい。
本発明では電荷輸送層は1層でも、複数層で構成してもよい。
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては、公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。中でも、400〜500nmの波長領域に吸収を有しない、下記一般式(3)のような電荷輸送物質が好ましい。
(一般式(3)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル基又はアリール基を表し、R1とR2が一体となって、環構造を形成してもよい。R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Ar1〜Ar4は各々置換又は無置換のアリール基を表す。Ar1〜Ar4はそれぞれ同一でも異なってもよい。又、Ar1とAr2、Ar3とAr4が結合して環構造を形成してもよい。m、nは1〜4の整数を表す。)
前記一般式(3)の具体的な化合物例を下記に示す。
前記一般式(3)の具体的な化合物例を下記に示す。
合成例4(CTM−6)
200mlの4頭コルベンに冷却管、温度計、窒素導入管を装着し、マグネチックスターラーをセットする。この系内を減圧し、完全に窒素置換を行う。このコルベンに(a)を8.1g、(b)を12.0g、K2CO3を16g、Cu粉を8.0g、ニトロベンゼンを40ml、順次投入し、撹拌をしながら、190℃30時間反応させた。その後、上記反応液を水蒸気蒸留で処理した後、これをヘキサン/トルエン(4/1)の展開溶媒を用いて、カラムクロマトグラフィにて、分離精製を行い目的物のCTM−6を12g得た。この目的物の確認は質量分析及びNMRで確認できた。
これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
電荷輸送層の合計膜厚は、10〜30μmが好ましい。該合計膜厚が10μm未満では、現像時の潜像電位を十分に獲得しにくく、画像濃度の低下やドット再現性の劣化が発生しやすく、又、30μmを超えると、電荷キャリアの拡散(電荷発生層で発生した電荷キャリアの拡散)が大きくなり、ドット再現性が劣化しやすい。また、電荷輸送層を複層で形成した場合、表面層となる電荷輸送層の膜厚は1.0〜8.0μmが好ましい。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の人体や生態系への影響がより小さい溶媒が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に有機感光体を製造するための塗布方法としては、スライドホッパー型塗布装置の他に、浸漬塗布、スプレー塗布等の塗布方法が用いられる。
上記塗布液供給型の塗布装置の中でもスライドホッパー型塗布装置を用いた塗布方法は、前記した低沸点溶媒を用いた分散液を塗布液として用いる場合に最も適しており、円筒状の感光体の場合は特開昭58−189061号公報等に詳細に記載されている円形スライドホッパー型塗布装置等を用いて塗布することが好ましい。
又、本発明に係わる感光体の表面層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。表面層は感光体の帯電時の活性ガス、例えばNOxやオゾン等で酸化されやすく、画像ボケが発生しやすいが、酸化防止剤を共存させることにより、画像ボケの発生を防止することが出来る。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
次に、本発明に係わる有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルター処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光除電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いる。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜50μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、600dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
上記半導体レーザの像露光光源としては、面発光レーザアレイを用いることもできる。面発光レーザアレイとは、図4で示すように、少なくとも、縦横各々に3本以上のレーザビーム発光点(L)を有しているものをいう。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
本発明の有機感光体上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。
より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
なお、トナーの体積平均粒径、即ち、上記50%体積粒径(Dv50)は2〜9μm、より好ましくは3〜7μmであることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
本発明に係わるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、ローラ対63を通って排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、前記図1の説明で用いたような、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いることができる。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜50μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、600dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。又、前述した面発光レーザアレイを用いることもできる。又、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの等も用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図3は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンター)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(一次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
二次転写ローラ5bで、二次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、二次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに二次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラ5bに印加される。この二次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(二次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
下記の様に感光体1を作製した。
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、十点表面粗さRz=0.7(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部(1.00体積部)
N型半導性粒子:ルチル形酸化チタンA1(一次粒径35nm;メチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)を用い、酸化チタン全質量の5質量%の量で表面処理したもの) 3.5部(1.0体積部)
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部(1.00体積部)
N型半導性粒子:ルチル形酸化チタンA1(一次粒径35nm;メチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)を用い、酸化チタン全質量の5質量%の量で表面処理したもの) 3.5部(1.0体積部)
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
前記導電性支持体上に、上記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚1.0μmの中間層を形成した。
〈電荷発生層:CGL〉
電荷発生物質(CGM):前記合成例1のCGM−2の化合物 3部
バインダー:塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂(l:m:n=91:2:7(モル%)、分子量:2.2万) 1部
2−ブタノン/シクロヘキサノン(体積比4/1)混合液 70部
上記組成物を混合し、下記分散条件で分散し、電荷発生物質の平均粒子径が50nm〜200nmとなったことを確認し、電荷発生層塗布液を作製した。この塗布液を前記中間層上に乾燥膜厚0.3μmとなる様に浸漬塗布法で塗布し、80℃50分の乾燥を行い、電荷発生層を形成した。
電荷発生物質(CGM):前記合成例1のCGM−2の化合物 3部
バインダー:塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂(l:m:n=91:2:7(モル%)、分子量:2.2万) 1部
2−ブタノン/シクロヘキサノン(体積比4/1)混合液 70部
上記組成物を混合し、下記分散条件で分散し、電荷発生物質の平均粒子径が50nm〜200nmとなったことを確認し、電荷発生層塗布液を作製した。この塗布液を前記中間層上に乾燥膜厚0.3μmとなる様に浸漬塗布法で塗布し、80℃50分の乾燥を行い、電荷発生層を形成した。
分散条件
分散:ビーズミル分散
分散装置:寿工業(株)製ウルトラアペックスミル(冷却水循環機構付き)で回転するディスク及びビーズにより組成物(分散液のこと)に切断シェアを与えながら循環式で分散した。
分散:ビーズミル分散
分散装置:寿工業(株)製ウルトラアペックスミル(冷却水循環機構付き)で回転するディスク及びビーズにより組成物(分散液のこと)に切断シェアを与えながら循環式で分散した。
ビーズの種類:直径0.5mmΦのガラスビーズ
分散容器中のビーズの充填率:80%
分散容器中の分散ディスク周速:3m/sec
液温:10〜15℃
分散時間:40時間
〈電荷輸送層(CTL)〉
電荷輸送物質(CTM):例示化合物CTM−1 225部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(下記AO−1) 6部
THF/トルエン混合液(体積比3/1混合) 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚20.0μmの電荷輸送層1を形成し、感光体1を作製した。
分散容器中のビーズの充填率:80%
分散容器中の分散ディスク周速:3m/sec
液温:10〜15℃
分散時間:40時間
〈電荷輸送層(CTL)〉
電荷輸送物質(CTM):例示化合物CTM−1 225部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(下記AO−1) 6部
THF/トルエン混合液(体積比3/1混合) 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚20.0μmの電荷輸送層1を形成し、感光体1を作製した。
感光体2〜11の作製
感光体1の作製において、電荷発生層塗布液の電荷発生物質、バインダー、分散時間等の条件、電荷輸送物質等を表1のように変更した以外は同様にして、感光体2〜11を作製した。
感光体1の作製において、電荷発生層塗布液の電荷発生物質、バインダー、分散時間等の条件、電荷輸送物質等を表1のように変更した以外は同様にして、感光体2〜11を作製した。
感光体12の作製
感光体1の作製において、電荷発生層のバインダー樹脂をポリビニルブチラール樹脂(下記バインダーD)に変更した以外は同様にして感光体12を作製した。
感光体1の作製において、電荷発生層のバインダー樹脂をポリビニルブチラール樹脂(下記バインダーD)に変更した以外は同様にして感光体12を作製した。
感光体13〜16(比較例)の作製
感光体1の作製において、電荷発生層の分散条件で、電荷発生層塗布液の電荷発生物質、バインダー、分散時間等の条件を表1のように変更した以外は同様にして感光体13〜16を作製した。
感光体1の作製において、電荷発生層の分散条件で、電荷発生層塗布液の電荷発生物質、バインダー、分散時間等の条件を表1のように変更した以外は同様にして感光体13〜16を作製した。
又、表1中のバインダーA〜Fは、下記のバインダーを示す。
バインダーA:塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂(l:m:n=91:2:7(モル%))、分子量:2.2万
バインダーB:塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂(l:m:n=88:3:9(モル%))、分子量:2.9万
バインダーC:塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂(l:m:n=87:2:11(モル%))、分子量:1.5万
バインダーD:ポリビニルブチラール(ブチラール基:アセチル基:水酸基=74:4:22(モル%))、分子量:2.3万
評価
「評価1」(平均長軸長さ、平均短軸長さ、平均長軸長さの2倍以上の顔料粒子含有量)
前記表1に示した感光体1〜16の電荷発生層の塗布液をガラス板上に塗布乾燥し、本発明に係わる平均長軸長さ、平均短軸長さ、平均長軸長さの2倍以上の顔料粒子の含有量等の測定用の試料を作製し、これらの値を前記した測定方法で測定した。
バインダーA:塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂(l:m:n=91:2:7(モル%))、分子量:2.2万
バインダーB:塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂(l:m:n=88:3:9(モル%))、分子量:2.9万
バインダーC:塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂(l:m:n=87:2:11(モル%))、分子量:1.5万
バインダーD:ポリビニルブチラール(ブチラール基:アセチル基:水酸基=74:4:22(モル%))、分子量:2.3万
評価
「評価1」(平均長軸長さ、平均短軸長さ、平均長軸長さの2倍以上の顔料粒子含有量)
前記表1に示した感光体1〜16の電荷発生層の塗布液をガラス板上に塗布乾燥し、本発明に係わる平均長軸長さ、平均短軸長さ、平均長軸長さの2倍以上の顔料粒子の含有量等の測定用の試料を作製し、これらの値を前記した測定方法で測定した。
「評価2」(塗布液のチキソトロピー現象の有無)
チキソトロピー係数で評価
上記電荷発生層塗布液を溶媒量を調整し、固形分は5.0質量%とし、液温度は25℃にてMCR300(Anton−Paar社製)で評価し、チキソトロピー現象の発生の有無を評価した。チキソトロピー現象の尺度として、チキソトロピー係数(TI)を用いた。チキソトロピー係数は次式で定義される。
チキソトロピー係数で評価
上記電荷発生層塗布液を溶媒量を調整し、固形分は5.0質量%とし、液温度は25℃にてMCR300(Anton−Paar社製)で評価し、チキソトロピー現象の発生の有無を評価した。チキソトロピー現象の尺度として、チキソトロピー係数(TI)を用いた。チキソトロピー係数は次式で定義される。
TI=(η1−η2)/log(Ω1/Ω2)
ここで、η1、η2は、それぞれずり速度(1/秒)がΩ1(=19.2[1/秒])、Ω2(=610[1/秒])における粘度(mPa・s)である。
ここで、η1、η2は、それぞれずり速度(1/秒)がΩ1(=19.2[1/秒])、Ω2(=610[1/秒])における粘度(mPa・s)である。
チキソトロピー現象の発生は、上記の評価で、
○:TI≦1.0で、チキソトロピー現象の発生なしと判定
×:TI>1.0で、チキソトロピー現象の発生ありと判定
尚、上記チキソトロピー係数は、流動曲線の往路と復路で測定できるが、上記評価は往路で評価した。
○:TI≦1.0で、チキソトロピー現象の発生なしと判定
×:TI>1.0で、チキソトロピー現象の発生ありと判定
尚、上記チキソトロピー係数は、流動曲線の往路と復路で測定できるが、上記評価は往路で評価した。
「評価3」(塗布液安定性の評価)
塗布液安定性の評価は、CGL塗布液を、5℃で48時間保存(低温保存)、及び30℃で48時間保存(高温保存)を行いそれぞれの24時間、48時間後の変化の有無を評価した。
塗布液安定性の評価は、CGL塗布液を、5℃で48時間保存(低温保存)、及び30℃で48時間保存(高温保存)を行いそれぞれの24時間、48時間後の変化の有無を評価した。
塗布液安定性の評価基準
◎:48時間保存まで、低温保管或いは高温保存とも保存中の変化がなく、全く問題ない(良好)
○:24時間まで、低温保管或いは高温保存とも保存中の変化がない(実用可能レベルである)
×:24時間以内で、低温保管時或いは高温保管時に顔料の沈降が発生し、電荷発生層の均一な塗布ができない(実用的に問題あり)
評価結果を下記表2にまとめた。
◎:48時間保存まで、低温保管或いは高温保存とも保存中の変化がなく、全く問題ない(良好)
○:24時間まで、低温保管或いは高温保存とも保存中の変化がない(実用可能レベルである)
×:24時間以内で、低温保管時或いは高温保管時に顔料の沈降が発生し、電荷発生層の均一な塗布ができない(実用的に問題あり)
評価結果を下記表2にまとめた。
「評価4」(感度の評価)
基本的に図2の構成を有するフルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)改造機(像露光光源に405nmのレーザ光を使用し、更に、現像手段を外し、その位置に、表面電位計を設置し、感光体表面の電位を測定可能なように改造した。)を用い、感光体の表面電位を−700Vになるように帯電し、露光して、表面電位が−350Vまで減衰するのに必要な光量を測定し、感度(E1/2:μJ/cm2)を求めた。
基本的に図2の構成を有するフルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)改造機(像露光光源に405nmのレーザ光を使用し、更に、現像手段を外し、その位置に、表面電位計を設置し、感光体表面の電位を測定可能なように改造した。)を用い、感光体の表面電位を−700Vになるように帯電し、露光して、表面電位が−350Vまで減衰するのに必要な光量を測定し、感度(E1/2:μJ/cm2)を求めた。
「評価5」(画像むら)
上記「フルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザを使用)のビーム径を15μmにし、以下のようにして評価した。
全画面の10%、30%を被覆する2400dpiの網状スクリーン画像を作製し、以下の評価基準により評価した。評価環境は、30℃80%RHの条件で、YMCBk各色印字率2.5%のA4画像を中性紙のA4紙に5万枚等の画出し耐刷試験を行った。
上記「フルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザを使用)のビーム径を15μmにし、以下のようにして評価した。
全画面の10%、30%を被覆する2400dpiの網状スクリーン画像を作製し、以下の評価基準により評価した。評価環境は、30℃80%RHの条件で、YMCBk各色印字率2.5%のA4画像を中性紙のA4紙に5万枚等の画出し耐刷試験を行った。
◎:画像ムラの発生がみられず問題なし
○:画像ムラの発生が部分的にみられるが、濃度差も小さく、実用上問題ないレベル
×:画像ムラが全面にみられ、実用上問題となるレベル
「評価6」(ドット画像の再現性)
上記「フルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザを使用)のビーム径を、30μm、15μm、10μmと変化させ、各々、800dpi、1600dpi、2400dpiの露光を行って、各感光体の高密度のドット再現性(トナー像)を評価した。
○:画像ムラの発生が部分的にみられるが、濃度差も小さく、実用上問題ないレベル
×:画像ムラが全面にみられ、実用上問題となるレベル
「評価6」(ドット画像の再現性)
上記「フルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザを使用)のビーム径を、30μm、15μm、10μmと変化させ、各々、800dpi、1600dpi、2400dpiの露光を行って、各感光体の高密度のドット再現性(トナー像)を評価した。
評価基準は下記で行った。
ハーフトーン画像を作製し、5万枚の印刷を通して、評価した。
◎:800dpi〜2400dpi迄、各dpiのハーフトーン画像が明瞭に(各ドットが独立して)再現されている(高画質特性が非常に良好)。
○:800dpi〜1200dpi迄、各dpiのハーフトーン画像が明瞭に再現されているが、2400dpiのハーフトーン画像は明瞭さ(各ドットの独立性)が不十分(高画質特性が良好)。
△:800dpiのハーフトーン画像が明瞭に再現されているが、1200及び2400dpiのハーフトーン画像は明瞭さが不十分(高画質特性がやや不十分)。
×:800dpi、1200及び2400dpiのハーフトーン画像は明瞭さが不十分(高画質特性が不十分)。
表1、表2よりより明らかなように、電荷発生層が、本願発明内の粒径特性を有する縮合多環顔料を含有する有機感光体1〜12は、電荷発生層塗布液のチキソトロピー現象の発生もなく、塗布液安定性が良好であり、その結果、画像むらの発生もなく、優れた感度特性を有し、405nmの短波長レーザ光を用いての画像評価においてもハーフトーンでのドットラインの再現性も優れている。
一方、本願発明外の粒径特性を有する縮合多環顔料を含有する有機感光体13〜16は、上記評価項目のいずれかにおいて、評価特性の劣化が見られる。
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
L 発光点
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
L 発光点
Claims (7)
- 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する有機感光体において、該電荷発生層中に、平均長軸長さが25〜150nm、平均短軸長さが10〜50nmの縮合多環顔料を含有することを特徴とする有機感光体。
- 前記平均長軸長さの2倍以上の縮合多環顔料の含有量が縮合多環顔料全体の20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
- 前記電荷発生層が、少なくとも前記縮合多環顔料の電荷発生物質とバインダー樹脂を含有し、該バインダー樹脂が塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合重合体であることを特徴とする請求項3に記載の有機感光体。
- 前記塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合重合体のビニルアルコール成分が2〜25モル%であることを特徴とする請求項4に記載の有機感光体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体と、前記有機感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電手段により帯電された有機感光体に露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記有機感光体から転写媒体に転写する転写手段とを備えており、前記露光手段が350〜500nmの波長域の単色光を露光光源として備えていることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項6に記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが、少なくとも請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体と帯電手段、像露光手段、現像手段の少なくとも1つを一体として有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に構成されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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2010
- 2010-02-08 JP JP2010025296A patent/JP2011164254A/ja active Pending
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